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発明の名称 通信システム及び通信局
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−158842(P2007−158842A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−352502(P2005−352502)
出願日 平成17年12月6日(2005.12.6)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 對馬 肩吾
要約 課題
歪補償を行う場合に装置の小型化及び低コスト化を実現する。

解決手段
通信局60の受信装置64は、受信した通信局10の送信装置12からの信号中に含まれる歪成分を検出する歪検出部96を有する。通信局60の送信装置62は、歪検出部96で検出された歪成分を示す情報を通信局10へ送信する。通信局10の受信装置14は、通信局60の送信装置62からの歪成分を示す情報を受信する。送信装置12に設けられた前置歪補償部18は、受信装置14で受信された歪成分を示す情報に基づいて増幅器30へ入力する送信信号に与える前置歪を調整することで歪補償を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1通信局の送信装置から送信された信号を第2通信局の受信装置で受信し、且つ第2通信局の送信装置から送信された信号を第1通信局の受信装置で受信する通信システムであって、
第1通信局の送信装置は、第2通信局への送信信号を増幅する第1増幅器と、第1増幅器で増幅された信号中に含まれる歪成分が低減するよう歪補償を行う第1歪補償部と、を有し、第1増幅器で増幅された信号を送信する装置であり、
第2通信局の受信装置は、受信した第1通信局の送信装置からの信号中に含まれる歪成分を検出する第1歪検出部を有し、
第2通信局の送信装置は、第1歪検出部で検出された歪成分を示す情報を送信し、
第1通信局の受信装置は、第2通信局の送信装置からの歪成分を示す情報を受信し、
第1歪補償部は、第1通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて歪補償を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
第2通信局の送信装置は、第1通信局への送信信号に第1歪検出部で検出された歪成分を示す情報を含ませて送信することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信システムであって、
第1歪補償部は、第1通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて第1増幅器へ入力される信号に与える前置歪を調整することで歪補償を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載の通信システムであって、
第2通信局の送信装置は、第1通信局への送信信号を増幅する第2増幅器と、第2増幅器で増幅された信号中に含まれる歪成分が低減するよう歪補償を行う第2歪補償部と、を有し、第2増幅器で増幅された信号を送信する装置であり、
第1通信局の受信装置は、受信した第2通信局の送信装置からの信号中に含まれる歪成分を検出する第2歪検出部を有し、
第1通信局の送信装置は、第2歪検出部で検出された歪成分を示す情報を送信し、
第2通信局の受信装置は、第1通信局の送信装置からの歪成分を示す情報を受信し、
第2歪補償部は、第2通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて歪補償を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の通信システムであって、
第1通信局の送信装置は、第2通信局への送信信号に第2歪検出部で検出された歪成分を示す情報を含ませて送信することを特徴とする通信システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載の通信システムであって、
第2歪補償部は、第2通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて第2増幅器へ入力される信号に与える前置歪を調整することで歪補償を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
送信信号を増幅器で増幅してから送信し且つ該増幅器で増幅された信号中に含まれる歪成分が低減するよう歪補償を行う相手局に対して信号の送受信を行う通信局であって、
相手局から送信された信号を受信する受信装置であって、該受信した相手局からの信号中に含まれる歪成分を検出する歪検出部を有する受信装置と、
歪検出部で検出された歪成分を示す情報を相手局へ送信する送信装置と、
を備えることを特徴とする通信局。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方向通信を行う通信システム及び通信局に関し、特に、増幅器で増幅された送信信号中に含まれる歪成分が低減するよう歪補償を行う通信システム及び通信局に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅器の非線形性により増幅器からの出力信号に生じる歪成分を打ち消すための手段の1つとして、プリディストーション(前置歪)による歪補償が知られている。以下、プリディストーション型歪補償増幅器の構成例について図6を用いて説明する。なお、図6は、通信局の送信装置がプリディストーション型歪補償増幅器を備える例を示しており、通信局の受信装置については図示を省略している。
【0003】
信号変換部116は、入力された送信信号(送信データ)を変調方式に従ったベースバンド信号に変換して出力する。前置歪補償部118は、信号変換部116からの送信信号(ベースバンド信号)に前置歪を与えて出力する。前置歪補償部118から出力されたベースバンド信号のI(同相)成分及びQ(直交)成分は、ローパスフィルタ121,122を通されてから直交ミキサ124に供給される。直交ミキサ124は、前置歪補償部118からの送信信号(I成分及びQ成分)を合成するとともに発振器125からの発振信号を用いてベースバンドからRF帯にアップコンバートする。増幅器130は、直交ミキサ124から供給された送信信号、つまり前置歪が与えられた送信信号を増幅して出力する。ここでの増幅器130は、非線形特性を有するパワーアンプ(PA)により構成される。増幅器130で増幅された送信信号は、バンドパスフィルタ131を通されてから送信される。
【0004】
増幅器130で増幅された送信信号の一部は、方向性結合器133により取り出され、バンドパスフィルタ132を通されてから直交ミキサ136に供給される。直交ミキサ136は、方向性結合器133により取り出された信号をI/Q分離するとともに発振器140からの発振信号を用いてRF帯からベースバンドにダウンコンバートする。直交ミキサ136から出力されたベースバンド信号(I成分及びQ成分)は、ローパスフィルタ142,143を通されてから歪検出部146に供給される。歪検出部146は、直交ミキサ136からのベースバンド信号(I成分及びQ成分)を基に、増幅器130で増幅された送信信号中に含まれる歪成分のレベルを検出する。そして、前置歪補償部118は、歪検出部146で検出された歪成分のレベルが低減するように、信号変換部116からの送信信号に与える前置歪を調整する。このように、プリディストーション型歪補償増幅器では、増幅器130からの出力信号に生じる歪成分を打ち消すための前置歪を増幅器130への入力信号に予め与えることで歪補償が行われる。
【0005】
その他の関連技術として、下記特許文献1及び非特許文献1によるプリディストーション型歪補償増幅器が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−72747号公報
【非特許文献1】中村宏之、渡邊和二、丸山貴史、中津川征士、「ベースバンドプリディストーション用LUTデータの自動作成に関する一検討」、信学技報、CS2004−207、RCS2004−314(2005−01)、社団法人電子情報通信学会、p.143−148
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
増幅器からの出力信号に生じる歪成分を打ち消すよう歪補償を安定して行うためには、増幅器からの出力信号中に含まれる歪成分を検出する必要がある。図6に示す構成例では、増幅器130からの出力信号中に含まれる歪成分を検出するために必要な装置(方向性結合器133、バンドパスフィルタ132、直交ミキサ136、発振器140、ローパスフィルタ142,143、及び歪検出部146を含む)の規模が、通常の受信装置並みとなる。そのため、装置の小型化及び低コスト化が困難となる。
【0008】
本発明は、歪補償を行う場合に装置の小型化及び低コスト化を実現することができる通信システム及び通信局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る通信システム及び通信局は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0010】
本発明に係る通信システムは、第1通信局の送信装置から送信された信号を第2通信局の受信装置で受信し、且つ第2通信局の送信装置から送信された信号を第1通信局の受信装置で受信する通信システムであって、第1通信局の送信装置は、第2通信局への送信信号を増幅する第1増幅器と、第1増幅器で増幅された信号中に含まれる歪成分が低減するよう歪補償を行う第1歪補償部と、を有し、第1増幅器で増幅された信号を送信する装置であり、第2通信局の受信装置は、受信した第1通信局の送信装置からの信号中に含まれる歪成分を検出する第1歪検出部を有し、第2通信局の送信装置は、第1歪検出部で検出された歪成分を示す情報を送信し、第1通信局の受信装置は、第2通信局の送信装置からの歪成分を示す情報を受信し、第1歪補償部は、第1通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて歪補償を行うことを要旨とする。
【0011】
本発明の一態様では、第2通信局の送信装置は、第1通信局への送信信号に第1歪検出部で検出された歪成分を示す情報を含ませて送信することが好適である。
【0012】
本発明の一態様では、第1歪補償部は、第1通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて第1増幅器へ入力される信号に与える前置歪を調整することで歪補償を行うことが好適である。
【0013】
本発明の一態様では、第2通信局の送信装置は、第1通信局への送信信号を増幅する第2増幅器と、第2増幅器で増幅された信号中に含まれる歪成分が低減するよう歪補償を行う第2歪補償部と、を有し、第2増幅器で増幅された信号を送信する装置であり、第1通信局の受信装置は、受信した第2通信局の送信装置からの信号中に含まれる歪成分を検出する第2歪検出部を有し、第1通信局の送信装置は、第2歪検出部で検出された歪成分を示す情報を送信し、第2通信局の受信装置は、第1通信局の送信装置からの歪成分を示す情報を受信し、第2歪補償部は、第2通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて歪補償を行うことが好適である。この態様では、第1通信局の送信装置は、第2通信局への送信信号に第2歪検出部で検出された歪成分を示す情報を含ませて送信することが好適である。また、この態様では、第2歪補償部は、第2通信局の受信装置で受信された歪成分を示す情報に基づいて第2増幅器へ入力される信号に与える前置歪を調整することで歪補償を行うことが好適である。
【0014】
本発明に係る通信局は、送信信号を増幅器で増幅してから送信し且つ該増幅器で増幅された信号中に含まれる歪成分が低減するよう歪補償を行う相手局に対して信号の送受信を行う通信局であって、相手局から送信された信号を受信する受信装置であって、該受信した相手局からの信号中に含まれる歪成分を検出する歪検出部を有する受信装置と、歪検出部で検出された歪成分を示す情報を相手局へ送信する送信装置と、を備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1通信局の第1増幅器で増幅された送信信号中に含まれる歪成分を第2通信局の受信装置を利用して検出することで、第1通信局が歪成分を検出するために受信装置並みの規模の装置を備える必要がなくなる。したがって、歪補償を行う場合に装置の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成を示す図であり、図1(A)は通信局10の概略構成を示し、図1(B)は通信局60の概略構成を示す。本実施形態に係る通信システムは、通信局10と通信局60との間で双方向通信を行うものである。つまり、通信局10の送信装置12から送信された信号は、通信局60の受信装置64で受信され、且つ通信局60の送信装置62から送信された信号は、通信局10の受信装置14で受信される。
【0018】
通信局10の送信装置12は、信号変換部16、前置歪補償部18、直交ミキサ24、及び増幅器30を備える。信号変換部16は、入力された通信局60への送信信号(送信データ)を変調方式に従ったベースバンド信号に変換して出力する。例えば変調方式として多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を用いる場合は、送信信号がQAMに従ったベースバンド信号に変換される。信号変換部16からは、ベースバンド信号のI(同相)成分及びQ(直交)成分が出力される。
【0019】
前置歪補償部18は、信号変換部16からの送信信号(ベースバンド信号)にプリディストーション(前置歪)を与えて出力する。前置歪補償部18で送信信号に与える前置歪は、後述する方法によって、増幅器30で増幅された信号中に含まれる歪成分が低減するよう調整される。前置歪補償部18から出力されたベースバンド信号(I成分及びQ成分)は、ローパスフィルタ21,22を通されてから直交ミキサ24に供給される。
【0020】
直交ミキサ24は、前置歪補償部18からの送信信号(I成分及びQ成分)を合成するとともに発振器25からの発振信号を用いてベースバンドからRF帯に周波数変換(アップコンバート)する。ここでは、発振器25から出力された発振信号が、π/2分配器26で位相がπ/2異なる2つの発振信号に分配されてミキサ27,28に供給される。ミキサ27は、前置歪補償部18からローパスフィルタ21を介して供給された送信信号(ベースバンド信号のI成分)に発振信号の一方を混合することで、この送信信号をRF帯にアップコンバートして出力する。ミキサ28は、前置歪補償部18からローパスフィルタ22を介して供給された送信信号(ベースバンド信号のQ成分)に発振信号の他方を混合することで、この送信信号をRF帯にアップコンバートして出力する。合成器29は、ミキサ27,28でアップコンバートされた送信信号(I成分及びQ成分)を合成して出力する。以上のようにして、送信信号(送信データ)の変調が行われる。
【0021】
増幅器30は、直交ミキサ24から供給された送信信号、つまり前置歪が与えられた送信信号を増幅して出力する。ここでの増幅器30は、非線形特性を有するパワーアンプ(PA)により構成される。増幅器30で増幅された送信信号は、バンドパスフィルタ31を通されてから通信局60(相手局)へ送信される。
【0022】
通信局10の受信装置14は、増幅器34、直交ミキサ36、信号判定部44、及び歪検出部46を備える。受信装置14が受信した通信局60(送信装置62)からの信号は、バンドパスフィルタ32を通されてから増幅器34に供給される。増幅器34は、受信した送信装置62からの信号を増幅して直交ミキサ36へ出力する。ここでの増幅器34は、線形性に優れたローノイズアンプ(LNA)により構成される。
【0023】
直交ミキサ36は、増幅器34からの信号をI/Q分離するとともに発振器40からの発振信号を用いてRF帯からベースバンドに周波数変換(ダウンコンバート)する。ここでは、増幅器34からの信号が、同相分配器37で2つの信号に同相分配されてミキサ38,39に供給される。また、発振器40から出力された発振信号が、π/2分配器41で位相がπ/2異なる2つの発振信号に分配されてミキサ38,39に供給される。ミキサ38は、同相分配器37で分配された信号の一方に発振信号の一方を混合することで、増幅器34からの信号(I成分)をベースバンドにダウンコンバートして出力する。ミキサ39は、同相分配器37で分配された信号の他方に発振信号の他方を混合することで、増幅器34からの信号(Q成分)をベースバンドにダウンコンバートして出力する。直交ミキサ36から出力されたベースバンド信号(I成分及びQ成分)は、ローパスフィルタ42,43を通されてから信号判定部44に供給される。
【0024】
信号判定部44は、直交ミキサ36からのベースバンド信号のI成分及びQ成分のレベルをそれぞれシンボル周期ごとに判定することで、通信局60からの送信データを取り出す。以上のようにして、受信装置14で受信した信号の復調が行われる。
【0025】
通信局60(送信装置62及び受信装置64)の構成は、通信局10(送信装置12及び受信装置14)と同様の構成である。送信装置62においては、信号変換部66は、入力された通信局10への送信信号(送信データ)を変調方式に従ったベースバンド信号(I成分及びQ成分)に変換して出力する。前置歪補償部68は、信号変換部66からの送信信号(ベースバンド信号)にプリディストーション(前置歪)を与えて出力する。前置歪補償部68から出力されたベースバンド信号(I成分及びQ成分)は、ローパスフィルタ71,72を通されてから直交ミキサ74に供給される。直交ミキサ74は、前置歪補償部68からの送信信号(I成分及びQ成分)を合成するとともに発振器75からの発振信号を用いてベースバンドからRF帯にアップコンバートする。ここでは、発振器75から出力された発振信号が、π/2分配器76で位相がπ/2異なる2つの発振信号に分配される。ミキサ77は、送信信号(I成分)に対し発振信号の一方を混合してアップコンバートし、ミキサ78は、送信信号(Q成分)に対し発振信号の他方を混合してアップコンバートする。合成器79は、ミキサ77,78でアップコンバートされた送信信号(I成分及びQ成分)を合成して出力する。増幅器80は、直交ミキサ74から供給された送信信号、つまり前置歪が与えられた送信信号を増幅して出力する。ここでの増幅器80は、非線形特性を有するパワーアンプ(PA)により構成される。増幅器80で増幅された送信信号は、バンドパスフィルタ81を通されてから通信局10(相手局)へ送信される。以上のようにして、送信信号(送信データ)の変調及び送信が行われる。
【0026】
受信装置64が受信した通信局10(送信装置12)からの信号は、バンドパスフィルタ82を通されてから増幅器84に供給される。増幅器84は、受信した送信装置12からの信号を増幅して直交ミキサ86へ出力する。ここでの増幅器84は、線形性に優れたローノイズアンプ(LNA)により構成される。直交ミキサ86は、増幅器84からの信号をI/Q分離するとともに発振器90からの発振信号を用いてRF帯からベースバンドにダウンコンバートする。ここでは、増幅器84からの信号が、同相分配器87で2つの信号に同相分配される。また、発振器90から出力された発振信号が、π/2分配器91で位相がπ/2異なる2つの発振信号に分配される。ミキサ88は、同相分配器87で分配された信号の一方に発振信号の一方を混合することでダウンコンバートした信号(I成分)を出力し、ミキサ89は、同相分配器87で分配された信号の他方に発振信号の他方を混合することでダウンコンバートした信号(Q成分)を出力する。直交ミキサ86から出力されたベースバンド信号(I成分及びQ成分)は、ローパスフィルタ92,93を通されてから信号判定部94に供給される。信号判定部94は、直交ミキサ86からのベースバンド信号のI成分及びQ成分のレベルをそれぞれシンボル周期ごとに判定することで、通信局10からの送信データを取り出す。以上のようにして、受信装置64で受信した信号の復調が行われる。
【0027】
以上のように構成された通信システムでは、増幅器30,80の非線形特性により増幅器30,80からの出力信号に生じる歪成分を打ち消すために、増幅器30,80への入力信号に前置歪を予め与えることで歪補償を行う。この歪補償によって、歪成分の発生を抑えながら増幅器30,80の電力効率を向上させることができる。ただし、増幅器30,80の歪み特性が経時変化や温度変化等により変化しても歪補償を安定して行うためには、増幅器30,80からの出力信号中に残留する歪成分を検出する必要がある。前述した図6の構成例では、増幅器130からの出力信号中に含まれる歪成分を検出するために必要な装置(方向性結合器133、バンドパスフィルタ132、直交ミキサ136、発振器140、ローパスフィルタ142,143、及び歪検出部146を含む)の規模が、受信装置14,64並みとなる。その場合は、通信局10(60)は、歪成分を検出するために受信装置14(64)並みの規模の装置を、送信装置12(62)及び受信装置14(64)の他にさらに備えることになる。その結果、通信局10(60)の構成の大型化及びコスト増大を招くことになる。
【0028】
これに対して本実施形態では、通信局10(送信装置12)に設けられた増幅器30からの送信信号中に残留する歪成分を通信局10(自局)側ではなく通信局60(相手局)側で検出する。そして、通信局60(送信装置62)に設けられた増幅器80からの送信信号中に残留する歪成分についても通信局60(自局)側ではなく通信局10(相手局)側で検出する。そのために、通信局60の受信装置64には、増幅器30で増幅された送信信号中に含まれる歪成分を検出する歪検出部96が設けられており、通信局10の受信装置14には、増幅器80で増幅された送信信号中に含まれる歪成分を検出する歪検出部46が設けられている。歪検出部96は、直交ミキサ86から出力されたベースバンド信号(I成分及びQ成分)に基づいて、受信装置64が受信した送信装置12からの信号中に含まれる歪成分を検出することで、増幅器30で増幅された送信信号中に含まれる歪成分を検出する。そして、歪検出部46は、直交ミキサ36から出力されたベースバンド信号(I成分及びQ成分)に基づいて、受信装置14が受信した送信装置62からの信号中に含まれる歪成分を検出することで、増幅器80で増幅された送信信号中に含まれる歪成分を検出する。なお、本実施形態では、増幅器34,84を線形性に優れたローノイズアンプ(LNA)により構成しているため、増幅器34,84で発生する歪成分は、増幅器30,80(パワーアンプ)で発生する歪成分と比べて極めて少ない。
【0029】
増幅器30,80のAM−AM特性及びAM−PM特性の非線形性により増幅器30,80から出力される送信信号中に歪成分が含まれる場合は、図2に示すように、直交ミキサ86,36から出力されるベースバンド信号(I成分及びQ成分)のレベルに対応するシンボル点P1が、理想シンボル点P0からずれたものとなる。そのため、歪検出部96は、直交ミキサ86からのベースバンド信号(I成分及びQ成分)のレベルに対応するシンボル点P1と理想シンボル点P0とのずれ量を検出することで、受信装置64が受信した送信装置12からの信号中に含まれる歪成分、つまり増幅器30からの送信信号中に残留する歪成分を検出することができる。同様に、歪検出部46は、直交ミキサ36からのベースバンド信号(I成分及びQ成分)のレベルに対応するシンボル点P1と理想シンボル点P0とのずれ量を検出することで、増幅器80からの送信信号中に残留する歪成分を検出することができる。なお、図2は、一例として、変調方式がQAMである場合のシンボル点を示している。
【0030】
より具体的には、歪検出部96においては、図3に示すように、直交ミキサ86からのベースバンド信号のI成分及びQ成分のレベルがシンボル周期ごとに信号検出部97により検出される。信号検出部97で検出されたベースバンド信号のI成分及びQ成分のレベルは、信号比較部99により理想シンボル点におけるI成分及びQ成分のレベルと比較されて、それらの誤差が出力される。ここで、増幅器30,80のAM−AM特性及びAM−PM特性に対し、振幅の小さいシンボル点については理想シンボル点からのずれ量(歪み)が小さくなり、振幅の大きいシンボル点については理想シンボル点からのずれ量(歪み)が大きくなる。そこで、振幅の小さいシンボル点(例えば図2に示すシンボル点P2)について理想シンボル点に対するずれ量が最小となるように、信号検出部97で検出されたベースバンド信号のI成分及びQ成分のレベルが信号補正部98により補正されることで、ベースバンド信号のレベルに対応するシンボル点(復調シンボル点)P1と理想シンボル点P0とのずれ量が抽出される。そして、信号補正部98による補正後におけるベースバンド信号のI成分及びQ成分のレベルと理想シンボル点におけるI成分及びQ成分のレベルとの誤差が信号比較部99により検出されることで、増幅器30からの送信信号中に残留する歪成分が検出される。なお、歪検出部46においても、歪検出部96と同様の構成によって、増幅器80からの送信信号中に残留する歪成分を検出することができる。
【0031】
そして、本実施形態では、通信局60の送信装置62が歪検出部96で検出された歪成分を示す情報を通信局10へ送信し、通信局10の送信装置12が歪検出部46で検出された歪成分を示す情報を通信局60へ送信する。より具体的には、送信装置62においては、図3に示すように、歪検出部96で検出された歪成分(信号比較部99から出力される誤差)を示す情報(データ)が信号変換部66に供給される。信号変換部66は、供給された歪成分を示す情報(データ)を変調方式に従ったベースバンド信号(I成分及びQ成分)に変換して出力する。これによって、信号変換部66から出力されるベースバンド信号(I成分及びQ成分)は、歪検出部96で検出された歪成分(信号比較部99から出力される誤差)を示す情報が挿入されたものとなる。そして、前述したように、歪検出部96で検出された歪成分を示す情報が挿入されたベースバンド信号(送信信号)を直交ミキサ74でアップコンバートしてから送信することで、通信局10への送信信号に歪検出部96で検出された歪成分を示す情報を含ませて通信局10へ送信することができる。なお、送信装置12においても、送信装置62と同様の方法によって、通信局60への送信信号に歪検出部46で検出された歪成分を示す情報を含ませて通信局60へ送信することができる。
【0032】
そして、通信局10の受信装置14が通信局60の送信装置62からの歪成分を示す情報を受信し、通信局60の受信装置64が通信局10の送信装置12からの歪成分を示す情報を受信する。より具体的には、前述したように、受信装置14が受信した送信装置62からの信号が直交ミキサ36でベースバンドにダウンコンバートされてから信号判定部44に供給される。信号判定部44が、直交ミキサ36からのベースバンド信号のI成分及びQ成分のレベルをそれぞれシンボル周期ごとに判定することで、送信装置62からの歪成分を示す情報、つまり増幅器30からの送信信号中に残留する歪成分を示す情報を検出することができる。なお、受信装置64においても、受信装置14と同様の方法によって、送信装置12からの歪成分を示す情報、つまり増幅器80からの送信信号中に残留する歪成分を示す情報を検出することができる。
【0033】
そして、本実施形態では、前置歪補償部18が、受信装置14で受信された歪成分を示す情報に基づいて、信号変換部16からの送信信号(増幅器30への入力信号)に与える前置歪を調整することで歪補償を行う。そして、前置歪補償部68が、受信装置64で受信された歪成分を示す情報に基づいて、信号変換部66からの送信信号(増幅器80への入力信号)に与える前置歪を調整することで歪補償を行う。より具体的には、図4に示すように、前置歪補償部18は、ルックアップテーブル(LUT)20としてベースバンド信号の振幅に対する前置歪の特性を記憶している。前置歪補償部18は、信号判定部44で検出された歪成分を示す情報に基づいてこの歪成分が低減するようにこの前置歪の特性(ルックアップテーブル20)を更新する。これによって、増幅器30からの送信信号中に残留する歪成分が低減するようにルックアップテーブル20が補正される。そして、前置歪補償部18は、信号変換部16からのベースバンド信号の振幅を基にルックアップテーブル20を参照し、この入力振幅に対応する前置歪を取得する。入力されたベースバンド信号とこの取得した前置歪とが、乗算器19で乗算(複素乗算)されて前置歪補償部18から出力される。これによって、増幅器30からの出力信号に生じる歪成分を打ち消すような前置歪(逆歪み)がベースバンド信号に与えられる。ここで、前置歪が与えられたベースバンド信号のレベルに対応するシンボル点P3の一例を、歪検出部96で検出されたベースバンド信号のレベルに対応するシンボル点P1及び理想シンボル点P0とともに図5に示す。なお、前置歪補償部68においても、前置歪補償部18と同様の構成によって、増幅器80からの出力信号に生じる歪成分を打ち消すような前置歪(逆歪み)をベースバンド信号に与えることができる。
【0034】
以上説明した本実施形態では、通信局10(送信装置12)の増幅器30からの送信信号中に残留する歪成分を通信局60(相手局)の受信装置64を利用して検出する。そのため、通信局10が、歪成分を検出するために受信装置14並みの規模の装置を、送信装置12及び受信装置14の他にさらに備える必要がない。したがって、歪補償を行う通信局10の構成の小型化及び低コスト化を実現することができる。同様に、通信局60(送信装置62)の増幅器80からの送信信号中に残留する歪成分を通信局10(相手局)の受信装置14を利用して検出することで、歪補償を行う通信局60の構成の小型化及び低コスト化を実現することができる。したがって、本実施形態によれば、双方向通信を行う通信システムにおいて歪補償を行う場合に装置の小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0035】
そして、本実施形態では、通信局60が、受信装置64(歪検出部96)で検出した歪成分(増幅器30からの送信信号中に残留する歪成分)を示す情報を通信局10へ送信する際には、通信局10への送信信号にこの歪成分を示す情報を重畳させて通信局10へ送信する。このように、通信局60が、送信データを変調する送信装置62を利用して歪成分を示す情報を送信することで、通信局10は、受信データを復調する受信装置14を利用して通信局60からの歪成分を示す情報を検出することができる。同様に、通信局10が、送信データを変調する送信装置12を利用して、通信局60への送信信号に受信装置14(歪検出部46)で検出した歪成分を示す情報を重畳させて通信局60へ送信することで、通信局60は、受信データを復調する受信装置64を利用して通信局10からの歪成分を示す情報を検出することができる。したがって、本実施形態によれば、通信局10,60の構成の更なる小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0036】
本実施形態では、通信局10の送信装置12が、歪成分を示す情報を、送信データの伝達経路と独立した伝達経路(例えば電話回線やインターネット回線等の独立回線)を介して通信局60へ送信することもできる。同様に、通信局60の送信装置62が、歪成分を示す情報を、送信データの伝達経路と独立した伝達経路を介して通信局10へ送信することもできる。
【0037】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る通信システムの概略構成を示す図である。
【図2】直交ミキサから出力されるベースバンド信号のレベルに対応するシンボル点の一例を示す図である。
【図3】歪検出部の構成例を示す図である。
【図4】前置歪補償部の構成例を示す図である。
【図5】前置歪が与えられたベースバンド信号のレベルに対応するシンボル点の一例を示す図である。
【図6】関連技術に係るプリディストーション型歪補償増幅器の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
10,60 通信局、12,62 送信装置、14,64 受信装置、16,66 信号変換部、18,68 前置歪補償部、24,36,74,86 直交ミキサ、25,40,75,90 発振器、30,34,80,84 増幅器、44,94 信号判定部、46,96 歪検出部。




 

 


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