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発明の名称 カメラ状態検知システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−208865(P2007−208865A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2006−27957(P2006−27957)
出願日 平成18年2月6日(2006.2.6)
代理人 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
発明者 岩間 隆昭
要約 課題
カメラ状態検知システムにおいて、カメラ(光学系を含む)の障害の有無を、客観的かつ定量的に検知する。

解決手段
車両200の後上部に搭載されて周辺(例えば、車両の後方)の景色(画像)Pを撮影する焦点距離固定の光学系を備えたカメラ10と、カメラ10により撮影して得られた画像Pのうち、空間周波数の高い高周波成分SHを抽出するBPF30と、画像Pのうち一部の領域範囲pを選択する指示が入力されて、一部の領域範囲pを選択するエリア選択部61およびエリア選択回路62と、領域範囲pについての高周波成分SHの積分値∫p (SH)を算出する積分回路40と、積分値∫p (SH)を基準値Kと比較することにより、カメラ10もしくはこのカメラ10が備えた光学系の汚れ(障害)の有無を判定する汚れ判定回路50とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】
車両に搭載されて該車両の周辺を撮影するカメラと、
前記カメラにより撮影して得られた画像情報のうち高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、
前記高周波成分抽出手段により抽出された前記高周波成分の、前記画像情報の一部または全部の範囲についての積分値を算出する積分値算出手段と、
前記積分値算出手段により算出された前記積分値に基づいて、前記カメラの障害を検知するカメラ状態検知手段とを備えたことを特徴とするカメラ状態検知システム。
【請求項2】
前記カメラ状態検知手段は、前記積分値を、予め設定された基準値と比較することにより、障害の有無を判定するものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ状態検知システム。
【請求項3】
前記カメラ状態検知手段は、前記高周波成分抽出手段と前記積分値算出手段とのうち少なくとも一つを兼ねたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラ状態検知システム。
【請求項4】
前記カメラは、焦点距離固定の光学系を備えたものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のカメラ状態検知システム。
【請求項5】
前記車両の走行を検出する走行検出手段をさらに備え、
前記カメラ状態検知手段は、前記走行検出手段によって前記車両の走行が検出されている状態において、前記カメラの障害を繰り返し検知するものであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載のカメラ状態検知システム。
【請求項6】
前記カメラにより撮影して得られた画像情報の全体領域のうち一部領域を選択する領域選択手段をさらに備え、
前記高周波成分抽出手段は、前記領域選択手段によって選択された前記一部領域についてのみ、前記高周波成分を抽出し、
または、前記積分値算出手段は、前記領域選択手段によって選択された前記一部領域についてのみ、前記積分値を算出するものであることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載のカメラ状態検知システム。
【請求項7】
前記カメラは、撮影して得られた画像情報を可視画像として表示する車載モニタを少なくとも備えた車載カメラシステムに用いられているカメラであることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載のカメラ状態検知システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ状態検知システムに関し、詳細には、車両に搭載されて車両の周辺を撮影するカメラの状態の検知に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラおよびモニタを車両に搭載し、カメラで撮影して得られた画像情報を可視像としてモニタに表示させて、車両乗員の運転操作を助ける車載カメラシステムが普及している。
【0003】
例えば、車両の後方や側方等の車両周辺を撮影し、この撮影された画像や映像を車載モニタに表示して、後退操作や幅寄せ操作の労力を軽減する駐車支援システムや側方モニタシステムなどがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−055099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これらの車載カメラシステムに用いられているカメラは、車両に固定されているため、撮影対象範囲までの距離は不変である。
【0005】
しかし、カメラに何らかの障害物がぶつかる等すると、カメラと撮影対象である車両周辺との距離関係が変化する場合も起こりうる。
【0006】
このような場合、カメラによって撮影して得られる画像や映像は、適切な合焦状態で得られる画像等ではないため、ピントがずれた画像等となる。
【0007】
しかし、カメラが、そのようなピントのずれた画像を撮影していても、乗員が車載モニタに映し出された可視像を見ることによって、ピントがずれているか否かを判断するため、必ずしもカメラの障害有無を適切に認識することができない場合がある。
【0008】
すなわち、人間の目視だけでは定量的に判断することができず、また、カメラに障害があるのかモニタに障害があるのかの区別もできない。
【0009】
また、カメラに備えられている光学系に油分が付着したり、くもりが生じるなど、光学系が汚損した場合や破損した場合にも、撮影により得られた画像のコントラストが低下したり、鮮鋭度が低下するため、上述したカメラの設置位置のずれと類似の現象を呈する。
【0010】
そして、これらカメラ(光学系を含む)の障害の有無について、従来は、客観的かつ定量的に検知することができなかった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、車両に搭載されてこの車両の周辺を撮影するカメラ(光学系を含む)の障害の有無を、客観的かつ定量的に検知することができるカメラ状態検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るカメラ状態検知システムは、車両の周辺を撮影する車両搭載のカメラによって得られた画像情報について、高周波成分の積分値を算出し、得られた積分値を所定の基準値と比較照合することで、カメラの障害有無を検知するものである。
【0013】
すなわち、本発明に係るカメラ状態検知システムは、車両に搭載されて該車両の周辺を撮影するカメラと、前記カメラにより撮影して得られた画像情報のうち高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、前記高周波成分抽出手段により抽出された前記高周波成分の、前記画像情報の一部または全部の範囲についての積分値を算出する積分値算出手段と、前記積分値算出手段により算出された前記積分値に基づいて、前記カメラの障害を検知するカメラ状態検知手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、高周波成分抽出手段としては、高周波成分を通過させるバンドパスフィルタやハイパスフィルタなど実像領域で高周波成分の抽出処理を行う手段の他、離散フーリエ変換や離散コサイン変換を用いて空間周波数領域で高周波成分の抽出処理を行う手段であってもよい。
【0015】
積分値算出手段が算出する高周波成分の積分値とは、高周波成分のレベルの積算値を意味するものであり、高周波成分の度数(頻度)の積算値を意味するものではない。
【0016】
高周波成分抽出手段、積分値算出手段およびカメラ状態検知手段のうち少なくとも2つは、一体的に構成されたものであってもよく、例えば、カメラ状態検知手段が高周波成分抽出手段および積分値算出手段の各機能を兼ねるものであってもよい。
【0017】
カメラの障害は、例えばこのカメラが備えた光学系の汚れ、損傷等や、接触などによってこのカメラが搭載されている車両に対する当該カメラの設置位置のずれ(特に光軸方向に沿った距離のずれ)などである。
【0018】
このような光学系の汚れや損傷等や、カメラの設置位置や設置角度のずれは、、そのような障害のない場合と比べて、カメラによって得られた画像または映像が滲んでいたり、ピントがぼけた画像または映像となり、その画像または映像の鮮鋭度が低下する。
【0019】
本発明のカメラ状態検知システムは、高周波成分抽出手段が、カメラにより撮影して得られた画像情報から高周波成分を抽出し、積分値算出手段が、高周波成分抽出手段により抽出された高周波成分の積分値を算出するため、光学系に汚れや損傷等が存在する場合や、カメラへの接触等によって車両における対地面の設置位置や設置角度がずれている場合に算出された当該積分値は、そのような障害がない場合に算出された積分値(基準値)よりも小さい。
【0020】
したがって、本発明のカメラ状態検知システムによれば、カメラ状態検知手段が、積分値算出手段により算出された積分値に基づいて、カメラの障害を客観的かつ定量的に検知することができる。
【0021】
なお、画像の空間周波数の高さまたは微分値の大きさに応じて光学系の汚れを検出する技術(特開2001−119614号公報に記載のもの)が提案されているが、この技術は、画像の一部に偶発的に生じたノイズの影響を受け易く、誤判定を生じやすいのに対して、本発明に係るカメラ状態検知システムは、高周波成分の積分値に応じて判定するため、そのような虞を抑制することができる。
【0022】
また、画像の高周波成分に占めるさらなる高周波成分の割合に応じて、光学系の汚れを検出する技術(特開2003−189294号公報に記載のもの)も提案されている。
【0023】
本発明に係るカメラ状態検知システムにおいて、カメラ状態検知手段は、前記積分値を、予め設定された基準値と比較することにより、障害の有無を判定するものであることが好ましい。
【0024】
算出される積分値は、カメラによって撮影して得られた画像、映像の鮮鋭度が低下するにしたがって小さくなる。
【0025】
したがって、カメラに障害が発生していない状態において当該カメラにより撮影して得られた画像または映像の高周波成分の積分値を、基準値として予め設定しておくことにより、算出された積分値をそのように予め設定された基準値と大小比較するだけの簡単な処理で、カメラの障害の有無を容易に検知することができる。
【0026】
本発明に係るカメラ状態検知システムにおいて、カメラ状態検知手段は、前記高周波成分抽出手段と前記積分値算出手段とのうち少なくとも一つを兼ねたものであることが好ましい。
【0027】
カメラ状態検知手段が、高周波成分抽出手段と積分値算出手段とのうち少なくとも一つを兼ねたものであるため、構成要素点数の低減を図ることができ、部品点数の低減に応じたサイズの小型化や製造コストの低減を図ることができる。
【0028】
本発明に係るカメラ状態検知システムにおいて、カメラは、焦点距離固定の光学系を備えたものであることが好ましい。
【0029】
焦点距離を変化させることができる光学系を備えたカメラでは、撮影対象までの距離に応じて光学系をその光軸方向に変位可能に構成され、合焦状態の調整を可能としている。
【0030】
そして、そのような焦点距離可変の光学系を備えたカメラにおいては、一般のデジタルカメラに代表されるように、例えばコントラスト評価方式などのオートフォーカス装置を備えている(特開2005−003933号公報等)。
【0031】
しかし、撮影対象が車両の周辺など所定の距離範囲に限定されているため、焦点距離を変化させる必要のない車両周辺撮影用の車両搭載カメラでは、焦点距離が固定された光学系を備えているに過ぎず、焦点距離可変の光学系を備えたカメラとは異なり、オートフォーカス装置を備えることはない。
【0032】
特に、このような焦点距離固定の光学系を備えたカメラが車両に搭載されたときには、地面等の撮影対象に対するカメラの設置位置が変化することはないと考えられていた。
【0033】
しかし、上述したカメラへの接触等によって、対地面等撮影対象に対するカメラの設置位置が変化することもあり得る。
【0034】
したがって、このような焦点距離固定の光学系を備えたカメラおいては、上述した本発明のカメラ状態検知システムによって奏される効果を、一層顕著なものとすることができる。
【0035】
本発明に係るカメラ状態検知システムにおいて、車両の走行を検出する走行検出手段をさらに備え、カメラ状態検知手段は、前記走行検出手段によって前記車両の走行が検出されている状態において、前記カメラの障害を繰り返し検知するものであることが好ましい。
【0036】
車両が停車しているときは、モノトーンの壁際に駐車している場合や、路面標識の無い路上に停止している場合も多い。
【0037】
このような状況においては、カメラによって撮影された車両周辺の画像や映像に対応した画像情報には、そもそも高周波成分が多く含まれない場合もある。
【0038】
一方、車両が走行している状態においては、カメラが撮影する画像や映像は時々刻々変化するため、得られた画像情報の中に高周波成分が常に少ししか含まれないという事態はない。
【0039】
例えば、カメラの撮影対象が、車両周辺のうち走行中の路面を含むときは、路面に描かれた標識を走行中に撮影する機会が必ずあり、この路面の標識を含む画像情報には標識の輪郭において空間周波数の高周波成分が含まれる。
【0040】
したがって、車両の走行中に、すなわち走行検出手段によって車両の走行が検出されたとき、カメラ状態検知手段が、繰り返しカメラの障害状態を検知することにより、車両の停車中よりも確実に精度良く、カメラの障害状態を検知することができる。
【0041】
本発明に係るカメラ状態検知システムにおいて、カメラにより撮影して得られた画像情報の全体領域のうち一部領域を選択する領域選択手段をさらに備え、高周波成分抽出手段は、前記領域選択手段によって選択された前記一部領域についてのみ、前記高周波成分を抽出し、または、前記積分値算出手段は、前記領域選択手段によって選択された前記一部領域についてのみ、前記積分値を算出するものであることが好ましい。
【0042】
高周波成分抽出手段が、領域選択手段によって選択された一部領域についてのみ高周波成分を抽出するものであっても、積分値算出手段は、カメラにより撮影して得られた画像情報の全体領域について、積分値を算出してもよいし、選択された一部領域についてのみ、積分値を算出してもよい。
【0043】
画像情報の全体領域に対して積分値を算出しようとしても、高周波成分が抽出されているのは、選択された一部領域についてのみであるため、その一部領域を除いた他の残り領域については高周波成分が検出されていないこととなり、画像情報の全体領域についての積分値と選択された一部領域について積分値とは、結果的に同一となるからである。
【0044】
積分値算出手段が、領域選択手段によって選択された一部領域についてのみ積分値を算出するものであっても、高周波成分抽出手段は、カメラにより撮影して得られた画像情報の全体領域について、高周波成分を抽出してもよいし、選択された一部領域についてのみ、高周波成分を抽出してもよい。
【0045】
画像情報の全体領域に対して高周波成分を抽出していた場合であっても、積分値を算出するのは、選択された一部領域についてのみであるため、その一部領域を除いた他の残り領域については積分値算出の対象から除外され、画像情報の全体領域について高周波成分を抽出した場合と一部領域について高周波成分を求めた場合とで、算出される積分値は結果的に同一となるからである。
【0046】
本発明に係るカメラ状態検知システムにおいて、前記カメラは、撮影して得られた画像情報を可視画像として表示する車載モニタを少なくとも備えた車載カメラシステムに用いられているカメラであることが好ましい。
【0047】
駐車時等において車両の後方を監視するため駐車支援システムや、走行中に車両側方を監視するため側方モニタシステムなど、各種車載カメラシステムにおいて用いられているカメラに関して、その障害状態を検知することができるからである。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係るカメラ状態検知システムによれば、カメラの障害を検知することができるため、カメラ自体を目視で直接観察して検査したり、カメラの設置状態を直接計測して検査することなく、カメラに障害が生じているか否かを検知することができる。
【0049】
また、カメラで得られた画像あるいは映像を車載モニタに表示させて、その表示を目視することにより、カメラの障害の有無を官能的かつ間接的に監視する場合に比べて、客観的かつ定量的に障害の有無を検知することができる。
【0050】
また、カメラ状態検知手段が、積分値を、予め設定された基準値と比較することにより障害の有無を判定して、障害状態を検知するようにしたカメラ状態検知システムによれば、カメラによって撮影により撮影して得られた画像または映像の高周波成分の積分値を、予め設定された基準値と大小比較するだけの簡単な処理によって、カメラの障害の有無を容易に検知することができる。
【0051】
また、カメラ状態検知手段が高周波成分抽出手段と積分値算出手段とのうち少なくとも一つを兼ねたものとしたカメラ状態検知システムによれば、構成要素点数の低減を図ることができ、部品点数の低減に応じたサイズの小型化や製造コストの低減を図ることができる。
【0052】
また、焦点距離固定の光学系を備えたカメラが車両に搭載されたときには、地面等の撮影対象に対するカメラの設置位置が変化することは全く考慮されていないため、カメラが焦点距離固定の光学系を備えたカメラ状態検知システムによれば、上述した本発明のカメラ状態検知システムによって奏される効果を、一層顕著なものとすることができる。
【0053】
また、車両の走行を検出する走行検出手段をさらに備え、カメラ状態検知手段は、前記走行検出手段によって前記車両の走行が検出されている状態において、繰り返し前記カメラの障害を検知するようにしたカメラ状態検知システムによれば、車両の停止中よりも確実に精度良く、カメラの障害を検知することができる。
【0054】
一方、車両の停止中はカメラの障害を検知しないため、カメラの障害有無を誤って検知するのを防止することができる。
【0055】
また、カメラにより撮影して得られた画像情報の全体領域のうち一部領域を選択する領域選択手段をさらに備え、高周波成分抽出手段は、前記領域選択手段によって選択された前記一部領域についてのみ、前記高周波成分を抽出し、または、前記積分値算出手段は、前記領域選択手段によって選択された前記一部領域についてのみ、前記積分値を算出するようにしたカメラ状態検知システムによれば、画像情報の全体領域のうち一部領域についてのみ高周波成分の抽出を行うため抽出処理を高速化することができ、または、一部領域についてのみ積分値を算出するため積分値の算出処理を高速化することができる。
【0056】
また、領域選択手段によって、カメラにより撮影して得られた画像情報の全体領域のうち、コントラストやトーン差(輝度差または濃度差)が比較的大きな一部領域を指定することで、全体領域を対象とした積分値との比較によっては適切な判定結果を得ることができない場合であっても、コントラストやトーン差が比較的大きな一部領域を対象とした積分値との比較によっては適切な判定結果を得ることができる。
【0057】
また、カメラが、撮影して得られた画像情報を可視画像として表示する車載モニタを少なくとも備えた車載カメラシステムに用いられているカメラであるカメラ状態検知システムによれば、駐車時等において車両の後方を監視するため駐車支援システムや、走行中に車両側方を監視するため側方モニタシステムなど、各種車載カメラシステムにおいて用いられているカメラに関して、その障害を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明に係るカメラ状態検知システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
【0059】
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラ状態検知システム100を示すブロック図である。
【0060】
図示のカメラ状態検知システム100は、車両200の後上部に搭載されて当該車両200の周辺(例えば、車両の後方)の景色(画像)Pを撮影する焦点距離固定の光学系を備えたカメラ10と、カメラ10により撮影して得られた画像P(この画像Pに対応する画像情報をSとする。)のうち、空間周波数の高い高周波成分SHを抽出するバンドパスフィルタ(BPF)30(高周波成分抽出手段)と、高周波成分SHの積分値∫(SH)を算出する積分回路40(例えば、コンデンサ;積分値算出手段)と、算出された積分値∫(SH)を基準値Kと比較することにより、カメラ10もしくはこのカメラ10が備えた光学系の汚れ(障害)の有無を判定する汚れ判定回路50(カメラ状態検知手段)とを備えた構成である。
【0061】
ここで、カメラ10は、例えば車両200に搭載された駐車支援システム等を構成する要素として搭載されたものであり、この駐車支援システム等は、このカメラ10の他、カメラ10によって撮影された画像、映像を可視像として表示するモニタや、駐車操作の際に車両を所定位置に適切に駐車できるように誘導するための誘導軌跡線や移動予測軌跡線などを算出するコントローラ等を備えている。
【0062】
カメラ状態検知システム100はさらに、BPF30により抽出された高周波成分SHのうち負側の成分を正側に反転させた絶対値高周波成分|SH|を出力する絶対値回路(例えば、整流器)30と、画像Pのうち一部の領域範囲pを選択する指示が入力されて、この指示された一部の領域範囲pに対応した水平同期信号・垂直同期信号を出力するエリア選択部61と、エリア選択部61から出力された垂直同期信号・水平同期信号に基づいて一部の領域範囲p(この一部の領域範囲pに対応した画像情報をsとする。)を選択するエリア選択回路62とを備えている。
【0063】
なお、エリア選択部61は、例えば上述した駐車支援システムを構成するモニタ上で、領域範囲pを選択することができるタッチパネルセンサ等によって構成されてもよく、エリア選択部61とエリア選択回路62とは、領域選択手段を構成している。
【0064】
これにより、積分回路40は、この絶対値回路30により出力された絶対値高周波成分|SH|を、一部の領域範囲pについて積分して、積分値∫p |SH|を算出する。
【0065】
また、汚れ判定回路50によって比較の対象となる基準値Kは、領域範囲pの画像種類(モチーフ)ごとに対応して予め設定されており、これら予め設定された基準値Kは、複数の基準値K1,K2,…としてメモリ72に記憶されており、汚れ判定回路50は、積分値∫p |SH|と、メモリ72に記憶されている複数の基準値K1,K2,…のうちから選択されたいずれかの基準値Ki(i=1,2,…)とを比較して、光学系の汚れの有無を判定する。
【0066】
これにより、汚れ判定回路50は、算出された積分値∫p |SH|を、選択された基準値Kiと比較することにより、カメラ10もしくはこのカメラ10が備えた光学系の汚れの有無を判定する。
【0067】
このため、画像pのモチーフを選択するためのモチーフ選択部71が備えられ、モチーフ選択部71に入力された選択指示に対応したいずれかの基準値Ki(i=1,2,…)がメモリ72から読み出されて、汚れ判定回路50に入力される。
【0068】
次に、この実施形態のカメラ状態検知システム100の作用について、具体的に説明する。
【0069】
まず、カメラ10により、車両の後方路面の風景(画像)Pが撮影される。このとき撮影して得られた画像Pの一例を、図2に示す。なお、この画像Pは、カメラ10が撮影した画像が左右反転されている。これは、カメラ10は後方を向いているのに対して、この画像Pを表示するモニタは前方を向いた乗員が対面するように配置されるため、モニタに表示された画像Pを見た乗員に左右方向の違和感を与えないように、駐車支援システムのコントローラによって左右反転処理が施されているからである。
【0070】
得られた画像Pに対応した信号としての画像情報Sは、BPF20により、所定の空間周波数以上の高周波成分SHだけが抽出される。
【0071】
例えば、図3(a)に示す画像情報Sを水平方向に走査したとき、画像情報Sにおける輝度値(信号値)の分布は、同図(b)に示すものとなり、空間的に狭い範囲で輝度の差が大きい部分(輝度変化が急峻な部分)である高周波成分SHは、同図(c)に示すものとなる。
【0072】
この高周波成分SHは、大きい輝度値から小さい輝度値に変化するときは負の変化となり、小さい輝度値から大きい輝度値に変化するときは正の変化となるため、後に積分値を算出する際に、正の変化部分における積分値と負の変化部分における積分値との間で相互に打ち消し合うのを防止する必要がある。
【0073】
そこで、BPF20の出力SHに対して、絶対値回路30が、負の変化部分を正側に反転する絶対値処理を施して、図3(d)に示す絶対値高周波成分|SH|を出力する。
【0074】
一方、乗員は、例えば上述した駐車支援システムを構成するモニタの表示面に設置されたタッチパネルセンサ(エリア選択部61)により、このモニタに表示されている全体画像P(撮影された画像Pの全体領域と一致するものとする)のうち、一部の領域範囲p(図2において、二点鎖線で示す)を選択する。
【0075】
この選択された領域範囲pは、乗員が、高周波成分SHが含まれているものと認める可視域における領域範囲である。
【0076】
エリア選択部61は、このように設定された領域範囲pに対応する水平同期信号・垂直同期信号を出力し、この水平同期信号・垂直同期信号が入力されたエリア選択回路62が、画像情報S上において領域範囲pに対応する領域範囲sを特定し、この特定された領域範囲sは積分回路に入力される。
【0077】
積分回路40は、絶対値高周波成分|SH|を、設定された領域範囲sについて積分処理し、算出された積分値∫p |SH|を汚れ判定回路50に入力する。
【0078】
汚れ判定回路50は、メモリ72に記憶された基準値Kと入力された積分値∫p |SH|とを大小比較して、カメラ10の本体またはカメラ10が備えた光学系の汚れの有無を判定するが、カメラ10の本体またはカメラ10が備えた光学系の汚れが無い場合であっても、比較の対象となる画像Pのモチーフによっては、そもそも高周波成分の積分値が小さいものもある。
【0079】
そこで、画像Pのモチーフごとに、比較の対象となる基準値Kiがメモリ72に記憶されており、乗員が、選択した領域範囲p(画像情報s)のモチーフをモチーフ選択部71に入力し、モチーフ選択部71は、入力されたモチーフの選択をメモリ72に入力し、メモリ72は、入力されたモチーフの選択に対応した基準値Ki(i=1,2,…)を、汚れ判定回路50に入力する。
【0080】
そして、汚れ判定回路50は、入力された積分値∫p |SH|と基準値Ki(i=1,2,…)とを大小比較して、カメラ10の本体またはカメラ10が備えた光学系の汚れの有無を判定する。具体的には、積分値∫p |SH|>基準値Kiのときは、カメラ10の汚れは無いと判定し、積分値∫p |SH|≦基準値Kiのときは、カメラ10の汚れが発生していると判定する。
【0081】
なお、この判定結果は、例えば、駐車支援システムのモニタに表示される等して、乗員に報知される。
【0082】
これにより、乗員は、カメラ10の本体またはカメラ10が備えた光学系の汚れの有無を検知することができる。したがって、カメラ10を目視で直接観察して検査することなく、カメラ10に汚れが有るか否かを検知することができる。
【0083】
また、カメラ10で得られた画像Pをモニタに表示させて、その表示を目視することにより、カメラ10の汚れの有無を官能的かつ間接的に監視する場合に比べて、客観的かつ定量的に障害の有無を検知することができる。
【0084】
なお、上述した説明は、カメラ10の本体またはカメラ10が備えた光学系の汚れの有無を検知することを目的とした説明であるが、カメラ10や光学系の劣化や損傷等、あるいは、カメラ10への接触などによってこのカメラ10が搭載されている車両200に対するカメラ10の設置位置のずれ(特に光軸方向に沿った距離のずれ)を、カメラ10の設置状態を直接計測することなく、検知することもできる。
【0085】
さらに、いわゆる自己診断(ダイアグノシス)情報として、カメラ10の汚れや劣化、損傷、位置ずれ等が発生した日時情報、程度などを、所定のメモリに記憶させるようにしてもよし、エンジン始動時ごとのイニシャルチェックとして実施するようにしてもよい。
【0086】
また、本実施形態のカメラ状態検知システム100によれば、カメラ10によって撮影により撮影して得られた画像Pの高周波成分|SH|の積分値∫p |SH|を、予め設定された基準値Kiと大小比較するだけの簡単な処理によって、カメラ10の障害(汚れや位置ずれ)の有無を容易に検知することができる。
【0087】
本実施形態は、一部の領域範囲pを、乗員が選択、設定するものであるが、画像Pにおける特定の範囲として予め設定されていてもよい。
【0088】
さらに、この設定される領域範囲pは、画像Pの全体領域のうち一部分に限定されるものではなく、全体領域であってもよい。すなわち、画像Pの領域全体についての高周波成分SHの絶対値|SH|の積分値∫|SH|を、対応する基準値Kと比較するものであってもよい。
【0089】
また、積分回路40は、エリア選択回路62によって特定された一部の領域範囲pについてのみ、積分値∫p |SH|を算出するため、この演算処理を高速化することができる。
【0090】
なお、BPF20についても、エリア選択回路62によって特定された一部の領域範囲pについてのみ、高周波成分SHの抽出を行うようにしてもよく、そのように構成したものでは、抽出処理を高速化することができる。
【0091】
もちろん、絶対値回路30についても、エリア選択回路62によって特定された一部の領域範囲pについてのみ、絶対値化する処理を行うようにしてもよく、そのように構成したものでは、絶対値化処理を高速化することができる。
【0092】
また、画像Pの全体領域のうち、コントラストやトーン差(輝度差または濃度差)が比較的大きな一部の領域範囲pを、エリア選択回路62によって指定することにより、全体領域を対象とした積分値∫|SH|との比較によっては適切な判定結果を得ることができない場合であっても、コントラストやトーン差が比較的大きな一部の領域範囲pを対象とした積分値∫p |SH|との比較によっては適切な判定結果を得ることができる。
【0093】
本実施形態に係るカメラ状態検知システム100は、車両200が停止した状態で撮影された画像Pに基づいて、障害の有無を判定するものであるが、本発明に係るカメラ状態検知システムは、この形態に限定されるものではない。
【0094】
すなわち、カメラ状態検知システム100の搭載された車両200が、輝度分布が略一様な塀や壁などにカメラ10を向けて駐車しているときや、路面標識の無い路上に停車している場合は、画像Pの高周波成分SHは少ないため、カメラ10の障害が無い場合であっても、積分値∫p |SH|(全体領域についての積分値∫|SH|でも同様)は極めて小さいものとなり、カメラ10の障害の有無の判定を誤る虞がある。
【0095】
そこで、図4に示すように、カメラ状態検知システム100が、車両200の走行を検出する車速センサ80(走行検出手段)をさらに備え、汚れ判定回路50は、車速センサ80によって車両200の走行が検出されている状態においては、カメラ10の障害有無を繰り返し検知するものとし、車両200の走行が検出されていない状態においては、カメラ10の障害有無を検知しないものとしすればよい。
【0096】
このように構成された実施形態のカメラ状態検知システム100によれば、車両200が走行している状態においては、汚れ判定回路50が、車速センサ80から入力される車速信号に基づいて、車両200が走行していることを検出することができる。
【0097】
車両200が走行しているときは、カメラ10が撮影する画像Pは時々刻々変化するため、得られた画像Pに高周波成分SHが常に少ししか含まれないという事態はあり得ない。
【0098】
例えば、カメラ10の撮影対象が、走行中の路面を含むときは、路面に描かれた標識を走行中に撮影する機会が必ずあり、この路面の標識を含む画像Pには標識の輪郭部において空間周波数の高い高周波成分SHが含まれる。
【0099】
したがって、車両200の走行中、すなわち車速センサ80によって車両200の走行が汚れ判定回路50により検出されたとき、汚れ判定回路50が、カメラ10の障害状態を繰り返し検知することにより、車両200の停止中よりも確実に精度良く、カメラ10の障害有無を検知することができる。
【0100】
一方、車両200の停止中、すなわち車速センサ80によって車両200の走行が汚れ判定回路50により検出されないとき、汚れ判定回路50は、カメラ10の障害状態を検知しないため、カメラ10の障害有無を誤って検知するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラ状態検知システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示したカメラ状態検知システムにおけるカメラが撮影された画像(左右反転)の一例を示す図である。
【図3】図1に示したカメラ状態検知システムの作用を説明する図であり、(a)は画像情報、(b)は輝度分布、(c)は高周波成分、(d)は高周波成分の絶対値、をそれぞれ示す。
【図4】図1に示したカメラ状態検知システムの変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0102】
10 カメラ
20 バンドパスフィルタ(高周波成分抽出手段)
30 絶対値回路(積分値算出手段)
40 積分回路(積分値算出手段)
50 汚れ判定回路(カメラ状態検知手段)
61 エリア選択部(領域選択手段)
62 エリア選択回路(領域選択手段)
71 モチーフ種類選択部
72 メモリ
100 カメラ状態検知システム
200 車両




 

 


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