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発明の名称 証券決済残高管理システム及び証券決済残高管理プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−47999(P2007−47999A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−231136(P2005−231136)
出願日 平成17年8月9日(2005.8.9)
代理人 【識別番号】100096002
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 弘之
発明者 若林 茂伸 / 青木 雄 / 石田 喜一 / 水田 伯典 / 小池 裕
要約 課題
証券残高及び資金残高を決済の各段階毎に管理し、データ更新に際して競合の問題が生じることのない証券決済残高管理システムを提供する。

解決手段
銘柄、数量、保振機構内の売方の口座番号及び買方の口座番号を特定した売買報告データを生成し、保振機構の決済照合システム32に送信する手段と、残高管理データを口座番号毎に生成し、残高DB20に格納する手段と、証券振替請求データを生成し、保振機構の口座振替システム34に送信する手段と、銘柄、数量、売買種別、資金金額及び証券振替済の段階を示す残高管理データを口座番号毎に生成し、残高DB20に格納する手段と、資金振替請求データを生成し、同システム34に送信する手段と、同システム34から資金振替済の電文を受信した場合に、銘柄、数量、売買種別、資金金額及び資金振替済の段階を示す残高管理データを口座番号毎に生成し、残高DB20に格納する手段を備えた証券決済残高管理システム。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも証券取引の対象となる銘柄、数量、保振機構内に設けた売方の口座番号及び買方の口座番号を特定した売買報告データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、
少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、及び照合待の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、残高データベースに格納する手段と、
保振機構のコンピュータシステムから照合済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び照合済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、
上記証券取引に係る証券振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、
保振機構のコンピュータシステムから証券振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び証券振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、
を備えたことを特徴とする証券決済残高管理システム。
【請求項2】
少なくとも証券取引の対象となる銘柄、数量、保振機構内に設けた売方の口座番号及び買方の口座番号を特定した売買報告データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、
少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び照合待の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、残高データベースに格納する手段と、
保振機構のコンピュータシステムから照合済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び照合済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、
上記証券取引に係る証券振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、
保振機構のコンピュータシステムから証券振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び証券振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、
上記証券取引に係る資金振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、
保振機構のコンピュータシステムから資金振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び資金振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、
を備えたことを特徴とする証券決済残高管理システム。
【請求項3】
上記の各残高管理データには、保振機構内に設けた自己の口座番号を内部的に分割管理するための識別コードが設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の証券決済残高管理システム。
【請求項4】
コンピュータを、
少なくとも証券取引の対象となる銘柄、数量、保振機構内に設けた売方の口座番号及び買方の口座番号を特定した売買報告データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段、
少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び照合待の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、残高データベースに格納する手段、
保振機構のコンピュータシステムから照合済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び照合済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段、
上記証券取引に係る証券振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段、
保振機構のコンピュータシステムから証券振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び証券振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段、
として機能させることを特徴とする証券決済残高管理プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、証券決済残高管理システム及び証券決済残高管理プログラムに係り、特に、株式会社証券保管振替機構(以下「保振機構」)が提供する一般振替DVPサービスを利用して証券会社等の機関投資家が他の機関投資家との間で証券の決済を行う際に、自社保有証券及び関連資金の残高をリアルタイムで把握するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、証券会社や信託銀行、カストディ銀行等の機関投資家間における株券や一般債の取引に伴う決済は、保振機構が提供する一般振替DVPサービスを通じて行われる場合が多い。
この一般振替DVPサービスとは、証券取引所を通じた取引以外の、当事者間における証券の振替について、証券の受渡しと資金の決済を制度的にリンクさせることにより、証券決済に係る元本リスクを削減し、資金決済の確実な履行を図る制度であり、DVPはDelivery Versus Paymentの略称である。
【0003】
例えば、証券会社Aと信託銀行Bとの間で、AからBに銘柄αの株券を100株引き渡し、その代価としてBがAに100万円の資金を支払うという内容の取引が成立した場合、AB双方のコンピュータシステムから保振機構のコンピュータシステムに対して売買報告データが送信される。
これに対し保振機構のコンピュータシステムは、双方の売買報告データを照合した後、保振機構内に設けられたAの証券口座からBの証券口座に100株のα株を振り替える処理を随時実行する。
また、保振機構のコンピュータシステムは、当日におけるA、Bを含めた全参加企業間での取引の差引計算を行い、各参加企業が当座勘定口座を有する日本銀行の金融システムネットワーク(以下「日銀ネット」)に対し、資金の決済を依頼する。
【0004】
このように、証券の振替処理は取引が成立する度、一件ごとに実行されるのに対し(グロス・ベース処理)、資金の振替処理は一日単位でまとめて処理されるのであるが(ネット・ベース処理)、各参加企業には確保資産(余裕値)の条件や差引支払限度額の条件といったデフォルト時のリスクを回避するための諸条件が課せられているため、取引の安全性は担保されている。
この一般振替DVPを利用することにより、参加企業は元本リスクなど証券決済に伴うリスクを削減することが可能となり、また証券振替事務の効率化や資金決済事務の効率化を享受することが可能となる。
【非特許文献1】一般振替DVPとは[平成17年7月11日検索] インターネットURL:http://www.jasdec.com/dvp/outline_1.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、一般振替DVPを利用することにより、証券振替事務及び資金振替事務は保振機構のコンピュータシステムが代行してくれることとなるが、証券会社等の参加企業側では、保振機構の証券口座における自己の証券残高を常時管理しておく必要が生じる。
例えば、証券会社Aがα株を始業時に100株保有していたとしても、午前中の取引を通じて0株になっていた場合、その事実を認識せずにα株を売却する取引を午後一番で行うと、保振機構を介した決済が実行不能となる。
これに対し、事前にα株の残高を自社で管理しておけば、「手持ちは0株であるためこれ以上の売却は手控えよう」という判断や、「他の企業からα株を仕入れた後に売却しようという」という判断を行うことが可能となる。
また、保振機構に設けた自社の証券口座においては、同一銘柄の証券残高は一本化された形で登録されているが、同じ銘柄の証券残高を顧客毎に振分管理したり、顧客用と自己取引用に分割管理する必要が機関投資家にはあり、このように同一銘柄の証券を内部的に細分化するためにも、自社内で各証券の残高を管理する仕組みを用意することが求められる。
【0006】
具体的には、図6に示す残高管理データが各証券の内部区分毎に生成され、残高管理データベースに登録される。
この残高管理データには、「作成日時」、「作成者」、「決済日」の他、保振機構における口座番号を示す「保振区分口座」や、「管理キー1」、「管理キー2」、「管理キー3」、「銘柄」、「株券数量」のデータ項目が設定されている。
管理キー1〜3は、保振機構の1111100口座で一括管理されている各証券を分割管理するための識別キーであり、ここでは「121」区分(例えば顧客甲の持分を意味している)におけるA銘柄の現在の残高が「1,000株」であることを示している。
この残高管理データの値を集計することにより、当該証券会社の保振区分口座におけるA株の総残高や、内部区分毎の残高を把握することが可能となる。
【0007】
しかしながら、この従来の残高管理方式では以下の問題が指摘されていた。
(1) まず、保振機構を通じた証券決済には照合待、照合済、証券振替請求済、資金振替請求済、証券振替済、資金振替済といった段階が存在しており、本来であれば段階の進捗に応じた残高管理が行われるべきであるが、従来の残高管理方式では最後に更新された残高数が示されるだけである。このため、例えば「残高=1,000株」の数値を信頼しC社との間で1,000株の売却取引を行ったところ、実際には他の企業への振替待の分であったため直後に0株になり、C社への売却が困難になるという問題が生じ得る。
もちろん、更新履歴ログを残しておき、これを解析することによって残高の推移を段階毎に細かく追うことは可能であるが、そのためにはログデータを解析するためのプログラムを開発すると共に、これをリアルタイムで実行するために多くのリソースを確保する必要があるため、実用化には至っていない。
(2) また、複数の担当者や処理プログラム(PGM)から同一レコードの株券数量に対し同時に更新のトランザクションが発せられた場合には、競合によってデータに矛盾が生じる可能性がある。
(3) さらに、DVP決済においては証券残高管理の他に資金残高の管理も必要となるが、従来の管理方式では資金と株券残高を整合性をもって管理することが困難であった。
【0008】
この発明は、一般振替DVPに係る従来の残高管理手法が抱えていた上記の問題を解決するために案出されたものであり、ログデータの解析を行うことなく、証券残高を決済の各段階毎に容易に管理でき、データ更新に際して競合の問題が生じることのない証券決済残高管理技術を確立することを第1の目的としている。
またこの発明は、証券残高のみならず資金残高をも決済の各段階毎に管理可能な証券決済残高管理技術を確立することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した証券決済残高管理システムは、少なくとも証券取引の対象となる銘柄、数量、保振機構内に設けた売方の口座番号及び買方の口座番号を特定した売買報告データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、及び照合待の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、残高データベースに格納する手段と、保振機構のコンピュータシステムから照合済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び照合済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、上記証券取引に係る証券振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、保振機構のコンピュータシステムから証券振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び証券振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段とを備えたことを特徴としている。
上記の「売買種別」は、当該取引によって証券の数量が増加するのか減少するのかを判定するための符号やコードを意味し、売買種別記録用のデータ項目を独立して設けるほか、数量に正負の符号を付加することによって表現してもよい(請求項4についても同様)。
【0010】
請求項2に記載した証券決済残高管理システムは、少なくとも証券取引の対象となる銘柄、数量、保振機構内に設けた売方の口座番号及び買方の口座番号を特定した売買報告データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び照合待の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、残高データベースに格納する手段と、保振機構のコンピュータシステムから照合済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び照合済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、上記証券取引に係る証券振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、保振機構のコンピュータシステムから証券振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び証券振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段と、上記証券取引に係る資金振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段と、保振機構のコンピュータシステムから資金振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別、資金金額及び資金振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段とを備えたことを特徴としている。
上記の「売買種別」は、当該取引によって証券の数量及び資金金額が増加するのか減少するのかを判定するための符号やコードを意味し、売買種別記録用のデータ項目を独立して設けるほか、数量及び金額に正負の符号を付加することによって表現してもよい。
【0011】
請求項3に記載した証券決済残高管理システムは、請求項1または2のシステムであって、さらに、上記の各残高管理データに保振機構内に設けた自己の口座番号を内部的に分割管理するための識別コードが設定されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載した証券決済残高管理プログラムは、コンピュータを、少なくとも証券取引の対象となる銘柄、数量、保振機構内に設けた売方の口座番号及び買方の口座番号を特定した売買報告データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び照合待の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、残高データベースに格納する手段、保振機構のコンピュータシステムから照合済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び照合済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段、上記証券取引に係る証券振替請求データを生成し、保振機構のコンピュータシステムに送信する手段、保振機構のコンピュータシステムから証券振替済を示す電文を受信した場合に、少なくとも上記銘柄、数量、売買種別及び証券振替済の段階にあることを示す値が記録された残高管理データを口座番号毎に生成し、上記残高データベースに格納する手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の証券決済残高管理システム及び請求項4に記載の証券決済残高管理プログラムにあっては、保振機構のコンピュータシステムを介した証券の振替処理における各段階毎に残高管理データが別レコードとして生成され、残高データベースに格納されると共に、各レコードには進捗段階を示す値がそれぞれ記録されているため、ログデータの解析を行うことなく、決済処理の進捗段階に応じた証券残高の集計処理をリアルタイムに実現することが可能となる。
また、複数の担当者やプログラムから発行された更新トランザクションが一つのレコードに集中することがないため、競合の問題が生じる余地もない。
【0014】
請求項2に記載の証券決済残高管理システムにあっては、残高管理データに資金金額を記録するためのデータ項目が設けられており、また資金振替請求時及び資金振替完了時にもそれぞれの進捗段階を示す値が記録された残高管理データが残高データベースに格納される仕組みを備えているため、上記の効果の他に、証券及び資金の各進捗段階毎の残高を矛盾なく管理できる利点を備えている。
【0015】
請求項3に記載の証券決済残高管理システムにあっては、各残高管理データに保振機構内に設けた自己の口座番号を内部的に分割管理するための識別コードが設定されているため、複数の顧客毎に証券残高や資金残高を集計することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、この発明に係る証券決済残高管理システム10の全体構成を示すブロック図であり、このシステム10は、取引データ入力部12と、指図明細データベース14と、決済管理部16と、残高管理部18と、残高データベース20と、残高集計部22とを備えている。
上記の取引データ入力部12、決済管理部16、残高管理部18及び残高集計部22は、このシステム10を構成しているコンピュータのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従い必要な処理を実行することによって実現される。
また、指図明細データベース14及び残高データベース20は、同コンピュータのハードディスク内に設けられている。
【0017】
取引データ入力部12には、通信網を介して約定サーバ30が接続されている。
また、決済管理部16には、通信網を介して保振機構の決済照合システム32及び口座振替システム34が接続されている。
この保振機構の決済照合システム32及び口座振替システム34には、通信網を介して他の複数の機関投資家のコンピュータシステム36が接続されている。また、口座振替システム34には、日銀のコンピュータシステム(日銀ネット)38が接続されている。
さらに、残高集計部22には、端末装置40が接続されている。
【0018】
以下、図2のフローチャートに従い、このシステム10における処理手順を説明する。
まず、約定サーバ30から取引データが送信されると、取引データ入力部12がこれをシステム内に取り込む(S10)。
つぎに取引データ入力部12は、上記の取引データに基づいて指図データを生成し、指図明細データベース14に格納する(S12)。
図3は、この指図データの構造を示すものであり、ステータス、決済日、処理区分、FROM、TO、銘柄、株券数量、資金金額、管理キー1、管理キー2、管理キー3のデータ項目を備えている。
【0019】
この指図データの取込時においては、図3(a)に示すように、ステータスの項目に「照合待」が設定されている。
この指図データの場合、2005年9月10日に、自社の保振機構口座111100から相手先の保振機構口座2222200に対し、A銘柄の株券を1,000株分振り替え、その対価として1,000,000円の資金を受け取るという取引内容を表している。
また、管理キー1〜3は、保振区分口座1111100内を細分化するための符号がセットされる項目であり、ここでは管理キー「123」に係るA銘柄の取引であることが示されている。
この管理キー(識別コード)を予め特定の顧客企業に割り当てておくことにより、証券会社は単一の保振機構口座1111100を内部的に細分化することが可能となる。
【0020】
つぎに残高管理部18が起動し、上記の指図データに対応した残高管理データを生成し、残高データベース20に格納する(S14)。
図4は、この残高管理データの構造を示すものであり、決済日、保振区分口座、管理キー1〜3、銘柄、株券数量、資金金額、照合済FLG(フラグ)、証券請求済FLG、資金請求済FLG、証券振替済FLG、資金振替済FLGのデータ項目を少なくとも備えている(実際には、後述の通り作成日時、作成者等の項目を備えているのであるが、図示の便宜上ここでは省略してある)。
また、照合済FLG〜資金振替済FLGは、保振機構を通じた振替決済処理の進捗段階を示す値がセットされる項目である。
【0021】
残高データベース20には、図4(x)に示すように、管理キー「123」のA銘柄に係る前日の残高管理データが、初期残として格納されている。
これに対し、管理キー「123」のA銘柄に係る新たな指図データが指図明細データベース14に登録された時点で、図4(a)に示すように、新たなレコードが残高管理部18によって生成され、残高データベース20に格納される。
この(a)の残高管理データにおいては、A銘柄の株券を1,000株引き渡すという取引内容(売買種別)を反映し、株券数量の項目には「−1,000」のように負の値が記録されている。これに対し資金金額の項目には、対価として1,000,000円を受け取るという取引内容を反映し、正の値が記録されている。
なお、照合済FLG〜資金振替済FLGの欄外下部に表示されている括弧内の数字は、前日の残高に対する増減を示すため便宜的に付記したものであり、指図データを取り込んだ時点では全フラグにOFFを示す「0」が設定されているため、株券及び資金の残高は前日の残高と一致している。
【0022】
つぎに決済管理部16が起動し、指図明細データベース14の指図データ(照合待)に基づいた売買報告データを生成し、保振機構の決済照合システム32に送信する(S16)。
これを受けた決済照合システム32は、取引の相手方のコンピュータシステム36から送信された対応の売買報告データと照合し、照合済の電文をシステム10に返す。
これを受けた決済管理部16は(S18)、図3(b)に示すように、指図明細データベース14に格納された指図データのステータスを、「照合待」から「照合済」に更新させる(S20)。
【0023】
つぎに残高管理部18は、この指図データの更新に対応した残高管理データを生成し、残高データベース20に格納する(S22)。
この残高管理データは、図4(b)に示すように、照合済FLGにのみONを示す「1」が設定されており、他のFLGには「0」が設定されている。
【0024】
つぎに決済管理部16は、保振機構の口座振替システム34に対し、証券振替請求データを送信する(S24)。
また、その直後に決済管理部16は、図3(c)に示すように、指図明細データベース14に格納された指図データのステータスを、「照合済」から「証券請求済」に更新させる(S26)。
【0025】
つぎに残高管理部18は、この指図データの更新に対応した残高管理データを生成し、残高データベース20に格納する(S28)。
この残高管理データは、図4(c)に示すように、照合済FLG及び証券請求済FLGに「1」が設定されており、他のFLGには「0」が設定されている。
【0026】
つぎに決済管理部16は、保振機構の口座振替システム34に対し、資金振替請求データを送信する(S30)。
また、その直後に決済管理部16は、図3(d)に示すように、指図明細データベース14に格納された指図データのステータスを、「証券請求済」から「資金請求済」に更新させる(S32)。
【0027】
つぎに残高管理部18は、この指図データの更新に対応した残高管理データを生成し、残高データベース20に格納する(S34)。
この残高管理データは、図4(d)に示すように、照合済FLG、証券請求済FLG及び資金請求済FLGに「1」が設定されており、残りのFLGには「0」が設定されている。
【0028】
決済管理部16から証券振替請求データを受信した保振機構の口座振替システム34は、保振区分口座1111100からA銘柄の株券1,000株を取り出し、取引相手の保振区分口座2222200に振り替える処理を実行した後、証券振替完了の電文を決済管理部16に送信する。
これを受けた決済管理部16は(S36)、図3(e)に示すように、指図明細データベース14に格納された指図データのステータスを、「資金請求済」から「証券振替済」に更新させる(S38)。
【0029】
つぎに残高管理部18は、この指図データの更新に対応した残高管理データを生成し、残高データベース20に格納する(S40)。
この残高管理データは、図4(e)に示すように、照合済FLG、証券請求済FLG、資金請求済FLG及び証券振替済FLGに「1」が設定されており、資金振替済FLGにのみ「0」が設定されている。
【0030】
また、決済管理部16から資金振替請求データを受信した保振機構の口座振替システム34は、所定の時刻になると各参加企業から送信された資金振替請求データ(払込指示データ及び受取指示データ)を集計して相殺処理を行い、最終的な資金の移動指示を日銀のコンピュータシステム38に送信する。
これを受けた日銀のコンピュータシステム38は、各参加企業の当座勘定口座間で必要な資金の移動を行い、完了通知を口座振替システム34に送信する。
この資金の振替完了通知を受けた口座振替システム34は、資金振替済データをシステム10の決済管理部16及び他のコンピュータシステム36に送信する。
【0031】
これを受けた決済管理部16は(S42)、図3(f)に示すように、指図明細データベース14に格納された指図データのステータスを、「証券振替済」から「資金振替済」に更新させる(S44)。
【0032】
つぎに残高管理部18は、この指図データの更新に対応した残高管理データを生成し、残高データベース20に格納する(S46)。
この残高管理データは、図4(f)に示すように、照合済FLG〜資金振込済FLGの全てに「1」が設定されている。
【0033】
図5は、残高データベース20におけるレコードの登録例を示すものであり、残高管理部18によって生成された各取引の進捗段階に応じた残高管理データが、生成順に格納されている様子が描かれている。
ここで、端末装置40から例えば管理キー「111」のA銘柄に係る照合済ベースの証券残高を求める集計条件が送信されると、これを受けた残高集計部22は、図中の楕円で囲った部分の株券数量を合計し、その結果(6,000株)を端末装置40に返すこととなる。
因みに、一般振替DVP制度においては、照合済の段階ではまだキャンセルが効くというルールが存在するため、他の取引を優先するためこの6,000株の証券振替を取り止めるという判断も可能となる。
【0034】
このシステム10の場合、上記のように保振機構を通じた証券及び資金の振替処理における各段階毎に残高管理データが別レコードとして生成され、各レコードに設けられた進捗段階毎のフラグをONすることで進捗度合が記録される方式であるため、ログデータの解析を行うことなく、決済処理の進捗段階に応じた証券残高の集計処理をリアルタイムに実現することが可能となると共に、複数の担当者やプログラムから発行された更新トランザクションが一つのレコードに集中することがないため、競合の問題が生じる余地がない。
また、証券の振替のみならず、資金の振替残高管理のための項目をも備えているため、証券と資金の両方の進捗段階毎の残高を矛盾なく管理可能となる利点も備えている。
【0035】
このシステム10は、特定の証券会社の社内システムとして構築することも当然可能であるが、第三者機関によってこのシステム10を構築し、複数の機関投資家に対していわゆるASP方式で証券決済残高管理サービスを提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明に係る証券決済残高管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】このシステムにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図3】指図データの構造及びそのステータス項目の推移を示す説明図である。
【図4】残高管理データの構造及び決済の進捗段階に応じた各レコードの具体例を示す説明図である。
【図5】残高データベースにおけるレコードの登録例を示す説明図である。
【図6】従来の残高管理データの構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10 証券決済残高管理システム
12 取引データ入力部
14 指図明細データベース
16 決済管理部
18 残高管理部
20 残高データベース
22 残高集計部
30 約定サーバ
32 保振機構の決済照合システム
34 保振機構の口座振替システム
36 機関投資家のコンピュータシステム
38 日銀のコンピュータシステム
40 端末装置




 

 


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