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発明の名称 放送受信装置、受信特性調整方法および制御プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−189388(P2007−189388A)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
出願番号 特願2006−4599(P2006−4599)
出願日 平成18年1月12日(2006.1.12)
代理人 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之
発明者 合屋 英二
要約 課題
移動体の現在位置における受信特性を調整するためのパラメータを簡易かつ低コストで提供する。

解決手段
放送受信装置に、移動体の現在位置を検出する位置検出部と、移動体の現在位置が含まれる放送区域の所定の代表位置における受信特性を調整するために用いる代表位置パラメータを取得する取得部と、前記代表位置パラメータと移動体の現在位置とに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整するために用いる現在位置パラメータを求める算出部と、前記現在位置パラメータに基づいて、受信特性を調整する受信特性調整部と、を設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
移動体の現在位置を検出する位置検出部と、
所定の放送区域の代表位置において受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータを取得する取得部と、
移動体の現在位置が含まれる前記放送区域に対応する前記代表位置パラメータと、前記代表位置に対する移動体の現在位置とに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整するための現在位置パラメータを求める算出部と、
前記現在位置パラメータに基づいて、受信特性を調整する受信特性調整部と、
を備えたことを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
請求項1記載の放送受信装置において、
前記算出部は、前記代表位置と前記現在位置との間の距離に基づいて前記代表位置パラメータを補正することにより、前記現在位置パラメータを求めること、
を特徴とする放送受信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の放送受信装置において、
前記算出部は、移動体の現在位置が複数の放送区域が重複する位置にある場合、各放送区域毎に求めた現在位置パラメータのうち、最も放送を良好に受信できる現在位置パラメータを、当該位置における移動体の現在位置パラメータとすること、
を特徴とする放送受信装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の放送受信装置において、
各放送区域に対してその代表位置と代表位置パラメータとを対応づけた代表位置パラメータデータベースが記憶された記憶部を備え、
前記取得部は、前記代表位置パラメータデータベースから前記代表位置パラメータを取得すること、
を特徴とする放送受信装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の放送受信装置において、
前記取得部は、各放送区域に対してその代表位置と代表位置パラメータとを対応づけた代表位置パラメータデータベースに通信ネットワークを介して接続して、前記代表位置パラメータを取得すること、
を特徴とする放送受信装置。
【請求項6】
放送受信装置の受信特性を調整する受信特性調整方法において、
移動体の現在位置を検出する過程と、
所定の放送区域の代表位置において受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータを取得する過程と、
移動体の現在位置が含まれる前記放送区域に対応する前記代表位置パラメータと、前記代表位置に対する移動体の現在位置とに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整するための現在位置パラメータを求める過程と、
前記現在位置パラメータに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整する過程と、
を備えたことを特徴とする受信特性調整方法。
【請求項7】
移動体の現在位置を検出する位置検出部と、移動体の現在位置が含まれる放送区域の所定の代表位置における受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータを取得する取得部と、現在位置パラメータを求める算出部と、受信特性を調整する受信特性調整部とを備えた放送受信装置の受信特性の調整をコンピュータを用いて制御する制御プログラムにおいて、
前記位置検出部に、移動体の現在位置を検出させ、
前記取得部に、前記代表位置パラメータを取得させ、
前記算出部に、前記代表位置パラメータと移動体の現在位置とに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整するために用いる現在位置パラメータを求めさせ、
前記受信特性調整部に、前記現在位置パラメータに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整させること、
を特徴とする制御プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に搭載され、放送を受信する放送受信装置、受信特性調整方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の現在位置を検出する位置検出部を備え、位置検出部により検出された現在位置に応じて受信特性を制御する車載用の受信装置が知られている。
このような装置として、例えば、隣接妨害を改善するために、位置検出部により検出された車両の現在位置に合わせて、予め用意されたパラメータの中から現在位置に適したパラメータを選択して受信帯域幅を変えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、位置検出部により車両が相互変調妨害、強入力妨害等の受信妨害の発生する地域に位置すると検出された場合、予め記憶装置等に記憶されたその地域における自動利得制御(AGC)回路の最適な調整ポイントに従って、AGC回路を最適な状態に設定するようにした受信装置もある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
さらに、マルチパス妨害や電界強度の変化に伴う音揺れによる不快感を改善するために、位置検出部により検出された車両の現在位置に基づいて、予め用意されたパラメータの中から現在位置に適した受信特性にするためのパラメータを選択設定して、選択設定されたパラメータに基づいて受信特性を調整する自動音質制御(ATC)回路や自動分離制御(ASC)回路を備えた受信装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平6−104786号公報
【特許文献2】特開平7−202641号公報
【特許文献3】特開2004−241907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の受信装置では、予め所定の放送区域を複数の領域に細かく分割し、各領域毎に用意しておいたパラメータの中から車両の現在位置に応じたパラメータを選択するという構成となっていた。このため、放送区域毎に細かく分割された複数の各領域についてパラメータを予め設定しておく必要があり、そのためには各領域毎に電波状況の調査を行って、各領域毎に予めパラメータを設定しておくという非常に手間とコストのかかる作業を要していた。また、この様に個々の領域毎にパラメータを用意しておかなければならないので、膨大なデータ量のデータベースを構築する必要があり、この点においても手間とコストがかかっていた。
そこで、本発明の課題は、最適な受信特性に調整可能で、かつ、移動体の現在位置における受信特性を調整するための現在位置パラメータを提供するためのデータベースを簡易かつ低コストで構築することができる放送受信装置、受信特性調整方法および制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の放送受信装置は、移動体の現在位置を検出する位置検出部と、所定の放送区域の代表位置において受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータを取得する取得部と、移動体の現在位置が含まれる前記放送区域に対応する前記代表位置パラメータと、前記代表位置に対する移動体の現在位置とに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整するための現在位置パラメータを求める算出部と、前記現在位置パラメータに基づいて、受信特性を調整する受信特性調整部と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、取得部は所定の放送区域の代表位置において受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータを取得する。そして、パラメータ算出部は、移動体の現在位置が含まれる放送区域に対応する代表位置パラメータと、その代表位置に対する移動体の現在位置とに基づいて移動体の現在位置における受信特性を調整するための現在位置パラメータを求める。このため、各放送区域に対してそれぞれの代表位置パラメータを対応づけた簡易なデータベースがあればよく、一の放送区域をそれぞれ複数の領域に分割して、各領域毎に事前の電波調査等により予めパラメータを設定して用意しておく必要がない。
【0006】
上記構成において、前記算出部に、前記代表位置と前記現在位置との間の距離に基づいて前記代表位置パラメータを補正することにより、前記現在位置パラメータを求めさせてもよい。
【0007】
また、上記構成において、前記算出部に、移動体の現在位置が複数の放送区域が重複する位置にある場合、各放送区域毎に求めた現在位置パラメータのうち、最も放送を良好に受信できる現在位置パラメータを、当該位置における移動体の現在位置パラメータとさせてもよい。
【0008】
また、上記構成において、各放送区域に対してその代表位置と代表位置パラメータとを対応づけた代表位置パラメータデータベースが記憶された記憶部を備えさせ、前記取得部に、前記代表位置パラメータデータベースから前記代表位置パラメータを取得させてもよい。あるいは、上記構成において、前記取得部に、各放送区域に対してその代表位置と代表位置パラメータとを対応づけた代表位置パラメータデータベースに通信ネットワークを介して接続して前記代表位置パラメータを取得させてもよい。
【0009】
また、本発明の受信特性調整方法は、放送受信装置の受信特性を調整する受信特性調整方法において、移動体の現在位置を検出する過程と、所定の放送区域の代表位置において受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータを取得する過程と、移動体の現在位置が含まれる前記放送区域に対応する前記代表位置パラメータと、前記代表位置に対する移動体の現在位置とに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整するための現在位置パラメータを求める過程と、前記現在位置パラメータに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整する過程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の制御プログラムは、移動体の現在位置を検出する位置検出部と、所定の放送区域の代表位置において受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータを取得する取得部と、現在位置パラメータを求める算出部と、受信特性を調整する受信特性調整部とを備えた放送受信装置の受信特性の調整をコンピュータを用いて制御する制御プログラムにおいて、前記位置検出部に、移動体の現在位置を検出させ、
前記取得部に、前記代表位置パラメータを取得させ、前記算出部に、前記代表位置パラメータと移動体の現在位置とに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整するために用いる現在位置パラメータを求めさせ、前記受信特性調整部に、前記現在位置パラメータに基づいて、移動体の現在位置における受信特性を調整させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定の放送区域の代表位置における受信特性を調整するための代表位置パラメータを用いて現在位置パラメータを求めるので、移動体の現在位置における受信特性を調整するための現在位置パラメータを提供するためのデータベースを簡易かつ低コストで構築することができ、移動体の現在位置において最適な受信特性に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に本実施の形態に係る放送受信装置1の概要構成を示す。放送受信装置1は、車載されラジオ放送等の放送電波を受信するものである。図2に示すように、車両Vは放送区域A内又は複数の放送区域(A0,A1,A2,A3(図4参照))に渡って移動するが、放送区域A(A0,A1,A2,A3)内には放送受信装置1の受信特性に影響を及ぼす妨害波を発生する妨害波発生源(以下、この妨害波発生源のある位置を電波障害位置という)等がある場合がある。このため、車両Vが移動した位置(車両Vの現在位置)によっては、電波障害位置Dとの位置関係により、妨害波等の影響を受けて放送を良好に受信できない場合がある。
【0013】
そこで、本実施の形態の放送受信装置1は、図1に示すように、位置検出部2と、チューナー部3と、記憶部4と、制御部5と、信号処理部6とを備え、位置検出部2において検出した車両の現在位置に応じて、信号処理部6において後述する代表位置パラメータ等に基づいて算出した現在位置パラメータにより、妨害波等の影響を低減するように放送受信装置1の受信特性を最適に調整して、車両Vの現在位置においてラジオ放送等を良好に受信できるようにするものである。以下、放送受信装置1の各構成要素について説明する。
【0014】
位置検出部2は、車両Vの現在位置(図2参照)を検出して現在位置検出信号を制御部5に出力するものである。位置検出部2は、例えば、GPS衛星から送信されているGPS電波を受信するアンテナ21(レシーバーでも良い)を備え、GPS電波に基づいて、車両Vの現在地点を示す位置座標と、進行方向とを計算して、それを位置検出信号として制御部5に出力する構成とすることができる。
【0015】
チューナー部3は、アンテナ31を介して放送局から放送されたFM放送やAM放送等の放送電波を受信して所定の信号処理が施された音声信号をスピーカ7ーに出力するものであり、放送電波を受信する際の受信特性を調整するための受信特性調整部32を備えている。
【0016】
受信特性調整部32は、図示しない受信帯域幅設定部、AGC回路設定部、HCC(ハイカットコントロール)回路設定部、SPC(セパレーションコントロール)回路設定部等を備え、信号処理部6から受け渡される現在位置パラメータに基づいて、受信帯域幅、AGC回路、HCC回路、SPC回路等の設定を行い、妨害波等の影響を低減するように受信特性を最適に調整して、車両Vが移動した位置で放送受信装置1が放送を良好に受信できるようにするものである。
【0017】
記憶部4は、放送区域A(A0,A1,A2,A3)(図2および図4参照)の代表位置O(O0,O1,O2,O3)において放送を良好に受信するために受信特性を最適に調整するために用いる代表位置パラメータを各放送区域A(A0,A1,A2,A3)に対応付けた代表位置パラメータデータベースを保持する代表位置パラメータデータベース格納領域41を有している。また、後述する補正関数を格納する補正関数格納領域42を有している。記憶部4は、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体に記憶されたデータを読み出し可能な読み取り装置などから構成できる。
【0018】
ここで、放送区域A(A0,A1,A2,A3)とは、図2に示すように、一の放送局の放送に係る所定の区域をいい、標準の放送受信装置1で一の放送局の放送を良好に受信することができるであろうと想定される区域(強・中電界地域)のことをいう。すなわち、放送区域A(A0,A1,A2,A3)は、放送局(無線局)から送信される放送電波の電界強度により予め定めた地域をいう。
【0019】
また、放送区域A(A0,A1,A2,A3)の代表位置O(O0,O1,O2,O3)は、放送区域A(A0,A1,A2,A3)内の任意の場所を代表位置O(O0,O1,O2,O3)として定めることができる。例えば、代表位置O(O0,O1,O2,O3)を各放送区域A(A0,A1,A2,A3)の地理的な中心地点としてもいいし、東京タワーや放送局の近傍など電波の状況に特徴のある地点としてもよい。このように定めた代表位置O(O0,O1,O2,O3)において、事前に電波状況を調査しておき、その電波状況に対応して代表位置O(O0,O1,O2,O3)で放送を良好に受信できるように受信帯域幅の設定するための受信帯域幅パラメータや、AGC回路、HCC回路、SPC回路等の動作特性を調整するためのAGC回路パラメータ、HCC回路パラメータ、SPC回路パラメータを設定しておき、代表位置O(O0,O1,O2,O3)において放送を良好に受信できるような値が設定されたこれらの各パラメータをそれぞれ代表位置パラメータとして用いることができる。
【0020】
ここで、受信帯域幅パラメータは、主としてAMラジオ放送を受信する際の受信帯域幅を適切に設定するためのパラメータである。AMラジオ放送を受信する際には、受信帯域幅が広いほど高音部が再生されて音質はよくなる。しかし、受信帯域幅が広くなると、同時にマルチパス妨害、隣接妨害や弱電界ノイズ等の影響も受けやすくなる。そこで、受信したい放送電波信号の周波数に近い帯域に妨害波等が存在するときには、あえて音質を犠牲にして受信帯域幅を狭め妨害波の影響を排除することが行われている。本受信帯域幅パラメータは、適切な受信帯域幅を設定するために用いられるパラメータである。
【0021】
また、上記のAGC回路パラメータは、受信電波の電界レベル変動による音量変動を防止するために、AGC回路の利得量を適切な値にするためのパラメータである。AGC回路パラメータは、AGC回路の利得量が適切な値となるように、受信電波の電界強度が強い場合には利得を下げるような値が設定され、受信電波の電界強度が弱い場合には利得を上げるような値が設定される。
【0022】
また、上記のHCC回路パラメータは、ハイカットフィルタのカットオフ周波数を適切な値にするためのパラメータである。HCC回路は高音域の信号をカットするための回路で、FMステレオ放送を受信する際に、弱電界時のノイズ対策として、高域信号を意図的にカットすることにより聴感上のノイズを低減することが行われている。HCC回路パラメータは、受信中の電界レベルに応じて、このHCC回路のカットオフ周波数を適切に設定するために用いられるパラメータである。なお、本発明の背景技術において説明したATC回路は、このHCC回路に準拠する動作を行う。
【0023】
また、上記のSPC回路パラメータは、セパレーションコントロールを行い始める信号レベルや、セパレーションを低下させる度合いを適切に設定するためのパラメータである。
【0024】
ここで、セパレーションとは、ステレオ放送の左(もしくは右)信号が、右側(もしくは左側)出力へ漏れ出る度合いをいう。FM放送電波を受信する際、受信信号のSN比が一定のレベルまで低くなってくると、急激に復調後のSN比が劣化する。また、FMモノラル放送電波を受信する場合に比べると、FMステレオ放送電波を受信する場合の方が復調後のSN比が悪い。そこで、SPC回路を用いて、受信信号のSN比が低下してきた場合に、ステレオ放送の特徴である音の広がりや定位(音の聞こえる左右の位置)などを犠牲にして、セパレーションを意図的に弱めることにより、マルチパス妨害や電界強度の変化に伴う音揺れによる不快感を改善することで受信特性を調整することが行われている。
【0025】
SPC回路パラメータは、上述の様に、SPC回路を動作させ始める信号レベルやセパレーションを低下させる度合いを適切に設定するためのパラメータである。なお、上記の本発明の背景技術において説明したASC回路は、このSPC回路に準拠する動作を行う。
【0026】
補正関数格納領域42は、代表位置パラメータを用いて信号処理部6が現在位置パラメータを算出する際に用いる補正関数を格納するものである。
補正関数は各代表位置パラメータ(受信帯域幅パラメータ、AGC回路パラメータ、HCC回路パラメータ、SPC回路パラメータ)毎に、複数の補正関数が用意される。そして、複数の補正関数の中から、放送区域Aの代表位置Oと、放送区域A内に存在する電波障害位置Dと、車両の現在位置Vとの位置関係によって代表位置パラメータを適切に補正することのできる補正関数が制御部5により読み出されて、信号処理部6に受け渡される。
【0027】
例えば、受信帯域幅パラメータについての代表位置パラメータBW(x0,y0)について説明する。受信帯域幅パラメータについての代表位置パラメータBW(x0,y0)について補正関数C1、C2、…、Cnが予め用意されて補正関数格納領域42に格納されている。それぞれの補正関数C1、C2、…、Cnは、それぞれ代表位置Oと車両Vの現在位置との間の距離ΔLの関数となっている。代表位置O(O0,O1,O2,O3)と車両Vとの間の距離ΔLが等しい場合でも、放送区域A(A0,A1,A2,A3)の代表位置O(O0,O1,O2,O3)と、放送区域A(A0,A1,A2,A3)内に存在する電波障害位置Dと、車両の現在位置Vとの位置関係によっては放送受信装置1が妨害波の影響を受ける程度が異なる。このため、各補正関数C1、C2、…、Cnは、放送区域Aの代表位置Oと、放送区域A内に存在する電波障害位置Dと、車両の現在位置Vとの位置関係を考慮した上で、妨害波の影響を適切に低減できるような関数式に設定される。
【0028】
すなわち、補正関数C1を、車両Vが代表位置Oから見て電波障害位置Dと正反対の方向にあり、特に妨害波の影響を受けない場合に用いられるものとして設定し、補正関数C2を、車両Vが代表位置Oから見て電波障害位置Dの側にあり、妨害波の影響を考慮する必要のある場合に用いられるものとして設定し、補正関数Cnを、車両Vが代表位置Oから見て電波障害位置Dのある方向と一致し、妨害波の影響を強く受ける場合に用いられるものとして設定することができる(図3参照)。
【0029】
制御部5は、いわゆるマイコンであり、図示しないCPU、RAM、ROM等により構成される。制御部5は、ROMに格納された各種制御プログラムをRAMに読み出して、RAMの一部を作業領域として、放送受信装置1の各部を集中制御して後述する受信特性の調整処理等の各種処理を実行する。
【0030】
また、制御部5は、受信特性の調整処理において、車両Vの現在位置に応じて車両Vの現在位置が含まれる放送区域Aの代表位置パラメータと、車両Vの現在位置に応じた適切な補正関数とを記憶部4から取得して信号処理部6に受け渡す。すなわち、制御部5は、補正関数格納領域42に格納される複数の補正関数の中から、放送区域Aの代表位置Oと、放送区域A内に存在する電波障害位置Dと、車両の現在位置Vとの位置関係によって、適切な補正関数を選択して取得し、これを信号処理部6に受け渡すようになっている。
【0031】
例えば、上述した受信帯域幅パラメータについて、代表値パラメータBW(x0,y0)を用いて現在位置パラメータを求める場合、放送区域A(A0,A1,A2,A3)の代表位置O(O0,O1,O2,O3)と、放送区域A(A0,A1,A2,A3)内に存在する電波障害位置Dと、車両Vの現在位置との位置関係によって、制御部5は補正関数C1〜Cnの中から適切な補正関数を選択して取得し、これを信号処理部6に受け渡す。
【0032】
信号処理部6(図1参照)は、代表位置Oと車両Vの現在位置との間の距離ΔLと、車両Vの現在位置が含まれる放送区域Aにおける代表位置パラメータとに基づいて、制御部5から受け渡される補正関数に従って現在位置パラメータを求めるものである。
【0033】
以下、信号処理部6が受信帯域幅パラメータについて、車両Vが図2に示す座標位置(x1,y1)、(x2,y2)、(xn,yn)、(x3,y3)、(x4,y4)にある場合の各現在位置パラメータBW(x1,y1)、(x2,y2)、(xn,yn)、(x3,y3)、(x4,y4)を求める方法について説明する。
【0034】
(1)車両Vの現在位置が座標位置(x1,y1)にある場合
車両Vの現在位置が座標位置(x1,y1)にある場合(代表位置Oと車両Vの現在位置とを結ぶ線分と、代表位置Oと電波障害位置Dとを結ぶ線分とで成す角度が180度である場合)、車両Vは代表位置O(x0,y0)からみて電波障害位置Dとは正反対の方向に位置するから、放送受信装置1は特に妨害波の影響を受けない。この場合、制御部5は、上述した補正関数C1を補正関数格納領域42から読み出して、信号処理部6に受け渡す。これを用いて信号処理部6は、以下の(式1)により現在位置パラメータBW(x1,y1)を算出する。
BW(x1,y1)=BW(x0,y0)+C1(ΔL)・・・(式1)
【0035】
上記(式1)に基づいて得た現在位置パラメータBW(x1,y1)の値を代表位置Oと車両Vの現在位置との間の距離ΔLに対してプロットすると、例えば、図3に示す例では、受信帯域幅パラメータについての現在位置パラメータBW(x1,y1)は常に代表位置パラメータBW(x0,y0)と同じ値をとる。これは、車両Vの現在位置は電波障害位置Dとは正反対の方向にあるので、妨害波の影響を特に考慮する必要がないため、補正関数C1を、代表位置Oと車両Vの現在位置との間の距離によらず、常に、C1(ΔL)=0の値をとり、現在位置パラメータBW(x1,y1)は常にBW(x1、y1)=BW(x0、y0)=9kHzの値をとるように設定したためである。但し、この9kHzという値は、AM放送の各チャネルの帯域幅(9kHz)に合わせて設定したものである。
【0036】
(2)車両Vの現在位置が座標位置(x2,y2)にある場合
図2に示すように、車両Vの現在位置(x2,y2)が代表位置O(x0,y0)から見て電波障害位置Dのある側に位置する場合(代表位置Oと車両Vの現在位置とを結ぶ線分と、代表位置Oと電波障害位置Dとを結ぶ線分とで成す角度が40度程度である場合)には、放送受信装置1は妨害波の影響を考慮した上で受信特性を調整する必要があるから、この場合、制御部5は、上述した補正関数C2を補正関数格納領域42から読み出して、信号処理部6に受け渡す。これを用いて信号処理部6は、以下の(式2)により現在位置パラメータBW(x2,y2)を算出する。
BW(x2,y2)=BW(x0,y0)+C2(ΔL)・・・(式2)
【0037】
上記(式2)に基づいて得た現在位置パラメータBW(x2,y2)の値を縦軸に、ΔLを横軸にプロットすると、例えば、図3に示すようにΔLの値に応じて車両Vの現在位置パラメータBW(x2,y2)が得られる。
【0038】
(3)車両Vの現在位置が座標位置(xn、yn)にある場合
図2に示すように、車両Vの現在位置(xn,yn)が代表位置O(x0,y0)から見て電波障害位置Dのある方向と一致する方向に位置する場合(代表位置Oと車両Vの現在位置とを結ぶ線分と、代表位置Oと電波障害位置Dとを結ぶ線分とで成す角度が0度である場合)には、放送受信装置1は妨害波の影響を強く受けるから、この場合、制御部5は、上述した補正関数Cnを補正関数格納領域42から読み出して、信号処理部6に受け渡す。これを用いて信号処理部6は、以下の(式3)により現在位置パラメータBW(xn,yn)を算出する。
BW(xn,yn)=BW(x0,y0)+Cn(ΔL)・・・(式3)
【0039】
上記(式3)に基づいて得た現在位置パラメータBW(xn,yn)の値を縦軸に、ΔLを横軸にプロットすると、例えば、図3に示すようにΔLの値に応じて車両Vの現在位置パラメータBW(xn,yn)が得られる。
【0040】
(4)車両Vの現在位置が代表位置Oに近接する位置にある場合
また、例えば、図2に示すように、車両Vの現在位置(x3,y3)が代表位置O(x0,y0)に近接する位置にある場合、すなわち代表位置O(x0,y0)から所定の距離範囲内にある場合には、信号処理部6は車両Vの現在位置パラメータとして代表位置パラメータを使うように処理をする。
【0041】
(5)車両Vの現在位置が座標位置(x4、y4)(図4参照)にある場合
信号処理部6は以上(1)〜(4)のように、現在位置パラメータを算出するが、車両Vの現在位置が図4に示す座標位置(x4、y4)にある場合の様に、複数の放送区域A0、A1、A2が重複する位置にある場合、信号処理部6は、各放送区域A0、A1、A2の代表位置O0,O1,O2と車両Vの現在位置(x4、y4)との間の各距離ΔL0、ΔL1、ΔL2および各放送区域A0、A1、A2の代表位置O0,O1,O2において設定された代表位置パラメータに基づいて各放送区域A0、A1、A2毎にそれぞれ現在位置パラメータを求め、そのうち、最も放送を良好に受信できるパラメータを、車両Vの現在位置における現在位置パラメータとして受信特性調整部32に引き渡す。
【0042】
以上は、受信帯域幅パラメータについての現在位置パラメータを求める場合について述べたが、他の受信特性を調整するためのパラメータ(AGC回路パラメータ、HCC回路パラメータ、SPC回路パラメータ)についても、同様に求めることができる。すなわち、それぞれ代表位置Oと車両Vの現在位置との間の距離ΔLの関数である補正関数が複数補正関数格納領域42に格納されており、制御部5により車両Vの現在位置に応じて適切な補正関数が信号処理部6に受け渡され、信号処理部6では制御部5から受け渡される代表位置パラメータと、補正関数と、代表位置Oと現在位置との間の距離ΔLとによって、現在位置パラメータを求める。
【0043】
次に、図5を参照して、制御部5の制御の下、実行される受信特性の調整処理を説明する。受信特性の調整処理開始に伴い、制御部5は位置検出部2に制御命令を送り現在の自車位置を検出させて、位置検出部2から車両Vの現在位置情報を取得する(ステップS1)。
【0044】
次に、現在位置情報に基づき、制御部5は車両Vの現在位置が含まれる放送区域Aの代表位置パラメータを記憶部4における代表位置パラメータデータベースから取得するとともに、代表位置パラメータから現在位置パラメータを求めるための補正関数を取得する(ステップS2)。ここで、車両Vの現在位置が複数の放送区域A(A0,A1,A2,A3)が重複する位置(例えば、座標位置(x4、y4))にある場合には、車両Vの現在位置が含まれるすべての放送区域A(A0,A1,A2,A3)における代表位置パラメータと補正関数を取得する。
【0045】
次に、制御部5は、ステップS1およびステップS2において取得した現在位置情報と代表位置パラメータおよび補正関数とを信号処理部6に受け渡し(ステップS3)、信号処理部6に現在位置パラメータを算出させる。
【0046】
信号処理部6では、まず、現在位置と代表位置Oとが近接しているか否かを判定し(ステップS4)、車両Vの現在位置が代表位置Oと所定の距離範囲内にある場合、すなわち現在位置と代表位置Oとが近接している場合(ステップS4:Y)には代表位置パラメータを現在位置パラメータとして受信特性調整部32に受け渡す(ステップS5)。
【0047】
一方、現在位置と代表位置Oとが所定の距離範囲外である場合、すなわち現在位置と代表位置Oとが近接していない(ステップS4:N)と信号処理部6が判定した場合には、信号処理部6は代表位置Oと車両Vの現在位置との間の距離ΔLを求める。そして、この距離ΔLと代表位置パラメータと補正関数とにより上述した計算式に従って現在位置パラメータを求めて(ステップS6)、求めた現在位置パラメータを受信特性調整部32に受け渡す(ステップS5)。ここで、車両Vの現在位置が複数の放送区域A(A0,A1,A2,A3)が重複する位置にある場合(例えば、座標位置(x4、y4))には、各放送区域A(A0,A1,A2,A3)毎に求めた現在位置パラメータのうち最も放送を良好に受信することのできるパラメータを現在位置パラメータとして受信特性調整部32に受け渡す。
【0048】
そして、受信特性調整部32は信号処理部6から取得した現在位置パラメータに基づいて、チューナー部3における受信特性を調整して(ステップS7)、処理を終了する。
【0049】
以上説明した本実施の形態の放送受信装置1によれば、図2および図3に示すように、所定の放送区域Aの代表位置Oにおいて受信特性を所定の受信特性に調整するための代表位置パラメータBW(x0、y0)を用いて現在位置パラメータBW(x1、y1)、BW(x2、y2)、…、BW(xn,yn)を求めるので、車両Vの現在位置における受信特性を最適な受信特性に調整するための現在位置パラメータを提供するためのデータベースを簡易かつ低コストで構築することができる。すなわち、本実施の形態の放送受信装置1によれば、各放送区域A(A0,A1,A2,A3)に対してそれぞれ代表位置パラメータを対応付けた簡易な代表位置データベースがあればよく、位置の放送区域を複数の領域に細かく分割して、各領域毎に事前の電波調査等によりあらかじめ各領域毎のパラメータを用意しておく必要がない。
【0050】
また、図2に示すように、車両Vの現在位置(x3、y3)と代表位置O(x0、y0)とが近接している場合には、代表位置パラメータBW(x0、y0)をそのまま現在位置パラメータBW(x3、y3)として用いることができるので、現在位置パラメータを求めるための負荷を低減することができる。
【0051】
また、補正関数は、代表位置Oと電波障害位置Dとを結ぶ線分と、代表位置Oと車両Vの現在位置とを結ぶ線分とで成す角度、すなわち代表位置Oからみた場合の電波障害位置Dに対する車両Vの現在位置の位置する方向に応じて、適切な補正関数が制御部5により信号処理部6に受け渡されるので、信号処理部6は放送区域A内にある電波障害位置Dにおいて発生される妨害波によって影響を考慮した適切な値の現在位置パラメータを求めることができる。
【0052】
さらに、図4に示す様に、車両Vの現在位置が複数の放送区域A0、A1、A2が重複している位置(x4、y4)にある場合には、各放送区域A0、A1、A2毎に求めた現在位置パラメータのうち、最も放送を良好に受信できるパラメータを、移動体の現在位置における現在位置パラメータとするので、複数の放送区域A0、A1、A2が重複している位置(x4、y4)に車両が移動した場合でも放送受信装置1は良好に放送を受信することができる。
【0053】
以上の説明において、放送受信装置1は代表位置パラメータデータベース格納領域41および補正関数格納領域42を有する記憶部4を備える構成としたがこれに限定するものではなく、このような記憶部4を放送受信装置1の外部構成としてもよい。すなわち、放送受信装置1が車両Vの現在位置を含む放送区域Aの代表位置パラメータおよび車両Vの現在位置に応じた補正関数を取得できる構成であればよく、例えば、放送受信装置1をインターネット等のネットワークに接続可能に構成し、インターネット等のネットワークを介して代表位置パラメータデータベース等に接続して車両Vの現在位置を含む放送区域Aの代表位置パラメータを取得する構成としてもよい。
【0054】
また、以上の説明において、移動体として車両Vを例に挙げて説明したが移動体はこれに限定するものではない。例えば、乗物としての移動体以外にも、放送を受信できる放送受信装置1を備えた携帯電話に本発明を適用してもよいし、携帯用のラジオ等に適用してもよい。また、携帯電話に適用した場合、例えば、基地局の通信エリアを放送区域Aとし、基地局の通信エリア内に所定の代表位置を定め、その代表位置における受信特性を調整するためのパラメータを代表位置パラメータとすることができる。
【0055】
また、以上の説明において、図3で受信帯域幅パラメータについての代表位置パラメータBW(x0、y0)の値を9kHzとし、現在位置パラメータのとり得る範囲を9kHzから4kHzの範囲として図示したが、これに限定されるものではないのは勿論であり、適宜、受信特性を最適なものに調整するために適当な値とすることができる。また、補正関数として、C1〜Cnを示し、補正関数C1、C2、Cnを用いた場合の現在位置パラメータBW(x1、y1)、BW(x2、y2)、BW(xn、yn)を、代表位置Oと車両Vの現在位置との間の距離(ΔL)に対してプロットした図を示したが、図3に示した現在位置パラメータBW(x1、y1)、BW(x2、y2)、BW(xn、yn)の値は単に例示に過ぎないのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施の形態における受信装置の概要ブロック図である。
【図2】実施の形態における受信装置の動作イメージを示す概念図である。
【図3】実施の形態における補正関数を用いて求めた現在位置パラメータの値を示す図である。
【図4】実施の形態における受信装置の動作イメージを示す概念図である。
【図5】実施の形態の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1 放送受信装置
2 位置検出部
3 チューナー部
4 記憶部
5 制御部(取得部)
6 信号処理部(算出部)
32 受信特性調整部
41 代表位置パラメータデータベース格納領域
42 補正関数格納領域
A、A0、A1、A2、A3 放送区域
O、O0、O2、O3、O4 代表位置




 

 


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