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発明の名称 原子力発電設備
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−155355(P2007−155355A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−346948(P2005−346948)
出願日 平成17年11月30日(2005.11.30)
代理人 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩
発明者 阿部 由美子 / 斉藤 宣久 / 鹿野 文寿
要約 課題
本発明の目的は、原子炉内において放射線分解によって発生する水素ガスに含まれるトリチウム濃度を排出基準以下まで低下させ、一般利用可能な水素ガスを回収する原子力発電設備を提供することにある。

解決手段
原子炉内において放射線分解によって発生する水素ガスのトリチウム濃度を低下させてトリチウムを除去する水素トリチウム分離装置34を具備し、この水素トリチウム分離装置34によってトリチウムが除去された水素ガスを回収する水素ガス回収装置35を備えたことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉内において発生する水素ガスに含まれるトリチウム濃度を低下させてトリチウムを除去する水素トリチウム分離装置を具備し、この水素トリチウム分離装置によってトリチウムが除去された水素ガスを回収する水素ガス回収装置を備えたことを特徴とする原子力発電設備。
【請求項2】
原子力発電設備を構成するタービンに配設された排ガス系に前記水素トリチウム分離装置および水素ガス回収装置を設置することを特徴とする請求項1記載の原子力発電設備。
【請求項3】
前記水素トリチウム分離装置または水素ガス回収装置には、トリチウム濃度を低下させる手段として水素貯蔵合金を収容することを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
【請求項4】
前記水素トリチウム分離装置には、トリチウム濃度を低下させる手段として、トリチウムを選択的に付着させる吸着剤を使用することを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
【請求項5】
前記吸着剤は、シリカゲル、金属パラジウム、モレキュラーシーブ、黒鉛層間化合物および活性アルミナから選択された少なくとも1部材から成ることを特徴とする請求項4記載の原子力発電設備。
【請求項6】
前記水素トリチウム分離装置には、トリチウム濃度を低下させる手段として、トリチウムを選択的に付着させる金属膜を使用することを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
【請求項7】
前記水素トリチウム分離装置には、トリチウム濃度を低下させる手段として、トリチウムを選択的に付着させる触媒を使用することを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
【請求項8】
前記触媒は、アルミナを担体とした親水性触媒またはPTFEおよびジビニルベンゼン架橋ポリスチレンを担体とした疎水性触媒から選択された少なくとも1部材とし、いずれも白金を含むことを特徴とする請求項7記載の原子力発電設備。
【請求項9】
前記水素トリチウム分離装置には、トリチウム濃度を低下させる手段として、水素とトリチウムの重量差および温度勾配を利用して、トリチウムを分離させる熱拡散器を使用することを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
【請求項10】
前記水素トリチウム分離装置には、トリチウム濃度を低下させる手段として、トリチウムまたは水素を励起させるレーザを使用することを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
【請求項11】
前記水素トリチウム分離装置には、トリチウム濃度を低下させる手段として、水素吸蔵合金、吸着剤、金属膜、触媒、熱拡散器およびレーザのいずれか2つ以上を利用していることを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
【請求項12】
前記水素ガス回収装置は、回収した水素ガス中のトリチウム濃度を大気中放出基準以下まで低下させるように保持することを特徴とする請求項1または2記載の原子力発電設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉内で発生する水素を有効に活用することのできる原子力発電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に原子力発電設備の概略図を示す。図7において原子力発電設備30には原子炉圧力容器1が配設されている。この原子炉圧力容器1内で発生した主蒸気は、主蒸気配管31を介してタービン2に導かれる。タービン2で仕事をした主蒸気は復水器6で凝縮されて復水となり、復水ポンプ7で昇圧され、給水加熱器8で加熱された後、給水ポンプ9によって再度昇圧されて原子炉圧力容器1内に給水として導かれる。
【0003】
原子炉圧力容器1内において炉水となった給水からは放射線分解により水素ガスおよび酸素ガスが発生する。これらは、主蒸気とともに主蒸気配管31を通って、タービン2に送られ、排ガス系32に排出される。その後、放射線分解により発生した水素ガスおよび酸素ガスは蒸気式空気抽出器3を経て、予熱器4によって再度過熱され、触媒反応を用いた再結合器5によって再結合されて水蒸気になり、排ガス復水器33に入り凝縮されて水になる。凝縮されなかった排ガスは系外に放出され、さらに排ガス復水器33で凝縮された水は復水器6に戻され、給水となって再度原子炉圧力容器1内に戻される。
【特許文献1】特開2005−83946
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
来るべき水素社会を考慮すると原子炉内において副産物として製造される水素ガスを水に戻さずそのまま回収可能となれば、エネルギーの有効活用となる。
【0005】
タービン出口での水蒸気に含まれる水素ガス量は、例えば、80MeW級の沸騰水型原子炉であれば、86Nm3/hとなる。これは、90L、150気圧のボンベに換算すると、1時間に6.4本、1日154本程度となる量である。水素回収システムが実用化されれば、製造設備を作ることなく水素を入手できる
しかし、発生した水素ガスには、水素の同位体であるトリチウムが存在している。トリチウムは放射性元素であるため、炉外の排出基準は元素状トリチウム(トリチウムのガス)で空気中濃度限度:90Bq/ccトリチウム水としては空気中濃度限度:0.005Bq/cc、水中濃度限度:60Bq/cc
【0006】
と決まっており、プラント外において使用するには基準を達成するまで含有濃度を低下させる必要がある。
【0007】
本発明の目的は、原子炉内において放射線分解によって発生する水素ガスに含まれるトリチウム濃度を排出基準以下まで低下させ、一般利用可能な水素ガスを回収する原子力発電設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明においては、原子炉内において発生する水素ガスのトリチウム濃度を低下させてトリチウムを除去する水素トリチウム分離装置を具備し、この水素トリチウム分離装置によってトリチウムが除去された水素ガスを回収する水素ガス回収装置を備えたことを特徴とする原子力発電設備を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る原子力発電設備によれば、原子炉内において放射線分解によって発生する水素ガスに含まれるトリチウム濃度を排出基準以下まで低下させ、一般利用可能な水素ガスを回収する原子力発電設備を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図を参照して本発明の実施の形態に係る原子力発電設備について説明する。
【0011】
ここで図1に本発明の原子力発電設備の概略構成図を示す。なお、図1において図7と同一部分には同一符号を付し、その部分の構成の説明は省略する。
【0012】
図1においてタービン2から抽気された水素ガスを含んだ水蒸気は、蒸気式空気抽出器3を経た後、水蒸気および酸素ガスを分離するためにパラジウム(Pd)分離膜10を通る。水蒸気および酸素ガスが分離され、残った水素ガスとトリチウムガスは、水素とトリチウムを分離させる水素トリチウム分離装置(以下水素/トリチウム分離装置と呼ぶ)11に入り、水素ガスのトリチウム濃度を低下させてトリチウムを分離した後、加圧装置を経て水素ガスを得る。分離されたトリチウムはトリチウム戻り配管40を介して予熱器4の上流側に戻される。
【0013】
次に図2を参照して水素/トリチウム分離装置11の概略構成を説明する。この実施例として、Pdを含んだ水素吸蔵合金21を利用した場合の分離システムを示している。
【0014】
水素/トリチウム分離装置11は、図2に示すように水素吸蔵合金を配した同様の構成を有するラインを少なくとも2ライン保持している。本実施例においてはラインの説明の便宜上、ラインa、ラインbの2ラインとする。まず、トリチウムを含んだ水素ガスは配管22から水素/トリチウム分離装置11に導入される。導入されたトリチウムを含んだ水素ガスは第1電磁弁12,15を介してラインaまたはラインbに導入される。
【0015】
例えばラインaに導入されたトリチウムを含んだ水素ガスはエリアAに配設された圧力計18およびヒータ19を有する水素貯蔵装置34に入ることによって、水素貯蔵装置34内に収容された水素吸蔵合金21に吸収される。
【0016】
図3に水素貯蔵合金としてPdを使用したときの水素およびトリチウムの吸収放出時の温度および圧力の関係を示す。なお、図3(a)は水素の例を図3(b)はトリチウムの例を示している。
【0017】
この図3によると、温度上昇時にはPdは温度140℃で水素放出を開始し、180℃で大部分の放出を終了し、温度下降時には160℃で吸収を開始し、120℃でほぼ吸収を終了する。一方、トリチウムは温度上昇時には、約90℃で放出を開始し、125℃放出を終了する。温度下降時には、95℃で吸収を開始し、60℃で吸収を終了する。従って、水素は吸収されるが、トリチウムは放出される設定温度と圧力例えば、温度120℃、圧力1100mbar(0.11MPa)に保持した場合、水素は吸収されるが、トリチウムは放出されるので、水素とトリチウムを分離することが出来る。
【0018】
このように温度および圧力を制御することによって水素貯蔵装置34内に収容された水素吸蔵合金21を通過したトリチウムガスは、第2電磁弁14(ラインbの場合は第2電磁弁17)を通ってオフガス系の再結合ラインすなわち予熱器4の上流側へ流れる。
【0019】
分離エリアAにおいて水素貯蔵限度量までトリチウムを含んだ水素ガスを流した後、第1電磁弁12を閉じ、第1電磁弁15を開け、ラインbのみにトリチウムを含んだ水素ガスが流れるようにする。
【0020】
一方エリアAでは、水素吸蔵合金21が水素を放出する条件温度圧力である例えば温度185℃、圧力0.19MPaとして水素吸蔵合金21から水素ガスを放出させる。
【0021】
第2電磁弁14(ラインbの場合は第2電磁弁17)を閉じ、第3電磁弁13(ラインbの場合は第3電磁弁16)を開けることによって、放出された水素ガスを水素吸蔵合金36が水素を吸収する温度および圧力、例えば温度120℃、圧力0.11MPaに制御した分離エリアBの水素回収装置35に導入させ、水素回収装置35内に収容された水素吸蔵合金36に吸収させる。
【0022】
その後、分離エリアBを水素吸蔵合金36が水素を放出する温度および圧力、例えば温度185℃、圧力0.19Mpaに制御し、水素吸蔵合金21より水素ガスを放出させ、水素ガスを水素ガスボンベ20に回収する。
【0023】
この時の水素ガスに含まれるトリチウムを大気中放出基準以下になるようにする。例えば、沸騰水型原子炉において発生するトリチウム濃度を約300(Bq/cc)と想定すると、空気中のトリチウム濃度限度値は60(Bq/cc)であるため、発生するトリチウム濃度を20%以下まで低減させる必要がある。
【0024】
ラインbにおいても同様な回収を行う。運転の際には、ラインaおよびラインbを交互に使うことによって、連続した回収を行うことができる。
【0025】
水素吸蔵合金の種類によっては上述した分離エリアAから分離エリアDの温度、圧力条件は異なり、分離に対して水素およびトリチウムの吸収または放出に最適な条件で水素/トリチウム分離装置11を稼動させる必要がある。
【0026】
次に図4を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図4において図2と同一部分には同一符号を付しその部分の構成の説明は省略する。
【0027】
図4において、水素/トリチウム分離装置37を構成する分離エリアAおよび分離エリアCに吸着剤23、触媒および金属膜を設置し、トリチウムを付着させ低減させる。低減後のガスはエリアBまたはエリアDへ流し、水素吸蔵合金36を用いて回収する。水素吸蔵合金36を含むエリアが無くとも、そのまま水素ガスを回収することも可能である。この実施の形態においても上述したように、ラインaおよびラインbを交互に稼動させることによって連続的に水素を回収する。
【0028】
吸着剤としては、シリカゲル、金属パラジウム、レキュラーシーブ、黒鉛層間化合物および活性アルミナを利用し、触媒としては、いずれも白金を含んだアルミナを担体とした親水性触媒またはPTFEおよびジビニルベンゼン架橋ポリスチレンを担体とした疎水性触媒とする。金属膜はパラジウム合金膜等を利用すると良い。
【0029】
次に図5を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、図5において図2と同一部分には同一符号を付しその部分の構成の説明は省略する。
【0030】
図5において、水素/トリチウム分離装置38を構成する分離エリアAおよび分離エリアCにはヒータ24を有する熱拡散器25が設置されている。
【0031】
この熱拡散器25は、温度勾配と水素、トリチウムの重量差を利用して、水素とトリチウムを分離させるもので、ヒータ24によって温度勾配を発生させることによって重量の重いトリチウムは熱拡散器25の下部に移動し、この下部に移動したトリチウムを第2電磁弁14,17を開動作させることによって回収する。
【0032】
上部に移動した水素ガスは第3電磁弁13,16を開動作させてエリアBまたはエリアDに移動させ、水素吸蔵合金36を用いて回収する。水素貯蔵合金36を含むエリアが無くとも、そのまま水素ガスを回収することも可能である。これも、ラインaおよびラインbを交互に稼動させることによって連続的に回収する。
【0033】
次に図6を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、図6において図2と同一部分には同一符号を付しその部分の構成の説明は省略する。
【0034】
図6において、水素/トリチウム分離装置39を構成する分離エリアAおよび分離エリアCにレーザ、例えば炭酸ガスレーザ26を設置し、レーザの発振領域に分離しようとする同位体を含む腹部化合物を強く吸収させ励起させることによって、分離させる。分離後のガスをエリアBまたはDに移動させ、水素貯蔵合金を用いて回収する。水素吸蔵合金36を含むエリアが無くとも、そのまま水素ガスを回収することも可能である。これも、ラインaおよびラインbを交互に稼動させることによって連続的に回収する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る原子力発電設備の概略構成図。
【図2】図1に示した水素/トリチウム分離装置の概略構成図。
【図3】(a)および(b)は水素貯蔵合金としてPdを使用したときの水素およびトリチウムの吸収放出時の温度および圧力の関係を示す特性図。
【図4】図1に示した水素/トリチウム分離装置の第2の実施形態を示す概略構成図。
【図5】図1に示した水素/トリチウム分離装置の第3の実施形態を示す概略構成図。
【図6】図1に示した水素/トリチウム分離装置の第4の実施形態を示す概略構成図。
【図7】原子力発電設備の従来例を示す概略構成図。
【符号の説明】
【0036】
1 原子炉圧力容器
2 タービン
3 蒸気式空気抽出器
4 予熱器
5 再結合器
6 復水器
7 復水ポンプ
8 給水過熱器
9 給水ポンプ
10 パナジウム分離器
11 水素/トリチウム分離装置
12,15 第1電磁弁
13,16 第3電磁弁
14,17 第2電磁弁
18 圧力計
19 ヒータ
20 水素ガスボンベ
21,36 水素吸蔵合金
22 配管
23 吸着剤
24 ヒータ
25 熱拡散器
26 レーザ
27 レンズ
28 窓
29 分離容器
30 原子力発電設備
31 主蒸気配管
32 排ガス系
33 排ガス復水
34 水素貯蔵容器
35 水素回収容器
37,38,39 水素/トリチウム分離装置
40 トリチウム戻り配管




 

 


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