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発明の名称 コアキャッチャーおよびその製造方法、並びに、原子炉格納容器およびその改造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−225356(P2007−225356A)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
出願番号 特願2006−44742(P2006−44742)
出願日 平成18年2月22日(2006.2.22)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 佐藤 崇
要約 課題
容易に設置可能なコアキャッチャーにより、炉心デブリを効果的に冷却できるようにする。

解決手段
原子炉容器内の炉心が溶融して原子炉容器を貫通した際に発生する炉心デブリを、原子炉容器の下方に位置し、その内部に放射状に延びた冷却フィン31で囲まれる第一段目の冷却チャンネル21aおよび第2段目の冷却チャンネル21bが形成されている鋼製本体20を有するコアキャッチャーで受け止める。第2段目の冷却チャンネル21bの本数は第一段目の冷却チャンネル21aの本数に比べて多い。冷却水は、冷却水注入口22から供給され、分配器10で第一段目の冷却チャンネル21aに分配される。第一段目と第二段目の冷却チャンネル21a,21bの間には、中間ヘッダー24が形成されていて、第二段目の冷却チャンネル21bにも均一に冷却水が供給される。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉容器内の炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通した際に発生する炉心デブリを受け止めるコアキャッチャーにおいて、
前記原子炉容器の下方に位置し、冷却水注入配管から供給される冷却水が流れる放射状に延びた複数の冷却チャンネルがその内部に形成されている本体部、
を有することを特徴とするコアキャッチャー。
【請求項2】
前記本体部は、前記冷却水注入配管および複数の前記冷却チャンネルが接続されていて前記冷却水を前記冷却チャンネルに分配する分配器を備えていることを特徴とする請求項1記載のコアキャッチャー。
【請求項3】
前記本体部は、その中心から外周の間が複数の領域に区分されていて、外周に近い領域ほど多くの前記冷却チャンネルが形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコアキャッチャー。
【請求項4】
前記領域が互いに接する部分には、複数の前記冷却チャンネルが接続されていて前記冷却水を外側の領域に形成された前記冷却チャンネルに分配する中間ヘッダーが形成されていることを特徴とする請求項3記載のコアキャッチャー。
【請求項5】
前記本体部の上面に耐熱材層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載のコアキャッチャー。
【請求項6】
前記耐熱材層の上面にはドレンサンプが形成されていることを特徴とする請求項5記載のコアキャッチャー。
【請求項7】
前記耐熱材層の上側表面には犠牲コンクリート層が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載のコアキャッチャー。
【請求項8】
前記冷却材注入配管の少なくとも一部は、前記本体部が位置する空間を形成するペデスタル側壁に埋め込まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項7いずれか記載のコアキャッチャー。
【請求項9】
前記本体部は、複数の本体断片を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項8いずれか記載のコアキャッチャー。
【請求項10】
外周部に位置する前記本体断片の前記本体部が位置する空間を形成するペデスタル側壁に対向する辺は、前記ペデスタル側壁の形状に沿った曲線であることを特徴とする請求項9記載のコアキャッチャー。
【請求項11】
原子炉容器を格納する原子炉格納容器において、
請求項1ないし請求項10いずれか記載のコアキャッチャーを前記原子炉容器の下方に設置したことを特徴とする原子炉格納容器。
【請求項12】
前記冷却水が貯えられ、前記冷却水注入配管が接続された冷却水貯水プールを有することを特徴とする請求項11記載の原子炉格納容器。
【請求項13】
原子炉容器内の炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通した際に発生する炉心デブリを受け止めるコアキャッチャーの製造方法において、
冷却水が流れる複数の冷却チャンネルがその内部に形成されている本体断片を製造する本体断片製造工程と、
複数の前記本体断片を前記冷却チャンネルが放射状に延びるように前記原子炉容器の下方に配設する本体配設工程と、
前記冷却水を供給する冷却水注入配管を前記冷却チャンネルに接続する配管接続工程と、
を有することを特徴とするコアキャッチャーの製造方法。
【請求項14】
原子炉容器を格納する原子炉格納容器の改造方法において、
前記原子炉容器の下方に位置する空間を形成する既存のペデスタル側壁の下端から所定の高さを削って拡大するペデスタル側壁拡大工程と、
冷却水が流れる放射状に延びた複数の冷却チャンネルがその内部に形成されている本体部を備え、前記原子炉容器内の炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通した際に発生する炉心デブリを受け止めるコアキャッチャーを、前記ペデスタル側壁の下端から前記所定の高さの鉛直方向範囲に配設するコアキャッチャー配設工程と、
前記冷却水を供給する冷却水注入配管を前記冷却チャンネルに接続する配管接続工程と、
を有することを特徴とする原子炉格納容器の改造方法。
【請求項15】
前記コアキャッチャー配設工程は、
前記冷却チャンネルがその内部に形成されているコアキャッチャー本体断片を製造する本体断片製造工程と、
複数の前記本体断片を前記冷却チャンネルが放射状に延びるように配設する本体配設工程と、
を有することを特徴とする請求項14記載の原子炉格納容器の改造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアキャッチャーおよびその製造方法、並びに、原子炉格納容器およびその改造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電プラントで過酷事故が発生すると、溶融炉心が原子炉圧力容器の底部を貫通して原子炉格納容器の床に落下するおそれがある。溶融炉心の残骸である炉心デブリは、その内部に存在する放射性物質の崩壊熱により原子炉出力の1%程度の発熱が継続する。このため、冷却手段がない場合は、原子炉格納容器の底部コンクリートを溶融貫通し、大量の放射性物質が環境に放出されるおそれがある。コアキャッチャーとは、このような場合であっても、炉心デブリを受け止めて冷却可能な状態を維持して原子炉格納容器の健全性を担保し、放射性物質の外部への放出を抑制するための安全設備である。
【0003】
既存の沸騰水型原子力発電プラント(BWR)では、事故の発生確率が低く抑えられている。さらに、事故時の炉心冷却にかかわる安全性も極めて高く、このような過酷事故は発生したことはない。また、確率論的安全評価(PSA)においても、このような過酷事故の発生確率は無視できるほど小さく評価されている。
【0004】
現在、安全系を全て静的機器で構成した自然循環冷却式受動安全沸騰水型原子炉(ESBWR)が提案されている。このESBWRには原子炉格納容器の下部にコアキャッチャーが設置される。これは、次世代のBWRの安全性に関する完結性をさらに高めるためのものである。
【特許文献1】特開2004−333357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コアキャッチャーは、たとえば耐熱性の部材を用い、溶融炉心が原子炉格納容器の下部を溶融貫通したり、あるいは、放射性物質が漏洩することがないように下部ドライウェルの床部分に配設されたものである。しかし、単なる耐熱性の部材を敷き詰めただけでは、十分に炉心デブリを冷却できないおそれがある。また、炉心デブリを冷却するために、冷却水を通すための配管を多数配設すると、その配設に手間がかかるという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、容易に設置可能なコアキャッチャーにより、炉心デブリを効果的に冷却できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を解決するため、本発明は、原子炉容器内の炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通した際に発生する炉心デブリを受け止めるコアキャッチャーにおいて、前記原子炉容器の下方に位置し、冷却水注入配管から供給される冷却水が流れる放射状に延びた複数の冷却チャンネルがその内部に形成されている本体部、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、原子炉容器を格納する原子炉格納容器において、上述のコアキャッチャーを前記原子炉容器の下方に設置したことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、原子炉容器内の炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通した際に発生する炉心デブリを受け止めるコアキャッチャーの製造方法において、冷却水が流れる複数の冷却チャンネルがその内部に形成されている本体断片を製造する本体断片製造工程と、複数の前記本体断片を前記冷却チャンネルが放射状に延びるように前記原子炉容器の下方に配設する本体配設工程と、前記冷却水を供給する冷却水注入配管を前記冷却チャンネルに接続する配管接続工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、原子炉容器を格納する原子炉格納容器の改造方法において、前記原子炉容器の下方に位置する空間を形成する既存のペデスタル側壁の下端から所定の高さを削って拡大するペデスタル側壁拡大工程と、冷却水が流れる放射状に延びた複数の冷却チャンネルがその内部に形成されている本体部を備え、前記原子炉容器内の炉心が溶融して前記原子炉容器を貫通した際に発生する炉心デブリを受け止めるコアキャッチャーを、前記ペデスタル側壁の下端から前記所定の高さの鉛直方向範囲に配設するコアキャッチャー配設工程と、前記冷却水を供給する冷却水注入配管を前記冷却チャンネルに接続する配管接続工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、容易に設置可能なコアキャッチャーにより、炉心デブリを効果的に冷却できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係るコアキャッチャーの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、自然循環冷却式受動安全沸騰水型原子炉(ESBWR)を例として説明するが、他の型式の原子炉においても適用可能である。
【0013】
[第1の実施の形態]
図3は、本発明に係る第1の実施の形態の原子炉格納容器の縦断面図である。
【0014】
原子炉格納容器36の内部にはドライウェル51と呼ばれる空間があり、原子炉圧力容器(RPV)42はその中に設置されている。原子炉圧力容器42は、RPVサポート52によりRPVスカート53を介して固定される。ドライウェル51のRPVサポート52よりも上部の空間を上部ドライウェル54、下部の空間を下部ドライウェル3と呼ぶ。また、下部ドライウェル3を取り囲む壁をペデスタル側壁1と呼ぶ。ESBWRでは、ペデスタル側壁1でRPVサポート52を支持している。
【0015】
炉心41は、原子炉圧力容器42の内部に収納されている。
【0016】
上部ドライウェル54には、重力落下式炉心冷却系(GDCS)プール37が設置されている。GDCSプール37と原子炉圧力容器42は、爆破弁56を介して配管57により連結されている。また、上部ドライウェル54の下には原子炉圧力容器2を取り囲むように圧力抑制室58が設置されている。圧力抑制室58の内部には圧力抑制プール59が設置されている。ドライウェル51の上部には、静的格納容器冷却系(PCCS)プール65が設置され、冷却水を蓄えている。
【0017】
コアキャッチャー70は、下部ドライウェル3の内部であって、原子炉圧力容器42の下方に設置される。
【0018】
図2は、第1の実施の形態の下部ドライウェル3の一部の立断面図である。
【0019】
コアキャッチャー70は、下部ドライウェル3の底部に位置する底部構造体28の上に設置されている。この底部構造材28はコンクリートもしくは耐熱材で構成される。底部構造体28の上面は、上に開いた円錐形をしている。コアキャッチャー70は、厚さ約20cmの円形の皿状をした鋼製本体20を備えている。鋼製本体20の底面には、底部構造体28の上面の形状に沿うように上に開いた円錐形の底蓋32が取り付けられている。
【0020】
また、ペデスタル側壁1の下端からコアキャッチャー70を収めるのに十分な範囲は、約50cm外周方向に拡大されていて、コアキャッチャー70はペデスタル側壁1で囲まれる下部ドライウェル3の底面全体を覆うように設置される。
【0021】
鋼製本体20と底蓋32の間には、冷却チャンネル21が形成されている。
【0022】
コアキャッチャー70の鋼製本体20の下面の中央部には、冷却水注入口22がある。冷却水注入口22には、破壊弁8を介してGDCSプールにつながる注入配管23が接続されている。注入配管23は、底部構造体28を通って、GDCS冠水配管7に接続されている。GDCS冠水配管7の一部はペデスタル側壁1の内部を通っている。
【0023】
鋼製本体20の外周部には、ペデスタル側壁1に沿って立ち上がる側壁部チャンネル25が形成されている。この側壁部チャンネル25の上端部をコアキャッチャー上端部71と呼ぶこととする。
【0024】
コアキャッチャー70の鋼製本体20の上面には、たとえば厚さが約1.5mのマグネシア(酸化マグネシウム)からなる耐熱材層26が形成されている。耐熱材層26には、マグネシアの代わりに、ジルコニア(酸化ジルコウニウム)などの耐熱材を用いてもよい。また、耐熱材層26の上面には、ドレンサンプ27が形成されている。
【0025】
耐熱材層26の上面は、ドレンサンプ27が形成されている部分を含め、犠牲コンクリート層29で覆われている。また、側壁部チャンネル25の耐熱材層26に接する面も、耐熱材層26の上面からコアキャッチャー上端部71までは、犠牲コンクリート層29で覆われている。犠牲コンクリート層29の厚さは、たとえば10cmである。
【0026】
図1は、第1の実施の形態のコアキャッチャー70の鋼製本体20の底面図である。
【0027】
コアキャッチャー70の鋼製本体20の下面には、その中心から放射状に延びる冷却フィン31が形成されている。冷却フィン31の幅は、たとえば約10cmで一定とし、放射状かつ末広型に若干の間隔を空けて設置される。冷却フィン31は、底蓋32とともに、冷却チャンネル21a,21bを形成している。
【0028】
鋼製本体20、および、これと一体として形成された冷却フィン31は、たとえば鋼製で、厚さは全体として約18cmである。また、底蓋32の厚さは、たとえば約2cmで、鋼製本体20の厚さは全体として約30cmである。底蓋32は、水密性と堅牢性があるものであれば材質は問わないが、鋼製本体20および冷却フィン31と同じく鋼製としてもよい。
【0029】
鋼製本体20の背面中心部分には、円形の分配器10があり、分配器10から第一段目の冷却チャンネル21aが放射状に延びている。分配器10の中央部には、冷却水注入口22がある。また、第一段目の冷却チャンネル21aを取り囲むように、リング状の中間ヘッダー24が形成されている。中間ヘッダー24の外側には、第二段目の冷却チャンネル21bが放射状に延びている。第二段目の冷却チャンネル21bの数は、第一段目の冷却チャンネル21aに比べて多い。また、第二段目の冷却チャンネル21bを取り囲むように、リング状の側壁部チャンネル25が形成されている。
【0030】
炉心デブリがコアキャッチャー70に落下した場合には、GDCS冠水配管7から供給されるGDCSプール37に貯えられた冷却水は、注入配管23を通り冷却水注入口22から分配器10内部に導かれる。分配器10内部の冷却水はさらに放射状に伸びた第一段目の冷却チャンネル21a内に通水される。冷却水は一旦中間ヘッダー24に導かれた後、第1段目よりも本数が多い第2段の冷却チャンネル21bに導かれる。冷却チャンネルの段数は、コアキャッチャー全体の大きさに合わせて適宜増減してもよい。
【0031】
第2段の冷却チャンネル21bを通った後、冷却水は側壁部チャンネル25を上昇しコアキャッチャー上端部71よりオーバーフローして、犠牲コンクリート層29で囲まれる高さ約1.5mの領域に流入する。このようにして、コアキャッチャー70に落下した炉心デブリは、冠水され、冷却される。
【0032】
その後、冷却水の水位はさらに上昇を続け約20mの水深に達する。コアキャッチャー70の上部を満たした冷却水は、炉心デブリからの崩壊熱を受けて、一部が常に蒸発を続ける。
【0033】
発生した水蒸気は静的格納容器冷却系により冷却され凝縮水となる。この凝縮水はGDCSプール37に戻され、再びGDCS冠水配管7を通ってコアキャッチャー70の冷却に用いられる。このように、コアキャッチャー70には常に冷却水が還流し供給され、一度冷却水が約20mの水深に達すると、その後の水深はほぼ一定に維持される。また、コアキャッチャー70の冷却チャンネル21には、常に静的格納容器冷却系で冷却された低温の冷却水が供給される。
【0034】
このように、本実施の形態では、冷却フィン31を設けることにより、コアキャッチャー70の本体部の表面積は大きくなり、冷却水による冷却効果は高まる。必要に応じて、冷却フィン31の幅を薄くして設置数を増加させることにより、冷却効果を高めることもできる。
【0035】
また、冷却水は中心部分の分配器10に接続された冷却水注入配管23から供給されるため、冷却水が最も加熱される中心部から供給され、中心部分のバイパス現象を回避することができる。冷却チャンネル21の数は、外周に行くに従って増加するため、外周部において冷却チャンネル21の設置密度が疎になることを回避することができる。
【0036】
2つの冷却チャンネル21a,21bの間に設けられた中間ヘッダー24は、各冷却チャンネルを通ってきた冷却水が一旦混在するミキシング領域である。この中間ヘッダー24を設けることにより、後段である第2段目の冷却チャンネル21bの本数が、前段である第1段目の冷却チャンネル21aの本数に比べて多くても、第2段目の冷却チャンネル21bに均一に冷却水を供給することができる。
【0037】
冷却チャンネル21は、本体断片30と一体で形成されているため、構造がシンプルで実機への設置もより容易に行うことができ、多数の冷却配管をいちいち下部ドライウェル3内に設置していくなどの手間を省くことができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、冷却チャンネルは角管状としているが、円筒状など他の形状のものであってもよい。たとえば、鋼製の板の背面に配管を放射状に配置して冷却チャンネルを形成してもよい。この場合であっても、中間ヘッダー24などを通って冷却水は流れるため、それぞれの配管を接続する手間を省くことができる。
【0039】
本実施の形態によれば、犠牲コンクリート28を設置することにより、通常運転時や、炉心損傷を伴わない設計基準事故時に、耐熱材が遊離して飛散することがないようになっている。
【0040】
また、冷却水によって炉心デブリが冷却されると、その表面が固化し皮膜状の固形物質(クラスト(crust))が形成される。このため、クラストが側壁部チャンネル25に付着すると、炉心デブリの表面とクラストの間にボイドが形成され、デブリ表面からの冷却効率が低下する可能性がある。そこで、本実施の形態では、側壁部チャンネル25近傍にも犠牲コンクリート層29を配置することにより、炉心デブリによって積極的に侵食させ、炉心デブリの上面に形成されたクラストが側壁部チャンネル25から乖離して落下しやすくしている。
【0041】
溶融炉心が飛散するおそれのあるコアキャッチャー上部近傍では、GDCS冠水配管7をコンクリート製のペデスタル側壁1の内部に埋設しているため、炉心デブリによる熱攻撃を防止でき、GDCS冠水配管7が破損するおそれも小さい。
【0042】
ペデスタル側壁1の下端からコアキャッチャー70を収めるのに十分な範囲は、外周方向に拡大されていて、また、それより上方は、コアキャッチャー70が配置されている部分に比べて拡大されていない。これにより、コアキャッチャー70のデブリ拡散面積をより広く確保することができ、かつ、GDCSプールの冷却水保有水量を少なくすることができる。
【0043】
つまり、コアキャッチャーのデブリ拡散面積を確保するために、下部ドライウェル全体を拡大してしまうと、下部ドライウェル全体を満水するためのGDCSプール37の容量を大きくする必要があり、増大したGDCSプール37を収めるために原子炉格納容器の内径を拡大しなければならないという悪循環を回避できる。
【0044】
既存の原子炉格納容器でペデスタル側壁1の下端近傍が拡大されていない場合には、ペデスタル側壁1を削って、コアキャッチャー70を収めるための領域を外周方向に拡大してから、コアキャッチャー70を配設することにより、同様に冷却水保有水量を少なくすることができる。
【0045】
また、コアキャッチャー70の上部にドレンサンプ27を設置しているため、コアキャッチャー70とドレンサンプ27がそれぞれの機能を損なわずに共存することができる。すなわち、通常運転時には、原子炉圧力バウンダリーから万一漏洩事故によって漏れた漏洩水はドレンサンプに全て集められて、安全上問題となる漏洩は検知することができる。一方、炉心溶融を伴う事故が発生した場合には、ドレンサンプ27を壊したとしても、コアキャッチャー70で炉心デブリを受け止め、冷却することができる。
【0046】
このように、本実施の形態によれば、冷却水の流路抵抗が一様で、中心部分を効果的に冷却できるコアキャッチャーを提供することができる。また、ドレンサンプに漏洩水が集まるため、漏洩検出が可能である。
【0047】
なお、4500MWtの熱出力のESBWRにおいて、コアキャッチャーのデブリ有効拡散部分の直径を11.2mにまで拡大すると、デブリ拡散面積は約98.5mになり、単位熱出力あたりのデブリ拡散面積を約0.022m/MWtとすることができる。
【0048】
[第2の実施の形態]
本発明に係る第2の実施の形態のコアキャッチャーは、設置が容易なように細分化した本体断片30を複数組み合わせて用いる。
【0049】
図4は、第2の実施の形態の本体断片30および底蓋32の斜視図である。図5は、第2の実施の形態の本体断片30の底面図である。
【0050】
本体断片30の下面には、冷却フィン31が形成されている。冷却フィン31の下面には本体部33と投影形状を同じくする底蓋32が取り付けられていて、冷却フィン31の間は冷却水が通る冷却チャンネル21となっている。
【0051】
本体部33、および、本体部33と一体として形成された冷却フィン31は、たとえば鋼製で、厚さは全体として約18cmである。また、底蓋の厚さは、たとえば約2cmで、本体断片30全体としては、厚さが約30cmである。底蓋32は、水密性と堅牢性があるものであれば材質は問わないが、本体部33および冷却フィン31と同じく鋼製としてもよい。冷却フィン31の幅は、たとえば約10cmで一定とし、放射状かつ末広型に若干の間隔を空けて設置される。
【0052】
なお、図4および図5において、本体断片30および底蓋32の形状は台形として図示しているが、台形に限定されるものではない。
【0053】
図6は、第2の実施の形態の本体断片の配置を示す平面図である。
【0054】
本実施の形態の鋼製本体20は、正八角形の分配器10の周りに、8個の第一段目の本体断片30aおよび16個の第二段目の本体断片30bを、全体としてほぼ円形状になるように配置したものである。なお、第二段目の本体断片30bの一辺は、円弧状としているが、直線状でもかまわない。
【0055】
本体断片30を、底部構造材28(図1)の上にタイル状に並べて設置することによって、全体ではすり鉢状の鋼製本体20を構成する。たとえば、第一段の本体断片30aは台形の上面形状をなし八角形状の分配器10の外周に沿って8個配置される。さらに第二段の本体断片30bは第一段の本体断片30aの外周に沿って16個が配置される。第二段の本体断片30bの外周部は円弧状をなし、円筒形のペデスタル側壁部チャンネルと円滑に接続される。
【0056】
本体断片30は必要に応じて細分化してもよい。たとえば、本体断片30の数をより多く細分化すると、コアキャッチャー70の全体を曲面体に近づけることができる。また、本体断片30を細分化することによって、本体断片30の重量および体積が低減するため、コアキャッチャー70を設置する際の作業性が向上する。
【0057】
本体断片30の、互いに接触する外周部に、互いに嵌合する凹凸を設けて、この凹凸を重ね合わせることによって、隙間を生じにくくすることもできる。
【0058】
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。たとえば、従来型のBWRに適用することもできる。また、各実施形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の鋼製本体の底面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態のコアキャッチャー近傍の立断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態の原子炉格納容器の立断面図である。
【図4】本発明に係る第2の実施の形態の本体断片の斜視図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態の本体断片の底面図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態のコアキャッチャーの平面図である。
【符号の説明】
【0060】
1…ペデスタル側壁、3…下部ドライウェル、7…GDCS冠水配管、8…爆破弁、10…分配器、20…鋼製本体、21,21a,21b…冷却チャンネル、22…冷却水注入口、23…注入配管、24…中間ヘッダー、25…側壁部チャンネル、26…耐熱材層、27…ドレンサンプ、28…底部構造材、29…犠牲コンクリート層、30…本体断片、31…冷却フィン、32…底蓋、33…ヘッダー領域、36…原子炉格納容器、37…重力落下式炉心冷却系(GDCS)プール、41…炉心、42…原子炉圧力容器、51…ドライウェル、52…RPVサポート、53…RPVスカート、54…上部ドライウェル、58…圧力抑制室、59…圧力抑制プール、65…静的格納容器冷却系(PCCS)プール、70…コアキャッチャー、71…コアキャッチャー上端部




 

 


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