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発明の名称 アンテナ切替装置、移動局管理システム、アンテナ切替方法および制御プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−214901(P2007−214901A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−32629(P2006−32629)
出願日 平成18年2月9日(2006.2.9)
代理人 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之
発明者 加藤 晃一
要約 課題
ダイバーシティ受信を行う受信装置において、受信状態が悪化する前に適切なアンテナに切り替えることのできるアンテナ切替装置を提供する。

解決手段
移動体4aに搭載され、複数のアンテナ40a、40bを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置4のアンテナ切替装置40に、移動体の現在位置を検出する現在位置検出部41と、アンテナ切替エリアと選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報に基づき、移動体の現在位置がアンテナ切替エリアにあると判別した場合に、受信に供するアンテナをアンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替えるアンテナ切替部45と、を備えさせる。
特許請求の範囲
【請求項1】
移動体に搭載され、複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置のアンテナ切替装置であって、
前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出部と、
アンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報に基づき、前記移動体の現在位置が前記アンテナ切替エリア内にあると判別した場合に、受信に供するアンテナを前記アンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替えるアンテナ切替部と、
を備えたことを特徴とするアンテナ切替装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアンテナ切替装置において、
前記アンテナ切替エリアは、前記複数のアンテナのうち少なくともいずれかのアンテナの受信電波の電力レベルが所定の基準値以下になる位置を含む所定の範囲であること、
を特徴とするアンテナ切替装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアンテナ切替装置において、
前記アンテナ切替情報を記憶する記憶部を備えたこと、
を特徴とするアンテナ切替装置。
【請求項4】
請求項3に記載のアンテナ切替装置において、
当該アンテナ切替装置はアンテナ切替学習モードを備え、
当該アンテナ切替学習モードにおいて、前記アンテナ切替部により切り替えられたアンテナのそれぞれについて電波を受信した場合の受信電波の電力レベルに基づいて、前記アンテナ切替情報における当該アンテナ切替エリアに対応づけられた選択可能なアンテナに関する情報を書き換えることのできるアンテナ切替情報書換制御部を備えたこと、
を特徴とするアンテナ切替装置。
【請求項5】
複数の移動局と、基地局を介した無線通信ネットワークにより当該複数の移動局の監視を行う管制局とを有する移動局管理システムにおいて、
前記移動局は、
前記基地局との間の無線通信に供する複数のアンテナと、
前記移動局の現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記無線通信ネットワークを介してアンテナ切替指示情報を取得して、前記複数のアンテナの中から受信に供するアンテナを前記アンテナ切替指示情報に基づいて選択したアンテナに切り替えるアンテナ切替部と、
を備え、
当該移動局管理システムは、
前記移動局において受信に供するアンテナのアンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報を記憶した記憶装置と、
前記移動局から前記移動局の現在位置についての現在位置情報を取得する現在位置情報取得装置と、
前記移動局の現在位置が前記アンテナ切替エリアにあると判別した場合に、前記アンテナ切替情報に基づき当該移動局において受信に供するアンテナとして選択可能なアンテナを前記アンテナ切替指示情報として前記移動局に送信するアンテナ切替指示情報送信装置と、
を備えたことを特徴とする移動局管理システム。
【請求項6】
移動体に搭載され、複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置のアンテナ切替方法であって、
前記移動体の現在位置を検出する過程と、
アンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報に基づき、前記移動体の現在位置が前記アンテナ切替エリアにあると判別した場合に、受信に供するアンテナを前記アンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替える過程と、
を備えたことを特徴とするアンテナ切替方法。
【請求項7】
移動体に搭載され、複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置のアンテナ切替装置をコンピュータを用いて制御する制御プログラムであって、
前記アンテナ切替装置は、現在位置検出部と、アンテナ切替部とを備え、
前記現在位置検出部に前記移動体の現在位置を検出させ、
前記アンテナ切替部にアンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報に基づき、前記移動体の現在位置が前記アンテナ切替エリアにあると判別した場合に、受信に供するアンテナを前記アンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替えさせること、
を特徴とする制御プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ切替装置、移動局管理システム、アンテナ切替方法および制御プログラムに係り、特に複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置のアンテナ切替装置、移動局管理システム、アンテナ切替方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)を用いて移動体(車両、移動局)の位置や運行状況を把握して、移動体の運行管理を行う移動体管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような移動体管理システムは、システム内に多数設けられる基地局と、移動局の位置を監視する監視局と、移動局の位置情報を管理し、システム全体を制御する管制局等を備えている。移動局は複数の基地局のサービスエリアを移動しながら、移動した位置に応じて基地局を切り替えて基地局との間で無線通信を行う。管制局では基地局を介して移動局から送信される移動局の位置情報を移動局位置データベースにリアルタイムで書き込み、監視局に備えられるディスプレイ上に移動局の位置情報を表示させ、移動局の位置を監視して移動局の運行管理を行う。特に、GPSまたはDGPS(Differential GPS)を用いて移動局の測位を行うことにより、移動局の現在位置を精確に把握して、車両など高速で移動する移動体の位置把握にも対応可能なシステムの構築がなされている。
【特許文献1】特開平11−306497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような移動体管理システムにおいて行われる無線通信では、移動局の移動した位置によっては、基地局のサービスエリア内であってもマルチパスなどの影響により移動局が基地局から受信する電波の電力レベルが急激に低下し、移動局と基地局との間の通信が困難になる場合がある。このような通信障害が生じた場合に、移動局は他の通信可能な基地局を検索するなどのリカバリー動作を行うが、この動作により更に通信ができない期間(通信途絶期間)が長くなる場合もあり、無線通信システムのシステム運用上の大きな問題となっている。
【0005】
これを解決すべく、従来より、マルチパスなどを原因とする通信障害に対して、複数のアンテナを用意しておき、基地局からの電波の受信状態に応じて、受信に供するアンテナを最も受信状態のよいアンテナに切り替えながら無線通信を行うダイバーシティ受信が行われている。しかし、この複数のアンテナを用いたダイバーシティ受信においてもアンテナの電波の受信状態が悪化したことを検出してから、アンテナの切替動作を開始するので、周辺の建物や路面状況によって局地的に生じる通信障害の影響を事前に排除することはできなかった。しかも、車両等の場合、局地的に通信障害が生じる地点を高速に通過し、すぐに元の基地局との間の通信を安定的に行える場合であっても、リカバリー動作により偶然に通信可能となった他の基地局を検索することでかえって通信途絶期間が長くなってしまう場合もあった。
【0006】
本発明の課題は、複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置において、通信途絶が生じないように受信状態が悪化する前に適切なアンテナに切り替えることのできるアンテナ切替装置、移動局管理システム、アンテナ切替方法および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のアンテナ切替装置は、移動体に搭載され、複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置のアンテナ切替装置であって、前記移動体の現在位置を検出する現在位置検出部と、アンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報に基づき、前記移動体の現在位置が前記アンテナ切替エリア内にあると判別した場合に、受信に供するアンテナを前記アンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替えるアンテナ切替部と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、マルチパス等の通信障害が生じるエリアは周辺の建物や路面状況が変化しない限り固定的であるので、アンテナ切替情報としてこのようなエリアをアンテナ切替エリアとし、アンテナ切替エリアにおいて電波の受信状態のよいアンテナを選択可能なアンテナとして予め対応づけておくことができる。このため、アンテナ切替部にアンテナ切替情報に基づき、前記移動体の現在位置がアンテナ切替エリアにあると判別した場合に、受信状態が悪化して通信途絶が生じる前に受信に供するアンテナを前記アンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替えることができる。
【0008】
上記構成において、前記アンテナ切替エリアを、前記複数のアンテナのうち少なくともいずれかのアンテナの受信電波の電力レベルが所定の基準値以下になる位置を含む所定の範囲とすることができる。
【0009】
また、上記構成のアンテナ切替装置に、前記アンテナ切替情報を記憶する記憶部を備えさせることができる。
この際、上記構成のアンテナ切替装置に、アンテナ切替学習モードを備えさせ、当該アンテナ切替学習モードにおいて、前記アンテナ切替部により切り替えられたアンテナのそれぞれについて電波を受信した場合の受信電波の電力レベルに基づいて、前記アンテナ切替情報における当該アンテナ切替エリアに対応づけられた選択可能なアンテナに関する情報を書き換えることのできるアンテナ切替情報書換制御部を備させることができる。
【0010】
また、本発明の移動局管理システムは、複数の移動局と、基地局を介した無線通信ネットワークにより当該複数の移動局の監視を行う管制局とを有する移動局管理システムにおいて、前記移動局は、前記基地局との間の無線通信に供する複数のアンテナと、前記移動局の現在位置を検出する現在位置検出部と、前記無線通信ネットワークを介してアンテナ切替指示情報を取得して、前記複数のアンテナの中から受信に供するアンテナを前記アンテナ切替指示情報に基づいて選択したアンテナに切り替えるアンテナ切替部と、を備え、当該移動局管理システムは、前記移動局において受信に供するアンテナのアンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報を記憶した記憶装置と、前記移動局から前記移動局の現在位置についての現在位置情報を取得する現在位置情報取得装置と、前記移動局の現在位置が前記アンテナ切替エリアにあると判別した場合に、前記アンテナ切替情報に基づき当該移動局において受信に供するアンテナとして選択可能なアンテナを前記アンテナ切替指示情報として前記移動局に送信するアンテナ切替指示情報送信装置と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のアンテナ切替方法は、移動体に搭載され、複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置のアンテナ切替方法であって、前記移動体の現在位置を検出する過程と、アンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報に基づき、前記移動体の現在位置が前記アンテナ切替エリアにあると判別した場合に、受信に供するアンテナを前記アンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替える過程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の制御プログラムは、移動体に搭載され、複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置のアンテナ切替装置をコンピュータを用いて制御する制御プログラムであって、前記アンテナ切替装置は、現在位置検出部と、アンテナ切替部とを備え、前記現在位置検出部に前記移動体の現在位置を検出させ、前記アンテナ切替部にアンテナ切替エリアと当該アンテナ切替エリアにおいて選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報に基づき、前記移動体の現在位置が前記アンテナ切替エリアにあると判別した場合に、受信に供するアンテナを前記アンテナ切替情報に基づいて選択したアンテナに切り替えさせること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
複数のアンテナを備えてダイバーシティ受信を行う受信装置を用いた無線通信において、通信途絶が生じないように受信状態が悪化する前に適切なアンテナに切り替えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の実施の形態の移動局管理システム100の概要構成を示す。移動局管理システム100は、図1に示すように、管制局1と監視局2と基地局3と移動局4とがネットワークを介して接続されており、監視局2、基地局3、移動局4はそれぞれ複数設けられている。管制局1と監視局2と基地局3との間は有線による通信ネットワークが形成されており、基地局3と移動局4との間は複数の通信チャネルを使用したスペクトラム拡散(SS)無線通信方式による無線通信ネットワークが形成されている。
【0015】
管制局1は当該システムの運用を司るもので当該移動局管理システム100に一つ設けられ、各監視局2を包括的に制御する。管制局1には、各監視局2を介して、監視局2の管轄下にある基地局3の基地局情報並びに移動局4の現在位置情報等が送信される。これにより、管制局1は全ての基地局情報並びに移動局4の現在位置情報等を把握でき、各監視局2の動作管理を行うことで、全ての基地局3と移動局4とを一元管理できるようになっている。
【0016】
また、管制局1は監視局2を介して送信される移動局4の現在位置情報がリアルタイムで書き込まれ、逐次更新される移動局位置管理データベース11を有している。これにより、移動局4の現在位置をリアルタイムに管理することができる。
【0017】
また、管制局1はDGPSによるGPS基準局としての機能も有している。管制局1においてGPS衛星等から位置情報を受信し、GPS衛星等から受信した位置情報と管制局1の実際の位置とを比較して誤差を計算し、それをディファレンシャル情報(補正値)として基地局3を介して移動局4に送信することにより、移動局4におけるGPS測位の精度を向上させている。
【0018】
監視局2は、基地局3を管理するために当該移動局管理システム100に設けられるものである。当該移動局管理システム100では、上述した様に、複数の通信チャネルを使用して無線通信が行われる。この際、一の監視局2が各チャネル毎に同一チャネルの基地局3を管理するために割り当てられる。各監視局2は、管轄下にある基地局3の基地局情報並びに移動局4から基地局3を介して送信される現在位置情報等の移動局情報を把握しており、これらの情報を管制局1に送信する。また、各監視局2は移動局4の現在位置を表示するためのディスプレイ(図示略)を有し、管制局1の移動局位置管理データベース11をネットワークを介して参照することで、ディスプレイに移動局4の位置を表示させ、移動局4の現在位置を監視できるようになっている。
【0019】
基地局3は、無線通信装置を有し、各基地局3のサービスエリアSA内に存在する移動局4との間で移動局4の現在位置情報等の他、各種データを送受信している。すなわち、各基地局3はそのサービスエリアSA内の各移動局4と無線LANを構成し、ポーリング手順により各移動局4にアクセスし、データの授受を行っている。また、各基地局3は管制局1および監視局2との間で形成される有線の通信ネットワークに接続し、有線LANの端末として機能し、移動局4から送信される現在位置情報等の移動局情報を監視局2に送信する。
【0020】
移動局4は、車両4aに搭載されて基地局3のサービスエリアSA内又は複数の基地局3のサービスエリアSAに渡って移動し、基地局3との間で無線通信によりデータの授受を行う無線通信装置であって、基地局3から送信される無線電波を図2に示す2本のアンテナ40a、40bを用いてダイバーシティ受信を行う。当該移動局4は、ダイバーシティ受信を行う際に受信に供するアンテナを切り替えるためのアンテナ切替装置40を有している。
【0021】
アンテナ切替装置40は、図2に示すように、現在位置検出部41と、制御部42と、アンテナ切替情報記憶部43と、アンテナ切替信号生成部44と、アンテナ切替部45とを備えている。
【0022】
現在位置検出部41は、移動局4の現在位置を検出して現在位置検出信号S1を制御部42に出力するものである。現在位置検出部41は、例えば、GPS衛星から送信されているGPS電波を受信するアンテナ41a(レシーバーでも良い)を備え、GPS測位データに基づいて、移動局4の現在地点を示す位置座標と、進行方向とを計算して、それを現在位置検出信号S1として制御部42に出力する構成とすることができる。この際、現在位置検出部41では管制局1から送信されるディファレンシャル情報に基づいてGPS測位データを補正してより正確な現在位置を計算することができる。
【0023】
制御部42は、図示しないCPU、RAM、ROM等により構成され、ROMに格納された各種制御プログラムをRAMに読み出して、RAMの一部を作業領域としてアンテナ切替装置40の各部を集中制御して後述のアンテナ切替処理、アンテナ切替情報書換処理等の各種の処理を実行するものである。ただし、アンテナ切替情報書換処理はアンテナ切替学習モードにおいて実行されるものであり、図示しないアンテナ切替学習モード設定部により当該アンテナ切替学習モードが設定された場合に当該処理が実行される。
【0024】
アンテナ切替情報記憶部43は、アンテナ切替エリアA1〜A7と当該アンテナ切替エリアA1〜A7においてそれぞれ選択可能なアンテナとを対応づけたアンテナ切替情報50(図3参照)を記憶するものであり、アンテナ切替情報50はアンテナ切替処理およびアンテナ切替書換処理において使用される。
【0025】
アンテナ切替情報50は、図3に示すように、アンテナ切替エリアデータ51と、中心位置緯度データ52と、中心位置経度データ53と、半径データ54と、第一アンテナ40aについての選択可否データ55と、第二アンテナ40bについての選択可否データ56とを有している。
【0026】
アンテナ切替エリアデータ51は、アンテナ切替エリアを識別するための記号を割り当てたものであり、図3に示す例ではA1〜A7の記号が各アンテナ切替エリアに割り当てられている。
【0027】
中心位置緯度データ52および中心位置経度データ53は、各アンテナ切替エリアA1〜A7の中心位置(P1〜P7(図4参照))の座標を特定するためのデータである。半径データ54は、アンテナ切替エリアの中心位置からの半径範囲を示すデータである。
【0028】
第一アンテナ40aおよび第二アンテナ40bについてのそれぞれの選択可否データ55、56は、当該アンテナ切替エリアA1〜A7において、それぞれのアンテナを受信に供するアンテナとして選択可能か否かをフラグの形式(OK又はNG)で表したものである。
【0029】
ここで、アンテナ切替エリアデータ51、中心位置緯度データ52、中心位置経度53および半径データ54により特定されるアンテナ切替エリアA1〜A7は、次のようにして予め設定される。
【0030】
まず、事前の電波状況調査により、マルチパス等の影響により第一アンテナ40aまたは第二アンテナ40bの受信状態が悪く、通信途絶が生じる通信障害発生エリアを調べる。事前の電波状況調査は、図4に示すように、車両4aは道路61上を走行するので、移動局4の移動経路62上において行われる。すなわち、移動局4の移動経路62において各アンテナ40a、40b毎に、移動経路62上の各地点における受信電波の電力レベルを事前に調査し、いずれか一方のアンテナ40a、40bについて受信電波の電力レベルが所定の基準値以下に低下して通信途絶が生じ得るが他方のアンテナについては受信電波の電力レベルが所定の基準値以上あり通信途絶が生じないエリア(例えば、図5に示す通信障害発生エリアA)を調べる。そしてこのような通信障害発生エリアAの中心位置Pおよび中心位置Pから通信障害発生エリアAの外縁部までの距離Rを調べる。このようにして事前の電波状況調査により調べられた通信障害発生エリアAがアンテナ切替エリアとして設定される。そして、その中心位置P(図5参照)がアンテナ切替エリアAの中心位置となり、その中心位置Pの座標の緯度データと経度データとがそれぞれ中心位置緯度データ52、中心位置経度データ53としてアンテナ切替情報50に記載され、半径Rが半径データ54としてアンテナ切替情報50に記載される。
【0031】
そして、第一アンテナ40aおよび第二アンテナ40bについてのそれぞれの選択可否データ55、56は、上述のようにして設定されたアンテナ切替エリアA1〜A7における各アンテナ40a、40bの受信電波の電力レベルに基づいて選択可または選択不可が設定される。例えば、受信電波の電力レベルが所定の基準値以下に低下して通信途絶を生じるアンテナは選択不可(NG)とされ、アンテナ切替エリアA1〜A7において受信電波の電力レベルが基準値以下に低下せず、または電力レベルが一瞬だけ基準値以下に低下することはあっても通信途絶の生じない場合には、選択可能(OK)とされる。
【0032】
以上のように、事前の電波状況調査等により各データ52〜56が設定され、それぞれのデータ52〜56が各アンテナ切替エリアA1〜A7に対応づけられる。
【0033】
アンテナ切替信号生成部44は、移動局4がアンテナ切替エリアA1〜A7のいずれかに位置した際に、制御部42の制御の下、アンテナ切替情報50に基づいて受信に供するアンテナとして選択すべきアンテナをアンテナ切替部45に指示するアンテナ切替信号S2を生成してアンテナ切替部45に送出するものである。
【0034】
また、アンテナ切替信号生成部44は、通常のダイバーシティ受信によりアンテナ40a、40bの受信状態を監視し、受信電波の電力レベルが低くなったことを検出した場合には、制御部42の制御の下、より受信電波の電力レベルの高いアンテナに切り替えることができる。
【0035】
アンテナ切替部45は、制御部42の制御の下、アンテナ切替信号生成部44からアンテナ切替信号S2が入力されると、そのアンテナ切替信号S2に基づいて受信に供するアンテナを切り替えるものである。アンテナ切替信号S2の入力がない場合、アンテナ切替部45では、第一アンテナ40aまたは第二アンテナ40bのうちいずれか所定のアンテナが受信に供するアンテナとしてデフォルトで設定されている。
【0036】
次に、図6を参照して、移動局4におけるアンテナ切替装置40において、制御部42の制御により実行されるアンテナ切替処理について説明する。この処理は、移動局4が予め設定されたアンテナ切替エリアA1〜A7のいずれかの位置に移動した際に自動的に行われるものである。
【0037】
まず、移動局4に電源が投入され、移動局4の運用が開始されると(ステップS1)、アンテナ切替装置40においては、現在位置検出部41においてGPSアンテナ41aを介して受信するGPS測位データに基づいて移動局4の現在位置が計算される(ステップS2)。
【0038】
制御部42は、アンテナ切替情報記憶部43に記憶されたアンテナ切替情報50を参照して(ステップS3)、現在位置検出部41から入力される現在位置検出信号S1に基づき、現在位置がアンテナ切替エリアA1〜A7のいずれかのエリア内にあるか否かを判別する(ステップS4)。
【0039】
移動局4の現在位置がいずれかのアンテナ切替エリアA1〜A7のエリア内にあると判別された場合(ステップS4:Y)、制御部42はアンテナ切替信号生成部44にアンテナ切替情報50に基づいて当該アンテナ切替エリアA1〜A7に応じたアンテナ切替信号S2を生成させる(ステップS5)。
【0040】
そして、制御部42はアンテナ切替部45にアンテナ切替信号S2に基づいてアンテナを切り替えさせる(ステップS6)。一方、移動局4の現在位置がアンテナ切替エリアA1〜A7のいずれのエリア内にもない場合(ステップS4:N)には、通常のダイバーシティ受信により必要に応じて受信に供するアンテナの切り替えを行う(ステップS7)。そして、移動局4の運用が終了する(ステップS8:Y)まで、以上の処理を繰り返し行う。
【0041】
ここで、上記のアンテナ切替処理実行時に、当該アンテナ切替装置40においてアンテナ切替学習モードが設定されている場合には、併せてアンテナ切替情報書換処理が行われる。アンテナ切替情報書換処理とは、アンテナ切替情報50に記載される第一アンテナ40aおよび第二アンテナ40bについての選択可否データ55、56を、アンテナ切替エリアA1〜A7における実際の電波の受信状況に応じて書き換える処理である。
【0042】
アンテナ切替情報50では、上述のように、事前の調査により、各アンテナ切替エリアA1〜A7において第一アンテナ40aおよび第二アンテナ40bのそれぞれについての選択可否データ55、56がフラグ(OK又はNG)の形式で記載されている(図3参照)。しかしながら、実際の移動局の運用時において、第一アンテナ40aおよび第二アンテナ40bの電波の受信状態はそれぞれのアンテナ40a、40bが実際に取り付けられた位置によって調査時の電波の受信状態とは異なる場合がある。
【0043】
そこで、アンテナ切替情報書換処理では、アンテナ切替情報50に基づいて切り替えられたアンテナ(40aまたは40b)の電波の受信状態を監視しておき、アンテナ切替情報50における選択可否データ55、56を実際の電波の受信状態に応じて書き換える処理を行う。すなわち、選択可否データ55、56に選択可能(OK)として記載されていたが、実際にアンテナ切替情報50に基づいて切り替えたアンテナの電波の受信状態が悪く、受信電波の電力レベルが基準値以下に低下して通信途絶を生じるような場合には選択不可(NG)に書き換え、一方、当初、選択不可(NG)として記載されていたアンテナについて、当該アンテナ切替エリア(A1〜A7)において電波を良好に受信できるのであれば当該アンテナが選択可(OK)となるように、選択可否データ55、56を書き換える。これにより、再度、移動局4が当該アンテナ切替エリア(A1〜A7)に移動した際には、書き換えられたアンテナ切替情報50に基づいて制御部42によりアンテナ切替処理が実行されるようになる。
【0044】
以上説明した実施の形態のアンテナ切替装置40によれば、周辺の建物や路面状況によりマルチパス等の通信障害が生じる位置を含む所定のエリアを予めアンテナ切替エリアA1〜A7とし、このような位置において電波の受信状態のよいアンテナを選択可能なアンテナとして予め対応づけたアンテナ切替情報50により、移動局4がいずれかのアンテナ切替エリアA1〜A7に移動した際には直ちに受信に供するアンテナをアンテナ切替情報50に基づいて選択したアンテナに切り替えるので、使用していたアンテナの受信状態が悪化して通信途絶が生じるのを防ぐことができる。
【0045】
また、移動局4がいずれのアンテナ切替エリアA1〜A7のエリア内にない場合には、通常のダイバーシティ受信により受信状態の良好なアンテナを使用するので、アンテナ切替情報50には周辺の建物や路面状況等により固定的に通信障害を生じる通信障害発生エリアをアンテナ切替エリアA1〜A7として保持しておけばよく、記憶容量の無駄を省くことができる。また、移動局4がこのように設定されたアンテナ切替エリアA1〜A7のエリア内に位置するか否かだけを判別すればよいので、処理に係る負荷の増大を防止することができる。
【0046】
また、アンテナ切替情報記憶部43に記憶されたアンテナ切替情報50をアンテナ切替情報書換処理により、移動局4における実際のアンテナ40a、40bの電波の受信状態に応じて、アンテナ切替情報50を書き換えることができるので、その移動局4が備えるアンテナ40a、40bの実際の電波の受信状態に適したアンテナ切替情報50を作成することができる。
【0047】
また、本実施の形態では、管制局1をDGPSによるGPS基準局として機能しているので、移動局4では管制局1から送信されるディファレンシャル情報に基づいて現在位置検出部41において受信したGPS測位データを補正してより正確な現在位置を求めることができるので、移動局4がいずれかのアンテナ切替エリアA1〜A7にあるか否かを正確に判別することができる。
【0048】
以上説明した実施の形態では、図2に示すように、移動局4がアンテナ切替情報50を記憶するアンテナ切替情報記憶部43を備える構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。当該移動局管理システム100上にアンテナ切替情報50を記憶するアンテナ切替情報50記憶装置が備えられていればよい。この際、移動局4は無線通信等により当該アンテナ切替情報50を取得する等により、当該アンテナ切替情報50に基づいてアンテナの切り替えを行える構成であればよい。
【0049】
同様に、以上説明した実施の形態では、移動局4がアンテナ切替信号生成部44を備え、このアンテナ切替信号生成部44においてアンテナ切替情報50に基づいて生成されたアンテナ切替信号S2に基づいて受信に供するアンテナをアンテナ切替部45に切り替えさせる構成としたがこれに限定されるものではない。例えば、当該移動局管理システム100上に移動局4から移動局4の現在位置情報を取得する現在位置情報取得装置と、上述のアンテナ切替情報50記憶装置と、アンテナ切替指示情報送信装置とを備えさせ、アンテナ切替指示情報送信装置において、現在位置情報取得装置において取得した移動局4の現在位置がアンテナ切替情報50に記載されたいずれかのアンテナ切替エリアA1〜A7のエリア内にある場合に、アンテナ切替情報50に基づいて受信に供するアンテナとして選択可能なアンテナをアンテナ切替指示情報として移動局4に無線通信ネットワークを介して送信する構成とし、移動局4は無線通信ネットワークを介してアンテナ切替指示情報を取得して、このアンテナ切替指示情報に基づいて複数のアンテナ40a、40bの中から受信に供するアンテナを切り替える構成としてもよい。
【0050】
また、上記実施の形態においては、移動局4は第一アンテナ40aと第二アンテナ40bの二本のアンテナを備えるものとして説明したが、アンテナ切替装置40により切り替えされるアンテナの数は2本に限定されるものではなく、3本以上のアンテナを備える無線通信装置(受信装置)において受信に供するアンテナの切り替えを行ってもよいのは勿論である。
【0051】
3本以上のアンテナを備える無線通信装置においては、所定のアンテナ切替エリアにおいて複数本以上のアンテナが所定の基準値以上の電力レベルを有し良好に電波を受信することができる場合に、事前の電波状況調査において最も良好に電波を受信することのできるアンテナのみをアンテナ切替情報50において当該アンテナ切替エリアにおける選択可能なアンテナとして記載してもよいし、所定の基準値以上の電力レベルを有するアンテナを全て選択可能として記載してもよい。所定のアンテナ切替エリアにおいて複数本のアンテナが選択可能なアンテナとしてアンテナ切替情報50に記載される場合には、アンテナ切替信号生成部44に当該アンテナ切替エリアにおいてより受信電波の電力レベルが高い方のアンテナに切り替えさせるようなアンテナ切替信号S2を生成させるように構成するとよい。
【0052】
また、上記実施の形態においては、移動局4は車両4aに搭載される無線通信装置として説明したが、移動局4aが搭載される移動体は車両4aに限定されるものではなく、飛行機や船舶等であってもよい。また、移動局4は人等に携帯される携帯電話等であってもよく、特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施の形態における移動局管理システムの概要構成を示す図である。
【図2】実施の形態における移動局に備えられるアンテナ切替装置の概要構成を示す図である。
【図3】実施の形態におけるアンテナ切替情報の構成例を示す図である。
【図4】実施の形態における移動局の移動経路を示す図である。
【図5】移動局の移動経路におけるアンテナの受信電波の電力レベルの推移を示す図である。
【図6】実施の形態の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 管制局
2 監視局
3 基地局
4 移動局(受信装置)
4a 車両(移動体)
40 アンテナ切替装置
41 現在位置検出部
42 制御部(アンテナ切替情報書換部、現在位置取得装置)
43 アンテナ切替情報記憶部(記憶装置)
44 アンテナ切替信号生成部(アンテナ切替指示情報送信装置)
45 アンテナ切替部
100 移動局管理システム




 

 


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