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発明の名称 原子炉格納設備及びその圧力制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3199(P2007−3199A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180241(P2005−180241)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
発明者 白濱 寿敏 / 松浦 正義
要約 課題
本発明は、ドライウェル(上部空間)側からウエットウェル(下部空間)側への蒸気の漏洩を防止し、コンデンサの除熱作用を継続できる原子炉格納設備を提供することにある。

解決手段
本発明は、原子炉格納容器1内に上部空間(ドライウェル)2と下部空間3とを有し、非常炉心注水系を起動させる注水系起動手段と、前記上部空間2と前記下部空間3との差圧を検出する圧力検出手段(18)とを備え、前記注水系起動手段からの起動信号と前記圧力検出手段からの前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも高くなったことを示す信号とを条件に前記真空破壊弁を強制的に閉弁する閉弁機構(29,30,31)を設けたのである。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉圧力容器が収容された上部空間と、サプレッションプールを形成した下部空間と、前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも低くなったときに開放する真空破壊弁と、非常時に前記上部空間内に放出された蒸気を回収し非凝縮性ガスを前記下部空間へ導くコンデンサと、非常時に前記原子炉圧力容器内に冷却水の注入を行う非常炉心注水系とを備えた原子炉格納設備において、前記非常炉心注水系を起動させる注水系起動手段と、前記上部空間と前記下部空間との差圧を検出する圧力検出手段とを備え、前記注水系起動手段からの起動信号と前記圧力検出手段からの前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも高くなったことを示す信号とを条件に前記真空破壊弁を強制的に閉弁する閉弁機構を設けたことを特徴とする原子炉格納設備。
【請求項2】
前記真空破壊弁を強制的に閉弁する閉弁機構は、前記注水系起動手段からの起動信号と前記圧力検出手段からの前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも高くなったことを示す信号及び手動操作による強制閉信号とを条件に閉弁動作を行うように構成されていることを特徴とする請求項1記載の原子炉格納設備。
【請求項3】
原子炉圧力容器が収容された上部空間と、サプレッションプールを形成した下部空間と、前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも低くなったときに開放する真空破壊弁と、非常時に前記原子炉圧力容器内に冷却水の注入を行う非常炉心注水系とを備えた原子炉格納設備の圧力制御方法において、前記非常炉心注水系の起動時と前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも高くなった時とが重なった時に前記真空破壊弁を強制的に閉じるようにした原子炉格納設備の圧力制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は原子力発電プラントにおける原子炉格納設備及びその圧力制御方法に係り、特に、原子炉圧力容器が収容された上部空間とサプレッションプールを形成した下部空間に真空破壊弁を備えた原子炉格納設備及びその圧力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の原子力発電プラントにおける原子炉格納設備は、冷却材喪失事故時に生じる原子炉圧力容器が収容された上部空間(ドライウェル)の圧力上昇や水頭圧を利用して原子炉格納容器の冷却及び炉心へ冷却水を注水する静的非常炉心注水系が備えてある。そして、単純沸騰水型発電設備の静的非常炉心注水系として、静的格納容器冷却系と重力落下式炉心冷却系がある。
【0003】
単純沸騰水型発電設備の静的格納容器冷却系は、図5に示すように構成されている。炉心5を収納する原子炉圧力容器6に接続される図示しない配管が破壊された場合、蒸気が上部空間である上部空間(ドライウェル)2内に放出される。放出された蒸気は、蒸気入口配管11を通じてドライウェル2の上部に形成された頂上空間4内のコンデンサ10に移送されて冷却され、凝縮された水は戻り配管12を通じてドライウェル2内の重力落下式炉心冷却系のプール7(又は原子炉圧力容器6)に戻している。前記コンデンサ10には、発生した非凝縮性の気体を下部空間3内のサプレッションプールへ導くベントライン13を設けている。
【0004】
このような構成において、静的格納容器冷却系の駆動水頭圧は、ドライウェル2と下部空間3内を連通するベント管14の下端と前記サプレッションプールの水面間の水位差Δh1となる。
【0005】
一方、単純沸騰水型発電設備の重力落下式炉心冷却系は、冷却材喪失事故等で原子炉圧力容器6から放出された蒸気を、連通管9を通して重力落下式炉心冷却系のプール7内の空間部に導き、ドライウェル2とプール7内の空間圧力を均圧化させることにより、原子炉圧力容器6とプール7の水位差Δh2を利用してプール7が保有する冷却水を、注入配管8を介して原子炉圧力容器6内に注水する構成としている。
【0006】
上記従来の技術においては、静的非常炉心注水系の作動時や苛酷事故対策設備として設置された格納容器スプレイ(図示せず)の作動により、ドライウェル2内に放出された蒸気が冷却されて凝縮し、それによって下部空間3内のサプレッションプールの水面上の空間(ウエットウェル3A)に対してドライウェル4内が過度に負圧となって原子炉格納容器1が損傷しないように、ドライウェル2とウエットウェル3A間に真空破壊弁15を設けている。
【0007】
前記真空破壊弁15は、図6に示すように、弁体20とその弁座となるフランジプレート21とを備え、ドライウェル2がウエットウェル3Aに対して負圧になったとき、弁対20が圧力差によって開き、ドライウェル2とウエットウェル3Aの均圧化を図っている。
【0008】
このような真空破壊弁15には、弁の確実なる作動を定例試験時に確認するために、支軸22に軸支されたアーム23の一端が弁体20に連結され、他端がシリンダ24内を移動するピストン25に連結されている。そしてシリンダ24のピストン25を境とした一方側(図中右側)には、テスト用配管26を介してテスト用隔離電磁弁27,テスト用三方電磁弁28,作動ガス源が接続されている。そして、作動ガス源から例えば圧縮された窒素ガスをテスト用配管26を介してシリンダ24内に供給することで、ピストン25及びアーム23を介して、弁体20をフランジプレート21から引き離して真空破壊弁15を強制的に開放できるのである。またシリンダ24のピストン25を境とした他方側(図中左側)には、配管29を介して隔離電磁弁30,三方電磁弁31,作動ガス源が接続されている。そして、そして、作動ガス源から例えば圧縮された窒素ガスを配管29を介してシリンダ24内に供給することで、ピストン25及びアーム23を介して、弁体20をフランジプレート21に押付けて真空破壊弁15を強制的に閉じ、苛酷事故時に原子炉圧力容器6及びドライウェル2に冷却水を注水する際に、ドライウェル2内の機密性を高め、設備内保有水の有効利用を図っている。
【0009】
上記真空破壊弁と同等の技術は、例えば特許文献1に記載されている。
【0010】
【特許文献1】特開2001−183487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記従来における原子炉格納設備は、原子炉液層部から大量の破断流量があると、放出された蒸気の凝縮によりドライウェル2内の圧力が急激に低下し、ウエットウェル3Aに対して負圧となるので真空破壊弁15が開放する。また、原子炉格納容器1の格納容器スプレイ(図示せず)等を作動させた場合にも、同様にドライウェル2内の圧力が急激に低下するので真空破壊弁15が開放する。
【0012】
真空破壊弁15が開放された後も引き続き原子炉圧力容器6から蒸気の放出があると、ドライウェル2と下部空間のウエットウェル3Aには、ベント管14の水位差Δh1に相当する圧力差が生じる。この状態で、ドライウェル2からウエットウェル3Aに、真空破壊弁15を通じた内包気体の漏洩が生じた場合には、ドライウェル2側の蒸気がウエットウェル3A側に流出するので、ウエットウェル3Aの圧力が上がり水位差Δh1が小さくなる。静的格納容器冷却系は原子炉格納容器1の熱除去に際して、コンデンサ10内に取り込んだ蒸気に含まれる非凝縮性ガスを、前記水位差Δh1を利用して下部空間3内のサプレッションプールへ導くように構成されているため、水位差Δh1が小さくなると、非凝縮性ガスの排出が行えず、コンデンサ10内に非凝縮性ガスが蓄積されるので、コンデンサ10の除熱作用を停止させる問題が生じる。
【0013】
本発明の目的は、ドライウェル(上部空間)側からウエットウェル(下部空間)側への蒸気の漏洩を防止し、コンデンサの除熱作用を継続できる原子炉格納設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記目的を達成するために、原子炉圧力容器が収容された上部空間と、サプレッションプールを形成した下部空間と、前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも低くなったときに開放する真空破壊弁と、非常時に前記上部空間内に放出された蒸気を回収して除熱し凝縮された水を前記上部空間内に戻し非凝縮性ガスを前記下部空間へ導くコンデンサと、非常時に前記上部空間内に冷却水の注入を行う非常炉心注水系とを備えた原子炉格納設備において、前記非常炉心注水系を起動させる注水系起動手段と、前記上部空間と前記下部空間との差圧を検出する圧力検出手段とを備え、前記注水系起動手段からの起動信号と前記圧力検出手段からの前記上部空間の圧力が前記下部空間の圧力よりも高くなったことを示す信号とを条件に前記真空破壊弁を強制的に閉弁する閉弁機構を設けたのである。
【0015】
上記のように注水系起動手段からの起動信号と上部空間の圧力が下部空間の圧力よりも高くなったことを示す信号とを条件に真空破壊弁を強制的に閉弁することで、注水起動手段の作動時における上部空間から下部空間への上記の流出を防止することができ、これによって上部空間から下部空間の間に発生した圧力差を利用しコンデンサ内の非凝縮性ガスを下部空間へ導くことができ、コンデンサの除熱作用を促進することができるのである。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、ドライウェル(上部空間)側からウエットウェル(下部空間)側への蒸気の漏洩を防止し、コンデンサの除熱作用を継続できる原子炉格納設備を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明による原子炉格納設備を図1に基づいて説明する。尚、図5と同一符号は、同一部品を示すので、再度の詳細な説明は省略する。
【0018】
原子炉格納容器1は、上部空間(ドライウェル)2と、その下側の下部空間3と、上部空間2の上方に形成された頂部空間4とを有している。
【0019】
ドライウェル2内には、炉心5を収容した原子炉圧力容器6と、この格納容器6よりも上方に配置された重力落下式炉心冷却系のプール7が設置されており、プール7からは注入配管8を介して原子炉圧力容器6内に注水されるように構成されている。また、プール7と原子炉圧力容器6とは、原子炉圧力容器6内と同圧となるように、連通管9で連通している。
【0020】
頂部空間4内には、コンデンサ10が設置されており、コンデンサ10には、ドライウェル2に開口する蒸気入口配管11が接続されており、また、凝縮水を前記プール7に戻す戻り配管12が接続されている。さらに、コンデンサ10からは、下部空間3に延在するベントライン13が接続されている。
【0021】
前記ドライウェル2の下部からは、先端が前記下部空間3内のサプレッションプールに至る連通するベント管14が接続されている。そして、前記ドライウェル2と前記下部空間3のサプレッションプールの水面上の空間であるウエットウェル3Aとは、真空破壊弁15を介して連通している。
【0022】
このほか、前記ドライウェル2内の圧力を検出する圧力計16と、ウエットウェル3A内の圧力を検出する圧力計17と、これら圧力計16,17の圧力を比較する差圧計18とが設けられており、前記真空破壊弁15は、前記差圧計18の計測値が所定値を超えた場合で、強制的に閉弁するように構成されている。さらに、前記真空破壊弁15は、前記差圧計18の計測値に基づいて閉弁するほか、冷却材喪失事故時に原子炉格納容器の冷却及び炉心へ冷却水を注水する静的非常炉心注水系の作動を条件に閉弁するように構成されている。尚、前記静的非常炉心注水系の構成及び動作は、既述の静的格納容器冷却系と重力落下式炉心冷却系及びの通りであり、原子炉格納設備の動作も基本的に既述の通りである。
【0023】
また、真空破壊弁15は、図2に示すように、基本構成は、図6に示す従来の真空破壊弁15と同じ構成であり、したがって、図6と同一符号は、同一部品を示すので、再度の詳細な説明は省略する。しかしながら、真空破壊弁15を強制的に開閉するためにテスト用隔離電磁弁27,テスト用三方電磁弁28及び隔離電磁弁30,三方電磁弁31を駆動する信号が従来と大きく異なる。
【0024】
即ち、ドライウェル2内の圧力からウエットウェル3A内の圧力を差し引いた圧力が正圧、云い代えればドライウェル2内の圧力がウエットウェル3A内の圧力より高い場合に真空破壊弁15を強制的に閉弁させる強制閉信号を隔離電磁弁30,三方電磁弁31に送信して駆動する。この時の閉弁操作は、差圧計18での計測値が、ドライウェル2内の圧力からウエットウェル3A内の圧力を差し引いた圧力が正圧の場合、即ち、ウェル間差圧が正の場合、図3に示すように、静的非常炉心注水系である静的格納容器冷却系の動作信号(ECCS起動信号)の発生と共に、ウェル間差圧が正の信号の発生により、真空破壊弁15の強制閉信号が発せられ、この強制閉信号により隔離電磁弁30,三方電磁弁31を開いて圧縮機体である窒素ガスをシリンダ24内に供給し、弁体20をフランジプレート21に密着させることで真空破壊弁15は強制的に閉弁される。したがって、真空破壊弁15が開放された後も引き続き原子炉圧力容器6から蒸気の放出があって、ドライウェル2と下部空3間のウエットウェル3Aに、ベント管14の水位差Δh1に相当する圧力差が生じても真空破壊弁15を通じた内包気体の漏洩が生じることはなく、その結果、必要な水位差Δh1を維持できるので、コンデンサ10内に取り込んだ蒸気に含まれる非凝縮性ガスを、この水位差Δh1を利用して下部空間3内のサプレッションプールへ導くことができ、コンデンサ10の除熱作用を維持することができるのである。
【0025】
また、ウェル間差圧が負、云い代えればドライウェル2の圧力がウエットウェル3Aよりも低圧となった場合には、ウェル間差圧が正の信号の発生がなく、その結果、真空破壊弁15の強制閉が解除されることから、ウェル間差圧により真空破壊弁15は開弁する。尚、図示しない手動スイッチによるテスト信号により、テスト用隔離電磁弁27,テスト用三方電磁弁28を開いて真空破壊弁15を強制開している最中に、真空破壊弁15を強制閉する信号(ECCS起動信号とウェル間差圧が正の信号)が発生した場合には、テスト時の強制開信号を強制的にワイプアウトして、ECCS起動信号とウェル間差圧が正の信号を優先する。
【0026】
ところで、前記真空破壊弁15を強制的に閉弁させる代わりに、真空破壊弁15が開閉する通路に、別の電磁弁を設け、この電磁弁を緊急時に閉弁するようにしてもよい。
【0027】
図4は、静的格納容器冷却系の性能維持が要求される時間が、事故発生直後ではなく、事故発生後から所定時間経過後内に要求される場合の実施の形態を示すもので、図3に示す強制閉信号の条件としてのECCS起動信号とウェル間差圧が正の信号に、運転員による強制閉スイッチ操作による強制閉信号を加えたことを条件に真空破壊弁15の強制閉信号を発生させるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による原子炉格納設備の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】図1に用いられる真空破壊弁の構成を示すブロック図。
【図3】図2の真空破壊弁の開閉動作を指示する信号系を示すブロック図。
【図4】図3の信号系の変形例を示すブロック図。
【図5】従来による原子炉格納設備を示すブロック図。
【図6】図5に用いられる真空破壊弁の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0029】
1…原子炉格納容器、2…上部空間(ドライウェル)、3…下部空間、3A…ウエットウェル、4…頂部空間、5…炉心、6…原子炉圧力容器、7…プール、8…注入配管、9…連通管、10…コンデンサ、11…蒸気入口配管、12…戻り配管、13…ベントライン、14…ベント管、15…真空破壊弁、16,17…圧力計、18…差圧計、20…弁体、21…フランジプレート、23…アーム、24…シリンダ、25…ピストン、27…テスト用隔離電磁弁、28…テスト用三方電磁弁、30…隔離電磁弁、31…三方電磁弁。




 

 


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