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発明の名称 放射性廃液の処理装置及びその処理方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−3270(P2007−3270A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181792(P2005−181792)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100103333
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 治
発明者 春口 佳子 / 三倉 通孝 / 村田 栄一 / 佐藤 龍明 / 櫻井 次郎 / 高田 孝夫
要約 課題
放射性廃液中の鉄の価数をコントロールした後に酸化鉄形態とすることにより、放射性核種を分離操作するときの分離効率の向上を図る。

解決手段
本発明に係る放射性廃液処理装置は、pH調整剤タンク3から供給されるpH調整剤でpH調整し、還元剤タンク2から供給される還元剤で放射性廃液に含有する鉄イオンを加温しながら還元する廃液タンク1と、pH調整タンク3から供給されるpH調整剤でpH調整し、廃液タンク1から供給され還元された放射性廃液中の水酸化鉄形態を酸化鉄形態に転換する温調設備4を備えた転換タンク5と、転換タンク5から供給され転換された放射性廃液を上澄み液と残渣とに固液分離する固液分離装置6と、固液分離装置6から供給される上澄み液を貯溜する上澄み液受けタンク7と、固液分離装置6から供給される残渣を貯溜するスラッジタンク8と、を有する。
特許請求の範囲
【請求項1】
還元剤を貯溜する還元剤タンクと、
pH調整剤を貯溜するpH調整剤タンクと、
このpH調整剤タンクから供給されるpH調整剤でpH調整し、前記還元剤タンクから供給される還元剤で放射性廃液に含有する鉄イオンを加温しながら還元する廃液タンクと、
前記pH調整剤タンクから供給されるpH調整剤でpH調整し、前記廃液タンクから供給され還元された放射性廃液中の水酸化鉄形態を酸化鉄形態に加温しながら転換する転換タンクと、
この転換タンクから供給され転換された放射性廃液を上澄み液と残渣とに固液分離する固液分離装置と、
この固液分離装置から供給される上澄み液を貯溜する上澄み液受けタンクと、
前記固液分離装置から供給される残渣を貯溜するスラッジタンクと、
を有することを特徴とする放射性廃液の処理装置。
【請求項2】
前記還元剤は、II価鉄、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム及び硫化ナトリウムから選択された少なくと1種であること、を特徴とする請求項1記載の放射性廃液の処理装置。
【請求項3】
前記廃液タンク、転換タンク、固液分離装置及びスラッジタンクから選択少なくとも1容器の外表面に遮へい体を設けること、を特徴とする請求項1記載の放射性廃液の処理装置。
【請求項4】
前記スラッジタンクに貯溜された残渣をセメントと混練して処分容器に流し込んでセメント固化体を形成すること、を特徴とする請求項1記載の放射性廃液の処理装置。
【請求項5】
前記上澄み液受けタンクに貯溜された上澄み液を濃縮減容して、前記セメントの混練水として使用すること、を特徴とする請求項4記載の放射性廃液の処理装置。
【請求項6】
貯溜された放射性廃液をpH調整剤でpH調整し、還元剤で放射性廃液に含有する鉄イオンを加温しながら還元する還元ステップと、
この還元ステップおいて還元された放射性廃液をpH調整剤でpH調整し、放射性廃液中の水酸化鉄形態を酸化物形態に加温しながら転換する転換ステップと、
この転換ステップにおいて転換された放射性廃液を上澄み液と残渣とに固液分離する固液分離ステップと、
この固液分離ステップにおいて固液分離された上澄み液を貯溜する上澄み液貯溜ステップと、
前記固液分離ステップにおいて固液分離された残渣を貯溜するスラッジ貯溜ステップと、
を有することを特徴とする放射性廃液の処理方法。
【請求項7】
前記還元ステップは、廃液タンクにおいて前記放射性廃液に含有する鉄イオンを温度制御しながら還元すること、を特徴とする請求項6記載の放射性廃液の処理方法。
【請求項8】
前記転換ステップは、転換タンクにおいて前記放射性廃液に含有する水酸化鉄形態を酸化物形態に温度制御しながら転換すること、を特徴とする請求項6記載の放射性廃液の処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃液を処理する放射性廃液の処理装置及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所から発生する廃液、特に、原子炉一次系の冷却材の浄化に使用されるイオン交換樹脂の再生利用のため、溶離操作によって生成される無機酸廃液には、多量の金属イオンや放射性核種が含まれる。このうち金属イオンとして含有される主要成分には、配管材料の主要構成元素として含有される鉄があり、放射性核種としては、配管の腐食生成物として支配的なコバルト、クロム、ニッケル又は核分裂生成物であるストロンチウム若しくはテクネチウム等がある。
【0003】
これら金属イオンや放射性核種を含有する廃液は、中和操作により中性又はアルカリ性に調整された後、濃縮等の操作により減容され長期間貯蔵される。これらの廃液には多量の放射性核種が含有されており、このことから非常に放射能レベルが高いことが特徴である。このため、遮へい構造が大型化するという短所がある。
【0004】
これに対しては、化学操作による前処理を行って放射能レベルの高い放射性核種を分離し、この分離された廃液の線量率を低減させることによって、遮へい構造を合理化する方法が提案されている。この中で、効果的な前処理法の一例として、前処理として鉄を添加し、鉄との共沈体を生成させることによる分離法(晶析共沈法)等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、鉄の沈殿生成により放射性核種を分離する際に、この廃液中に含有する鉄が分離後も水酸化鉄として存在するという短所がある。すなわち、この無機酸廃液中に含まれる鉄(イオン)は、その多くがIII価で存在していると考えられる。この状態において、通常の中和処理を行うと、この鉄(イオン)は、水酸化鉄(III価)の形態になる。水酸化鉄は粘性が高い(沈降性が悪い)ために、廃液中に一定量以上の水酸化鉄(III)が存在すると固液分離性が悪くなる。このために、廃液の固液分離作業に要する時間が長期間に及び、従業員が過度に被ばくを受ける恐れが発生する。
【0006】
また現状では、これらの廃液の長期貯蔵後の処分については、明確な方法が規定されていない。しかし、最終的にはこの廃液とセメントとを混練し、セメント固化体の形で処分を行う可能性がある。このときにも、廃液中に含有される鉄が水酸化鉄となり、固液分離操作時又は混練操作時等のハンドリングに支障をきたすおそれが生じる。
【特許文献1】特許第3264940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、放射性廃液に含有される鉄又はこれらの鉄が水酸化鉄形態を取りうることによって生じる上記課題を解決するためになされるものである。
【0008】
即ち、放射性廃液である無機酸廃液中に含まれる鉄(イオン)は、その多くがIII価で存在している。この放射性廃液を通常の中和処理を行うと、この鉄(イオン)は、水酸化鉄(III)の形態になる。この水酸化鉄は粘性が高い(沈降性が悪い)ために、廃液中に一定量以上の水酸化鉄(III)が存在すると固液分離性が悪くなる。このために、廃液の固液分離作業に要する時間が長期間に及び、従業員が過度に被ばくを受ける恐れが発生する、という課題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、放射性廃液中の鉄の価数をコントロールした後に酸化鉄形態とすることにより、分離操作時の分離効率の向上を図ることができる放射性廃液の処理装置及びその処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の放射性廃液の処理装置においては、還元剤を貯溜する還元剤タンクと、pH調整剤を貯溜するpH調整剤タンクと、このpH調整剤タンクから供給されるpH調整剤でpH調整し、前記還元剤タンクから供給される還元剤で放射性廃液に含有する鉄イオンを加温しながら還元する廃液タンクと、前記pH調整剤タンクから供給されるpH調整剤でpH調整し、前記廃液タンクから供給され還元された放射性廃液中の水酸化鉄形態を酸化鉄形態に加温しながら転換する転換タンクと、この転換タンクから供給され転換された放射性廃液を上澄み液と残渣とに固液分離する固液分離装置と、この固液分離装置から供給される上澄み液を貯溜する上澄み液受けタンクと、前記固液分離装置から供給される残渣を貯溜するスラッジタンクと、を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の放射性廃液の処理方法においては、貯溜された放射性廃液をpH調整剤でpH調整し、還元剤で放射性廃液に含有する鉄イオンを加温しながら還元する還元ステップと、この還元ステップおいて還元された放射性廃液をpH調整剤でpH調整し、放射性廃液中の水酸化鉄形態を酸化物形態に加温しながら転換する転換ステップと、この転換ステップにおいて転換された放射性廃液を上澄み液と残渣とに固液分離する固液分離ステップと、この固液分離ステップにおいて固液分離された上澄み液を貯溜する上澄み液貯溜ステップと、前記固液分離ステップにおいて固液分離された残渣を貯溜するスラッジ貯溜ステップと、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の放射性廃液の処理装置及びその処理方法によれば、放射性廃液中の鉄の価数をコントロール、すなわち化学処理によりIII価鉄をII価鉄に還元させた後に、酸化鉄形態とすることにより、放射性核種を分離操作するときの分離効率の向上を図ることができる。
【0013】
また、放射性廃液中の鉄の価数をコントロールした後に、酸化鉄形態とすることにより、分離操作の後段で実施する放射性廃液に係るセメント固化処理の負荷軽減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る放射性廃液の処理装置及びその処理方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態の放射性廃液処理装置の概要を示す構成図である。
【0016】
本図に示すように、廃液タンク1中の放射性廃液は、還元剤タンク2又はpH調整剤タンク3から還元剤、pH調整剤等の薬剤がそれぞれ投入されることによって、放射性廃液は所定の還元剤濃度、pHとなるように調整される。
【0017】
同時に、廃液タンク1は図示しない温度調節器を備えた加温ヒータ4により、温度計4aで温度を測定しながら所定温度まで加温される。所定時間経過後に、廃液タンク1内の放射性廃液は、移送配管1aを経由して転換タンク5に移送される。
【0018】
転換タンク5において、図示しない温度調節器を備えた加温ヒータ9により、温度計9aで温度を測定しながら所定温度まで加温される。同時に、pH調整剤タンク3からpH調整剤が投入されることによってpH調整がされる。このpH調整によって、放射性廃液中の水酸化鉄は酸化鉄へ転換される。
【0019】
水酸化鉄から転換された酸化鉄を含有する放射性廃液は、移送配管5aを経由して固液分離装置6に移送される。
【0020】
固液分離装置6において、放射性廃液は、上澄みとスラッジとに分離される。この固液分離操作としては、沈降、ろ過、磁性の利用等による処理方法がある。この固液分離された上澄みは、上澄み水受けタンク7に移送されて貯蔵される。
【0021】
この上澄み水受けタンク7の下部に沈澱した沈澱物は、セメント固化系7aに移送され、長期貯蔵される。また、酸化鉄を主成分とするスラッジは、スラッジタンク8に移送されて貯蔵される。このスラッジタンク8に貯蔵されたスラッジは、セメント固化系8aに移送され、長期貯蔵される。
【0022】
このように構成された本実施の形態において、放射性廃液中の鉄の価数を化学処理により III価鉄をII価鉄に還元させ又はIII価鉄とII価鉄の存在比率を制御した後で、酸化鉄形態とすることができる。
【0023】
本実施の形態によれば、放射性廃液中の鉄イオンを酸化鉄形態とすることにより、固液分離性に悪影響を与える水酸化鉄(III価)の発生を抑制して、放射性核種を分離操作するときの分離効率の向上を図ることができる。さらに、固液分離操作の後段で実施する放射性廃液に係るセメント固化処理の負荷軽減を図ることができる。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態の放射性廃液処理方法の手順を示すフロー図である。
【0025】
本図に示すように、鉄イオンを含有する放射性廃液11を緩やかに加温12する。この処理前の放射性廃液11の中に含まれる鉄イオンは、その多くはIII価で存在する。
【0026】
鉄イオンを含有する放射性廃液11のpH調整13を行う。さらに、還元剤(II価鉄、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム及び硫化ナトリウムから選択される少なくとも1種)等の薬剤14を添加して鉄イオンを還元してII価鉄15とする。
【0027】
この還元してII価鉄15を含有する放射性廃液11にさらにpH調整剤16を添加して、液性を中性又はアルカリ性とする。この後、水酸化鉄17を生成しつつ、加温処理18を継続する。このようにして、酸化鉄19への形態転換を促進する。生成された酸化鉄19は固液分離された後に、残渣21として回収される。酸化鉄19を除去した溶液は、ろ液20として回収される。
【0028】
このように構成された本実施の形態において、放射性廃液中の鉄の価数を化学処理により III価鉄をII価鉄に還元した後に、酸化鉄形態とすることができる。
【0029】
本実施の形態によれば、放射性廃液中の鉄イオンを酸化鉄形態とすることにより、
固液分離性に悪影響を与える水酸化鉄(III価)の発生を抑制して、放射性核種を分離操作するときの分離効率の向上を図ることができる。
【0030】
ここで、上述の還元剤投入に係る実施例について以下に説明する。
【0031】
図3は、図2の還元剤投入による鉄(III価)還元試験結果を示すグラフである。
【0032】
放射性廃液の模擬として、Fe(III価)1,000ppm、pH2に調整した塩化鉄(III価)(FeCl)溶液200mLを準備した。これを50℃に加温し、還元剤としてチオ硫酸ナトリウム(最終添加量0.045mol)を添加した後で、鉄価数の経時変化を測定した。本図に示すように、ほぼ全量の鉄が速やかにIII 価からII価に還元されることが分る。
【0033】
図4は、図2のpH、温度条件が模擬廃液中の鉄形態に及ぼす影響を示す表である。
【0034】
図3に示す還元処理後の模擬廃液に、引き続きpH 調整(パラメータ;pH8,10,12)及び温度調整(パラメータ;室温、50℃)を実施した際の鉄の形態を確認した。この鉄の形態は、残渣を回収してX線回折による分析を行って確認した。pH12、50℃に加温したときに、酸化鉄Fe形態が確認された。このpH12、50℃に加温した条件の下で、鉄イオンは酸化鉄として存在しうることが判明した。図5に、この模擬廃液の残渣を回収してX線回折による分析を行った。この分析の結果、酸化鉄によるX線回折ピークが発生しており、酸化鉄の発生状況を確認することができる。
【0035】
図6は、図4の模擬廃液中残渣の沈降速度への影響を示すグラフである。
【0036】
スラリー状の模擬廃液100mLをメスシリンダーに入れ、沈降残渣と上澄みとの界面すなわち、沈降物の高さを示す目盛りを経時的に読み取り、これから沈降速度を算出した。本図より、薬剤処理後の廃液で得られる沈降速度は、未実施の場合と比較して、約3.5倍となることが分る。この沈降速度の増加は、沈降時又はろ過時における固液分離性の向上を意味している。このことから、本還元剤処理によって溶液の操作性が大幅に向上することが分り、本処理の有効性を確認することができる。
【0037】
図7は、本発明の他の実施の形態の放射性廃液処理方法による晶析共沈時の処理を示すフロー図である。本図は、図2の実施の形態に、予め過剰量の鉄(II価)を添加した後に加熱を追加するものであり、図2と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0038】
本図に示すように、予め過剰量の鉄(II価)22を添加した後で加熱し、その後沈殿物21を生成させるものである。
【0039】
本実施形態の放射性廃液処理は、晶析共沈処理等に適用されるものである。このフローでは、鉄イオンが水酸化物ではなく、酸化物として黒色沈殿が生成される。同時に、放射性廃液中に含有される他の金属、例えばコバルト、クロム、ニッケル、ストロンチウム、テクネチウム等が沈殿残渣に随伴して沈降される。沈殿の沈降性すなわちろ過性の改善を図ることができ、同時に高線量率の起因となる放射性核種の分離が容易となる。
【0040】
また、晶析共沈による核種分離プロセスを経由して放射性廃液を処理する場合、図1に示すスラッジタンク8に移送されるスラッジには、鉄の他に高線量率の原因となる他の放射性核種、例えばコバルト-60が含有されている。このため、スラッジタンク8又はその前段設備には、遮へい設備を設置する必要がある。
【0041】
一方、上澄み水受けタンク7中の溶液が起因となる線量率は十分に低いので、大型の遮へい設備が不必要となり設備の合理化を図ることができる。
【0042】
図8は、遮へい体を設けた放射性廃液処理装置を示す縦断面図である。
【0043】
本図に示すように、この放射性廃液処理装置を構成する機器のうち、高線量率が見込まれる機器として、1階には、スラッジタンク61、セメント固化装置(L1用)62が配置されている。2階には、ろ過水受けタンク63、無機イオン交換塔64、ろ過器65、晶析共沈塔66等が配置されている。この高線量率が見込まれる機器に対して、その周囲に遮へい体61a〜66aが設けられる。この遮へい体61a〜66aを設けることによって機器周辺の線量率の低減が実現され、この結果、長時間に及ぶ従業員によるアクセスが可能となる等作業の効率化を図ることができる。
【0044】
なお、低線量率が見込まれる機器として、1階には、セメント固化装置(L2用)67が配置されている。2階には、処理水受けタンク(A)68、処理水受けタンク(B)69等が配置されている。これらの機器は、低線量率のために、遮へい体は不要である。
【0045】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態の放射性廃液処理方法のセメント固化体作成のための手順を示すフロー図である。本図は、図2の薬剤である還元剤14の処理によって分離される上澄み液であるろ液20とスラッジである残渣21とを固化体化する構成を示したものであり、図2と同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
【0046】
本図に示すように、固液分離後の上澄み液(ろ液)20は、計量槽43において計量される。この計量された上澄み液20は、粉体計量槽40で適切な量を計量したセメント41と共にミキサー42に投入される。このセメント41は、普通ポルトランドセメント又は高炉セメント等が使用される。このミキサー42で混合するときに、必要に応じて減水剤等が投入される。投入される上澄み液の量は、図示しないポンプで調整しながら適宜供給される。
【0047】
ミキサー42で所要時間混合した後で、再度計量44した後に、容器45に移送され充填される。この後、混合物を所定期間養生した後に、セメント固化体46が形成される。
【0048】
一方、固液分離後のスラッジである残渣21は処理後、容量又は重量が計量槽47で計量される。この残渣21の主要成分は、酸化鉄Feである。計量された残渣21は、混練水52と共にセメントミキサー48に投入される。投入された残渣21は混練水と共に一定時間ミキサー48で混合した後に、容器に応じた適切な量を計量49して容器50内に充填される。この混練物を所定期間養生した後に、セメント固化体51が形成される。
【0049】
このように構成された本実施の形態において、放射性廃液中の鉄の価数を化学処理によりIII価鉄をII価鉄に還元した後で、酸化鉄形態とすることができる。
【0050】
本実施の形態によれば、放射性廃液中の鉄イオンを酸化鉄形態とすることにより、固液分離性に悪影響を与える水酸化鉄(III価)の発生を抑制して、固液分離操作の後段で実施する放射性廃液に係るセメント固化処理の負荷軽減を図ることができる。
【0051】
さらに、本発明は、上述したような各実施の形態に何ら限定されるものではなく、セメント固化体をガラス固化体やガラス固化体に変更してもよく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態の放射性廃液処理装置の概要を示す構成図。
【図2】本発明の実施の形態の放射性廃液処理方法の手順を示すフロー図。
【図3】図2の還元剤投入による鉄(III価)還元試験結果を示すグラフ。
【図4】図2のpH、温度条件が模擬廃液中の鉄形態に及ぼす影響を示す表。
【図5】図4の模擬廃液の残渣を回収してX線回折による分析を行った結果を示す特性図。
【図6】図4の模擬廃液中残渣の沈降速度への影響を示すグラフ。
【図7】本発明の他の実施の形態の放射性廃液処理方法による晶析共沈時の処理を示すフロー図。
【図8】遮へい体を設けた放射性廃液処理装置を示す縦断面図。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態の放射性廃液処理方法のセメント固化体作成のための手順を示すフロー図。
【符号の説明】
【0053】
1…廃液タンク、2…還元剤タンク、3…pH調整剤タンク、4…加温ヒータ、5…転換タンク、6…固液分離装置、7…上澄み水受けタンク、8…スラッジタンク。




 

 


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