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発明の名称 現用予備切替装置及びそれを備えた現用予備切替型送信機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−13346(P2007−13346A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189052(P2005−189052)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 城崎 俊文 / 高橋 英紀 / 矢野 義明
要約 課題
現用回路と予備回路の双方から出力される信号の位相同期制御に用いる制御回路を小規模で簡略化するとともに位相同期制御の応答性を向上させる。

解決手段
位相比較器42は、現用送信回路10と予備送信回路12の双方から抽出した送信信号の位相を、各送信信号の抽出箇所での位相差Δθが維持された状態で比較する。位相比較器44は、現用送信回路10と予備送信回路12の双方から抽出した送信信号の位相を、各送信信号の抽出箇所での位相差Δθからπ/2[rad]変化させた状態で比較する。信号処理部46は、位相比較器42からの検波電圧V1の極性に基づいて位相切替器30における移相量(0またはπ[rad])の切り替え制御を行うとともに、位相比較器44からの検波電圧V2が0[V]になるように可変移相器32における移相量の制御を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
現用回路と予備回路のいずれかから同種の信号を選択的に出力することが可能な現用予備切替装置であって、
現用回路から出力される信号と予備回路から出力される信号の位相同期制御を行う位相制御装置を備え、
位相制御装置は、
現用回路から抽出した信号の位相と予備回路から抽出した信号の位相を、これらの信号の抽出箇所での位相差が維持された状態で比較し、この位相比較結果に応じた第1位相差検出信号を出力する第1位相比較器と、
現用回路から抽出した信号の位相と予備回路から抽出した信号の位相を、これらの信号の抽出箇所での位相差からπ/2変化させた状態で比較し、この位相比較結果に応じた第2位相差検出信号を出力する第2位相比較器と、
を有し、
第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号と第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号の両方に基づいて前記位相同期制御を行うことを特徴とする現用予備切替装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現用予備切替装置であって、
位相制御装置は、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号の極性と第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号のレベルに基づいて前記位相同期制御を行うことを特徴とする現用予備切替装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の現用予備切替装置であって、
現用回路と予備回路のいずれかには、入力された信号を移相させずに出力する第1状態と入力された信号をπ移相させて出力する第2状態との切り替えが可能な位相切替器と、入力された信号を移相させて出力し且つ移相量の調整が可能な位相調整器と、が直列して設けられており、
位相制御装置は、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号に基づいて位相切替器における前記第1状態と前記第2状態との切り替え制御を行い、且つ第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号に基づいて位相調整器における移相量の制御を行うことで、前記位相同期制御を行うことを特徴とする現用予備切替装置。
【請求項4】
請求項3に記載の現用予備切替装置であって、
位相調整器における移相量の可変幅がπに設定されていることを特徴とする現用予備切替装置。
【請求項5】
請求項1に記載の現用予備切替装置であって、
現用回路と予備回路のいずれかには、入力された信号を変調信号に基づき変調することで、入力された信号を移相させて出力し且つ該変調信号に基づいて移相量が調整される直交変調器が設けられており、
位相制御装置は、前記変調信号として、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号及び第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号に基づいて直交変調器における移相量の制御を行うことで、前記位相同期制御を行うことを特徴とする現用予備切替装置。
【請求項6】
請求項5に記載の現用予備切替装置であって、
直交変調器は、変調信号の同相成分及び直交成分に基づいて移相量が調整され、
位相制御装置は、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号を前記変調信号の同相成分として直交変調器に供給するとともに、第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号を前記変調信号の直交成分として直交変調器に供給することを特徴とする現用予備切替装置。
【請求項7】
現用回路と予備回路のいずれかから同種の信号を選択的に出力することが可能な現用予備切替装置を備え、現用回路と予備回路のいずれかから出力された信号を送信することが可能な現用予備切替型送信機であって、
前記現用予備切替装置が、請求項1〜6のいずれか1に記載の現用予備切替装置であることを特徴とする現用予備切替型送信機。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、現用回路と予備回路のいずれかから同種の信号を選択的に出力することが可能な現用予備切替装置、及びそれを備えた現用予備切替型送信機に関し、特に、現用回路から出力される信号と予備回路から出力される信号の位相同期制御に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の現用予備切替型送信機の関連技術が下記特許文献1に開示されている。特許文献1においては、ダイオードスイッチ等により現用送信回路の送信出力から予備送信回路の送信出力へ切り替える際に、各々の送信出力の位相を比較して、その比較結果に基づき予備送信回路の送信波の位相を制御している。より具体的には、現用送信回路から抽出した送信出力を位相比較器に直接入力するとともに、予備送信回路から抽出した送信出力をπ/2[rad]移相させてから位相比較器に入力する。そして、位相比較器からの出力電圧が0[V]となるように、すなわち位相比較器に入力された2つの信号の位相が直交するように予備送信回路の送信波の位相を制御することで、予備送信回路の送信波を現用送信回路の送信波に位相同期させる。これによって、送信出力を切り替える際の伝送データの瞬断あるいは情報誤りの抑止を図っている。
【0003】
その他にも、下記特許文献2による現用予備切替制御が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特許第3034116号明細書
【特許文献2】特開2002−64410号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1においては、予備送信回路の送信波を現用送信回路の送信波に位相同期させるために、位相比較器からの出力電圧が0[V]となるように予備送信回路の送信波の位相を制御している。しかし、図4に示すように、現用送信回路の送信波と予備送信回路の送信波の位相差Δθがπ/2−X[rad]である場合(図4の点A1に示す場合)と、位相差Δθがπ/2+X[rad]である場合(図4の点B1に示す場合)とで、位相比較器からの出力電圧が等しくなる。そのため、位相比較器からの出力電圧では、現用送信回路の送信波と予備送信回路の送信波の位相差Δθを一義的に特定することが困難となる。そして、単に位相比較器からの出力電圧が0[V]となるように予備送信回路の送信波の位相を制御するだけでは、位相差Δθが0[rad]に収束する場合(図4の点Aに示す場合)の他に、位相差Δθがπ[rad]に収束する場合(図4の点Bに示す場合)も発生することになる。
【0006】
例えば図4の矢印に示すように、位相比較器からの出力電圧が正の場合(図4の点A1,B1に示す場合)は、位相差Δθを所定量減少させるように予備送信回路の送信波の位相を制御し、位相比較器からの出力電圧が負の場合(図4の点A2,B2に示す場合)は、位相差Δθを所定量増大させるように予備送信回路の送信波の位相を制御することで、位相差Δθを0[rad]に収束させる制御方法も考えられる。しかし、その制御方法では、位相差Δθがπ[rad]に向かって収束するのが抑止されるものの、移相量の可変範囲が0〜2×π[rad]である可変移相器とその制御回路が必要であり、回路規模の増大を招くという問題点がある。また、位相差Δθが最終的に0[rad]に収束するまでの遅れ時間が発生することになり、現用送信回路の送信波と予備送信回路の送信波の位相同期制御の応答性が低下してしまうという問題点がある。
【0007】
本発明は、現用回路から出力される信号と予備回路から出力される信号の位相同期制御に用いる制御回路を小規模で簡略化することができるとともに位相同期制御の応答性を向上させることができる現用予備切替装置及びそれを備えた現用予備切替型送信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る現用予備切替装置及びそれを備えた現用予備切替型送信機は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明に係る現用予備切替装置は、現用回路と予備回路のいずれかから同種の信号を選択的に出力することが可能な現用予備切替装置であって、現用回路から出力される信号と予備回路から出力される信号の位相同期制御を行う位相制御装置を備え、位相制御装置は、現用回路から抽出した信号の位相と予備回路から抽出した信号の位相を、これらの信号の抽出箇所での位相差が維持された状態で比較し、この位相比較結果に応じた第1位相差検出信号を出力する第1位相比較器と、現用回路から抽出した信号の位相と予備回路から抽出した信号の位相を、これらの信号の抽出箇所での位相差からπ/2変化させた状態で比較し、この位相比較結果に応じた第2位相差検出信号を出力する第2位相比較器と、を有し、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号と第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号の両方に基づいて前記位相同期制御を行うことを要旨とする。
【0010】
本発明の一態様では、位相制御装置は、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号の極性と第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号のレベルに基づいて前記位相同期制御を行うことが好適である。
【0011】
また、本発明の一態様では、現用回路と予備回路のいずれかには、入力された信号を移相させずに出力する第1状態と入力された信号をπ移相させて出力する第2状態との切り替えが可能な位相切替器と、入力された信号を移相させて出力し且つ移相量の調整が可能な位相調整器と、が直列して設けられており、位相制御装置は、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号に基づいて位相切替器における前記第1状態と前記第2状態との切り替え制御を行い、且つ第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号に基づいて位相調整器における移相量の制御を行うことで、前記位相同期制御を行うことが好適である。この態様では、位相調整器における移相量の可変幅がπに設定されていることが好適である。
【0012】
また、本発明の一態様では、現用回路と予備回路のいずれかには、入力された信号を変調信号に基づき変調することで、入力された信号を移相させて出力し且つ該変調信号に基づいて移相量が調整される直交変調器が設けられており、位相制御装置は、前記変調信号として、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号及び第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号に基づいて直交変調器における移相量の制御を行うことで、前記位相同期制御を行うことが好適である。この態様では、直交変調器は、変調信号の同相成分及び直交成分に基づいて移相量が調整され、位相制御装置は、第1位相比較器から出力された第1位相差検出信号を前記変調信号の同相成分として直交変調器に供給するとともに、第2位相比較器から出力された第2位相差検出信号を前記変調信号の直交成分として直交変調器に供給することが好適である。
【0013】
また、本発明に係る現用予備切替型送信機は、現用回路と予備回路のいずれかから同種の信号を選択的に出力することが可能な現用予備切替装置を備え、現用回路と予備回路のいずれかから出力された信号を送信することが可能な現用予備切替型送信機であって、前記現用予備切替装置が、本発明に係る現用予備切替装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現用回路から出力される信号と予備回路から出力される信号の位相同期制御を行う際に、これらの信号の抽出箇所での位相差が維持された状態で位相を比較して生成した第1位相差検出信号と、これらの信号の抽出箇所での位相差からπ/2変化させた状態で位相を比較して生成した第2位相差検出信号と、の両方に基づいて位相同期制御を行うことで、位相同期制御に用いる制御回路を小規模で簡略化することができるとともに位相同期制御の応答性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
【0016】
「実施形態1」
図1は、本発明の実施形態1に係る現用予備切替装置を備えた現用予備切替型送信機の概略構成を示す図である。本実施形態に係る現用予備切替型送信機は、現用送信回路10と予備送信回路12のいずれかから同種の送信信号を切替スイッチ14により選択的に出力することが可能である。現用送信回路10または予備送信回路12から切替スイッチ14を介して出力された送信信号は、送信出力端子18から送信される。
【0017】
現用送信回路10は、現用側発振器22及び現用側ミキサ24を備えている。現用側ミキサ24は、送信入力端子16に入力された送信信号に現用側発振器22から出力された発振信号を混合することで、この送信信号をアップコンバートして出力する。
【0018】
予備送信回路12は、予備側発振器26、予備側ミキサ28、位相切替器30、及び可変移相器(位相調整器)32を備えている。予備側ミキサ28は、送信入力端子16に入力された送信信号に予備側発振器26から出力された発振信号を混合することで、この送信信号をアップコンバートして出力する。
【0019】
ここで、現用側発振器22と予備側発振器26とで、出力する発振信号の周波数は等しく設定されている。そして、現用側ミキサ24及び予備側ミキサ28には、共通の送信信号が送信入力端子16から供給される。そのため、現用側ミキサ24から出力される送信信号及び予備側ミキサ28から出力される送信信号は、同種の信号となる。
【0020】
位相切替器30及び可変移相器32は、予備側発振器26と予備側ミキサ28との間に直列して設けられている。位相切替器30は、予備側発振器26から供給された発振信号を移相させずに(移相量0[rad])可変移相器32へ出力する第1状態と、予備側発振器26から供給された発振信号をπ[rad]移相させて可変移相器32へ出力する第2状態との切り替えが可能である。可変移相器32は、位相切替器30から供給された発振信号を移相させて予備側ミキサ28へ出力し、且つ移相量の調整が可能である。ここでの可変移相器32における移相量の可変範囲が0〜π[rad]に設定されていることで、可変移相器32における移相量の可変幅がπ[rad]に設定されている。このように、予備側発振器26から出力された発振信号は、位相切替器30及び可変移相器32により位相が調整されてから予備側ミキサ28に供給される。そして、予備側発振器26から出力される発振信号の位相を位相切替器30及び可変移相器32により調整することで、予備側ミキサ28から出力される送信信号の位相を調整することができる。
【0021】
切替スイッチ14は、現用送信回路10(現用側ミキサ24)からの送信信号と予備送信回路12(予備側ミキサ28)からの送信信号のいずれを送信出力端子18から送信するかを選択的に切り替える。ここでの切替スイッチ14としては、例えばダイオードスイッチを用いることができる。
【0022】
本実施形態に係る現用予備切替型送信機では、切替スイッチ14の切り替えの際に生じる送信信号の瞬断等を抑止するために、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相を同期させる(位相差Δθを0[rad]にする)位相同期制御を行う。以下、この位相同期制御を行う位相制御装置20の構成について説明する。位相制御装置20は、以下に説明する同相分配器38、直交分配器40、位相比較器42,44、及び信号処理部46を備えている。
【0023】
現用側ミキサ24と切替スイッチ14との間にはカプラ34が設けられており、現用側ミキサ24から出力された送信信号の一部がカプラ34により抽出される。カプラ34により抽出された現用側ミキサ24からの送信信号は、同相分配器38により同相分配されてから位相比較器42,44に供給される。
【0024】
また、予備側ミキサ28と切替スイッチ14との間にはカプラ36が設けられており、予備側ミキサ28から出力された送信信号の一部がカプラ36により抽出される。カプラ36により抽出された予備側ミキサ28からの送信信号は、直交分配器40により直交分配されてから位相比較器42,44に供給される。
【0025】
ここで、位相比較器42には、カプラ34により抽出された現用側ミキサ24からの送信信号とカプラ36により抽出された予備側ミキサ28からの送信信号とが、カプラ34,36による各送信信号の抽出箇所での位相差Δθが維持された状態で入力される。一方、位相比較器44には、カプラ34により抽出された現用側ミキサ24からの送信信号とカプラ36により抽出された予備側ミキサ28からの送信信号とが、カプラ34,36による各送信信号の抽出箇所での位相差Δθからπ/2[rad]変化した状態で入力される。
【0026】
位相比較器42は、位相検波器により構成することができ、入力された2つの送信信号の位相を比較してこれら2つの送信信号の位相差Δθ(位相比較結果)を示す検波電圧V1を信号処理部46へ出力する。位相比較器44は、位相検波器により構成することができ、入力された2つの送信信号の位相を比較してこれら2つの送信信号の位相差Δθ−π/2(位相比較結果)を示す検波電圧V2を信号処理部46へ出力する。ここでの位相比較器42,44から出力される検波電圧V1,V2の位相差Δθに対する特性は、例えば図2に示す特性で表される。このように、位相比較器42は、現用送信回路10から抽出した送信信号の位相と予備送信回路12から抽出した送信信号の位相を、各送信信号の抽出箇所での位相差Δθが維持された状態で比較する。一方、位相比較器44は、現用送信回路10から抽出した送信信号の位相と予備送信回路12から抽出した送信信号の位相を、各送信信号の抽出箇所での位相差Δθからπ/2[rad]変化させた状態で比較する。つまり、位相比較器42,44は、直交検波器として機能する。
【0027】
信号処理部46は、位相比較器42から出力された検波電圧V1の極性(正負)に基づいて、位相切替器30における第1状態と第2状態の切り替え制御を行う。より具体的には、信号処理部46は、位相比較器42からの検波電圧V1が負の値であるときは、位相切替器30の切り替え状態を現状の状態から切り替える。すなわち、現状の状態が第1状態(移相量0[rad]の状態)にある場合は第2状態(移相量π[rad]の状態)に切り替え、現状の状態が第2状態にある場合は第1状態に切り替える。一方、信号処理部46は、位相比較器42からの検波電圧V1が正の値または0であるときは、位相切替器30の切り替え状態を現状の状態に保つ。すなわち、現状の状態が第1状態にある場合は第1状態に保ち、現状の状態が第2状態にある場合は第2状態に保つ。
【0028】
図2に示すように、位相差Δθの値が−π/2[rad]より大きく且つπ/2[rad]より小さいときに検波電圧V1が正の値となり、位相差Δθの値がπ/2[rad]より大きく且つ3×π/2[rad]より小さいときに検波電圧V1が負の値となる。そのため、位相切替器30における移相量(0またはπ[rad])の切り替え制御が行われることで、位相差Δθが−π/2〜π/2[rad]の範囲に収まるように制御される。
【0029】
さらに、信号処理部46は、位相比較器44から出力された検波電圧V2のレベルに基づいて、可変移相器32における移相量の制御を行う。より具体的には、信号処理部46は、位相比較器44からの検波電圧V2が0[V](または0の近傍値)になるように、可変移相器32における移相量を制御する。
【0030】
図2に示すように、−π/2〜π/2[rad]の範囲では、検波電圧V2が0[V]になる位相差Δθの値は0[rad]だけであるため、検波電圧V2が0[V]になるように可変移相器32における移相量を制御することで、位相差Δθを0[rad]に収束させることができる。すなわち、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相を同期させることができる。このように、信号処理部46は、位相比較器42,44からの検波電圧V1,V2の両方に基づいて位相切替器30及び可変移相器32における移相量をそれぞれ制御することで、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相同期制御を行う。
【0031】
以上説明した実施形態1では、位相比較器42からの検波電圧V1の極性に基づいて位相切替器30における移相量の切り替え制御を行うことで、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相差Δθを−π/2〜π/2[rad]の範囲に収めることができる。その状態で、位相比較器44からの検波電圧V2が0[V]になるように可変移相器32における移相量を制御することで、位相差Δθがπ[rad]に向かって収束するのを防止することができ、位相差Δθを0[rad]に安定して収束させることができる。このように、位相切替器30の制御により位相差Δθを−π/2〜π/2[rad]の範囲に収めることができるので、可変移相器32として、移相量の可変幅が2×π[rad]のものを用いる必要がなく、移相量の可変幅がπ[rad]のものを用いることができる。したがって、可変移相器32の小型化を実現することができる。そして、可変移相器32の制御については、検波電圧V2を0[V]に収束させる制御だけで済むので、比較誤差増幅器等の簡単な回路構成で実現可能であるとともに、その収束速度も向上させることができる。
【0032】
このように、実施形態1によれば、可変移相器32の小型化を実現することができ、さらに、信号処理部46による可変移相器32の制御を簡略化することができるとともにその応答性を向上させることができる。したがって、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相同期制御を行うための回路構成を小規模で簡略化することができるとともに、位相同期制御の応答性を向上させることができる。その結果、切替スイッチ14の切り替えの際に生じる送信信号の瞬断等を抑止することができる。
【0033】
実施形態1では、位相切替器30及び可変移相器32を、送信入力端子16と予備側ミキサ28との間や、予備側ミキサ28とカプラ36との間に設けることもできる。あるいは、位相切替器30及び可変移相器32を現用送信回路10の方に設けることもでき、例えば現用側発振器22と現用側ミキサ24との間や、送信入力端子16と現用側ミキサ24との間や、現用側ミキサ24とカプラ34との間に設けることもできる。
【0034】
「実施形態2」
図3は、本発明の実施形態2に係る現用予備切替装置を備えた現用予備切替型送信機の概略構成を示す図である。本実施形態に係る現用予備切替型送信機は、実施形態1と比較して、位相切替器30と可変移相器32と信号処理部46が省略されており、以下に説明するバッファアンプ48,50と直交変調器52が設けられている。
【0035】
ここでの直交変調器52は、可変移相器と同等の機能を持たせる目的で、予備側発振器26と予備側ミキサ28との間に設けられている。直交変調器52は、予備側発振器26から供給された発振信号を変調信号(同相成分及び直交成分)に基づき変調することで、予備側発振器26から供給された発振信号を移相させて予備側ミキサ28へ出力する。ここでの直交変調器52における移相量は、変調信号の同相成分及び直交成分に基づいて調整される。なお、直交変調器52については、市販のICを用いることで、コストを低減することができる。
【0036】
そして、本実施形態では、位相比較器42から出力された検波電圧V1を変調信号の同相成分としてバッファアンプ48を介して直交変調器52へ供給するとともに、位相比較器44から出力された検波電圧V2を変調信号の直交成分としてバッファアンプ50を介して直交変調器52へ供給する。これによって、直交変調器52における移相量を位相比較器42,44からの検波電圧V1,V2に基づいて制御することで、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相同期制御を行う。
【0037】
図2に示すように、位相比較器42からの検波電圧V1が最大値(例えば1[V])で且つ位相比較器44からの検波電圧V2が0[V]であるときは、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相差Δθが0[rad]であり、これらの送信信号の位相は同期している。位相差Δθが0[rad]から変化すると、検波電圧V1が最大値より小さくなり且つ検波電圧V2が0[V]から変化する。この変化した検波電圧V1,V2がバッファアンプ48,50をそれぞれ介して直交変調器52に帰還され、検波電圧V1が最大値且つ検波電圧V2が0[V]になるように、すなわち位相差Δθが0[rad]となるように、直交変調器52における移相量が制御される。
【0038】
なお、位相比較器42,44からの検波電圧V1,V2と直交変調器52における移相量を制御するための電圧(変調信号の同相成分及び直交成分)は必ずしも同レベルになるとは限らないため、バッファアンプ48,50がレベル合わせのために設けられている。また、他の構成及び動作については実施形態1と同様であるため説明を省略する。
【0039】
以上説明した実施形態2では、直交変調器52における移相量の制御を簡略化することができ、その応答性を向上させることができるので、現用送信回路10から出力される送信信号と予備送信回路12から出力される送信信号の位相同期制御の応答性を向上させることができる。さらに、位相比較器42,44からの検波電圧V1,V2をバッファアンプ48,50をそれぞれ介して直交変調器52へ供給することで、位相同期制御を行うことができる。したがって、実施形態1の信号処理部46を省略することができ、位相同期制御を行うための回路構成をさらに簡略化することができる。
【0040】
実施形態2では、直交変調器52を、送信入力端子16と予備側ミキサ28との間や、予備側ミキサ28とカプラ36との間に設けることもできる。あるいは、直交変調器52を現用送信回路10の方に設けることもでき、例えば現用側発振器22と現用側ミキサ24との間や、送信入力端子16と現用側ミキサ24との間や、現用側ミキサ24とカプラ34との間に設けることもできる。
【0041】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施形態1に係る現用予備切替装置を備えた現用予備切替型送信機の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態の位相比較器から出力される検波電圧を説明する図である。
【図3】実施形態2に係る現用予備切替装置を備えた現用予備切替型送信機の概略構成を示す図である。
【図4】関連技術の位相比較器から出力される検波電圧を説明する図である。
【符号の説明】
【0043】
10 現用送信回路、12 予備送信回路、14 切替スイッチ、16 送信入力端子、18 送信出力端子、20 位相制御装置、22 現用側発振器、24 現用側ミキサ、26 予備側発振器、28 予備側ミキサ、30 位相切替器、32 可変移相器、34,36 カプラ、38 同相分配器、40 直交分配器、42,44 位相比較器、46 信号処理部、48,50 バッファアンプ、52 直交変調器。




 

 


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