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発明の名称 高速炉
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−85848(P2007−85848A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−274128(P2005−274128)
出願日 平成17年9月21日(2005.9.21)
代理人 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次
発明者 松 宮 壽 人 / 香 月 健 治 / 高 橋 博 / 加 藤 竜 馬 / 関 口 峰 生 / 笠 井 重 夫 / 鈴 木 俊 幸 / 高 橋 明 雄
要約 課題
反射体によって炉心燃料の燃焼を制御する高速炉であって、構造が簡素で、メンテナンス頻度を低減できる反射体駆動装置を有する高速炉を得ること。

解決手段
上記反射体の高速反射体駆動装置が、上記反射体3に連結された可動子53と上記可動子53を駆動するリニア駆動装置固定子51により構成される。一方、超微速反射体駆動装置が、反射体駆動装置本体56の走行面となるベース55の表面に電磁吸引力によって吸着され、上記反射体駆動装置本体56を摩擦力で保持する壁面電磁石57と、反射体3が連結された可動子53を上記反射体駆動装置本体に連結する連結用電磁石58と、上下駆動可能に設けられた慣性体60と、前記慣性体60との間に瞬間的な電磁反発力を垂直方向に発生させる電磁反発コイル59と、前記電磁反発コイル59と前記慣性体60を連結するバネ要素61から構成されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
核燃料が装荷される炉心からの中性子を反射し炉心内へ戻す反射体を有し、前記反射体を原子炉起動時と停止時に原子炉を起動させる位置と停止させる位置とにそれぞれ高速で移動させる高速反射体駆動装置と、原子炉通常運転時に、前記反射体を前記起動位置から前記炉心燃料の燃焼最終位置まで超微速で徐々に移動させる超微速反射体駆動装置とを設けた高速炉において、
前記高速反射体駆動装置が、前記反射体に連結された可動子と前記可動子を駆動するリニア駆動装置固定子により構成されるとともに、超微速反射体駆動装置が、反射体駆動装置本体の走行面となるベースの表面に電磁吸引力によって吸着され、前記反射体駆動装置本体を摩擦力で保持する壁面電磁石と、反射体が連結された可動子を前記反射体駆動装置本体に連結する連結用電磁石と、上下駆動可能に設けられた慣性体と、前記慣性体との間に瞬間的な電磁反発力を垂直方向に発生させる電磁反発コイルと、前記電磁反発コイルと前記慣性体を連結するバネ要素とを具備することを特徴とする高速炉。
【請求項2】
前記高速反射体駆動装置が、反射体を保持する反射体駆動軸が連結され、永久磁石が設けられた可動子と、原子炉起動時と停止時に前記可動子を高速で垂直に昇降自在に駆動する固定子電磁石型リニア装置とを具備することを特徴とする請求項1記載の高速炉。
【請求項3】
前記高速反射体駆動装置が、前記反射体を保持する反射体駆動軸を上記ベースの表面に沿って移動する反射体駆動装置本体に接続するフランジと、そのフランジに接続されたワイヤの他端に連結されたカウンターウエイトと、上記カウンターウエイトに設けられ、そのカウンターウエイトを可動子としてリニア駆動するための永久磁石と、原子炉起動時と停止時に、前記永久磁石をもつ前記カウンターウエイトを高速で垂直に駆動する固定子電磁石型リニア装置とを具備することを特徴とする請求項1記載の高速炉。
【請求項4】
前記反射体駆動装置本体に電磁石を内蔵して可動子とし、その周りに固定子としてリニア駆動装置を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高速炉。
【請求項5】
前記高速反射体駆動装置における可動子またはカウンターウエイトに、移動用永久磁石の他に設置時及びメンテナンス時に使用する電磁石を内蔵したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の高速炉。
【請求項6】
前記反射体駆動装置本体に、前記高速反射体駆動装置における可動子が前記反射体駆動装置本体と接続後にリニア駆動により上昇しないように作用する負荷重量を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の高速炉。
【請求項7】
前記反射体駆動装置本体の上部に永久磁石を有する負荷重量が大きいストッパーを配設するとともに、そのストッパー周囲に反射体駆動装置本体より上方の所定位置に移動するための固定子電磁石リニア駆動装置とを設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の高速炉。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナトリウム冷却高速炉に係り、特に、炉心外周に設けた反射体によって炉心燃料の燃焼を制御するようにした高速炉に関する。
【背景技術】
【0002】
制御棒に代えて反射体を炉心外周に設け、この反射体によって炉心燃料の燃焼を制御するようにした高速炉が提案されている。この種の高速炉の一例が特許文献1に示されている。
【0003】
図8は、上記制御棒に代えて反射体を炉心外周に設けた高速炉の概略構成を示す縦断面図であり、原子炉容器1の内部に設けられた炉心支持板6上に炉心2が支持されており、この炉心2の外周には炉心2と同心状に環状の反射体3が配置され、この反射体3の外周には中性子遮蔽体4が同じく同心状に配置されている。
【0004】
上記中性子遮蔽体4の上方には、ナトリウムからなる一次冷却材5を図8中矢印実線で示したように強制循環させる電磁ポンプ7が設けられており、一次冷却材5が炉心2によって加熱された後に中間熱交換器8に送られる。中間熱交換器8の二次側には、図中破線矢印で示したように二次冷却材入口10を介して二次冷却材が流入しており、この二次冷却材と一次冷却材5との間で熱交換が行われ、熱を受け取った二次冷却材は、二次冷却材出口11から流出して別系統(図示せず)に熱を輸送する。また、原子炉停止中における崩壊熱は、原子炉容器1内に設けられた崩壊熱除去伝熱管9によって除去される。
【0005】
炉心2の外周に配置された反射体3は、炉心2から放射された中性子を反射して炉心2側に戻すことによって中性子の漏洩を防止し、反射体3に包囲された部分の炉心2における燃焼を促進する。一方、周囲に反射体3がない部分の炉心2においては核分裂によって発生した中性子が炉心2の外へ拡散し、燃焼が促進されることはない。
【0006】
この従来の高速炉は反射体3を駆動するための反射体駆動装置を備えており、この反射体駆動装置は反射体3を高速で移動させる高速反射体駆動装置Aと、反射体3を超微速で徐々に移動させる超微速反射体駆動装置Bとから構成されており、これらの反射体駆動装置A、Bによって反射体3が機械的に駆動される。
【0007】
超微速反射体駆動装置Bは、下端に反射体3を保持した長尺で且つ大径の円管13と、この円管13の上端が固着されたボールナット14と、このボールナット14を昇降自在に収納するケーシング15と、このケーシング15の外周に設けたフランジ状の取付台16とを備えている。さらに、ボールナット14のネジ穴にはボールネジ17が螺嵌されており、このボールネジ17の上端部は、ケーシング15の上端から垂直方向外方に回転自在に突出して上部減速機18に接続されている。さらに、上部減速機18は、カップリング19を介して、駆動モータ21に連結された下部減速機20に連結されている。
【0008】
一方、高速反射体駆動装置Aは、原子炉容器1の上端上方に打設された上部スラブ12上に略等間隔で周設された複数の油圧シリンダ22を備えており、これらの油圧シリンダ22は油管23を介して油圧装置24に接続されている。また、複数の油圧シリンダ22は、超微速反射体駆動装置Bの取付台16を下方から支持している。
【0009】
そして、原子炉起動時においては、高速反射体駆動装置Aの油圧シリンダ22を駆動して超微速反射体駆動装置Bの取付台16を例えば1m/日の高速で上昇させ、円管13の下端に保持された反射体3を停止位置から起動位置まで上昇させる。一方、原子炉停止時においては起動時とは逆に反射体3を起動位置から停止位置まで高速で降下させる。
【0010】
また、原子炉通常運転中においては、超微速反射体駆動装置Bのボールネジ17を回転させてボールナット14を例えば2m/30年の超微速で上昇させ、円管13の下端に保持された反射体3を運転開始当初の起動位置から炉心2の原子燃料の最終燃焼位置まで徐々に上昇させる。ここで、反射体3の初期の起動位置から最終燃焼位置までの垂直距離を2m程度に設定しておけば、30年間で炉心2の原子燃料の全体を燃焼させることによってその間の燃料交換が不要となる。
【0011】
ところが、上述した従来の高速炉では、反射体3を駆動するために炉外に設置される反射体駆動装置A、Bの構造が複雑であり、製造コストの増加をもたらすという問題があった。
【0012】
上記課題を解決するための一つの手段が特許文献2或いは特許文献3に示されている。図9及び図10は上記特許文献2に記載された高速炉の縦断面図であり、図9は原子炉停止中の状態を示し、図10は原子炉通常運転中の状態を示している。
【0013】
図9に示したようにこの高速炉は、炉心2の外周を取り囲む筒状の炉心バレル30を備え、この炉心バレル30の外周を取り囲むように筒状の隔壁31が設けられており、この筒状の隔壁31と炉心バレル30との間に環状断面の冷却材流路36が形成されている。そして、上記環状断面の冷却材流路36内に環状の反射体3が上下動可能に設けられている。この反射体3はその下部にダンパ32を有している。筒状の隔壁31は、原子炉の半径方向に配設された支持部材34を介して炉心バレル30を支持しており、支持部材34には流入孔35が穿設されており、この流入孔35を介して冷却材流路36内に一次冷却材5が下方から流入する。隔壁31の外側には、この隔壁31を取り囲むようにして中性子遮蔽体4が設けられており、この中性子遮蔽体4の上方には冷却材5を強制循環させる電磁ポンプ7が設けられている。また、原子炉容器1の外側を覆うようにしてガードベッセル(図示せず)が設けられている。
【0014】
さらに、この従来の高速炉は、炉心バレル30の外壁面30aに電磁吸引力によって吸着された反射体駆動装置40を備えており、原子炉通常運転中においては図10に示したようにこの反射体駆動装置40の下部に反射体3が接触した状態となっている。図11は反射体駆動装置40を含む反射体駆動機構部を示した縦断面図であり、反射体駆動装置40は強磁性体からなるヨーク44にコイル43を巻装して構成された保持用電磁石41を備え、この保持用電磁石41の電磁吸引力(閉ループ磁束M1による吸引力)によって炉心バレル30の外壁面30aに吸着されている。また、反射体駆動装置40は強磁性体からなるヨーク49にコイル48を巻装して構成された連結用電磁石47を備え、この連結用電磁石47の電磁吸引力(閉ループ磁束M2による吸引力)によって下部に反射体3を保持している。さらに、反射体駆動装置40は非磁性体からなる取付部材46によって保持された電磁反発コイル42を備えており、また、反射体3の上部にはこの電磁反発コイル42に対向するようにして導電板45が固着されている。
【0015】
そして、上記構成よりなる従来の高速炉の起動時においては、電磁ポンプ7によって原子炉容器1内の一次冷却材5が強制循環され、図10中実線矢印で示したように、一次冷却材5は支持部材34の流入孔35を介して炉心バレル30と隔壁31との間に形成された冷却材流路36内に上方に向かって流入する。すると、原子炉停止中には停止位置まで降下していた反射体3は、冷却材流路36内に流入した一次冷却材5の流体圧によって上方に高速で移動される。上昇した反射体3は、反射体駆動装置40の下部に突き当たることによって停止し、さらに、連結用電磁石47の電磁吸引力(閉ループ磁束M2による吸引力)によって反射体駆動装置40の下部に保持される。
【0016】
また、原子炉の通常運転中において、反射体駆動装置40の下部に反射体3を保持した状態の下で電磁反発コイル42に瞬間的に電流が流されると、反射体駆動装置40と反射体3の導電板45との間で互いに逆向きの電磁反発力が発生し、反射体3の質量による慣性力に起因して反射体駆動装置40を上方に付勢する力が発生する。この上方への付勢力が保持用電磁石41と炉心バレル30との間の静止摩擦力よりも大きくなるようにすることによって、反射体駆動装置40を炉心バレル30に沿って上昇させることができる。このときの反射体駆動装置40の運動エネルギーは主として動摩擦力によって次第に失われ、反射体駆動装置40は元の位置から僅かに上昇した位置において静止する。
【0017】
一方、反射体3は、電磁反発力によって反射体駆動装置40の下部から一瞬だけ切り離されて僅かに降下し、その後、冷却材5の流体圧及び連結用電磁石47の電磁吸引力によって上昇して再び反射体駆動装置40の下部に接合される。このとき、反射体駆動装置40は元の位置から僅かに上昇しているので、反射体3も同様に元の位置から僅かに上昇する。そして、電磁反発コイル42への通電を繰り返し行うことによって、反射体駆動装置40と共に反射体3を運転開始当初の起動位置から最終燃焼位置まで超微速にて移動させることができる。
【0018】
また、原子炉を停止する際には、電磁ポンプ7を停止することによって一次冷却材5の流れが止まり、一次冷却材5の流体圧による上方への付勢力がなくなるので、連結用電磁石47の通電を遮断することによって反射体3は図9に示した停止位置まで降下する。ここで、反射体3の下部に設けられたダンパ32によって着地の際の衝撃力が吸収される。また、一旦停止した原子炉を再起動する際には、上述したように電磁ポンプ7を駆動し、一次冷却材5の流体圧によって反射体3を反射体駆動装置4の位置まで上昇させる。
【0019】
以上述べたように、この特許文献2(特開平8−15473号公報)等に示された高速炉は、電磁反発コイル42による電磁反発力及び反射体3の慣性力を利用して反射体駆動装置4と共に反射体3を上昇駆動することによって、反射体3を駆動するための複雑な装置を設置する必要がなくなっている。
【特許文献1】特開平6−59069号公報
【特許文献2】特開平8−15473号公報
【特許文献3】特開平10−160880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、上記従来の高速炉においては、起動時の反射体の上昇は流体力を用いて行い、定格時でも或る程度の流体力により反射体の負荷重量を軽減している。このため、反射体側への流量は、反射体重量に依存し、電磁ポンプの要求条件ともなる。また、出力を小さくした場合、一般的に原子炉容器はあまり小さくならないが、熱効率を下げないために流量は低下分だけ下げることになる。このため流速が低下し、流体力を稼ぐことが困難となる。これは、本来原子炉流量は炉心の冷却と熱輸送に用いられるため反射体側への流量に対する要求条件は、原子炉設計に対する自由度を小さくし、コストアップする傾向にあり、特に小型化を進めるほど不利になるという課題があった。
【0021】
そこで、本発明は、反射体によって炉心燃料の燃焼を制御する高速炉であって、燃焼補償用の超微速度駆動には電磁反発衝撃駆動を用いて、起動時、停止時には流体力を期待せずに、従来のボールネジ油圧装置より構造が簡素で、メンテナンス頻度が低減できる可能性のある駆動装置を有する高速炉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、核燃料が装荷される炉心からの中性子を反射し炉心内へ戻す反射体を有し、前記反射体を原子炉起動時と停止時に原子炉を起動させる位置と停止させる位置とにそれぞれ高速で移動させる高速反射体駆動装置と、原子炉通常運転時に、前記反射体を前記起動位置から前記炉心燃料の燃焼最終位置まで超微速で徐々に移動させる超微速反射体駆動装置とを設けた高速炉において、前記高速反射体駆動装置が、前記反射体に連結された可動子と前記可動子を駆動するリニア駆動装置固定子により構成されるとともに、超微速反射体駆動装置が、反射体駆動装置本体の走行面となるベースの表面に電磁吸引力によって吸着され、前記反射体駆動装置本体を摩擦力で保持する壁面電磁石と、反射体が連結された可動子を前記反射体駆動装置本体に連結する連結用電磁石と、上下駆動可能に設けられた慣性体と、前記慣性体との間に瞬間的な電磁反発力を垂直方向に発生させる電磁反発コイルと、前記電磁反発コイルと前記慣性体を連結するバネ要素とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、炉心燃料の燃焼を制御する反射体を、原子炉起動時と停止時に、原子炉を起動させる位置と停止させる位置とにそれぞれ高速で移動させる高速反射体駆動装置と、原子炉通常運転時に、上記反射体を前記起動位置から前記炉心燃料の燃焼最終位置まで超微速で徐々に移動させる超微速反射体駆動装置を設け、上記高速反射体駆動装置としてリニアモータによるリニア駆動を採用し、超微速反射体駆動装置としては電磁反発衝撃駆動装置を採用したので、ギア、モータ等の駆動部がなく構造が簡単でかつメンテナンス頻度を低減することができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明による高速炉の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお図1乃至図7中、共通する部分には同一符号を付している。
【0025】
図1は、本発明における第1の実施の形態による高速炉の要部構成を示す図であり、図1に示したように、炉心支持板6で支持された炉心2が原子炉容器1の内部に収納されており、この炉心2の外周には炉心2と同心状に環状の反射体3が配置され、この反射体3の外周には中性子遮蔽体4が同じく同心状に配置されている。
【0026】
上記高速炉は、原子炉容器1の上端に設置された上部スラブ12上に設けられ、反射体3を駆動するための反射体駆動装置を備えており、この反射体駆動装置は反射体3を高速で移動させる高速反射体駆動装置Aと、反射体3を超微速で徐々に移動させる超微速反射体駆動装置Bとから構成されており、これらの反射体駆動装置A、Bによって反射体3が機械的に駆動されるように構成されている。
【0027】
図2は反射体駆動機構部を示した縦断面図であり、原子炉容器1の上端に設置された上部スラブ12上には、対抗式電磁石50を有する複数のリニアモータ駆動装置の固定子51が周方向に略等間隔で周設されており、これらの駆動装置における固定子51の電磁石50と対向する面には永久磁石52を設けた可動子53が垂直方向上下に駆動されるように配設され、この可動子53に反射体3を保持する反射体駆動軸54が連結されている。そして、上記固定子51に設けられた対抗式電磁石50および永久磁石52を設けた可動子53により高速反射体駆動装置Aが構成されている。
【0028】
一方、上記固定子51の内周側には上記固定子51と同心状のベース55が立設されており、そのベース55と上記固定子51との間隙内に反射体駆動装置本体56が配設されている。この反射体駆動装置本体56は、その反射体駆動装置本体56に備えられた壁面電磁石57の電磁吸引力によってベース55の表面55aに吸着されている。また、反射体駆動装置56は連結用電磁石58を備え、この連結用電磁石58の電磁吸引力によって反射体駆動装置本体56の下部に反射体駆動軸54が保持されている。さらに、反射体駆動装置本体56には上昇用電磁反発コイル59が内蔵されており、また、反射体駆動装置本体56の内部には上昇用慣性体60が設けられている。さらに上記反射体駆動装置本体56には、上昇用電磁反発コイル59に上昇用慣性体60を近接密着連結する上昇用バネ要素61が内蔵されている。そして、上記反射体駆動装置本体56、上昇用慣性体60、上昇用電磁反発コイル59、連結用電磁石58等により超微速反射体駆動装置が構成されている。
【0029】
そこで、原子炉の通常運転中において、反射体駆動装置本体56の上昇用電磁反発コイル59に瞬間的に電流が流されると、反射体駆動装置本体56と上昇用慣性体60の間で互いに逆向きの電磁反発力が発生し、上昇用慣性体60の質量による慣性力に起因して反射体駆動装置本体56を上方に付勢する力が発生する。この上方への付勢力が反射体駆動装置本体56の壁面電磁石57とベース表面55aとの間の静止摩擦力よりも大きくなるようにすることによって、反射体駆動装置本体56をベース表面55aに沿って上昇させることができる。このときの反射体駆動装置本体56の運動エネルギーは主として動摩擦力によって次第に失われ、反射体駆動装置本体56は元の位置から僅かに上昇した位置において静止する。
【0030】
一方、上昇用慣性体60は、電磁反発力によって反射体駆動装置本体56の下部から一瞬だけ切り離されて僅かに降下し、その後、上昇用バネ要素61の吸着力によって上昇して再び反射体駆動装置本体56の上昇用電磁反発コイル59に近接密着する。このとき、反射体駆動装置本体56は元の位置から僅かに上昇しているので、可動子53及び反射体3も同様に元の位置から僅かに上昇する。そして、上昇用電磁反発コイル59への通電を繰り返し行うことによって、反射体駆動装置本体56と共に反射体3を運転開始当初の起動位置から最終燃焼位置まで超微速にて移動させることができる。
【0031】
また、原子炉を停止する際には、可動子53と反射体駆動装置本体56とを連結している駆動軸連結用電磁石58の通電を遮断することで反射体3は自然落下する。或いは固定子51の対抗式電磁石50の通電を遮断することでも反射体は自然に落下する。
【0032】
一方、再起動時には、急激な炉出力の上昇の可能性をより小さくする観点から、反射体3をリニア駆動で駆動する前に初期停止位置から反射体駆動装置本体56を少し下げる必要がある。このため、反射体駆動装置本体56は下降用電磁反発コイル62を備えており、また、反射体駆動装置本体56の内部には、下降用慣性体63、及び下降用電磁反発コイル62と下降用慣性体63を近接密着連結する下降用バネ要素64を内蔵している。
【0033】
そこで、原子炉の通常運転中において、反射体駆動装置本体56の下降用電磁反発コイル62に瞬間的に電流が流されると、反射体駆動装置本体56と下降用慣性体63の間で互いに逆向きの電磁反発力が発生し、下降用慣性体63の質量による慣性力に起因して反射体駆動装置本体56を下方に付勢する力が発生する。この下方への付勢力が壁面電磁石57とベース表面55aとの間の静止摩擦力よりも大きくなるようにすることによって、反射体駆動装置本体56をベース表面55aに沿って下降させることができる。このときの反射体駆動装置本体56の運動エネルギーは主として動摩擦力によって次第に失われ、反射体駆動装置本体56は元の位置から僅かに下降した位置において静止する。
【0034】
一方、下降用慣性体63は、電磁反発力によって反射体駆動装置本体56の下部から一瞬だけ切り離されて僅かに上昇し、その後、下降用バネ要素64の作用によって下降して再び反射体駆動装置本体56の下降用電磁反発コイル62に近接密着する。このとき、反射体駆動装置本体56は元の位置から僅かに下降している。このようにして、下降用電磁反発コイル62への通電を繰り返し行うことによって、反射体駆動装置本体56を当初の停止位置から再起動位置まで移動させることができる。
【0035】
原子炉起動時においては、高速反射体駆動装置Aのリニア駆動装置固定子51の対抗式電磁石50により可動子53を駆動して反射体駆動軸54と反射体3を例えば1m/日の高速で上昇させ、反射体3を停止位置から起動位置まで上昇させる。一方、原子炉停止時においては起動時とは逆に反射体3を起動位置から停止位置まで高速で降下させる。
【0036】
また、原子炉通常運転中においては、反射体駆動装置本体56の下端位置まで可動子53をリニア駆動装置固定子51により駆動させ、反射体3と連結した駆動軸54を反射体駆動装置本体56に駆動軸連結用電磁石58の電磁吸引力によって連結させ、反射体駆動装置56を用いて、例えば2m/30年の超微速で上昇させ、反射体3を運転開始当初の起動位置から炉心2の原子燃料の最終燃焼位置まで徐々に上昇させる。ここで、反射体3の初期の起動位置から最終燃焼位置までの垂直距離を2m程度に設定すれば、30年間で炉心2の原子燃料の全体を燃焼させることができその間の燃料交換が不要となる。
【0037】
図3は、本発明における第2の実施の形態の要部構成を示す図であり、第1の実施の形態と同様に、反射体3を駆動するための反射体駆動装置を備えている。そして、この反射体駆動装置は反射体3を高速で移動させる高速反射体駆動装置Aと、反射体3を超微速で徐々に移動させる超微速反射体駆動装置Bとから構成されており、これらの反射体駆動装置A、Bによって反射体3が機械的に駆動される。
【0038】
高速反射体駆動装置Aは、原子炉容器1の上端上方に設置された上部スラブ12上に周方向に略等間隔で立設され、対抗式電磁石50を有する複数のリニアモータ駆動装置のカウンターウエイト用固定子65を備えている。このカウンターウエイト用固定子65は径方向に互いに離間した一対から構成されており、上記内外のカウンターウエイト用固定子65間には、上記対抗式電磁石50と対向する面に永久磁石52を有するカウンターウエイト可動子66が上下方向に移動可能に配設されている。上記カウンターウエイト可動子66は反射体重量を9割程度保証し得るように構成されている。このカウンターウエイト可動子66には、滑車67によりガイドされるようにしたワイヤ68の一端が連結され、そのワイヤ68の他端が、反射体3に連結された反射体駆動軸54を反射体駆動装置本体56に接続するフランジ69に連結されている。また、上部スラブ12上には万一反射体駆動軸54とカウンターウエイト可動子66の接続が切れた場合の対応として落下衝撃用ダンパ70が設置されている。
【0039】
反射体駆動装置本体56は、走行面となるベースの表面55aに電磁吸引力によって吸着され摩擦力で保持される壁面電磁石57と、反射体3と連結した駆動軸54を電磁吸引力によって結合する駆動軸連結用電磁石58を有している。
【0040】
しかして、原子炉起動時においては、高速反射体駆動装置Aのリニア駆動装置固定子65の対抗式電磁石50によりカウンターウエイト可動子66を駆動して、ワイヤー68を介して、フランジ69、反射体駆動軸54と反射体3を例えば1m/日の高速で上昇させ、反射体3を停止位置から起動位置まで上昇させる。一方、原子炉停止時においては起動時とは逆に反射体3を起動位置から停止位置まで高速で降下させる。
【0041】
また、原子炉通常運転中においては、反射体駆動装置本体56の下端位置までフランジ69をリニア駆動装置固定子65により駆動させ、駆動軸連結用電磁石58を用いて反射体3に連結した駆動軸54を電磁吸引力によって反射体駆動装置本体56に連結させ、反射体駆動装置本体56を用いて、例えば2m/30年の超微速で上昇させ、反射体3を運転開始当初の起動位置から炉心2の原子燃料の最終燃焼位置まで徐々に上昇させる。 ここで、反射体3の初期の起動位置から最終燃焼位置までの垂直距離を2m程度に設定すれば、30年間で炉心2の原子燃料の全体を燃焼させることによってその間の燃料交換が不要となる。本駆動方式によって、第1の実施の形態に対して、リニアの要求駆動力は、起動時、定格時とも大幅に小さくできるため、反射体重量増加に容易に対応ができ、さらにリニア駆動装置の冷却が容易となる。
【0042】
図4は、本発明における第3の実施の形態の要部構成を示す図であり、第2の実施の形態に対して、反射体駆動装置本体56を垂直上下に駆動するリニア駆動装置固定子71を設けるとともに、反射体駆動装置本体56に永久磁石72が設けられている。しかして、反射体駆動装置本体56を上記リニア駆動装置固定子71及び永久磁石72により速やかに上下に駆動することができ、停止後の待機位置移動などの時間を短縮することができる。
【0043】
図5は、第4の実施の形態の要部構成を示す図であり、図3に示す実施の形態に対してカウンターウエイト66の永久磁石52の近傍にメンテナンス時に使用する電磁石73が設けられている。しかして、上記電磁石73を設けることにより、永久磁石52の吸着力を小さくし、取扱いを容易にすることができる。実際の運用時にはメンテンナンス用電磁石73との接続ケーブルを取り外し、可動する部位に関してはできるだけケーブル等の抵抗が生ずる箇所を削減する。
【0044】
図6は、第5の実施の形態の要部構成を示す図であり、図4に示す実施の形態に対して反射体駆動装置本体56の内部に、前記高速反射体駆動装置における反射体駆動軸54に接続されたフランジ69が、上記反射体駆動装置本体56と接続後に高速反射体駆動装置のリニア駆動により上昇しないように作用する負荷質量74を設け、リニア駆動に万一設計揚程以上の出力が生じた場合に、反射体駆動装置本体56がストッパーとして働き、反射体駆動装置本体56の待機位置以上は上記フランジ69が上がらないようにしてある。
【0045】
図7は、第6の実施の形態の要部構成を示す図であり、図5の実施の形態に対して反射体駆動装置本体56の上部に負荷質量のあるストッパー75を設け、リニア駆動が万一設計揚程以上の出力が生じた場合に、ストッパー75として働き、反射体駆動装置本体56の待機位置以上は上がらないようにする。ストッパー75には壁面吸着電磁石76とリニア駆動の固定子71を用いて上下駆動するための永久磁石77が設けられており、そのリニア駆動により上記ストッパー75の位置設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す概要図。
【図2】本発明の反射体駆動装置の断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す概要図。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す概要図。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す概要図。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す概要図。
【図7】本発明第6の実施の形態を示す概要図。
【図8】従来の駆動装置を備えた高速炉を示す縦断面図。
【図9】電磁力を利用して駆動される反射体を備えた従来の高速炉の停止状態を示す縦断面図。
【図10】電磁力を利用して駆動される反射体を備えた従来の高速炉の運転状態を示す縦断面図。
【図11】従来の高速炉の反射体駆動機構部の縦断面図。
【符号の説明】
【0047】
1 原子炉容器
2 炉心
3 反射体
50 リニア駆動装置固定子対抗式電磁石
51 リニア駆動装置固定子
52 永久磁石
53 可動子
54 反射体駆動軸
55 ベース
56 反射体駆動装置本体
57 壁面電磁石
58 駆動軸連結用電磁石
59 上昇用電磁反発コイル
60 上昇用慣性体
61 上昇用ばね要素
62 下降用電磁反発コイル
63 下降用慣性体
64 下降用ばね要素
65 カウンターウエイト型固定子
66 カウンターウエイト型可動子
69 フランジ
70 カウンターウエイト落下衝撃緩和用ダンパ
71 反射体駆動装置本体用リニア駆動固定子
72 永久磁石
73 メンテンナンス用電磁石
74 負荷質量
75 ストッパー
76 ストッパー用壁面電磁石
77 ストッパー用永久磁石




 

 


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