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原子炉ジェットポンプの検査補修方法および検査補修装置 - 株式会社東芝
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発明の名称 原子炉ジェットポンプの検査補修方法および検査補修装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−17193(P2007−17193A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−196482(P2005−196482)
出願日 平成17年7月5日(2005.7.5)
代理人 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃
発明者 松崎 謙司 / 島村 光明 / 佐藤 勝彦 / 戸賀沢 裕 / 山本 智
要約 課題
インレットミキサを取り外すことなく、ライザー管を含めたジェットポンプ全体に亘る内面の健全性確認検査と補修施工をを行う原子炉ジェットポンプの検査補修方法および検査補修装置を得る。

解決手段
検査補修用ツール35を搭載したツールヘッド21にフレキシブルケーブル22とこのフレキシブルケーブル22に回転可能に接続された可撓性を有する送り込みロッド25を結合し、ディフューザ10内面を検査補修する時は前記フレキシブルケーブル22と送り込みロッド25とを略直線状に伸ばして、ツールヘッド21をディフューザ10内に挿入し、ライザー管6内を検査補修する時は前記フレキシブルケーブル22と送り込みロッド25とを重なるように折りたたんでツールヘッド21を一旦ディフューザ10内に挿入し、その後送り込みロッド25の挿入方向を反転させてツールヘッド21をライザー管6内に挿入する。
特許請求の範囲
【請求項1】
検査補修用ツールを搭載したツールヘッドにフレキシブルケーブルを結合し、このフレキシブルケーブルに連結ジョイントにより少なくともその一部が回転可能に可撓性を有する送り込みロッドを結合し、ディフューザ内面を検査補修する時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとを略直線状に伸ばして、ツールヘッドをディフューザ内に挿入し、ライザー管内を検査補修する時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとを重なるように折りたたんでツールヘッドをディフューザ内に挿入し、その後送り込みロッドの挿入方向を反転させてツールヘッドをライザー管内に挿入するようにしたことを特徴とする原子炉ジェットポンプの検査補修方法。
【請求項2】
検査補修用ツールを搭載したツールヘッドと、このツールヘッドに結合されたフレキシブルケーブルと、このフレキシブルケーブルに連結ジョイントにより少なくともその一部が回転可能に結合された可撓性を有する送り込みロッドとからなり、ディフューザ内面を検査補修の作業対象とする時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとを略直線状に伸ばし、ライザー管内を検査補修の作業対象とする時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとが重なって折りたためるようにフレキシブルケーブルと送り込みロッドとの回転角度を変化し得るようにしたことを特徴とする原子炉ジェットポンプの検査補修装置。
【請求項3】
フレキシブルケーブルが能動的または受動的に屈曲可能な多節体によって構成されることを特徴とする請求項2記載の原子炉ジェットポンプの検査補修装置。
【請求項4】
フレキシブルケーブルと送り込みロッドが機械的あるいは磁気的に結合、遊離可能としたことを特徴とする請求項2記載の原子炉ジェットポンプの検査補修装置。
【請求項5】
ツールヘッドに水中にて推力を得ることの可能な高圧水噴射ノズルを備えたことを特徴とする請求項2記載の原子炉ジェットポンプの検査補修装置。
【請求項6】
ツールヘッドに浮力調整体を備えることを特徴とする請求項2記載の原子炉ジェットポンプの検査補修装置。
【請求項7】
インレットミキサノズルに嵌合する円環と、それに結合され外側に広がる複数のバネからなる案内バネ機構と、それらのバネを広がらないように束ねるリングと、リングを円環軸方向にスライドさせることによって案内バネ機構の広がりを調整する機構を有する装置挿入ガイド機構を利用してツールヘッドをインレットミキサノズル内を通過させることを特徴とする請求項2記載の原子炉ジェットポンプの検査補修装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子力発電プラント(以下BWRプラントと称する)における原子炉圧力容器内に設置されたジェットポンプの健全性の確認検査と腐食割れ発見時に補修施工を行う原子炉ジェットポンプの検査補修方法および検査補修装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、BWRプラントでは、原子炉の出力密度を大きくするために、原子炉圧力容器内部のダウンカマ部にジェットポンプを設け、このジェットポンプと原子炉圧力容器の外部に設置した再循環ポンプとを組み合わせた、いわゆるジェットポンプシステムが採用されている。
【0003】
このようなジェットポンプシステムを採用したBWRプラントでは、原子炉圧力容器外部の再循環ポンプにより原子炉圧力容器内部のジェットポンプに駆動水が供給され、再循環ポンプの再循環入口ノズルに接続されたライザー管から冷却材を炉心に強制的に循環させることにより出力密度の増大を図っている。
【0004】
図9に従来の一般的な原子炉ジェットポンプの構成を示す。
図9において、1は原子炉ジェットポンプで、原子炉圧力容器2と炉心シュラウド3との間の円筒状の空間であるダウンカマ部4に炉心シュラウド3を取り囲むように複数個設けられている。
【0005】
5は図示しない再循環ポンプの入口ノズルで、この入口ノズル5が原子炉圧力容器2の側壁を貫通して延びて、ジェットポンプ組立体に結合されている。
入口ノズル5の原子炉圧力容器2内の一端はジェットポンプのライザー管6、ノズルエルボ7、インレットミキサ8、インレットミキサノズル9を介してディフューザ10に接続されている。
【0006】
11は前記ジェットポンプ1を吊り上げるための吊耳である。
このようなジェットポンプをはじめ、炉内構造物は高温高圧の厳しい環境下において使用されるため、十分な耐食性と機械的強度を有する材料、例えばオーステナイト系ステンレス鋼またはニッケル基合金などによって構成されている。
【0007】
しかしながら、このような炉内構造物であっても、交換が困難な部材については、これらの部材がプラントの長期に及ぶ運転により長期間厳しい環境に曝され、また中性子照射の影響もあることから材料劣化の問題が懸念される。
【0008】
特に炉内構造物の溶接部近傍は、溶接入熱による材料の鋭敏化および引張り残留応力の影響で潜在的な応力腐食割れの危険性を有している。
一次冷却材の循環を行うジェットポンプについても同様の懸念があるため、ジェットポンプ内面の健全性の確認検査と腐食割れ発見時には補修施工が必要となる。
【0009】
一般に、ジェットポンプの内面の検査補修作業を行う場合には、従来インレットミキサ8を取り外して内部に検査補修装置を挿入するか、あるいは圧力容器の下部からディフューザ10内部に検査補修装置を挿入して行う必要がある(例えば特許文献1、2参照)。
また、インレットミキサ8を取り外さずにインレットミキサノズル9部の開口隙間より検査補修装置を挿入して作業を行う例もある(例えば特許文献3、4、5参照)。
【特許文献1】特開平5−209864号公報
【特許文献2】特開2003−185784号公報
【特許文献3】特開2001−65778号公報
【特許文献4】特開2002−311183号公報
【特許文献5】特開2004−251894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながらこれら従来の検査補修装置はジェットポンプ1の一部であるディフューザ10の内面のみしか検査補修することができず、ライザー管6内の検査補修をすることは困難であった。
【0011】
上述したジェットポンプ1の内面の検査補修装置において、ライザー管6をも含めたジェットポンプ1の全ての内面を検査補修対象とする場合には、インレットミキサ8を取り外す必要がある。
【0012】
しかし、インレットミキサ8の取り外し・再組み付け作業には多大な労力と時間がかかるため、ジェットポンプ1の点検補修が面倒となり、点検補修に費やす時間からBWRプラントの運転に支障を来たす恐れもあるという課題があった。
【0013】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、インレットミキサを取り外すことなく、ライザー管を含めたジェットポンプ全体に亘る内面の健全性確認検査や補修施工を短時間に、容易に行うことができ、BWRプラントの安全性を向上させた原子炉ジェットポンプの検査補修方法および検査補修装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明は、検査補修用ツールを搭載したツールヘッドにフレキシブルケーブルを結合し、このフレキシブルケーブルに連結ジョイントにより少なくともその一部が回転可能に可撓性を有する送り込みロッドを結合し、ディフューザ内面を検査補修する時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとを略直線状に伸ばして、ツールヘッドをディフューザ内に挿入し、ライザー管内を検査補修する時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとを重なるように折りたたんでツールヘッドを一旦ディフューザ内に挿入し、その後送り込みロッドの挿入方向を反転させてツールヘッドをライザー管内に挿入するようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項2記載の発明は、検査補修用ツールを搭載したツールヘッドと、このツールヘッドに結合されたフレキシブルケーブルと、このフレキシブルケーブルに連結ジョイントにより少なくともその一部が回転可能に結合された可撓性を有する送り込みロッドとからなり、ディフューザ内面を検査補修の作業対象とする時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとを略直線状に伸ばし、ライザー管内を検査補修の作業対象とする時は前記フレキシブルケーブルと送り込みロッドとが重なって折りたためるようにフレキシブルケーブルと送り込みロッドとの回転角度を変化し得るようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インレットミキサを取り外すことなく、ライザー管を含めたジェットポンプ全体に亘る内面の健全性確認検査や補修施工を短時間に、かつ容易に行うことができ、BWRプラントの安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態による原子炉ジェットポンプの検査補修装置の構成を示す図である。
【0018】
本実施の形態による原子炉ジェットポンプの検査補修装置は、検査用センサや補修用機構などの検査補修用ツールを搭載したツールヘッド21と、このツールヘッド21に結合されて能動的または受動的に屈曲可能なフレキシブルケーブル22と、このフレキシブルケーブル22に対し回転可能に結合され、受動回転を行う連結ジョイント23と、この連結ジョイント23に取り付けられた錘24と、前記連結ジョイント23に結合され、前記フレキシブルケーブル22に少なくともその一部が回転可能に接合され、フレキシブルケーブル22との回転角度を変化し得るようにフレキシブルケーブル22に対して相対的な位置角度が調整可能な可撓性を有する送り込みロッド25と、この送り込みロッド25の連結ジョイント23との結合端と反対側の端部に取り付けられた円環フック状の吊り具26とから構成されている。
【0019】
前記送り込みロッド25としてはそれ自体可撓性を有する材質のものを用いてもよいが、剛体の棒とフレキシブルジョイントを組み合わせて可撓性を持たせるようにしたものでもかまわない。
【0020】
前記フレキシブルケーブル22は後述するように、インレットミキサノズル9先端からジェットポンプ1内に挿入され、ノズルエルボ7の曲壁に沿ってを回りこんでライザー管6下部先端まで到達するのに十分の長さを有しており、前記送り込みロッド25はフレキシブルケーブル22よりも長く形成されている。
【0021】
ツールヘッド21に搭載する検査補修用ツールと外部の制御装置とを結ぶ情報伝送のための信号線や、動力供給のためのエアーチューブ、電力線などはフレキシブルケーブル22、送り込みロッド25および図示しない外部のワイヤーロープに添わせる形で配置しており、検査補修装置の吊り上げあるいは吊り下げに伴って図示しない巻き取り装置などによって巻き取りと繰り出しとが行われる。
【0022】
次に、上記のように構成された検査補修装置の作用について説明する。
一般に、検査補修装置によりジェットポンプの健全性確認検査や補修施工を実施するにあたっては、ジェットポンプ1のディフューザ10内面を作業対象とする形態と、ライザー管6内面を作業対象とする形態との2つの動作モードがある。
【0023】
図2はディフューザ10内面を検査補修の作業対象とする場合の形態を示した図である。
ディフューザ10内面を作業対象とする場合は、図2に示すように、まずツールヘッド21を鉛直下方に向け、フレキシブルケーブル22と送り込みロッド25とを連結ジョイント23部で略直線状に伸ばした状態にする。
【0024】
この状態で吊り具26に図示しないワイヤーロープをかけて炉上部に設置されている図示しない燃料交換機補助ホイスト等により検査補修装置全体を吊るすことで連結ジョイント23に取り付けられた錘24に働く重力を利用して検査補修装置の上げ下げ、および位置決めを行う。
【0025】
この検査補修装置の位置決めを行いながらインレットミキサノズル9部に配置した挿入ガイド機構27のガイド孔28内にフレキシブルケーブル22と共にツールヘッド21を通し、さらに送り込みロッド25によりフレキシブルケーブル22とツールヘッド21とをディフューザ10内に送り込む。
【0026】
前記挿入ガイド機構27は、この挿入ガイド機構27に備え付けのガイド吊具29にワイヤーロープをかけ、炉上部より吊り下げてインレットミキサノズル9の隙間に嵌合するようにジェットポンプ上部に設置する公知の機構(特開2001-159696)と同様のものであり、ガイド孔28の検査補修装置が挿入される入口部30と出口部31とを滑らかな形状で連通して案内することで、狭隘なインレットミキサノズル9の開口部隙間に検査補修装置を容易に挿入することができる。
【0027】
前記フレキシブルケーブル22および送り込みロッド25は可撓性を有する構造体であるため、挿入ガイド機構27のガイド孔28内の曲がり部や、挿入方向とディフューザ軸方向との角度偏差に対してもフレキシブルケーブル22や送り込みロッド25自体が屈曲することで容易に内部へ送り込むことができる。
【0028】
また、フレキシブルケーブル22は内視鏡等に使用されている公知の技術を利用し、複数のワイヤーの引張り操作によってツールヘッド21側先端を任意の方向へ曲げられるように能動的な可撓性を持たせるような構成としても良い。
【0029】
ツールヘッド21は図3に示すように、空気圧シリンダー32によって外側に向けて適宜な開き角度で開いたり、あるいは逆方向に閉じて格納される3本以上の支持アーム33が等間隔にピン34により回転支持された固定機構が取り付けられている。
【0030】
この固定機構を格納状態にしてツールヘッド21をデイフューザ10内の所定の位置まで挿入し、その位置で固定機構の支持アーム33を開くことで、デイフューザ10の内壁に支持アーム33の先端が押付けられ、ツールヘッド21をその位置で安定に固定することができる。
【0031】
検査補修用ツール35はこの固定機構の支持アーム33の先端に取り付けられており、ツールヘッド21とフレキシブルケーブル22の結合部に設けられ、ツールヘッド21を周方向に旋回させるための旋回モータ36の動作と、ツールヘッド21の挿入・抜き出しによるツールヘッド21のデイフューザ10長手方向に沿った位置調整動作とにより、検査補修ツール35をデイフューザ10の内壁面に対して螺旋状に走査し、必要とする位置に移動させ固定することができる。
なお、ツールヘッド21位置の固定方法は、前記の支持アームの支持方法に限定されるものではなく、他の方法で実施しても良いし作業内容によっては固定機構がなくて良い。
【0032】
また、能動的な可撓性を持たせたフレキシブルケーブル22によってツールヘッド21の位置姿勢を操作することも可能である。例えば、ビデオカメラによる目視検査を行う目的であればツールヘッド21の位置固定機構は必要ではなく、フレキシブルケーブル22の先端にビデオカメラを取り付けてフレキシブルケーブル22先端の姿勢を変化させることで、任意の位置・方向の内壁面の撮影が可能となる。
【0033】
ツールヘッド21に搭載する検査用ツールとしては、光源付きビデオカメラまたはイメージファイバ、アレイ型超音波探触子、渦電流探触子、レーザ超音波探触子などであり、補修用ツールとしては水洗浄ノズル、研磨用グラインダ、レーザによる除染装置、レーザによる表面改質装置、レーザによる溶接装置などを所望する作業に合わせて選択すればよい。
【0034】
作業終了後に検査補修装置をデイフューザ10の外へ引き出すためには、送り込みロッド25にかけられている図示しないワイヤーロープを炉上部より吊り上げることで行い、これにより挿入ガイド機構27のガイド孔28内を送り込みロッド25、フレキシブルケーブル22、ツールヘッド21の順に通過して引き出すことができる。
以上の装置構成および作業方法により、ジェットポンプにおけるディフューザ内面の任意の個所について任意の検査作業、補修作業を実施することができる。
【0035】
次に、ライザー管6内面を作業対象とする場合の形態を図4に示す。
ライザー管6内面を作業対象とする場合は、まずあらかじめ、連結ジョイント23部分でフレキシブルケーブル22を180°回転させることでツールヘッド21を鉛直上方に向け、フレキシブルケーブル22と送り込みロッド25が重なるように折りたたんだ状態にし、この状態で連結ジョイント23に取り付けられた錘24に働く重力を利用してディフューザ側の時と同様にフレキシブルケーブル22とツールヘッド21および送り込みロッド25を挿入ガイド機構27のガイド孔28を通してディフューザ10内に一旦送り込む。
【0036】
ツールヘッド21部分がディフューザ10内に完全に入るまで検査補修装置を挿入し終わったら、今度は送り込みロッド25を挿入時とは逆に引き上げることでツールヘッド21の挿入方向を反転させる。
【0037】
このツールヘッド21の動きが反転することにより、インレットミキサノズル9の先端で送り込みロッド25とツールヘッド21およびフレキシブルケーブル22の重なりが分離され、さらに送り込みロッド25を引き上げることによりインレットミキサノズル9内にツールヘッド21が案内され、さらにインレットミキサノズル9上部に配置されたノズルエルボ7内に誘導される。
【0038】
さらにそのまま送り込みロッド25を引き上げることでツールヘッド21をノズルエルボ7内に押し込む力を伝達させ、ツールヘッド21がノズルエルボ7の内壁曲面に接触しながらスライドすることでフレキシブルケーブル22が屈曲し、ツールヘッド21がライザー管6内に誘導される。
【0039】
送り込みロッド25を引き上げることによってフレキシブルケーブル22をライザー管6内へ送り込むことになるので、これによりツールヘッド21を降下させることができ、逆に送り込みロッド25をディフューザ10内に送り込むことによってツールヘッド21を上昇させることができる。
【0040】
ツールヘッド21がライザー管6内に入った状態においてツールヘッド21は鉛直下向きとなっており、ディフューザ10側を作業対象とするときと同様にしてライザー管6内面の任意の個所について任意の検査作業、補修作業を実施することができる。
【0041】
なお、前記したようにフレキシブルケーブル22に能動的な可撓性を持たせた場合は、ノズルエルボ7を通過させる際に、ノズルエルボ7と同じ曲率をフレキシブルケーブル22に持たせることで、円滑に検査補修装置を送り込むことができる。
【0042】
検査補修の作業終了後に検査補修装置をジェットポンプの外へ取り出すためには、連結ジョイント23に結合している錘24に働く重力を活用して、フレキシブルケーブル22および送り込みロッド25をディフューザ10内下方に降下するように移動させ、ツールヘッド21がインレットミキサノズル9を通過してディフューザ10内に戻るまで降下を続ける。
【0043】
その後、送り込みロッド25を炉上部より吊り上げることによって、ツールヘッド21、フレキシブルケーブル22と送り込みロッド25とをまとめて挿入ガイド機構27のガイド孔28を通過させて装置全体を取り出すことができる。
【0044】
この場合ツールヘッド21を送り込みロッド25と分離してインレットミキサノズル9内へ送り込む場合と、逆にツールヘッド21を送り込みロッドとまとめてガイド孔28内に引き込む場合とは送り込みロッド25を移動させる位置を微妙に調整することにより容易に行える。
以上の作業方法により、ジェットポンプ1におけるライザー管6内面の任意の個所について任意の検査作業、補修作業を実施することができる。
【0045】
また、ディフューザ10側の検査補修作業と組み合わせることで、ジェットポンプ1を分解することなくジェットポンプ1の全内面に亘る検査補修作業を実施することができ、インレットミキサ8の取り外しと再取付けにかかる多大な労力の低減と時間の短縮を図ることができる。
【0046】
次に本発明の第2の実施の形態について、図5を参照して説明する。
前記したように本検査補修装置をライザー管6内へ挿入する際には、ツールヘッド21がノズルエルボ7の内壁曲面に接触しながらスライドすることで曲がって通過する必要があるが、1方向の曲がり自由度があればこれを達成できる。
【0047】
しかし、前記した可撓性を持たせたフレキシブルケーブル22の場合は、2方向の曲がりと長手軸回りの捻れとの3つの曲げ自由度を有するため、フレキシブルケーブル22をノズルエルボ7内に押し込むにあたり、特にインレットミキサノズル9位置から送り込みロッド25との結合位置間において予期せぬ方向へ屈曲する恐れがある。
本実施の形態においては、フレキシブルケーブル22の代わりに複数の剛体リンク37を1自由度の回転ジョイント38を介して連結する多節体を利用する。
【0048】
この回転ジョイント38には多節体が直立状態に復帰するように回転方向の両側にバネ機構39を配置した受動的な可撓性を持たせても良いし、2本のワイヤーロープによる引張り力を利用する方法や各回転ジョイント38にモータ等のアクチュエータを取り付ける方法により、能動的な可撓性を持たせるようにしても良い。
また、バネ機構39の周囲にはジェットポンプ等内面と干渉しないように柔軟性、伸縮性を有する円筒状のカバーを設けても良い。
【0049】
このように曲がり方向を1方向に拘束することで、前記した検査補修装置をライザー管6内へ送り込む際の押し込み力により剛体リンク37がノズルエルボ7以外の個所で屈曲してしまうことを防ぐことができ、円滑に検査補修装置をライザー管6内へ送り込むことができる。
【0050】
次に本発明の第3の実施の形態について図を参照して説明する。
図1に示す検査補修装置において、送り込みロッド25に磁石を取り付け、これに対向してフレキシブルケーブル22に強磁性体を取り付ける。
【0051】
このような構成とすることにより、ライザー管6内面を作業対象とする形態において、連結ジョイント23において送り込みロッド25とフレキシブルケーブル22とを折りたたんだ場合、送り込みロッド25とフレキシブルケーブル22とが磁力の作用により重なって一体化する。
【0052】
このように磁力の作用により重なって一体化したフレキシブルケーブル22をインレットミキサノズル9部に挿入する際にインレットミキサノズル9の先端がフレキシブルケーブル22と送り込みロッド25との間に入り込むことで、フレキシブルケーブル22を磁力に抗して送り込みロッド25から分離させ、送り込みロッド25は挿入ガイド機構27へと分離するようにする。
【0053】
このようにすることで、ライザー管64内にツールヘッド21を押し込む際にフレキシブルケーブル22がインレットミキサノズル13以外の場所で屈曲してしまい送り込みの力を伝えられなくなることを防ぐことができる。
【0054】
また、ライザー管6内に入っていたツールヘッド21を引き抜く際にも、ノズル先端位置より下方においてフレキシブルケーブル22と送り込みロッド25とが吸着して一体化するため、検査補修装置をジェットポンプ外に引き抜く際にも容易に挿入ガイド機構27のガイド孔28に通すことが可能である。
なお、磁力を使用する代わりに機械的に結合、分離するような構成としても良い。
【0055】
次に本発明の第4の実施の形態について、図6を参照して説明する。
図6において、40はツールヘッド21に取り付けられた高圧水を噴射するノズルで、この高圧水噴射ノズル40に高圧水を搬送する高圧水ケーブル41をフレキシブルケーブル22、送り込みロッド25に沿って設け、外部に設置された流水量調整機能を備えた図示しない水供給装置に接続している。
【0056】
このような構成の原子炉ジェットポンプの検査補修装置であると、高圧水噴射ノズル40より水供給装置から送られて来る水を任意の噴射圧によって噴射することでツールヘッド21が推力を得て、ツールヘッド21の移動を行うことができる。
【0057】
特にライザー管6内面を検査補修の作業対象とする場合、送り込みロッド25からフレキシブルケーブル22に押し込み力を与えるだけでは、フレキシブルケーブル22がノズルエルボ7以外の個所で屈曲する恐れがあるが、先端のツールヘッド21に推進機能を持たせ、この推進力によりフレキシブルケーブル22をライザー管6内に引っ張る形態をとることで、円滑に検査補修装置を送り込むことが可能となる。
【0058】
さらに、高圧水噴射ノズル40をツールヘッド21の周囲に位置をずらせて3つ以上配置し各々の高圧水の噴射圧をコントロールすることで、ツールヘッド21の移動方向を任意の方向へ移動させることが可能となり、挿入の作業性を向上させることができる。
【0059】
次に本発明の第5の実施の形態について、図7を参照して説明する。
図7において、42はツールヘッド21の先端に取り付けられた、空気の出し入れによって浮力を調節可能な空洞体でできた浮力調整体である。
【0060】
この浮力調整体42はその表面に内部の空洞と外部と連通する貫通孔43を形成した中空構造となっており、地上から引き回されたエアーチューブ44を介して内部に空気を注入することで、水中において浮力を得ることができるようになっている。
逆に外部よりエアーチューブ44を介して空気の吸引を行うと、内部の空気が吸い出されると共に貫通孔43より外部の水が注入されるため、浮力を失うようになっている。
【0061】
このような構成の原子炉ジェットポンプの検査補修装置であると、ライザー管6内面を作業対象とする場合、ディフューザ10側からインレットミキサ8を通過させる際にツールヘッド21を鉛直上方向へ浮上させる力が必要であり、一方でインレットミキサ8を抜けてライザー管6内に進入する際にはツールヘッド21を鉛直下方向へ沈降させる力が必要である。
【0062】
そこで、前者の状態においては浮力調整体42の内部を空気で満たすことでツールヘッド21が浮力を得て鉛直上方へ力が働くようにし、後者の状態においては空気を吸引し、内部を水で満たすことでツールヘッド21の浮力を無くして自重による鉛直下方向へ力が働くようにすることで、検査補修装置を円滑にライザー管6内へ送り込むことが可能となる。
【0063】
なお、この浮力調整体42は、ツールヘッド21のみならず、フレキシブルケーブル22またはその代わりとなる多関節体の内部に組み込むことで、その浮力調整効果を大きくすることも可能である。
【0064】
次に本発明の第6の実施の形態について、図8を参照して説明する。
プラント毎のジェットポンプ形状はほぼ同じであるが、プラントの発電規模に応じてインレットミキサノズル9の数が1本のタイプと5本が周配置になっているタイプとがある。
【0065】
インレットミキサノズル9が1本のタイプはノズル内径がφ75mm程度であるのに対し、5本のタイプは各々のノズル内径がφ30mm程度と非常に細い管となっており、その狭隘性ゆえに検査補修装置を通過させるのは困難となっている。
【0066】
本実施の形態では、ディフューザ10側に挿入した検査補修装置を容易にインレットミキサノズル9内に通過できるようにするためのノズル挿入ガイド機構を使用している。
本ノズル挿入ガイド機構は、インレットミキサノズル9に嵌合する円環45と、それに結合され外側に広がる複数の棒状あるいは板状のバネからなる案内バネ46と、それらの案内バネ46を広がらないように束ねるリング47と、リング47を空気圧シリンダーなどによって円環軸方向に移動させるスライド機構47と、炉上部から操作するための操作ロッド48より構成される。
【0067】
案内バネ46を束ねるリング47はそのバネ力によって円環結合部から遠ざかるほど広がりを持つ様にしてあり、リング47位置をスライドさせることによって案内バネ46の広がりを調整することができるようになっている。
【0068】
本ノズル挿入ガイド機構は操作ロッド49を利用して炉上部より操作することで、インレットミキサノズル9部の開口隙間より案内バネ46部分をジェットポンプ内に挿入し、検査補修装置を通過させるインレットミキサノズル9に対して嵌合させる。
【0069】
このとき、案内バネ46が開口部隙間を通過できるようにバネを束ねるリング47位置を円環45より遠方にスライドさせてすぼめた状態にし、検査補修装置と干渉しない位置から挿入させる。
【0070】
案内バネ46がインレットミキサノズル9に嵌合したあと、今度はリング47を円環近傍へスライドさせることでバネが広がるようにする。
このようにすることで、インレットミキサノズル9内径よりも径の大きな入口を有する漏斗形状の案内ガイドとなり、検査補修装置を容易にインレットミキサノズル9内に誘導することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるジェットポンプの検査補修装置を示す正面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるジェットポンプの検査補修装置によるディフューザ内面を作業対象とする場合の形態を示す断面図。
【図3】本発明によるジェットポンプの検査補修装置のツールヘッドを示す正面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態によるジェットポンプの検査補修装置によるライザー管内面を作業対象とする場合の形態を示す断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるジェットポンプの検査補修装置の要部を示す正面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態によるジェットポンプの検査補修装置の要部を示す正面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態によるジェットポンプの検査補修装置の要部を示す正面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態によるジェットポンプの検査補修装置の要部を示す正面図。
【図9】従来の一般的なジェットポンプを示す図で、(a)は正面図、(b)側断面図。
【符号の説明】
【0072】
1…ジェットポンプ、2…原子炉圧力容器、3…炉心シュラウド、4…ダウンカマ部、5…入口ノズル、6…ライザー管、7…ノズルエルボ、8…インレットミキサ、9…インレットミキサノズル、10…ディフューザ、11…吊耳、21…ツールヘッド、22…フレキシブルケーブル、23…連結ジョイント、24…錘、25…送り込みロッド、26…吊り具、27…挿入ガイド機構、28…ガイド孔、29…ガイド吊具、30…入口部、31…出口部、32…空気圧シリンダー、33…支持アーム、34…ピン、35…検査補修用ツール、36…旋回モータ、37…剛体リンク、38…回転ジョイント、39…バネ機構、40…高圧水噴射ノズル、41…高圧水ケーブル、42…浮力調整体、43…貫通孔、44…エアーチューブ、45…円環、46…案内バネ、47…リング、48…スライド機構、49…操作ロッド。




 

 


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