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発明の名称 キャスク用レジン及びその充填方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−132893(P2007−132893A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−328620(P2005−328620)
出願日 平成17年11月14日(2005.11.14)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 平野 嘉彦 / 市川 以知郎 / 藤木 憲治 / 今崎 善夫
要約 課題
キャスク用レジンを連続的にキャスク内に充填できレジン充填の作業時間を大幅に短縮する。

解決手段
本発明に係るキャスク用レジン9、10、11、12は、エポキシ樹脂から組成される主剤と、ポリオキシプロピレンジアミンから組成され主剤を硬化させる硬化剤と、主剤に混入され中性子を吸収する中性子吸収剤と、主剤に混入され難燃化させる難燃剤と、を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
エポキシ樹脂から組成される主剤と、
ポリオキシプロピレンジアミンから組成され前記主剤を硬化させる硬化剤と、
前記主剤に混入され中性子を吸収する中性子吸収剤と、
前記主剤に混入され難燃化させる難燃剤と、
を有することを特徴とするキャスク用レジン。
【請求項2】
前記主剤、中性子吸収剤及び難燃剤を混合して生成される第1の液体と、
前記硬化剤、中性子吸収剤及び難燃剤を混合して生成される第2の液体と、
を有することを特徴とする請求項1記載のキャスク用レジン。
【請求項3】
前記硬化剤として使用するポリオキシプロピレンジアミンは、
NH2−CH(CH3)−CH2―[―0CH2−CH(CH3)―]x―NH2
の構造式を満たし、分子の主鎖の長さを示すxの値が2から7までであること、を特徴とする請求項1又は2記載のキャスク用レジン。
【請求項4】
前記中性子吸収剤は、炭化硼素及び窒化硼素から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のキャスク用レジン。
【請求項5】
前記難燃剤は、平均粒径の異なる2種類の無機物を充填して組成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のキャスク用レジン。
【請求項6】
前記難燃剤は、水酸化アルミニウムから組成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のキャスク用レジン。
【請求項7】
前記難燃剤は、平均粒径が1〜5μm及び10〜40μmからなる水酸化アルミニウムから組成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のキャスク用レジン。
【請求項8】
エポキシ樹脂から組成される主剤、中性子を吸収する中性子吸収剤及び難燃化する難燃剤を混合して第1の液体を生成する第1の液体生成ステップと、
ポリオキシプロピレンジアミンから組成され前記主剤を硬化させる硬化剤、前記中性子吸収剤及び難燃剤を混合して第2の液体を生成する第2の液体生成ステップと、
前記第1の液体と第2の液体を混合しながらキャスク内に連続的に充填する充填ステップと、
を有することを特徴とするキャスク用レジンの充填方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済核燃料の輸送又は貯蔵を行うキャスクに使用されるレジンの組成に係わるキャスク用レジン及びその充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、使用済核燃料体を原子力発電所から再処理工場への輸送又は貯蔵するために、輸送用、貯蔵用又は輸送貯蔵兼用の輸送容器(以下、キャスクという。)が使用されている。
【0003】
このキャスクは、使用済核燃料体を収納するキャスク本体から構成されている。このキャスク本体の外側には外筒が設けられている。
【0004】
上記のキャスク本体と外筒とに囲まれた空間、キャスク本体上部の二次蓋の内部、キャスク本体の底板の内部及び吊り具であるトラニオンの内部等はそれぞれレジンを充填する構造となっている。このレジンは、キャスク本体に収納された使用済核燃料体からの中性子線を遮蔽する中性子遮蔽体として機能するものである。
【0005】
キャスクを構成する各部分にこのレジンを充填するときは、従来は、レジンの主剤、硬化剤、中性子吸収剤や難燃剤等の充填剤を混合釜に入れて撹拌子で撹拌するバッチ式混合機が使用されていた。このバッチ式混合機で攪拌された混合液は直ちにキャスク内に充填されていた。
【0006】
しかし、このレジンの充填方法では、1回に混合する充填量は、混合液が注入可能な粘度を維持するまでの限られた時間で注入できる量に制限されていた。上記のキャスクに所定量のレジンを注入するためには、混合液を作り、その後直ちに充填するという作業を何度も繰り返す必要があった。上述のレジンの充填作業を改善するため、レジンの混合液を冷却して反応速度を緩和し、硬化時間を遅らせることにより、1度にできるだけ長時間にわたって充填するという技術例が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−116885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来のキャスクにおいては、キャスク本体に収納された使用済核燃料体からの中性子線を遮蔽するために、キャスク本体と外筒とに囲まれた空間等にレジンが充填されている。
【0008】
しかし、レジンの硬化時間により混合液を1度に作る量が限定されるため、混合液を作る回数が増加してしまいその都度充填作業が滞るために、全てのレジンを充填するのに必要な時間が長期にわたる、という課題があった。
【0009】
また、冷却することによりレジンの硬化時間を遅らせるような対策を施したときには、レジン注入後のレジン硬化時間が長くなり製造効率が低下する、冷却によりレジンの粘度が上昇して注入しにくくなり、さらに冷却装置等の付属装置を必要とする、という課題があった。
【0010】
また、キャスク用レジンとしては、混合後の粘度が低くて注入し易く、注入が不可能なる粘度になるまでの時間が長く、注入後は十数時間(例えば、注入後一晩放置すれば硬化が完了する)で硬化するような特性が望まれる。また、中性子線は、ほぼ質量が等しい水素元素と衝突することによってエネルギーが吸収され速度が減速するために、レジンの水素密度を高くした方がキャスク用レジンとして有用である、という課題があった。
【0011】
さらに、注入方法に関して、バッチ式ではなく連続的に混合して注入することにより、さらに注入時間の短縮化を図ることができることに課題があった。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、レジンを連続的にキャスク内に充填できレジン充填の作業時間を大幅に短縮できるキャスク用レジン及びその充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明のキャスク用レジンにおいては、エポキシ樹脂から組成される主剤と、ポリオキシプロピレンジアミンから組成され前記主剤を硬化させる硬化剤と、前記主剤に混入され中性子を吸収する中性子吸収剤と、前記主剤に混入され難燃化させる難燃剤と、を有することを特徴とするものである。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明のキャスク用レジン充填方法においては、エポキシ樹脂から組成される主剤、中性子を吸収する中性子吸収剤及び難燃化する難燃剤を混合して第1の液体を生成する第1の液体生成ステップと、ポリオキシプロピレンジアミンから組成され前記主剤を硬化させる硬化剤、前記中性子吸収剤及び難燃剤を混合して第2の液体を生成する第2の液体生成ステップと、前記第1の液体と第2の液体を混合しながらキャスク内に連続的に充填する充填ステップと、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のキャスク用レジン及びその充填方法によれば、ポリオキシプロピレンジアミンから組成される硬化剤を用いることにより、キャスク用レジンを連続的にキャスク内に充填してレジン充填の作業時間を大幅に短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るキャスク用レジン及びその充填方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態の輸送貯蔵兼用キャスクの構成を示す縦断面図であり、図2は、図1の輸送貯蔵兼用キャスクのA−A矢視方向を切断して示す横断面図である。キャスク用レジンを充填するキャスクの一例として輸送貯蔵兼用の輸送容器について説明する。
【0018】
本図に示すように、このキャスクは、使用済核燃料体6を収納する縦型円筒形状のキャスク本体1から構成されている。このキャスク本体1の底部には底板14が設けられ一体化している。また、このキャスク本体1の上部開口端を密閉するための一次蓋2、この一次蓋2の上部に二次蓋3が着脱自在に取り付けられている。これらの一次蓋2、二次蓋3の下面にはキャスク本体1とのシール性を確保するために蓋用金属シール4が着脱自在に取り付けられている。
【0019】
上記のキャスク本体1の内部には、格子状のバスケット7が挿入されている。このバスケット7の格子状の空間内には使用済核燃料体6が収納される。キャスク本体1の外周部には使用済核燃料体6の崩壊熱を外部に除熱するための複数の伝熱フィン13が設けられている。さらに、この伝熱フィン13の外周を覆うように外筒8が設けられている。またキャスク本体1の外周部には、キャスクを取り扱うための複数のトラニオン5が取り付けられている。
【0020】
上記のキャスク本体1と外筒8とに囲まれた空間にはレジン9が充填されている。同様に、キャスク本体上部の二次蓋3の内部にはレジン10が充填され、キャスク本体の底板14の内部にはレジン11が充填されている。また、吊り具であるトラニオン5の内部にもレジン12が充填されている。このレジン9〜12は、キャスク本体1に収納された使用済核燃料体6からの中性子線を遮蔽する中性子遮蔽体として機能するものである。
【0021】
上記のように、使用済核燃料体6からキャスク外部に放射される中性子線が許容限度以下になるよう遮蔽する目的で使用されるレジン9〜12は、キャスク本体1と外筒8の間の空間、キャスク本体1の底板14の内部、二次蓋3の内部及びトラニオン5の内部に充填される。
【0022】
ここで、上述のキャスク用レジンの特性について説明する。上記のキャスク用レジンは、混合後の粘度が低くて注入し易く、注入が不可能となる粘度になるまでの時間が長く、注入後は十数時間(例えば一昼夜)で硬化するような特性が望まれ更に水素密度も高い方が有効である。この特性を持つキャスク用レジンについて鋭意検討した結果、硬化剤としてポリオキシプロピレンジアミンを使用すると、上記の要求を満たしたキャスク用レジンが得られることを知見した。
【0023】
上述のポリオキシプロピレンジアミンは、室温では液体であり、粘度が10〜20mPa・sと低く、他のアミン類に比べてエポキシ樹脂に対する添加量が多いため、混合物の粘度を低くすることができる。また、エポキシ樹脂とポリオキシプロピレンジアミンの混合物は、室温で数時間程度の注入可能な時間を得ることができ、かつ、十数時間で硬化することが可能である。また、ポリオキシプロピレンジアミンは炭素原子で構成された主鎖に水素を多数含むために、エポキシ樹脂とこの硬化剤による硬化物は高い水素密度を得ることができる。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(室温での粘度12500mPa・s、エポキシ等量188)100gに対して、上記のポリオキシプロピレンジアミンを30〜50g程度添加すると、室温での混合物の粘度を600mPa・s程度にすることができる。
【0024】
本実施の形態によれば、この混合物は、室温で3〜4時間は注入可能な流動性を有するが、約一昼夜で十分な硬度をもつ程度まで硬化することが可能である。
【0025】
また、本発明の他の実施の形態のキャスク用レジンは、予め、主剤、中性子吸収剤及び難燃剤を混合した液体並びに硬化剤、中性子吸収剤及び難燃剤を混合した液体との2種類の液体として予め準備することを特徴とするものである。
【0026】
本実施の形態によれば、予め、中性子吸収剤及び難燃剤を主剤と硬化剤とのそれぞれに混合しておき、使用するときにこれら2液体を混合することにより、従来行われているような全材料を最初から1度に混合する方法よりも短時間で注入できるレジンを得ることが可能になる。
【0027】
また、本発明のさらに他の実施の形態のキャスク用レジンは、硬化剤として、下記(1)の構造式で示される分子構造をもつポリオキシプロピレンジアミンの内、分子の主鎖の長さを示すxの値が2から7までのポリオキシプロピレンジアミンを使用することを特徴とするものである。
【0028】
NH−CH(CH)−CH―[―0CH−CH(CH)―]x―NH
・ ・・・・・・・(1)
このポリオキシプロピレンジアミンはその主鎖の長さによって、反応性が異なる。この主鎖が短くなる(上記構造式のxが小さくなる)と反応性が大きく、注型可能な粘度を維持する時間と硬化時間が短くなる。一方、この主鎖が長くなる(上記構造式のxが大きくなる)と反応性が小さく、注型可能な粘度を維持する時間と硬化時間が長くなる。上記のキャスク用レジンの特性として、上述のとおり、注入が不可能な粘度になるまでの時間が長く、注入後は十数時間(例えば一昼夜)で硬化するように、反応性を最適化する必要がある。
【0029】
実施の形態によれば、種々の検討の結果、上記構造式中のxの値が2から7までのポリオキシプロピレンジアミンを使用したときに、注入が不可能な粘度になるまでの時間が長く、注入後は十数時間(例えば一昼夜)で硬化できるキャスク用レジンを得ることができる。
【0030】
また、本発明のさらに他の実施の形態のキャスク用レジンは、水素原子により減速された中性子を吸収するものとしては炭化硼素及び窒化硼素から選択された少なくとも1種を使用することを特徴とする。
【0031】
本実施の形態によれば、炭化硼素は炭素1原子に対して硼素4原子が結合した構造を持つため、少量で多数の硼素原子をレジンに導入することが可能になる。かくして、中性子吸収能力の高いレジンを得ることができる。また、窒化硼素は熱伝導率が25〜34W/(m・K)とアルミナ並に高いため、これを充填することにより、キャスク用レジンの熱伝導率を高め、中性子遮蔽によりレジンで発生する熱を効率よく拡散することが可能になる。また、炭化硼素と窒化硼素を併用することにより、高い中性子吸収能力と高い熱伝導率をもったキャスク用レジンを得ることができる。
【0032】
また、本発明のさらに他の実施の形態のキャスク用レジンは、難燃剤として、平均粒径の異なる2種類の無機物を充填することを特徴とするものである。難燃剤として無機物を充填するときに、粒径の大きなものを充填すると、充填剤量を多くしても流れ性のよいレジンを得ることができる。しかし、粒径の大きな無機物は1粒子毎が重くなるため、レジン中で沈降し易くなる。一方、粒径の小さい無機物を充填すると沈降し難くなるが、レジンの粘度が高くなり、十分な難燃性を得るために必要な量を充填することが難しくなる。
【0033】
本実施の形態によれば、上述の粒子の両方の特性を勘案して、平均粒径の異なる粒子を併せて使用することにより、流れ性が良くなり、しかも無機物が沈降し難いキャスク用レジンを得ることができる。
【0034】
また、本発明のさらに他の実施の形態のキャスク用レジンは、上記の難燃剤として、水酸化アルミニウムを使用することを特徴とするものである。キャスク用レジンで使用した難燃剤としては水酸化無機物が適している。アルミニウム1原子に対して、酸素と水素からなるOH基を3つ含み、200〜250℃で分解して水分を発生する水酸化アルミニウムを充填するのが好ましい。同様の特性をもつものとして水酸化マグネシウムがあるが、水酸化マグネシウムはマグネシウム1原子に対してOH基を2つしか含まず、水分を発生する分解温度も350℃近くまでになる。
【0035】
本実施の形態によれば、十分な難燃性を得るには、水酸化アルミニウムを使用する方が望ましい。水酸化マグネシウムのときは、十分な難燃性を得るには多量に添加する必要があり、注型するときのレジンの粘度が高くなり、硬化物が重くなるからである。
【0036】
また、本発明のさらに他の実施の形態のキャスク用レジンは、難燃剤として、平均粒径が1〜5μmと10〜40μmの2種類の水酸化アルミニウムを使用することを特徴とするものである。難燃剤である水酸化アルミナの平均粒径と量を変化させてレジンに充填し、沈降性と粘度を評価した結果、平均粒径が1〜5μmと10〜40μmを複合して使用したときに、注型可能な粘度を持ちながら、充填した水酸化アルミニウムが沈降しないことを見出した。
【0037】
図3は、本発明の実施形態のポリオキシプロピレンジアミンに水酸化アルミニウムを充填したときの沈降性と粘度を評価した表を示す。
【0038】
本図に示すように、例えば、粘度が低く無機物が沈降しやすいポリオキシプロピレンジアミンに、平均粒径と量を変化させて水酸化アルミニウムを充填し、沈降性と粘度を評価した。この結果、配合例3に示すように、平均粒径85μmを充填すると、粘度は十分低かったが数分のうちに充填材が沈降してしまった。また、配合例2に示すように、平均粒径30μmのものを充填すると充填材が沈降してしまった。一方、配合例1に示すように、平均粒径が1μmのものは少量で粘度が上昇してしまい、十分な量を硬化剤に添加することが難しかった。しかし、配合例4に示すように、平均粒径1μmと30μmを組み合わせたものを使用することにより、十分な量の硬化剤が添加でき、かつ、充填剤が沈降しないものを得ることができた。
【0039】
なお、平均粒径1μmの水酸化アルミニウムは、実用的には、平均粒径が1〜5μmのものが望ましい。また、平均粒径30μmの水酸化アルミニウムは、実用的には、平均粒径が10〜40μmのものが望ましい。
【0040】
本実施の形態によれば、難燃剤として平均粒径が1〜5μmと10〜40μmの水酸化アルミナを複合して使用したときに、注型可能な粘度を持ちながら、充填した水酸化アルミニウムが沈降しないキャスク用レジンを得ることができる。
【0041】
また、本実施の形態のキャスク用レジンの充填方法は、エポキシ樹脂から組成される主剤、中性子を吸収する中性子吸収剤及び難燃化する難燃剤を混合して第1の液体を生成する第1の液体生成ステップから構成される。また、ポリオキシプロピレンジアミンから組成され上記主剤を硬化させる硬化剤、上記中性子吸収剤及び難燃剤を混合して第2の液体を生成する第2の液体生成ステップから構成される。さらに、上記第1の液体と第2の液体を混合しながらキャスク内に連続的に充填する充填ステップとから構成される。
【0042】
本実施の形態によれば、キャスク用レジンは、移送することが可能な粘度でありながら、充填材が沈降しないため、予め準備しておいたレジンを長期間保管することができるキャスク用レジンの充填方法を得ることができる。
【0043】
次に、本実施例を具体的に説明する。本実施例では、キャスク用レジンを充填に使用する原液として、予め、エポキシ樹脂に炭化硼素又は窒化硼素と水酸化アルミニウムを充填した液体を準備した。また、ポリオキシプロピレンジアミンに炭化硼素又は窒化硼素と水酸化アルミニウムを充填した液体を準備した。このとき、硬化剤には、上述の構造式(1)で示される分子構造を持つポリオキシプロピレンジアミンの内、分子の主鎖の長さを示すxの値が2から7までのものを使用する。
【0044】
また、水酸化アルミニウムには平均粒径が1μmと30μmのものを併用した。エポキシ樹脂側とポリオキシプロピレンジアミン側の水酸化アルミニウムの充填量、配合比は、それぞれについて、注型可能な粘度を持ちながら、充填した水酸化アルミニウムが沈降しないような量とする。
【0045】
また、キャスク用レジン中の全水酸化アルミニウムの量は、硬化したレジンが十分な難燃性を持つ量とする。これら材料の混合には、真空下で攪拌できる装置を使い、液体の中に空気が混じらないように真空脱泡を行いながら、均質になるよう攪拌混合した。
【0046】
このようにして試作したエポキシ樹脂側液体と硬化剤側液体とを別々のタンクに入れ、所定量の混合比になるようにしながら各レジンを連続混合可能なスタティックミキサーに移送する。このスタティックミキサーを介して連続混合されたレジンをそのままキャスク内に充填する。ここでいうスタティックミキサーとは、ミキサー自体には可動部分がなく、流体が管内部内に固定されたエレメントを通過するだけで混合させるものをいう。このエレメントとしては、例えば、長方形の板を左右逆方向に180度捻ったものが用いられる。
【0047】
本実施の形態において、このようにして混合したキャスク用レジンをキャスクに注入し、1昼夜室温で放置することにより、十分な硬度を持つ硬化物を得ることができる。
【0048】
本実施の形態によれば、キャスク用レジンは、硬化剤としてポリオキシプロピレンジアミンを使用することにより充填作業に必要な時間を確保しつつ、かつ、一昼夜放置することにより硬化することが可能になる。また、粒径の異なる2種類の水酸化アルミニウムを使用することにより、注型可能な粘度でありながら充填材が沈降しないため、予めエポキシ樹脂及びポリオキシプロピレンジアミンに水酸化アルミニウムを充填した状態で長期間保管することができ、混合作業時間を短縮することが可能になる。
【0049】
また、この2液化されたキャスク用レジンを、キャスクに連続的に混合して注入することにより、混合・注入時間をさらに短縮することができ、安定した作業性、品質を得ることができる。
【0050】
さらに、本発明は、上述したような各実施の形態に何ら限定されるものではなく、2液化されたキャスク用レジンを1液化に混合してから注入してもよく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態の輸送貯蔵兼用キャスクの構成を示す縦断面図。
【図2】図1の輸送貯蔵兼用キャスクのA−A矢視方向を切断して示す横断面図。
【図3】本発明の実施形態のポリオキシプロピレンジアミンに水酸化アルミニウムを充填したときの沈降性と粘度を評価した表。
【符号の説明】
【0052】
1…キャスク本体、2…一次蓋、3…二次蓋、4…蓋用金属シール、5…トラニオン、6…使用済核燃料体、7…バスケット、8…外筒、9…レジン、10…レジン、11…レジン、12…レジン、13…伝熱フィン、14…底板。




 

 


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