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発明の名称 オーディオ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−220266(P2007−220266A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2006−177768(P2006−177768)
出願日 平成18年6月28日(2006.6.28)
代理人 【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
発明者 橋本 武志 / 引地 徹
要約 課題
記録メディアやジャンルに依存することなく音量を一定に保つ。

解決手段
オーディオ信号の再生音量を所望のレベルに設定するための音量設定手段と、オーディオ信号の再生音量レベルが音量設定手段により設定された音量レベルを基準とした所定範囲に常に収まるよう当該オーディオ信号を制御する音量制御手段とを備えたオーディオ装置を提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
記録メディアに記録されたオーディオ信号を再生するオーディオ装置において、
オーディオ信号の再生音量を所望のレベルに設定するための音量設定手段と、
オーディオ信号の再生音量レベルが前記音量設定手段により設定された音量レベルを基準とした所定範囲に常に収まるよう当該オーディオ信号を制御する音量制御手段と、を備えたこと、を特徴とするオーディオ装置。
【請求項2】
前記音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音質を、その音量レベルに応じた周波数特性に基づいて制御する音質制御手段を更に備えたこと、を特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項3】
前記音質制御手段は、前記音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音量レベルが低いときには低域及び高域を他の帯域よりも増幅させ、その音量レベルが高くなるに従って該低域及び高域の増幅度合いが低下していくような周波数特性を有したこと、を特徴とする請求項2に記載のオーディオ装置。
【請求項4】
周囲の音を収集して音声信号として取得する音声収集手段と、
該取得された音声信号の中から周囲の騒音を表すノイズ信号を抽出するノイズ信号抽出手段と、を更に備え、
前記音量制御手段は、該抽出されたノイズ信号にも基づいてオーディオ信号の音量レベルを制御すること、を特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項5】
前記ノイズ信号抽出手段は、記録メディアに記録されたオーディオ信号と、前記音声収集手段で収集された音声信号とを比較してその差分をノイズ信号として抽出すること、を特徴とする請求項4に記載のオーディオ装置。
【請求項6】
前記音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音質を、その音量レベルに応じた周波数特性、及び、該抽出されたノイズ信号に基づいて制御する音質制御手段を更に備えたこと、を特徴とする請求項4又は請求項5の何れかに記載のオーディオ装置。
【請求項7】
前記音質制御手段は、該抽出されたノイズ信号に基づいてオーディオ信号の少なくとも低域部分を他の帯域よりも増幅させること、を特徴とする請求項6に記載のオーディオ装置。
【請求項8】
前記オーディオ装置は車両に搭載され、当該車両にはその走行速度を検出する走行速度検出手段が備えられており、
前記音量制御手段は、該検出された走行速度にも基づいてオーディオ信号の音量レベルを制御すること、を特徴とする請求項1又は請求項4の何れかに記載のオーディオ装置。
【請求項9】
前記音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音質を、その音量レベルに応じた周波数特性、及び、該検出された走行速度に基づいて制御する音質制御手段を更に備えたこと、を特徴とする請求項7に記載のオーディオ装置。
【請求項10】
前記音量設定手段はユーザに操作され得るボリュームであること、を特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のオーディオ装置。
【請求項11】
記録メディアに記録されたオーディオ信号を再生するオーディオ装置において、
周囲の音を収集して音声信号として取得する音声収集手段と、
該取得された音声信号の中から周囲の騒音を表すノイズ信号を抽出するノイズ信号抽出手段と、
該抽出されたノイズ信号にも基づいてオーディオ信号の音質を制御する音量制御手段と、を備えたこと、を特徴とするオーディオ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、種々の記録メディアに記録されたオーディオ信号を再生するオーディオ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ装置では、一般に、様々なジャンル(クラッシック、ロック、ジャズ等)の音場を設定することができる。ユーザは、このような音場を設定して音楽を聴くことにより、例えばコンサートホールやライブハウスで音楽を聴くような臨場感を味わうことができる。すなわちオーディオ装置は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の記録メディアから読み取られたオーディオ信号に対して所定の周波数補正(設定中の音場に対応した周波数補正)を掛けることにより、それに応じた音場の音楽をユーザに提供することを可能としている。
【0003】
例えば下記特許文献1に、様々なジャンルの音場を設定することができるオーディオ装置が記載されている。下記特許文献1によれば、設定される音場毎にエネルギースペクトルが異なり、再生される音楽の音圧変化が一定の特性とならない。このため、ユーザが感じる音の大きさは音場毎に異なる。従ってユーザは、一定の音量で音楽を聴く場合、音場設定を変更する毎に音量を調整する必要があった。
【0004】
下記特許文献1に記載のオーディオ装置は、各音場とそれに対応する音量特性とを関連付けて記憶している。このオーディオ装置では、所定の音場が設定された音楽を、それに関連付けられた音量特性に基づいて再生することにより、上記音量調整等の煩わしい操作をなくすことを可能としている。
【特許文献1】特開平7−284185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
記録メディアが異なる場合、そのオーディオ符号化形式もそれぞれ異なる。例えばCDの場合、オーディオ符号化形式としてリニアPCM(Pulse Code Modulation)が採用されている。DVDの場合にはAC−3(Audio Code number 3)やDTS(Digital Theater System)が採用されている。一般に、リニアPCMは比較的大きな音量で収録され、AC−3やDTSは広いダイナミックレンジを確保するために全体的に小さな音量で収録されている。
【0006】
従って、例えばロックミュージックが記録されたCDとDVDを上記特許文献1に記載のオーディオ装置で再生させるときに音場を「ロック」に設定した場合、オーディオ符号化形式の相違に起因して、その音量が互いに異なったものとなってしまう。このためユーザは、一定の音量で各記録メディアの音楽を聴く場合、記録メディアを交換する毎に結局は音量を調整しなければならなかった。
【0007】
またジャンル毎でもエネルギースペクトルが異なり、再生される音楽の音圧変化が一定の特性とならない。従って音場を設定しない場合であっても、ジャンルの相違に起因して音量変化は起こり得る。
【0008】
ここで、上記特許文献1に記載のオーディオ装置は、音場設定操作を行うことを前提に音量を一定に保つよう作動する。このため、このようなオーディオ装置において音場が設定されていない場合には、ジャンル毎で音量変化が起こり得る。すなわち上記特許文献1に記載のオーディオ装置であっても、ジャンルを変更する毎に音量調整操作が必要とされ得る。
【0009】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、記録メディアやジャンルに依存することなく音量を一定に保つことができるオーディオ装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る、記録メディアに記録されたオーディオ信号を再生するオーディオ装置は、オーディオ信号の再生音量を所望のレベルに設定するための音量設定手段と、オーディオ信号の再生音量レベルが音量設定手段により設定された音量レベルを基準とした所定範囲に常に収まるよう当該オーディオ信号を制御する音量制御手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0011】
このように構成されたオーディオ装置によれば、ユーザは、記録メディアやジャンルに依存することなく、音量設定手段の設定に準じた一定の音量で音楽を訊くことができる。従って記録メディアを交換した際もジャンルが変更した際も、音量調整等の繁雑な作業をする必要がない。
【0012】
なお上記オーディオ装置は、音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音質を、その音量レベルに応じた周波数特性に基づいて制御する音質制御手段を更に備えたものであっても良い。
【0013】
ここで上記音質制御手段は、音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音量レベルが低いときには低域及び高域を他の帯域よりも増幅させ、その音量レベルが高くなるに従って該低域及び高域の増幅度合いが低下していくような周波数特性を有したものであっても良い。
【0014】
また上記オーディオ装置は、例えば周囲の音を収集して音声信号として取得する音声収集手段と、該取得された音声信号の中から周囲の騒音を表すノイズ信号を抽出するノイズ信号抽出手段とを更に備えたものであっても良い。この音量制御手段は、該抽出されたノイズ信号にも基づいてオーディオ信号の音量レベルを制御することができる。
【0015】
上記ノイズ信号抽出手段は、例えば記録メディアに記録されたオーディオ信号と、音声収集手段で収集された音声信号とを比較してその差分をノイズ信号として抽出するよう動作する。
【0016】
また上記オーディオ装置は、例えば音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音質を、その音量レベルに応じた周波数特性、及び、該抽出されたノイズ信号に基づいて制御する音質制御手段を更に備えたものであっても良い。
【0017】
また上記オーディオ装置は例えば車両に搭載されたものであっても良い。このような車両にはその走行速度を検出する走行速度検出手段が備えられており、音量制御手段は、該検出された走行速度にも基づいてオーディオ信号の音量レベルを制御することができる。
【0018】
また上記オーディオ装置は、例えば音量制御手段により制御されたオーディオ信号の音質を、その音量レベルに応じた周波数特性、及び、該検出された走行速度に基づいて制御する音質制御手段を更に備えたものであっても良い。この音質制御手段は、例えば抽出されたノイズ信号に基づいてオーディオ信号の少なくとも低域部分を他の帯域よりも増幅させるよう動作する。
【0019】
また上記オーディオ装置において音量設定手段はユーザに操作され得るボリュームであっても良い。
【0020】
上記の課題を解決する本発明の別の態様に係る、記録メディアに記録されたオーディオ信号を再生するオーディオ装置は、周囲の音を収集して音声信号として取得する音声収集手段と、該取得された音声信号の中から周囲の騒音を表すノイズ信号を抽出するノイズ信号抽出手段と、該抽出されたノイズ信号にも基づいてオーディオ信号の音質を制御する音量制御手段とを備えたことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るオーディオ装置によれば、記録メディアやジャンルに依存することなく一定の音量で音楽を再生させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施例1のオーディオ装置1の構成及び動作について説明する。
【0023】
図1は、本実施例1のオーディオ装置1の構成を示したブロック図である。オーディオ装置1は例えば車載オーディオ機器であり、音量制御部10、音量設定部20、音質制御部30、及び、オーディオ部40を備えている。
【0024】
オーディオ部40は、周知のオーディオ装置と同様の構成を有している。オーディオ部40には、例えばCDやDVD等の記録メディアから情報を読み取る情報読取部、読み取られた情報を再生するための再生部、再生される音声や映像が出力されるスピーカ及びモニタ、ユーザ・オペレーションが成される操作部等が備えられている。オーディオ部40は周知の構成であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0025】
なお音量設定部20は、ユーザ・オペレーションにより、オーディオ部40で再生される音楽の音量を所望の値に設定するための周知のボリュームである。音量設定部20はオーディオ部40の操作部の一部を成す構成であるが、本実施例1では説明の便宜上、音量設定部20をオーディオ部40から抽出して記載及び図示している。
【0026】
音量制御部10は、音量設定部20で設定された音量を基準として所定の信号処理を行う。オーディオ装置1は音量制御部10で実行される信号処理により、例えばオーディオ符号化形式や音楽ジャンル等に起因して音量の入力レベルに相違がある場合であっても、それに依存することなく一定の音量で音楽を再生することを可能としている。なお、ここでいう一定の音量とは所定範囲のレベルに収まる音量を示す。以下、この信号処理について説明する。
【0027】
図2に、本実施例1の音量制御部10のブロック図を示す。音量制御部10は、聴感補正部11、実効値算出部12、アタックリリースフィルタ部13、ルックアップテーブル部14、スムージングフィルタ部15、及び、乗算器16を有している。
【0028】
聴感補正部11には、オーディオ部40で読み取られてデコードされた、CDやDVD等の記録メディアのオーディオ信号が入力される。聴感補正部11は、ユーザの聴感の周波数による依存性を低減して信号の平滑化を図るため、周波数特性の重み付けを実行する。これにより、再生音に対する人間の聴感との一致性を高めている。ここでの重み付け処理は、図3に示された周波数特性に基づいて実行される。図3において縦軸がゲイン[dB]を示し、横軸が周波数[Hz]を示す。
【0029】
図3の曲線で示される周波数特性は周知のA特性である。A特性は、人間の聴感との一致性が極めて高い特性である。なお音楽ジャンルによっては、聴感補正部11によりオーディオ信号を十分に平滑化できないものもある。従って、例えばオーディオ部40を用いたユーザ・オペレーションにより、聴感補正部11によるオーディオ信号に対する重み付け処理の機能をオン/オフできるようにしても良い。
【0030】
聴感補正部11により重み付けされたオーディオ信号は実効値算出部12に出力される。実効値算出部12は、入力されたオーディオ信号の所定区間毎の実効値を算出する。例えばオーディオ信号のサンプリング速度が48[kHz]であり、上記所定区間が1[ms]に設定されている場合、実効値算出部12は48サンプルの区間の実効値(以下、「実効オーディオ信号」と記す)を算出して、1[ms]毎にアタックリリースフィルタ部13に出力する。ここで、図4に音量制御部10の各構成要素における出力を示す。図4の出力aは実効値算出部12の出力、すなわち実効オーディオ信号を示す。図4において縦軸がゲイン[dB]を示し、横軸が時間[s]を示す。
【0031】
アタックリリースフィルタ部13は、アタック時間とリリース時間を設定することにより応答速度制御を行うための回路である。ここでいう応答速度制御とは、実効オーディオ信号を検知してからデータ圧縮伸張動作に移行するまでに掛かる時間の制御を意味する。なおアタック時間とは、入力信号の振幅が急激に高くなったときにゲインを押さえ込むまでに掛かる時間である。またリリース時間とは、入力信号の振幅が急激に小さくなったときにゲインを上昇させるまでに掛かる時間を示す。ここではアタック時間は例えば10[ms]に設定される。またリリース時間は例えば1[s]に設定される。アタックリリースフィルタ部13の出力は、図4において出力bとして示されている。
【0032】
ルックアップテーブル部14は、入力ゲインと出力ゲインとを関連付けた(すなわち入出力特性の)テーブルを保有している。図5に、この入出力特性のテーブルをグラフ化して示す。図5において縦軸が出力ゲイン[dB]を示し、横軸が入力ゲイン[dB]を示す。
【0033】
図5に示されるように、ルックアップテーブル部14は、アタックリリースフィルタ部13からの入力信号を、実線で示された特性に基づいてレベル変換してスムージングフィルタ部15に出力する。説明を加えると、ルックアップテーブル部14は、図5に示されるように、実効オーディオ信号のレベルが−80〜−60[dB]のときには、それを−80〜−35[dB]のレベルに変換する。すなわち実効オーディオ信号の伸張動作を実行する。また、実効オーディオ信号のレベルが−60〜0[dB]のときには、それを−35〜−25[dB]のレベルに変換する。すなわち実効オーディオ信号の圧縮又は伸張動作を実行する。なお、ルックアップテーブル部14においてレベル変換の動作点を任意に設定するために、オフセットゲインが設定可能となっている。本実施例1ではオフセットゲインは例えば25[dB]に設定され、これにより、実効オーディオ信号の出力レベルが増大される。
【0034】
ルックアップテーブル部14は、アタック時間、リリース時間、及び、上記入出力特性に基づいて実効オーディオ信号を変換して、スムージングフィルタ部15に出力する。ルックアップテーブル部14において実効オーディオ信号がレベル変換されることにより、オーディオ信号のレベルの急激な変化が抑えられ、聴き易い音楽をユーザに提供することが可能となる。
【0035】
スムージングフィルタ部15は、ルックアップテーブル部14からの入力信号を平滑化するためにフィルタリング処理を実行する。フィルタリング処理された信号は、オーディオ信号の音量を制御するための制御信号として乗算器16に出力される。この制御信号は図4において出力cとして示されている。
【0036】
乗算器16にはスムージングフィルタ部15からの制御信号以外に、オーディオ部40で読み取られてデコードされた、CDやDVD等の記録メディアのオーディオ信号が入力される。乗算器16はこのオーディオ信号と制御信号の乗算処理を実行して、この乗算処理されたオーディオ信号(以下、「乗算オーディオ信号」と略記)を音量設定部20に出力する。
【0037】
乗算オーディオ信号は、音量設定部20を介して音質制御部30に入力する。次いで、音質制御部30において所定の信号処理が施されてオーディオ部40に入力し、オーディオ部40において、音量設定部20での設定値を基準とした音量で再生される。
【0038】
乗算器16における乗算処理により、所定範囲において、レベルの小さなオーディオ信号は増幅されて、レベルの大きなオーディオ信号は減衰される。すなわち大きな音量の音楽も小さな音量の音楽も全て、所定範囲に収まった音量に制御される。このためオーディオ部40は、上述した一連の処理により、記録メディアやジャンルに依存することなく一定の音量で音楽を再生させることができるようになる。なお、上記所定範囲は音量設定部20での設定値を基準に決まる。すなわち上記所定範囲は音量設定部20での設定値に応じて変動する。
【0039】
ここで、例えば図4において時間が3[s]のときのルックアップテーブル部14、スムージングフィルタ部15、及び、乗算器16の具体的な動作を説明する。
【0040】
ルックアップテーブル部14は、出力a及びbにおいて例えば−18[dB]の信号を図5に示された特性に基づいてレベル変換する。ここでは上記信号は、図5に示されるように、−10[dB]にレベル変換される。次いで、レベル変換された信号はスムージングフィルタ部15により平滑化処理された後、−10[dB]の制御信号として乗算器16によりオーディオ信号と乗算される。これにより、上記オーディオ信号が10[dB]減衰されて当該オーディオ信号の圧縮が実現される。
【0041】
次に、音質制御部30で実行される信号処理について説明する。
【0042】
図6に、本実施例1の音質制御部30のブロック図を示す。音質制御部30は、最大値算出部31、アタックリリースフィルタ部32a、32b、ルックアップテーブル部33a、33b、スムージングフィルタ部34a、34b、乗算器35a、35b、バスフィルタ部36、トレブルフィルタ部37、及び、加算器38を有している。
【0043】
最大値算出部31には、音量制御部10及び音量設定部20により音量制御されたオーディオ信号が入力される。最大値算出部31は、入力されたオーディオ信号の絶対値を算出して、更に、所定区間毎の最大値を算出する。例えばオーディオ信号のサンプリング速度が48[kHz]であり、上記所定区間が1[ms]に設定されている場合、最大値算出部31は48サンプルの区間の最大値(以下、「最大オーディオ信号」と記す)を算出して、1[ms]毎にアタックリリースフィルタ部32a及び32bに出力する。
【0044】
最大値算出部31から出力された最大オーディオ信号は、アタックリリースフィルタ部32aにおいてアタック時間及びリリース時間が設定されて、ルックアップテーブル部33aに出力される。またアタックリリースフィルタ部32bにおいてもアタック時間及びリリース時間が設定されて、ルックアップテーブル部33bに出力される。すなわち最大オーディオ信号は、二系統のアタックリリースフィルタ部32a及び32bの各々において、アタック時間及びリリース時間がそれぞれ独立して設定される。
【0045】
ルックアップテーブル部33a及び33bは、入力ゲインと出力ゲインとを関連付けた入出力特性のテーブルを保有している。図7に、この入出力特性のテーブルをグラフ化して示す。図7において縦軸が出力ゲインを示し、横軸が入力ゲインを示す。なお縦軸の出力ゲインがリニア、横軸の入力ゲインがデシベルで示されている。
【0046】
図7の入出力特性Bがルックアップテーブル部33aの持つ入出力特性を示し、入出力特性Tがルックアップテーブル部33bの持つ入出力特性を示す。ルックアップテーブル部33aは、図7の入出力特性Bに示されるように、最大オーディオ信号のレベルが−30[dB]以下のときには、それを一定のレベル(=16)に変換する。また最大オーディオ信号のレベルが−30〜0[dB]のときには、それを16〜0のレベルに変換する。一方、ルックアップテーブル部33bは、図7の入出力特性Tに示されるように、最大オーディオ信号のレベルが−30[dB]以下のときには、それを一定のレベル(=8)に変換する。また最大オーディオ信号のレベルが−30〜−6[dB]のときには、それを8〜0のレベルに変換する。なお、ルックアップテーブル部33a及び33bにおいてもルックアップテーブル部14と同様に、オフセットゲインが設定され、これにより、最大オーディオ信号の出力レベルが増大される。
【0047】
スムージングフィルタ部34aは、ルックアップテーブル部33aからの入力信号を平滑化するためのフィルタリング処理を実行して制御信号を生成し、乗算器35aに出力する。またスムージングフィルタ部34bも、ルックアップテーブル部33bからの入力信号を平滑化するためのフィルタリング処理を実行して制御信号を生成し、乗算器35bに出力する。
【0048】
乗算器35aにはスムージングフィルタ部34aからの制御信号以外に、音量設定部20からのオーディオ信号が入力される。乗算器35aはこのオーディオ信号と制御信号とを乗算処理して、この乗算後のオーディオ信号をバスフィルタ部36に出力する。
【0049】
また乗算器35bにもスムージングフィルタ部34bからの制御信号以外に、音量設定部20からのオーディオ信号が入力される。乗算器35bはこのオーディオ信号と制御信号とを乗算処理して、この乗算後のオーディオ信号をトレブルフィルタ部37に出力する。
【0050】
バスフィルタ部36は低域の周波数補正用フィルタであり、トレブルフィルタ部37は高域の周波数補正用フィルタである。図8に、バスフィルタ部36及びトレブルフィルタ部37のフィルタ特性を示す。図8において縦軸が出力ゲイン[dB]を示し、横軸が周波数[Hz]を示す。図8のフィルタ特性Bがバスフィルタ部36の持つフィルタ特性を示し、フィルタ特性Tがトレブルフィルタ部37の持つフィルタ特性を示す。
【0051】
バスフィルタ部36は、乗算器35aからの乗算オーディオ信号に対して、フィルタ特性Bのフィルタリング処理を施して加算器38に出力する。またトレブルフィルタ部37は、乗算器35bからの乗算オーディオ信号に対して、フィルタ特性Tのフィルタリング処理を施して加算器38に出力する。
【0052】
加算器38は、音量設定部20により音量制御されたオーディオ信号に、バスフィルタ部36とトレブルフィルタ部37の出力を加算処理することにより音質を制御して、オーディオ部40に出力する。オーディオ部40に出力されたオーディオ信号は、音質が制御された状態で再生される。
【0053】
図9に、音量設定部20での設定を基準として音量制御部10で制御された各音量レベルに対する周波数特性であって、音質制御部30の処理によりオーディオ信号に掛けられる周波数特性を示す。図9において縦軸が出力ゲイン[dB]を示し、横軸が周波数[Hz]を示す。
【0054】
図9に示される周波数特性によると、音量レベルの低いオーディオ信号は、低域及び高域に関して大きく増幅される。オーディオ信号の音量レベルが高くなるに従って、その増幅度合いが低下する。オーディオ信号の音量レベルが0[dB]のときには増幅処理が行われず、周波数特性はフラットとなる。なお、低域及び高域の増幅は音量設定部20で設定される音量レベルだけでなく、記録メディアそのものからのオーディオ信号のレベルによっても実施される。すなわち元々のオーディオ信号のレベルが低い場合にも、音質制御部30の処理により低域及び高域が増幅される。また、その信号レベルが高くなるに従ってその増幅度合いが低下する。
【0055】
例えば音質制御部30がない場合、音量制御部10により音量が一定に保持される一方、そのトレードオフとして音のめりはりが若干低下し得る。本実施例1では音質制御部30の作用によって特定の周波数帯域(低域及び高域)を増幅させることにより、音のめりはりを大幅に改善している。例えば本実施例1のように、低域及び高域を増幅させることにより、音声(例えばボーカリストの声)のレベルが保持されたまま演奏音が強調されて、音楽にめりはりがつく。
【0056】
次に、本発明の実施例2のオーディオ装置について説明する。図10に、本実施例2のオーディオ装置101の構成をブロックで示す。なお、本実施例2のオーディオ装置101において本実施例1のオーディオ装置1と実質的に同一とされる構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施例2のオーディオ装置101では、特に車内騒音環境を考慮した周波数補正により音質制御が成されている。車内騒音には例えばロードノイズが挙げられる。ロードノイズとは、路面の振動が車室に伝わることで発生するものであり、例えば30〜120[Hz]程度の低域の騒音である。本実施例2では再生音楽の音量レベルが低いとき、低域に加えて高域も増幅させることにより、ロードノイズ等の騒音をユーザに感じ難くさせて、良好な音量・音質でユーザが音楽を聴けるようにしている。附言するに、再生音楽の低域を増幅させた場合、ユーザが聴感し得るロードノイズが、当該音楽の低域部分により好適に打ち消される。
【0058】
本実施例2のオーディオ装置101は例えば車載オーディオ機器であり、音量制御部10、音量設定部20、音量・音質制御部130、オーディオ部40、スピードパルス検出部150、マイクロフォン160、ノイズ検出部170、及び、レベル変換部180を備えている。
【0059】
図11に、音量・音質制御部130の構成をブロックで示す。音量・音質制御部130は、最大値算出部31、アタックリリースフィルタ部32a、32b、ルックアップテーブル部33a、33b、スムージングフィルタ部34a、34b、乗算器135a、135b、135c、バスフィルタ部36、トレブルフィルタ部37、及び、加算器138を有している。
【0060】
本実施例2の音量・音質制御部130において、乗算器135aにはスムージングフィルタ部34aからの制御信号以外に、音量設定部20からのオーディオ信号及び後述のバスゲイン信号が入力される。乗算器135aはこのオーディオ信号とバスゲイン信号と制御信号とを乗算処理して、この乗算後のオーディオ信号をバスフィルタ部36に出力する。
【0061】
また乗算器135bにもスムージングフィルタ部34bからの制御信号以外に、音量設定部20からのオーディオ信号及び後述のトレブルゲイン信号が入力される。乗算器135bはこのオーディオ信号とトレブルゲイン信号と制御信号とを乗算処理して、この乗算後のオーディオ信号をトレブルフィルタ部37に出力する。
【0062】
乗算器135cには音量設定部20からのオーディオ信号及び後述のサブボリューム信号が入力される。乗算器135cはこのオーディオ信号とサブボリューム信号とを乗算処理して、この乗算後のオーディオ信号を加算器138に出力する。
【0063】
加算器138は、音量設定部20により音量制御されたオーディオ信号に、バスフィルタ部36とトレブルフィルタ部37の出力、及び、乗算器135cを加算処理することにより音質を制御して、オーディオ部40に出力する。これにより、オーディオ部40に出力されたオーディオ信号は音質が制御された状態で再生される。
【0064】
本実施例2の音量・音質制御部130の処理においてもオーディオ信号に対して図9に示される周波数特性(少なくとも低域部分が増幅される特性)が掛けられ、例えばロードノイズ等のレベルに応じた音量及び周波数補正が成される。その結果ロードノイズ等の影響が好適に軽減され、ユーザは適切な音量・音質で音楽を快適に聴取することができるようになる。
【0065】
すなわち図9に示される周波数特性によれば、再生音楽の音量が小さく当該音楽がロードノイズ等で掻き消され得るような場合に、低域(及び高域)がより増幅される傾向にある。つまり、音量が小さい場合であっても再生音楽の低域部分がロードノイズ等を打ち消すように増幅される。この結果、ユーザは、ロードノイズ等を感じ難くなり当該音楽を快適に聴取できるようになる。
【0066】
図12に、スピードパルス検出部150の構成をブロックで示す。また図13(a)に、スピードパルス検出部150の動作を説明するための図を示す。また図13(b)、(c)のそれぞれに、走行速度とスピードパルス、走行速度とパルスレベルとのグラフを示す。
【0067】
図12に示されるようにスピードパルス検出部150は、スレッショルド部151、エッジ検出部152、及び、エッジカウント部153を有している。スレッショルド部151は、車両の車軸に設置されたスピードパルスセンサSPSと接続されている。このスレッショルド部151は、スピードパルスセンサSPSから出力される車両の走行速度に応じたスピードパルスを取得する。スレッショルド部151では、イグニッションノイズ等の電気的なノイズの影響を軽減するために、所定のスレッショルドに基づいてスピードパルスの波形整形を実行する。例えば図13(a)の「(A)スレッショルド」に示されるように、スピードパルス(実線)に対してスレッショルド(点線)を用い、スピードパルスを整形する(例えば図13(a)の「(B)スピードパルスの波形整形」参照)。波形整形されたスピードパルスはエッジ検出部152に出力される。
【0068】
エッジ検出部152は、波形整形されたスピードパルスの立ち上がりのエッジを検出し(例えば図13(a)の「(C)エッジ検出」参照)、その検出結果をエッジカウント部153に出力する。
【0069】
エッジカウント部153は、エッジ検出部152からの検出結果を参照して、所定区間(換言すると所定時間)内におけるエッジ数のカウントを行う(例えば図13(a)の「(D)エッジカウンタ」参照)。そして得られたカウント値をパルスレベル信号としてレベル変換部180に出力する。本実施例2において走行速度、スピードパルス、及び、パルスレベルは例えば図13(b)、(c)に示される関係にある。なお図13(b)において縦軸がスピードパルスを示し、横軸が走行速度を示す。また図13(c)において縦軸がパルスレベルを示し、横軸が走行速度を示す。
【0070】
図14に、ノイズ検出部170の構成をブロックで示す。ノイズ検出部170は、聴感補正部171、遅延補正部172、適応フィルタ部173、及び、実効値検出部174を有している。
【0071】
聴感補正部171にはマイクロフォン160からの音声信号が入力する。このマイクロフォン160は周知の構成を有したものである。マイクロフォン160を介して聴感補正部171に入力される音声は、オーディオ部40で再生される音楽とロードノイズ等の騒音とが混ざり合ったものである。聴感補正部171は、上記音楽及び騒音が人間の聴感と一致するよう周波数特性の重み付けを行い、適応フィルタ部173に出力する。なおこのとき採用される周波数特性は、例えば図3に示されたものと同一である。
【0072】
遅延補正部172にはオーディオ部40からのオーディオ信号が入力される。そして遅延処理を行った後、当該オーディオ信号を適応フィルタ部173に出力する。ここでの遅延処理により、オーディオ部40からのオーディオ信号と、マイクロフォン160及び聴感補正部171を介したオーディオ信号(音楽)とが、同期したタイミングで適応フィルタ部173に入力することになる。
【0073】
図15(a)に、適応フィルタ部173での入出力信号をグラフで示す。また図15(b)に、適応フィルタ部173のタップ数が「64」のときのフィルタ係数を示す。なお図15(a)において縦軸が信号レベルを示し、横軸が周波数を示す。また図15(b)において縦軸が振幅を示し、横軸がタップ数を示す。
【0074】
適応フィルタ部173は、遅延補正部172からのオーディオ信号を参照信号(図15(a)における「d」)として、聴感補正部171からのオーディオ信号(図15(a)における「e」)の中からノイズを抽出する(図15(a)における「f」)。次いで、抽出されたノイズを実効値検出部174に出力する。
【0075】
実効値検出部174は、適応フィルタ部173からのノイズに基づいて所定時間内のノイズの実効値を検出し、その検出値をノイズレベル信号としてレベル変換部180に出力する。
【0076】
図16に、レベル変換部180の構成をブロックで示す。レベル変換部180は、パルス・ノイズ変換部181、モード選択部182、ゲイン制限部183、アタックリリースフィルタ部184、スムージングフィルタ部185、及び、ゲイン設定部186を有している。
【0077】
パルス・ノイズ変換部181には、スピードパルス検出部150からのパルスレベル信号、及び、ノイズ検出部170からのノイズレベル信号が入力する。ここで、図17に、パルス・ノイズ変換部181の構成をブロックで示す。図17に示されるようにパルス・ノイズ変換部181は、ルックアップテーブル部1811、ノイズ増幅部1812、ルックアップテーブル部1813、レベル制限部1814、及び、重み付け合成部1815を有している。
【0078】
スピードパルス検出部150からのパルスレベル信号は、ルックアップテーブル部1811に入力する。このルックアップテーブル部1811は所定の入出力特性のテーブルを保有している。ルックアップテーブル部1811は、そのテーブルに基づいてパルスレベル信号をレベル変換し、パルス制御信号としてモード選択部182に出力する。
【0079】
ノイズ検出部170からのノイズレベル信号は、ノイズ増幅部1812に入力する。ノイズ増幅部1812は、ノイズレベル信号を増幅して、ルックアップテーブル部1813に出力する。
【0080】
ルックアップテーブル部1813は、ルックアップテーブル部1811と異なる入出力特性のテーブルを保有している。ルックアップテーブル部1813は、そのテーブルに基づいて増幅後のノイズレベル信号をレベル変換してレベル制限部1814に出力する。
【0081】
レベル制限部1814は、レベル変換されたノイズレベル信号に対するレベルの制限を行い、ノイズ制御信号としてモード選択部182に出力する。このレベル制限部1814は、例えば著しく大きなノイズがマイクロフォン160に入力した場合や、適応フィルタ部173が何らかの理由で発散した場合に音量の制御量を制限する機能を果たす。
【0082】
また、ルックアップテーブル部1811が出力したパルス制御信号、及び、レベル制限部1814が出力したノイズ制御信号は、重み付け合成部1815にも入力する。重み付け合成部1815は、パルス制御信号とノイズ制御信号に対してそれぞれ重み付けを行って合成し、併用制御信号としてモード選択部182に出力する。
【0083】
モード選択部182にはパルス制御信号、ノイズ制御信号、及び、併用制御信号が入力する。このモード選択部182は例えばオーディオ部40の操作部と連携して動作する。例えば「スピードパルスモード」に設定されるようユーザ・オペレーションが成されたとき、モード選択部182はパルス制御信号をゲイン制限部183に出力する。また例えば「マイクモード」に設定されるようユーザ・オペレーションが成されたとき、モード選択部182はノイズ制御信号をゲイン制限部183に出力する。また例えば「併用モード」に設定されるようユーザ・オペレーションが成されたとき、モード選択部182は併用制御信号をゲイン制限部183に出力する。
【0084】
ゲイン制限部183は、音量設定部20で設定されるボリューム値に応じて、入力された制御信号の最大レベルを制限する。例えば音量設定部20で設定可能な最大のボリューム値が0dBであり、現在のボリューム値が−20dBに設定されている場合、ゲイン制限部183には、当該音量設定部20から、その差分(すなわち20dB)がボリュームレベル信号として入力する。この場合、ゲイン制限部183は制御信号の最大レベルを20dBに制限し、その制限後の制御信号をアタックリリースフィルタ部184に出力する。
【0085】
制限後の制御信号は、アタックリリースフィルタ部184においてアタック時間及びリリース時間が設定されて、スムージングフィルタ部185に出力される。スムージングフィルタ部185は、アタックリリースフィルタ部184からの入力信号を平滑化するためのフィルタリング処理を実行し、フィルタリング処理後の信号をゲイン設定部186に出力する。
【0086】
ゲイン設定部186は、スムージングフィルタ部185からの入力信号をサブボリューム信号として乗算器135cに出力する。また当該入力信号に対してゲインをオフセットしてバスゲイン信号を生成し、乗算器135aに出力する。また当該入力信号に対して上記と異なるオフセット値をゲインにかけてトレブルゲイン信号を生成し、乗算器135bに出力する。
【0087】
サブボリューム信号、バスゲイン信号、及び、トレブルゲイン信号は、上述したように音量・音質制御部130において音量又は低域及び高域の増強に用いられ、走行速度やロードノイズのレベル(スピードパルス検出部150やノイズ検出部170の出力結果)に応じてその値が可変する。
【0088】
ここで、図18に、サブボリューム信号、バスゲイン信号、及び、トレブルゲイン信号の特性を複数パターン示す。図18(a)には、「スピードパルスモード」が選択されたときの各信号の特性が示されている。図18(a)によれば、走行速度によって音量が増大し、更に低域と高域のレベルが増大する。また図18(b)には、「マイクモード」が選択されたときの各信号の特性が示されている。図18(b)によれば、騒音のレベルによって音量が増大し、更に低域と高域のレベルが増大する。また図18(c)、(d)には、「併用モード」が選択されたときの各信号の特性が示されている。なお図18(a)、(c)、(d)において縦軸がゲインを示し、横軸が走行速度を示す。また図18(b)において縦軸がゲインを示し、横軸がノイズレベルを示す。
【0089】
「スピードパルスモード」が選択されたとき、車両の走行速度に連動した音量及び周波数補正が行われる。「スピードパルスモード」では適応フィルタ等を使用したフィードバック制御が行われず極めて安定した動作が確保され、音量及び周波数補正によりロードノイズ等をある程度軽減することができる。このためユーザは良好な音量・音質で音楽を聴くことができるようになる。
【0090】
「マイクモード」が選択されたとき、ロードノイズ等に連動した音量及び周波数補正が行われる。「マイクモード」ではロードノイズ等に対する追従性が良く、当該ノイズを良好に軽減することができる。「マイクモード」の場合、ユーザは、「スピードパルスモード」の場合よりも更に良好な音量・音質で音楽を聴くことができるようになる。なお車両の構造上、騒音検出に効果的な位置にマイクロフォン160を設置できないこともあり得る。このような場合、「マイクモード」よりも「スピードパルスモード」が好適に作用し得る。
【0091】
「併用モード」では、その設定に応じて音量及び周波数補正に対する特性を変えることが可能である。具体的には、重み付け合成部1815におけるパルス制御信号とノイズ制御信号(換言すると、走行速度とノイズ)に対する重み付けの値や、レベル制限部1814での制限値を適宜設定することで、上記特性を変えることが可能である。例えば図18(c)には、パルス制御信号に対する重み付けを「0.5」、ノイズ制御信号に対する重み付けを「0」としたときの各信号の特性が示されている。また図18(d)には、パルス制御信号に対する重み付けを「0.5」、ノイズ制御信号に対する重み付けを「1」、レベル制限部1814での制限値を7dBとしたときの各信号の特性が示されている。重み付け合成部1815を変更することで、車両の走行速度、又は、ノイズ(例えばロードノイズ等)の何れを主体として音量及び周波数を制御するかを設定することが可能である。
【0092】
従来は、騒音環境下にある(例えば車載された)オーディオ装置の場合、再生中の音楽が騒音によってマスクされてしまい、ユーザはその騒音が掻き消される程度に音量を上げなければ音楽を聴取できないことがあった。しかし本実施例2によれば、ロードノイズ等に対応した音量及び周波数補正(例えばユーザが聴感し得るロードノイズが打ち消されるように音楽の低域を強調するような補正)が行われるため、ロードノイズ等の影響が良好に軽減される。この結果、ユーザは適切な音量・音質で音楽を快適に聴取することができるようになる。
【0093】
以上が本発明の実施の形態である。本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。例えば本実施形態では1チャンネルのオーディオ信号を処理しているが、別の実施形態ではマルチチャンネルのオーディオ信号を処理することもできる。この場合、音量制御部10及び音質制御部30(又は音量・音質制御部130)をチャンネル数分用意して、それぞれにおいて各チャンネルを独立して処理するようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1のオーディオ装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施例1の音量制御部の構成を示したブロック図である。
【図3】A特性を示した図である。
【図4】本発明の実施例1の音量制御部の各構成要素の出力を示した図である。
【図5】本発明の実施例1の音量制御部が有するルックアップテーブル部の入出力特性を示した図である。
【図6】本発明の実施例1の音質制御部の構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の実施例1の音質制御部が有するルックアップテーブル部の入出力特性を示した図である。
【図8】本発明の実施例1の音質制御部が有するバスフィルタ部及びトレブルフィルタ部のフィルタ特性を示した図である。
【図9】本発明の実施例1の音質制御部の処理によりオーディオ信号に掛けられる各音量レベルに対する周波数特性を示した図である。
【図10】本発明の実施例2のオーディオ装置の構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の実施例2の音量・音質制御部の構成を示したブロック図である。
【図12】本発明の実施例2のスピードパルス検出部の構成を示したブロック図である。
【図13】本発明の実施例2のスピードパルス検出部の動作を説明するための図、走行速度とスピードパルス、及び、走行速度とパルスレベルとのグラフを示す。
【図14】本発明の実施例2のノイズ検出部の構成を示したブロック図である。
【図15】本発明の実施例2の適応フィルタ部での入出力信号をグラフ、及び、適応フィルタ部のフィルタ係数を示す。
【図16】本発明の実施例2のレベル変換部の構成を示したブロック図である。
【図17】本発明の実施例2のパルス・ノイズ変換部の構成を示したブロック図である。
【図18】サブボリューム信号、バスゲイン信号、及び、トレブルゲイン信号の特性を複数パターン示した図である。
【符号の説明】
【0095】
1、101 オーディオ装置
10 音量制御部
20 音量設定部
30、130 音質制御部
150 スピードパルス検出部
170 ノイズ検出部
180 レベル変換部




 

 


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