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発明の名称 放射性金属廃棄物の処理方法および処理設備
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−147606(P2007−147606A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2006−299661(P2006−299661)
出願日 平成18年11月2日(2006.11.2)
代理人 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久
発明者 酒井 仁志 / 川田 千はる / 中根 優美 / 小松原 勝 / 前川 雅俊 / 佐藤 信行 / 佐久間 豊夫
要約 課題
放射性金属廃棄物の処理とともに、これとは目的を異にする除染、計測等の処理についての共用処理を可能とすることができるようにする。

解決手段
放射性金属廃棄物の除染および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理と、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理と、原子力設備から取外した機器を点検する機器点検処理との中から選ばれる、いずれか2以上の処理を、共用建屋内の処理設備により行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
放射性金属廃棄物の除染および前記放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理と、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理と、原子力設備から取外した機器を点検する機器点検処理との中から選ばれる、いずれか2以上の処理を、共用建屋内の処理設備により行うことを特徴とする放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項2】
前記再利用品製作処理を行う場合、前記再利用品となる前の溶融固化体を前記建屋内に保管する請求項1記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項3】
前記放射性金属減容処理、前記再利用品製作処理または前記機器点検処理は、同一の建屋または隣接する建屋に設置した処理設備を使用して行う請求項1記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項4】
前記処理設備として、前記同一の建屋または前記隣接する建屋内で移動可能な処理設備を使用する請求項3記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項5】
前記処理設備として、前記同一の建屋または前記隣接する建屋以外の別建屋に移動可能な処理設備を使用する請求項3記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項6】
前記機器点検処理において、原子力設備から取外した機器またはその部品を前記共用建屋に移送する一方、前記取外した機器または部品に替わる機器または部品を前記原子力設備側に搬入設置する請求項1記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項7】
前記機器点検処理において、原子力設備から取外した機器の更新を行なう際、当該機器を前記共用建屋内で除却する一方、前記機器に替わる機器を前記原子力設備に搬入設置する請求項1記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項8】
前記機器点検処理において、原子力設備から取外した機器の除却可能な金属類を前記共用建屋内で除染し、クリアランス検認を行い、製品とする請求項1記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項9】
原子力設備で使用した仮設機材を、使用後に前記共用建屋に移送し、点検、整理したうえで保管する請求項1記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項10】
原子力発電所で実施される点検、改造またはその他の工事で使用される工具その他の機材を、使用後に前記共用建屋に移送し、保管する請求項1記載の放射性金属廃棄物の処理方法。
【請求項11】
放射線管理エリアを形成する管理建屋と、この管理建屋と隣接して配置され非管理エリアを形成する非管理建屋とから構成され、この管理建屋と非管理建屋には、放射性金属廃棄物の除染および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理システムと、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理システムと、原子力設備から取外した機器を再使用のため点検する機器点検処理システムとが配置されていることを特徴とする放射性金属廃棄物の処理設備。
【請求項12】
前記管理建屋と非管理建屋の互いに向き合う壁面側には相互を連絡する連絡用出入口が設けられ、相反する壁面には機器を搬出入するための機器搬出入口が設けられている請求項11記載の放射性金属廃棄物の処理設備。
【請求項13】
前記管理建屋には、搬入機器を切断する切断エリアと、この切断された機器を除染する除染エリアと、この除染された機器が非放射性となったことを確認する計測エリアを有する請求項11または請求項12記載の放射性金属廃棄物の処理設備。
【請求項14】
前記非管理建屋には、搬入された非放射性搬入機器を切断する非放射性切断エリアと、材料毎に区分されて保管される弁別材料保管エリアと、保管された材料を溶融し鋳造する溶融炉エリアおよび鋳造エリアと、鋳造された鋳造品を製品に加工する製品加工エリアを有する請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載の放射性金属廃棄物の処理設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力設備で発生する放射性金属廃棄物の処理と、それ以外の他の処理との共用処理を可能とする放射性金属廃棄物の処理方法および処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所等の原子力設備においては、定期点検等の際に取外された機器の健全性確認、補修等が行われる。さらに、必要に応じて設置機器の交換等が行われる。これらの作業の際に発生する放射性金属廃棄物については、管理区域においてクリアランスレベル以下の非放射性状態となるまで放射性金属の減容処理が行われ、その後非管理区域において切断、溶融固化等の処理を経て貯蔵され、または再利用品として供される。
【0003】
このような放射性金属廃棄物の処理作業の際には、いずれの場合においても除染、測定や、それに伴う搬送の工程が含まれるが、従来一般的には除染、測定、搬送等に対応して個々に異なる建屋等の設備が設けられ、異なる複数の専用設備を用いた処理が行われている。
【0004】
例えば、放射性金属廃棄物の除染および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理については、専用の減容処理区域で行われる。また、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理については、専用の再利用品製作処理区域で行われる。さらに、原子力設備から取外した機器を点検する機器点検処理については、原子力発電所内または専用の機器点検処理区域で行われている。
【0005】
機器点検処理の具体例について説明すると、定期点検時に機器、例えばタービン内部車室、給水加熱器、高圧ノズル、低圧ノズル、原子炉再循環(PLR)ポンプ等の部品の点検を行なう場合には、原子力発電所内で該機器から部品を取外して点検作業を実施し、健全な場合には再び部品の組み込み作業を行なう。健全でない場合には、当該機器を補修するか、新品に取替える必要がある。したがって、点検の際には常に、部品の取外し、取替えの要否判断、その後の再組み込み、あるいは取替え用部品の搬入および組み込みという一定の時間が費やされている。
【0006】
また、除却対象機器や部品については、原子力発電所内で取外し、廃棄物として原子力発電所内で保管管理を行なっている。この場合、大型機器を除却するために原子力発電所内に除去エリアが必要となり、その分だけ原子力発電所内の作業エリアが狭くなる。
【0007】
また、クリアランス検認においては、対象物を必要により、切断、除染したうえで検認を行い、検認された対象物を保管することから、原子力発電所内に一定のエリアが必要となる。
【0008】
さらに、従来では定検機材を保管するための定検機材倉庫が設置されており、この定検機材倉庫では、キャスクに収納された状態保管している。そして、使用時には通常、定検機材をキャスクに収容した状態で原子力発電所に搬出し、使用場所でキャスクから取出して点検を行い、使用後は再びキャスクに収容し、定検機材倉庫に戻して保管する。このため、専用の定検機材倉庫設置スペースを要している。
【0009】
また、工具、足場、回転台等の機材は発電所外の一定の保管場にて管理されている場合があり、工具使用時には保管場から原子力発電所に持ち込み、使用後には工具を再び一定のルートで持ち帰っている。したがって、常時一定以上の工具搬送距離、時間を要している。
【0010】
なお、従来技術として、原子力発電所で発生する放射性金属廃棄物を弁別、除染、測定し、除染された廃棄物を再利用に資することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、対象物に応じて、除染前切断の要否、処分対象物の減容の要否、処分対象物容器詰め後の測定の要否等に関し、5通りの処理フローが示されている。これらの処理における主要な工程は切断、除染、測定等である。
【0011】
また、原子力発電所における定期検査を当該発電所に隣接する別建屋あるいは発電所敷地内の離れた建屋で実施する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術においては、点検作業の前段として除染作業も別建屋内で実施される。
【0012】
また、原子力発電所で発生した部品を原子力発電所敷地外の除染工場や再生工場で再生加工することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、原子力発電所で発生した放射性固体廃棄物をプラント所有者、解体業者、除染業者、原材料業者、製品加工業者、プラント所有者と、リサイクルする技術も提案されている(例えば、特許文献4参照)。さらにまた、原子力発電所で発生した金属廃棄物を除染、溶融して減容化あるいは再利用製品化することも提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】特許第2507477号公報
【特許文献2】特開平11−118984号公報
【特許文献3】特開2004−37231号公報
【特許文献4】特開2002−311197号公報
【特許文献5】特開2003−307591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述の従来技術においては、いずれも除染、測定やそれに伴う搬送の工程が含まれている。このため、放射性金属廃棄物を除染して非放射性化するための処分費用が高く、また多大な放射性廃棄物保管エリアが必要となる。さらに、定期点検作業の多少に関連することなく個別の施設で作業を行っているため、定期点検作業が多い時期には他の場所で行う作業を含めて作業が分散するなど、定期点検作業等を含めて年間の作業規模の変動が大きく、人員確保に困難が生じることもある。
【0014】
さらに、定期点検作業と他の作業とが重複する場合には定期点検時に必要なエリアの確保に制限が生じることがあり、定期点検計画策定のための余裕を得ることが難しい場合がある。さらにまた、非放射性化した金属廃棄物の再利用の処理に影響が生じて、金属資源の有効活用のための処理作業の効率を低下させる場合もある。
【0015】
なお、原子力発電所においては上記のように種々の目的で、除染や計測のニーズがあるが、従来ではこれらのニーズに対し、個々に設備を準備するのが一般的である。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、放射性金属廃棄物の処理とともに、これとは目的を異にする除染、計測等の処理についての共用処理を可能とすることができる放射性金属廃棄物の処理方法および処理設備を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は発電所内作業の少ない時期に共用施設での作業を多く行い、発電所内作業の多い時期には共用施設での作業を減少することにより、年間の作業の平準化を図ることが可能となり、人員確保の観点で有利となる放射性金属廃棄物の処理方法および処理設備を提供することを目的とする。
【0018】
さらに、本発明は定期点検作業の一部を共用施設で実施することにより、定期点検での必要エリアや縮少ならびに時間短縮等を図ることができ、定期点検エリアの制限を排除して、定期点検計画策定に余裕を得ることができ、しかも、金属廃棄物を再利用することにより、金属資源の有効活用を図ることが可能となる放射性金属廃棄物の処理方法および処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記の目的を達成するために、本発明では、放射性金属廃棄物の除染および前記放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理と、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理と、原子力設備から取外した機器を点検する機器点検処理との中から選ばれる、いずれか2以上の処理を、共用建屋内の処理設備により行うことを特徴とする放射性金属廃棄物の処理方法を提供する。
【0020】
また、本発明では、放射線管理エリアを形成する管理建屋と、この管理建屋と隣接して配置され非管理エリアを形成する非管理建屋とから構成され、この管理建屋と非管理建屋には、放射性金属廃棄物の除染および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理システムと、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理システムと、原子力設備から取外した機器を再使用のため点検する機器点検処理システムとが配置されていることを特徴とする放射性金属廃棄物の処理設備を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、目的を異にする処理(除染、計測等)等に対して共用処理を可能とし、設備および人員確保等の面から効率よい作業性を確保することができる。
【0022】
また、本発明によれば、原子力設備、特に原子力発電所の定期検査の短縮、工事量の平準化、原子力発電所内のエリアの有効利用が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る放射性金属廃棄物の処理方法および処理設備の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0024】
[第1実施形態(図1)]
本発明の第1実施形態では、共用建屋内の放射線管理区域または非管理区域に設置した処理設備により、3種類の処理を行う放射性金属廃棄物の処理方法について説明する。
【0025】
すなわち、本実施形態では、放射性金属廃棄物の除染および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定である放射性金属減容処理(第一処理)と、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて、再利用品を製作する再利用品製作処理(第二処理)と、原子力発電所等の原子力設備から取外した機器を点検する機器点検処理(第三処理)とについて、全ての処理が行われる。
【0026】
図1は、本実施形態による放射性金属廃棄物の処理方法を示す処理フロー図である。図1に示すように、放射性金属減容処理(第一処理)は、放射線管理区域Aおよび非管理区域Bにおいて行われる。この放射性金属減容処理(第一処理)では、まず放射線管理区域Aにおいて、放射性金属廃棄物を除染に適する所定寸法に切断するための第1回目の切断工程(以下、「切断A工程」という。)1が行われる。すなわち、この切断A工程1では、金属廃棄物が除染装置に適用できる大きさに切断される。
【0027】
次に、切断された放射性金属廃棄物を非放射性とする除染工程2が行われる。この除染工程2では、放射性金属廃棄物が非放射性(クリアランスレベル以下)となるまで除染作業が行われる。
【0028】
除染工程2の後には、除染された放射性金属廃棄物を必要に応じ、さらに小形とするために、所定寸法に切断する第2回目の切断工程(以下、「切断B工程」という)3が行われる。すなわち、この切断B工程3では、金属廃棄物を測定装置に適用できる大きさに切断するものであり、必要に応じて実施される。
【0029】
除染工程2または切断B工程3の後には、放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う第1の測定工程(以下、「測定A工程」という。)4が行われる。この測定A工程4では、除染後の金属廃棄物が非放射性となったこと(クリアランスレベル以下であること)を測定し確認する。ここで、非放射性が確認できなかった金属廃棄物は再度除染工程2に戻される。
【0030】
最後に、非放射性となったことが確認された金属廃棄物を、非管理区域Bにおいて保管する保管工程(以下、「保管B工程」という。)8が行われる。
【0031】
このように、本実施形態では、放射性金属減容処理(第一処理)として、切断A工程1の後に、放射性金属を除染工程2で除染を行い、除染後の金属廃棄物の非放射性(クリアランスレベル以下であること)を測定A工程4で確認測定し、非放射性が確認された金属廃棄物は非管理区域Bに移動させ、保管B工程8において保管を行うものである。そして、保管された非放射性金属廃棄物は、所外の一般工場で再利用製品製作のために払い出しするか、または下記の再利用品製作処理工程(第二処理工程)において、再利用品としての製作工程を行うものである。
【0032】
次に、再利用品製作処理(第二処理)について説明する。この再利用品製作処理(第二処理)の工程では、第一処理によって減容された金属廃棄物、または外部等の他の個所から搬入された金属廃棄物を対象として処理が行われる。すなわち、この再利用品製作処理(第二処理)工程は、非管理区域Bにおいて再利用品を製作するための処理工程である。
【0033】
この再利用品製作処理(第二処理)工程では、非放射性となった金属廃棄物を溶融炉に挿入するため、まず金属廃棄物を所定寸法に切断する工程(以下、「切断C工程」という。)9が行われる。
【0034】
そして、切断C工程9で切断された金属廃棄物は、溶融工程10において溶融炉内に挿入して溶融される。溶融工程10で溶融された金属溶湯は、製品化工程11において、鋳型に注入し、冷却固化させることにより、再利用品として鋳造される。
【0035】
このように、再利用品製作処理(第二処理)工程では、放射性金属減容処理(第一処理)で非放射性となった金属廃棄物、または本実施形態による共用処理設備以外で処理され、非放射性となった金属廃棄物も受入れ可能である。そして、金属廃棄物は溶融工程10で溶融処理され、製品化工程11で鋳造され再利用品として製品化される。なお、この再利用品製作処理(第二処理)工程において、切断C工程9は溶融炉に装填するための切断であり、必要に応じて実施される。
【0036】
機器点検処理(第三処理)工程は、定期点検等の際に原子力発電所の設備機器を取外して点検する処理工程であり、放射線管理区域Aにおいて行われる。この機器点検処理(第三処理)工程には、第一処理と同様の除染工程2と、設備機器の放射性を測定する測定B工程5と、所定の点検を行う点検工程6と、点検後の機器を再使用するため放射線管理区域Aに一時保管する保管A工程7とが含まれる。
【0037】
このように、第三処理工程では、点検対象機器が原子力発電所から取外され、共用処理施設に移され、点検工程6で点検が行われた後、保管A工程7で次の使用のために点検対象機器を発電所に戻すまで保管される。
【0038】
なお、以上の工程において、切断A工程1、切断B工程3および切断C工程9は、それぞれ除染装置、測定装置、溶融装置に適用できる大きさに切断する工程であるが、あらかじめ計画段階で大きさを統一することがきる場合には、切断工程の効率化を図ることが可能である。
【0039】
以上の本実施形態によれば、放射性金属廃棄物を除染し、非放射性化することにより、放射性廃棄物を低減することができ、処分費用の低減が図れる。また、放射性金属廃棄物を除染し、非放射性化することにより、放射性廃棄物保管エリアを縮少することが可能となる。また、定期点検作業の少ない時期に共用施設での作業を多く行い、定期点検作業の多い時期には共用施設での作業を減少することにより、年間の定期点検作業の平準化を図ることが可能となり、人員確保の観点で有利となる。さらに、定期点検作業の一部を共用施設で実施することにより、定期点検での必要エリアの縮少を図ることができる。すなわち、定期点検エリアの制限が排除できるので、定期点検計画策定に余裕を得ることができる。さらにまた、非放射性化した金属廃棄物を再利用することにより、金属資源の有効活用を図ることが可能となる。
【0040】
[第2実施形態(図2)]
本発明の第2実施形態は、第1実施形態と略同様の方法であるが、再利用品製作処理を行う場合に、再利用品となる前の溶融固化体を建屋内に貯蔵する方法である。
【0041】
すなわち、本実施形態では、上述の第1実施形態と略同様に、放射性金属廃棄物の除染および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理(第一処理)と、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理(第二処理)と、原子力設備から取外した機器を点検する機器点検処理(第三処理)との全ての処理が、共用建屋内の放射線管理区域Aまたは非管理区域Bに設置した処理設備により行われる。ただし、本実施形態では、第1実施形態と異なり、再利用品の製作処理を行う場合、再利用品となる前の溶融固化体が建屋内に保管する。
【0042】
図2は、本実施形態による放射性金属廃棄物の処理方法を示す処理フロー図である。図2に示すように、本実施形態の場合にも、第一処理である放射性金属減容処理を行う工程は、放射線管理区域Aおよび非管理区域Bにおいて行われる。この工程では、まず放射線管理区域Aにおいて、放射性金属廃棄物を除染に適する所定の寸法に切断する第1回目の切断を行う切断A工程1、放射性金属廃棄物を非放射性とする除染工程2、除染後の放射性金属廃棄物をさらに所定の寸法に切断する第2回目の切断を行う切断B工程3、および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う測定A工程4が含まれる。次に、非放射性となったことが確認された金属廃棄物を非管理区域Bにおいて保管する保管B工程8が含まれる。なお、測定A工程4において非放射性が確認できなかった場合には金属廃棄物は再度除染工程2に戻される。
【0043】
第二処理である再利用品製作処理を行う工程では、第一処理により減容された金属廃棄物または他の個所から搬入された金属廃棄物の処理が行われる。この工程は、非管理区域Bにおいて再利用品を製作するための処理工程である。この工程には、金属廃棄物を溶融炉に挿入するための所定寸法に切断する切断C工程9、切断された金属廃棄物を溶融炉内で溶融する溶融工程10、および溶湯を鋳型に注入して冷却固化させて再利用品を鋳造する製品化工程11が含まれる。
【0044】
第三処理である機器点検処理を行う工程は、定期点検等の際に原子力発電所の設備機器を取外して点検する処理工程であり、放射線管理区域Aにおいて行われる。この工程には、第一処理と同様の除染工程2、設備機器の放射性を測定する測定B工程5、所定の点検を行う点検工程6、および点検後の機器を再使用するため放射線管理区域Aに一時保管する保管A工程7が含まれる。
【0045】
この場合、本実施形態では、第三処理工程において、第一処理工程における保管B工程8から一般工場における再利用の工程が削除されている。そして、上述の第1実施形態では第二処理工程において、溶融工程10に続く工程が製品化工程11であったのに対し、本実施形態では、第二処理工程において溶融固化工程12とされ、溶融固化後に中間貯蔵している。
【0046】
以上の第2実施形態においては、除染して非放射性となった金属を溶融固化体として、減用貯蔵を行うことにより、第1実施形態で示した効果に加えて、貯蔵容量の低減効果が期待できるようになる。通常は容器への廃棄物充填量は10〜20%程度であるので、溶融固化により、1/5〜1/10の減容を図ることができる。
【0047】
[第3実施形態(図3)]
本発明の第3実施形態では、建屋内設備を使用して放射性金属廃棄物の処理を行う方法および処理設備について説明する。図3は本実施形態を説明するための平面図であり、隣接する2棟の建屋を使用する場合を示している。
【0048】
図3に示すように、本実施形態の共用建屋100では、放射線管理エリアを形成する建屋(以下、「管理建屋」という。)13と、非管理エリアを形成する建屋(以下、「非管理建屋」という。)14とが隣接して設置されている。
【0049】
管理建屋13および非管理建屋14は、例えば平面視矩形状であり、互いに一面が対向する配置で隣接設置されている。両建屋13,14の互いに向き合う壁面側には連絡用出入口15,16が設けられ、相反する壁面側には外部から機器を搬出入するための機器搬出入口17,18が設けられている。両建屋13,14の中央位置には互いに連絡される中央通路19、20が設けられている。
【0050】
管理建屋13内には、中央通路19の両側に複数の処理エリアが配置されている。まず、機器搬出入口17側における中央通路19の一方の側(図3の下側)には、搬入される被処理機器の受入れ等を行うための受入、荷降し、開梱エリア22が設けられている。この受入、荷降し、開梱エリア22に対し中央通路19を挟んで対向する側(図3の上側)には、機器の切断作業を行うための第1の切断エリア(以下、「切断Aエリア」という。)23が設けられている。切断Aエリア23が配置された側には連絡用出入口15に向って順に、除染作業を行うための除染エリア24と、第2の切断処理を行うための切断エリア(以下、「切断Bエリア25」という。)と、放射線計測を行うための計測エリア26とが設けられている。
【0051】
また、管理建屋13内における受入、荷降し、開梱エリア22が配置された側(図3の下側)には、連絡用出入口15に向って順に、機器を一時的に保管するための機器一時保管エリア27と、機器点検を行うための点検エリア28と、予備品を保管するための予備品保管エリア29とが設けられている。
【0052】
一方、非管理建屋14内にも、通路20の両側に複数の処理エリアが配置されている。まず、機器搬出入口18側から通路20の一方の側(図3の上側)には順次に、機器を仮置きするための機器仮置きエリア30と、機器切断を行うための第3の切断エリア(以下、「切断Cエリア」という。)31と、材料を弁別するための材料弁別エリア32と、弁別した材料を保管する弁別材料保管エリア33とが設けられている。
【0053】
また、非管理建屋14内における通路20の他方の側(図3の下側)には、連絡用出入口16側から順次に、金属を溶融するための溶融炉が設置された溶融炉エリア34と、溶融金属による鋳造を行う鋳造エリア35と、鋳造品を再利用品としとて加工する製品加工エリア36と、再利用品を保管するための製品保管エリア37とが設けられている。
【0054】
そして、本実施形態では、実線矢印(太線矢印)で示すように、管理建屋13内で放射性金属減容処理(第一処理)が行われる。また、実線矢印(細線矢印)で示すように、非管理建屋14内で再利用品製作処理(第二処理)が行われる。さらに、破線矢印で示すように、管理建屋13内で機器点検処理(第三処理)が行われる。
【0055】
まず、放射性金属減容処理(第一処理)の工程では、放射性金属廃棄物が容器に収納された状態で管理建屋13内に機器搬出入口21から搬入される(矢印a1)。搬入された放射性金属廃棄物は、受入、荷降し、開梱エリア22で荷降しされて開梱される。開梱された放射性金属廃棄物は、切断Aエリア23、除染エリア24および切断Bエリア25に移送され(矢印a2、a3、a4)、第1実施形態と同様に必要な切断が行われるとともに、除染エリア24において除染が行われる。
【0056】
除染された放射性金属廃棄物は計測エリア26に移送され(矢印a5)、非放射性となったことの確認測定および搬出検査が行われる。その後、非放射性となったことが確認測定された金属廃棄物は、放射線管理区域Aである管理建屋13から連絡出入口15,16を経て、非管理区域Bである非管理建屋14に移送され(矢印a6)、機器仮置きエリア30に仮保管される。その後、仮保管されている金属廃棄物が共用施設である非管理建屋14内で再利用品として処理される場合には、下記の第二処理工程による処理が施される。また、一般工場等において再利用品として製品化される場合には、非管理建屋14の機器搬出入口38から外部に搬出される(矢印a7)。
【0057】
次に、再利用品製作処理(第二処理)の工程では、放射性金属減容処理(第一処理)により機器仮置エリア30に仮保管されている非放射性となった金属廃棄物、あるいは他の場所で除染されて非放射性となり非管理建屋14内に搬入された金属廃棄物(矢印b1)が処理対象となる。
【0058】
この処理対象となる金属廃棄物は機器仮置きエリア30に保管された後、切断cエリア32により必要に応じて所定の大きさに切断処理され(矢印b2)、材料弁別エリア32において材料毎に弁別される(矢印b3)。弁別された材料は弁別材料保管エリア33に送られ(矢印b4)、材料毎に区分されて保管される。
【0059】
この弁別材料保管エリア33に保管された材料のうち、処理に必要な分量の材料が取出されて溶融炉エリア34に移送され(矢印b5)、ここで溶融処理が行われる。そして、溶融炉エリア34で溶融された材料の溶湯は、鋳造エリア35において鋳造され(矢印b6)、再生品としての鋳造品が形成される。その後、鋳造品は製品加工エリア36に移送され(矢印b7)、表面仕上げが施され、塗装等が行われて製品として完成する。製品として完成したものは、出荷のために製品保管エリア37にて保管される(矢印b8)。出荷に際しては、各再生品が非管理建屋14の機器搬出入口18から搬出される。
【0060】
さらに、機器点検処理(第三処理)の工程では、発電所等から取出された点検対象となる機器が容器に収納された状態で管理建屋13に移送され、機器搬出入口17から管理建屋13内に搬入される(矢印c1)。搬入された機器は受入、荷降し、開梱エリア22にて荷降しされて開梱され、機器一時保管エリア27にて一時保管される(矢印c2)。その後、点検作業が行われる場合には、機器一時保管エリア27から必要に応じて除染エリア24および計測エリア26に移送され(矢印c3、c4)、点検対象機器の線量が高い場合には、点検作業員の被ばく低減を目的として除染エリア24で除染が行われ、計測エリア26で除染効果の測定が行われる。必要な除染および計測が行われた後は、点検対象機器が点検エリア28に移送され(矢印c5)、所定の点検が行われた後、予備品として予備品保管エリア29に移送され(矢印c6)、原子力発電所等における次の使用まで保管される。使用時には、機器搬出入口17から発電所等に移送される(矢印c7)。
【0061】
このように、本実施形態では、処理設備が放射線管理エリアを形成する管理建屋と、この管理建屋と隣接して配置され非管理エリアを形成する非管理建屋とから構成され、この管理建屋と非管理建屋には、放射性金属廃棄物の除染および放射性金属廃棄物が非放射性となったことの確認測定を行う放射性金属減容処理システムと、非放射性となった金属廃棄物を溶融後に固化させて再利用品を製作する再利用品製作処理システムと、原子力設備から取外した機器を再使用のため点検する機器点検処理システムとが配置されている。
【0062】
以上の第3実施形態によれば、第1,第2実施形態で示した作用効果に加え、除染装置、計測装置、切断装置等の共用化による経済性向上が図れる。すなわち、処理毎に装置を準備しないので、初期投資を低減できるうえ、設備利用率の向上を図ることができる。また、各処理毎に対応して複数の異なる処理建屋を設ける場合に比して、共通の処理建屋を使用することにより、処理建屋の縮少化、建屋数の低減等を図ることができる。
【0063】
[第4実施形態(図4)]
本発明の第4実施形態では、処理設備として、同一の建屋内、隣接する建屋内またはこれらと別建屋との間で移動可能な処理設備を使用する放射性金属廃棄物の処理方法について説明する。
【0064】
図4は本実施形態を説明するための平面図である。図4に示すように、本実施形態では基本的に、第3実施形態で示した共用建屋100および処理設備と略同様の建屋および処理設備を使用する方法であり、第3実施形態と共通する構成および作用については、図4に図3と同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態の場合には、第3実施形態における除染エリア24および計測エリア26に移送される工程(矢印c3、c4)が省略されている。
【0065】
本実施形態が第3実施形態と異なる点は、図4に示すように、処理設備、例えば管理建屋13内の除染エリア24に設置される除染装置39と、計測エリア26に設置される計測装置40とが、移動可能とされている。これらの除染装置39および計測装置40は、管理建屋13内の他のエリア,例えば点検エリア29等に移動することができる(矢印d)。
【0066】
また、これらの除染装置39および計測装置40は、管理建屋13以外にも移動することができ、例えば非管理建屋14へ移動可能とされるとともに、さらに別建屋との間においても移動可能とされている。
【0067】
このような本実施形態によると、除染装置39および計測装置40等を同一建屋内、隣接建屋内で移動させ、または別建屋との間で移動させることにより、点検対象物の移動ルートを簡略化することができ、それだけ点検工程の短縮が図れるようになる。したがって第3実施形態によって奏される作用効果に加え、さらに点検工程が短縮できるという作用効果が奏される。
【0068】
[第5実施形態(図5)]
本発明の第5実施形態では、上述した実施形態で使用する除染装置39として、化学除染装置を適用する場合について説明する。図5(A)は本実施形態による化学除染装置の一例を示す系統構成図であり、図5(B)は化学除染装置の他の例を示す系統構成図である。
【0069】
図5(A)の例では、共用施設において処理対象となる機器の浸漬式化学除染を行う場合の系統構成を示している。この図に示す浸漬式化学除染装置39においては、ループ状の系統配管50に、除染対象機器51を収容するための除染タンク52が設けられている。除染タンク52には循環ポンプ53が接続され、循環ポンプ53により系統配管5を介して水を除染タンク52に循環させるようになっている。
【0070】
循環ポンプ53の下流側で除染タンク52との間に位置する系統配管50には、順次にヒータ54、カチオン樹脂塔55、混床樹脂塔56および有機酸分解装置57が設けられている。また、除染タンク52には、系統配管50と別の配管を介して薬注タンク58と薬注ポンプ59が接続され、除染タンク52に所定量の薬液が供給できるようになっている。
【0071】
このような構成において、浸漬式化学除染を行う場合には、除染対象物51を除染タンク52に浸漬し、除染タンク52内の水を循環ポンプ53によりヒータ54を通して除染タンク52に戻す循環ループで循環させながら、昇温を行う。そして系統が規定の温度となったら薬注タンク58の有機酸除染剤を薬注ポンプ59にて除染タンク52に注入する。これにより、化学除染が開始される。化学除染によって溶解した放射能を含む金属イオンは、カチオン樹脂塔55によって捕捉される。化学除染が終了したら、有機酸除染剤を有機酸分解装置57で分解し、除染剤分解後の系統水は最終的に混床樹脂塔56で浄化して排水される。本実施形態によれば、放射性金属廃棄物の科学除染が効果的に行える。
【0072】
なお、図5(B)に示した系統構成は、原子力発電所内において系統を化学除染する場合に適するものであり、除染対象が系統配管50の一部に組込まれた除染対象系統60とされている。他の構成は図5(A)の例と同様であるから説明を省略する。この図5(B)に示した例によれば、系統配管50含まれている除染対象系統60を連続的に除染することができる。
【0073】
[第6実施形態(図6)]
本発明の第6実施形態では、原子力発電所から取外した機器または部品を共用建屋で点検し、この点検後の機器および部品を予備品として保管する一方、取外した機器または部品に替わる別の機器または部品を原子力発電所に搬入設置する放射性金属廃棄物の処理方法について説明する。図6は、この方法を使用する工程説明図(平面図)である。
【0074】
図6に示すように、原子力発電所111の建屋112には機器113として、PLRポンプ等が設置されている。定期点検に際しては、このような大型機器113の部品114a、例えばPLRポンプ等の部品を原子力発電所111の建屋112から取外し、共用建屋100の放射線管理区域Aに移送し(持出ルートx1、x2)、点検を実施する。そして、点検終了後には、この大型機器113の部品114aを共用建屋100内に保管する。
【0075】
一方、共用建屋100内には、予め取出される機器113の部品114aに替わる調整済みの部品114bが保管されており、この部品114bを原子力発電所111の建屋112からの部品114aの取出し工程と平行して原子力発電所111の建屋112に搬送する(持込ルートy1、y2)。
【0076】
すなわち、本実施形態では、点検後の機器および部品114aを原子力発電所111から取出して点検、保管する工程と、取外した機器または部品114aに替わる別の機器または部品114bを原子力発電所111の建屋112に搬入設置する工程とを略同時期に行なうことができる。また、取出した機器113の部品114aは点検、補修および除染等を施した後、共用建屋100内に保管し、次回点検等の交換用予備品とすることができる。
【0077】
本実施形態によれば、部品114a、114bの搬出入を同時期に行なうことができるとともに、取外した部品114aは共用建屋100に運搬して点検、保管することができるため、定期点検期間を部品114aの点検期間分短縮することができる。また、共用建屋100内では、取外した部品114aの点検等作業を計画的に実施することができる。これにより機器の点検について時間が費やされている点を大幅に改善し、工程短縮にも繋げることができる。
【0078】
[第7実施形態(図7)]
本発明の第7実施形態では、原子力発電所から取外した機器または部品の更新を行なう際、その機器を共用建屋内で除却(原子力設備から排出される廃棄物をそれぞれの放射能レベルに合わせた保管ができるようにする)する一方、取外した機器に対応する代わりの機器を原子力発電所に搬入設置する放射性金属廃棄物の処理方法について説明する。図7は、この方法を使用する工程説明図(平面図)である。
【0079】
図7に示すように、原子力発電所111の建屋112に設置されている機器には、所定期間経過後に除却される除却対象機器115aがある。この除却対象機器115aは定期点検の際に、原子力発電所111の建屋112から取外し、共用建屋100の放射線管理区域Aに移送し(搬出ルートx3)、切断等を行い容器116等に収納する。
【0080】
一方、除却対象機器115aに替わる機器115bを原子力発電所111の建屋112からの部品114aの取出し工程と平行して原子力発電所111の建屋112に搬送する(持込ルートy3)。
【0081】
すなわち、本実施形態では、除却対象機器115aを原子力発電所111から取出して除却する工程と、除却対象機器115aに替わる別の機器115bを原子力発電所111の建屋112に搬入設置する工程とを略同時期に行なうことができる。
【0082】
本実施形態によれば、機器115a、115bの搬出入を同時期に行なうことができるため、原子力発電所内の機器115aの除却期間を部品115aの点検期間分短縮することができる。また、除却対象機器115aまたは部品を共用建屋100に搬出し、除却の後に廃棄物として保管管理する。
【0083】
さらに、共用建屋100において除却作業し、保管することで、定検期間の短縮が図れると同時に、取外した機器および部品を共用建屋100に搬入設置するため、原子力発電所内の作業エリアの圧迫を回避することができる。
【0084】
[第8実施形態(図8)]
本発明の第8実施形態では、原子力発電所から取外した機器、部品の除却可能な金属類を共用建屋内で除染し、クリアランス検認を行い、製品とする放射性金属廃棄物の処理方法について説明する。図8は、この方法の工程を示す説明図(平面図)である。
【0085】
図8に示すように、本実施形態では、原子力発電所111の建屋112からの機器取外し工程121、共用建屋100への搬出工程122、切断工程123、除染工程124、確認工程125、クリアランス検認工程126が行なわれる。この後、クリアランス利用製品127として搬出する。確認工程は、クリアランス検認の事前確認として実施される場合がある。
【0086】
すなわち、本実施形態によれば、機器、部品を取外した後、共用建屋100に搬入し、この共用建屋100において切断し、除染しおよびクリアランス検認を行なう。そして、クリアランス用加工工場116において、クリアランス利用製品127を製作することができる。
【0087】
本実施形態によれば、機器または部品を取外し直後に原子力発電所111から搬出することで、原子力発電所の利用場所を低減することがでる。また、クリアランス検認までの一連の作業を共用建屋100でできることから原子力発電所111での定検期間を短縮することができる。
【0088】
また、作業を平滑化することができるため、安定した雇用に繋げられ、さらに、放射性廃棄物の低減、金属資源有効活用および廃棄物貯蔵エリア圧迫の回避を図ることができる。
【0089】
[第9実施形態(図9)]
本発明の第9実施形態では、原子力発電所で使用した仮設機材を使用後に点検するにあたり、当該機器の点検、整理した上で保管を共用建屋に移して実施する放射性金属廃棄物の処理方法について説明する。図9は、この方法の工程を示す説明図(平面図)である。
【0090】
図9に示すように、本実施形態では、原子力発電所111において、汚染された定期点検時に使用された機材である定検機材132をキャスク133から取出して使用する。使用後には、再びキャスク133に格納し、原子力発電所111外に搬出する(搬出ルートx4)。
【0091】
このキャスク133を共用建屋100に搬送し、汚染された定検機材132をキャスク133から取出し、点検を行なって共用建屋内保管場所137において保管する(保管ルートx5)。そして、使用時には、さらに原子力発電所111に持ち込む(搬入ルートy4)。
【0092】
従来では定検機材倉庫は機材の保管のみを目的としていたが、本実施形態によれば、点検を共用建屋100で行なうことにより、原子力発電所111での作業が短縮される。
【0093】
[第10実施形態(図10)]
本発明の第10実施形態では、原子力発電所で実施される点検、改造またはその他の工事で使用される工具その他の機材、例えば足場、回転台等の機材(工具等)を、使用後に共用建屋において保管する放射性金属廃棄物の処理方法について説明する。図10は、この方法の工程を示す説明図(平面図)である。
【0094】
図10に示すように、本実施形態では、原子力発電所111の保管場に保管した工具等135を持ち込み、定期点検時等に使用する。使用後は工具等135を持ち出し、サーベイし、非管理エリアである共用建屋100へ搬出する。そして、必要時には原子力発電所111へ搬入設置する。なお、非管理エリアとして、第3の建屋を利用することも可能である。
【0095】
本実施形態によれば、共用建屋100において、整理および保管しておくことにより、発電所内の共用建屋に工具等を置いてあるため、工具運搬用の効率化を向上することができる。また、工具等135の保管を共用建屋100内で行なうことにより、原子力発電所111内で作業場所を広く利用することができ、原子力発電所111内のエリア圧迫の回避となる。
【0096】
[他の実施形態]
なお、以上の実施形態のほか、本発明では種々の変形,応用等が可能である。例えば、上記の実施形態では、放射性金属減容処理、再利用品製作処理および機器点検処理の全ての処理を行う方法について説明したが、これら放射性金属減容処理、再利用品製作処理および機器点検処理の中から選ばれる、いずれか2以上の処理を、共用建屋内の処理設備により行うことが可能である。
【0097】
また、上記の実施形態では建屋の例として、隣接する2棟の建屋内の設備を使用する方法を説明したが、建屋の数および配置、ならびに建屋内の設備の種類、数および配置等については種々変更することができる。
【0098】
さらに、上記実施形態では化学除染装置のみを使用する場合について説明したが、本発明では化学除染装置を使用する場合に限らず、他の除染装置、例えば機械除染装置、計測装置、切断装置等を利用することが可能であり、これらの装置使用により、各種装置の有効活用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する処理フロー図。
【図2】本発明の第2実施形態を説明する処理フロー図。
【図3】本発明の第3実施形態を説明する建屋平面図。
【図4】本発明の第4実施形態を説明する建屋平面図。
【図5】(A)、(B)は、本発明の第5実施形態を説明する系統構成図。
【図6】本発明の第6実施形態による工程を説明する概略平面図。
【図7】本発明の第7実施形態による工程を説明する概略平面図。
【図8】本発明の第8施形態による工程を説明する概略平面図。
【図9】本発明の第9実施形態による工程説明する概略平面図。
【図10】本発明の第10実施形態による工程を説明する概略平面図。
【符号の説明】
【0100】
1‥切断A工程、2‥除染工程、3‥切断B工程、4‥測定A工程、5‥測定B工程、
6‥点検工程、7‥保管A工程、8‥保管B工程、9‥切断C工程、10‥溶融工程、
11‥製品化工程、12‥溶融固化工程、13‥管理建屋、14‥非管理建屋、21‥機器搬入口、22‥受入、荷降し、開梱エリア、23‥切断Aエリア、24‥除染エリア、25‥切断Bエリア、26‥計測エリア、27‥機器一時保管エリア、28‥点検エリア、29‥予備品保管エリア、30‥機器仮置きエリア、31‥切断Cエリア、32‥材料弁別エリア、33‥弁別材料保管エリア、34‥溶融炉エリア、35‥鋳造エリア、36‥製品加工エリア、37‥製品保管エリア、38‥機器搬出入口、39‥除染装置、40‥計測装置、50‥系統配管、51‥除染対象物、52‥除染タンク(サージタンク)、53‥循環ポンプ、54‥ヒータ、55‥カチオン樹脂塔、56‥混床樹脂塔、57‥有機酸分解装置、58‥薬注タンク、59‥薬注ポンプ、60‥除染対象系統、100‥共用建屋、111‥原子力発電所、112‥建屋。




 

 


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