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発明の名称 プラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−51954(P2007−51954A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−237941(P2005−237941)
出願日 平成17年8月18日(2005.8.18)
代理人 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久
発明者 伊藤 幹郎 / 久保 達也 / 菊池 正明 / 田中 徳彦
要約 課題
評価対象の配管に実配管と同様な状態に模擬させ、その模擬状態の下、各種データを計測して前記評価対象の配管の寿命を予測するプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法を提供する。

解決手段
本発明に係るプラント配管の寿命予測装置は、評価対象の配管に設けられた配管試験セクション10に設置され、配管試験体12に負荷を与える荷重負荷機構13と、前記配管試験体12に供給する流体の流動状態、性状、温度を実配管の流体に模擬させる手段と、前記配管試験体12に設けられ、腐食を計測する腐食電位計測系16と、前記試験体12に設けられ、電位差を計測する電位差法計測系17と、前記設定対象の配管を流れる流体の性状を計測する流体性状計測系29と、前記腐食電位計測系16、前記電位差法計測系17および前記流体性状計測系29のそれぞれから与えられるデータ情報のうち、少なくとも一つ以上を基にし、演算、解析して前記評価対象の配管の寿命を予測する寿命評価装置とを備えた。
特許請求の範囲
【請求項1】
評価対象の配管に設けられた配管試験セクションに設置され、配管試験体に負荷を与える荷重負荷機構と、前記配管試験体に供給する流体の流動状態、性状、温度を実配管の流体に模擬させる手段と、前記配管試験体に設けられ、腐食を計測する腐食電位計測系と、前記試験体に設けられ、電位差を計測する電位差法計測系と、前記設定対象の配管を流れる流体の性状を計測する流体性状計測系と、前記腐食電位計測系、前記電位差法計測系および前記流体性状計測系のうち、少なくとも一つ以上から与えられるデータ情報を基にし、演算、解析して前記評価対象の配管の寿命を予測する寿命評価装置とを備えたことを特徴とするプラント配管の寿命予測装置。
【請求項2】
配管試験体に供給する流体の流動、性状、温度を実配管の流体に模擬させる手段は、予熱器、高圧定量ポンプ、流量調整弁で構成したことを特徴とする請求項1記載のプラント配管の寿命予測装置。
【請求項3】
荷重負荷機構は、配管試験体の両端を支持するサポート部と、前記配管試験体の内径側に同心的に配置された筒体とを備えたことを特徴とする請求項1記載のプラント配管の寿命予測装置。
【請求項4】
荷重負荷機構は、外側を包囲枠体で形成したことを特徴とする請求項1記載のプラント配管の寿命予測装置。
【請求項5】
腐食電位計測系は、材料電極、照合電極および電位差計を備えて構成することを特徴とする請求項1記載のプラント配管の寿命予測装置。
【請求項6】
電位差法計測系は、配管試験体と電位差法計測装置とを結ぶ電流導線および電位差法計測導線を備えて構成することを特徴とする請求項1記載のプラント配管の寿命予測装置。
【請求項7】
照合電極は、白金電極、金属−難溶性塩電極および金属−金属酸化物電極のうち、いずれかを選択することを特徴とする請求項5記載のプラント配管の寿命予測装置。
【請求項8】
配管試験体は、ステンレス鋼溶継手、ニッケル基合金溶接継手、炭素鋼溶接継手のうち、いずれかを選択することを特徴とする請求項1記載のプラント配管の寿命予測装置。
【請求項9】
評価対象の配管の配管試験セクションに設置される荷重負荷機構に組み込まれた配管試験体に供給する流体の流動状態、性状、および温度を実配管の流体に模擬させ、その模擬させた状態の下、環境データおよび材料データを計測し、計測した各データ情報を基に前記評価対象の配管の寿命を予測することを特徴とするプラント配管の寿命予測方法。
【請求項10】
配管試験体に供給する流体の流動状態を実配管の流体に模擬させる際、荷重負荷機構の後流側に設ける流量調節弁を開閉制御して実配管の流体の流動状態に模擬させることを特徴とする請求項8記載のプラント配管の寿命予測方法。
【請求項11】
評価対象の配管の配管試験セクションに設置される荷重負荷機構に組み込まれた配管試験体に供給する流体の流動状態、性状、および温度を実配管の流体に模擬させ、その模擬させた状態の下、負荷が与えられた前記配管試験体の電流、電位差を計測し、計測した電流、電位差の情報から亀裂進展特性の材料データを算出し、算出した材料データ情報を、予め別途格納しておいたデータ情報と照合して前記評価対象の配管の寿命を予測することを特徴とするプラント配管の寿命予測方法。
【請求項12】
評価対象の配管の配管試験セクションに設置される荷重負荷機構に組み込まれた配管試験体に供給する流体の流動状態、性状、および温度を実配管の流体に模擬させ、その模擬させた状態の下、負荷が与えられた前記配管試験体の腐食電位値を計測し、計測した腐食電位値のデータ情報から亀裂進展特性の材料データを算出し、算出した材料データ情報を、予め別途格納しておいたデータ情報と照合して前記評価対象の配管の寿命を予測することを特徴とするプラント配管の寿命予測方法。
【請求項13】
評価対象の配管の配管試験セクションに設置される荷重負荷機構に組み込まれた配管試験体に供給する流体の流動状態、性状、および温度を実配管の流体に模擬させ、その模擬させた状態の下、予め亀裂を設けている前記配管試験体に負荷を与え、与えられた負荷からの応力および残留応力に基づいて応力拡大係数を算出し、算出した応力拡大係数を予め計測しておいた前記評価対象の配管の亀裂進展特性データ情報、腐食データ情報、および流体の性状データ情報のうち、少なくとも一つ以上を照合して亀裂進展速度と亀裂進展量とを算出した後、前記評価対象の配管の亀裂長さを予測することを特徴とするプラント配管の寿命予測方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント配管の寿命予測システムに係り、特に、原子力プラントの原子炉一次系配管の健全性を評価する際、応力腐食割れ、腐食疲労等の環境助長割れによる亀裂進展を予測するプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、沸騰水型原子炉は、原子炉建屋内に原子炉格納容器を設置し、この原子炉格納容器内に原子炉圧力容器を収容させている。
【0003】
この原子炉圧力容器は、器内に冷却水(炉水)を充填し、冷却水が炉心の底部側から頭部側に向って流動する際、炉心の核反応熱を奪って昇温している。昇温した冷却水は、飽和蒸気と飽和水とが混在し、二相流となって炉心の頭部側に設けた気水分離器に案内される。
【0004】
気水分離器は、蒸気を水から分離し、分離した蒸気を蒸気乾燥器に供給し、この蒸気乾燥器で蒸気を乾燥させて乾燥蒸気にし、原子炉圧力容器に接続する主蒸気管を介して蒸気タービンに供給し、膨張仕事をさせている。
【0005】
また、蒸気から分離される水は、炉心の外側から底部側に向って流れ、再び炉心の底部側から頭部側に向う循環が繰り返される。
【0006】
また、原子炉圧力容器は、容器本体の頭部開口を閉塞させる蓋体を備えるとともに、冷却水を取水、流出させる一次系配管を備えている。
【0007】
この一次系配管は、再循環配管、冷却材浄化系配管、ボトムドレン配管等で構成されている。
【0008】
また、原子炉圧力容器は、胴体を円筒状に形成し、円筒状胴体の底部を鏡板で構成するとともに、胴体内の頭部側から底部側に向って順に、上部格子板、炉心シュラウド、炉心支持板、シュラウドサポート、炉水スプレー系配管等の炉内構造物を収容する一方、鏡板側の底部に制御棒駆動機構や炉内計装配管等を挿通させる貫通孔を備えている。
【0009】
このような構成を備える沸騰水型原子炉において、プラントの健全性をより一層安全に維持させるには、原子炉一次系配管から冷却水(炉水)に晒される原子炉構成機器の腐食環境を監視し、プラントの健全性評価、予防診断等に役立てる技術の開発が、最近進められている。
【0010】
特に、再循環系配管等の原子炉一次系配管には、高温の高速流冷却水が流れており、応力腐食割れなどの環境助長割れに関する健全性が重要になっている。
【0011】
したがって、このような環境下での水質の悪化、材料強度の低下等を運転中に別途監視することにより、当該機器の健全性評価および亀裂進展予測等の保全性精度が向上するものと考えられる。
【0012】
そして、この場合、環境評価の指標には、材料の腐食電位が用いられる。材料の腐食電位は、溶存ガス濃度、pH、流速、温度などで決まる値であり、晒された水質環境において基準となる照合電極との間の電位差から求められる。この腐食電位は、材料の応力腐食割れによる亀裂発生特性や亀裂進展特性と強い相関にある。
【0013】
一般に、腐食電位が低下するに連れ、応力腐食割れによる進展速度は低下する傾向にある。また、この進展速度と腐食電位の関係には、力学因子が影響を及ぼすことが広く知られており、その指標として応力拡大係数が用いられている。実際には、評価対象となる配管と同様な流動、環境条件等を再現し、腐食電位を実測し、あるいは亀裂進展特性等の材料データを実測し、万が一、欠陥が発生した場合でも、これらデータと応力評価データ等とを組み合せれば、亀裂進展解析によって、亀裂進展寿命の予測ができるようになっている。
【0014】
このように、沸騰水型原子炉では、亀裂の進展をデータ等から解析し、一次系配管の寿命予測を行なっていた。
【0015】
なお、原子炉炉水や原子炉構造物のpH、酸化還元電位、腐食電位を実測し、実測したデータを基に冷却水の水質を制御するために、再循環ラインにオートクレーブを設けた技術が、特許文献1に開示されている。
【0016】
また、原子炉配管、機器等の健全性を監視するために、冷却水の水質や炉内機器の健全性を炉外からモニタリングするモニタリング技術が特許文献2に提案されている。
【特許文献1】特開平7−77597号公報
【特許文献2】特開平4−122894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、一次系配管の寿命予測を行なう場合、その測定等は再循環配管、冷却材浄化系配管、ボトムドレン配管等、広範囲に亘っており、数多くの配管を対象として腐食電位の実測や材料データ採取を行うため、多くの時間や労力を要する等の問題を抱えている。
【0018】
このため、一次系配管の亀裂進展の寿命を予測するとき、より簡易にしてより早く予測できる技術の実現が望まれていた。
【0019】
このような要望を満たすには、例えば評価対象とする配管の近傍から原子炉一次系の冷却水を取水するラインを設け、この部分に流動条件および水質条件が再循環系配管等の配管内表面と同等になるような配管試験セクションを設け、この配管試験セクションにおいて種々の測定、試験を行い、測定、試験結果を基に当該部材の健全性評価、寿命評価を行うことが考えられる。
【0020】
本発明は、このような考えを基にしてなされたもので、原子炉一次系配管からの冷却水をサンプリングし、評価対象となる配管内表面と同等な流動状態、水質・温度条件等を達成可能な試験セクションを設け、この試験セクションで腐食電位データ、水質データおよび亀裂進展特性等の材料データを採取し、別途準備された構成材料の応力評価データを照合して亀裂進展寿命を予測するプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係るプラント配管の寿命予測装置は、上述の目的を達成するために、評価対象の配管に設けられた配管試験セクションに設置され、配管試験体に負荷を与える荷重負荷機構と、前記配管試験体に供給する流体の流動状態、性状、温度を実配管の流体に模擬させる手段と、前記配管試験体に設けられ、腐食を計測する腐食電位計測系と、前記試験体に設けられ、電位差を計測する電位差法計測系と、前記設定対象の配管を流れる流体の性状を計測する流体性状計測系と、前記腐食電位計測系、前記電位差法計測系および前記流体性状計測系のうち、少なくとも一つ以上から与えられるデータ情報を基にし、演算、解析して前記評価対象の配管の寿命を予測する寿命評価装置とを備えたものである。
【0022】
本発明に係るプラント配管の寿命予測方法は、上述の目的を達成するために、評価対象の配管の配管試験セクションに設置される荷重負荷機構に組み込まれた配管試験体に供給する流体の流動状態、性状、および温度を実配管の流体に模擬させ、その模擬させた状態の下、環境データおよび材料データを計測し、計測した各データ情報を基に前記評価対象の配管の寿命を予測する方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法は、例えば、再循環系配管、冷却材浄化系配管、ボトルドレンライン等で構成する原子炉一次系配管からの冷却水(炉水)をサンプリングし、評価対象となる配管内表面と同等な流動状態、水質条件および温度条件を満たす状態に模擬させ、その部分で環境データ情報、材料データ情報を採取するので、原子炉一次系配管が万一、材料表面に亀裂等の欠陥が発生しても、その進展寿命をより早く、的確に予測することができる。
【0024】
したがって、本発明によれば、原子炉一次系配管、ひいては原子力プラントの信頼性および安全性をより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法を適用する原子力プラントの概略系統図である。
【0027】
符号1は、原子炉圧力容器を示し、この原子炉圧力容器1内には、炉心2、炉心シュラウド3、ジェットポンプ4等の炉内構造物が収容されている。
【0028】
また、原子炉圧力容器1の外部には、再循環系配管5、冷却材浄化系配管6、ボトムドレンライン7等で構成される原子炉一次系配管8が設けられている。
【0029】
そして、本実施形態は、この原子炉一次系配管8を適用対象として寿命予測が行われる。すなわち、原子炉一次系配管8のうち、再循環系配管5を例に採った場合、図2に示すように、評価対象とする再循環系配管5を分岐するバイパス配管9が設けられ、このバイパス配管9に原子炉一次系配管8からの冷却水(炉水)を逸早く取水できる位置に配管試験セクション10が設けられる。
【0030】
配管試験セクション10は、図2に示すように再循環系配管5からバイパス配管9を介して供給される冷却水の温度が予め定められた温度よりも低下しているとき、加熱する予熱器11と、予め準備されている配管試験体12に負荷を与える荷重負荷機構13と、高圧定量ポンプ14で高圧化された冷却水を流量調整する流量調節弁15とを備え、流量調節弁15を開閉制御させることによって、配管試験体12に流れる冷却水の流動状態が実配管を流れる冷却水の流れ状態に模擬させることができるようになっている。
【0031】
ここで、配管試験体12は、評価対象となる実配管と同一材質、同一形状にし、例えば、ステンレス鋼板製で、溶接継手を備えるとともに、溶接継手の近傍に予め亀裂を形成させている。
【0032】
なお、配管試験体12の負荷試験後の冷却水は、再循環系配管5に戻される。
【0033】
荷重負荷機構13は、配管試験体12の両端を支持するサポート部12a,12aと、配管試験体12の一側面で、かつ予め形成された亀裂の近傍位置に設けた腐食電位計測系16と、配管試験体12の他側面に設けた電位差法計測系17とを備えるとともに、配管試験体12の内径側に同心的に配置する筒体18を設け、配管試験体12を流れる冷却水の流路面積を狭くする構成にしている。
【0034】
また、この荷重負荷機構13は、配管試験体12に対し、一定荷重、一定変位、変動荷重等、種々の荷重を与えることができるようにするとともに、負荷中、配管試験体12の亀裂先端に任意の応力拡大係数を与えることができるようになっている。
【0035】
一方、電位差法計測系17は、配管試験体12の溶接継手部の近傍に電流導線24a,24bと電位差計測導線25a,25bを備え、各導線24a,24b、25a,25bで計測した電流、電位差を電位差法計測装置26に与え、ここで処理して亀裂進展特性等の材料データを算出し、算出した材料データの情報を寿命評価装置23に格納させている。
【0036】
また、腐食電位計測系16は、例えば評価対象の実配管と同一材料で作製された試料電極19と照合電極20を備え、これら各電極19,20からの電流をリード線21a,21bを介して電位差計22に与え、ここで処理された電位差値を腐食電位値として寿命評価装置23に格納させている。
【0037】
なお、腐食電位値は、一般に、標準水素電極基準(SHE)に換算される。また、照合電極20は、白金電極、銀−塩化銀電極等の金属−難溶性塩電極、鉄−鉄酸化物電極等の金属−金属酸化物電極のうち、いずれかが選択される。
【0038】
他方、バイパス配管9には、二次バイパス管27が設けられている。
【0039】
この二次バイパス配管27は、再循環系配管5からバイパス配管9に供給される冷却水が高温、高圧のとき、減温、減圧させる減温減圧器28と、水質計測装置29を備え、減温減圧器28で常温にした冷却水をサンプリング水として水質計測装置29に供給し、ここで導電率、pH、不純物イオン等の水質因子を分析し、分析した水質因子のデータ情報を寿命評価装置23に格納させている。
【0040】
このように、本実施形態は、例えば、評価対象とする再循環系配管5のバイパス配管9に配管試験セクション10を備え、この配管試験セクション10に荷重負荷機構13を設け、この荷重負荷機構13から配管試験体12に強弱自在に負荷が与えられるとともに、配管試験体12を流れる冷却水の流動状態を実配管の冷却水の流動状態に模擬させる手段を備える一方、負荷中、配管試験体12の電流、電位差を計測し、計測した電流、電位差から算出した亀裂進展特性等の材料データ情報、冷却水の導電率、pH等の水質データ情報および配管試験体12から計測する腐食電位値データ情報等を寿命評価装置23に格納し、これらのデータ情報のうち、少なくとも一つ以上を予め別途格納しておいたデータ情報と照合しながら演算、解析し、評価対象の配管の寿命を予測する構成にしたので、原子炉一次系配管の寿命予測をより早く、的確に行うことができる。
【0041】
図3は、本実施形態に係る原子炉一次系配管の寿命予測を行うフロー図である。
【0042】
本実施形態は、先ず、評価対象の配管に予め亀裂を形成させておき、その配管の初期値としての亀裂長さ40と、運転中に発生する応力および残留応力から求めた評価対象配管の応力分布41とを用いて応力拡大係数42を算出する。
【0043】
次に、本実施形態は、上述寿命評価装置23に予め計測し、格納しておいた亀裂進展特性データ情報43、腐食電位データ情報44および冷却水の温度、導電率等の水質データ情報45に上述応力拡大係数42を照合させて亀裂進展速度46を算出する。
【0044】
照合される亀裂進展速度46、腐食電位44、応力拡大係数42の相関は、既存データ情報をベースに導かれたもので、寿命予測の際、予測モデル試験等に用いられる。
【0045】
なお、評価対象の配管は、作用する力学因子に依存し、応力腐食割れ(SCC)、腐食疲労のいずれか、またはその両者を考慮する場合があるので、本実施形態では、応力腐食割れによる亀裂進展速度情報および腐食疲労による亀裂進展速度情報の両者が準備される。
【0046】
そして、本実施形態は、上述寿命評価装置23で、亀裂進展の演算、解析が行われ、任意に設定される設定時間47において亀裂進展量48が算出され、そのときの亀裂進展量の増加とともに、上述のアルゴリズムが繰り返され(S49)、最後に評価期間50における最終亀裂長さ51が算出される。
【0047】
このように、本実施形態は、原子炉一次配管の寿命予測を行うにあたり、配管の亀裂進展速度46、亀裂進展量48、最終亀裂長さ51を応力腐食割れ、腐食疲労等を考慮して算出するので、評価対象配管の的確な寿命予測を行うことができる。
【0048】
図4は、本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法の第2実施形態を示す概念図である。
【0049】
なお、第1実施形態の構成要素と同一構成要素には、同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0050】
本実施形態は、図1で示した再循環系配管5を分岐するバイパス配管9の配管試験セクション10に設置され、配管試験体12を備える荷重負荷機構13の外側に2次圧力バウンダリーを構成するボックス状の包囲枠体30を設け、例えば溶接部近傍に発生した亀裂が進展し、配管試験体12に破損が出た場合、包囲枠体30が圧力バウンダリーとしての役目を行い、サンプル水としての冷却水を閉じ込める構成にしたものである。
【0051】
なお、配管試験体12を流れる冷却水の流動条件、水質および温度条件等から計測したデータ情報を寿命評価装置23に格納して原子炉一次系配管の寿命を予測する点は、第1実施形態と同じであり、また、寿命評価装置23で配管の亀裂進展を解析、演算するアルゴリズムも同じである。
【0052】
本実施形態は、荷重負荷機構13に二次圧力バウンダを構成する包囲枠体30を備えたので、配管試験体12から冷却水が漏出しても配管試験セクション10への健全性を確実に確保することができる。
【0053】
なお、本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法は、上述第1実施形態および第2実施形態に限定されない。特に、配管試験体12をニッケル基合金溶接継手や炭素鋼溶接継手で構成してもよい。この場合、原子炉一次系配管の寿命を予測する点、亀裂進展を解析、演算するアルゴリズムは上述と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法を適用する原子力プラントの概略系統図。
【図2】原子力プラントを例示とする本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法の第1実施形態を示す概念図。
【図3】本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法において、プラント配管寿命を予測するフロー図。
【図4】原子力プラントを例示とする本発明に係るプラント配管の寿命予測装置およびその寿命予測方法の第2実施形態を示す概念図。
【符号の説明】
【0055】
1 原子炉圧力容器
2 炉心
3 炉心シュラウド
4 ジェットポンプ
5 再循環系配管
6 冷却材浄化系配管
7 ボトムドレンライン
8 原子炉一次系配管
9 バイパス配管
10 配管試験セクション
11 予熱器
12 配管試験体
12a サポート部
13 荷重負荷機構
14 高圧定量ポンプ
15 流量調節弁
16 腐食電位計測系
17 電位差法計測系
18 筒体
19 試料電極
20 照合電極
21a,21b リード線
22 電位差計
23 寿命評価装置
24a,24b 電流導線
25a,25b 電位差法計測導線
26 電位差法計測装置
27 二次バイパス配管
28 減温減圧器
29 水質計測装置
30 包囲枠体




 

 


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