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発明の名称 残留熱除去系およびその運転方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−187543(P2007−187543A)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
出願番号 特願2006−5631(P2006−5631)
出願日 平成18年1月13日(2006.1.13)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 山崎 弘詞 / 久島 和夫
要約 課題
沸騰水型原子炉の残留熱除去系において、非常用炉心冷却系として規定されたポンプ揚程の範囲内で注入弁のエロージョンを防止する。

解決手段
熱交換器1と、熱交換器1に連通する熱交換器通水配管11と、熱交換器通水配管11上に配置された熱交換器通水弁2と、熱交換器通水配管11から分岐して熱交換器1をバイパスする熱交換器バイパス配管12と、熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁4と、熱交換器通水配管11および熱交換器バイパス配管12を通った冷却材を原子炉10へ注入する注入配管13と、注入配管13上に配置された注入弁5と、注入配管13から分岐して注入弁5をバイパスする注入弁バイパス配管17と、注入弁バイパス配管17上に配置された注入弁バイパス弁18と、を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系において、
冷却材の熱を除去する熱交換器と、
前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、
前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスする熱交換器バイパス配管と、
前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、
前記熱交換器通水配管および熱交換器バイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、
前記注入配管上に配置された注入弁と、
前記注入配管から分岐して前記注入弁をバイパスする注入弁バイパス配管と、
前記注入弁バイパス配管上に配置された注入弁バイパス弁と、
を有すること特徴とする残留熱除去系。
【請求項2】
冷却材喪失事故時に前記注入弁バイパス弁が開くように構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の残留熱除去系。
【請求項3】
沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系において、
冷却材の熱を除去する熱交換器と、
前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、
前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、
前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、
前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、
前記注入配管上に配置された注入弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、
前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、
を有すること特徴とする残留熱除去系。
【請求項4】
冷却材喪失事故時に前記熱交換器通水弁バイパス弁が開くように構成されていること、を特徴とする請求項3に記載の残留熱除去系。
【請求項5】
前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度と前記熱交換器バイパス弁の開度とを調整することにより、前記熱交換器の流量と前記熱交換器バイパス配管の流量とを制御するように構成されていること、を特徴とする請求項3または4に記載の残留熱除去系。
【請求項6】
前記原子炉内の冷却材の温度を検出する温度検出器をさらに有し、
前記温度検出器で検出された冷却材の温度の低下速度が所定の値を越えた場合に前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度を減少させ、前記温度検出器で検出された冷却材の温度の低下速度が所定の値未満の場合に前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度を増加させるように構成されていること、
を特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の残留熱除去系。
【請求項7】
前記注水弁を通る冷却材の流量を検出する流量検出器をさらに有し、
前記流量検出器で検出された冷却材の流量が所定の値を越えた場合に前記熱交換器バイパス弁の開度を減少させ、流量検出器で検出された冷却材の流量が所定の値未満の場合に前記熱交換器バイパス弁の開度を増加させるように構成されていること、
を特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか一項に記載の残留熱除去系。
【請求項8】
前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度と前記熱交換器バイパス弁の開度と前記注入弁の開度とを調整することにより、前記熱交換器の流量と前記熱交換器バイパス配管の流量と前記注入弁の流量とを制御するように構成されていること、を特徴とする請求項3または4に記載の残留熱除去系。
【請求項9】
前記原子炉内の冷却材の温度を検出する温度検出器をさらに有し、
前記温度検出器で検出された冷却材の温度の低下速度が所定の値を越えた場合に、前記熱交換器バイパス弁の開度を増加させ、さらに前記熱交換器バイパス弁が全開の時には前記流通弁バイパス弁の開度を減少させ、
前記温度検出器で検出された冷却材の温度の低下速度が所定の値未満の場合に、前記流通弁バイパス弁の開度を増大させ、さらに前記流通弁が全開の時には前記熱交換器バイパス弁の開度を減少させるように構成されていること、
を特徴とする請求項3、請求項4または請求項8に記載の残留熱除去系。
【請求項10】
前記注水弁を通る冷却材の流量を検出する流量検出器をさらに有し、
前記流量検出器で検出された冷却材の流量が所定の値を越えた場合に前記注入弁の開度を減少させ、流量検出器で検出された冷却材の流量が所定の値未満の場合に前記注入弁の開度を増大させるように構成されていること、
を特徴とする請求項3、請求項4、請求項8または請求項9に記載の残留熱除去系。
【請求項11】
沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、
前記残留熱除去系は、
冷却材の熱を除去する熱交換器と、
前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、
前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスする熱交換器バイパス配管と、
前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、
前記熱交換器通水配管および熱交換器バイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、
前記注入配管上に配置された注入弁と、
前記注入配管から分岐して前記注入弁をバイパスする注入弁バイパス配管と、
前記注入弁バイパス配管上に配置された注入弁バイパス弁と、
を有し、
当該運転方法は、冷却材喪失事故時に前記注入弁バイパス弁を開くこと、を特徴とする残留熱除去系の運転方法。
【請求項12】
沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、
前記残留熱除去系は、
冷却材の熱を除去する熱交換器と、
前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、
前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、
前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、
前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、
前記注入配管上に配置された注入弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、
前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、
を有し、
当該運転方法は、冷却材喪失事故時に前記熱交換器通水弁バイパス弁を開くこと、を特徴とする残留熱除去系の運転方法。
【請求項13】
沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、
前記残留熱除去系は、
冷却材の熱を除去する熱交換器と、
前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、
前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、
前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、
前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、
前記注入配管上に配置された注入弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、
前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、
を有し、
当該運転方法は、
前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度を調整することにより前記原子炉内の冷却材温度を調整する工程と、
前記熱交換器バイパス弁の開度を調整することにより前記注入弁を通る冷却材の流量を調整する工程と、
を含むこと、を特徴とする残留熱除去系の運転方法。
【請求項14】
沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、
前記残留熱除去系は、
冷却材の熱を除去する熱交換器と、
前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、
前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、
前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、
前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、
前記注入配管上に配置された注入弁と、
前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、
前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、
を有し、
当該運転方法は、
前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度および前記熱交換器バイパス弁の開度を調整することにより前記原子炉内の冷却材温度の低下速度を調整する工程と、
前記注入弁の開度を調整することにより前記注入弁を通る冷却材の流量を調整する工程と、
を含むこと、を特徴とする残留熱除去系の運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、沸騰水型原子炉の炉停止時および冷却材喪失事故時に使用される残留熱除去系およびその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沸騰水型原子炉の残留熱除去系は、冷却材喪失事故時の非常用炉心冷却系としての機能と、原子炉停止後に原子炉内燃料から発生する崩壊熱を除去する停止時冷却系としての機能を兼ね備えている(特許文献1参照)。
【0003】
残留熱除去系を非常用炉心冷却系の一つとして運転する場合は、原子炉冷却材喪失事故時に規定時間以内に原子炉圧力に応じた冷却水流量を注水する必要があるため、系統抵抗は規定したポンプ揚程以下でなければならない。
【0004】
一方、停止時冷却系として運転する場合においては、特に原子炉停止時の燃料交換作業を行なう際は原子炉水の揺れや濁りを最小限に抑え炉心燃料の確認および燃料の交換作業を効率的に行なうために、冷却に支障のない範囲で残留熱除去系の系統流量を必要最小限の流量に調整する必要がある。
【0005】
残留熱除去系ポンプの吸込側は、原子炉圧力容器と接続した原子炉冷却材再循環系ポンプの吸込配管より分岐しており、プラントの通常運転時に接続している非常用炉心冷却系の水源であるサプレッションプールとは水源切り替え用の止め弁により分離されている。原子炉冷却材は、原子炉冷却材再循環ポンプの吸込配管より分岐した後、残留熱除去系ポンプにより加圧され、残留熱除去系熱交換器により冷却された後、原子炉冷却材再循環系ポンプの吐出配管に合流して原子炉圧力容器へ戻される。残留熱除去系の原子炉圧力容器への注入配管上には注入弁がある。
【0006】
原子炉圧力容器へ水を供給する注入配管は、非常用炉心冷却系としての機能と停止時冷却系としての機能を共有しており、非常用炉心冷却系として起動する時は、注入弁は自動で全開となり原子炉圧力容器への冷却水の注入が行なわれる。一方、停止時冷却系として運用する際は注入弁の遠隔手動操作にて流量調整が行なわれる。したがって、注入配管上の注入弁は事故時の流量および差圧条件と原子炉停止時の流量および差圧条件の両方を満たす必要がある。
【0007】
停止時冷却系運転時に原子炉冷却材温度降下速度を設計値以下に抑えなければならないため、熱交換器バイパス弁の開度によって熱交換器への通水流量を調整する。特に原子炉停止直後の原子炉冷却材の温度が高いときには熱交換器への通水流量を絞る必要がある。一部のプラントでは熱交換器側の弁にも絞り機能が付加されており熱交換器側への通水流量を直接調整することも可能であるが、熱交換器側の弁に絞り機能がないプラントでは、熱交換器バイパス流量のみを調整している。
【特許文献1】特公昭64−6716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
停止時冷却系で運用時に系統流量を低下させる場合は注入弁を低開度で運用する必要があり、弁のエロージョンによる補修作業が負担となっている。エロージョンを防止するためには、注入弁の流量および差圧条件を緩和させる必要があり、対策として残留熱除去系の注入弁の上流または下流に流量調整オリフィスまたは絞り弁を追加する案もあるが、非常用炉心冷却系として規定されたポンプ揚程に対する圧損値の余裕が限られており、十分な差圧のある絞り機構を付加することができない。また、大口径の弁またはオリフィスを追加設置することはレイアウトの制約もあり、実現が困難な場合もある。
【0009】
また、原子炉停止時における原子炉冷却材の温度降下速度を調整する場合は、系統流量を一定に保ちながら熱交換器への通水流量を調整する必要があり、熱交換器バイパス側の弁にしか流量調整機能がないプラントでは、熱交換器側の通水流量調整が難しい。
【0010】
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、沸騰水型原子炉の残留熱除去系において、非常用炉心冷却系として規定されたポンプ揚程の範囲内で注入弁のエロージョンを防止する装置・方法と、系統流量の調整と原子炉冷却材の温度調整を容易に行なう機能を加える装置・方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するものであって、本発明の一つの態様では、沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系において、冷却材の熱を除去する熱交換器と、前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスする熱交換器バイパス配管と、前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、前記熱交換器通水配管および熱交換器バイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、前記注入配管上に配置された注入弁と、前記注入配管から分岐して前記注入弁をバイパスする注入弁バイパス配管と、前記注入弁バイパス配管上に配置された注入弁バイパス弁と、を有すること特徴とする。
【0012】
本発明の他の一つの態様では、沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系において、冷却材の熱を除去する熱交換器と、前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、前記注入配管上に配置された注入弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、を有すること特徴とする。
【0013】
本発明の他の一つの態様では、沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、前記残留熱除去系は、冷却材の熱を除去する熱交換器と、前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスする熱交換器バイパス配管と、前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、前記熱交換器通水配管および熱交換器バイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、前記注入配管上に配置された注入弁と、前記注入配管から分岐して前記注入弁をバイパスする注入弁バイパス配管と、前記注入弁バイパス配管上に配置された注入弁バイパス弁と、を有し、当該運転方法は、冷却材喪失事故時に前記注入弁バイパス弁を開くこと、を特徴とする。
【0014】
本発明の他の一つの態様では、沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、前記残留熱除去系は、冷却材の熱を除去する熱交換器と、前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、前記注入配管上に配置された注入弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、を有し、当該運転方法は、冷却材喪失事故時に前記熱交換器通水弁バイパス弁を開くこと、特徴とする。
【0015】
本発明の他の一つの態様では、沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、前記残留熱除去系は、冷却材の熱を除去する熱交換器と、前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、前記注入配管上に配置された注入弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、を有し、当該運転方法は、前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度を調整することにより前記原子炉内の冷却材温度を調整する工程と、前記熱交換器バイパス弁の開度を調整することにより前記注入弁を通る冷却材の流量を調整する工程と、を含むこと、を特徴とする。
【0016】
本発明の他の一つの態様では、沸騰水型原子炉の炉停止時に原子炉内の冷却材を循環させて残留熱を除去するとともに、冷却材喪失事故時にサプレッションプールの水を原子炉内に注入させる残留熱除去系の運転方法において、前記残留熱除去系は、冷却材の熱を除去する熱交換器と、前記熱交換器に連通する熱交換器通水配管と、前記熱交換器通水配管上に配置された熱交換器通水弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器をバイパスし、しかも前記熱交換器および注入弁をバイパスしない熱交換器バイパス配管と、前記熱交換器バイパス配管上に配置された熱交換器バイパス弁と、前記熱交換器通水配管およびバイパス配管を通った冷却材を原子炉へ注入する注入配管と、前記注入配管上に配置された注入弁と、前記熱交換器通水配管から分岐して前記熱交換器通水弁をバイパスする熱交換器通水弁バイパス配管と、前記熱交換器通水弁バイパス配管上に配置された熱交換器通水弁バイパス弁と、を有し、当該運転方法は、前記熱交換器通水弁バイパス弁の開度および前記熱交換器バイパス弁の開度を調整することにより前記原子炉内の冷却材温度の低下速度を調整する工程と、前記注入弁の開度を調整することにより前記注入弁を通る冷却材の流量を調整する工程と、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、沸騰水型原子炉の残留熱除去系において、非常用炉心冷却系として規定されたポンプ揚程の範囲内で注入弁のエロージョンを防止する装置・方法と、系統流量の調整と原子炉冷却材の温度調整を容易に行なう機能を加える装置・方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る残留熱除去系の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
まず、図1を用いて本発明に係る残留熱除去系の第1の実施形態を説明する。残留熱除去系ポンプ6の吸込側は、原子炉圧力容器10と接続した原子炉冷却材再循環系ポンプ7の吸込配管22より分岐しており、プラント(原子炉)の通常運転時に接続している非常用炉心冷却系の水源であるサプレッションプール19とは、非常用炉心冷却系水源側水源切替用止め弁21により分離されている。
【0020】
原子炉冷却材は、原子炉冷却材再循環ポンプ7の吸込配管22より分岐した後、原子炉側水源切替用止め弁20を経て、残留熱除去系ポンプ6により加圧され、熱交換器1に送られて除熱され冷却される。その後、注入配管13を経て、原子炉冷却材再循環系ポンプ7の吐出配管14に合流して、原子炉圧力容器10へ戻される。残留熱除去系の原子炉圧力容器10への注入配管13上には注入弁5が配置されている。系統流量の計測は注入配管13上の流量計8で行なわれる。
【0021】
残留熱除去系ポンプ6を通った冷却材は、熱交換器1の上流側で熱交換器バイパス配管12によって分岐し、熱交換器バイパス配管12は、熱交換器1の下流側、流量計8の上流側で再び熱交換器1を通った冷却材と合流する。熱交換器バイパス配管12には熱交換器バイパス弁4が配置されている。
【0022】
熱交換器1の入口側の熱交換器入口配管(熱交換器通水配管)11には熱交換器入口弁(熱交換器通水弁)2が配置され、この熱交換器入口弁2をバイパスするように熱交換器入口弁バイパス配管(熱交換器通水弁バイパス配管)16が配置され、熱交換器入口弁バイパス配管16の途中に熱交換器入口弁バイパス弁(熱交換器通水弁バイパス弁)15が配置されている。熱交換器1の出口側には熱交換器出口弁(熱交換器通水弁)3が配置されている。
【0023】
また、残留熱除去系の注入配管13上の注入弁5まわりに注入弁バイパス配管17が配置され、この注入弁バイパス配管17の途中に注入弁バイパス弁18が配置されている。
【0024】
本実施の形態によれば、原子炉停止時に残留熱除去系を停止時冷却系として運転する場合は、注入弁5を閉じたままで流量計8の指示値を確認しながら注入弁バイパス弁18により流量調整を行ない、非常用炉心冷却系として運転する場合は従来と同様に注入弁5を使用する。
【0025】
注入弁バイパス配管17を注入配管13と比較して小口径とし、注入弁バイパス弁18を低流量で調整可能とすることにより、冷却材喪失事故時に注入弁5を通水する際の系統抵抗の増加を最小限に抑えながら、原子炉停止時において低流量かつ高差圧での流量調整が可能となり注入弁5のエロージョンを防止することができる。なお、注入弁バイパス配管17上に流量制限オリフィスを設置し、オリフィスにより系統流量を調整することも可能である。
【0026】
さらに、原子炉停止時における原子炉冷却材の温度降下速度の調整のために、熱交換器入口弁2を閉じ、原子炉再循環ポンプ7の吸込配管22に設置された温度計9で指示値を確認しながら熱交換器入口弁バイパス弁15の開度により熱交換器1への通水流量を調整することも可能である。
【0027】
これにより、熱交換器バイパス弁4とともに原子炉冷却材の温度降下速度の調整を行なうことも可能となる。なお、熱交換器入口弁バイパス配管16および熱交換器入口弁バイパス弁15を設ける代わりに熱交換器出口弁3まわりに熱交換器出口弁バイパス配管(熱交換器通水弁バイパス配管。図示せず)および熱交換器出口弁バイパス弁(熱交換器通水弁バイパス弁。図示せず)を設けてもよい。また、熱交換器出口弁バイパス配管上に流量制限オリフィスを設置し、オリフィスにより系統流量を調整することも可能である。
【0028】
この実施形態ではさらに、注入弁バイパス弁18に、注入弁5と同様に、冷却材喪失事故信号で開となるインターロックを付加し、事故時に開作動させる。これにより、原子炉冷却材喪失時には注入弁バイパス配管18側にも通水されることから、注入弁5に通水される流量が低下するため注入弁5の差圧が低下する。
【0029】
さらに、冷却材喪失事故時に熱交換器入口弁バイパス弁15を開作動させることもできる。この場合も同様に熱交換器入口弁2での差圧が低下する。
【0030】
これにより、系統抵抗が下がるため、非常用炉心冷却系として規定されたポンプ揚程に対する系統抵抗の裕度を広げることできる。系統抵抗の裕度が広がることにより、たとえば他の目的で系統抵抗が増加する改造を行なう際に、引き廻しを変更する配管に対する系統抵抗増加の制約や、残留熱除去系の機器のリプレース時における差圧等の要求条件の裕度を広げることが可能となる。
【0031】
[第2の実施形態]
図2および図3を用いて、本発明に係る残留熱除去系の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同一または類似の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0032】
第2の実施形態では、第1の実施形態における原子炉冷却材の減温速度の制御を制御装置30による自動で行なう。このために、原子炉再循環ポンプ7の吸込配管22に設置された温度計9の計測値により算出された減温速度に応じて、熱交換器入口弁バイパス弁15で熱交換器1の冷却能力の調整を行なう。図3の制御インターロックの構成に示すように、熱交換器入口弁バイパス弁15の開度を変更すると系統流量の再調整が必要となるため、残留熱除去系の流量計8の計測値に応じ熱交換器バイパス弁4および注入弁5の開度を調整する操作を繰り返し実施する。
【0033】
図3は、図2に示された残留熱除去系の停止時冷却モードの第2の実施形態における手順を示すものである。工程S1で、温度計9で計測された原子炉冷却材温度Tが読み込まれ、工程S2で、原子炉冷却材温度Tに基いて原子炉冷却材減温速度が算出される。工程S3で、原子炉冷却材減温速度が所定の設定値以上か否かが判断される。原子炉冷却材減温速度が所定の設定値以上の場合は、工程S4で、熱交換器入口弁バイパス弁15の開度を減少させる。工程S3で原子炉冷却材減温速度が所定の設定値未満の場合は、工程S5で、熱交換器入口弁バイパス弁15の開度を増加させる。
【0034】
工程S4または工程S5の後に、工程S6で、流量計8で計測された残留熱除去系系統流量Fが読み込まれ、工程S7で、残留熱除去系系統流量Fが所定の設定値以上か否かが判断される。残留熱除去系系統流量Fが所定の設定値以上の場合は、工程S8で、熱交換器バイパス弁4の開度を減少させる。工程S7で、残留熱除去系系統流量Fが所定の設定値未満の場合は、工程S9で、熱交換器バイパス弁4の開度を増加させる。
【0035】
工程S8または工程S9の後に、工程S1に戻り、以下、繰り返される。
【0036】
本実施形態によれば、一定の減温速度で安定した流量にて冷却を行なうことができる。
【0037】
これにより、原子炉停止時に所定値以下の温度降下(減温)速度にて原子炉冷却材を冷却することが可能となり、原子炉の開放時期が早まり、原子炉停止期間を短縮することが可能である。
【0038】
[第3の実施形態]
図2および図4を用いて、本発明に係る残留熱除去系の第3の実施形態を説明する。第2の実施形態と同一または類似の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0039】
この実施形態では、図4の制御インターロックの構成に示すように、原子炉冷却材の減温速度の制御を熱交換器入口弁バイパス弁15および熱交換器バイパス弁4で行ない、注入弁5で流量調整を行なう。
【0040】
図4は、図2に示された残留熱除去系の停止時冷却モードの第3の実施形態における手順を示すものである。工程S11で、温度計9で計測された原子炉冷却材温度Tが読み込まれ、工程S12で、原子炉冷却材温度Tに基いて原子炉冷却材減温速度が算出される。工程S13で、原子炉冷却材減温速度が所定の設定値以上か否かが判断される。原子炉冷却材減温速度が所定の設定値以上の場合は、工程S14で、熱交換器バイパス弁4の開度を増大させ、さらに、熱交換器バイパス弁4が全開の時には、熱交換器入口弁バイパス弁15の開度を減少させる。工程S13で原子炉冷却材減温速度が所定の設定値未満の場合は、工程S15で、熱交換器入口弁バイパス弁15の開度を増大させ、さらに、熱交換器入口弁バイパス弁15が全開の時には、熱交換器バイパス弁4の開度を減少させる。
【0041】
工程S14または工程S15の後に、工程S16で、流量計8で計測された残留熱除去系系統流量Fが読み込まれ、工程S17で、残留熱除去系系統流量Fが所定の設定値以上か否かが判断される。残留熱除去系系統流量Fが所定の設定値以上の場合は、工程S18で、注入弁5の開度を減少させる。工程S17で、残留熱除去系系統流量Fが所定の設定値未満の場合は、工程S19で、注入弁5の開度を増加させる。
【0042】
工程S18または工程S19の後に、工程S11に戻り、以下、繰り返される。
【0043】
本実施形態によれば、注入弁5の絞り機能を利用しながら所定の減温速度以下で安定した流量で、原子炉冷却材を冷却することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る残留熱除去系を示す系統図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る残留熱除去系を示す系統図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る残留熱除去系の停止時冷却モードの自動制御の手順を示すフロー図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る残留熱除去系の停止時冷却モードの自動制御の手順を示すフロー図。
【符号の説明】
【0045】
1…熱交換器、2…熱交換器入口弁(熱交換器通水弁)、3…熱交換器出口弁(熱交換器通水弁)、4…熱交換器バイパス弁、5…注入弁、6…残留熱除去系ポンプ、7…原子炉冷却材再循環系ポンプ、8…流量計、9…温度計、10…原子炉圧力容器、11…熱交換器入口配管(熱交換器通水配管)、12…熱交換器バイパス配管、13…注入配管、14…原子炉冷却材再循環系戻り配管、15…熱交換器入口弁バイパス弁(熱交換器通水弁バイパス弁)、16…熱交換器入口弁バイパス配管(熱交換器通水弁バイパス配管)、17…注入弁バイパス配管、18…注入弁バイパス弁、19…サプレッションプール、20…原子炉側水源切替用止め弁、21…非常用炉心冷却系水源側水源切替用止め弁、22…原子炉再循環系ポンプ吸込配管、30…制御装置




 

 


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