米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 核技術 -> 株式会社東芝

発明の名称 主蒸気配管および沸騰水型原子力発電プラントの運転方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−218659(P2007−218659A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−37748(P2006−37748)
出願日 平成18年2月15日(2006.2.15)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 北島 靖己
要約 課題
沸騰水型原子炉の主蒸気流量に応じて発生しうる主蒸気配管系圧力脈動の定在波の発生を防止する。

解決手段
主蒸気配管1は、主蒸気の流量に応じて管路長さを変えることができる管路長変更機構20を有する。管路長変更機構20の可動部2は、互いに平行な第1および第2の平行管部26、27と、第1および第2の平行管部26、27それぞれの一端同士を接続して管路の向きを180度変える曲管部28とを有し、第1および第2の平行管部26、27の管路方向に移動可能である。第1の平行管部26に対して摺動可能に嵌め合う直線管部21を有する第1の固定管部22と、第2の平行管部27に対して摺動可能に嵌め合う直線管部23を有する第2の固定管部24とが配置されている。第1の固定管部22から、第1の平行管部26、曲管部28、第2の平行管部27、第2の固定管部24に順次接続された管路を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
沸騰水型原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主蒸気配管において、
主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために主蒸気の流量に応じて管路長さを変えることができる管路長変更機構を有すること、を特徴とする主蒸気配管。
【請求項2】
前記管路長変更機構は、
互いに平行な第1および第2の平行部と、前記第1および第2の平行管部それぞれの一端同士を接続して管路の向きを180度変える曲管部と、を有し、前記第1および第2の平行管部の管路方向に移動可能な可動管部と、
前記第1の平行管部に対して摺動可能に嵌め合い、前記第1の平行管部の向きに延びる直線管部を有する第1の固定管部と、
前記第2の平行管部に対して摺動可能に嵌め合い、前記第2の平行管部の向きに延びる直線管部を有する第2の固定管部と、
を有し、
前記第1の固定管部から、前記第1の平行管部、曲管部、第2の平行管部、第2の固定管部に順次接続された管路を構成することを特徴とする請求項1に記載の主蒸気配管。
【請求項3】
前記管路長変更機構は、互いに入口と出口を共通として互いに長さの異なる複数の分岐管路と、これらの分岐管路に配置された弁と、を有することを特徴とする請求項1に記載の主蒸気配管。
【請求項4】
前記管路長変更機構は、
複数の分岐部を有する第1の直線管部と、
複数の分岐部を有する第2の直線管部と、
前記第1の直線管部および第2の直線管部それぞれの分岐部同士を接続する複数の分岐管と、
前記第1の直線管部および第2の直線管部の少なくとも一方の内部に挿入されて管路に沿って摺動可能で、その摺動によって前記第1または第2の直線管部の分岐部を開閉可能な弁体と、
を有すること、を特徴とする請求項3に記載の主蒸気配管。
【請求項5】
前記弁体には雄ネジが形成され、前記弁体が挿入される前記第1または第2の直線管部には前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成されていて、前記弁体の回転によって弁体が前記第1または第2の直線管部の管路方向に移動するように構成されていること、を特徴とする請求項4に記載の主蒸気配管。
【請求項6】
前記主蒸気配管内の圧力変動を検出する圧力センサと、
前記圧力センサの出力に応じて、圧力変動を抑制するように前記管路長さを変えるように管路長変更機構を制御する手段と、
をさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の主蒸気配管。
【請求項7】
前記主蒸気配管の表面に取り付けられ、当該主蒸気配管の表面の歪変動を検出する歪ゲージと、
前記歪ゲージの出力に応じて、当該歪変動を抑制するように前記管路長さを変えるように管路長変更機構を制御する手段と、
をさらに有すること、を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の主蒸気配管。
【請求項8】
沸騰水型原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主蒸気配管であって、原子炉から蒸気タービンへ向かう主配管と、この主配管から分岐して先端に閉止端を有する分岐管とを有する主蒸気配管において、
前記主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために前記分岐管の管路長を変えることができるように構成されていること、を特徴とする主蒸気配管。
【請求項9】
前記分岐管は、
前記主配管から分岐して先端に開放端を有する固定分岐管部と、
前記開放端に対して摺動可能に嵌め合って先端に閉止端を有する可動閉止管部と、
を有すること、を特徴とする請求項8に記載の主蒸気配管。
【請求項10】
前記分岐管は、
前記主配管から分岐した固定分岐管部と、
前記固定分岐管部内で摺動可能でその固定分岐管部の管路を閉止可能な弁体と、
を有すること、を特徴とする請求項8に記載の主蒸気配管。
【請求項11】
前記弁体には雄ネジが形成され、前記固定分岐管部には、前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成されていて、前記弁体の回転によって前記弁体が前記固定分岐管部の管路方向に移動するように構成されていること、を特徴とする請求項10に記載の主蒸気配管。
【請求項12】
前記主蒸気配管内の圧力変動を検出する圧力センサと、
前記圧力センサの出力に応じて、圧力変動を抑制するように前記分岐管の管路長さを変える制御手段と、
をさらに有すること、を特徴とする請求項8ないし請求項11のいずれか一項に記載の主蒸気配管。
【請求項13】
前記主蒸気配管の表面に取り付けられ、当該主蒸気配管の表面の歪変動を検出する歪ゲージと、
前記歪ゲージの出力に応じて、当該歪変動を抑制するように前記分岐管の管路長を変える制御手段と、
をさらに有すること、を特徴とする請求項8ないし請求項12のいずれか一項に記載の主蒸気配管。
【請求項14】
原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主蒸気配管を有する沸騰水型原子力発電プラントの運転方法において、
主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために主蒸気の流量に応じて主蒸気配管の長さを変えることを特徴とする沸騰水型原子力発電プラントの運転方法。
【請求項15】
原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主配管と、この主配管から分岐して先端に閉止端を有する分岐管とを備えた主蒸気配管を有する沸騰水型原子力発電プラントの運転方法において、
前記主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために前記分岐管の管路長を変えることを特徴とする沸騰水型原子力発電プラントの運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧力脈動を抑制した沸騰水型原子力発電プラントの主蒸気配管および沸騰水型原子力発電プラントの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子発電プラントにおいて、熱出力を増加して蒸気流量が増加すると、主蒸気配管、または、主蒸気配管と炉内構造物とを含めた主蒸気系で圧力の脈動が起こる恐れがある。この場合、この圧力脈動によって蒸気乾燥器などの炉内構造物を破損する恐れもある。一般に、圧力変動を抑制する手段としては、圧力を外に逃がすことや、ヘルムホルツ共鳴器を設置して脈動を吸収して抑制する方法などが知られている。
【0003】
このような圧力変動抑制手段としては、たとえば、一定の圧力以上に上昇した場合に蒸気を水プールに排出する手段と、排出時に水面振動を抑制するために水中への排出管に緩衝用の穴を多数設けることや、他分野の例では脈動発生源の圧力容器にヘルムホルツ共鳴器を隣接して設置する方法(たとえば特許文献1参照)などが行なわれる。
【特許文献1】特開平7−139738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術の排気による抑制は、緊急時に行なわれる手段として提供されており、排気を定常的に行なうと原子炉を定常的に運転することができなくなる。また、ヘルムホルツ共鳴器の設置においては、脈動発生源の音響固有振動数を予め推定し、これに合わせてヘルムホルツ共鳴器を設計する必要があるため、複雑形状での固有振動数の推定の精度向上が課題であった。また、運転条件が変化すると設置するヘルムホルツ共鳴器の固有振動数を調整しなおす必要もあり、想定される多種類の固有振動数を予め推定することも課題であった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、沸騰水型原子炉の出力の変化に応じて増減する主蒸気流量に応じて発生しうる主蒸気配管系圧力脈動の定在波の発生を防止または抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明では、沸騰水型原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主蒸気配管において、主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために主蒸気の流量に応じて管路長さを変えることができる管路長変更機構を有すること、を特徴とする。
【0007】
また、この発明の他の態様では、沸騰水型原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主蒸気配管であって、原子炉から蒸気タービンへ向かう主配管と、この主配管から分岐して先端に閉止端を有する分岐管とを有する主蒸気配管において、前記主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために前記分岐管の管路長を変えることができるように構成されていること、を特徴とする。
【0008】
また、この発明のさらに他の態様では、原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主蒸気配管を有する沸騰水型原子力発電プラントの運転方法において、主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために主蒸気の流量に応じて主蒸気配管の長さを変えることを特徴とする。
【0009】
また、この発明のさらに他の態様では、原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンへ送るための主配管と、この主配管から分岐して先端に閉止端を有する分岐管とを備えた主蒸気配管を有する沸騰水型原子力発電プラントの運転方法において、前記主蒸気配管内の圧力脈動を抑制するために前記分岐管の管路長を変えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、原子炉出力の変化に応じて増減する主蒸気流量に応じて発生しうる主蒸気配管系圧力脈動の定在波の発生を防止または抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図面を参照しながら、本発明に係る沸騰水型原子力発電プラントの主蒸気配管の種々の実施形態を説明する。ここで、相互に同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1および図2は、本発明に係る主蒸気配管の第1の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、図1は管路長を短くした状態を示す図であり、図2は管路長を長くした状態を示す図である。主蒸気配管1は、図示しない原子炉と蒸気タービンとを連絡し、原子炉で発生した主蒸気を蒸気タービンに送る機能を有する。図に示すように、主蒸気配管1の途中に、管路長さを変えることができる管路長変更機構20が設けられている。すなわち、主蒸気配管1の途中に、先端が開放された第1の直線管部21を含む第1の固定管部22が設けられ、第1の固定管部22とは切り離されて、先端が開放された第2の直線管部23を含む第2の固定管部24が設けられている。
【0013】
第1の固定管部22の第1の直線管部21と第2の固定管部24の第2の直線管部23を接続するように、U字形状の可動管部2が配置されている。可動管部2は、第1の平行管部26と、第1の平行管部26に平行な第2の平行管部27と、第1の平行管部26と第2の平行管部27とを接続して管路の向きを180度変える曲管部28とを有する。可動管部2の第1の平行管部26は第1の固定管部22の第1の直線管部21を被うように配置されて第1の直線管部21の管路方向に摺動可能であり、可動管部2の第2の平行管部27は第2の固定管部24の第2の直線管部23を被うように配置されて第2の直線管部23の管路方向に摺動可能である。
【0014】
可動管部2を、第1の直線管部21および第2の直線管部23の管路方向に摺動させるために、駆動装置5が設けられている。第1の直線管部21と第1の平行管部26との摺動部、および、第2の直線管部23と第2の平行管部27との摺動部には、主蒸気の漏洩を防止・抑制するためのシール機構3が設けられている。
【0015】
主蒸気配管1内の圧力変動を検出できるように、主蒸気配管1の固定部には圧力センサ6が取り付けられている。また、主蒸気配管の振動を検出できるように、主蒸気配管1の固定部の外表面に歪ゲージ7が取り付けられている。圧力センサ6および歪ゲージ7の出力は、計測データ処理装置8に入力され、処理されて、その出力が制御装置9に入力される。
【0016】
制御装置9は、圧力センサ6および歪ゲージ7の両方または一方の出力に基づいて、主蒸気配管1の振動が発生した場合に、共振を避けるべく、駆動装置5を駆動して主蒸気配管1の管路長さを調整する。
【0017】
圧力センサ6の取り付け位置の決定にあたっては、主蒸気配管系の音響解析をあらかじめ行ない、主蒸気配管系の圧力振動の共振が生じる場合に圧力振動の振幅が大きくなる腹の位置付近を選択するのが好ましい。
【0018】
本実施形態によれば、原子炉出力を変化させて主蒸気流量が変化した場合に、これに伴って主蒸気管路の長さを変化させることにより、主蒸気配管系の共振を回避することができる。また、圧力振動や主蒸気配管の振動が生じた場合でも、これを検出して主蒸気管路の長さを変化させることにより、共振を抑制することができる。
【0019】
以上説明した第1の実施形態の変形例として、可動管部2の平行管部26、27が固定管部22の直線管部21、23の外側になるように配置される代わりに、可動管部2の平行管部26、27が固定管部22の直線管部21、23の内側になるような構造にすることもできる。
【0020】
[第2の実施形態]
図3および図4は、本発明に係る主蒸気配管の第2の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、図3は管路長を長くした状態を示す図であり、図4は管路長を短くした状態を示す図である。
【0021】
この実施形態では、主蒸気配管1の途中に、管路長さの異なる複数の分岐管路を配置して、弁の切り替えによって分岐管路を選択し、これによって実質的に主蒸気配管1の長さを変えるものである。より具体的には、管路長変更機構30の一部として、U字形管部10が配置されている。そして、U字形管部10の途中に分岐部があって、複数(図3、図4の例では二つ)の短絡管路(バイパス管路)12a、12bでU字形管部10の一部を短絡できるようになっている。短絡管路12a、12bにはそれぞれ、短絡弁11a、11bが配置されている。
【0022】
制御装置9は、圧力センサ6および歪ゲージ7の両方または一方の出力に基づいて、主蒸気配管1の振動が発生した場合に、共振を避けるべく、短絡弁11a、11bを開閉して主蒸気配管1の管路長さを調整する。
【0023】
図3の状態では、短絡弁11a、11bがともに閉じており、主蒸気配管1を流れる主蒸気は、すべてU字形管部10の最も長い流路を通る。図4の状態では、短絡弁11aが開き、短絡弁11bが閉じているので、主蒸気配管1を流れる主蒸気は、U字形管部10の最も長い流路と短絡管路12aの両方を流れる。これにより、実質的な主蒸気配管1の長さを変えることができる。
【0024】
この実施形態によれば、原子炉出力および主蒸気流量の変化に伴い、主蒸気管路の長さを変化させることができ、これにより主蒸気配管と炉内構造物との共振を回避することができる。
【0025】
[第3の実施形態]
図5および図6は、本発明に係る主蒸気配管の第3の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、図5は管路長を短くした状態を示す図であり、図6は管路長を長くした状態を示す図である。
【0026】
この実施形態では、主蒸気配管1の途中に、管路長さを変えることができる管路長変更機構35が配置されている。管路長変更機構35の一部として、互いに平行な第1の直線管部36と第2の直線管部37が配置されている。第1の直線管部36と第2の直線管部37にはそれぞれ複数箇所(図5および図6では3箇所)の分岐部があり、第1の直線管部36と第2の直線管部37の分岐部同士を互いに接続する分岐管38a、38b、38cが配置されている。
【0027】
第1の直線管部36と第2の直線管部37にはそれぞれに雌ネジ13a、13bが形成され、それぞれに、雄ネジが形成された第1の弁体39および第2の弁体40が、第1の直線管部36および第2の直線管部37の雌ネジに螺合して挿入される。第1の弁体39および第2の弁体40にはそれぞれ、第1の駆動装置41および第2の駆動装置42に接合され、第1の駆動装置41および第2の駆動装置42の回転によって第1の弁体39および第2の弁体40が回転しながら、第1の直線管部36および第2の直線管部37の内部で管路方向に駆動される。これにより、第1の弁体39および第2の弁体40が、第1の直線管部36および第2の直線管部37を部分的に閉鎖したり開放したりする。
【0028】
たとえば図5に示す状態では、第1の弁体39および第2の弁体40が第1の直線管部36および第2の直線管部37の奥まで挿入され、その結果、分岐管38b、38cは閉じており、主蒸気配管1の流路は、分岐管38aを通るもののみとなる。したがってこのときの主蒸気配管1は管路長が短い。図6に示す状態では、図5の状態に比べて、第1の弁体39および第2の弁体40が第1の直線管部36および第2の直線管部37から引き抜かれた状態であり、このときは、主蒸気配管1の流路は、分岐管38a、38b、38cのいずれを通るものも含まれる。これにより、実質的な主蒸気配管1の長さを変えることができる。
【0029】
この実施形態によれば、原子炉出力および主蒸気流量の変化に伴い、主蒸気管路の長さを変化させることができ、これにより主蒸気配管と炉内構造物との共振を回避することができる。
【0030】
図5、図6に示した例では、分岐管38a、38b、38cの個数を3個としたが、この個数は2個以上任意に選択することができる。
【0031】
また、第3の実施形態の変形例として、弁体39、40を回転駆動しながらネジによって直線的に移動させる代わりに、ピストン状(柱状)の弁体を直線管部36、37内で直接、直線的に駆動することも可能である。
【0032】
[第4の実施形態]
図7および図8は、本発明に係る主蒸気配管の第4の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、図7は管路長を短くした状態を示す図であり、図8は分岐管路長を長くした状態を示す図である。
【0033】
主蒸気配管1は、原子炉から蒸気タービンへ向かう主配管50と、主配管50から分岐して先端が閉じた分岐管51とを有する。分岐管51の途中には、たとえば圧力計などの計測器や、通常時には閉じている逃し弁など(図示せず)が取り付けられている。
【0034】
このような分岐管51が共振源になる可能性がある。そこで本実施形態では、共振を回避するべく、分岐管51の長さを調整できるようにする。すなわち、分岐管51は、主配管50に固定されて先端が開放している固定分岐管部52と、固定分岐管部52に対して摺動しながら固定分岐管部52の外側を被うように配置された可動閉止管部53とからなる。可動閉止管部53には駆動装置5が取り付けられて、可動閉止管部53が駆動される。固定分岐管部52と可動閉止管部53との摺動部にはシール機構3が設けられ、主蒸気配管1内の主蒸気が漏れるのが防止または抑制される。
【0035】
主蒸気配管1内の圧力変動を検出できるように、主配管50に圧力センサ6が取り付けられている。また、主蒸気配管1の振動を検出できるように、主配管50の外表面に歪ゲージ7が取り付けられている。圧力センサ6および歪ゲージ7の出力は、計測データ処理装置8に入力され、処理されて、その出力が制御装置9に入力される。
【0036】
制御装置9は、圧力センサ6および歪ゲージ7の両方または一方の出力に基づいて、主蒸気配管1の振動が発生した場合に、共振を避けるべく、駆動装置5を駆動して分岐管51の管路長さを調整する。
【0037】
圧力センサ6の取り付け位置の決定にあたっては、主蒸気配管系の音響解析をあらかじめ行ない、主蒸気配管系の圧力振動の共振が生じる場合に圧力振動の振幅が大きくなる腹の位置付近を選択するのが好ましい。
【0038】
本実施形態によれば、原子炉出力を変化させて主蒸気流量が変化した場合に、これに伴って分岐管路51の長さを変化させることにより、主蒸気配管系の共振を回避することができる。また、圧力振動や主蒸気配管の振動が生じた場合でも、これを検出して分岐管路51の長さを変化させることにより、共振を抑制することができる。
【0039】
以上説明した第4の実施形態の変形例として、固定分岐管部52の内側で可動閉止管部53を摺動させることも可能である。この場合は、可動閉止管部53を中実として、固定分岐管部52内を摺動するピストンのように構成してもよい。
【0040】
[第5の実施形態]
図9および図10は、本発明に係る主蒸気配管の第5の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、図9は分岐管路長を短くした状態を示す図であり、図10は分岐管路長を長くした状態を示す図である。
【0041】
この実施形態は、第4の実施形態(図7および図8)における管路長を変えられる分岐管51の代わりに、第3の実施形態(図5および図6)におけるネジによる管路長変更機構の方式を適用したものである。すなわち、主配管50から、先端が閉じた分岐管55が分岐している。分岐管55の内側には雌ネジ56が形成され、雌ネジ56と螺合する雄ネジを有する弁体57が分岐管55内に挿入されている。弁体57には駆動装置5が接合され、駆動装置5によって弁体57が回転駆動され、これにより、弁体57が分岐管55内で管路方向に移動する。これにより、分岐管55の管路長さを変化させることができる。
【0042】
この実施形態によれば、原子炉出力および主蒸気流量の変化に伴い、分岐管55の長さを変化させることができ、これにより主蒸気配管と炉内構造物との共振を回避することができる。
【0043】
以上説明した第5の実施形態の変形例として、弁体57を回転駆動しながらネジによって直線的に移動させる代わりに、ピストン状(柱状)の弁体を固定分岐管55内で直接、直線的に駆動することも可能である。
【0044】
さらに他の変形例として、固定分岐管の端部を開放とし、固定分岐管の外側に雄ネジを形成し、この雄ネジと螺合する雌ネジを有する可動閉止管部を固定分岐管の外側に配置して可動閉止管部を回転させて軸方向に移動させることも可能である。この場合は、第4の実施形態(図7、図8)の可動閉止管部53の移動をネジ方式に変更したものであるということもできる。
【0045】
[第6の実施形態]
図11および図12は、本発明に係る主蒸気配管の第6の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、図11は分岐管路長を短くした状態を示す図であり、図12は分岐管路長を長くした状態を示す図である。
【0046】
この実施形態は、第4の実施形態(図7および図8)または第5の実施形態(図9および図10)における分岐管路長変更の方式を変更したものである。
【0047】
この実施形態では、主配管50から、先端が閉じた分岐管60が分岐している。分岐管60の途中には2個の弁61、62が直列に配置されている。図1では、主配管50に近い側の弁61が閉じているので、このときの分岐管60の有効長さは最も短い。これに対して図2では弁61、62がともに開いているので、このときの分岐管60の有効長さは最も長い。図示は省略するが、弁61が開いて弁62が閉じているときは分岐管60の有効長さが図11のときと図12のときの中間になる。このようにして、分岐管55の有効な管路長さを変化させることができる。
【0048】
この実施形態によれば、原子炉出力および主蒸気流量の変化に伴い、分岐管60の長さを変化させることができ、これにより主蒸気配管と炉内構造物との共振を回避することができる。
【0049】
なお、この実施形態で、分岐管60に設ける弁の個数は、設計により、1個以上いくつでも可能である。
【0050】
[他の実施形態]
以上、種々の実施形態について説明したが、これらは単なる例示であって、この発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0051】
たとえば、上記説明では圧力センサ6または歪ゲージ7の出力によって振動を検出した後に主蒸気配管または分岐管の管路長さを変更することにしているが、変形例として、原子炉出力や主蒸気流量などに基づいて、共振を未然に防ぐべく管路長さを変更するようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記各実施形態またはそれらの変形例の各特徴部分を複数組み合わせて実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る主蒸気配管の第1の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、管路長を短くした状態を示す図。
【図2】本発明に係る主蒸気配管の第1の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、管路長を長くした状態を示す図。
【図3】本発明に係る主蒸気配管の第2の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、管路長を長くした状態を示す図。
【図4】本発明に係る主蒸気配管の第2の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、管路長を短くした状態を示す図。
【図5】本発明に係る主蒸気配管の第3の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、管路長を短くした状態を示す図。
【図6】本発明に係る主蒸気配管の第3の実施形態の管路長変更機構付近を示す模式的縦断面図であって、管路長を長くした状態を示す図。
【図7】本発明に係る主蒸気配管の第4の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、分岐管路長を短くした状態を示す図。
【図8】本発明に係る主蒸気配管の第4の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、分岐管路長を長くした状態を示す図。
【図9】本発明に係る主蒸気配管の第5の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、分岐管路長を短くした状態を示す図。
【図10】本発明に係る主蒸気配管の第5の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、分岐管路長を長くした状態を示す図。
【図11】本発明に係る主蒸気配管の第6の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、分岐管路長を短くした状態を示す図。
【図12】本発明に係る主蒸気配管の第6の実施形態の分岐管路付近を示す模式的縦断面図であって、分岐管路長を長くした状態を示す図。
【符号の説明】
【0054】
1…主蒸気配管、2…可動管部、3…シール機構、5…駆動装置、6…圧力センサ、7…歪ゲージ、8…計測データ処理装置、9…制御装置、10…U字形管部、11a,11b…短絡弁、12a,12b…分岐管路(バイパス管路)、13…雌ネジ、20…管路長変更機構、21…第1の直線管部、22…第1の固定管部、23…第2の直線管部、24…第2の固定管部、26…第1の平行管部、27…第2の平行管部、28…曲管部、30…管路長変更機構、35…管路長変更機構、36…第1の直線管部、37…第2の直線管部、38a,38b,38c…分岐管、39…第1の弁体、40…第2の弁体、41…第1の駆動装置、42…第2の駆動装置、50…主配管、51…分岐管、52…固定分岐管部、53…可動閉止管部、55…分岐管、56…雄ネジ、57…弁体、60…分岐管、61,62…弁




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013