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発明の名称 ディジタルテレビ放送信号中継装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−43583(P2007−43583A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−227263(P2005−227263)
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 曲渕 正敏
要約 課題
互いに異なる周波数帯域を占有する複数のディジタル変調信号を、単一の構成部で処理する中継送信装置を提供する。

解決手段
周波数変換器16aは、受信アンテナ10および受信増幅器14を介して受信された信号の周波数帯域を変換し、アナログ入出力フィルタ18aに入力する。アナログ入出力フィルタ18aは、ディジタル変調信号を通過させアナログ変調信号を減衰させる。アナログ入出力フィルタ18aは帯域制限を施した信号を周波数変換器22aに入力する。周波数変換器22aは入力された信号の周波数帯域を変換する。周波数帯域が変換された信号は、送信増幅器24、送信フィルタ26、および送信アンテナ28を介して送信される。
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに異なる周波数帯域を占有する複数のディジタル変調信号を含む信号を受信する受信部と、
前記複数のディジタル変調信号を共に増幅する単一の増幅部と、
前記増幅部で増幅された信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする中継送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の中継送信装置であって、
前記受信部が受信した信号が含む、前記複数のディジタル変調信号が占有する周波数帯域とは異なる周波数帯域を占有する不要信号の振幅を低減する不要信号低減部を備え、
前記増幅部は、前記不要信号低減部によって前記不要信号の振幅が低減された信号を増幅することを特徴とする中継送信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の中継送信装置であって、
前記不要信号は、前記中継送信装置が設置される地域を送信圏としない送信装置から送信された信号であることを特徴とする中継送信装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の中継送信装置であって、
前記不要信号は、アナログ変調信号であることを特徴とする中継送信装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の中継送信装置であって、
前記不要信号低減部は、
振幅を低減する信号の周波数帯域を規定する特性情報を取得し、当該特性情報に基づいて規定した周波数帯域に基づいて前記不要信号を低減することを特徴とする中継送信装置。
【請求項6】
請求項5に記載の中継送信装置であって、
前記不要信号低減部は、
前記特性情報に基づいて定まるタップ係数によってフィルタ特性が規定されるディジタルフィルタを備えることを特徴とする中継送信装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のディジタル変調信号を中継送信する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送システム等の放送システムにおいては、放送局から電磁波として信号が送信される。受信機は、放送局から送信された信号を受信し、受信した信号から画像情報、音声情報等を取得する。
【0003】
放送局が送信する信号については、放送局が放送圏とする地域に存在する受信機において所定の品質の情報が得られるよう、送信電力、所望信号対妨害波比等の規定が定められている。しかし、放送局がその規定を満足する信号を送信したとしても、放送圏内において電磁波の障害物等が存在すると、受信機において受信される信号の電界強度が不十分となり、放送圏内において所定の品質の情報が得られない地域が生じる。そこで、このような品質劣化地域を減少させるため、放送局から送信された信号を受信し、増幅して送信する中継送信を行う中継送信装置が放送圏内に設置される。
【0004】
図9に複数のチャネル周波数帯域を占有する複数のアナログ変調信号を受信し、増幅して中継送信する中継送信装置9の構成を示す。複数のチャネル周波数帯域は、それぞれ1つの放送局に割り当てられているものとする。中継送信装置9は、受信アンテナ10、分波器60、チャネル帯域内増幅部70−1〜70−n、合波器62、送信アンテナ28を備えて構成される。
【0005】
受信アンテナ10で受信された信号は分波器60に入力される。分波器60は、1個の入力端子D0とn個の出力端子D1〜Dnを備える。出力端子D1〜Dnには、それぞれ1つのチャネル周波数帯域が割り当てられている。出力端子D1〜Dnのそれぞれは、入力端子D0から入力された信号に含まれるチャネル周波数帯域外の周波数帯域の信号を減衰させた信号を出力する。
【0006】
分波器60の出力端子D1〜Dnから出力された信号は、チャネル帯域内増幅部70−1〜70−nにそれぞれ入力される。チャネル帯域内増幅部70−1〜70−nのそれぞれは、入力された放送周波数帯域の信号を増幅した後、中間周波数帯域の信号に変換する。そして、所望周波数帯域外の信号を減衰させる帯域制限を行った後、中間周波数増幅を行い、再び放送周波数帯域に変換し、増幅して出力する。チャネル帯域内増幅部70−1〜70−nから出力された信号は、合波器62が備える入力端子C1〜Cnにそれぞれ入力される。入力端子C1〜Cnのそれぞれには、1つのチャネル周波数帯域が割り当てられている。合波器62は、入力端子C1〜Cnから入力された信号を合成して出力する。合波器62が入力端子C1〜Cnから入力された信号を合成する際には、入力端子C1〜Cnから入力された信号に含まれる、チャネル周波数帯域外の周波数帯域の信号を低減させる。また、入力端子Ci(iは1からnまでのいずれかの整数)から他の入力端子Cj(jはiとは異なる1からnまでのいずれかの整数)へ回り込んで出力される信号を減衰させる。合波器62が出力する信号は送信アンテナ28を介して電磁波として送信される。
【0007】
このように、図9の中継送信装置9は、入力される信号を複数の放送局のそれぞれに割り当てられた互いに異なるチャネル周波数帯域に分離し、それぞれのチャネル周波数帯域に対し個別に帯域制限および増幅等を行う。これは、互いに異なる複数のチャネル周波数帯域のアナログ変調信号が互いに影響し合って発生する相互変調による妨害波、または、各チャネル周波数帯域に近い周波数帯域に重畳するノイズによって発生する妨害波をできるだけ低減させるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、ディジタル変調された信号を用いて情報を送信するディジタル放送が利用されるようになっており、アナログ変調信号とディジタル変調信号とが混在する状況となっている。このような状況下においても、それぞれのチャネル周波数帯域を分離して、各周波数帯域をそれぞれ別個に増幅して中継する中継送信装置が用いられている。
【0009】
しかしながら、このような構成では、中継送信を行うチャネル周波数帯域の数nだけチャネル帯域内増幅部70−1〜70−nが必要となり、チャネル数が増加するにつれて回路が大規模な構成となり、製造コストが増大するという問題があった。
【0010】
本発明はこのような課題に対してなされたものであり、互いに異なる周波数帯域を占有する複数のディジタル変調信号を、単一の構成部で処理する中継送信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、互いに異なる周波数帯域を占有する複数のディジタル変調信号を含む信号を受信する受信部と、前記複数のディジタル変調信号を共に増幅する単一の増幅部と、前記増幅部で増幅された信号を送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る中継送信装置においては、前記受信部が受信した信号が含む、前記複数のディジタル変調信号が占有する周波数帯域とは異なる周波数帯域を占有する不要信号の振幅を低減する不要信号低減部を備え、前記増幅部は、前記不要信号低減部によって前記不要信号の振幅が低減された信号を増幅する構成とすることが好適である。
【0013】
また、本発明に係る中継送信装置においては、前記不要信号は、前記中継送信装置が設置される地域を送信圏としない送信装置から送信された信号であるものとすることが好適である。
【0014】
また、本発明に係る中継送信装置においては、前記不要信号は、アナログ変調信号であるものとすることが好適である。
【0015】
本発明に係る中継送信装置においては、前記不要信号低減部は、振幅を低減する信号の周波数帯域を規定する特性情報を取得し、当該特性情報に基づいて規定した周波数帯域に基づいて前記不要信号を低減する構成とすることが好適である。
【0016】
本発明に係る中継送信装置においては、前記不要信号低減部は、前記特性情報に基づいて定まるタップ係数によってフィルタ特性が規定されるディジタルフィルタを備える構成とすることが好適である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数のディジタル変調信号を含む信号を中継送信する中継送信装置において、増幅部の数を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に本発明の第1の実施形態に係る中継送信装置1の構成を示す。中継送信装置1は、受信アンテナ10、分波器64、ディジタル帯域増幅器72a、アナログ帯域増幅器72b1〜72bm、合波器66、送信アンテナ28、局部発振器30および32を備えて構成される。
【0019】
中継送信装置1は、ディジタル変調信号およびアナログ変調信号を送信する放送システムに適用される。中継送信装置1は、放送局から送信されたディジタル変調信号およびアナログ変調信号を受信し、不要な信号を減衰させる周波数帯域制限を施し、必要な信号を増幅して送信する中継送信を行う。
【0020】
受信アンテナ10で受信された信号は分波器64の入力端子Dcに入力される。
【0021】
分波器64は、入力端子Dc、出力端子Daおよび出力端子Db1〜Dbmを備える。出力端子Daにはディジタル変調信号の複数のチャネル周波数帯域が割り当てられており、出力端子Db1〜Dbmのそれぞれには1つのアナログ変調信号のチャネル周波数帯域が割り当てられている。出力端子Daおよび出力端子Db1〜Dbmは、入力端子Dcから入力された信号に含まれる割り当てられたチャネル周波数帯域外の周波数帯域の信号を減衰させた信号を出力する。
【0022】
分波器64の出力端子Daから出力された信号は、ディジタル帯域増幅器72aに入力される。ディジタル帯域増幅器72aは、ディジタル変調信号に対して不要な信号を減衰させる周波数帯域制限を施し、必要な信号を増幅して合波器66の入力端子Caに入力する。また、分波器64の出力端子Db1〜Dbmから出力された信号は、アナログ帯域増幅器72b1〜72bmのそれぞれに入力される。アナログ帯域増幅器72b1〜72bmは、アナログ変調信号に対して不要な信号を減衰させる周波数帯域制限を施し、必要な信号を増幅して合波器66の入力端子Cb1〜Cbmのそれぞれに入力する。
【0023】
ディジタル帯域増幅器72aは、受信増幅器14a、周波数変換器16a、アナログ入出力フィルタ18a、中間周波数増幅器20a、周波数変換器22a、送信増幅器24aを備えて構成される。受信増幅器14aは、放送周波数帯域の信号を増幅し、周波数変換器16aに入力する。周波数変換器16aは、放送周波数帯域の信号を、それより低い周波数帯域である中間放送周波数帯域の信号に変換し、アナログ入出力フィルタ18aに入力する。中間放送周波数帯域は、その周波数帯域幅が放送周波数帯域のそれと同一であり、その周波数が放送周波数帯域の周波数より低い周波数帯域である。周波数変換器16aには、分波器64が出力する放送周波数帯域の信号の他、局部発振器30が出力する局部発振器信号L1が入力される。周波数変換器16aは、放送周波数帯域の信号に局部発振器信号L1を乗じて放送周波数帯域の信号を中間放送周波数帯域の信号に変換する。
【0024】
具体的には、局部発振器信号L1の周波数をfosc1とし、放送周波数帯域を周波数f1から周波数f2までの周波数帯域とすれば、中間放送周波数帯域は、周波数f1−fosc1から周波数f2−fosc1までの周波数帯域となる。ただし、ここではfosc1<f1<f2の関係があるものとする。なお、周波数変換器16aによる処理によって、周波数f1+fosc1から周波数f2+fosc1までの周波数帯域に不要なイメージ信号が発生するが、このイメージ信号は周波数変換器16aより後段の構成部によって減衰する。
【0025】
アナログ入出力フィルタ18aは、ディジタル放送システムのディジタル変調信号を通過させ、アナログ放送システムのアナログ変調信号を減衰させる。アナログ入出力フィルタ18aの特性によって、ディジタル帯域増幅器72aが周波数帯域制限および増幅を行う周波数帯域が定まる。ディジタル放送システムおよびアナログ放送システムでは、地域ごとに放送局が割り当てられるため、中継送信装置1が設置される地域を指定すれば、その地域を放送圏とする放送局を割り出すことができる。そして、割り出した放送局に割り当てられているチャネル周波数帯域に基づいて、ディジタル帯域増幅器72aが周波数帯域制限および増幅を行うべきディジタル変調信号のチャネル周波数帯域が定まる。
【0026】
例として、アナログ放送システムにおける2つの放送局、およびディジタル放送システムにおける3つの放送局に対し、チャネル周波数帯域が図2(a)のように割り当てられている場合をとりあげる。
【0027】
図2(a)ではチャネル周波数帯域91および94がアナログ放送システムの放送局に対して割り当てられており、チャネル周波数帯域90,92および93がディジタル放送システムの放送局に対して割り当てられている。アナログ入出力フィルタ18aには、チャネル周波数帯域90,92および93に含まれる信号を通過させ、チャネル周波数帯域91および94に含まれる信号を減衰させる図2(b)のような特性を持たせることが好適である。ここでは、特性を透過係数の真数を以て表し、1を減衰がない値、0を無限の減衰を与える値としている。このような特性によって、ディジタル放送システムにおける放送局から送信されたディジタル変調信号を通過させ、アナログ放送システムにおける放送局から送信されたアナログ変調信号を減衰させることができる。また、チャネル周波数帯域93より高域側の周波数帯域に含まれる信号を減衰させる特性により、不測の妨害波および周波数変換器16aで発生したイメージ信号を減衰させることができる。さらに、チャネル周波数帯域90より低域側の周波数帯域に含まれる信号を減衰させる特性により、不測の妨害波を低減させることができる。アナログ入出力フィルタ18aは、LC回路、誘電体共振器、弾性表面波共振器等によって構成することができる。
【0028】
アナログ入出力フィルタ18aは、帯域制限を施した中間放送周波数帯域の信号を中間周波数増幅器20aに入力する。中間周波数増幅器20aは信号を増幅し周波数変換器22aに入力する。周波数変換器22aには、中間周波数増幅器20aが出力する中間放送周波数帯域の信号の他、局部発振器32が出力する局部発振器信号L2が入力される。周波数変換器22aは、中間放送周波数帯域の信号に局部発振器信号L2を乗じて中間放送周波数帯域の信号を放送周波数帯域の信号に変換し送信増幅器24aに入力する。
【0029】
具体的には、中間放送周波数帯域を周波数f1−fosc1から周波数f2−fosc1までの周波数帯域とし、局部発振器信号L2の周波数をfosc2とすれば、周波数f1−fosc1+fosc2から周波数f2−fosc1+fosc2までの放送周波数帯域の信号が得られる。この場合、周波数変換器22aからは、周波数|f2−fosc1−fosc2|から周波数|f1−fosc1−fosc2|までの周波数帯域にイメージ信号が発生するが、このイメージ信号は周波数変換器22aより後段の構成部によって減衰する。
【0030】
送信増幅器24aは、放送周波数帯域の信号を増幅し合波器66の入力端子Caに入力する。
【0031】
次に、アナログ帯域増幅器72b1〜72bmのうちの1つであるアナログ帯域増幅器72bkについて説明する。アナログ帯域増幅器72bkは、受信増幅器14bk、周波数変換器16bk、アナログ入出力フィルタ18bk、中間周波数増幅器20bk、周波数変換器22bk、送信増幅器24bkを備えて構成される。ここで、kは1からmまでのいずれかの整数である。ディジタル帯域増幅器72aが、ディジタル変調信号に対して不要な信号を減衰させる周波数帯域制限を施し増幅するのに対し、アナログ帯域増幅器72b1〜72bmは、アナログ変調信号に対して不要な信号を減衰させる周波数帯域制限を施し増幅する。ディジタル帯域増幅器72aおよびアナログ帯域増幅器72b1〜72bmが周波数帯域制限および増幅を行う周波数帯域は、それぞれアナログ入出力フィルタ18aおよび18b1〜18bmのフィルタ特性によって定まる。したがって、アナログ入出力フィルタ18aおよびアナログ入出力フィルタ18b1〜18bmのそれぞれのフィルタ特性が異なることを除いて、アナログ帯域増幅器72b1〜72bmのそれぞれは、ディジタル帯域増幅器72aと同一の構成とすることができる。そこで、図1ではアナログ帯域増幅器72b1〜72bmのそれぞれが備える各構成部にディジタル帯域増幅器72aが備える各構成部と同一の符号を付し、末尾の符号「b1〜bm」を以て、ディジタル帯域増幅器72aが備える構成部であるかアナログ帯域増幅器72b1〜72bmが備える構成部であるかを区別するものとし、以下の説明を簡略に行う。
【0032】
受信増幅器14bkは、放送周波数帯域の信号を増幅し、周波数変換器16bkに入力する。周波数変換器16bkは、放送周波数帯域の信号を、それより低い周波数帯域である中間放送周波数帯域の信号に変換し、アナログ入出力フィルタ18bkに入力する。周波数変換器16bkには、分波器64の出力端子Dbkから出力される放送周波数帯域の信号の他、局部発振器30が出力する局部発振器信号L1が入力される。周波数変換器16bkは、放送周波数帯域の信号に局部発振器信号L1を乗じて放送周波数帯域の信号を中間放送周波数帯域の信号に変換する。
【0033】
アナログ入出力フィルタ18bkは、アナログ放送システムのアナログ変調信号を通過させ、ディジタル放送システムのディジタル変調信号を減衰させる。アナログ入出力フィルタ18bkの特性によって、アナログ帯域増幅器72bkが周波数帯域制限および増幅を行う周波数帯域が定まる。
【0034】
図2(a)に示す例ではチャネル周波数帯域91および94がアナログ放送システムの放送局に対して割り当てられており、チャネル周波数帯域90,92および93がディジタル放送システムの放送局に対して割り当てられている。したがって、この場合はm=2であり、アナログ入出力フィルタ18b1にチャネル周波数帯域91に含まれる信号を通過させ、チャネル周波数帯域90,92,93および94に含まれる信号を減衰させる特性を、アナログ入出力フィルタ18b2にチャネル周波数帯域94に含まれる信号を通過させ、チャネル周波数帯域90,91,92および93に含まれる信号を減衰させる特性を持たせることが好適である。この場合、アナログ入出力フィルタ18b1および18b2の特性はそれぞれ図2(c)および(d)のようになる。このような特性によって、アナログ放送システムにおける放送局から送信されたアナログ変調信号を通過させ、ディジタル放送システムにおける放送局から送信されたディジタル変調信号を減衰させることができる。また、アナログ入出力フィルタ18b1および18b2の通過周波数帯域より高域側の周波数帯域に含まれる信号を減衰させる特性によって、不測の妨害波および周波数変換器16b1および16b2のそれぞれで発生したイメージ信号を減衰させることができる。さらに、アナログ入出力フィルタ18b1および18b2の通過周波数帯域より低域側の周波数帯域に含まれる信号を減衰させる特性によって、不測の妨害波を低減させることができる。
【0035】
アナログ入出力フィルタ18bkは、帯域制限を施した中間放送周波数帯域の信号を中間周波数増幅器20bkに入力する。中間周波数増幅器20bkは信号を増幅し周波数変換器22bkに入力する。周波数変換器22bkには、中間周波数増幅器20bkが出力する中間放送周波数帯域の信号の他、局部発振器32が出力する局部発振器信号L2が入力される。周波数変換器22bkは、中間放送周波数帯域の信号に局部発振器信号L2を乗じて中間放送周波数帯域の信号を放送周波数帯域の信号に変換し、送信増幅器24bkに入力する。送信増幅器24bkは、放送周波数帯域の信号を増幅し合波器66の入力端子Cbkに入力する。
【0036】
合波器66は、入力端子Ca、入力端子Cb1〜Cbm、および出力端子Ccを備える。入力端子Caにはディジタル変調信号の複数のチャネル周波数帯域が割り当てられており、入力端子Cb1からCbmのそれぞれには1つのアナログ変調信号のチャネル周波数帯域が割り当てられている。合波器66は、入力端子Caおよび入力端子Cb1〜Cbmのそれぞれから入力された信号を合成して出力端子Ccから出力する。また、合波器66は、入力端子Caおよび入力端子Cb1〜Cbmのそれぞれから入力された信号に含まれる割り当てられたチャネル周波数帯域外の周波数帯域の信号を減衰させて出力端子Ccから出力する。さらに、合波器66は、入力端子Caから入力端子Cb1〜Cbmのそれぞれに回り込んで出力される信号、および入力端子Cbkから入力端子Caおよび入力端子Cbp(pはkとは異なる1からmまでのいずれかの整数)のそれぞれに回り込んで出力される信号を減衰させる。合波器66が出力する信号は送信アンテナ28を介して電磁波として送信される。
【0037】
本実施形態に係る中継送信装置1では、複数のディジタル変調信号のチャネル周波数帯域に対して周波数帯域制限を施し必要な信号を増幅する手段を、1つのディジタル帯域増幅器72aを以て実現している。このように、1系統の構成で複数のディジタル変調信号に対する処理を行う構成が可能であるのは、ディジタル変調信号について次のような性質があるためである。
【0038】
近隣のチャネル周波数帯域内に発生させる相互変調信号の影響は、その相互変調信号がアナログ変調信号によるものである場合に比してディジタル変調信号によるものである場合の方が小さい。また、周波数変換の際に近隣のチャネル周波数帯域内に発生させる妨害波等、各チャネル周波数帯域に近い周波数帯域に重畳するノイズによって発生する妨害波の影響もまた、その妨害波がアナログ変調信号によるものである場合に比してディジタル変調信号によるものである場合の方が小さい。これは、アナログ変調信号が、狭い周波数帯域内に大きな電力が集中している信号であるのに対し、ディジタル変調信号はチャネル周波数帯域内で一様な密度を以て電力が分布している信号であることによるものである。すなわち、同一電力の信号であれば、周波数領域における電力密度が低い信号程、近隣のチャネル周波数帯域に及ぼす影響は小さいといえる。
【0039】
したがって、近隣の複数のチャネル周波数帯域の信号のいずれもがディジタル変調信号である場合や、中継送信の処理の過程でアナログ変調信号を分離した場合には、必ずしも図9の中継送信装置9のように複数のチャネル周波数帯域をチャネル周波数帯域ごとに分離する構成とする必要はない。本実施形態に係る中継送信装置1は、このようなディジタル変調信号の性質に鑑みて、中継送信装置9に比して構成を単純化したものである。
【0040】
図3に本発明の第2の実施形態に係る中継送信装置2の構成を示す。中継送信装置2は、中継送信装置1が中継送信する信号の電力よりも小さい電力の信号の中継送信を行うものとして好適である。中継送信装置1と同一の構成部については同一の符号を付してその説明を省略する。中継送信装置2は、受信アンテナ10と分波器65の入力端子Dcとの間に、受信フィルタ12および受信増幅器14を備え、合波器67の出力端子Ccと送信アンテナ28との間に送信増幅器24および送信フィルタ26を備える。
【0041】
ディジタル帯域増幅器73aは、ディジタル帯域増幅器72aから受信増幅器14aおよび送信増幅器24aを取り除き、アナログ帯域増幅器73bkは、アナログ帯域増幅器72bkから受信増幅器14bkおよび送信増幅器24bkを取り除いた構成となっている。
【0042】
なお、受信増幅器14は、受信増幅器14aおよび14b1〜14bmと同一のものであり、送信増幅器24は、送信増幅器24aおよび24b1〜24bmと同一のものであるが、適用される周波数帯域が異なるため、末尾の符号「a,b1〜bm」を以て適用されるチャネル周波数帯域を区別する。
【0043】
受信アンテナ10で受信された信号は受信フィルタ12に入力される。受信フィルタ12は、それぞれ1つの放送局に割り当てられている複数のチャネル周波数帯域を含む放送周波数帯域を通過周波数帯域とする。受信フィルタ12は、入力された信号に含まれる放送周波数帯域外の信号を減衰させて受信増幅器14に入力する。受信増幅器14は信号を増幅して分波器65の入力端子Dcに入力する。
【0044】
ディジタル帯域増幅器73aの周波数変換器16a、アナログ入出力フィルタ18a、中間周波数増幅器20a、および周波数変換器22aが行う処理、ならびにアナログ帯域増幅器73bkの周波数変換器16bk、アナログ入出力フィルタ18bk、中間周波数増幅器20bk、および周波数変換器22bkが行う処理は、第1の実施形態に係る中継送信装置1と同一である。
【0045】
合波器67の出力端子Ccから出力される信号は送信増幅器24に入力される。送信増幅器24は信号を増幅し送信フィルタ26に入力する。送信フィルタ26は、送信増幅器24の非線形性によって発生する高次調波信号等の放送周波数帯域外の信号を減衰させる。送信フィルタ26が出力する信号は送信アンテナ28を介して電磁波として送信される。
【0046】
この構成では、受信増幅器14および送信増幅器24が、ディジタル変調信号が占有するチャネル周波帯域およびアナログ変調信号が占有する周波数帯域の両者に対して適用される。そのため、第1の実施形態に係る中継送信装置1に比して構成が単純化される。このような構成は、中継送信する信号の電力が比較的小さく、受信増幅器14、送信増幅器24等の非線形性が問題とならない場合に好適である。
【0047】
なお、中継送信装置1および中継送信装置2は、放送周波数帯域の信号を中間放送周波数帯域に変換した上で、帯域制限および中間周波数増幅を行う構成となっている。これは、アナログ入出力フィルタ18aおよび18b1〜18bmのフィルタ特性の実現が容易になるという観点、中間周波数増幅器20aおよび20b1〜20bmに送信増幅器24より大きい増幅利得を配分し、異常発振等の不安定動作を回避するという観点等に基づくものである。しかし、アナログ入出力フィルタ18aおよび18b1〜18bmに要求されるフィルタ特性が放送周波数帯域で容易に実現することができる、中継送信に要求される増幅利得が小さい、送信増幅器24aおよび24bk、または送信増幅器24に十分な異常発振対策を施すことができる等の場合には、必ずしも放送周波数帯域の信号を中間放送周波数帯域に変換する必要はない。この場合、周波数変換器16a,16b1〜16bm,22a,22b1〜22bm、中間周波数増幅器20a,20b1〜20bm、局部発振器30および32は不要となり、中継送信装置の構成を簡略化することができる。
【0048】
また、中継送信装置1は分波器64を設け、分波器64の出力端子Daおよび出力端子Db1〜Dbmは、入力端子Dcから入力された信号に含まれる割り当てられたチャネル周波数帯域外の周波数帯域の信号を減衰させた信号を出力する構成となっている。このように、分波器64において各チャネル周波数帯域ごとの周波数帯域制限を行う構成の他、分波器64を周波数帯域制限を行わずに信号を分配する分配器に置き換え、当該分配器とディジタル帯域増幅器72aとの間、および当該分配器とアナログ帯域増幅器72b1〜72bmとの間のそれぞれに分波器64と同等の周波数帯域制限を行うフィルタを設ける構成とすることも可能である。同様に、合波器66において各チャネル周波数帯域ごとの周波数帯域制限を行う構成の他、合波器66を周波数帯域制限を行わずに信号を合成する合成器に置き換え、ディジタル帯域増幅器72aと当該合波器との間、およびアナログ帯域増幅器72b1〜72bmと当該合波器との間のそれぞれに合波器66と同等の周波数帯域制限を行うフィルタを設ける構成とすることも可能である。
【0049】
さらに、中継送信装置1と同様、中継送信装置2においても、分波器65を周波数帯域制限を行わずに信号を分配する分配器に置き換え、当該分配器とディジタル帯域増幅器73aとの間、および当該分配器とアナログ帯域増幅器73b1〜73bmとの間のそれぞれに分波器65と同等の周波数帯域制限を行うフィルタを設ける構成とすることが可能である。同様に、合波器67において各チャネル周波数帯域ごとの周波数帯域制限を行う構成の他、合波器67を周波数帯域制限を行わずに信号を合成する合成器に置き換え、ディジタル帯域増幅器73aと当該合波器との間、およびアナログ帯域増幅器73b1〜73bmと当該合波器との間のそれぞれに合波器67と同等の周波数帯域制限を行うフィルタを設ける構成とすることが可能である。
【0050】
第1の実施形態に係る中継送信装置1は、放送局から送信されたディジタル変調信号およびアナログ変調信号の両者に対して中継送信を行うため、ディジタル帯域増幅器72aに加えてアナログ帯域増幅器72b1〜72bmを備える。しかし、アナログ変調信号に対して中継送信を行う必要がない場合には、アナログ帯域増幅器72b1〜72bmを設ける必要はないため、次に説明する第3の実施形態に係る中継送信装置3のように構成を簡略化することができる。
【0051】
図4に本発明の第3の実施形態に係る中継送信装置3の構成を示す。中継送信装置3は、ディジタル変調信号を適用するディジタル放送システムに適用され、専らディジタル変調信号の中継送信を行う。第1の実施形態に係る中継送信装置1または第2の実施形態に係る中継送信装置2と同一の構成部については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
中継送信装置3は、中継送信装置1から分波器64、アナログ帯域増幅器72b1〜72bm、合波器66、および局部発振器32を取り除き、受信増幅器14と周波数変換器16aとの間、および周波数変換器22aと送信増幅器24との間を直接接続した構成となっている。また、周波数変換器16aおよび22aには、同一の局部発振器信号L1が入力される。
【0053】
中継送信装置3では、アナログ入出力フィルタ18aにおいてアナログ変調信号を減衰させている。これによって、アナログ変調信号とそのアナログ変調信号の周波数近傍に存在する妨害波による相互変調信号による悪影響や、各チャネル周波数帯域に近い周波数帯域に重畳するノイズによって発生する妨害波による悪影響を回避することができる。
【0054】
ディジタル放送システムにおける中継送信装置では、周波数有効利用を図るため、受信する信号の周波数と送信する信号の周波数とを一致させるSFN(Single Frequency Network)方式を採用することが多い。中継送信装置3では、周波数変換器16aおよび22aに同一の局部発振器信号L1を入力することにより、受信する放送周波数帯域の周波数と送信する放送周波数帯域の周波数とを一致させ、SFN方式に対応している。この方式では、OFDM変調方式等、干渉波を検出可能なディジタル変調方式を採用することで、中継送信装置3を介して送信される信号と、放送局から直接送信される信号との間の干渉による影響を受信機において低減する。
【0055】
また、アナログ入出力フィルタ18aにおいてアナログ変調信号を減衰させることで、ディジタル放送システムにおいて同一の周波数で信号の中継送信を行うことによる既存のアナログ放送システムへの影響を小さく抑えることができる。
【0056】
SFN方式を採用する中継送信装置が、アナログ変調信号を減衰させることなく中継送信を行うこととすると、アナログ変調信号を受信する受信機が取得する情報の品質が低下してしまう。それは、一般にアナログ放送システムではそのような干渉による影響を低減する手段を備えていないためである。本実施形態に係る中継送信装置3では、アナログ入出力フィルタ18aにおいてアナログ変調信号を減衰させるため、直接到来するアナログ変調信号と中継送信装置3を介して到来するアナログ変調信号との間で干渉を引き起こすことがなく、既存のアナログ放送システムへの影響を小さく抑えることができる。
【0057】
なお、アナログ入出力フィルタ18aに要求されるフィルタ特性が放送周波数帯域で容易に実現することができる、中継送信に要求される増幅利得が小さい、送信増幅器24に十分な異常発振対策を施すことができる等の場合、周波数変換器16aおよび22a、中間周波数増幅器20a、ならびに局部発振器30は不要となり、中継送信装置3の構成を簡略化することができる点については第1の実施形態に係る中継送信装置1または第2の実施形態に係る中継送信装置2と同様である。
【0058】
第1から第3の実施形態では、周波数帯域制限および増幅を行う周波数帯域を定める手段としてアナログ入出力フィルタを適用するものとした。アナログ入出力フィルタは、安価な受動素子で実現することができるという利点がある。しかし、ディジタル放送システムの放送周波数帯域が、非常に広い周波数帯域にわたって存在している場合や、アナログ放送システムにおける複数のチャネル周波数帯域がディジタル放送システムにおける複数のチャネル周波数帯域の間に交互に現れる場合等、要求されるフィルタ特性が複雑である場合、フィルタ特性を実現することが困難となる。また、中継送信装置1または中継送信装置3を設置する地域によって要求されるフィルタ特性が異なるため、地域ごとにアナログ入出力フィルタ18aを設計し直さなければならないという問題がある。次に説明する第4の実施形態に係る中継送信装置5は、このような問題を解決するものである。
【0059】
図5に本発明の第4の実施形態に係る中継送信装置5の構成を示す。中継送信装置1〜3と同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を簡略に行う。中継送信装置5は、受信アンテナ10、受信フィルタ12、受信増幅器14、周波数変換器16a、A/D変換器40、ディジタル入出力フィルタ42、D/A変換器44、周波数変換器22a、送信増幅器24、送信フィルタ26、送信アンテナ28、帯域制限タップ係数設定部48、局部発振器46を備えて構成される。
【0060】
受信アンテナ10で受信された信号は受信フィルタ12を介して受信増幅器14に入力される。受信増幅器14は信号を増幅して周波数変換器16aに入力する。
【0061】
周波数変換器16aは、放送周波数帯域の信号を、それより低い周波数帯域である中間放送周波数帯域の信号に変換し、A/D変換器40に入力する。周波数変換器16aには、受信増幅器14から入力された放送周波数帯域の信号の他、局部発振器46が出力する局部発振器信号L1が入力される。周波数変換器16aは、放送周波数帯域の信号に局部発振器信号L1を乗じて放送周波数帯域の信号を中間放送周波数帯域の信号に変換する。
【0062】
A/D変換器40は、中間放送周波数帯域の信号をディジタル信号に変換し、ディジタル入出力フィルタ42に入力する。
【0063】
ディジタル入出力フィルタ42は、帯域制限タップ係数が入力されることによりフィルタ特性が定まる。本実施形態では、帯域制限タップ係数は、帯域制限タップ係数設定部48から入力される。
【0064】
帯域制限タップ係数設定部48は、チャネル入力部48a、特性算出部48b、特性合成部48cを備えて構成される。帯域制限タップ係数設定部48は、中継送信装置5を設置する地域を放送圏とする放送局のチャネル番号の入力に基づいて、帯域制限タップ係数を算出する。ここでは、図6(a)に示すようにチャネル周波数帯域98がアナログ放送システムの放送局に対して割り当てられており、チャネル周波数帯域94,95,97および99がディジタル放送システムの放送局に対して割り当てられている場合を例としてとりあげる。なお、チャネル周波数帯域96は、中継送信装置5を設置する地域を放送圏としないディジタル放送システムの放送局に割り当てられているものとする。各チャネル周波数帯域には周波数の低い順序でチャネル番号が付されているものとし、チャネル周波数帯域94から99のそれぞれのチャネル番号をそれぞれ94から99とする。
【0065】
帯域制限タップ係数設定部48は次の(1)から(10)に示す処理に従い帯域制限タップ係数を算出し、ディジタル入出力フィルタ42に入力する。
(1)チャネル入力部48aには、ディジタル放送システムの放送局のチャネル番号、およびアナログ放送システムの放送局のチャネル番号がそれぞれ区別して入力される。ただし、入力されるチャネル番号は、中継送信装置5を設置する地域を放送圏とする放送局に割り当てられているものに限られる。図6(a)の例では、チャネル番号94,95,97および99がディジタル放送システムのチャネル番号として入力され、チャネル番号98がアナログ放送システムのチャネル番号として入力される。チャネル入力部48aは、入力されたチャネル番号を特性算出部48bに入力する。
(2)特性算出部48bは、チャネル番号に対応するチャネル周波数帯域を予め記憶しており、入力されたチャネル番号に基づいて放送周波数帯域を算出する。そして、算出された放送周波数帯域と予め定められた中間放送周波数帯域との関係から、局部発振器信号L1の周波数を決定し、局部発振器46が出力する局部発振器信号L1の周波数を設定する。
(3)特性算出部48bは、算出された放送周波数帯域に含まれるチャネル周波数帯域のチャネル番号のうち、ディジタル放送システムのチャネル番号としても、アナログ放送システムのチャネル番号としても入力されていないチャネル番号については、中継送信装置5を設置する地域を放送圏としない放送局に割り当てられているチャネル番号であるものと認識する。そして、当該チャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の信号を減衰させる帯域除去特性を表す関数を算出し特性合成部48cに入力する。この関数は、周波数領域表現の関数であるものとし、以下、帯域除去特性関数とする。図6(a)の例では、当該チャネル番号は96であり、帯域除去特性関数は図6(b)のようになる。
(4)特性算出部48bは、アナログ放送システムのチャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の信号を減衰させる帯域除去特性関数を算出し特性合成部48cに入力する。図6(a)の例では、アナログ放送システムのチャネル番号は98であり、帯域除去特性関数は図6(c)のようになる。
(5)特性算出部48bは、ディジタル放送システムのチャネル番号のうち、対応するチャネル周波数帯域が最も低域にあるものを検索する。
(6)そして、検索したチャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の低域端をカットオフ周波数とする高域通過特性を表す関数を算出し特性合成部48cに入力する。この関数は、周波数領域表現の関数であるものとし、以下、高域通過特性関数とする。図6(a)の例では、チャネル周波数帯域が最も低域にあるディジタル放送システムのチャネル番号は94であり、高域通過特性関数は図6(d)のようになる。
(7)また、特性算出部48bは、ディジタル放送システムのチャネル番号のうち、対応するチャネル周波数帯域が最も高域にあるものを検索する。
(8)そして、検索したチャネル番号に対応するチャネル周波数帯域の高域端をカットオフ周波数とする低域通過特性を表す関数を算出し特性合成部48cに入力する。この関数は、周波数領域表現の関数であるものとし、以下、低域通過特性関数とする。図6(a)の例では、チャネル周波数帯域が最も高域にあるディジタル放送システムのチャネル番号は99であり、低域通過特性関数は図6(e)のようになる。
(9)特性合成部48cは、帯域除去特性関数、高域通過特性関数、および低域通過特性関数を乗じた特性関数を算出する。図6(a)の例では、算出される特性関数は図6(f)のようになる。
(10)特性合成部48cは、特性関数に逆フーリエ変換を施して時間領域表現の特性関数を算出し、これを離散化することで帯域制限タップ係数を算出し、ディジタル入出力フィルタ42に入力する。
【0066】
なお、上記(3)、(4)、(6)、および(8)のそれぞれの処理においては、周波数領域表現の関数を算出する場合を想定したが、それぞれの処理において時間領域表現の関数を算出する構成とすることも可能である。この場合、時間領域表現の帯域除去特性関数、時間領域表現の高域通過特性関数、および時間領域表現の低域通過特性関数の畳み込み演算によって、時間領域表現の特性関数を算出し、これを離散化することで帯域制限タップ係数を算出すればよい。
【0067】
また、帯域制限タップ係数設定部48は、チャネル番号の入力に基づいて帯域制限タップ係数を算出する構成としている。このような構成の他、周波数領域表現または時間領域表現の帯域除去特性関数、高域通過特性関数、低域通過特性関数、特性関数等を直接取得し、これらに基づいて帯域制限タップ係数を算出する構成とすることも可能である。
【0068】
ディジタル入出力フィルタ42は、帯域制限を施した中間放送周波数帯域の信号をD/A変換器44に入力する。D/A変換器44は、入力された信号をアナログ信号に変換し周波数変換器22aに入力する。周波数変換器22aは、中間放送周波数帯域の信号を放送周波数帯域の信号に変換し、送信増幅器24に入力する。周波数変換器22aは、中間放送周波数帯域の信号に局部発振器信号L1を乗じて中間放送周波数帯域の信号を放送周波数帯域の信号に変換する。
【0069】
送信増幅器24は、放送周波数帯域の信号を増幅し、送信フィルタ26に入力する。送信フィルタ26は、入力された信号の放送周波数帯域外に含まれるイメージ信号、送信増幅器24の非線形性による高次調波信号等を減衰し、送信アンテナ28に入力する。送信アンテナ28は、入力された信号を電磁波として送信する。
【0070】
本実施形態に係る中継送信装置5では、ディジタル放送システムのチャネル番号とアナログ放送システムのチャネル番号の入力に基づいて所望のフィルタ特性を表す特性関数を算出し、その特性関数から帯域制限タップ係数を求めてディジタル入出力フィルタ42の特性を定める。これによって、中継送信装置5を設置する地域を放送圏とするアナログ放送システムの放送局が存在する等、要求されるフィルタ特性が複雑な場合であっても、中継送信を行う信号の周波数帯域を容易に設定することができる。また、中継送信装置5を設置する地域を放送圏としない放送局から送信される信号を中継送信しないよう、ディジタル入出力フィルタ42の特性を定めることも容易となる。
【0071】
さらに、ディジタル放送システムのチャネル番号とアナログ放送システムのチャネル番号の入力のみで中継送信装置5が中継送信を行う信号の周波数帯域を設定することができるため、中継送信装置5を設置する地域によってハードウエアの設計変更を行う必要がないという利点がある。
【0072】
第4の実施形態に係る中継送信装置5は、放送周波数帯域内に含まれる中継送信を行う信号に対しては、同一の利得を以て増幅を行い送信する構成となっている。このような構成では、中継送信装置5で受信される信号の電界強度が放送局ごとに異なる場合、中継送信装置5が送信する信号の電界強度もまた放送局ごとに異なることとなる。その結果、中継送信装置5を設置したとしても、全ての放送局に対して品質劣化地域を減少させる効果を得ることが困難となる。また、放送局から送信される電磁波の伝播環境が時間と共に変化するのに伴って、中継送信装置5で受信される信号の電界強度の放送局ごとの差異が変動し、受信機で取得される情報品質が不安定なものとなる。次に説明する第5の実施形態に係る中継送信装置7は、このような問題を解決するものである。
【0073】
図7に本発明の第5の実施形態に係る中継送信装置7の構成を示す。第4の実施形態に係る中継送信装置5と同一の構成部分については同一の符号を付してその説明を簡略化する。中継送信装置7は、ディジタル入出力フィルタ42とD/A変換器44との間に振幅等化器50を設けた点が中継送信装置5と異なる。
【0074】
振幅等化器50はディジタルフィルタ50a、電界強度特性推定部50bを備えて構成される。ディジタルフィルタ50aは、電界強度特性推定部50bから入力される振幅等化タップ係数によってフィルタ特性が定まる。
【0075】
電界強度特性推定部50bは次の(1)から(4)に示す処理に従い振幅等化タップ係数を算出し、ディジタルフィルタ50aに入力する。
(1)電界強度特性推定部50bは、ディジタルフィルタ50aが出力する中間放送周波数帯域の信号をフーリエ変換し、周波数領域表現の中間放送周波数帯域の信号、すなわち中間放送周波数帯域の信号の周波数スペクトラム信号を生成する。
(2)電界強度特性推定部50bは、周波数スペクトラム信号の包絡線を表す周波数スペクトラム包絡線関数を算出する。
(3)電界強度特性推定部50bは、周波数スペクトラム包絡線関数を予め定められた基準値で規格化した規格化周波数スペクトラム包絡線関数を算出する。当該基準値としては、周波数スペクトラム包絡線関数の最大値が好適である。
(4)電界強度特性推定部50bは、規格化周波数スペクトラム包絡線関数の逆数を算出し、これを離散化することで振幅等化タップ係数を算出し、ディジタルフィルタ50aに入力する。
【0076】
振幅等化タップ係数の更新周期は、放送局から送信される電磁波の伝播環境の変動周期に応じて決定することが好適である。
【0077】
ここで、図6(a)のようにディジタル放送システムのチャネル番号およびアナログ放送システムのチャネル番号が割り当てられており、受信アンテナ10における電界強度分布が図8(a)のように示される場合についてとりあげる。この場合、電界強度特性推定部50bが算出する周波数スペクトラム包絡線関数80、規格化周波数スペクトラム包絡線関数82、および規格化周波数スペクトラム包絡線関数の逆数84の様子は図8(a)および(b)のようになる。図8(a)ではチャネル番号97のチャネル周波数帯域での電界強度が最小となり、周波数スペクトラム包絡線関数80は曲線Aのようになる。曲線Bは周波数スペクトラム包絡線関数80の最大値を基準として規格化した規格化周波数スペクトラム包絡線関数82を、曲線Cはその逆数を示す。ただし、関数値は対数スケールで表しており基準値を0dBとしている。
【0078】
ディジタルフィルタ50aは、電界強度特性推定部50bから入力される振幅等化タップ係数に基づいて定まる特性に基づいて、入力された信号の振幅を変化させ、D/A変換器44に入力する。
【0079】
本実施形態によれば、受信される信号の振幅の放送局ごとの偏差が振幅等化器50によって等化されるため、中継送信によって品質劣化地域を減少させる効果を確実なものとすることができる。また、振幅等化タップ係数は、所定の周期で更新されるので、電磁波の伝播環境の変化に対し、適応的に振幅等化器50の振幅等化特性を変化させることができる。そのため、放送局から送信される電磁波の伝播環境が時間と共に変化するのに伴って、中継送信装置7で受信される信号の電界強度の放送局ごとの差異が変動し、受信機で取得される情報品質が不安定となるという問題を回避することができる。
【0080】
なお、上述の中継送信装置3,5および7は、ディジタル放送システムにおける中継送信を行うことを想定し、アナログ放送システムで適用されるアナログ変調信号を減衰させるものとした。しかし、ディジタル放送システムに影響を及ぼす可能性があるのは、アナログ放送システムにおけるアナログ変調信号に限られない。周波数領域における電力密度が高い信号程、近傍の周波数帯域に悪影響を与える蓋然性が高いことは先に述べた通りである。したがって、中継送信装置3が備えるアナログ入出力フィルタ18a、または中継送信装置5および7が備えるディジタル入出力フィルタ42のフィルタ特性は、上述のアナログ変調信号の他、周波数領域における電力密度が高い変調信号を用いる通信システムの変調信号を減衰させることを目的として決定することが好ましい。
【0081】
また、複数のシステムに対する中継送信を1台の中継送信装置で行う構成とすることも可能である。例えば、ディジタルテレビ放送システムで使用されるディジタル変調信号と、ディジタル携帯電話システム、ディジタル移動体通信システム等のディジタルデータ通信システムで使用されるディジタル変調信号の両者を同時に中継送信する構成等が考えられる。この場合には、これら複数のシステムで使用されている無線周波数帯域外に存在する信号は、中継送信装置において減衰させ中継送信を行わないこととすることができる。
【0082】
さらに、上述の中継送信装置3,5および7は、周波数変換器16aおよび周波数変換器22aには同一の周波数の局部発振器信号を入力する構成となっているが、中継送信装置1および2と同様、周波数変換器16aと周波数変換器22aにそれぞれ異なる周波数の局部発振器信号を入力する構成とすることも可能である。このような構成によれば、複数のチャネル周波数帯域を含む放送周波数帯域の信号を、当該複数のチャネル周波数帯域の周波数間隔および周波数配列に変更を与えることなく、別の周波数帯域に移動させつつ中継送信を行うことができる。例えば、中継送信装置が受信した複数のチャネル周波数帯域の信号を、周波数割り当てが疎である周波数帯域に移動させることで、周波数の有効利用を図ることができる。また、信号を送信する送信アンテナ28の代わりに伝送ケーブルを接続することで、CATV等の他のシステムへ接続するための周波数変換装置として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る中継送信装置の構成を示す図である。
【図2】チャネル周波数帯域の割り当ておよびアナログ入出力フィルタのフィルタ特性を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る中継送信装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る中継送信装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る中継送信装置の構成を示す図である。
【図6】チャネル周波数帯域の割り当て、特性関数を算出する過程およびディジタル入出力フィルタのフィルタ特性を示す図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る中継送信装置の構成を示す図である。
【図8】電界強度分布、周波数スペクトラム包絡線関数、規格化周波数スペクトラム包絡線関数、および規格化周波数スペクトラム包絡線関数の逆数を示す図である。
【図9】複数のチャネル周波数帯域を占有する複数のアナログ変調信号を中継送信する中継送信装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1,2,3,5,7,9 中継送信装置、10 受信アンテナ、12 受信フィルタ、14,14a,14b1〜14bm 受信増幅器、16a,16b,22a,22b 周波数変換器、18a,18b アナログ入出力フィルタ、20a,20b 中間周波数増幅器、24,24a,24b1〜24bm 送信増幅器、26 送信フィルタ、28 送信アンテナ、30,32,46 局部発振器、40 A/D変換器、42 ディジタル入出力フィルタ、44 D/A変換器、48 帯域制限タップ係数設定部、48a チャネル入力部、48b 特性算出部、48c 特性合成部、50 振幅等化器、50a ディジタルフィルタ、50b 電界強度特性推定部、60,64,65 分波器、62,66,67 合波器、70−1〜70−n チャネル帯域内増幅部、72a,73a ディジタル帯域増幅器、72b1〜72bm,73b1〜73bm アナログ帯域増幅器、80 周波数スペクトラム包絡線関数、82 規格化周波数スペクトラム包絡線関数、84 規格化周波数スペクトラム包絡線関数の逆数、90〜99 チャネル周波数帯域。




 

 


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