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発明の名称 原子炉状態監視装置および原子炉状態監視方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−64635(P2007−64635A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247076(P2005−247076)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 泉 幹雄 / 狩野 喜二 / 後藤 泰志 / 内藤 晋
要約 課題

十分な精度で原子炉の状態を監視しつつ、原子炉圧力容器の貫通部、特に、炉心より低い位置での貫通部を削減するとともに、検出器の交換頻度を低減できるようにする。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、
原子炉容器の貫通部を通じて信号を伝達する伝達手段と、
前記原子炉容器の内側に配設された放射線検出器と、
前記放射線検出器から出力され、前記伝達手段によって伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、
前記原子炉容器の内側に配設された冷却材の温度を測定する冷却材温度測定手段と、
前記冷却材温度測定手段によって測定され前記伝達手段によって伝達される冷却材温度、前記出力評価手段が算出した前記熱出力および前記原子炉の熱バランスに基づいて、前記炉心を流れる前記冷却材の流量を推定する流量推定手段と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視装置。
【請求項2】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、
原子炉容器の貫通部を通じて信号を伝達する伝達手段と、
前記原子炉容器の内側に配設された放射線検出器と、
前記放射線検出器から出力され、前記伝達手段によって伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、
少なくとも2箇所に配設され、冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器セットと、
前記ガンマ線検出器セットによって検出されるガンマ線強度の比、前記ガンマ線検出器の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価手段と、
前記出力評価手段が算出した熱出力、前記流量評価手段が算出した冷却材の流量および前記原子炉の熱バランスに基づいて、冷却材の温度を推定する冷却材温度推定手段と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視装置。
【請求項3】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、
原子炉容器の貫通部を通じて信号を伝達する伝達手段と、
前記原子炉容器の内側に配設された放射線検出器と、
前記放射線検出器から出力され、前記伝達手段によって伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、
前記原子炉容器の内側に配設された前記冷却材の温度を測定する冷却材温度測定手段と、
少なくとも2箇所に配設され、冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器セットと、
前記ガンマ線検出器セットによって検出されるガンマ線強度の比、前記ガンマ線検出器の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価手段と、
前記出力評価手段が算出した熱出力、前記冷却材温度測定手段が測定した冷却材の温度および前記流量評価手段が算出した冷却材の流量に基づいて、熱出力、冷却材の温度および冷却材の流量の少なくとも一つを補正する補正手段と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視装置。
【請求項4】
前記出力評価手段は、鉛直方向位置が異なる複数の放射線検出器を備え、前記原子炉の鉛直方向の熱出力分布を算出する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の原子炉状態監視装置。
【請求項5】
前記出力評価手段は、水平方向位置が異なる複数の放射線検出器を備え、前記原子炉の水平面の熱出力分布を算出する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の原子炉状態監視装置。
【請求項6】
前記出力評価手段は、前記炉心を構成する原子燃料の配置および照射履歴に基づいて、前記原子炉の熱出力分布を補正する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載の原子炉状態監視装置。
【請求項7】
前記出力評価手段は、前記炉心の制御手段の作動状況に関する情報に基づいて、前記原子炉の熱出力分布を補正する機能を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか記載の原子炉状態監視装置。
【請求項8】
前記原子炉は前記原子炉容器内部に冷却材の液面が形成される原子炉であって、
前記炉心の水平方向外側であって前記原子炉容器の内側に配設され、前記液面の上方および下方に開口部を有する検出器容器と、
前記検出器容器の開口部の圧力差により前記検出器容器の内部に形成される前記冷却材の液面を検出する液面検出手段と、
前記貫通孔を通る伝達手段によって伝達される前記液面検出手段の出力から、前記原子炉容器の内部での前記冷却材の液面の位置を推定する液面位置推定手段と、を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載の原子炉状態監視装置。
【請求項9】
前記原子炉の状態を検出する複数の手段が格納された検出器集合体を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか記載の原子炉状態監視装置。
【請求項10】
前記炉心の水平方向外側に配設されたガンマ線検出器によって検出されたガンマ線強度および前記原子炉の熱出力に基づいて前記原子炉容器の内部の前記冷却材の密度を推定する冷却材密度推定手段を有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか記載の原子炉状態監視装置。
【請求項11】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、
原子炉容器の内部に配設された気体封入管と、
前記気体封入管を通って前記原子炉容器の外部に到達する放射線を検出する放射線検出器と、
前記放射線検出器から出力される信号に基づいて、原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視装置。
【請求項12】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、
原子炉容器の内部に配設された気体封入管と、
前記気体封入管を通って前記原子炉容器の外部に到達する、前記放射化物質から発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器セットと、
前記ガンマ線検出器セットによって検出されるガンマ線強度の比、前記ガンマ線検出器の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価手段と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視装置。
【請求項13】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視方法において、
前記原子炉容器で放射線の強度を検出して、原子炉容器の貫通部を通じて伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価工程と、
前記原子炉容器の内側の冷却材の温度を測定する冷却材温度測定工程と、
前記出力評価工程で算出した熱出力、前記冷却材温度測定工程で測定した冷却材の温度および前記原子炉の熱バランスに基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を推定する流量推定工程と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視方法。
【請求項14】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視方法において、
前記原子炉容器で放射線の強度を検出して、原子炉容器の貫通部を通じて伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価工程と、
少なくとも2箇所で冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出し、これらのガンマ線の強度の比、ガンマ線の検出を行う場所の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価工程と、
前記出力評価工程で算出した熱出力、前記流量評価工程で算出した冷却材の流量および前記原子炉の熱バランスに基づいて、冷却材の温度を推定する冷却材温度推定工程と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視方法。
【請求項15】
原子炉の状態を監視する原子炉状態監視方法において、
前記原子炉容器で放射線の強度を検出して、原子炉容器の貫通部を通じて伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価工程と、
前記原子炉容器の内側の冷却材の温度を測定する冷却材温度測定工程と、
少なくとも2箇所で冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出し、これらのガンマ線の強度の比、ガンマ線の検出を行う場所の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価工程と、
前記出力評価工程で算出した熱出力、前記冷却材温度測定工程で測定した冷却材の温度および前記流量評価工程で算出した冷却材の流量に基づいて、熱出力、冷却材の温度および冷却材の流量の少なくとも一つを補正する補正工程と、
を有することを特徴とする原子炉状態監視方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉状態監視装置および原子炉状態監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に発電用原子炉の炉心は、原子炉容器の内部に、ほぼ円筒状に配置された多数の細長い燃料集合体によって構成されている。炉心では、核分裂反応で発生したエネルギーにより温度が上昇した燃料集合体が炉心を通る冷却材を加熱する。冷却材に与えられたエネルギーは、直接または間接的にタービンに送られ、発電に寄与する。
【0003】
炉心の内部には、通常、原子炉圧力容器の貫通部を通して挿入された検出器が設置されている(たとえば特許文献1参照)。この検出器で炉心内の中性子束を測定することにより、原子炉の出力を直接監視することができる。また、特許文献2には、冷却水中に含まれる質量数16の窒素同位体から発生するガンマ線を計測することにより、炉心の熱出力分布を求める手法が開示されている。特許文献3には、原子炉容器の内表面と炉心の間にガンマ線または中性子束センサを配設して、炉心の熱出力分布を評価する手法が開示されている。
【0004】
沸騰水型原子炉では、加熱された冷却水は沸騰し、原子炉圧力容器内に飽和蒸気と冷却水の気水界面が形成される。原子炉圧力容器内の異なる軸方向位置における圧力差を測定し、気水界面の位置すなわち原子炉圧力容器の質量換算水位に換算することができる(たとえば特許文献4参照)。この圧力差を測定するためには原子炉圧力容器に計装配管を貫通させることが必要である。通常、計測精度を向上させるため、および、計測器の冗長化のために、水位を検出するための計装配管は複数設置される。
【0005】
原子炉圧力容器内の炉内構造物と干渉しないことなどを目的に、このような計装配管は原子炉圧力容器の炉心よりも下部を貫通している。
【0006】
炉心を流れる冷却水の流量は、炉心を支持する炉心支持板の上下位置における圧力差から求めることができる(たとえば特許文献5参照)。また、炉心入口における冷却水温度を測定することにより、原子炉のヒートバランスから流量を求めることもできる。いずれの方法で冷却水の流量を求める場合であっても、原子炉圧力容器を貫通する計装配管が必要である。
【特許文献1】特開2001−228282号公報
【特許文献2】特開平05−203782号公報
【特許文献3】特許第2647573号公報
【特許文献4】特開2000−65978号公報
【特許文献5】特開2003−66180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
原子炉の出力、冷却材流量および冷却材温度、並びに、これらの場所によるばらつき(分布)は、原子炉を制御する上で重要な情報である。しかし、原子炉出力、冷却水流量および冷却水温度を測定するための検出器を挿入する計装配管などのような原子炉容器を貫通する配管はなるべく少ないほうが望ましい。特に、炉心より下方に位置する原子炉容器の貫通部に接続する配管が破断した場合には、炉心を冷却材で満たすことが困難になるため、このような位置の原子炉容器の貫通部はできるだけ削減すべきである。
【0008】
また、炉心内部に配設された検出器は、中性子照射量が高いため、劣化が早く、検出器の交換頻度が高い。原子炉容器を貫通する配管を削減することや、検出器の交換頻度を低減することを目的として、炉心の外部に配設した検出器により原子炉を監視することが考えられるが、単に検出器を炉心の外部に配設しただけでは、測定精度の低下を招き、十分な監視ができない恐れがある。
【0009】
そこで、本発明は、十分な精度で原子炉の状態を監視しつつ、原子炉圧力容器の貫通部、特に、炉心より低い位置での貫通部を削減するとともに、検出器の交換頻度を低減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、原子炉容器の貫通部を通じて信号を伝達する伝達手段と、前記原子炉容器の内側に配設された放射線検出器と、前記放射線検出器から出力され、前記伝達手段によって伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、前記原子炉容器の内側に配設された冷却材の温度を測定する冷却材温度測定手段と、前記冷却材温度測定手段によって測定され前記伝達手段によって伝達される冷却材温度、前記出力評価手段が算出した前記熱出力および前記原子炉の熱バランスに基づいて、前記炉心を流れる前記冷却材の流量を推定する流量推定手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、原子炉容器の貫通部を通じて信号を伝達する伝達手段と、前記原子炉容器の内側に配設された放射線検出器と、前記放射線検出器から出力され、前記伝達手段によって伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、少なくとも2箇所に配設され、冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器セットと、前記ガンマ線検出器セットによって検出されるガンマ線強度の比、前記ガンマ線検出器の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価手段と、前記出力評価手段が算出した熱出力、前記流量評価手段が算出した冷却材の流量および前記原子炉の熱バランスに基づいて、冷却材の温度を推定する冷却材温度推定手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、原子炉容器の貫通部を通じて信号を伝達する伝達手段と、前記原子炉容器の内側に配設された放射線検出器と、前記放射線検出器から出力され、前記伝達手段によって伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、前記原子炉容器の内側に配設された前記冷却材の温度を測定する冷却材温度測定手段と、少なくとも2箇所に配設され、冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器セットと、前記ガンマ線検出器セットによって検出されるガンマ線強度の比、前記ガンマ線検出器の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価手段と、前記出力評価手段が算出した熱出力、前記冷却材温度測定手段が測定した冷却材の温度および前記流量評価手段が算出した冷却材の流量に基づいて、熱出力、冷却材の温度および冷却材の流量の少なくとも一つを補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、原子炉容器の内部に配設された気体封入管と、前記気体封入管を通って前記原子炉容器の外部に到達する放射線を検出する放射線検出器と、前記放射線検出器から出力される信号に基づいて、原子炉の熱出力を算出する出力評価手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視装置において、原子炉容器の内部に配設された気体封入管と、前記気体封入管を通って前記原子炉容器の外部に到達する、前記放射化物質から発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器セットと、前記ガンマ線検出器セットによって検出されるガンマ線強度の比、前記ガンマ線検出器の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視方法において、前記原子炉容器で放射線の強度を検出して、原子炉容器の貫通部を通じて伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価工程と、前記原子炉容器の内側の冷却材の温度を測定する冷却材温度測定工程と、前記出力評価工程で算出した熱出力、前記冷却材温度測定工程で測定した冷却材の温度および前記原子炉の熱バランスに基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を推定する流量推定工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視方法において、前記原子炉容器で放射線の強度を検出して、原子炉容器の貫通部を通じて伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価工程と、少なくとも2箇所で冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出し、これらのガンマ線の強度の比、ガンマ線の検出を行う場所の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価工程と、前記出力評価工程で算出した熱出力、前記流量評価工程で算出した冷却材の流量および前記原子炉の熱バランスに基づいて、冷却材の温度を推定する冷却材温度推定工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、原子炉の状態を監視する原子炉状態監視方法において、前記原子炉容器で放射線の強度を検出して、原子炉容器の貫通部を通じて伝達される信号に基づき、前記原子炉の熱出力を算出する出力評価工程と、前記原子炉容器の内側の冷却材の温度を測定する冷却材温度測定工程と、少なくとも2箇所で冷却材の一部が放射化した放射化物質から発生するガンマ線を検出し、これらのガンマ線の強度の比、ガンマ線の検出を行う場所の間の距離および前記放射化物質の半減期に基づいて、前記炉心を流れる冷却材の流量を算出する流量評価工程と、前記出力評価工程で算出した熱出力、前記冷却材温度測定工程で測定した冷却材の温度および前記流量評価工程で算出した冷却材の流量に基づいて、熱出力、冷却材の温度および冷却材の流量の少なくとも一つを補正する補正工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、十分な精度で原子炉の状態を監視しつつ、原子炉圧力容器の貫通部、特に、炉心より低い位置での貫通部を削減するとともに、検出器の交換頻度を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る原子炉状態監視装置の実施形態を、図面を参照して説明する。特に断らない限り沸騰水型原子炉(BWR)を例として説明するが、他の形式の原子炉であっても適用可能である。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0020】
[実施形態1]
図1は本発明に係る実施形態1における原子炉状態監視装置の構成図である。
【0021】
原子炉圧力容器1はほぼ円筒形状で、軸が鉛直方向になるように配置されている。原子炉圧力容器1の内部には、ほぼ円筒形状に複数の燃料集合体が配置された炉心2がある。炉心2には、中性子を吸収する制御棒が挿入できるようになっていて、制御棒とその制御棒を駆動するための装置から構成される出力制御手段(図示せず)の一部は原子炉圧力容器1の下部を貫通している。また、原子炉圧力容器1には、冷却水3を供給する供給配管4と、炉心2で発生した蒸気を取り出すための排出配管6が取り付けられている。
【0022】
冷却水3は供給配管4から供給された後に、原子炉圧力容器1の内部であって、炉心2の水平方向外側の環状部を下方に流れる。原子炉圧力容器1の下部に流れ込んだ冷却水3は、炉心2の下部から炉心2に流入して上昇する。炉心2で加熱された冷却水3は沸騰し、気水分離器41で蒸気と水分に分離される。蒸気乾燥器42で乾燥された飽和蒸気5は、排出配管6で原子炉圧力容器1から排出され、蒸気タービン(図示せず)を駆動し発電に寄与する。蒸気タービンを駆動した蒸気は、復水器(図示せず)で液体に戻された後に、供給配管4を通じて、再び原子炉圧力容器1に供給される。また、気水分離器41で分離された水分は供給配管4で供給される冷却水3とともに、炉心2の外部の環状部を下方に流れていく。
【0023】
原子炉圧力容器1の内面と炉心2との間の環状部に検出器集合体8が配設されている。鉛直方向に延びた円筒形状の検出器集合体8の下端は炉心下端位置53よりも下方にあり、検出器集合体8の上端は原子炉圧力容器1の内部に生じる気水界面位置51よりも上方にある。上述の通り、冷却水3は原子炉圧力容器1の内部であって、炉心2の外側の環状部を下方に流れており、検出器集合体8の下部はこの流れの中に位置している。また、検出器集合体8は、炉心2を取り囲むように、周方向に複数個が配列されている。なお、検出器集合体8の数は、検出器集合体内部に組み込まれた検出器の数や、要求される検出精度などに応じて適切な数を設置すればよい。
【0024】
検出器集合体8は、原子炉圧力容器1の上部貫通孔62を介して、原子炉圧力容器1の外部に配設された信号処理手段9に接続されている。信号処理手段9は、出力分布評価手段10、流量評価手段11、水位評価手段12および放射化物質濃度分布評価手段13に接続されている。冷却水温度分布評価手段14は放射化物質濃度分布評価手段13に接続されている。
【0025】
図2は、本発明に係る実施形態1における検出器集合体8の断面図である。(a)は検出器集合体の水平方向断面を示したもので、(b)は(a)のB−B線矢視縦断面図、(c)は(a)のC−C線矢視縦断面図、(d)は(a)のD−D線矢視縦断面図を示している。
【0026】
検出器集合体8は鉛直方向に延びた円筒形状の検出器容器44を有している。検出器容器44の内部には、出力系出力モニタ15、水位計17、起動系出力モニタ20、側部放射線分布モニタ21、ガンマ線検出器22が水平方向に配列されて格納されている。さらに、検出器容器44の下部先端には貫通孔60が設けられ、貫通孔60から熱電対23の一部が下方に突出するように配設されている。それぞれの検出器に接続されたケーブル61は検出器集合体8の上部に集められて、原子炉圧力容器1の上部貫通孔62から原子炉圧力容器1の外に導かれ、信号処理装置9に接続されている。ケーブル61には配管が含まれていてもよい。
【0027】
出力系出力モニタ15は、円筒容器の内部に放射線検出器45が収められた構造をしている。ここで、放射線検出器45には中性子検出器も含まれる。たとえば3ないし9個の放射線検出器45は、異なる軸方向位置であって、炉心下端位置53から炉心上端位置52の範囲に配設されている。
【0028】
起動系出力モニタ20は、円筒容器の内部に放射線検出器45が収められた構造をしている。ここでも、放射線検出器45には中性子検出器も含まれる。数個の放射線検出器45は、異なる軸方向位置であって、炉心下端位置53から炉心上端位置52の範囲に配設されている。
【0029】
側部放射線モニタ21は、円筒容器の内部に放射線検出器46が収められた構造をしている。複数の放射線検出器46が、炉心下端位置53から気水界面位置51の範囲の、異なる軸方向位置に配設されている。
【0030】
ガンマ線検出器セット22は、円筒容器の内部に3つのガンマ線検出器47が収められた構造をしている。ガンマ線検出器47は、気水界面位置51の近傍、炉心上端位置52と気水界面位置51の間、および、炉心下端位置53より下方に配設されている。なお、ガンマ線検出器22の数は3に限定されるものではなく、必要な測定精度に応じて2つ以上の適切な数のガンマ線検出器22を設置すればよい。
【0031】
比較的飛程が短い中性子を検出する出力系出力モニタ15や起動系出力モニタ20が、炉心2に面するように検出器集合体8を配設し、検出効率を上げてもよい。
【0032】
検出器集合体8の下部には、炉心下端位置53よりも低い位置に冷却材貫通孔18が設けられており、また、原子炉の通常運転時において飽和蒸気5に面する位置に蒸気貫通部19が設けられている。冷却材貫通孔18と蒸気貫通部19との圧力差によって検出器集合体8の内部には冷却水の液面が生じる。この液面の位置を測定する水位計17が設置されている。水位計17としては、たとえば異なる軸方向位置に配設された圧力計を用いることができる。
【0033】
次に、実施形態1の原子炉状態監視装置の動作について説明する。
【0034】
原子炉の熱出力、冷却材温度および冷却材流量のいずれか2つの量がわかると、原子炉の熱バランスから、残りの量を求めることができる。
【0035】
出力系出力モニタ15および起動系出力モニタ20の出力は、信号処理手段9によって処理され、中性子束分布が求められる。出力分布評価手段10は、この検出器集合体8の位置における中性子束分布から炉心における中性子束分布を求め、原子炉の熱出力を算出する。なお、起動系出力モニタ20は、特に原子炉の起動時の熱出力を監視する目的で設置されたものである。
【0036】
熱電対23の出力は、信号処理手段9によって検出器集合体8の下端位置での冷却水3の温度、すなわち炉心入口の冷却水3の温度に換算される。
【0037】
ここで得られた原子炉の熱出力と炉心入口の冷却水温度から冷却材流量を求めることができる。
【0038】
冷却水3には水が放射化して生成された質量数16の窒素同位体(16N)が含まれる。図3(a)は原子炉圧力容器1の内部における16Nの分布を模式的に示した図であり、検出器集合体8の一部などは省略している。図3(b)は検出器集合体8の位置における、16Nの濃度分布を示した図である。ここで、符号16は16Nを示している。なお、図3(a)は、16Nの原子そのものを示したものではなく、各位置における16Nの濃度を模式的に示したものである。
【0039】
炉心2において生成された16Nは、冷却水3とともに炉心2から上方に流れ、一部は飽和蒸気5とともに流れていく。また、一部の16Nは、給水配管4から供給される冷却水3と同様に炉心2と原子炉圧力容器1の内面との間を、原子炉圧力容器1の下部に流れていく。
【0040】
16Nは6MeV以上のガンマ線を放出する。原子炉圧力容器1の内部で検出される他の放射化物から発生するガンマ線のエネルギーは約2MeV以下である。また、炉心2の内部では最大10MeVのガンマ線が発生するが、炉心2から十分に離れた位置では減衰するため、2MeV以上のガンマ線は16Nから放出されたガンマ線だけになる。したがって、2MeV以上のガンマ線の強度を測定することにより、16Nの濃度を算出することができる。つまり、放射化物質濃度分布評価手段13は、信号処理手段9を介して受け取ったガンマ線検出器22の出力から、検出位置における16N濃度を算出することができる。
【0041】
16Nは時間とともに一定の割合で壊変していくため、時間とともに冷却水3に含まれる16Nの濃度は減少していく。したがって、気液界面近傍に配設されたガンマ線検出器22の出力から算出された16N濃度と、炉心上端と気水界面の間に配設されたガンマ線検出器22の出力から算出された16N濃度と、2つのガンマ線検出器22の間の距離に基づいて、これらの2つのガンマ線検出器22の間の16Nの移動速度、すなわち、冷却水3の流量を算出することができる。
【0042】
このように16Nから放出されるガンマ線を計測することにより求めた冷却水流量と、出力系出力モニタ15および起動系出力モニタ20の出力から求めた原子炉の熱出力および原子炉の熱バランスから冷却水温度を求めることもできる。また、16Nから放出されるガンマ線を計測することにより求めた冷却水流量と、出力系出力モニタ15および起動系出力モニタ20の出力から求めた原子炉の熱出力および熱電対23の出力から求めた冷却水温度を、原子炉の熱バランスを考慮して、それぞれ補正してもよい。
【0043】
また、出力系出力モニタ15および起動系出力モニタ20は、軸方向に複数の検出器を有しており、炉心の軸方向出力分布を算出することができる。さらに、検出器集合体8が複数配設されていれば、炉心の水平面内の出力分布も算出することが可能である。製造時での燃料集合体中の核分裂性物質の濃度分布、可燃性毒物の濃度分布、燃料集合体の配置や制御棒の挿入割合の履歴などを使用した3次元核熱水力結合計算などによって求められた炉心内の核分裂性物質の濃度分布などによって、炉心の熱出力やその分布を補正してもよい。
【0044】
供給配管4から供給される冷却水3は、炉心2を通過してから時間が十分に経過しているため、16Nがほとんど含まれていない。一方、炉心2を通過した後に、排出配管6から原子炉圧力容器1の外部に排出されずに、再び原子炉圧力容器1の下部に流れていく冷却水3には16Nが比較的多く含まれている。また、原子炉圧力容器1の外部に排出されずに、再び原子炉圧力容器1の下部に流れていく冷却水3は、供給配管4から供給される冷却水3に比べて若干温度が高い。これらの冷却水3が十分に混合されていなければ、場所によって冷却水3の温度に差が生じる。検出器集合体8が複数配設されていれば、この冷却水3の温度差も、冷却水3に含まれる16Nの濃度から算出することができる。
【0045】
同様に、検出器集合体8が複数配設されていれば、複数の熱電対23によって、冷却水3の場所による温度差を測定することもできる。
【0046】
冷却水3に含まれる16Nの濃度の分布は、放射化物質濃度分布評価手段13によって算出される。放射化物質濃度分布評価手段13から出力される冷却水3に含まれる16Nの濃度の分布や、熱電対23の測定結果などを基に、冷却水温度分布評価手段14が炉心2の入口における冷却材温度の分布を評価する。
【0047】
上述の通り、検出器集合体8の内部には、原子炉の水位に対応して液面が生じる。この液面位置は水位計17によって計測され、水位評価手段12が原子炉圧力容器1の内部における質量換算水位を算出する。なお、質量換算水位の算出において、出力分布評価手段10が算出した出力分布、および、流量評価手段11が算出した炉心流量などによって補正することにより、算出精度を改善することができる。
【0048】
側部放射線分布モニタ21の出力は、信号処理手段9によって放射線強度分布に換算される。出力分布評価手段10は、この放射線強度分布によって補正することにより、炉内の熱出力分布の算出精度を向上させることができる。また、側部放射線分布モニタ21の出力は、出力系出力モニタ15や起動系出力モニタ20の感度補正に用いることもできる。さらに、側部放射線分布モニタ21の出力は、気水界面位置51の上方および下方の様々な軸方向位置において測定するため、炉心の核分裂により生じる放射線の強度や、放射化物による放射線の強度をそれぞれ測定し、原子炉容器1の内部における冷却水の密度分布を推定することができる。この冷却水の密度分布の推定結果は、水位評価手段12が算出する質量換算水位の補正に用いることができる。
【0049】
このように、本発明に係る実施形態1によって、原子炉圧力容器の炉心よりも下部に各種検出器を通す貫通部が不要になる。また、炉心の外部に検出器を配設することにより、検出器への放射線照射量が減少するため、検出器の交換頻度を低減することができる。さらに、水位計測用および流量計測用の計装配管も削減でき、炉心入口の温度分布を算出する手法も得られる。
【0050】
[実施形態2]
図4は、本発明に係る実施形態2の原子炉状態監視装置の構成図である。
【0051】
実施形態2では、原子炉圧力容器1の内部に気体封入管28が設置されている。気体封入管28に封入する気体の種類は限定されないが、たとえばアルゴンなどの不活性ガスを封入してもよいし、真空であってもよい。また、気体封入管28の近傍であって、原子炉圧力容器1の外部に検出器集合体8および下部検出器集合体68が設置されている。原子炉圧力容器1の側面の近傍に設置された検出器集合体8には、実施形態1における検出器集合体8と同様に、出力系出力モニタ15、起動系出力モニタ20、側部放射線モニタ21、ガンマ線検出器セット22が含まれる。原子炉圧力容器1の下部に面する下部検出器集合体68には、出力系出力モニタ15、起動系出力モニタ20、ガンマ線検出器セット22が含まれる。なお、検出器集合体8および下部検出器集合体68は原子炉圧力容器1の外部に位置していて、水位計は意味を成さないため、水位計や冷却材貫通孔などは有していない。また、各検出装置は一体の容器に収める必要はなく、別々に配設してもよい。
【0052】
通常、原子炉圧力容器1の内部の放射線(中性子線を含む)の大部分は冷却水3で遮蔽される。気体封入管28は炉内の放射線を原子炉圧力容器1の外部まで導くため、原子炉圧力容器外部に設置した検出器31の位置の放射線を強度が増加する。したがって、原子炉圧力容器1の外部であっても、原子炉圧力容器1の内部の状態を正確に計測することができる。特に、気体封入管28を炉心2の内部に挿入すると、炉心2の内部における放射線を直接計測することが可能となり、炉心2の内部の局所的な出力変化も計測できる。
【0053】
また、気体封入管28により、より強度が強い放射線が原子炉圧力容器1の外部に導かれるため、検出器集合体8が気体封入管28と対向する面以外を遮蔽し、放射線の影響が小さくなるようにしておいてもよい。
【0054】
このように、気体封入管28を用いることにより、検出器集合体8を原子炉圧力容器1の外部に設置しても、原子炉圧力容器1の内部の情報を正確に把握できる。これにより、原子炉圧力容器1の下部の貫通部を削減することが可能となる。また、炉心2の外部に検出器を設置することで放射線照射量が低減し、検出器の交換を低減できる。
【0055】
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。たとえば、ナトリウム冷却型の高速増殖炉に適用する場合には、冷却水3をナトリウムに置き換えればよい。また、加圧水型原子炉のように気水界面が存在しない原子炉に適用する場合には、検出器集合体から水位計や冷却材貫通孔などを削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態1の炉内状態監視装置のシステム構成図。
【図2】本発明の実施形態1の検出器集合体の構成図であって、(a)は水平断面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図、(c)は(a)のC−C線矢視断面図、(d)は(a)のD−D線矢視断面図。
【図3】本発明の実施形態1の質量数16の窒素同位体の分布の模式図であって、(a)は原子炉容器の縦断面図、(b)は質量数16の窒素同位体濃度の軸方向分布。
【図4】本発明の実施形態2の炉内状態監視装置のシステム構成図。
【符号の説明】
【0057】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…冷却水、4…供給配管、5…飽和蒸気、6…排出配管、8…検出器集合体、9…信号処理手段、10…出力分布評価手段、11…流量評価手段、12…水位評価手段、13…放射化物質濃度分布評価手段、14…冷却水温度分布評価手段、15…出力系出力モニタ、16…質量数16の窒素同位体、17…水位計、18…冷却水貫通部、19…蒸気貫通部、20…起動系出力モニタ、21…側部放射線分布モニタ、22…ガンマ線検出器セット、23…熱電対、28…気体封入管、41…気水分離器、42…蒸気乾燥器、44…検出器容器、45…放射線検出器、46…放射線検出器、47…ガンマ線検出器、51…気水界面位置、52…炉心上端位置、53…炉心下端位置、60…貫通孔、61…ケーブル、62…上部貫通孔、68…下部検出器集合体




 

 


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