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発明の名称 照射燃料貯蔵ラック
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−10434(P2007−10434A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−190399(P2005−190399)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久
発明者 三橋 偉司 / 佐々木 智治 / 植田 精
要約 課題
中性子吸収体に中性子吸収材料を多く含有させて照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率の低下を図り、加工を要するバスケット材の中性子吸収材料の添加量を抑制し、加工性を向上させ、照射燃料の高密度収納が可能な照射燃料貯蔵ラックを提供する。

解決手段
本発明に係る照射燃料貯蔵ラック12は、仕切板または角管(セル管)で構成した照射燃料収納セル13を多数配置し、原子力発電所で発生する照射燃料を収納して貯蔵、保管する照射燃料収納セル13を燃料貯蔵プール11等の水プールの水中に設置したものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
仕切板または角管で構成した照射燃料収納セルを多数配置し、原子力発電所で発生する照射燃料を収納して貯蔵、保管する前記照射燃料収納セルが水プールの水中に設置される照射燃料貯蔵ラックにおいて、
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に中性子吸収体を配置したことを特徴とする照射燃料貯蔵ラック。
【請求項2】
前記照射燃料収納セルはボロン中性子吸収材濃度がゼロである材料で構成したことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項3】
前記照射燃料収納セルはボロン中性子吸収材濃度が1wt%以下である材料で構成したことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項4】
前記照射燃料収納セルは、ボロン中性子吸収材濃度が1wt%以下である材料とボロン中性子吸収材濃度がゼロである材料とを組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項5】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置される中性子吸収体は、ボロンを含有する中性子吸収材料で構成したことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項6】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置される中性子吸収体は、炭化硼素を収納した中性子吸収板で構成されたことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項7】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置される中性子吸収体は、炭化硼素を収納した中性子吸収棒の配列して構成されたことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項8】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置される中性子吸収体はボロン添加のステンレス鋼で構成されたことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項9】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置される中性子吸収体は、B−10を濃縮したボロンを含む構成としたこと特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項10】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置する中性子吸収体は、希土類を含有する中性子吸収材料とし、その中性子吸収核種の組成を天然または中性子吸収断面積の大きい核種を濃縮して構成したことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項11】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置する中性子吸収体は、希土類を含有する材料とし、その中性子吸収核種の組成を天然または中性子吸収断面積の大きい核種を濃縮して構成したことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
【請求項12】
前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に配置する中性子吸収体は、ボロンとガドリニウム等の希土類を混合させた材料とし、その中性子吸収核種の組成を天然または中性子吸収断面積の大きい核種を濃縮して構成したことを特徴とする請求項1記載の照射燃料貯蔵ラック。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は原子炉から取り出された照射燃料集合体を貯蔵し、保管する照射燃料貯蔵技術に係り、特に、原子力発電所で発生する使用済みの照射燃料集合体を原子力発電所あるいは、核燃料再処理工場の燃料貯蔵プール内で貯蔵し、保管するのに好適な照射燃料貯蔵ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に原子力発電プラントにおいては、原子炉を一定期間運転後、使用済となった照射燃料は炉心から取り出される。使用済みの照射燃料は、原子力発電所から再処理工場へ搬出されるまでの間、原子力発電所内の燃料貯蔵プールで貯蔵され、冷却される。
【0003】
この場合、使用済みの照射燃料は、燃料貯蔵プール内に設置された照射燃料貯蔵ラックに貯蔵される。照射燃料貯蔵ラックは、ステンレス鋼等の構造材料で燃料収納セルを多数構成し、燃料貯蔵プール内に設置された照射燃料貯蔵ラック内に使用済照射燃料が収容される。
【0004】
また、使用済みの照射燃料(照射燃料集合体)は再利用に供するために再処理される。この再処理を効率的に行なうことができるように、輸送用として照射燃料輸送容器のバスケットが用いられる。このバスケットに収納された照射燃料が輸送された後、使用済照射燃料が再処理されるまで、再処理工場の照射燃料受入貯蔵施設の燃料貯蔵プール内に設置された照射燃料貯蔵ラック内に使用済照射燃料は貯蔵される。
【0005】
使用済照射燃料は照射燃料貯蔵ラックを構成する材料の中性子吸収特性および水による中性子の減速、遮蔽効果などを考慮し、一定の間隔を保ちながら貯蔵され、想定されるいかなる状況下においても未臨界性が保たれる。また、使用済照射燃料は可能な限り高密度で貯蔵されることが好ましい。さらに、燃料貯蔵プールを広く作ることが可能な場合には、高密度な貯蔵に必要な高価な照射燃料貯蔵ラック材料を廃し、安価な材料で照射燃料貯蔵ラックを製作し、照射燃料貯蔵ラックを低コストにすることが経済的であり、望まれる。
【0006】
しかし、近年、使用済みの照射燃料の増加により、照射燃料の照射燃料貯蔵ラックでの高密度貯蔵は増々必要性が増してきている。使用済みの照射燃料を高密度に貯蔵する目的から照射燃料貯蔵ラックに多数配置される仕切板または角管で構成した照射燃料収納セルの仕切板または角管の材料を、中性子吸収能力の大きな物質(以下、中性子吸収物質という。)とし、照射燃料貯蔵ラックの未臨界性を保持しながら、照射燃料間の間隔を狭くし、稠密度配置ができる配慮をしている。
【0007】
また、原子炉燃料の高燃焼度化(高濃縮度化)による照射燃料を収納した照射燃料貯蔵ラックの未臨界性担保の裕度減少に対する対応策としても、バスケット材をボロン中性子吸収材を含有させた材料とすることが必要となってきている。ここに、バスケット材とは照射燃料収納セルを構成する仕切板または角管の材料をいい、照射燃料収納セルの集合をバスケットという。
【0008】
さらに、ボロン中性子吸収材入りバスケット材はそのボロン濃度が約1wt%(重量%)以上に高くなると加工が困難になることから、バスケット材に含まれるボロン濃度に上限があり、このため、中性子吸収核種であるB−10を濃縮したり、また、バスケット材がボロン濃度1wt%以上を含有しても加工性が悪くならないようなバスケット材やその製造方法を開発したり、さらに、照射燃料の稠密度を増大させる開発研究も行われてきている。
【0009】
照射燃料貯蔵ラックではバスケット材としてボロン中性子吸収材入りステンレス鋼等の材料を使用し、照射燃料貯蔵の稠密度を増大させてきているが、このボロン中性子吸収材入りバスケット材は現在でも非常に高価であり、照射燃料貯蔵ラックのコストアップが生じ、高コスト化を招いている。
【0010】
従来、この種の照射燃料貯蔵ラックとして、特開平5−249290号公報(特許文献1)および実開昭61−82295号公報(特許文献2)に開示されたものがある。
【0011】
特許文献1に開示された照射燃料貯蔵ラックは、使用済みの照射燃料を収納する照射燃料収納セル間にフラックストラップ中性子吸収装置を配置し、中性子吸収量を増加させて照射燃料収納セルの密度を高め、核燃料の貯蔵を高めるようにしたものである。
【0012】
この照射燃料貯蔵ラックは、照射燃料収納セル間に存在する水の一部を排除して高速中性子減速用の金属水素化物を配置し、この金属水素化物の周囲に配置した熱中性子吸収材で熱中性子を吸収し、中性子吸収量を増加させたものである。
【0013】
また、特許文献2に記載された照射燃料貯蔵ラックは、照射燃料貯蔵ラックの燃料収納セル間に中性子吸収板を配置し、中性子吸収量を増加させて照射燃料収納セルの密度を高め、核燃料の貯蔵能力を高めるようにしたものである。
【特許文献1】特開平5−249290号公報
【特許文献2】実開昭61−82295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に記載の照射燃料貯蔵ラックは、照射燃料収納セル間に存在する水の一部を排除する高速中性子減速用の金属水素化物と高速中性子が減速されて生成される熱中性子を吸収する熱中性子吸収材を何らかのキャニスタ容器に入れて照射燃料収納セル間に配置するという極めて複雑な構造を有している。
【0015】
キャニスタ容器を構成するのに必要な材料や熱中性子吸収材の他、高速中性子減速用の金属水素化物も照射燃料収納セル間に挿入する必要がある。実際には、照射燃料収納セル間が狭い場合には、金属水素化物を照射燃料収納セル間に挿入するに充分な大きさにできず、金属水素化物による高速中性子の熱中性子への減速を効率的に行うことができない。高速中性子の減速が充分でないと、中性子吸収量の増加による照射燃料集合体(照射燃料)が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率の低下を果すことができない。
【0016】
また、照射燃料収納セル同士の間隔が広い場合には、照射燃料収納セル間の水の存在により、高速中性子の減速が十分行われており、そこに、高速中性子を熱中性子に減速する金属水素化物を挿入すること自体に格別な意義が存在しない。
【0017】
また、特許文献2に記載の照射燃料貯蔵ラックは、バスケット材や照射燃料収納セル間に配置する中性子吸収板についての定量的な検討がなく、実際の照射燃料貯蔵ラックへの適用が困難であった。
【0018】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、照射燃料収納セル間に存在する水領域に中性子吸収体を配置して高価なボロン中性子吸収材入りバスケット材を不要とし、バスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度を低下させて加工性を向上させ、さらに、照射燃料間の間隔を狭くし、照射燃料の稠密度を増大させた照射燃料貯蔵ラックを提供することを目的とする。
【0019】
本発明の他の目的は、複雑な加工が不要なプレート部材に中性子吸収材を多く含有させ、中性子吸収量を増加させて照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率の低下を図り、加工を要するバスケット材のボロン中性子吸収材の添加量を抑制し、加工性を向上させ、照射燃料を高密度収納が可能な低コストの照射燃料貯蔵ラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る照射燃料貯蔵ラックは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、仕切板または角管で構成した照射燃料収納セルを多数配置し、原子力発電所で発生する照射燃料を収納して貯蔵、保管する前記照射燃料収納セルが水プールの水中に設置される照射燃料貯蔵ラックにおいて、前記照射燃料収納セル間に存在する水領域に中性子吸収体を配置したものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る照射燃料貯蔵ラックは、照射燃料収納セル間に存在する水領域に中性子吸収体を配置することにより、照射燃料収納セルの集合であるバスケットを構成するバスケット材として高価なボロン中性子吸収材入りバスケット材を不要とし、ボロン中性子吸収材を含有しないバスケット材としたり、ボロン中性子吸収材の濃度を低下させたバスケット材とすることができ、バスケット材を簡素化して加工性を向上させることができ、さらに、照射燃料収納セルの間隔を減少させ、稠密度を増大させることができ、水プールの水中で照射燃料ラックを用いた照射燃料の効率的かつ効果的な貯蔵、保管が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明に係る照射燃料貯蔵ラックの第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、原子炉建屋10における使用済燃料貯蔵プール11の水中に設置された角筒形状の照射燃料貯蔵ラック12とを示し、この照射燃料貯蔵ラック12に多数の照射燃料収納セル13が収容され、バスケットが構成される。収容された照射燃料収納セル13は、平面視マトリックス状あるいは格子状に配設される。照射燃料収納セル13は、照射燃料貯蔵ラック12内を仕切板で仕切ることにより、あるいは照射燃料貯蔵ラック12内に図2に示すように、多数の角管14を収納させることにより、形成される。
【0024】
原子力発電プラントは、原子炉を所定期間運転すると、炉心に装荷された核燃料が使用済みとなる。この使用済みの照射燃料が炉心から取り出されて燃料貯蔵プール11に搬送され、この燃料貯蔵プール11内に貯蔵される。
【0025】
使用済みの照射燃料(照射燃料集合体)を貯蔵する照射燃料貯蔵ラック12は、図2に示すように、下部に台座15が設けられ、この台座15の少なくとも4隅部に設けられる固定ボルト16により、照射燃料貯蔵ラック12は、水が張られた使用済燃料貯蔵プール11の床面に据え付けられ、立設状態で固定される。
【0026】
使用済みの照射燃料は、核燃料再処理工場へ搬出されるまでの間、原子炉建屋10の燃料貯蔵プール11内に貯蔵される。使用済みの照射燃料は、燃料貯蔵プール11内に設置された照射燃料貯蔵ラック12内に収容されて、冷却される。
【0027】
使用済みとなった照射燃料は、原子炉建屋10の燃料貯蔵プール11で冷却された後、核燃料再処理工場に搬送され、この再処理工場にて再処理される。核燃料再処理工場への搬送には、照射燃料輸送容器のバスケットが用いられ、このバスケットに使用済照射燃料が収納されて核燃料再処理工場に搬送される。
【0028】
使用済照射燃料は、核燃料再処理工場に搬送されて再処理されるまでの間、再処理工場の照射燃料受入貯蔵施設のプールに収納される。照射燃料受入貯蔵施設の燃料貯蔵プールに貯蔵される使用済照射燃料(照射燃料集合体)は、照射燃料受入貯蔵ラック内に収容されて貯蔵される。
【0029】
核燃料再処理工場の照射燃料受入貯蔵プールおよび照射燃料受入貯蔵ラックも図1の原子力発電プラントの使用済燃料貯蔵プール11および照射燃料貯蔵ラック12と同一の形態を備えている。
【0030】
また、原子力発電プラントの使用済燃料貯蔵プール11や照射燃料貯蔵ラック12は沸騰水型原子炉(以下、BWR10という。)の例を示したが、加圧水型原子炉(以下、PWRという。)の燃料はBWR燃料より大型のため、照射燃料収納セル13の幅が大きいことなど大きさに違いがあるが、PWR燃料用の照射燃料貯蔵ラックも図2に示した仕切板または角管14で構成した多数の照射燃料収納セル13を有するBWR燃料用の照射燃料貯蔵ラック12と同一の形態を有している。
【0031】
PWR燃料の照射燃料貯蔵ラックはその照射燃料収納セルにPWRブラントの炉心から取り出され照射燃料の冷却のため、あるいは、再処理前の受入貯蔵のために使用済みの照射燃料が収納される。照射燃料を収納した照射燃料貯蔵ラックは水を張ったPWRプラントの使用済燃料貯蔵プールまたは再処理工場の照射燃料受入貯蔵施設プール中に設置される。
【0032】
図2に示した照射燃料貯蔵ラック12には、照射燃料収納セル13のセル間に水領域がなく、照射燃料収納セル13間には照射燃料収納セル13を構成する仕切板または角管のみが存在する種類のもの、また、各照射燃料収納セル13を構成する仕切板または角管の間に水領域がある種類のもの、さらに、それらを組み合わせた照射燃料貯蔵ラック12が存在する。
【0033】
照射燃料貯蔵ラック12の設計は、照射燃料収納セル13に収納する照射燃料の初期濃縮度、照射燃料の大きさによって決まる照射燃料収納セル13の大きさ、照射燃料収納セル13を構成する仕切板または角管の厚み、仕切板または角管の材料、また、照射燃料収納セル13やこの収納セルを構成する仕切板の材料中のボロン中性子吸収材の含有量、あるいは、照射燃料の燃焼による反応度低化(以下、燃焼度クレジットという。)を考慮する場合は、燃焼度クレジットの考慮の仕方や考慮の程度により、さらに水の中性子の減速や遮蔽効果も考慮し、照射燃料を一定の間隔を保ちながら貯蔵する照射燃料貯蔵ラック12において、想定されるいかなる状況下においても未臨界性を保つことように決定される。
【0034】
図3および図4は、BWRあるいはPWRの燃料貯蔵プール11や核燃料再処理工場の照射燃料受入照射施設のプール(燃料貯蔵プール)内に設置される照射燃料貯蔵ラック12を示す図である。図3は図4のIII−III線に沿う照射燃料貯蔵ラック12の部分的な平断面図、図4は図3のIV−IV線に沿う照射燃料貯蔵ラック12の部分的な側断面図である。
【0035】
この照射燃料貯蔵ラック12は、ラック外枠20内に多数の角筒状あるいは角管状の照射燃料収納セル13が変形マトリックス状あるいは変形格子状に配列される。ラック外枠20は照射燃料貯蔵ラック12の種類、タイプによっては不要なものがあるが、図3ではラック外枠20を設けた例を示す。
【0036】
多数の照射燃料収納セル13は、図3において縦方向あるいは列方向に順次密着配置され、かつ、横方向あるいは行方向に所要の間隙dをおいて配置される。照射燃料収納セル13の横方向(行方向)の間隙dには、細長い矩形状の保持スペーサ21が鉛直方向の上下少なくとも2箇所に介装され、照射燃料照射セル13同士の間に安定的に保持される。照射燃料照射セル13のセル間に形成される間隙dは、水領域22を構成している。
【0037】
長尺の保持スペーサ21には、照射燃料収納セル13に対向して細長い挿通孔24が形成され、この挿通孔25に矩形プレート状の細長い中性子吸収体25が通される。中性子吸収体25は、照射燃料収納セル13間の水領域22に配置される。中性子吸収体25は、成形性を考慮して曲面のない平板状に形成され、中性子吸収核種であるB−10あるいはHf等中性子吸収材で構成される。
【0038】
照射燃料貯蔵ラック12は照射燃料収納セル13間に、図3に示すように、平面視において、縦方向(列方向)の水領域22が形成され、一方向に形成される水領域22に中性子吸収体25が配置される。中性子吸収体25は各照射燃料収納セル13に対応する中性子吸収体設置位置にそれぞれ対向配置される。
【0039】
照射燃料貯蔵ラック12は、照射燃料収納セル13間の一方向の水領域22に中性子吸収体25を配置することにより、照射燃料(照射燃料集合体)が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の吸収を増加させ、照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させている。
【0040】
照射燃料収納セル13間の水領域22に中性子吸収体25を設置することにより、照射燃料貯蔵ラック12を構成するバスケットに高価なボロン中性子吸収材入りのバスケット材が不要となる。この照射燃料貯蔵ラック12は、ボロン中性子吸収材入りのバスケット材を不要としたり、また、バスケット材の全部または一部をボロン中性子吸収材を含有しないバスケット材としたり、さらに、バスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度を低下させることができる。さらにまた、中性子吸収体25を水領域22に設置することにより、照射燃料収納セル13間の間隙dを狭め、稠密度を増大させることができる。
【0041】
照射燃料貯蔵ラック12は、多数配置した照射燃料収納セル13間の一方向の水領域22内の中性子吸収体設置位置に中性子吸収体25を設置することで、特に、熱中性子を中性子吸収体25に効率よく吸収させることができる。中性子吸収体25は熱中性子に対する中性子吸収断面積の大きな中性子吸収物質を含むものである。
【0042】
中性子吸収体25の具体的な例としては、炭化硼素を収納した中性子吸収板であったり、炭化硼素を収納した中性子吸収枠を列状に配列して構成した中性子吸収材であったり、また、ボロン添加ステンレス鋼材で構成される中性子吸収材であったり、さらに、ガドリニウム等の希土類元素からなる中性子吸収材や、ボロン、ガドリニウム等の希土類元素を混合させた中性子吸収材を用いてもよい。
【0043】
ボロンやガドリニウム等の希土類元素からなる中性子吸収材は、ボロンやガドリニウム等の希土類元素の核種組成が天然のものの他、中性子吸収断面積の大きな核種を濃縮したものの中性子吸収効果が大きく、熱中性子を吸収する中性子吸収体25として有効である。
【0044】
図5(A)および(B)は、照射燃料貯蔵ラック12の照射燃料収納セル13間の水領域22に配置される中性子吸収体25を示し、この中性子吸収体25は、曲げ加工を不要とした平板プレート状をなし、中性子吸収材を含む材料で形成される。具体的には、炭化硼素を収納した中性子吸収板、ボロン添加ステンレス鋼材からなる中性子吸収板、あるいすは、薄いHf板からなる中性子吸収板等で構成される。
【0045】
図6(A)および(B)は、照射燃料貯蔵ラック12の照射燃料収納セル13間の水領域22に配置される中性子吸収体25Aの第1変形例を示す。
【0046】
この変形例に示された中性子吸収体25Aは、中性子吸収物質からなる中性子吸収材27を矩形プレート状をなす本体28内に収納し、板タイプの中性子吸収体25Aとした例である。
【0047】
また、図7(A)から(C)は、中性子吸収体25Bの第2変形例を示すものである。
【0048】
この変形例に示された中性子吸収体25Bは、中性子吸収物質からなる複数の中性子吸収棒29を、矩形プレート状の本体28内に形成される収納空間に列状に配列し、内部に中性子吸収棒29を列状に収納した中性子吸収体25Bとした例である。中性子吸収棒29の代りに細長いプレート状の平板状中性子吸収棒を複数本列状に配設してもよい。
【0049】
ところで、照射燃料貯蔵ラック12に収納される多数の照射燃料収納セル13は図示しない仕切板を組み立てて構成したり、また、角筒状あるいは角管状のセル管をマトリックス状あるいは格子状に配列してバスケットを構成している。
【0050】
照射燃料収納セル13を構成する仕切板またはセル管14のバスケットには、バスケット材中のボロン中性子吸収材濃度がゼロである材料とする場合、バスケット材自体のボロン中性子吸収材濃度を所定の重量パンセート以下、例えば1wt%以下の材料とする場合がある。
【0051】
照射燃料収納セル13のバスケット材にボロン中性子吸収材濃度がゼロの材料を用いた場合には、照射燃料収納セル13間の水領域22中の熱中性子束が極めて高くなる。
【0052】
このため、照射燃料収納セル13間に形成される一方向の水領域22に、中性子吸収体25(25A,25B)を配置することにより、照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の吸収を増加させて、照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させることができる。また、照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させることで、照射燃料収納セル13間の間隔を減少させ、稠密度をさらに増大させることができる。
【0053】
照射燃料収納セル13を構成するバスケット材の厚みは、数mm〜10数mm、通常8mm程度以下であり、バスケット材中のボロン中性子吸収材濃度が1wt%以下で、照射燃料収納セル13間の水領域22に配置される熱中性子の中性子吸収効果が増加する。
【0054】
中性子吸収効果の増加は、バスケット材の厚みが8mm程度以下となるように、厚みを減少させる都度、また、バスケット材中の中性子吸収材ボロン濃度が1wt%以下と、ボロン濃度が減少する程、照射燃料収納セル13間の熱中性子が大きくなり、中性子吸収体配置位置に配置される中性子吸収体25(25A,25B)の中性子吸収効果が大きくなる。
【0055】
使用済みの照射燃料(照射燃料集合体)は、水が張られたBWR10あるいはPWRの燃料貯蔵プール11あるいは核燃料再処理工場の照射燃料燃料受入貯蔵施設のプール(燃料貯蔵プール)内に配設された照射燃料貯蔵ラック12に収納されて貯蔵される。
【0056】
使用済み照射燃料が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率は、例えば、SCALE(ORNL-RSIC,’SCALE 4: A Modular Code System for Performing Standardized Computer Analysis for Licensing Evaluation,’ CCC-545,1990)システム等の臨界解析コードと核定数ライブラリーを用いて評価される。このSCALEシステム等により、照射燃料収納セル13間の水領域22に中性子吸収体25(25A,25B)を配置した条件で実行増倍率の計算を行なう。
【0057】
中性子吸収体25(25A,25B)を照射燃料収納セル13間の水領域22に配置した条件では、中性子吸収体25を水領域22に配置しない従来の条件に較べ、照射燃料が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍系が低下する。照射燃料貯蔵ラック体系が、例えば未臨界制限値0.95を下廻る制限条件の下で、バスケット材として高価なボロン中性子吸収材入りバスケット材を不要としたり、バスケット材の全部あるいは一部をボロン中性子吸収材を含有しないバスケット材としたり、バスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度を低下させたり、あるいは照射燃料間の間隔を狭くし、更に稠密度を増大させる設計を行うことができる。
【0058】
この照射燃料貯蔵ラック12は、燃料貯蔵プール11の水中に設置され、使用済みの照射燃料を照射燃料貯蔵ラック12の照射燃料収納セル13内に収納して貯蔵させると、照射燃料収納セル13間に存在する水領域22と、この水領域22に配置される中性子吸収体25(25A,25B)により、照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の中性子吸収が増加し、照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率が低下する。
【0059】
照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率が低下する原理は、次の通りである。
【0060】
図8は、燃料貯蔵プール11等の水プール中の照射燃料貯蔵ラック12に照射燃料を収納した典型的な照射燃料貯蔵ラック体系において、中性子束の計算を行い、照射燃料収納セル13中に収納された照射燃料の端を原点とし、照射燃料収納セル13中の水領域22、照射燃料収納セル13のバスケットおよび隣の照射燃料収納セル13との間の水領域22を隣の照射燃料収納セル13との間の中央までの距離dを横軸とし、得られた中性子束を所謂、高速中性子束、熱外中性子束および熱中性子束の3群スキームA,B,Cで示したものである。
【0061】
図8は、照射燃料収納セル13間の水領域22に中性子吸収体を配置しない場合についての結果を示したものである。この中性子束の計算は、例えば、前記SCALEシステムの他、SRAC計算コードシステム(奥村他、SRAC95;汎用核計算コードシステム、JAERI−Data/Code96−015、1996年3月)等を用い、燃料、構造材および水等の核定数を算出後、算出値を用いて照射燃料貯蔵ラック体系の燃料拡散計算等を行い、各水領域22の中性子束を求めたものである。
【0062】
図8から明らかなように、熱中性子束は照射燃料収納セル13を構成する仕切板または角管(セル管)14のバスケット材、あるいはバスケット材にボロン中性子吸収材が含まれる場合はそれら熱中性子の吸収により、照射燃料収納セル13中や仕切板または角管14のバスケット材では熱中性子は小さく抑えられているが、照射燃料収納セル13中の照射燃料間の中性子の相互干渉を減少させ、未臨界性を保持させるために設置されている水領域22での熱中性子束レベルは高いことが分る。
【0063】
本発明に係る照射燃料貯蔵ラック12は、未臨界性を保持する水領域22での熱中性子束レベルの特性に着目して行ったものであって、水領域22の熱中性子を吸収するため、水領域22に中性子吸収体25(25A,25B)を配置することにより、水プール中の照射燃料貯蔵ラック12に照射燃料を収納した照射燃料貯蔵ラック体系における熱中性子の吸収を多くすることやそれによって照射燃料収納セル13中の照射燃料間の中性子の相互干渉を減少させ、照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させることにより、未臨界性に対する余裕が大きくなる。
【0064】
未臨界性に対する余裕を生かし、照射燃料収納セル13の集合であるバスケットを構成する仕切板または角管14の材料であるバスケット材として高価なボロン中性子吸収材入りバスケット材を不要としてボロン中性子吸収材を含有しないバスケット材としたり、バスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度を低下させたり、あるいは照射燃料収納セル13の間隔となる水領域22を減少させ、さらに稠密度を増大させた照射燃料貯蔵ラックが可能となる。
【0065】
図8の計算結果は照射燃料収納セル13を構成する仕切板または角管14のバスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度をゼロとした場合のものである。この場合、照射燃料収納セル13間の水領域22での熱中性子束が極めて増大することから、照射燃料収納セル13間の水領域22に中性子吸収体25(25A,25B)を配置し、照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の吸収を増加させることにより、照射燃料集合体(照射燃料)が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させる効果は極めて大きい。
【0066】
また、照射燃料貯蔵ラック12は、図3および図4に示すように、照射燃料収納セル13間の水領域22に、水(冷却材)の減速効果により高速中性子より既に高密度で存在している熱中性子を、照射燃料収納セル13間の水領域22中に設置した中性子吸収体25(25A,25B)により吸収することにより中性子吸収量を増加させようとするものである。
【0067】
さらに、照射燃料貯蔵ラック12は、中性子吸収量の増加による照射燃料集合体が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率の低化を、照射燃料収納セル13間の水領域22に、水の減速効果により高速中性子より高密度で存在している熱中性子を対象として実現するものである。この照射燃料貯蔵ラック12は高速中性子より既に高密度で存在している熱中性子を水領域22に設けた中性子吸収体25で吸収するため、簡単な構造に構成することができる。
【0068】
一実施形態に示された照射燃料貯蔵ラックでは、中性子吸収体25(25A,25B)を照射燃料収納セル13間の水領域22内に設置し、照射燃料ラック体系の熱中性子の吸収を増加させることにより、照射燃料集合体が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させ、バスケット材として高価なボロン中性子吸収材入りバスケット材を不要とし、その全部または一部をボロン中性子吸収材を含有しないバスケット材としたり、バスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度を低下させたり、あるいは照射燃料収納セル13間の間隔を狭め、さらに稠密度を増大させた照射燃料貯蔵ラック12を提供するものである。
【0069】
この照射燃料貯蔵ラック12は、照射燃料収納セル13間に水領域22が存在する場合、照射燃料収納セル13間の水領域22に中性子吸収体25(25A,25B)を設置することにより、照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の吸収を増加させることができる。
【0070】
照射燃料(照射燃料集合体)が収納された照射燃料収納体系の実効増倍率を低下させる効果は水中に置かれる角柱形状の照射燃料集合体を仕切板または角管格子状に形成した多数の照射燃料収納セルで構成される照射燃料収納装置において一般的に得られる効果である。
【0071】
原子力発電ブラントにおいて、原子炉を一定期間運転後、原子炉炉心に装荷された原子炉燃料は、使用済となって炉心から取り出される。原子炉炉心から取り出された照射燃料を燃料貯蔵プール11に移送し、燃料貯蔵プール11内に貯蔵された照射燃料貯蔵ラック12で一定期間貯蔵し、冷却した後、再処理工場または中間貯蔵施設への搬出のため、照射燃料が照射燃料輸送または輸送貯蔵容器のバスケットに収容されて輸送または輸送貯蔵される。
【0072】
多数の照射燃料収納セルで構成される照射燃料輸送または輸送・貯蔵容器のバスケットは、照射燃料収納セル13間に水領域22が存在する場合、中性子吸収体25(25A,25B)を照射燃料収納セル間の水領域22中に設置し、照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の吸収を増加させることにより、照射燃料集合体が収納された照射燃料バスケット体系の実効増倍率を低下させ、バスケット材として高価なボロン中性子吸収材入りバスケット材を不要とし、その全部または一部をボロン中性子吸収材を含有しないバスケット材としたり、バスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度を低下させることができる。水領域22に中性子吸収体25を設置することにより、あるいは照射燃料収納セル13間の間隙dを狭め、稠密度を増大させた照射燃料輸送または輸送貯蔵容器のバスケットが提供できる。
【0073】
図9および図10は、本発明に係る照射燃料貯蔵ラックの第2実施形態を示す平断面図および側断面図である。
【0074】
この実施形態に示された照射燃料貯蔵ラック12Aは、BWRやPWRの燃料貯蔵プール11や核燃料再処理施設のプールに敷設されるものである。図9は図10のIX−IX線に沿う平断面図、図10は図9のX−X線に沿う側断面図である。
【0075】
第2実施形態に示された照射燃料貯蔵ラック12Aは、第1実施形態に示された照射燃料貯蔵ラック12と、照射燃料収納セル13間に形成される水領域22の配置構造を除いて異なるところがないので、同じ構成には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0076】
照射燃料貯蔵ラック12Aは、ラック外枠20内に多数の角筒状あるいは角管状の照射燃料収納セル13がマトリックス状あるいは格子状に配列される。各照射燃料収納セル13は、図9において、縦方向あるいは列方向に間隙dをおいて配置され、かつ、横方向あるいは行方向に間隙dをおいて配置される。この照射燃料貯蔵ラック12Aは、多数の照射燃料収納セル13が照射燃料収納セル13間の縦方向および横方向の2方向に間隙をおいてマトリックス状あるいは格子状に配置される。
【0077】
各照射燃料収納セル13のセル間に形成される縦方向あるいは列方向の間隙dには、間隔を保持する長尺の細長い矩形状の保持スペーサ30が設けられ、また、左右の横方向あるいは行方向の間隙dには、間隔を保持する細長い矩形状の保持スペーサ31が設けられる。縦横の保持スペーサ30,31は立体交差するように各照射燃料収納セル13のセル同士の間隙d,dの少なくとも上下2箇所ずつに配置され、照射燃料収納セル13同士の間隔は、保持スペーサ30,31により安定的に保持される。
【0078】
矩形形状の保持スペーサ30,31には、照射燃料収納セル13に対向して細長い挿通孔32,33が長手方向に形成され、各挿通孔32,33に矩形プレート状の中性子吸収体25が通される。中性子吸収体25は、照射燃料収納セル13間の水領域22a,22bに配置される。中性子吸収体25は平板状に形成され、中性子吸収核種であるB−10あるいはHf等の中性子吸収材で構成される。
【0079】
照射燃料貯蔵ラック12Aは、多数の照射燃料収納セル13間に図9に示すように、縦方向(列方向)および横方向(行方向)の双方向に延びる水領域22a,22bが形成され、この水領域22a,22bに中性子吸収体25が配置される。中性子吸収体25は、各照射燃料収納セル13に対応する中性子吸収体設置位置にそれぞれ対向配置される。各中性子吸収体25は、照射燃料収納セル13の4側面を囲むように設けられる。
【0080】
また、照射燃料貯蔵ラック12Aは、図9ではラック外枠20を備えたものを例示したが、ラック外枠は、照射燃料貯蔵ラックのタイプによっては不要なものもある。
【0081】
この照射燃料貯蔵ラック12Aは、図3および図4に示す照射燃料貯蔵ラック12と同様な作用効果を示す。照射燃料貯蔵ラック12Aは、照射燃料収納セル13の周囲に水領域22a,22bを形成し、この水領域22a,22bに中性子吸収体25を照射燃料収納セル13の4側面に対向設置したので、照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の吸収を増加させることができ、照射燃料集合体が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させることができる。
【0082】
この照射燃料貯蔵ラック12Aでは、照射燃料収納セル13のバスケット材として高価なボロン中性子吸収材入りのバスケット材を不要とすることができ、照射燃料収納セル13の全部または一部をボロン中性子吸収材を含有しないバスケット材としたり、バスケット材中のボロン中性子吸収材の濃度を低下させたり、あるいは照射燃料収納セル13間の間隔を狭め、稠密度を増大させた照射燃料貯蔵ラック12を提供する。
【0083】
図11および図12は、本発明に係る照射燃料貯蔵ラックの第3実施形態を示す部分的な側断面図および平断面図である。
【0084】
この実施形態に示された照射燃料貯蔵ラック12Bは、中性子吸収体25の設置構造に特徴を有し、他の構成は第1実施形態に示された照射燃料貯蔵ラック12と異ならないので同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0085】
図11に示された照射燃料貯蔵ラック12Bは、その台座15に中性子吸収体25を載置したものである。この照射燃料貯蔵ラック12Bは、少なくとも上下に一対の矩形形状の平板プレート状の保持スペーサ35を設け、上下対の保持スペーサ35にセル挿通孔36と長尺の細長い矩形状の中性子吸収体25の挿通孔37とを対向して形成し、セル挿通孔36および中性子吸収体25の挿通孔37に照射燃料収納セル13および中性子吸収体25をそれぞれ挿通させ、設けたものである。
【0086】
中性子吸収体25は、図12に示すように、照射燃料収納セル13のセル同士間に配置される。中性子吸収体25を保持スペーサ35の挿通孔36に挿通させた例を示したが、中性子吸収体25の挿通孔を必ずしも形成する必要がなく、保持スペーサ35は照射燃料収納セル13のセル間を開口とし、この開口に中性子吸収体25を案内させてもよい。
【0087】
この場合には、水領域22に設置した中性子吸収体25が、一方の照射燃料収納セル13側に倒れかかることがあるが、その場合でも、水領域22に設置した中性子吸収体25が照射燃料貯蔵ラック体系の熱中性子の吸収を増加させることができ、照射燃料集合体が収納された照射燃料貯蔵ラック体系の実効増倍率を低下させる効果は失われない。
【0088】
図11および図12では、照射燃料貯蔵ラック12に収納されるバスケットの照射燃料収納セル13において、照射燃料収納セル13を構成する仕切板または角管14が角管形状のセル管の場合についてのみ説明したが、仕切板を用いる場合は、照射燃料収納セル13の角管形状のセル管14が、単に仕切板を組み合わせて構成される照射燃料収納セル13に替わるだけで、照射燃料貯蔵ラック12の作用効果上の内容に何ら変わることはない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】沸騰水型原子炉(BWR)使用済燃料プールに設置される本発明の照射燃料貯蔵ラックを示す一部破断斜視図。
【図2】使用済照射燃料(照射燃料集合体)を収納する代表的な照射燃料貯蔵ラックを示す斜視図。
【図3】本発明に係る照射燃料貯蔵ラックの第1実施形態を示すもので、図4のIII−III線に沿う部分的な平断面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う照射燃料貯蔵ラックの部分的な側断面図。
【図5】(A)および(B)は照射燃料収納セル間の水領域に配置される中性子吸収体の平面図および側面図。
【図6】(A)および(B)は図5の中性子吸収体の第1変形例を示す平面図および側面図。
【図7】(A)および(B)は図5の中性子吸収体の第2変形例を示す平面図および側面図、(C)は中性子吸収体に収容される中性子吸収棒の側面図。
【図8】典型的な照射燃料貯蔵ラック体系での中性子束の変化を示す図。
【図9】本発明に係る照射燃料貯蔵ラックの第2実施形態を示すもので、図10のIX−IX線に沿う平断面図。
【図10】図9のX−X線に沿う照射燃料貯蔵ラックの側断面図。
【図11】本発明に係る照射燃料貯蔵ラックの第3実施形態を示すもので、図12のXI−XI線に沿う側断面図。
【図12】図11のXII−XII線に沿う照射燃料貯蔵ラックの平断面図。
【符号の説明】
【0090】
10 原子炉建屋
11 燃料貯蔵プール
12 照射燃料貯蔵ラック
13 照射燃料収納セル
14 角管(セル管)
15 台座
16 固定ボルト
20 ラック外枠
21 保持スペーサ
22 水領域
24 挿通孔
25,25A,25B 中性子吸収体
27 中性子吸収板
28 本体
29 中性子吸収棒




 

 


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