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発明の名称 原子力発電所の水素除去設備
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−33285(P2007−33285A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−218356(P2005−218356)
出願日 平成17年7月28日(2005.7.28)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 是石 勝義 / 大澤 康夫
要約 課題
低酸素濃度条件においても水素を確実に除去し、水素による原子炉格納容器加圧を緩和できる原子力発電所の水素除去設備を提供する。

解決手段
本発明に係る原子力発電所の水素除去設備は、原子炉格納容器3の隔壁を貫通して設けられ内部の雰囲気ガスを導出する吸気配管7と、吸気配管7を介して導入された雰囲気ガス中の水素と酸素とを結合させる水素酸素結合装置8と、水素酸素結合装置8に酸素貯蔵設備10から酸素を供給する酸素供給手段と、水素酸素結合装置8で発生した水及び未反応物質を原子炉格納容器3に戻す戻り配管9と、を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉格納容器の隔壁を貫通して設けられ内部の雰囲気ガスを導出する吸気配管と、
この吸気配管に介在する弁と、
前記吸気配管を介して導入された雰囲気ガス中の水素と酸素とを結合させる水素・酸素結合装置と、
この水素・酸素結合装置に酸素貯蔵設備から酸素を供給する酸素供給手段と、
前記水素・酸素結合装置で発生した水及び未反応物質を原子炉格納容器に戻す戻り配管と、
この戻り配管に介在する弁と、
を有することを特徴とする原子力発電所の水素除去設備。
【請求項2】
前記酸素供給手段は、前記水素・酸素結合装置に酸素を供給する配管と、この配管に介在し前記酸素の圧力を調整するガス圧力調整弁と、この配管に介在し前記酸素の異常加圧を防止する安全弁と、を具備することを特徴とする請求項1記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項3】
前記酸素供給手段は、前記水素・酸素結合装置に酸素を供給する配管と、この配管に介在し前記酸素の流量を計測する流量計と、を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項4】
前記戻り配管に介在し前記水素・酸素結合装置において発生した水を分離するドレンセパレータと、このドレンセパレータに接続されたドレン配管と、を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項5】
原子炉格納容器の隔壁を貫通して設けられ内部の雰囲気ガスを導出する吸気配管と、
この吸気配管に介在する弁と、
前記吸気配管を介して導入された雰囲気ガス中の水素と酸素とを結合させる水素・酸素結合装置と、
前記水素・酸素結合装置で発生した水及び未反応物質を原子炉格納容器に戻す戻り配管と、
この戻り配管に介在する弁と、
前記吸気配管及び戻り配管に接続され前記雰囲気ガス中の水素と窒素とを反応させてアンモニアを生成するアンモニア反応装置と、
を有することを特徴とする原子力発電所の水素除去設備。
【請求項6】
前記アンモニア反応装置は、前記雰囲気ガス中の水蒸気を凝縮する水蒸気凝縮器と、この凝縮した水とガスを分離するドレンセパレータと、この分離したガスを吸引するためのブロアと、このブロアで吸引され配管内を通過するガスを加熱する配管加熱器と、この加熱されたガス中の水素と窒素とを反応させてアンモニアを生成する反応容器と、この反応容器の温度を一定に保つ反応加熱器と、を具備することを特徴とする請求項5記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項7】
前記アンモニア反応装置は、パッケージ化したもので可搬できるものであること、を特徴とする請求項5又は6記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項8】
前記アンモニア反応装置は、窒素ガスを供給して不活性ガス化する窒素ガス供給手段を具備すること、を特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項9】
前記吸気配管及び戻り配管に、前記アンモニア反応装置の吸気接続配管及び戻り接続配管を連結できる吸気分岐配管及び戻り分岐配管がそれぞれ設けられること、を特徴とする請求項5記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項10】
前記原子炉格納容器の外部に設けられ前記ドレンセパレータで分離した水を処理する水処理装置を具備すること、を特徴とする請求項5記載の原子力発電所の水素除去設備。
【請求項11】
前記アンモニア反応装置の吸気配管及び戻り配管は、前記原子炉格納容器の外部に設置されたベント配管に接続されること、を特徴とする請求項5記載の原子力発電所の水素除去設備。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉格納容器内で発生する水素を除去する原子力発電所の水素除去設備に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、原子力発電所の原子炉格納容器内で発生する水素を除去する原子力発電所の水素除去設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来の原子力発電所の水素除去設備について、図11を用いて説明する。
【0004】
本図に示すように、原子力発電所において、原子燃料で構成された原子炉炉心1が冷却材の入った原子炉圧力容器2内に収容されている。そして、この原子炉圧力容器2は気密容器構造の原子炉格納容器3内に据付けられている。この原子炉格納容器3内は、不活性ガスである窒素ガスが充填されている。
【0005】
上記の原子炉格納容器3内の一次冷却系配管が破断する等の事故時のときに、原子炉圧力容器2内おいて冷却材である水が放射線分解されて生成された水素ガスと酸素ガスが原子炉格納容器3内に放出される。
【0006】
また、原子炉炉心1を構成する原子燃料が挿入されている燃料被覆管の温度が上昇するような場合には、水蒸気と燃料被覆管材料のジルコニウムとの間で反応(以下、Metal−Water反応という。)が起こり、短時間で水素ガスが発生する。発生した水素ガスは、破断した配管の破断口等から原子炉格納容器3内に放出され、原子炉格納容器3内の水素ガス及び酸素ガス濃度は次第に上昇すると共に圧力も上昇する。
【0007】
この状態にしておくと、いずれ水素ガス濃度が4vol%かつ酸素ガス濃度が5vol%以上に上昇し、可燃限界を越えたときには気体は可燃状態となる。さらに水素ガス濃度が上昇すると過剰な反応が起きる恐れがある。
【0008】
このため、原子炉格納容器3内で発生した水素と酸素を含んだ原子炉格納容器3内の気体は、原子炉格納容器3の外に配管7を経由して水素除去装置8へ導かれる。この水素除去装置8において、加熱により水素ガスと酸素ガスを再結合させて水に戻している。この水を冷却してから配管9を経由して原子炉格納容器3のサプレッションプール6へ戻すことにより、可燃性ガス濃度の上昇を抑制している。
【0009】
また、上記の装置とは異なり外部電源を必要とせず、静的に可燃性ガス濃度を制御する方法として、水素の酸化触媒を用いて再結合反応を促進させる触媒式再結合装置を原子炉格納容器内に複数配置する方法も知られている。
【特許文献1】特開2001−56391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した従来の原子力発電所の水素除去設備においては、Metal−Water反応によって大量の水素が発生するような事象下において、原子炉格納容器内の水素と酸素を結合させて水を生成することで水素を低減させるという対策を講じていた。
【0011】
しかしながら、従来の水素処理方法では、酸素よりも化学量論的に過剰な水素状態(低酸素状態)での水素除去はできない、という課題があった。
【0012】
また、酸素がない状態での水素除去方法として、水素吸蔵合金の利用が考案されている。
【0013】
しかしながら、この水素吸蔵合金を採用する場合には、大量の水素が発生した場合において、必要な水素吸蔵合金の量が膨大となり、原子力発電所における採用は現実的ではない、という課題があった。
【0014】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、低酸素濃度条件においても水素を確実に除去し、水素による原子炉格納容器加圧を緩和し、早期に作業員が原子炉格納容器内に出入りできる原子力発電所の水素除去設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の原子力発電所の水素除去設備においては、原子炉格納容器の隔壁を貫通して設けられ内部の雰囲気ガスを導出する吸気配管と、この吸気配管に介在する弁と、前記吸気配管を介して導入された雰囲気ガス中の水素と酸素とを結合させる水素・酸素結合装置と、この水素・酸素結合装置に酸素貯蔵設備から酸素を供給する酸素供給手段と、前記水素・酸素結合装置で発生した水及び未反応物質を原子炉格納容器に戻す戻り配管と、この戻り配管に介在する弁と、を有することを特徴とするものである。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明の原子力発電所の水素除去設備においては、原子炉格納容器の隔壁を貫通して設けられ内部の雰囲気ガスを導出する吸気配管と、この吸気配管に介在する弁と、前記吸気配管を介して導入された雰囲気ガス中の水素と酸素とを結合させる水素・酸素結合装置と、前記水素・酸素結合装置で発生した水及び未反応物質を原子炉格納容器に戻す戻り配管と、この戻り配管に介在する弁と、前記吸気配管及び戻り配管に接続され前記雰囲気ガス中の水素と窒素とを反応させてアンモニアを生成するアンモニア反応装置と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の原子力発電所の水素除去設備によれば、酸素供給手段又はアンモニア反応装置を設けることにより、原子炉格納容器内雰囲気中の水素を、無酸素又は酸素低濃度の条件下でおいても、確実に効率良く除去できるので、大量の水素が発生するような原子炉の想定外事象においても、水素による原子炉格納容器の加圧を緩和し、原子炉格納容器内の開放点検を早期に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る原子力発電所の水素除去設備の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。
【0020】
本図に示すように、原子炉炉心1において、Metal−Water反応によって大量の水素が発生した場合について考える。原子炉格納容器3内に拡散した低酸素濃度の雰囲気ガスは、吸気配管7からこの吸気配管7に介在する弁7aを経由して水素・酸素結合装置8に導入される。
【0021】
この低酸素の状態では水素と酸素との結合がスムーズに進行しないので、原子炉格納容器外に設けた酸素貯蔵設備である酸素ボンベ10により配管11を介して、水素との結合に必要な量の酸素が水素・酸素結合装置8に供給される。この酸素が供給されることにより低酸素の状態が解消される。これにより、水素との結合反応が活発化され反応生成物として水が生成される。
【0022】
このように構成された本実施の形態において、生成された水及び窒素等の未反応物質は、戻り配管9からこの戻り配管9に介在する弁9aを経由して原子炉格納容器3内に戻され、放射性物質は原子炉格納容器3内に保持される。
【0023】
本実施の形態によれば、上記の酸素ボンベ10を設けて反応プロセスを連続して繰り返すことにより、原子炉格納容器3内の水素ガスと酸素ガスが徐々に減少され、最終的には水素を除去することが可能である。
【0024】
図2は、本発明の本実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。この実施の形態は、第1の実施の形態に酸素供給圧力を調整する圧力調整弁12を追加して設けたものであり、第1の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0025】
本図に示すように、この低酸素の状態では水素と酸素との結合がスムーズに進行しないので、酸素ボンベ10等より水素との結合に必要な酸素が水素・酸素結合装置8に供給される。酸素が供給されることにより低酸素の状態が解消され、反応を活発化し反応生成物として水が生成される。
【0026】
この酸素ボンベ10等より供給される酸素ガスの圧力は高圧である。この高圧の酸素ガスが水素除去設備8や原子炉格納容器3に直接接触すると、ガス圧によってこれらの機器が破損する恐れがある。
【0027】
このため、酸素供給配管11に酸素供給圧力を調整する圧力調整弁12を介して供給圧力を安定させることができる。また、この圧力調整弁12の故障等を考慮して圧力調整弁12の下流側に、配管内の圧力が所定圧力以上となる異常加圧時に開動作して酸素供給配管11内の酸素を系外に放出させて異常加圧を防止できる安全弁13を設置する。
【0028】
このように構成された本実施の形態において、生成された水及び窒素等の未反応物質は、戻り配管9を介して原子炉格納容器3内に戻され、含有する放射性物質は原子炉格納容器3内に保持される。
【0029】
本実施の形態によれば、圧力調整弁12で酸素圧力を調整しながら、この反応プロセスを連続して繰り返すことにより、原子炉格納容器3内の水素ガスと酸素ガスが徐々に軽減されていき、最終的には水素を除去してしまうことが可能である。
【0030】
図3は、本発明の第3の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。この実施の形態は、第2の実施の形態に必要な酸素供給流量を検出するための流量計15を追加して設けたものであり、第2の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0031】
本図に示すように、酸素ボンベ10等から水素との結合に必要な酸素が水素・酸素結合装置8に供給される。酸素ボンベ10等から供給される酸素ガスの圧力は高圧である。このため、酸素供給配管11に酸素供給圧力を調整する圧力調整弁12により供給圧力を安定させる。また、この圧力調整弁12の故障等を考慮して、圧力調整弁12の下流側に安全弁13が設置される。
【0032】
さらに、水素との結合に必要な酸素量を調整するための流量調整弁14と、この流量を検出するための流量計15が設置されている。
【0033】
本実施の形態において、水素・酸素結合装置8で生成された水及び窒素等の未反応物質は原子炉格納容器3内に戻され、放射性物質は原子炉格納容器3内に保持される。
【0034】
本実施の形態によれば、流量計15で酸素流量を検出しながら流量調整弁14を水素との結合に必要な酸素量に調整し、この反応プロセスを連続して行うことにより、原子炉格納容器3内の水素ガスが徐々に減少され、最終的に水素を除去してしまうことが可能である。
【0035】
図4は、本発明の第4の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。本実施の形態は、第3の実施の形態にドレンセパレータ16を追加して設けたものであり、第3の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0036】
本図に示すように、酸素ボンベ10等より供給される酸素ガスの圧力は高圧である。このため、酸素供給配管11に酸素供給圧力を調整する圧力調整弁12により供給圧力を安定させる。
【0037】
また、水素との結合に必要な酸素量を調整するための流量調整弁14と、この流量を検出するための流量計15が設置されている。
【0038】
さらに、上記の水素・酸素結合装置8で生成された水及び窒素等の未反応物質の内、水については、原子炉格納容器3の外部に設置されたドレンセパレータ16により分離される。この分離した水は、ドレン配管17を介して止め弁18を経由して図示しない水処理設備に導入されて処理される。
【0039】
本実施の形態において、この分離した水を除いた窒素等の未反応物質のみが原子炉格納容器3の内部に戻されるので、サプレッションプール6の水位を一定に維持することができる。
【0040】
本実施の形態によれば、生成された水は原子炉格納容器3の外部に設置されたドレンセパレータ16により分離して処理されるので、原子炉格納容器3内の水素を効率的に除去してしまうことが可能である。
【0041】
図5は、本発明の第5の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。この実施の形態は、第1の実施の形態の酸素供給手段である酸素ボンベ10の代わりにアンモニア反応装置22を設けたものであり、第1の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0042】
本図に示すように、図1に示す吸気配管7及び戻り配管9を使用して接続したアンモニア反応装置22を設置した実施の形態を示している。Metal−Water反応によって大量の水素が発生したときに、原子炉格納容器3内の雰囲気ガスである水素と窒素を発電所に常設したアンモニア反応装置22のブロワにて吸引するものである。
【0043】
このアンモニア反応装置22では、先ずアンモニア反応をスムーズに進行させるために、吸引した雰囲気ガスは配管21、24を経由して水蒸気凝縮器26に導入され、雰囲気ガス内に含まれている水蒸気が分離される。この水蒸気を分離した水素と窒素は、ブロア27を介して、配管加熱器28を通過させることにより、反応に必要な温度まで昇温される。この昇温された水素と窒素はアンモニア反応器29に導入されて、アンモニアが生成される。このアンモニアの生成反応に必要な温度を維持するために、アンモニア反応器加熱器30にてアンモニア反応器29が加熱される。
【0044】
上記の生成反応後の未反応ガス及びアンモニアは、原子炉格納容器3内部の温度以下にするために冷却器31で降温した後で、原子炉格納容器3内のサプレッションプール6に戻される。この冷却は、例えば、上記水蒸気凝縮器26等で発生した冷却水が冷却媒体として使用される。
【0045】
また、水蒸気凝縮器26で凝縮させた水蒸気(水)をドレンセパレータ32で水のみを分離して、ドレン配管33を介して戻り配管25、23を経由して戻り配管9に戻される。上記のプロセスは、制御盤35により制御される。
【0046】
本実施の形態によれば、このアンモニア反応を利用したプロセスを連続して繰り返すことにより、原子炉格納容器3内の水素ガスを徐々に減少させ、最終的に水素を除去してしまうことが可能である。
【0047】
図6は、本発明の第6の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。この実施の形態は、第5の実施の形態のアンモニア反応装置22をパッケージ化したものであり、第5の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0048】
本図に示すように、上記の第5の実施の形態に示すアンモニア反応装置22を複数の発電所で共有できるようにし、かつ車輌22aに積載して移動できるようにパッケージ化したものである。
【0049】
本実施の形態によれば、アンモニア反応装置22を車輌22aに積載して移動できるようにしたので、複数の発電所で共有できるので、低コストの下で原子炉格納容器8内の水素ガスを除去してしまうことが可能である。
【0050】
図7は、本発明の第7の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。この実施の形態は、第6の実施の形態のパッケージ化したアンモニア反応装置22を取り付け得る分岐配管19、20を設けたもので、第6の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0051】
本図に示すように、パッケージ化したアンモニア反応装置22は、対象となる発電所内に存在する原子炉格納容器3内の雰囲気ガスを水素・酸素結合反応による除去する水素・酸素再結合装置8の付近に設置される。この水素・酸素再結合装置8に接続された吸気配管7及び戻り配管9の途中に、上記のアンモニア反応装置22からの吸気接続配管21及び戻り接続配管23が連結できるように吸気分岐配管19、戻り分岐配管20がそれぞれ設置されている。
【0052】
本実施の形態において、上記の第5の実施の形態に示すアンモニア反応装置22を複数の発電所で共有できるようにし、かつ車輌22aに積載して移動できるようにパッケージ化したものである。通常の運転時は、上記の吸気分岐配管19、戻り分岐配管20の開口部は、閉止フランジ19a、20aでそれぞれ閉止されている。
【0053】
本実施の形態によれば、吸気分岐配管19、戻り分岐配管20が設置されているので、通常時は閉止フランジ19a、20aで分岐配管の開口部を閉止される。アンモニア反応装置22が必要とされるときには、この閉止フランジ19a、20aを取り外すだけなので、アンモニア反応装置22の配管21,23を水素・酸素再結合装置8の吸気分岐配管19、戻り分岐配管20にそれぞれ短時間で取り付けることができる。
【0054】
図8は、本発明の第8の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。本実施の形態は、第5の実施の形態のアンモニア反応装置22に窒素ガスボンベ40を追加して設けたもので、第5の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0055】
本図に示すように、第5の実施の形態に示すアンモニア反応装置22内に窒素ガスを封入するため窒素ガスボンベ40が配管40a及び弁40bを介して設置されている。
【0056】
本実施の形態によれば、窒素ガスボンベ40からの窒素ガスをアンモニア反応装置22内に封入することにより不活性ガス化することができる。また、腐食による経年劣化を防止できる。さらに、不活性ガス化していない状態のアンモニア反応装置22を運転することにより、アンモニア反応装置22の空気と原子炉格納容器3内の水素が静電気等により制御されない状態で結合して異常な圧力上昇が発生するのを防止することができる。
【0057】
図9は、本発明の第9の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。本実施の形態は、第5の実施の形態のアンモニア反応装置22のドレンセパレータ32にドレン配管33aを追加して設けたもので、第5の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0058】
本図に示すように、第5の実施の形態のアンモニア反応装置22のドレンセパレータ32の下流側に独立したドレン配管33aが設けられている。
【0059】
ところで、第5の実施の形態に示すアンモニア反応装置22内に設置される水蒸気凝縮器26で発生した凝縮水をサプレッションプール6に戻すことは、サプレッションプール6の水位を上昇させることになり、サプレッションプールの制限水位を超えてしまい継続運転ができなくなる恐れがある。
【0060】
本実施の形態によれば、水蒸気凝縮器26で発生した凝縮水をドレンセパレータ32で分離し、凝縮水のみを原子炉格納容器3の外部の図示しない水処理装置で処理することができる。このため、サプレッションプールの制限水位を超えて継続運転不可現象を解消して、安定した運転を継続できる。
【0061】
図10は、本発明の第10の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図である。この実施の形態は、第5の実施の形態のアンモニア反応装置22をベント配管37側に設けたものであり、第5の実施の形態と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0062】
本図に示すように、Metal−Water反応によって大量の水素が発生したときに、原子炉格納容器3内の雰囲気ガスである水素と窒素を原子炉格納容器3の大口径のベント配管37に大容量の処理が可能なアンモニア反応装置22を接続するものである。このベント配管37は、弁37aを介して原子炉格納容器3内のドライウェル4に接続されている。また、このベント配管37の先端には弁37bが設けられ、この弁37bが開状態のときに大気開放される。さらに、このベント配管37の他端は、弁37c、弁37dを介して原子炉格納容器3内のウエットウェル5に接続されている。
【0063】
上記のベント配管37の弁37cの前後に、ベント側吸気分岐配管38及びベント側戻り分岐配管39が設置されている。このベント側吸気分岐配管38及びベント側戻り分岐配管39に、アンモニア反応装置22の吸気接続配管21及び戻り接続配管23がそれぞれ接続されている。
【0064】
本実施の形態によれば、ベント配管37側に設けたアンモニア反応装置22により、原子炉格納容器3内の水素ガスと酸素ガスが短時間で減少され、最終的には水素を除去することができる。
【0065】
さらに、本発明は、上述したような各実施の形態に何ら限定されるものではなく、水素・酸素再結合装置8とアンモニア反応装置22との組み合わせたシステムに変更してもよく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図7】本発明の第7の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図8】本発明の第8の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図9】本発明の第9の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図10】本発明の第10の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【図11】従来の実施の形態の原子力発電所の水素除去設備の構成を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
【0067】
1…原子炉炉心、2…原子炉圧力容器、3…原子炉格納容器、4…ドライウェル、5…ウェットウェル、6…サプレッションプール、7…吸気配管、8…水素・酸素再結合装置、9…戻り配管、10…酸素ボンベ(酸素供給手段)、11…酸素供給配管、12…圧力調整弁、13…安全弁、14…流量調整弁、15…流量計、16…ドレンセパレータ、17…ドレン配管、18…止め弁、19…吸気分岐配管、20…戻り分岐配管、21…吸気接続配管、22…アンモニア反応装置、23…戻り接続配管、24…吸気取入れ配管、25…処理済戻り配管、26…水蒸気凝縮器、27…ブロワ、28…配管加熱器、29…アンモニア反応器、30…アンモニア反応器加熱器、31…冷却器、32…ドレンセパレータ、33…ドレン配管、35…制御盤、37…ベント配管38…ベント側吸気分岐配管、39…ベント側戻り分岐配管、40…窒素ガスボンベ。




 

 


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