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発明の名称 通信装置および通信方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−195125(P2007−195125A)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
出願番号 特願2006−13957(P2006−13957)
出願日 平成18年1月23日(2006.1.23)
代理人 【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
発明者 小野寺 浩司 / 浅見 重幸 / 倉田 康生 / 西堀 正人
要約 課題
安定性の高い通信経路を確立できる通信装置および通信方法を提供する。

解決手段
基地局装置30は、無線通信部50と、生成部52と、照合部58と、制御部60と、セレクタ62と、有線通信部64とを含む。無線通信部50は、複数の周波数帯のいずれかの周波数帯を使用して端末装置と通信し、同一の周波数帯を使用して所定の中継装置の信号を別の中継装置に中継する。生成部52は、無線通信部50において使用している周波数帯が示された周波数情報とESS−IDをハローパケットの一部として生成する。照合部58は、受信部54によって受信された周波数情報に含まれた周波数帯と、生成部52によって生成された周波数情報に含まれる周波数帯とを照合する。制御部60は、照合部58によって照合された結果、双方の周波数帯が一致する場合、新たな中継の対象となるべき基地局装置30を無線通信部50における中継の対象とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の周波数帯のうちのいずれかを使用して端末装置と通信し、同一の周波数帯を使用して所定の中継装置からの信号を別の中継装置に中継する無線通信部と、
前記無線通信部において使用している周波数帯が示された周波数情報を生成する生成部と、
前記無線通信部を介して、前記生成部によって生成された周波数情報を報知する報知部と、
前記無線通信部を介して、新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知された周波数情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された周波数情報に含まれた周波数帯と、前記生成部によって生成された周波数情報に含まれる周波数帯とを照合する照合部と、
前記照合部によって照合された結果、双方の周波数帯が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を前記無線通信部における中継の対象とする制御部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記無線通信部において通信対象となっている端末装置と、中継対象となっている中継装置と、当該通信装置とを含むグループを示すグループ識別情報を生成し、
前記報知部は、前記無線通信部を介して、前記生成部によって生成されたグループ識別情報を報知し、
前記受信部は、前記無線通信部を介して、新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知されたグループ識別情報を受信し、
前記照合部は、前記受信部によって受信されたグループ識別情報と、前記生成部によって生成されたグループ識別情報とを照合し、
前記制御部は、前記照合部によって照合された結果、双方のグループ識別情報が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を前記無線通信部における中継の対象とすることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記無線通信部において使用している周波数帯が示された周波数情報をハローパケットの一部として生成することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
複数の周波数帯のいずれかの周波数帯を使用して端末装置と通信し、同一の周波数帯を使用して所定の中継装置の信号を別の中継装置に中継するステップと、
前記周波数帯が示された周波数情報を報知するステップと、
新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知された周波数情報と、前記報知するステップにおいて報知した周波数情報とを照合し、双方の情報が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を中継の対象に決定するステップと、
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項5】
前記報知するステップは、通信対象となっている端末装置と、中継対象となっている中継装置とを含むグループを示すグループ識別情報を報知し、
前記決定するステップは、新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知されたグループ識別情報と前記報知するステップにおいて報知したグループ識別情報とを照合し、双方のグループ識別情報が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を中継の対象とすることを特徴とする請求項4に記載の通信方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線技術に関し、特に端末装置と制御局の通信を中継する通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速データ通信を実現する無線通信システムとして、無線LAN(Local Area Network)が注目されている。無線LANにおいて、端末装置が移動する場合、端末装置とネットワークとを中継する基地局装置は、双方向からの通信を中継するとともに、他の端末装置による干渉の影響に対する対策を講じる必要がある。そこで、干渉の影響を低減する一方策として、たとえば、放送などと比較して微弱な電波による通信が行われている。つまり、通信に用いられる信号の到達距離を短くすることにより、距離が離れた位置の端末装置からの干渉を受けることがなくなり、全体としての干渉量を低減することができる。
【0003】
一方、信号の到達距離を短くするということは、基地局装置と直接通信可能な範囲が狭くなるということであり、基地局装置から離れた位置の端末装置との通信を中継する中継装置の重要度が益々高くなる。しかも、端末装置が1つの中継装置のみを介して通信するシングルホップ中継方式のみならず、端末装置が複数の中継装置を介して通信するマルチホップ(多段)中継方式が必須になると考えられる。従来、端末装置および中継装置が同一のルーティング情報を共有し、情報信号の通信に先立って、信号の送信元となる端末装置がルーティング情報によって通信ルートを決定し、決定された通信ルートを中継制御信号によって確保していた(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−191922
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。すなわち、異なる通信経路における複数の中継装置において、互いに隣接している周波数帯を使用している場合、一方の中継装置において、他方の中継装置から送信された認証情報を受信する可能性がある。このとき、通信経路を確保すべきでない中継装置との間で不安定な通信経路が確立される場合があり、スループットやシステム負荷などに影響がでるおそれがある。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定性の高い通信経路を確立できる中継装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の通信装置は、複数の周波数帯のうちのいずれかを使用して端末装置と通信し、同一の周波数帯を使用して所定の中継装置からの信号を別の中継装置に中継する無線通信部と、無線通信部において使用している周波数帯が示された周波数情報を生成する生成部と、無線通信部を介して、生成部によって生成された周波数情報を報知する報知部と、無線通信部を介して、新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知された周波数情報を受信する受信部と、受信部によって受信された周波数情報に含まれた周波数帯と、生成部によって生成された周波数情報に含まれる周波数帯とを照合する照合部と、照合部によって照合された結果、双方の周波数帯が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を無線通信部における中継の対象とする制御部と、を備える。生成部は、無線通信部において使用している周波数帯が示された周波数情報をハローパケットの一部として生成してもよい。
【0007】
ここで、「報知する」とは、受信すべき装置を指定することなしに、送信することを含む。また、「ハローパケット」とは、制御情報を含む。また、「周波数情報をハローパケットの一部として生成」とは、周波数情報をハローパケットに付加、挿入することなどを含む。この態様によると、通信装置において使用している周波数帯と、新たな中継の対象となるべき中継装置の周波数帯とが異なる場合に、その中継装置を中継の対象としないため、通信経路を確保すべきでない中継装置との間で不安定な通信経路が確立されることを防止できる。
【0008】
生成部は、無線通信部において通信対象となっている端末装置と、中継対象となっている中継装置と、当該通信装置とを含むグループを示すグループ識別情報を生成し、報知部は、無線通信部を介して、生成部によって生成されたグループ識別情報を報知し、受信部は、無線通信部を介して、新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知されたグループ識別情報を受信し、照合部は、受信部によって受信されたグループ識別情報と、生成部によって生成されたグループ識別情報とを照合し、制御部は、照合部によって照合された結果、双方のグループ識別情報が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を無線通信部における中継の対象としてもよい。生成部は、無線通信部において使用している周波数帯が示された周波数情報をハローパケットの一部として生成してもよい。
【0009】
ここで、「グループ識別情報」とは、特定の制御局装置と通信を実行している中継装置と、その中継装置を介して接続されている中継装置または端末装置とで構成されるグループを示す情報を含み、たとえば、IEEE802.11に規定されたESS−ID(Extended Service Set IDentifier)を含む。この態様によると、通信装置の属するグループと、新たな中継の対象となるべき中継装置のグループとが異なる場合に、その中継装置を中継の対象としないため、通信経路を確保すべきでない中継装置との間で通信経路が確立されることを防止できる。
【0010】
本発明の別の態様は、通信方法である。この方法は、複数の周波数帯のいずれかの周波数帯を使用して端末装置と通信し、同一の周波数帯を使用して所定の中継装置の信号を別の中継装置に中継するステップと、周波数帯が示された周波数情報を報知するステップと、新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知された周波数情報と、報知するステップにおいて報知した周波数情報とを照合し、双方の情報が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を中継の対象に決定するステップと、を含む。この態様によると、通信装置において使用している周波数帯と、新たな中継の対象となるべき中継装置の周波数帯とが異なる場合に、その中継装置を中継の対象としないため、通信経路を確保すべきでない中継装置との間で通信経路が確立されることを防止できる。
【0011】
報知するステップは、通信対象となっている端末装置と、中継対象となっている中継装置とを含むグループを示すグループ識別情報を報知し、決定するステップは、新たな中継の対象となるべき中継装置によって報知されたグループ識別情報と報知するステップにおいて報知したグループ識別情報とを照合し、双方のグループ識別情報が一致する場合、新たな中継の対象となるべき中継装置を中継の対象としてもよい。この態様によると、通信装置の属するグループと、新たな中継の対象となるべき中継装置のグループとが異なる場合に、その中継装置を中継の対象としないため、通信経路を確保すべきでない中継装置との間で通信経路が確立されることを防止できる。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安定性の高い通信経路を確立できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態を具体的に説明する前に、まず概要を述べる。本発明の実施形態は、マルチホップ通信を実行する通信装置に関する。本実施形態に係る中継装置は、他の中継装置から送信された認証情報と自己の認証情報を照合することによって、他の中継装置との間で新たな通信経路を確立べきかについて判断する。一般的に、無線LANシステムにおいては、認証情報の受信電力の大きさ、中継数の少なさなどにより、通信経路が確立され、同一の周波数帯を使用している制御局、中継装置、端末装置の間において通信経路に関するグループが形成される。「同一の周波数帯を使用」とは、直接の通信相手との間において同一の周波数帯を使用していることを含む。たとえば、制御局と中継装置において第1の周波数帯が使用され、さらに、その中継装置と端末装置との間において第2の周波数帯が使用されることを含む。
【0015】
マルチホップ通信を使用しない無線LANにおいては、通信可能な中継装置と端末のグループ単位に同一の識別番号(以下、「ESS−ID」と表記する。)を割当てているため、異なるグループの中継装置、あるいは、端末装置との通信ができない。この機能は、端末装置が中継装置に接続する際に行なわれる認証手順により実行される。しかしながら、中継装置間において無線通信により中継するマルチホップ通信においては、中継装置同士の通信のため、端末装置が中継装置に接続する際に行なわれるような認証手順が実行されない。その代わりに、中継装置間において、相互に報知される報知情報(以下、「ハローパケット」と表記する。)によって互いの安定度を認識し、中継経路を確立している。したがって、異なる識別番号が設定されている中継装置の間においても、通信経路が確立されてしまう場合がある。
【0016】
また、無線LANのチャネル配置においては、周波数帯域を効率的に利用するため、たとえば、2.4GHz帯においては、5MHz単位で13チャネルが配置されている。しかしながら、変復調方式によっては、異なるチャネルを別々の中継装置に設定したとしても、それらの周波数帯が隣接している場合、隣接チャネルのサイドローブがセンターローブに干渉されてしまう。そうすると、異なるチャネルが設定されている中継装置から送信された信号が別の中継装置において復調されてしまう場合がある。このような場合、本来、受信することができないハローパケットを取得することになり、通信経路を確立すべきでない中継装置の間において意図しない通信経路が確立される状態が起こりうる。
【0017】
他方、このような場合であっても、無線LANにおいて採用されているCSMA/CA(Carrier Sence Multiple Access/Collision Avoidance)により、隣接チャネル同士の通信であっても、必ずしも通信断絶といったような状態に陥ることはない。しかしながら、意図しない不安定な通信経路の確立により、スループットやシステム容量に影響を与えることは避けられない。
【0018】
したがって、本発明の実施形態においては、ハローパケットに自己の中継装置にかかる識別番号と使用しているチャネルに関する情報とを含ませ、それらを照合対象とすることによって意図しない通信経路の確立を防止することとした。このような態様をとることによって、安定性の高い通信経路を確立できる。詳細は後述する。なお、中継装置とは、2つの通信装置間の通信を中継する装置を含む。以下においては、説明を簡易にするために、「基地局装置」と表記する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態にかかる第1通信システム100の構成例を示す。第1通信システム100は、有線ネットワーク200と、第1サーバ10と、第2サーバ20と、基地局装置30で代表される第1基地局装置32と第2基地局装置34と第3基地局装置36と、端末装置40とを含む。有線ネットワーク200は、インターネットなどの有線通信網である。第1サーバ10および第2サーバ20は、有線ネットワーク200と接続されており、基地局装置を制御する。また、第1サーバ10は、有線回線を介して、第1基地局装置32と接続されている。第1基地局装置32もしくは第2基地局装置34は、無線回線を介して、端末装置40と通信を実行してもよい。また、第1基地局装置32と第2基地局装置34は、無線回線を介して、お互いに通信を実行してもよい。また、第1基地局装置32と第2基地局装置34は、端末装置40との通信を互いに中継してもよい。
【0020】
なお、図1においては、説明を簡易にするために、サーバとして第1サーバ10と第2サーバ20のみを図示したが、他のサーバが存在してもよい。また、第1サーバ10と接続されている基地局装置30のみ図示したが、第2サーバ20も同様に、有線回線を通じて他の基地局装置と接続されていてもよい。また、第1サーバ10に有線接続されている基地局装置30として、第1基地局装置32を図示したが、他の基地局装置が接続されていてもよい。また、端末装置40を1つのみ図示したが、所定の基地局装置と通信を実行する他の端末装置が存在してもよい。
【0021】
端末装置40は、第1基地局装置32を介して、第1サーバ10と接続される。また、端末装置40は、第2基地局装置34に中継され、第1基地局装置32を介して第1サーバ10と接続されてもよい。このように、複数の通信経路が候補として選択できることによって、選択の柔軟性が向上する。たとえば、第1基地局装置32と端末装置40の間に遮蔽物が存在する場合、第1基地局装置32を介した第1サーバ10との通信においてスループットが低下するような場合がある。このような場合、端末装置40は、まず、第2基地局装置34と通信を実行し、第2基地局装置34は、端末装置40との通信を第1基地局装置32に中継し、第1基地局装置32は、第1サーバ10に中継する。このような態様をとることにより、端末装置40は、快適な通信環境を継続して実行することができる。
【0022】
ここで、第1基地局装置32と第2基地局装置34の通信、および、端末装置40と第1基地局装置32もしくは第2基地局装置34との通信においては、同一の周波数帯域において実行されている。また、端末装置40は、第1基地局装置32および第2基地局装置34と同一のESS−IDが設定されることによって、第1基地局装置32および第2基地局装置34との通信が可能となる。また、第1基地局装置32と第2基地局装置34も同様に、同一のESS−IDが設定される。ESS−IDとは、特定のアクセスポイントと通信する機器を示すグループ名を示す。アクセスポイントと同じESS−IDを設定した端末装置のみがそのアクセスポイントと通信できる。また、アクセスポイントには、使用すべきチャネルが設定される。なお、アクセスポイントとは、第1サーバ10と端末装置40の通信を中継する通信装置を含み、たとえば、基地局装置30を含む。
【0023】
第3基地局装置36において、第1基地局装置32、第2基地局装置34および端末装置40と異なる周波数帯域が設定されている場合、第1基地局装置32、第2基地局装置34および端末装置40との通信は、原則、不可能である。また、第1基地局装置32、第2基地局装置34および端末装置40と異なるESS−IDが設定されている場合も同様である。しかしながら、前述したように、第1基地局装置32と第3基地局装置36とがそれぞれ隣接するチャネルを使用しているような場合、図示するごとく、第3基地局装置36との間における通信が可能となってしまう場合がある。
【0024】
ここで、無線LANについて説明する。無線LANは、IEEEにて標準化された規格であり、現状では、IEEE802.11aとIEEE802.11bとIEEE802.11gという規格がある。ここで、IEEE802.11bとIEEE802.11gは相互接続できるが、IEEE802.11aは、IEEE802.11bとIEEE802.11gと接続できない。また、IEEE802.11aとIEEE802.11gの伝送速度は、最大54Mbpsである一方、IEEE802.11bは、11Mbpsとなる。また、これらが利用する周波数帯域はそれぞれ異なり、IEEE802.11aが使う周波数帯域は5GHz帯であり、IEEE802.11bとIEEE802.11gが使う周波数帯域は2.4GHz帯である。IEEE802.11aが使う5GHz帯は周波数が高いので、電波が直線的に進む特性がある。その結果、アンテナの向きや途中にある壁などの遮蔽物が電波の受信状況に悪影響を及ぼしやすい。さらに、減衰が大きいので電波が届く伝送距離も短い。IEEE802.11aが使う5GHz帯に比べると、IEEE802.11aとIEEE802.11gで使用する2.4GHz帯は周波数が低い。その分、電波が遠くまで届き、伝送距離は、IEEE802.11aより長い。ただし、2.4GHz帯は電子レンジやブルーツース(IEEE802.15.1)など無線LAN以外の機器にも使用されているため、電波が混み合い、伝送速度に影響を与える場合がある。
【0025】
図2は、図1の基地局装置30と端末装置40とが使用するチャネル配置500の構成例を示す。チャネル配置500は、第1チャネル501、第2チャネル502、・・・、第14チャネル514とを含んで構成される。無線LANでは、同時に複数の機器が通信できるように周波数帯域を細かく分割し、それぞれをチャネルと称している。たとえば、IEEE802.11bとIEEE802.11gで使用する2.4GHz帯は、14のチャネルに分けられており、IEEE802.11bは第1チャネル501〜第14チャネル514、IEEE802.11gは第1チャネル501〜第13チャネル513チャネルを使用できる。無線LANで通信する際は、アクセスポイントごとにどのチャネルを使うか設定される。同じ場所で複数のアクセスポイントを使う場合、離れたチャネルを設定することによって、伝送品質、スループットを向上できる。
【0026】
無線LANにおいては、近い場所で複数のアクセスポイントが使えるように、複数のチャネルを用意している。ただし、2.4GHz帯を使うIEEE802.11bとIEEE802.11gのチャネルは、図2に示すように、互いに重なり合う部分が存在し、隣接チャネルを同時に使うと伝送速度が低下する場合がある。
【0027】
無線LANが用いられている2周波数帯では、さまざまな変復調方式・帯域幅を持った装置の共用が認められている。しかし、想定される帯域幅を最大限に取った無線チャネル割り当てであると、狭い帯域幅で十分な装置でのチャネル利用時に比べ、冗長な無線チャネル割り当てとなる。そのため、中心周波数をある程度ずらすような無線チャネル割り当てをし、さらに広帯域幅を使用する装置では装置の運用時に相互干渉の起きないように、使用者側が任意にチャネル配置をすることしている。例えば、IEEE802.11b方式とIEEE802.11g方式とでは変復調方式や伝送速度が異なるが、例えばIEEE802.11g方式の装置はIEEE802.11b方式の無線フレームを送受信できるようになっており、相互に共存できるようになっている。
【0028】
無線LANで用いられている変復調方式では、ある程度距離が離れていれば、相互に帯域が重なり合っているチャネルで運用していても、受信レベルの低下や、遠近問題により実用上問題が無くなる。遠近問題とは、自局に近い局と遠い局が同時に自局に対して通信を行なうと、自局に近い方の局の電波の方が圧倒的に強く受信され、遠い局からの電波はほとんど埋もれてしまい、著しく通信品質が下がるか、あるいは通信できない状態といった問題をさす。
【0029】
そのため、アクセスポイント毎の無線チャネルを相互に帯域が被ってしまうチャネル同士に設定しても干渉がおきにくい。従って、広範囲に運用する場合にチャネル間の距離が長い状態で干渉が置きにくい状態であれば、隣接チャネルにて運用が可能である。このような運用方法により、周波数利用効率の高い無線チャネル配置が実現できる。
【0030】
ここで、基地局装置30同士において無線通信の経路の確立について説明する。無線通信の経路の確立においては、お互いにハローパケットを報知することによって、お互いを認識し、中継すべきか否かを判断する。しかしながら、ハローパケットは相手方を特定せずに報知する信号であるため、いずれの基地局装置30が受信するかは想定できない。また、前述のように、中継の対象とすべきでない隣接チャネルを使用している基地局装置30からのハローパケットを誤って受信し、復調が成功してしまったような場合、望まれざる通信経路が確立されてしまう。そこで、本発明の実施形態においては、このハローパケットに、前述した端末装置40と基地局装置30との通信経路の確立に用いられる周波数帯を示す周波数情報や、ESS−IDを含ませることによって、お互いに中継の対象とすべきかを判断する。
【0031】
したがって、同一のサーバと通信を実行する基地局装置30において、使用するチャネルは、なるべく離れたチャネルに設定することが好ましい。さらに好ましくは、隣接するチャネルであっても、重複部分の少ない第14チャネル514が一方の基地局装置30に設定されることが好ましい。しかしながら、チャネル数は有限であり、また、周波数利用効率、チャネル割当の負担を軽減するという観点から、必ずしも離れたチャネルに設定できるとは限らない。したがって、本発明の実施形態のように、意図しない通信経路が確立されることを回避するために、基地局装置30同士においても、使用周波数帯を確認し合う。これにより、スループットが向上でき、また、システム負荷が低減できることとなる。
【0032】
図3は、図1の基地局装置30の構成例を示す。基地局装置30は、無線通信部50と、生成部52と、照合部58と、制御部60と、セレクタ62と、有線通信部64とを含む。
【0033】
無線通信部50は、複数の周波数帯のいずれかの周波数帯を使用して図1の端末装置40と通信し、同一の周波数帯を使用して所定の中継装置の信号を別の中継装置に中継する。無線通信部50は、受信部54と、送信部56とを含む。送信部56は、無線により、端末装置40または基地局装置30との間で通信を実行する。また、送信部56は、生成部52によって生成された周波数情報とESS−IDを含むハローパケットを報知する。
【0034】
受信部54は、他の基地局装置30から報知された周波数情報を受信して、その周波数情報を照合部58に通知する。また、受信部54は、他の基地局装置30もしくは端末装置40から送信された信号を受信する。その際、受信した信号に含まれる制御情報などは制御部60に通知する。また、受信した信号に含まれるデータ情報などはセレクタ62に送る。セレクタ62は、制御部60の指示にもとづき、受信部54から送信された信号を送信部56もしくは有線通信部64に送信する。
【0035】
生成部52は、無線通信部50において使用している周波数帯が示された周波数情報を生成する。また、生成部52は、無線通信部50において通信の対象となっている端末装置40および中継の対象となっている中継装置とを含むグループを示すグループ識別情報、すなわち、ESS−IDを生成する。生成部52は、無線通信部50において使用している周波数帯が示された周波数情報をハローパケットの一部として生成する。また、生成部52は、当該基地局装置30のグループ識別情報であるESS−IDをハローパケットの一部として生成してもよい。ESS−IDだけでなく、ESS−IDの長さを示す情報を含めても良い。
【0036】
照合部58は、受信部54によって受信された周波数情報に含まれた周波数帯と、生成部52によって生成された周波数情報に含まれる周波数帯とを照合する。照合部58は、受信部54によって受信されたESS−IDと、生成部52によって生成されたESS−IDとを照合してもよい。
【0037】
制御部60は、照合部58によって照合された結果、双方の周波数帯が一致する場合、新たな中継の対象となるべき基地局装置30を無線通信部50における中継の対象とする。制御部60は、照合部58によって照合された結果、双方のグループ識別情報が一致する場合、新たな中継の対象となるべき基地局装置30を無線通信部50における中継の対象とする。詳細は後述する。ここで、「新たな中継の対象となるべき基地局装置30」とは、当該制御部60が図1に示す第1基地局装置32である場合、第1基地局装置32と通信経路が確立されていない基地局装置30を含み、たとえば、図1に示す第3基地局装置36を含む。
【0038】
図4は、図2の無線通信部50が報知するハローパケット300の構成例を示す。ハローパケット300は、第1ヘッダ310と、パケットタイプ320と、第2ヘッダ330と、制御メッセージ340とを含む。第1ヘッダ310には、送信元を示す情報と、送信元のアクセスポイントのアドレスと、マルチキャストである旨を示す情報とを含む。パケットタイプ320には、IEEEで規定されたイーサタイプを示す情報であって、事業者ごとに固定された情報を含むことや、上位プロトコルを規定(IP(Internet Protocol)/ARP(Address Resolution Protocol)/VLAN(Virtual Local Area Network)等)をする役割にも利用されている。これを独自な値とすることで、本実施形態を用いていない無線装置がハローパケットを受信したとしても、他の通信との混信を避けられる。第2ヘッダ330には、後述する制御メッセージ340に含まれる情報を識別する種別番号が含まれる。種別番号は少なくとも3つからなり、自局情報、経路構成に関する情報、相手局状態認識用の情報のいずれかを示す。制御メッセージ340には、第2ヘッダ330が示す種別番号により、含まれる内容が異なる。
【0039】
たとえば、第2ヘッダ330に含まれる種別番号が自局情報を示す番号である場合、制御メッセージ340には当該基地局装置30の使用しているチャネル情報、および、ESS−IDなどが含まれる。また、第2ヘッダ330に含まれる種別番号が経路構成に関する情報を示す番号である場合、制御メッセージ340にはそのハローパケット300を送信した基地局装置30を含め、中継される基地局装置30の個数などが含まれる。なお、「中継される基地局装置30の数」は、ホップ数とも呼ばれる。また、第2ヘッダ330に含まれる種別番号が相手局状態認識用の情報である場合、制御メッセージ340には、受信確認通知やハローパケット300を報知した基地局装置30と、そのハローパケット300を受信した基地局装置30との間における通信の安定度を示す情報などが含まれる。また、この場合における制御メッセージ340には、当該ハローパケット300を受信すべき基地局装置30を示す情報も含まれる。
【0040】
図5は、図2の制御部60の構成例を示す。制御部60は、登録部70と、記憶部72と、中継管理部74と、グループ識別情報管理部76とを含む。記憶部72は、中継の対象となっている基地局装置30を示す情報を記憶する。登録部70は、記憶部72を検索しながら、照合部58から通知された新たに中継の対象とすべき基地局装置30を登録すべきか否かについて判断し、登録処理を実行する。また、登録部70は、中継管理部74の要求に応じて、記憶部72に記憶された中継対象となっている基地局装置30を示す情報を中継管理部74に通知する。グループ識別情報管理部76は、照合部58からの要求に応じ、当該基地局装置30を示すグループ識別情報であるESS−IDを照合部58に通知する。また、グループ識別情報管理部76は、当該基地局装置30が送信すべきハローパケットに当該基地局装置30のESS−IDを含ませるために、生成部52に対し、そのESS−IDを通知する。また、グループ識別情報管理部76は、中継管理部74からの要求に応じ、当該基地局装置30のESS−IDを通知する。
【0041】
中継管理部74は、登録部70から通知された中継すべき基地局装置30を示す情報と、受信部54において受信されたハローパケット、もしくは、データパケットにもとづいて、セレクタ62の制御を実行する。具体的には、受信部54において受信されたハローパケット、もしくは、データパケットが中継すべき基地局装置30からの信号であった場合、その信号を送信部56を介して所望の宛先に中継させるように、セレクタ62を切替える。この場合の宛先は、ハローパケット、もしくは、データパケットに含まれた情報をもとに認識される。所望の宛先が基地局装置30もしくは端末装置である場合、受信部54から出力された信号は、セレクタ62を介し、送信部56に通知されることとなる。また、所望の宛先が図1の第1サーバ10である場合、受信部54から出力された信号は、セレクタ62を介し、有線通信部64に通知されることとなる。
【0042】
上述したこれらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0043】
図6は、図3の基地局装置30の動作例を示すフローチャートである。まず、受信部54は、他の基地局装置30から報知されたハローパケットを受信する(S10)。つぎに、照合部58は、受信部54において受信したハローパケットに含まれる周波数情報と、生成部52において生成された自己の使用している周波数情報とを照合する(S12)。また、照合部58は、受信部54において受信したハローパケットに含まれるESS−IDと、制御部60において管理されている当該基地局装置30のESS−IDとを照合してもよい。
【0044】
ここで、他の基地局装置30と当該基地局装置30とがそれぞれ使用している周波数帯が一致している場合、および/または、他の基地局装置30と当該基地局装置30のそれぞれのESS−IDが一致している場合(S14のY)、制御部60は、その基地局装置30がすでに登録されているか否かを検索する。ここで、登録されていない場合(S16のY)、制御部60は、その基地局装置30を新たに中継すべき対象として登録する。一方、他の基地局装置30と当該基地局装置30とがそれぞれ使用している周波数帯が一致しない場合、または、他の基地局装置30と当該基地局装置30のそれぞれのESS−IDが一致しない場合(S14のN)、他の基地局装置30は、中継すべき基地局装置とはなりえないため、以後の処理に進まずに、終了する。また、S16において、他の基地局装置30がすでに登録されている場合(S16のN)も、同様に終了する。
【0045】
本実施形態によれば、通信装置において使用している周波数帯と、新たな中継の対象となるべき中継装置の周波数帯とが異なる場合に、その中継装置を中継の対象としないため、通信経路を確保すべきでない中継装置との間で不安定な通信経路が確立されることを防止できる。また、通信装置において使用しているESS−IDと、新たな中継の対象となるべき中継装置のESS−IDとが異なる場合に、その中継装置を中継の対象としないため、通信経路を確保すべきでない中継装置との間で不安定な通信経路が確立されることを防止できる。また、端末装置40は、快適な通信環境を継続して実行することができる。
【0046】
次に、本発明の実施形態の変形例を示す。なお、前述した実施の形態と共通する部分については同一の符号を付して説明を簡略化する。図7は、本発明の実施形態にかかる第2通信システム110の構成例を示す。第2通信システム110は、有線ネットワーク200と、第1サーバ10と、第2サーバ20と、基地局装置30で代表される第1基地局装置32と第2基地局装置34と第3基地局装置36と、端末装置40とを含む。図1に示す第1通信システム100との相違点は、第1サーバ10と第2基地局装置34、もしくは、第1サーバ10と第3基地局装置36は、有線回線を介して接続されている点である。このようにシステムが構成されることによって、選択できる通信経路の個数を増やすことができるため、システム全体のリソースやトラフィック状況に応じて、最適な通信経路を形成できる可能性が向上する。
【0047】
端末装置40は、第1基地局装置32もしくは第2基地局装置34を介して、第1サーバ10と接続される。また、端末装置40は、第1基地局装置32に中継され、第2基地局装置34を介して第1サーバ10と接続されてもよい。このように、複数の通信経路が候補として選択できることによって、選択の柔軟性が向上する。たとえば、第2基地局装置34と端末装置40の間に遮蔽物が存在し、かつ、第1基地局装置32と第1サーバ10との間における通信量が多く、第1基地局装置32を介した第1サーバ10との通信においてスループットが低下するような場合がある。このような場合、端末装置40は、まず、第1基地局装置32と通信を実行し、第1基地局装置32は、端末装置40との通信を第2基地局装置34に中継し、第2基地局装置34は、第1サーバ10に中継する。このような態様をとることにより、端末装置40は、快適な通信環境を継続して実行することができる。
【0048】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0049】
また、本実施形態または変形例においては、第1通信システム100もしくは第2通信システム110を無線LANによるシステムとして説明した。しかしながらこれにかぎらず、端末装置と有線ネットワーク網との間に中継装置が存在するようなシステムであってもよく、たとえば、アドホック通信システムであってもよい。
【0050】
また、本実施形態の図1または変形例の図7において、端末装置40は、データ等の送受信を行なう末端の装置であるとして説明した。しかしながらこれにかぎらず、端末装置40は、中継装置であってもよい。たとえば、端末装置40に、基地局装置30が有している中継機能を備えさせればよい。この場合、図1または図7において、別の端末装置が存在する場合、その端末装置における送受信を端末装置40がいずれかの基地局装置30に中継することによって、通信網を確立してもよい。また、端末装置40と第1サーバ10の通信経路において1つまたは2つの基地局装置30を中継することについて説明したが、これに限らず、端末装置40は、3以上の中継装置を介して、第1サーバ10との間で通信経路を確立しても良い。いずれの場合であっても、前述と同様の効果と比べ、通信経路の確立がさらに容易となるため、ユーザに快適な通信環境を提供できる
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態にかかる第1通信システムの構成例を示す。
【図2】図1の基地局装置と端末装置とが使用するチャネル配置の構成例を示す。
【図3】図1の基地局装置の構成例を示す。
【図4】図2の無線通信部が報知するハローパケットの構成例を示す。
【図5】図2の制御部の構成例を示す。
【図6】図3の基地局装置の動作例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態の変形例にかかる第2通信システムの構成例を示す。
【符号の説明】
【0052】
10 第1サーバ、 20 第2サーバ、 30 基地局装置、 32 第1基地局装置、 34 第2基地局装置、 36 第3基地局装置、 40 端末装置、 50 無線通信部、 52 生成部、 54 受信部、 56 送信部、 58 照合部、 60 制御部、 62 セレクタ、 64 有線通信部、 70 登録部、 72 記憶部、 74 中継管理部、 76 グループ識別情報管理部、 100 第1通信システム、 110 第2通信システム、 200 有線ネットワーク、 300 ハローパケット、 310 第1ヘッダ、 320 パケットタイプ、 330 第2ヘッダ、 340 制御メッセージ、 500 チャネル配置。




 

 


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