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発明の名称 受信方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−53623(P2007−53623A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−237713(P2005−237713)
出願日 平成17年8月18日(2005.8.18)
代理人 【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
発明者 三浦 智
要約 課題
再生した搬送波に含まれる誤差が大きくなっても、復調した信号の信頼性に応じた軟判定を実行したい。

解決手段
RF部12は、受信した信号であって、かつ符号化された信号を入力する。第2増幅部34は、入力した信号の振幅が一定の振幅に近づくように、ゲイン用時定数にて利得を制御しながら、制御した利得によって入力した信号を増幅する。復調部20は、増幅した信号から搬送波を再生し、再生した搬送波によって、増幅した信号を復調する。測定部22は、増幅した信号に対して、測定用時定数によって、受信強度を測定する。軟判定部24は、測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら、復調した信号を軟判定する。
特許請求の範囲
【請求項1】
受信した信号であって、かつ符号化された信号を入力する入力部と、
前記入力部において入力した信号の振幅が一定の振幅に近づくように、所定の時定数にて利得を制御しながら、制御した利得によって入力した信号を増幅する増幅部と、
前記増幅部において増幅した信号から搬送波を再生し、再生した搬送波によって、増幅した信号を復調する復調部と、
前記増幅部において増幅した信号に対して、前記増幅部における時定数よりも小さい時定数によって、受信強度を測定する測定部と、
前記測定部において測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら、前記復調部において復調した信号を軟判定する軟判定部と、
前記軟判定部において軟判定した信号を復号する復号部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記軟判定部は、
前記測定部において測定した受信強度に応じて、前記復調部において復調した信号の振幅を調節する調節部と、
前記調節部において調節した信号を固定の量子化の間隔にて軟判定する実行部とを備え、
前記調節部では、測定した受信強度が小さくなれば、復調した信号の振幅が小さくなるように、復調した信号の振幅に対する調節を実行することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記軟判定部は、
前記測定部において測定した受信強度に応じて、量子化の間隔を調節する調節部と、
前記調節部において調節した量子化の間隔によって、前記復調部において復調した信号を軟判定する軟判定部とを備え、
前記調節部では、測定した受信強度が小さくなれば、量子化の間隔が大きくなるように、量子化の間隔に対する調節を実行することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
受信した信号の振幅が一定の振幅に近づくように、所定の時定数にて利得を制御しながら、制御した利得によって増幅された信号から搬送波を再生し、再生した搬送波によって、増幅した信号を復調した後に、復調した信号を軟判定する受信方法であって、
増幅された信号に対して、利得を制御する際の時定数よりも小さい時定数によって、受信強度を測定し、測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら、軟判定を実行することを特徴とする受信方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信技術に関し、特に受信した信号を軟判定する受信方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおける受信装置は、無線伝送路を介して信号を受信する。また、受信した信号が符号化されている場合、受信装置は、受信した信号を復号する。符号化として、たたみ込み符号化が使用されていれば、一般的に、受信装置においてビタビ復号がなされる。その際、受信特性を向上させるために、軟判定された信号に対するビタビ復号、すなわち軟判定ビタビ復号が実行される。軟判定ビタビ復号において、量子化幅と、ベースバンド信号の振幅との間には、受信特性を最良にすべき関係が存在する(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】坂井春美他、「軟判定ビタビ復号法の対入力Eb/N0変動特性の改善」、電子通信学会論文誌、1986年8月、J69−B、8、p.859−860
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
受信装置は、受信処理として、受信した信号に対して、AGCによる利得の設定を実行し、設定した利得によって受信した信号を増幅する。これに続いて、受信装置は、増幅した信号から搬送波を再生し、再生した搬送波によって増幅した信号を復調する。さらに、受信装置は、復調した信号を軟判定した後に、軟判定した信号をビタビ復号する。一般的に、AGCによる利得の設定は、対象とする信号の振幅が一定の振幅に近づくようになされる(以下、このような利得を「理想的利得」という)。そのため、雑音の影響が少なく、かつ搬送波の再生が高い精度にてなされれば、復調出力の振幅の分布もある範囲に集中するため、その分布の中心より大きいエリアを最大尤度に設定することで、ビタビ復号の性能が良好となる。
【0004】
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。無線伝送路特性がフェージングによって短期間のうちに変動すると、再生した搬送波に含まれる位相誤差が大きくなる。また、再生した搬送波に含まれる位相誤差が大きくなると、復調した信号の位相が揺らいだり、位相が変動する。その結果、復調した信号の振幅の大きさが変動する。一般的に、利得は、復調した信号の振幅の平均的な大きさに適合するように導出される。前述の状況下において導出された利得は、理想的利得の値よりも大きいので、軟判定した信号の信頼性が低いにもかかわらず、軟判定した信号の振幅が大きくなる。また、ビタビ復号の際の信頼性も低くなり、受信特性が悪化する。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、信号対雑音比の低下に伴って生じる位相誤差であって、かつ再生した搬送波に含まれる位相誤差が大きくなっても、復調した信号の信頼性に応じた軟判定を実行する受信技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の受信装置は、受信した信号であって、かつ符号化された信号を入力する入力部と、入力部において入力した信号の振幅が一定の振幅に近づくように、所定の時定数にて利得を制御しながら、制御した利得によって入力した信号を増幅する増幅部と、増幅部において増幅した信号から搬送波を再生し、再生した搬送波によって、増幅した信号を復調する復調部と、増幅部において増幅した信号に対して、増幅部における時定数よりも小さい時定数によって、受信強度を測定する測定部と、測定部において測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら、復調部において復調した信号を軟判定する軟判定部と、軟判定部において軟判定した信号を復号する復号部と、を備える。
【0007】
この態様によると、測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら軟判定を実行するので、信号対雑音比の低下に伴って生じる誤差であって、かつ再生された搬送波に含まれた誤差によって、復調出力の振幅分布の中心が変化した場合であっても、その変化に応じた軟判定、換言すれば、復調した信号の信頼性に応じた軟判定を実行できる。
【0008】
軟判定部は、測定部において測定した受信強度に応じて、復調部において復調した信号の振幅を調節する調節部と、調節部において調節した信号を固定の量子化の間隔にて軟判定する実行部とを備えてもよい。調節部では、測定した受信強度が小さくなれば、復調した信号の振幅が小さくなるように、復調した信号の振幅に対する調節を実行してもよい。この場合、測定した受信強度に応じて、復調した信号の振幅を調節するので、固定の量子化の間隔にて軟判定する場合であっても、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節できる。
【0009】
軟判定部は、測定部において測定した受信強度に応じて、量子化の間隔を調節する調節部と、調節部において調節した量子化の間隔によって、復調部において復調した信号を軟判定する軟判定部とを備えてもよい。調節部では、測定した受信強度が小さくなれば、量子化の間隔が大きくなるように、量子化の間隔に対する調節を実行してもよい。この場合、測定した受信強度に応じて量子化の間隔を調節するので、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節できる。
【0010】
本発明の別の態様は、受信方法である。この方法は、受信した信号の振幅が一定の振幅に近づくように、所定の時定数にて利得を制御しながら、制御した利得によって増幅された信号から搬送波を再生し、再生した搬送波によって、増幅した信号を復調した後に、復調した信号を軟判定する受信方法であって、増幅された信号に対して、利得を制御する際の時定数よりも小さい時定数によって、受信強度を測定し、測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら、軟判定を実行する。
【0011】
この態様によると、測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら軟判定を実行するので、信号対雑音比の低下に伴って生じる誤差であって、かつ再生された搬送波に含まれた誤差によって、復調出力の振幅分布の中心が変化した場合であっても、その変化に応じた軟判定、換言すれば、復調した信号の信頼性に応じた軟判定を実行できる。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、信号対雑音比の低下に伴って生じる位相誤差であって、かつ再生した搬送波に含まれる位相誤差が大きくなっても、復調した信号の信頼性に応じた軟判定を実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、連続した信号を受信する場合の受信装置について述べる。受信装置によって受信される信号の受信強度は変化するので、受信装置は、内部に備えたAGCによってゲインを調節しながら、受信した信号を増幅する。また、受信装置は、前述のごとく、増幅した信号から搬送波を再生し、再生された搬送波によって、増幅した信号を復調する。ここで、フェージングにより信号対雑音比が低下することにより、再生された搬送波に含まれた位相誤差が大きくなると、復調した信号の振幅が平均的に小さくなる。その結果、AGCによって設定されるゲインは大きくなる。
【0015】
なお、受信装置は、復調した信号を軟判定するが、ゲインの増加によって、軟判定された信号の振幅も大きくなる。一般的に、軟判定された信号の振幅の大きさは尤度と呼ばれており、信頼性を示している。すなわち、軟判定された信号の振幅が大きいことは、信頼性が高いことを示す。しかしながら、前述の場合には、位相誤差によって信号の信頼性が低いにもかかわらず正しい尤度にならず、軟判定された信号の振幅が大きくなってしまう。このような課題を解決するために、本実施例に係る受信装置は、以下の処理を実行する。
【0016】
受信装置は、AGCにおいてゲインが設定される時定数(以下、「ゲイン用時定数」という)よりも小さい時定数(以下、「測定用時定数」という)によって、増幅した信号の受信強度を測定する。また、受信装置は、測定した信号の受信強度に応じて、増幅した信号を減衰させてから、当該信号を軟判定する。再生された搬送波に含まれた位相誤差が大きい場合、復調した信号の振幅の大きさが、ゲイン用時定数より短い期間において変動する。その結果、復調した信号の大きさの変動が小さければ、測定用時定数によって測定した受信強度が大きくなる。一方、復調した信号の大きさの変動が大きければ、測定用時定数によって測定した受信強度が小さくなる。受信装置は、測定した受信強度が小さければ、増幅した信号を減衰させることによって、軟判定された信号の信頼性を低くする。
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る受信装置100の構成を示す。受信装置100は、アンテナ10、RF部12、第1増幅部14、直交検波部16、AD部18、復調部20、測定部22、軟判定部24、デインタリーブ部26、復号部28、制御部30、利得調節部32、第2増幅部34を含む。
【0018】
RF部12は、アンテナ10を介して受信した無線周波数のアナログ信号を受信する。なお、無線周波数のアナログ信号は、図示しない送信局から送信されているものとする。また、無線周波数のアナログ信号は、連続的な信号であり、符号化されているものとする。さらに、符号化として、たたみ込み符号が使用されているものとする。RF部12は、受信した無線周波数のアナログ信号に対して、増幅処理を実行した後に、中間周波数への周波数変換処理を実行する。その結果、RF部12は、中間周波数のアナログ信号を出力する。以上の処理を実行するために、RF部12は、図示しないLNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、局部発振器等を含む。
【0019】
第1増幅部14は、AGCの機能を有し、RF部12からの中間周波数のアナログ信号の振幅が一定の振幅に近づくように、ゲインを制御する。ここで、AGCの機能は、公知の技術を使用すればよいので、詳細な説明を省略する。なお、ゲインの制御は、後段の復調部20において復調した信号の振幅をもとになされる。すなわち、復調した信号の振幅が小さければ、ゲインが大きくなるような制御がなされ、復調した信号の振幅が大きければ、ゲインが小さくなるような制御がなされる。また、ゲインの時定数は、第1増幅部14の制御の安定性を考慮して、一般的に、ある程度長い期間に設定される。また、第1増幅部14は、設定したゲインによって、中間周波数のアナログ信号を増幅する。
【0020】
直交検波部16は、第1増幅部14からの中間周波数のアナログ信号に対して、直交検波を実行し、ベースバンドのアナログ信号を出力する。なお、ベースバンドのアナログ信号は、一般的に、同相成分と直交成分を含むので、ふたつの信号線によって示されるべきであるが、ここでは、図の明瞭化のために、ベースバンドのアナログ信号をひとつの信号線にて示す。以下においても同様である。以上の処理を実行するために、直交検波部16は、ミキサ、局部発振器を含む。
【0021】
AD部18は、ベースバンドのアナログ信号に対して、アナログ−デジタル変換を実行し、ベースバンドのデジタル信号を出力する。ここで、アナログ−デジタル変換は、同相成分と直交成分のそれぞれに対して独立に実行される。また、デジタル信号のビット数は、任意の値であり、サンプリングレートは、シンボルレートのN倍(Nは、2以上の整数)であるとする。なお、タイミング同期、周波数オフセットの同期等には、公知の技術を使用すればよいので、ここでは、説明を省略する。
【0022】
第2増幅部34は、利得調節部32とともにAGCの機能を有し、AD部18からのベースバンドのデジタル信号の振幅が一定の振幅に近づくように、ゲイン用時定数にてゲインを制御する。ここで、AGCの機能は、公知の技術を使用すればよいので、詳細な説明を省略する。なお、利得調節部32は、後段の復調部20において復調した信号の振幅をもとに、ゲインの制御を実行する。すなわち、復調した信号の振幅が小さければ、ゲインが大きくなるような制御がなされ、復調した信号の振幅が大きければ、ゲインが小さくなるような制御がなされる。また、ゲイン用時定数は、第2増幅部34の制御の安定性を考慮して、復調した信号の変動の周期よりも長くなるような期間に設定される。すなわち、復調した信号の振幅が変動している場合、それらを平均した振幅に適したゲインが設定される。また、第2増幅部34は、設定したゲインによって、ベースバンドのデジタル信号を増幅する。
【0023】
復調部20は、第2増幅部34からのベースバンドのデジタル信号から搬送波を再生する。なお、搬送波の再生には、逓倍法、コスタスループ法、逆変調法等の公知の技術が使用されればよい。また、復調部20は、再生した搬送波によって、ベースバンドのデジタル信号を復調する。なお、変調方式は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)を例として以下に述べる。
【0024】
測定部22は、第2増幅部34からのベースバンドのデジタル信号に対して、受信強度を測定する。ここでは、受信強度として、電力を対象とするが、振幅の絶対値、振幅の絶対値和を対象としてもよく、デジタル信号の大きさが比較できるような物理量であればよい。また、測定部22は、受信強度を測定する際の測定用時定数に、第2増幅部34におけるゲイン用時定数よりも小さい値を使用する。このような時定数によって、一定のゲインにて増幅された信号に対する受信強度の変動が導出される。また、このような時定数によって、位相誤差が大きいために平均的な受信強度が小さくなる状態と、単に受信した信号の受信強度が小さい状態とが分離される。すなわち、後者の場合、受信強度の絶対的な振幅は小さいが、変動も小さいといえるので、第2増幅部34にて増幅された信号は、ある程度大きい振幅を定常的に有する。一方、前者の場合、信号の変動が大きいので、第2増幅部34にて増幅された信号は、大きい振幅や小さい振幅を有する。その結果、測定用時定数にて測定した電力は、ある程度小さい振幅になる。
【0025】
軟判定部24は、復調部20によって復調した信号を軟判定する。また、軟判定部24は、軟判定を実行する際に、測定部22において測定した受信強度に応じて、復調部20によって復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節する。このような振幅の調節の原理を説明するために、図2(a)−(b)と図3(a)−(c)を使用する。
【0026】
図2(a)−(b)は、受信装置100において安定した受信がなされているときの信号を示す。ここで安定した受信がなされているときとは、復調部20において再生される搬送波に含まれる誤差が小さい場合に相当する。図2(a)は、BPSKのコンスタレーションのうち、一方の信号点を示す。図中において、同相軸が「I」として示される。ここで、「C」は、搬送波の受信強度、すなわち信号成分の受信強度に対応した部分であり、「N」は、雑音の受信強度に対応した部分である。図示のごとく、「C」の矢印の先端部分を中心とした円であって、かつ半径「N」の円に、復調部20からの出力が分布する。
【0027】
図2(b)は、図2(a)を軟判定部24にて軟判定される信号を示す。ここでは、3ビットの軟判定が実行されるものとし、図示のごとく、「000」から「011」の値が規定される。また、信号点の分布確率が図中に示されている。分布確率は、図2(a)の円の中心部分において大きくなっている。第2増幅部34は、平均的な電力が軟判定の最大値になるように、ゲインの設定を行っているとすれば、図2(a)−(b)では、円の中心部分が、「010」と「011」との境界に対応する。
【0028】
図3(a)−(c)は、受信装置100において安定した受信がなされていないときの信号を示す。ここで安定した受信がなされていないときとは、復調部20において再生される搬送波に含まれる位相誤差が大きい場合に相当する。図3(a)は、図2(a)に対応したコンスタレーションを示す。図3(a)には、5つの円が示されているが、これらの5つの円は、瞬間的な復調出力の分布を示すものである。すなわち、実際には、これら5つの円以外の部分にも、復調出力の分布が存在する。また、ひとつの円は、円の中心の位置を除いて、図2(a)での円と等価である。すなわち、再生される搬送波の誤差が大きいので、復調された信号のI軸からの偏移角も大きくなっている。
【0029】
図3(b)は、図3(a)のコンスタレーションの場合において、軟判定される信号を示す。図示のごとく、図3(a)での5つの円に対応するように、3つの分布確率が示されている。このような分布確率において、平均的な電力が、中央の分布確率のピーク位置での電力に相当するものとする。すなわち、図2(a)−(b)の場合と比較して、平均的な電力は小さくなっている。前述のごとく、第2増幅部34は、平均的な電力が軟判定の最大値になるように、ゲインの設定を行っているので、図3(b)では、中央の分布確率のピーク位置が、「010」と「011」との境界に対応づけられている。その結果、最大の大きさに対応した分布確率の大部分は、「011」となる。その結果、軟判定される振幅に対応した信頼性と、実際の信頼性が対応しなくなる。後段の復号部28は、実際の信頼性と異なった信頼性に対応した軟判定される振幅に対して、軟判定ビタビ復号を実行するので、軟判定ビタビ復号での精度が悪化する。
【0030】
図3(c)は、図3(b)と同様に、図3(a)のコンスタレーションの場合において、軟判定される信号を示す。図3(c)は、図3(b)と異なって、本実施例での軟判定の処理に対応する。また、図3(c)に示される3つの分布確率は、図3(b)に示される3つの分布確率と同一である。しかしながら、図3(c)では、最大の大きさに対応した分布確率のピーク位置が、「010」と「011」との境界に対応づけられている。これは、量子化の間隔を大きくすることと等価である。このような軟判定を実行することによって、軟判定される振幅に対応した信頼性と、実際の信頼性が対応する。図2(a)の状態と、図3(a)の状態との相違は、測定部22での測定結果によって分類できるので、軟判定部24では、図3(a)の状態である場合に、量子化の間隔が大きくなるように軟判定を実行する。
【0031】
図1に戻る。デインタリーブ部26は、軟判定部24において軟判定した信号に対して、デインタリーブを実行する。ここで、デインタリーブの規則は、図示しない送信装置でのインタリーブの規則に対応しており、予め規定されているものとする。復号部28は、デインタリーブ部26からの信号を復号する。復号部28は、軟判定ビタビ復号を実行するものとする。なお、軟判定ビタビ復号として、公知の技術が使用されればよいので、詳細な説明は省略する。
【0032】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0033】
図4は、軟判定部24の構成を示す。軟判定部24は、調節部40、実行部42を含む。調節部40は、測定部22において測定した受信強度に応じて、復調部20において復調した信号の振幅を調節する。すなわち、測定部22において測定した受信強度が小さければ、図3(c)に対応するように、調節部40は、復調した信号の振幅を減衰させる。前述のごとく、第2増幅部34は、平均的な電力が軟判定の最大値になるように、ゲインの設定を行っているので、調節部40での減衰がなされない場合に、軟判定された信号は、図3(b)のようになる。このような状態において、最大の大きさに対応した分布確率のピーク位置が、図3(c)のごとく「010」と「011」との境界に対応づけられるように、調節部40は、復調した信号を減衰させる。これは、量子化の間隔を変更させずに、信号の受信強度を小さくすることに相当する。
【0034】
具体的に、調節部40は、しきい値を予め定めており、測定部22において測定した受信強度がしきい値よりも大きければ、減衰を実行しない。一方、調節部40は、受信強度がしきい値以下であれば、減衰を実行する。なお、減衰量は、シミュレーション、実験等をもとに定められるものとする。あるいは、調節部40は、測定される受信強度と、減衰量の関係を予め規定しており、測定部22において測定した受信強度から減衰量を特定してもよい。これに続いて、調節部40は、特定した減衰量によって、復調した信号を減衰してもよい。つまり、調節部40では、測定した受信強度が小さくなれば、復調した信号の振幅が小さくなるように、減衰量の調節を実行する。なお、復調した信号も、デジタル信号であるので、複数のビットによって形成されている。そのため、調節部40は、複数のビット数によって示された振幅を小さくするように、振幅の変換を実行する。
【0035】
実行部42は、調節部40において調節した信号を固定の量子化の間隔にて軟判定する。なお、前述のごとく、復調した信号も、デジタル信号であるので、複数のビットによって形成されている。そのため実行部42による軟判定は、復調した信号のビット数を少ないビット数に変換する処理に相当する。例えば、復調した信号が「8」ビットの信号によって形成されていれば、軟判定された信号は「4」ビットの信号によって形成される。調節部40は、このような処理でのビットの選択位置を前述のように変更する。なお、実行部42での選択位置は、固定である。
【0036】
以上の構成による受信装置100の動作を説明する。図5は、受信装置100による軟判定の手順を示すフローチャートである。測定部22は、増幅された信号の受信強度を測定する(S10)。調節部40は、信号の受信強度に応じて、減衰量を調節する(S12)。また、調節部40は、調節した減衰量によって、復調した信号を減衰させる。実行部42は、減衰された信号を軟判定する(S14)。信号が終了していなければ(S16のN)、ステップ10に戻る。一方、信号が終了していれば(S16のY)、処理を終了する。
【0037】
以下では、軟判定部24の構成の変形例を説明する。図4において、軟判定部24は、復調した信号の振幅を調節した後に、固定の量子化の間隔にて軟判定を実行している。変形例では、図4の軟判定部24と同様に、図3(c)のような軟判定を実行するための別の構成を説明する。変形例に係る軟判定部24では、図4の軟判定部24と異なって、復調した信号の振幅を調節しない。変形例に係る軟判定部24は、復調部20において測定した受信強度に応じて、量子化の間隔を調節し、調節した間隔によって復調した信号を軟判定する。その結果、復調した信号に対する制御が不要になる。この変形例を図6を用いながら以下に説明する。
【0038】
図6は、軟判定部24の別の構成を示す図である。軟判定部24は、調節部40、実行部42を含む。調節部40は、測定部22において測定した受信強度に応じて、量子化の間隔を調節する。測定した受信強度が大きければ、調節部40は、量子化の間隔を小さくするように設定を行い、測定した受信強度が小さければ、調節部40は、量子化の間隔を大きくするように設定を行う。すなわち、調節部40では、測定した受信強度が小さくなれば、量子化の間隔が大きくなるように、量子化の間隔に対する調節を実行する。具体的に、調節部40は、受信強度に応じて複数段階のしきい値を予め設けており、これらのしきい値のそれぞれに対応させながら量子化の間隔を予め規定する。
【0039】
また、調節部40は、測定した受信強度と複数段階のしきい値とをそれぞれ比較することによって、当該受信強度が満足するしきい値を特定し、さらに特定したしきい値に対応した量子化の間隔を特定する。あるいは、調節部40は、測定される受信強度と、量子化の間隔の関係を予め規定しており、測定部22において測定した受信強度から量子化の間隔を特定してもよい。
【0040】
本発明の実施例によれば、測定した受信強度に応じて、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節しながら軟判定を実行するので、再生された搬送波に含まれた位相誤差によって受信強度が変動する場合であっても、再生された搬送波に含まれた位相誤差を考慮した軟判定を実行できる。また、再生された搬送波に含まれた位相誤差を考慮するので、復調した信号の信頼性に応じた軟判定を実行できる。また、復調した信号の信頼性に応じた軟判定を実行するので、軟判定ビタビ復号において正確な信頼性を使用できる。また、軟判定ビタビにおいて正確な信頼性を使用するので、受信特性を向上できる。また、安定した状態から安定しない状態に移る段階での受信特性を向上できる。
【0041】
また、AGCによって制御した利得によって増幅した信号の受信強度を評価の対象とするので、受信強度が小さくても再生された搬送波に含まれた誤差が小さい状態と、再生された搬送波に含まれた誤差が大きい状態とを分類できる。また、以上の状態を分離できるので、受信装置100での処理の状態に応じた軟判定を実行できる。また、測定した受信強度に応じて、復調した信号の振幅を調節するので、固定の量子化の間隔にて軟判定する場合であっても、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節できる。また、測定した受信強度に応じて量子化の間隔を調節するので、復調された信号の振幅と軟判定される信号の振幅との関係を調節できる。
【0042】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0043】
本発明の実施例において、第2増幅部34は、信号の振幅を一定の振幅にするように、AGCを実行している。しかしながらこれに限らず例えば、第2増幅部34は、信号の電力を一定の振幅にするように、AGCを実行してもよい。本変形例によれば、様々なタイプのAGCを適用できる。つまり、信号の振幅が一定の振幅に近づくような処理がなされればよい。
【0044】
本発明の実施例において、測定部22は、信号の受信強度を測定し、軟判定部24は、測定した受信強度を反映させながら、軟判定を実行している。しかしながら、これに限らず例えば、測定部22は、信号の受信強度の分散を測定し、軟判定部24は、測定した分散を反映させながら、軟判定を実行してもよい。すなわち、分散が大きい状態は、再生された搬送波に含まれた誤差が大きい状態に相当する。そのため、分散が大きければ、調節部40では、前述の受信強度が小さい場合での処理を実行し、分散が小さければ、調節部40では、前述の受信強度が大きい場合での処理を実行する。本変形例によれば、再生された搬送波に含まれた誤差による信号の振幅の変動を直接的に検出できる。つまり、再生された搬送波に含まれた誤差が大きい状態を検出できればよい。
【0045】
本発明の実施例において、受信装置100は、連続信号を受信している。しかしながらこれに限らず、受信装置100は、バースト信号を受信してもよい。すなわち、受信される信号の形式によらず、実施例の適用が可能である。
【0046】
本発明の実施例において、変調方式はBPSKであるとしている。しかしながらこれに限らず例えば、BPSK以外の変調方式であってもよい。BPSK以外の変調方式として、QPSK、16QAMがある。これらの信号点配置はBPSKと異なるが、第2増幅部34は、実施例と同様に平均的な振幅を一定の振幅に近づけるように動作すればよい。本変形例によれば、さまざまな変調方式に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例に係る受信装置の構成を示す図である。
【図2】図2(a)−(b)は、図1の受信装置において安定した受信がなされているときの信号を示す図である。
【図3】図3(a)−(c)は、図1の受信装置において安定した受信がなされていないときの信号を示す図である。
【図4】図1の軟判定部の構成を示す図である。
【図5】図4の受信装置による軟判定の手順を示すフローチャートである。
【図6】図1の軟判定部の別の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 アンテナ、 12 RF部、 14 第1増幅部、 16 直交検波部、 18 AD部、 20 復調部、 22 測定部、 24 軟判定部、 26 デインタリーブ部、 28 復号部、 30 制御部、 32 利得調節部、 34 第2増幅部、 100 受信装置。




 

 


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