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発明の名称 炉水浄化装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−51977(P2007−51977A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−238840(P2005−238840)
出願日 平成17年8月19日(2005.8.19)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃
発明者 茂庭 忍 / 桜井 学 / 関 秀司 / 赤井 芳恵 / 永山 英睦
要約 課題
運用時の熱損失が少なく廃却時の廃棄物量の少ない炉水浄化装置を提供する。

解決手段
原子炉1に接続され原子炉1の冷却材である炉水をろ過するろ過装置14と、ろ過装置14に接続されろ過装置14でろ過された炉水を脱塩処理する脱塩装置6と、脱塩装置6に直流電圧を印加する電源装置7とを備え、脱塩装置6は、炉水を導入する筐体内に設けられた電極8a,8bと、微細孔を有する金属系または合金系の素材からなり電極8a,8bの間に設けられた隔膜9a,9bとを備え、電極8a,8bと隔膜9a,9bの間にイオン濃度の高い炉水を貯留する濃縮水室15a,15bが形成され、隔膜9a,9bの相互間にイオン濃度の低い炉水を貯留する脱塩水室11が形成されている構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉に接続され前記原子炉の冷却材である炉水をろ過するろ過装置と、前記ろ過装置に接続され前記ろ過装置でろ過された炉水を脱塩処理する脱塩装置と、前記脱塩装置に電圧を印加する電源装置とを備え、前記脱塩装置は、炉水を導入する筐体内に設けられ前記電源装置に接続される電極と、微細孔を有する金属系または合金系の素材からなり前記電極の間に設けられた隔膜と、前記電極と前記隔膜の間に形成されイオン濃度の高い炉水を貯留する濃縮水室と、前記隔膜の相互間に形成されイオン濃度の低い炉水を貯留する脱塩水室とを備えていることを特徴とする炉水浄化装置。
【請求項2】
前記隔膜は、脱塩処理すべき炉水の導入方向に平行に対を成して設けられていることを特徴とする請求項1記載の炉水浄化装置。
【請求項3】
前記隔膜は平板状の構造を有することを特徴とする請求項2記載の炉水浄化装置。
【請求項4】
前記隔膜は筒型であり、脱塩処理すべき炉水の導入方向に同心円状に対を成して設けられていることを特徴とする請求項1記載の炉水浄化装置。
【請求項5】
前記電極および前記隔膜は複数対設けられ、複数の前記脱塩水室が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4記載の炉水浄化装置。
【請求項6】
前記複数対の電極のうち中間部の電極をバイポーラー電極としたことを特徴とする請求項5記載の炉水浄化装置。
【請求項7】
前記濃縮水室に前記ろ過装置でろ過された炉水を導入する配管を設けたことを特徴とする請求項1ないし6記載の炉水浄化装置。
【請求項8】
前記ろ過装置内に設けられるフィルターは耐熱性材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の炉水浄化装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉の冷却材である炉水を浄化する炉水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炉水中には原子炉構造物の腐食生成物や放射線分解生成物が含まれる。また、混入物として鉄、コバルト、塩素等の化合物やイオンが微量に含まれており、常時これらの不純物を除去することによって炉水の浄化運用を行っている。現状は、多くの原子力発電所が脱塩処理にイオン交換樹脂を用いているが、炉水280℃に対してイオン交換樹脂の耐熱温度は60℃以下と低く、このため、炉水を脱塩処理の前に冷却する工程が必要となっている。これに伴う熱エネルギーの損失は膨大で、例えば100MWユニットで約4.1MWとされている。このため、例えば下記特許文献1にあるように、耐熱性の高いイオン交換樹脂の開発などが進められている。
【0003】
前記のように炉水浄化のためのイオン成分除去工程においては、その運用温度域に合せた、炉水浄化前の炉水の冷却操作、および炉水浄化後の加熱操作が必要である。このイオン成分除去工程での温度操作は、原子力発電プラントの熱出力を低下させる原因のひとつとなっている。このことから、炉水浄化においては、原子炉中の炉水温度により近い温度域での運用が望ましい。
【0004】
また、イオン成分除去工程で使用されるイオン交換樹脂は一定期間毎に交換されるが、このイオン交換樹脂は高放射線環境にある原子炉水の浄化に使用されるので、放射性廃棄物となる。そのため、廃棄物発生量の減容の観点からも長期間運用可能な材料の利用が求められている。例えば特許文献2のように、廃イオン交換樹脂の減容方法が考案されている。
【0005】
イオン交換樹脂を使用しない脱塩方法として、例えば電気透析法がある。一般に電気透析法では、被処理水をイオン交換膜で隔てた電場中を透過させる際に、イオン交換膜と電場の極性に応じてイオンの移動を促進させることにより、被処理水中のイオン除去を行う。原子力プラントでの脱塩処理工程に対する電気透析脱塩適用に関しては例えば特許文献3などがある。
【0006】
電気透析法を原子力プラントへ適用する上での課題として、使用されるイオン交換膜は一般に有機高分子膜であり、高温環境での耐久性が低いことから、イオン交換膜交換に伴う廃棄物発生量低減は困難である点がある。
【0007】
電気透析を高温環境で運用する原子力プラントでの電気透析脱塩に関しては、例えば特許文献4に記載されており、導電性セラミックスフィルタを両極に用いて電気透析脱塩を行う方法が考案されている。ところが、導電性セラミックスは高価である他、炉水浄化の脱塩に使用するためには、その脱塩工程が高温・高圧に耐える脱塩装置構造である必要がある。耐圧容器としてはステンレス系合金等の金属系容器が使用されるため、その内部に被処理水の脱塩部と濃縮部を隔てる隔膜として配置される構造部材は、容器を構成する材料と近い熱膨張特性を有する素材で構成されることが望ましく、セラミックス系材料を使用した場合、起動時や高温運用時に脱塩部と濃縮部の隔離性が損なわれる可能性がある。
【特許文献1】特開2003−88815号公報
【特許文献2】特開平10−279726号公報
【特許文献3】特開平11−237495号公報
【特許文献4】特開平3−232521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、運用時の熱損失が少なく廃却時の廃棄物量の少ない炉水浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、原子炉に接続され前記原子炉の冷却材である炉水をろ過するろ過装置と、前記ろ過装置に接続され前記ろ過装置でろ過された炉水を脱塩処理する脱塩装置と、前記脱塩装置に電圧を印加する電源装置とを備え、前記脱塩装置は、炉水を導入する筐体内に設けられ前記電源装置に接続される電極と、微細孔を有する金属系または合金系の素材からなり前記電極の間に設けられた隔膜と、前記電極と前記隔膜の間に形成されイオン濃度の高い炉水を貯留する濃縮水室と、前記隔膜の相互間に形成されイオン濃度の低い炉水を貯留する脱塩水室とを備えている構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運用時の熱損失が少なく廃却時の廃棄物量の少ない炉水浄化装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る炉水浄化装置の第1ないし第5の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、これらの実施の形態は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は本実施の形態の炉水浄化装置の構成と流体の流れを示す。原子炉1には主蒸気配管2および復水配管18によってタービン3と復水器5が接続され、タービン3には発電機4が同軸で接続されている。また原子炉1には炉水配管10および脱塩水配管12によってろ過装置14と脱塩装置6が接続されている。
【0013】
原子炉1の炉水は炉水配管10を通してろ過装置14に供給される。炉水に含まれる固形分は、脱塩装置6の入口側に接続されたろ過装置14によって除去される。ろ過装置14には炉水固形分除去が可能な技術を適用し、適用技術の運用温度範囲に応じて適宜熱交換器等を設置する。ろ過装置14において固形分が除去された炉水は脱塩装置6に導かれる。脱塩装置6で脱塩(脱イオン)された炉水は脱塩水配管12を通して原子炉1に戻される。
【0014】
脱塩装置6には、電圧印加用の電源装置7が接続され、電極8a,8bと炉水の流入経路と、電極8a,8bと脱塩水室11を隔てる隔膜9a,9bと、脱塩水室11から排出され原子炉1へ返送される脱塩水の排出経路20と、隔膜9a,9bを介して炉水のイオン成分が濃縮される濃縮水室15a,15b、および濃縮水の排出経路21を有する。
【0015】
脱塩装置6は原子炉1に対し1台もしくは複数台設けられており、原子炉1の温度、圧力と同等の運用が可能な容器とするか、または原子炉1の温度、圧力と同等の運用が可能な容器内に格納されることが望ましい。また、脱塩装置6の筐体と、電極8a,8b、隔膜9a,9bは、電気的に絶縁する。電極8a,8bは、脱塩処理時に脱塩水に電極8a,8bの構成成分が溶出しない材質で、脱塩装置6の運用温度、電流電圧域で安定に使用できるものを選定する。
【0016】
隔膜9a,9bは、対を成して平行に配置された金属系あるいは合金系の素材からなり、その構成成分が脱塩運用環境で溶出、腐食せず炉水の温度域で安定な素材例えば孔径が0.1〜100μm範囲の微細孔を有するチタン、ステンレス鋼等を用いる。隔膜9a,9bは平板状の形態とすることで、脱塩装置6内での脱塩水室11を集積化することが出来る。また隔膜9a,9bを筒型に同心円状に対を成す形態とした場合、隔膜9a,9bおよびその他の脱塩装置6内の部品個数が減少するメリットがある。
電源装置7は、電極8a,8bを通じて脱塩装置6に直流印加を行う機能を有するものであれば形式は問わないが、出力電圧電流は脱塩が運転計画値を満たすよう選定する。
【0017】
本実施の形態の炉水浄化装置においては、炉水に含まれるイオン成分は、脱塩水室11内部で、電源装置7に接続された電極8a,8bによって印加される電位勾配によって脱塩水室11と接する隔膜9a,9bを透過して濃縮水室15a,15bへ電気泳動し、イオン濃度の低下した脱塩水は原子炉1へ導かれる。炉水に含有され、脱塩水室11での電位勾配によって濃縮水室15a,15b外へ移動したイオン成分は濃縮水取出し配管13によって脱塩装置6の系外へ排出される。
【0018】
本実施の形態の炉水浄化装置は、原子炉1の炉水を脱塩装置6により高温環境下で脱塩浄化することができるため熱損失が少なく、効率よく原子力プラントを運用することができる。
【0019】
(第2の実施の形態)
本実施の形態の炉水浄化装置は、図2に示すように、脱塩装置6が電極8a,8b,8c,8dと、隔膜9a,9b,9c,9d,9e,9fと、それらの間に画成された濃縮水室15a,15b,15c,15d,15e,15fおよび脱塩水室11a,11b,11cを備えている構成である。
【0020】
本実施の形態においては、原子炉1の炉水と同等の高温高圧条件で脱塩装置6を運用する際、高温高圧環境となる脱塩装置6の筐体内部に、複数の脱塩水室11a,11b,11cを設けることで、原子炉1に対する脱塩装置6の台数を減少させ、高温高圧容器となる脱塩装置6の集積化を図ることができる。脱塩装置6の集積化により、原子力プラント構成機器の廃却時の廃棄物量を低減することができる。また本実施の形態によれば、体積効率の高い炉水浄化装置が提供でき、効率よく原子力プラントを運用することができる。
【0021】
(第3の実施の形態)
本実施の形態の炉水浄化装置は、図3に示すように、脱塩装置6が電極8a,8bおよびバイポーラー電極16a,16bと、隔膜9a,9b,9c,9d,9e,9fと、それらの間に画成された濃縮水室15a,15b,15c,15d,15e,15fおよび脱塩水室11a,11b,11cを備えている構成である。
【0022】
本実施の形態においては、図2に示した脱塩装置6と電源装置7を接続する導線と比べ、図3に示すように、電圧印加用の電極8a,8bの個数が少ないため導線数が減少するので、高温高圧容器となる脱塩装置6の内部の電圧供給経路構造を簡素化することができる。したがって本実施の形態によれば、電圧供給経路構造を簡素化した体積効率の高い炉水浄化装置が得られ、効率よく原子力プラントを運用することができる。
【0023】
(第4の実施の形態)
本実施の形態の炉水浄化装置は図4に示すように、ろ過装置14の処理水の一部を脱塩装置6の濃縮水室15a,15bに導入する経路である濃縮水室洗浄水導入配管17a,17bを設けた構成である。
【0024】
本実施の形態においては、濃縮水室15a,15bから濃縮水を排出するときに、濃縮水室洗浄水導入配管17a,17bによってろ過装置14の処理水の一部を導入することにより、濃縮水室15a,15bに蓄積するイオン成分の排出を促進することができる。
【0025】
なお、濃縮水室15a,15bへ導入する水は、図4に示した炉水以外の系統水を利用してもよいが、電極8a,8bや隔膜9a,9bへの物質の付着析出や、脱塩水の水質悪化など、脱塩装置6の能力低下をもたらさない系統水を選択することが望ましい。また濃縮水室洗浄水導入配管17a,17bによって導入する水量は、脱塩水や濃縮水の水質や、電源装置7での電気的パラメータに応じて決定するよう制御する構成とすることが望ましい。
本実施の形態によれば、脱塩装置6にて脱塩・濃縮されたイオン成分を迅速に排出し炉水の水質を維持することができるので、効率よく原子力プラントを運用することができる。
【0026】
(第5の実施の形態)
本実施の形態においては、図1から図4に示したろ過装置14のフィルターに耐熱性材料が用いられる。ろ過装置14に適用するフィルターとして、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)により中空状またはプリーツ状に形成され、その表面に孔径0.01μm〜0.5μmの細孔が多数形成されたフッ素樹脂膜や、例えばニッケル基合金製繊維焼結シート等インコネル、インコロイ、ナイモニック、ハステロイ、インコ、UHM、カーペンター(いずれも商品名)や耐熱鋼SUH660等の耐熱ニッケル合金、耐熱ニッケルクロム合金等の孔径が40μm以下の細孔を有する無機・金属系膜を用いることにより高温の炉水をろ過することができ、原子炉1とろ過装置14の温度差を低減した固形分除去を行うことができる。
【0027】
本実施の形態によれば、ろ過装置14と原子炉1の温度差を低減することが出来るため、脱塩装置6と併せ、炉水の浄化において、温度操作を低減することができるため、効率よくに原子力プラントを運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態の炉水浄化装置の構成および流体の流れを示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の炉水浄化装置の構成および流体の流れを示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の炉水浄化装置の構成および流体の流れを示す図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の炉水浄化装置の構成および流体の流れを示す図。
【符号の説明】
【0029】
1…原子炉、2…主蒸気配管、3…タービン、4…発電機、5…復水器、6…脱塩装置、7…電源、8a,8b,8c,8d…電極、9a,9b,9c,9d,9e,9f…隔膜、10…炉水配管、11,11a,11b,11c…脱塩水室、12…脱塩水配管、13…濃縮水取出し配管、14…ろ過装置、15a,15b,15c,15d,15e,15f…濃縮水室、16a,16b…バイポーラー電極、17a,17b…濃縮水室洗浄水導入配管、18…復水配管。





 

 


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