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発明の名称 原子燃料集合体およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−232467(P2007−232467A)
公開日 平成19年9月13日(2007.9.13)
出願番号 特願2006−52396(P2006−52396)
出願日 平成18年2月28日(2006.2.28)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 山本 泰 / 師岡 慎一
要約 課題
原子燃料集合体の燃料棒の除熱特性を向上させる。

解決手段
原子燃料集合体は、正方角筒状のチャンネルボックス2内に正方格子状に配列された核燃料を収容した多数本の燃料棒3と核燃料を収容してないウォーターロッド4を有する。燃料棒3とウォーターロッド4の上下両端部は、上部タイプレート5と下部タイプレート6とによって固定され、その軸方向の中間部に設置された複数個の燃料スペーサ7で互いの間隔が保持されるように支持されている。また、原子燃料集合体は、最外周に位置する燃料棒3よりもチャンネルボックス2に近い位置に、燃料棒3と同じ方向に延びる水チューブ8を有していて、水チューブ8に下部タイプレート6付近から流入した冷却水は、水チューブ8の上端から最外周に位置する燃料棒3の近傍に放出され、燃料棒3の除熱特性を向上させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体において、
前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列され、その軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の燃料棒と、
前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサと、
前記燃料棒の下端を支持する下部タイプレートと、
前記燃料棒の上端を支持する上部タイプレートと、
前記燃料棒よりも前記チャンネルボックスに近い位置に配置され、前記燃料有効部よりも下方から前記燃料有効部の途中まで延びた管状の水チューブと、
を有することを特徴とする原子燃料集合体。
【請求項2】
前記燃料スペーサは、
前記チャンネルボックスの内面に沿って、全ての前記燃料棒を取り囲むバンドと、
前記バンドに取り囲まれた、前記燃料棒それぞれを個別に囲む円筒状の複数のセルと、
を有し、
前記水チャンネルは前記セルと前記バンドで囲まれる空隙を通っていることを特徴とする請求項1記載の原子燃料集合体。
【請求項3】
前記燃料スペーサは、
前記チャンネルボックスの内面に沿って、全ての前記燃料棒を取り囲むバンドと、
前記バンドの隣り合わない二辺の間に延び、前記バンドと接続する部分が二股に分かれているディバイダと、
を有し、
前記水チャンネルは前記ディバイダと前記バンドで囲まれる空隙を通っていることを特徴とする請求項1記載の原子燃料集合体。
【請求項4】
前記水チューブの上端は、前記チャンネルボックスの最も近い壁面から遠ざかる方向に曲がっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の原子燃料集合体。
【請求項5】
前記水チューブの上端は、前記曲がっていく方向から広がるように前記水チューブの内部を通った流体を放出する形状を備えていることを特徴とする請求項4記載の原子燃料集合体。
【請求項6】
前記燃料スペーサには、前記バンドの前記上部タイプレートに近い端部に前記チャンネルボックスの最も近い壁面から遠ざかる方向に曲がったフロータブが突出して設けられ、
前記水チューブの上端は、前記燃料スペーサの内部であって、前記フロータブの前記チャンネルボックスの軸方向への投影した領域に少なくとも一部の開口を有していることを特徴とする請求項2または請求項3記載の原子燃料集合体。
【請求項7】
前記複数の燃料棒には、少なくとも、第1の外径を有する第1の燃料棒と、第1の外径よりも大きな第2の外径を有する第2の燃料棒があって、
前記チャンネルボックスの内面に最も近い最外周位置に配置された燃料棒のうち、前記チャンネルボックスのコーナー部からの距離が所定の距離以下である位置には前記第1の燃料棒が配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか記載の原子燃料集合体。
【請求項8】
角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体において、
前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列され、その軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の燃料棒と、
前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサと、
前記燃料棒の下端を支持する下部タイプレートと、
前記燃料棒の上端を支持する上部タイプレートと、
を有し、
前記複数の燃料棒には、少なくとも、第1の外径を有する第1の燃料棒、第1の外径よりも大きな第2の外径を有する第2の燃料棒、および、第2の外径よりも大きな第3の外径を有する第3の燃料棒があって、
前記チャンネルボックスの内面に最も近い最外周位置に配置された燃料棒のうち、前記チャンネルボックスのコーナー部からの距離が所定の距離以下である位置には前記第1の燃料棒が配置されていて、
前記最外周位置であって前記第1の燃料棒が配置されていない位置、および、最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い第2層目位置には、前記第2の燃料棒は配置されていて、
前記第3の燃料棒は、前記第2の燃料棒よりも前記チャンネルボックス内面からの距離が遠い位置に配置されている
ことを特徴とする原子燃料集合体。
【請求項9】
角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体において、
前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列され、その軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の燃料棒と、
前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサと、
前記燃料棒の下端を支持する下部タイプレートと、
前記燃料棒の上端を支持する上部タイプレートと、
を有し、
前記チャンネルボックスの内面に最も近い燃料棒が配置される最外周位置と、前記最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第2層目位置との間隔は、前記第2層目位置と、前記第2層目位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第3層目位置との間隔よりも大きい
ことを特徴とする原子燃料集合体。
【請求項10】
前記複数の燃料棒には、少なくとも第1の外径を持った第1の燃料棒と、第1の外径よりも大きな第2の外径を持った第2の燃料棒があって、
前記最外周位置に配置された燃料棒のうち、前記チャンネルボックスのコーナー部からの距離が所定の距離以下である位置には前記第2の燃料棒が配置されている
ことを特徴とする請求項9記載の原子燃料集合体。
【請求項11】
角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体の製造方法において、
軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の燃料棒を製造する工程と、
前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサを製造する工程と、
下部タイプレートを製造する工程と、
上部タイプレートを製造する工程と、
前記燃料有効部よりも下方から前記燃料有効部の途中まで延びる長さの管状の水チューブを製造する工程と、
前記燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列する燃料スペーサ配列工程と、
前記下部タイプレートによって前記燃料棒の下端を支持するように組み立てる工程と、
前記上部タイプレートによって前記燃料棒の上端を支持するように組み立てる工程と、
前記燃料棒よりも前記チャンネルボックスに近い位置に前記水チューブを配置する水チューブ配置工程と、
を有することを特徴とする原子燃料集合体の製造方法。
【請求項12】
前記燃料スペーサ配列工程は、
前記前記水チューブの前記上部タイプレートに近い端部よりも前記下部タイプレートに近い前記燃料スペーサを配列する下部燃料スペーサ配列工程と、
前記下部燃料スペーサ配列工程で配列されない前記燃料スペーサを配列する上部燃料スペーサ配列工程と、
を有し、
前記水チューブ配置工程は、前記下部燃料スペーサ配列工程より後であって、前記上部燃料スペーサ配列工程より前であることを特徴とする請求項11記載の原子燃料集合体の製造方法。
【請求項13】
角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体の製造方法において、
軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の第1の燃料棒を製造する工程と、
軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の前記第1の燃料棒よりも大きな外径を有する第2の燃料棒を製造する工程と、
軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の前記第2の燃料棒よりも大きな外径を有する第3の燃料棒を製造する工程と、
前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記第1、第2および第3の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサを製造する工程と、
下部タイプレートを製造する工程と、
上部タイプレートを製造する工程と、
前記チャンネルボックスの内面に最も近い最外周位置にのうち、前記チャンネルボックスのコーナー部からの距離が所定の距離以下である位置に前記第1の燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配置する工程と、
前記最外周位置であって前記第1の燃料棒が配置されていない位置、および、最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い第2層目位置に前記第2の燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配置する工程と、
前記第2の燃料棒よりも前記チャンネルボックス内面からの距離が遠い位置に前記第3の燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配置する工程と、
前記下部タイプレートによって前記燃料棒の下端を支持するように組み立てる工程と、
前記上部タイプレートによって前記燃料棒の上端を支持するように組み立てる工程と、
を有することを特徴とする原子燃料集合体の製造方法。
【請求項14】
角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体の製造方法において、
軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の燃料棒を製造する工程と、
前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサを製造する工程と、
下部タイプレートを製造する工程と、
上部タイプレートを製造する工程と、
前記燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って、前記チャンネルボックスの内面に最も近い燃料棒が配置される最外周位置と、前記最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第2層目位置との間隔は、前記第2層目位置と、前記第2層目位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第3層目位置との間隔よりも広くなるように配列する工程と、
前記下部タイプレートによって前記燃料棒の下端を支持するように組み立てる工程と、
前記上部タイプレートによって前記燃料棒の上端を支持するように組み立てる工程と、
を有することを特徴とする原子燃料集合体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉に装荷される原子燃料集合体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、沸騰水型原子炉用燃料集合体は、正方角筒状のチャンネルボックス内に核燃料を収容した多数本の燃料棒と核燃料を収容してないウォーターロッドを正方格子状に配列している。燃料棒とウォーターロッドの上下両端部は、上部タイプレートと下部タイプレートとによって固定され、その軸方向の中間部に設置された複数個の燃料スペーサで互いの間隔が保持されるように支持されている。
【0003】
通常の原子炉運転中では、燃料集合体内において外周に配置された燃料棒(最外周燃料棒)は発熱量が大きいことから熱的裕度が低いため、その燃料棒へ冷却材を多く供給する必要がある。そこで、チャンネルボックス内面に付着した液膜や、チャンネルボックス内面近傍を流れる冷却材をバンドにより剥ぎ取り、フロータブによって外周燃料棒へ導くことにより、熱的裕度を大きくし、限界出力を向上させた燃料スペーサが考案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−57375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、燃料スペーサの個数を増加させて最外周燃料棒の除熱性能をさらに高めるようとすると、冷却材の圧力損失が増加する。また、燃料スペーサの形状を複雑にすると、コストアップの原因となってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、圧力損失の増大を抑えて原子燃料集合体の燃料棒の除熱特性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本発明は、角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体において、前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列され、その軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の燃料棒と、前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサと、前記燃料棒の下端を支持する下部タイプレートと、前記燃料棒の上端を支持する上部タイプレートと、前記燃料棒よりも前記チャンネルボックスに近い位置に配置され、前記燃料有効部よりも下方から前記燃料有効部の途中まで延びた管状の水チューブと、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体において、前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列され、その軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の燃料棒と、前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサと、前記燃料棒の下端を支持する下部タイプレートと、前記燃料棒の上端を支持する上部タイプレートと、を有し、前記複数の燃料棒には、少なくとも、第1の外径を有する第1の燃料棒、第1の外径よりも大きな第2の外径を有する第2の燃料棒、および、第2の外径よりも大きな第3の外径を有する第3の燃料棒があって、前記チャンネルボックスの内面に最も近い最外周位置に配置された燃料棒のうち、前記チャンネルボックスのコーナー部からの距離が所定の距離以下である位置には前記第1の燃料棒が配置されていて、前記最外周位置であって前記第1の燃料棒が配置されていない位置、および、最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い第2層目位置には、前記第2の燃料棒は配置されていて、前記第3の燃料棒は、前記第2の燃料棒よりも前記チャンネルボックス内面からの距離が遠い位置に配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体において、前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列され、その軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の燃料棒と、前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサと、前記燃料棒の下端を支持する下部タイプレートと、前記燃料棒の上端を支持する上部タイプレートと、を有し、前記チャンネルボックスの内面に最も近い燃料棒が配置される最外周位置と、前記最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第2層目位置との間隔は、前記第2層目位置と、前記第2層目位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第3層目位置との間隔よりも大きいことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体の製造方法において、軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の燃料棒を製造する工程と、前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサを製造する工程と、下部タイプレートを製造する工程と、上部タイプレートを製造する工程と、前記燃料有効部よりも下方から前記燃料有効部の途中まで延びる長さの管状の水チューブを製造する工程と、前記燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配列する燃料スペーサ配列工程と、前記下部タイプレートによって前記燃料棒の下端を支持するように組み立てる工程と、前記上部タイプレートによって前記燃料棒の上端を支持するように組み立てる工程と、前記燃料棒よりも前記チャンネルボックスに近い位置に前記水チューブを配置する水チューブ配置工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体の製造方法において、軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の第1の燃料棒を製造する工程と、軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の前記第1の燃料棒よりも大きな外径を有する第2の燃料棒を製造する工程と、軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の前記第2の燃料棒よりも大きな外径を有する第3の燃料棒を製造する工程と、前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記第1、第2および第3の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサを製造する工程と、下部タイプレートを製造する工程と、上部タイプレートを製造する工程と、前記チャンネルボックスの内面に最も近い最外周位置にのうち、前記チャンネルボックスのコーナー部からの距離が所定の距離以下である位置に前記第1の燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配置する工程と、前記最外周位置であって前記第1の燃料棒が配置されていない位置、および、最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い第2層目位置に前記第2の燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配置する工程と、前記第2の燃料棒よりも前記チャンネルボックス内面からの距離が遠い位置に前記第3の燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って配置する工程と、前記下部タイプレートによって前記燃料棒の下端を支持するように組み立てる工程と、前記上部タイプレートによって前記燃料棒の上端を支持するように組み立てる工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、角筒状のチャンネルボックスに収められて原子炉に装荷される原子燃料集合体の製造方法において、軸方向の所定の範囲の燃料有効部に核燃料物質を収めた複数の円筒状の燃料棒を製造する工程と、前記燃料棒の軸方向の複数の位置に配置され、前記複数の燃料棒の間隔を保持する燃料スペーサを製造する工程と、下部タイプレートを製造する工程と、上部タイプレートを製造する工程と、前記燃料棒を、前記燃料スペーサによって前記チャンネルボックスの軸方向に延びて、その軸方向に垂直な平面で互いに間隔を保って、前記チャンネルボックスの内面に最も近い燃料棒が配置される最外周位置と、前記最外周位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第2層目位置との間隔は、前記第2層目位置と、前記第2層目位置の燃料棒の次に前記チャンネルボックスの内面に近い燃料棒が配置される第3層目位置との間隔よりも広くなるように配列する工程と、前記下部タイプレートによって前記燃料棒の下端を支持するように組み立てる工程と、前記上部タイプレートによって前記燃料棒の上端を支持するように組み立てる工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、圧力損失の増大を抑えて原子燃料集合体の燃料棒の除熱特性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る原子燃料集合体の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の原子燃料集合体の一部切欠き縦断面図である。
【0015】
本実施の形態の原子燃料集合体は、軸方向に延びる正角筒状のチャンネルボックス2の内部に、複数の軸方向に延びる円筒状の燃料棒3、および、ウォーターロッド4を有している。燃料棒3の内部には、所定の軸方向範囲の燃料有効領域に、核燃料物質が収められている。
【0016】
燃料棒3の上下両端部は、それぞれ上部タイプレート5と下部タイプレート6で支持されている。また、燃料棒3の軸方向の途中には、複数の燃料スペーサ7があり、燃料棒3およびウォーターロッド4の間隔を保持している。ウォーターロッド4は、原子燃料集合体の中央付近に位置している。また、燃料スペーサ7は、ウォーターロッド4に取り付けられた突起によって、所定の軸方向位置に配置されるようになっている。
【0017】
また、原子燃料集合体は、チャンネルボックス2に最も近い位置に、燃料棒3と同じ方向に延びる円管状の水チューブ8を有している。水チューブ8は、下部タイプレート6および燃料スペーサ7で支持されている。水チューブ8の下端の開口は、下部タイプレート6の内部の空間につながっており、水チューブ8の内部を冷却水が通るようになっている。水チューブ8の上端部は、燃料棒3の燃料有効領域の軸方向の途中に位置している。
【0018】
図2は、本発明に係る第1の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【0019】
燃料スペーサ7は、一部に突起を持った円管状の複数のセル9、および、複数のスペーサスプリング13をバンド10で囲んだものである。セル9は、正方格子状に配列されていて、セル9の内部の突起とスペーサスプリング13で燃料棒3を正方格子状に配列させて、支持する。また、バンド10と最外周のセル9で囲まれる空間に、水チューブ8が通るようになっている。
【0020】
なお、本実施の形態では、燃料棒が10行10列に配列したものを例としているが、他の配列の原子燃料集合体であってもよい。
【0021】
下部タイプレート6の下部の開口から流入し、チャンネルボックス2の内部を流れる冷却水は、燃料棒3の内部に収められた核分裂物質の核分裂反応によって生じる熱によって加熱されながら上昇する。沸騰水型原子炉の場合には、冷却水はチャンネルボックス2の内部を流れる途中で沸騰する。
【0022】
原子燃料集合体の横断面の中央付近に配置されたウォーターロッド4の内部には、沸騰によって水密度が小さくなる燃料有効領域の上部にいたるまで、液相の冷却水が流れている。
【0023】
チャンネルボックス2の内部の冷却水の流動は、沸騰して蒸気量が増加するに従い、単相流から気泡流、スラグ流、チャーン流、環状噴霧流へと遷移する。冷却水が燃料棒を除熱する特性は、冷却水の流れの下流、すなわちチャンネルボックス2の内部の上方の環状噴霧流領域における、燃料棒表面の液膜ドライアウトによって決まる。
【0024】
本実施の形態では、除熱特性を決める環状噴霧流領域に、冷却水を下部タイプレート6からバイパスして最外周燃料棒へ導くように水チューブ8を設けている。このため、最外周燃料棒への液相の冷却水が供給され、燃料棒3の表面の液膜流量を増加することができるので、最外周燃料棒の除熱特性を向上させることができる。また、たとえば、水チューブ8の上端は、燃料有効領域の軸方向中央よりも高いところに位置している。このように、除熱特性を向上させたい位置に水チューブ8の上端の開口を配置することにより、効果的に最外周燃料棒の除熱特性を向上させることができる。
【0025】
なお、本実施の形態では、水チャンネル8を下部タイプレート6に取り付けているが、水チャンネル8の下部タイプレート6側の開口は、燃料有効部よりも低い位置で、ほとんど加熱されていない冷却水を取り込むことができる位置であれば、どこに位置していてもよい。
【0026】
原子燃料集合体を製造する場合、通常は、核燃料物質を収めた燃料棒3、ウォーターロッド4、燃料スペーサ7、上部タイプレート5、および、下部タイプレート6などの部品を製造した後に、組み立てる。原子燃料集合体の組み立ては、完成した原子燃料集合体を横に倒したときの位置に、下部タイプレート6および燃料スペーサ7を配置した後に、ウォーターロッド4を上部タイプレート5側から燃料スペーサ7を挿入して配置する。その後、全ての燃料棒3を燃料スペーサ7の上部タイプレート5側から挿入して配置し、最後に上部タイプレート5を取り付ける。
【0027】
本実施の形態の原子燃料集合体を製造する場合には、全ての燃料棒3を配置した後に、水チューブ8を挿入配置してもよいが、水チューブ8の上端よりも上方に位置する燃料スペーサ7を配置する前に、下方の燃料スペーサ7を通るように水チューブ8を配置するほうが好ましい。この順序で、原子燃料集合体を組み立てると、水チューブ8の上端よりも上方に位置する燃料スペーサ7に、水チューブ8を通す領域を設けなくてもよくなる。
【0028】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明に係る第2の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【0029】
本実施の形態は、第1の実施の形態の原子燃料集合体の燃料スペーサをグリッド型の燃料スペーサに代えたものである。
【0030】
第2の実施の形態の燃料スペーサ7は、正方格子状に交わる複数のディバイダ12によって、燃料棒3が通る空間が形成されている。ディバイダ12がバンド10に接続する部分では、ディバイダ12は二股に分かれていて、バンド10とディバイダ12で水チューブ8が通る空間を形成している。
【0031】
このように、グリッド型の燃料スペーサ7であっても、原子燃料集合体の最外周位置に水チューブ8を導入することが可能で、第1の実施の形態と同様に、最外周燃料棒の除熱特性を向上させることができる。
【0032】
[第3の実施の形態]
図4は、本発明に係る第3の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した縦断面図である。図5は、本発明に係る第3の実施の形態の原子燃料集合体における、水チューブ8の斜視図である。なお、冷却水の流れを模式的に破線の矢印で示した。
【0033】
本実施の形態では、水チューブ8を原子燃料集合体の内周方向に曲げている。このような水チューブ8を用いることにより、最外周に位置する燃料棒3の近傍に、より多くの液相の冷却水を供給することができるため、最外周燃料棒の除熱特性がさらに向上する。
【0034】
本実施の形態の原子燃料集合体を製造する場合には、全ての燃料棒3を配置した後に、水チューブ8を挿入配置することは困難である。そこで、水チューブ8の上端よりも上方に位置する燃料スペーサ7を配置する前に、下方の燃料スペーサ7を通るように水チューブ8を配置することにより、原子燃料集合体を組み立てることができる。
【0035】
[第4の実施の形態]
図6は、本発明に係る第4の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。図7は、本発明に係る第4の実施の形態の原子燃料集合体における、水チューブの斜視図である。なお、冷却水の流れを模式的に破線の矢印で示した。
【0036】
第3の実施の形態のように、単に水チューブ8を内周方向に曲げるだけでは、最外周に位置する燃料棒3の間を通過して、内周に位置する燃料棒にも液相の冷却水を供給する場合もある。そこで、本実施の形態では、水チューブ8を原子燃料集合体の内周方向に曲げるとともに、水チューブ8の上端の開口部は、2つの円が結合したような形状をしていて、チャンネルボックス2に垂直な方向から広がるように冷却水が流れるようになっている。このような形状の水チューブ8を用いることにより、最外周に位置する燃料棒3の近傍に、より多くの液相の冷却水を供給することができるため、最外周燃料棒の除熱特性がさらに向上する。
【0037】
なお、水チューブ8の上端の開口部の形状は、図6および図7に示した形状に限定されるものではなく、チャンネルボックス2に垂直な方向から広がるように冷却水が流れるようなものであれば、他の形状でも構わない。たとえば、2つの円の中央付近を溶接して結合させたり、冷却水が広がる方向に長い楕円形の開口部の中央付近を閉じることによって、チャンネルボックス2に垂直な方向から広がるよう方向にのみ冷却水が流れ出すようにしてもよい。
【0038】
[第5の実施の形態]
図8は、本発明に係る第5の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した縦断面図である。図9は、本発明に係る第5の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。なお、冷却水の流れを模式的に破線の矢印で示した。
【0039】
本実施の形態では、水チューブ8の上端は、燃料スペーサ7の軸方向の幅の中に位置している。また、水チューブ8の上方には、バンド10から原子燃料集合体の内側に突出したフロータブ11が設けられている。
【0040】
水チューブ8の上端から流れ出た冷却水は、フロータブ11によって原子燃料集合体の内周方向に流路が曲げられ、最外周に位置する燃料棒3の近傍に流れていく。このため、最外周燃料棒の除熱特性が向上する。
【0041】
また、本実施の形態では、水チューブ8の上端部を加工する必要がないため、原子燃料集合体の製造が容易になる。さらに、水チューブ8の上端部の動きが燃料スペーサ7によって制限されるため、冷却水の流れによる水力振動によって水チューブ8が振動して燃料棒3に接触するおそれが小さくなる。
【0042】
[第6の実施の形態]
図10は、本発明に係る第6の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【0043】
本実施の形態は、第5の実施の形態の原子燃料集合体の燃料スペーサをグリッド型の燃料スペーサに代えたものである。
【0044】
本実施の形態の燃料スペーサ7は、第2の実施の形態の燃料スペーサのバンド10から原子燃料集合体の内側に延びるフロータブ11が設けられている。
【0045】
このようなグリッド型の燃料スペーサ7を用いることにより、第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0046】
[第7の実施の形態]
図11は、本発明に係る第7の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【0047】
本実施の形態の原子燃料集合体は、燃料棒3を三角格子状に、全体としてはほぼ正方形の範囲に配列したものである。
【0048】
たとえば水冷却増殖炉では、減速材である水の核分裂性物質に対する量を小さくして低減速の炉心とするため、燃料棒3を稠密格子である三角格子状に配列することが考えられている。
【0049】
燃料棒3をほぼ正方形の範囲に三角格子状に配列すると、向かい合う2辺では、チャンネルボックス2に対向する燃料棒3a,3bは、チャンネルボックス2との距離が小さい燃料棒3aと距離が大きい燃料棒3bが交互に並ぶようになる。本実施の形態では、このチャンネルボックス2との距離が遠い燃料棒3bとチャンネルボックス2の間に、水チューブ8を配列している。
【0050】
チャンネルボックス2との距離が大きい燃料棒3bには、より多くの水で減速された中性子が入射することになるので、出力が高くなる場合がある。しかし、水チューブ8によって液相の水をこの燃料棒3bの近傍に供給することにより、効果的に冷却することができる。
【0051】
なお、チャンネルボックス2との距離が等しい燃料棒3が並んだ2辺においても、第1の実施の形態などと同様に、水チューブ8を配列して、チャンネルボックス2に対向する面の燃料棒3の冷却に用いてもよい。
【0052】
[第8の実施の形態]
図12は、本発明に係る第8の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【0053】
本実施の形態の原子燃料集合体は、第1の実施の形態の原子燃料集合体の最外周の燃料棒を、他の燃料棒よりも外径が小さい細径燃料棒31に代えたものである。つまり、通常の燃料棒3の外径をD2、細径燃料棒31の外径をD1とすると、D1<D2となっている。
【0054】
このような原子燃料集合体では、通常の燃料棒3で囲まれる流路に比べて、細径燃料棒31の周りの流路は、流路面積に対する燃料棒3,31の側面の面積が小さくなる。このため、通常の燃料棒3で囲まれる流路に比べて、細径燃料棒31の周りの流路は、流体と燃料棒側面との壁面摩擦係数が小さくなる。流体は、流れの断面方向に圧力損失がほぼ一定になるように流れるため、壁面摩擦係数が小さいところに流体が多く流れるようになる。
【0055】
したがって、この原子燃料集合体では、最外周に位置する燃料棒の周辺に冷却材が多く流れるようになり、最外周燃料棒の除熱特性が向上する。
【0056】
[第9の実施の形態]
図13は、本発明に係る第9の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【0057】
本実施の形態の原子燃料集合体は、第8の実施の形態の原子燃料集合体の燃料棒の外径を3種類として、水チューブを削除したものである。
【0058】
この原子燃料集合体は、正方格子状に配列した燃料棒3,31,33のうち、最外周に位置する燃料棒を細径燃料棒31とし、その内側に通常の燃料棒3を一列配列し、さらに通常の燃料棒3の内側に太径燃料棒33を配列したものである。細径燃料棒31の外径をD1、通常の燃料棒3の外径をD2、太径燃料棒33の外径をD3とすると、D1<D2<D3という関係がある。燃料棒3,31,33の外径を外周に行くに従って小さくすることにより、最外周の燃料棒周辺への冷却材の流量が増加するため、最外周燃料棒の除熱特性が向上する。
【0059】
このように、水チューブがない場合でも、最外周燃料棒を効果的に除熱することが可能である。
【0060】
[第10の実施の形態]
図14は、本発明に係る第10の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【0061】
本実施の形態の原子燃料集合体は、正六角筒状のチャンネルボックス2の内部に燃料棒3,31,33を三角格子状に、全体としてはほぼ正六角形の範囲に配列したものである。
【0062】
この原子燃料集合体は、三角格子状に配列した燃料棒3,31,33のうち、最外周に位置する燃料棒を細径燃料棒31とし、その内側に通常の燃料棒3を一列配列し、さらに通常の燃料棒3の内側に太径燃料棒33を配列したものである。細径燃料棒31の外径をD1、通常の燃料棒3の外径をD2、太径燃料棒33の外径をD3とすると、D1<D2<D3という関係がある。燃料棒3,31,33の外径を外周に行くに従って小さくすることにより、最外周の燃料棒周辺への冷却材の流量が増加するため、最外周燃料棒の除熱特性が向上する。
【0063】
このような燃料棒3,31,33が三角格子状に配列した原子燃料集合体であっても、最外周燃料棒を効果的に除熱することが可能である。
【0064】
[第11の実施の形態]
図15は、本発明に係る第11の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【0065】
この原子燃料集合体では、正方格子状に配列した燃料棒3,31,33を配列している。燃料棒が配置される最外周位置のうち、チャンネルボックスのコーナー部からの距離が所定の距離以下である位置には、細径燃料棒31が配置されていて、それ以外の最外周位置には通常の燃料棒3が配置されている。また、最外周から第2層目および第3層目にも通常の燃料棒3が配置されている。通常の燃料棒3が配置されている層よりも内側には、太径燃料棒33が配置されている。細径燃料棒31の外径をD1、通常の燃料棒3の外径をD2、太径燃料棒33の外径をD3とすると、D1<D2<D3という関係がある。
【0066】
原子燃料集合体の外周に位置する燃料棒のうち、チャンネルボックスのコーナー部に近い燃料棒ほど、その内部に収められた核燃料物質の量が同じ場合には、熱出力は大きくなる傾向にある。したがって、そのような燃料棒は熱的な余裕が小さくなる傾向にある。
【0067】
そこで、燃料棒3,31,33の外径を外周に行くに従って小さくすることにより、最外周の燃料棒周辺への冷却材の流量が増加するため、最外周燃料棒の除熱特性が向上する。また、チャンネルボックス2のコーナー部に近い燃料棒に比べて比較的熱的の余裕が大きい、最外周位置の4辺それぞれの中央付近の燃料棒の外径を、それ以外の最外周に位置する燃料棒の外径よりも大きくしている。これによって、チャンネルボックス2のコーナー部近傍に、冷却材がより多く流れるようになるため、コーナー部近傍に位置する燃料棒の除熱特性が向上する。
【0068】
[第12の実施の形態]
図16は、本発明に係る第12の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【0069】
本実施の形態の原子燃料集合体は、中心から外周に近づくに従って、燃料棒3の中心間の距離(燃料棒ピッチ)が大きくなっている。最外周の燃料棒3と、その一層内側の燃料棒3との間の燃料棒ピッチをL5とし、順次その内側の燃料棒3との間の燃料棒ピッチをL4、L3、L2、L1とすると、L1<L2<L3<L4<L5という関係が成り立つように配列している。
【0070】
なお、この原子燃料集合体では、ウォーターロッドの代わりに角管状のウォーターチャンネル41を配置している。
【0071】
このような原子燃料集合体では、最外周に近づくに従って、流路面積に対する燃料棒3の側面の面積が小さくなる。このため、最外周に近づくに従って、流体と燃料棒側面との壁面摩擦係数が小さくなる。したがって、最外周に位置する燃料棒の周辺に冷却材が多く流れるようになり、最外周燃料棒の除熱特性が向上する。
【0072】
[第13の実施の形態]
図17は、本発明に係る第13の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【0073】
本実施の形態の原子燃料集合体は、第12の実施の形態の原子燃料集合体の燃料棒が配列するほぼ正方形の領域の四隅の近傍に位置する最外周燃料棒20本を太径燃料棒33に代えたものである。
【0074】
この原子燃料集合体も、中心から外周に近づくに従って、燃料棒ピッチが大きくなっている。このため、最外周に位置する燃料棒3、特に、コーナー部近傍の太径燃料棒33の近傍には冷却材が多く流れる傾向にあり、コーナー部近傍の太径燃料棒33の外径を通常の燃料棒3に比べてある程度大きくしてもこの傾向は変わらない。そこで、燃料棒ピッチが広いコーナー部近傍の燃料棒として太径燃料棒33を用いることで、燃料インベントリ(原子燃料集合体1体当たりの核燃料物質の装荷量)を大きくすることができる。
【0075】
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の原子燃料集合体の一部切欠き縦断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した縦断面図である。
【図5】本発明に係る第3の実施の形態の原子燃料集合体における、水チューブの斜視図である。
【図6】本発明に係る第4の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【図7】本発明に係る第4の実施の形態の原子燃料集合体における、水チューブの斜視図である。
【図8】本発明に係る第5の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した縦断面図である。
【図9】本発明に係る第5の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【図10】本発明に係る第6の実施の形態の原子燃料集合体の一部を拡大した横断面図である。
【図11】本発明に係る第7の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【図12】本発明に係る第8の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【図13】本発明に係る第9の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【図14】本発明に係る第10の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【図15】本発明に係る第11の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【図16】本発明に係る第12の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【図17】本発明に係る第13の実施の形態の原子燃料集合体の横断面図である。
【符号の説明】
【0077】
2…チャンネルボックス、3…燃料棒、4…ウォーターロッド、5…上部タイプレート、6…下部タイプレート、7…燃料スペーサ、8…水チューブ、9…セル、10…バンド、11…フロータブ、12…ディバイダ、13…スペーサスプリング、31…細径燃料棒、33…太径燃料棒、41…ウォーターチャンネル




 

 


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