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発明の名称 撮像装置、画像補正方法及びプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−43545(P2007−43545A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−226708(P2005−226708)
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 櫻井 敬一
要約 課題
被写体の輪郭情報を必要とせずに、傾いて撮影された画像の歪みを簡単に補正する。

解決手段
デジタルカメラ1は3軸加速度センサ32を備える。CPU30は、この3軸加速度センサ32によって検出される重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定し、そのカメラの向きに基づいて撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータを算出し、そのパラメータを用いて当該撮影画像の歪みを補正する。これにより、被写体の輪郭情報を必要とせずに、傾いて撮影された画像の歪みを簡単に補正することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
撮影対象となる被写体の画像を取得する撮影手段と、
重力方向を検出する重力検出手段と、
この重力検出手段によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する向き判定手段と、
この向き判定手段によって判定されたカメラの向きに基づいて、前記撮影手段によって得られた撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータを算出するパラメータ算出手段と、
このパラメータ算出手段によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する画像補正手段と
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記パラメータ算出手段は、前記向き判定手段によって判定されたカメラの向きが垂直方向であった場合に前記撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出し、前記向き判定手段によって判定されたカメラの向きが水平方向であった場合に前記撮影画像を垂直方向に射影補正するためのパラメータを算出することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
撮影対象となる被写体の画像を取得する撮影手段と、
重力方向を検出する重力検出手段と、
この重力検出手段によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する向き判定手段と、
前記撮影手段によって得られた撮影画像から水平方向の直線を検出する直線検出手段と、
前記向き判定手段によって判定されたカメラの向きと前記直線検出手段によって検出された直線とに基づいて、前記撮影手段によって得られた撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出するパラメータ算出手段と、
このパラメータ算出手段によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する画像補正手段と
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータを記憶する記憶手段と、
前記画像補正手段によって補正された画像を表示する表示手段と、
前記記憶手段に記憶されたパラメータの変更を指示する変更指示手段と、
この変更指示手段による変更指示に従ってパラメータを変更し、その変更後のパラメータによって得られる補正画像を前記表示手段に再表示する制御手段と
を具備したことを特徴とする請求項1または3記載の撮像装置。
【請求項5】
前記変更指示手段は、上下左右方向のカーソルキーの操作により、前記記憶手段に記憶されたパラメータの変更を指示することを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
撮影対象となる被写体の画像を取得する第1のステップと、
重力方向を検出する第2のステップと、
この第2のステップによって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3のステップと、
この第3のステップによって判定されたカメラの向きに基づいて、前記第1のステップによって得られた撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータを算出する第4のステップと、
この第4のステップによって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第5のステップと
を備えたことを特徴とする画像補正方法。
【請求項7】
撮影対象となる被写体の画像を取得する第1のステップと、
重力方向を検出する第2のステップと、
この第2のステップによって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3のステップと、
前記第1のステップによって得られた撮影画像から水平方向の直線を検出する第4のステップと、
前記第3のステップによって判定されたカメラの向きと前記第4のステップによって検出された直線とに基づいて、前記第1のステップによって得られた撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出する第5のステップと、
この第5のステップによって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第6のステップと
を備えたことを特徴とする画像補正方法。
【請求項8】
コンピュータによって読取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
撮影対象となる被写体の画像を取得する第1の機能と、
重力方向を検出する第2の機能と、
この第2の機能によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3の機能と、
この第3の機能によって判定されたカメラの向きに基づいて、前記第1の機能によって得られた撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータを算出する第4の機能と、
この第4の機能によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第5の機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータによって読取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
撮影対象となる被写体の画像を取得する第1の機能と、
重力方向を検出する第2の機能と、
この第2の機能によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3の機能と、
前記第1の機能によって得られた撮影画像から水平方向の直線を検出する第4の機能と、
前記第3の機能によって判定されたカメラの向きと前記第4の機能によって検出された直線とに基づいて、前記第1の機能によって得られた撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出する第5の機能と、
この第5の機能によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第6の機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラ等の撮像装置に係り、特に撮影対象に対するカメラの傾きによって歪んで撮影された画像を補正する機能を備えた撮像装置と、この撮像装置に用いられる画像補正方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデジタルカメラの普及に伴い、デジタルカメラを単なる風景や人の撮影だけに用いるのではなく、紙面文書や名刺などの書類や、黒板等に表示されたものを撮影して、これらの画像をパーソナルコンピュータ等にデジタル的に保存、管理しておくような用途が考えられる。
【0003】
ここで、書類や黒板などを撮影対象とした場合に、撮影者の位置や照明光などの関係で撮影対象を斜め方向から撮影することがある。このような場合、カメラの傾きに応じて画像が台形状に歪んでしまい、文字などが判別できなくなる。
【0004】
従来、このような画像の歪みを補正する方法として、例えば特許文献1に開示されている方法がある。この特許文献1では、撮影対象となる被写体の輪郭情報を抽出し、その輪郭情報に基づいて撮影画像の歪みを補正する。これにより、カメラを傾けて撮影した場合でも、正面から撮影したような矩形状の画像を得ることを可能としている。
【特許文献1】特開2005−115711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1の方法では、撮影対象となる被写体の輪郭情報を用いるため、その輪郭情報を正しく抽出できない場合には補正できないといった問題がある。この場合、ユーザが画面上で画像の輪郭部分を指定する方法もあるが、それでは非常に面倒であり、ユーザに負担をかけてしまうことになる。
【0006】
本発明は前記のような点に鑑みなされたもので、被写体の輪郭情報を必要とせずに、傾いて撮影された画像の歪みを簡単に補正することのできる撮像装置、画像補正方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る撮像装置は、撮影対象となる被写体の画像を取得する撮影手段と、重力方向を検出する重力検出手段と、この重力検出手段によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する向き判定手段と、この向き判定手段によって判定されたカメラの向きに基づいて、前記撮影手段によって得られた撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータを算出するパラメータ算出手段と、このパラメータ算出手段によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する画像補正手段とを具備して構成される。
【0008】
このような構成によれば、重力方向から撮像時のカメラの向きが判定され、そのカメラ向きに応じて撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータが算出され、そのパラメータを用いて当該撮影画像の歪みが補正される。これにより、被写体の輪郭情報を必要とせずに、傾いて撮影された画像の歪みを簡単に補正することができる。
【0009】
また、本発明の請求項2は、前記請求項1記載の撮像装置において、前記パラメータ算出手段は、前記向き判定手段によって判定されたカメラの向きが垂直向きであった場合に前記撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出し、前記向き判定手段によって判定されたカメラの向きが水平向きであった場合に前記撮影画像を垂直方向に射影補正するためのパラメータを算出することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、カメラの向きが垂直向きであった場合には、撮影画像を射影補正するためのパラメータが算出され、そのパラメータ基づいて撮影画像の歪みが適切な方向に補正される。一方、カメラの向きが水平向きであった場合には、撮影画像を垂直方向に射影補正するためのパラメータが算出され、そのパラメータ基づいて撮影画像の歪みが垂直方向にのみ補正される。
【0011】
本発明の請求項3に係る撮像装置は、撮影対象となる被写体の画像を取得する撮影手段と、重力方向を検出する重力検出手段と、この重力検出手段によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する向き判定手段と、前記撮影手段によって得られた撮影画像から水平方向の直線を検出する直線検出手段と、前記向き判定手段によって判定されたカメラの向きと前記直線検出手段によって検出された直線とに基づいて、前記撮影手段によって得られた撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出するパラメータ算出手段と、このパラメータ算出手段によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する画像補正手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、重力方向から撮像時のカメラの向きが判定されると共に、撮影画像から水平方向の直線が検出される。そのカメラ向きと直線の検出結果に基づいて撮影画像を射影補正するためのパラメータが算出され、そのパラメータを用いて当該撮影画像の歪みが適切な方向に補正される。これにより、被写体の輪郭情報を必要とせずに、傾いて撮影された画像の歪みを簡単に補正することができる。
【0013】
また、本発明の請求項4は、前記請求項1または3記載の撮像装置において、前記パラメータ算出手段によって算出されたパラメータを記憶する記憶手段と、前記画像補正手段によって補正された画像を表示する表示手段と、前記記憶手段に記憶されたパラメータの変更を指示する変更指示手段と、この変更指示手段による変更指示に従ってパラメータを変更し、その変更後のパラメータによって得られる補正画像を前記表示手段に再表示する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、補正画像を画面上で確認しながら、ユーザの意図する画像形状に合わせて射影補正のパラメータを変更することができる。
【0015】
また、本発明の請求項5は、前記請求項4記載の撮像装置において、前記変更指示手段は、上下左右方向のカーソルキーの操作により、前記記憶手段に記憶されたパラメータの変更を指示することを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、補正画像を画面上で確認しながら、上下左右のカーソルキーの操作によりパラメータを変更することができる。
【0017】
本発明の請求項6に係る画像補正方法は、撮影対象となる被写体の画像を取得する第1のステップと、重力方向を検出する第2のステップと、この第2のステップによって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3のステップと、この第3のステップによって判定されたカメラの向きに基づいて、前記第1のステップによって得られた撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータを算出する第4のステップと、この第4のステップによって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第5のステップとを備えたことを特徴とする。
【0018】
このような画像補正方法によれば、前記各ステップに従った処理を実行することにより、前記請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
【0019】
本発明の請求項7に係る画像補正方法は、撮影対象となる被写体の画像を取得する第1のステップと、重力方向を検出する第2のステップと、この第2のステップによって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3のステップと、前記第1のステップによって得られた撮影画像から水平方向の直線を検出する第4のステップと、前記第3のステップによって判定されたカメラの向きと前記第4のステップによって検出された直線とに基づいて、前記第1のステップによって得られた撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出する第5のステップと、この第5のステップによって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第6のステップとを備えたことを特徴とする。
【0020】
このような画像補正方法によれば、前記各ステップに従った処理を実行することにより、前記請求項3記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
【0021】
本発明の請求項8に係るプログラムは、コンピュータによって読取り可能なプログラムであって、前記コンピュータに、撮影対象となる被写体の画像を取得する第1の機能と、重力方向を検出する第2の機能と、この第2の機能によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3の機能と、この第3の機能によって判定されたカメラの向きに基づいて、前記第1の機能によって得られた撮影画像を所定方向に射影補正するためのパラメータを算出する第4の機能と、この第4の機能によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第5の機能とを実現させることを特徴とする。
【0022】
したがって、コンピュータが前記各機能を実現するためのプログラムを実行することにより、前記請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
【0023】
本発明の請求項9に係るプログラムは、コンピュータによって読取り可能なプログラムであって、前記コンピュータに、撮影対象となる被写体の画像を取得する第1の機能と、重力方向を検出する第2の機能と、この第2の機能によって検出された重力方向に基づいて、撮像時のカメラの向きを判定する第3の機能と、前記第1の機能によって得られた撮影画像から水平方向の直線を検出する第4の機能と、前記第3の機能によって判定されたカメラの向きと前記第4の機能によって検出された直線とに基づいて、前記第1の機能によって得られた撮影画像を射影補正するためのパラメータを算出する第5の機能と、この第5の機能によって算出されたパラメータを用いて前記撮影画像の歪みを補正する第6の機能とを実現させることを特徴とする。
【0024】
したがって、コンピュータが前記各機能を実現するためのプログラムを実行することにより、前記請求項3記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、被写体の輪郭情報を必要とせずに、傾いて撮影された画像の歪みを簡単に補正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0027】
(1)装置構成
図1および図2は本発明の一実施形態に係る撮像装置としてデジタルカメラを例にした場合の撮影状態を示す図である。図1はカメラのレンズを垂直向き(下向き)にした状態、図2はカメラのレンズを水平向きにした状態を示している。
【0028】
なお、以下の説明で「天地」,「左右」といった表現を使うことがあるが、これは撮影画像の座標系に対応した向きを表わすものである。一方、実世界の座標系については、「垂直」,「水平」と表現している。
【0029】
本実施形態におけるデジタルカメラ1は、机上の上などに水平に置かれた用紙2、または、床面などに垂直に立脚されたホワイトボード3に筆記された文字や、そこに貼り付けられた用紙などを撮影対象としており、その撮影対象となる被写体を正面以外の方向から傾いて撮影した場合でも、台形に歪む画像を補正して、あたかも正面から撮影したような画像を生成する機能を備える。
【0030】
図1および図2に示すように、このデジタルカメラ1には、撮影レンズ部11、液晶モニタ12、シャッタキー13が設けられている。
【0031】
撮影レンズ部11は、光を集光するレンズ等を備え、被写体からの光を集光するものである。液晶モニタ12は、撮影レンズ部11を介して内部に取り込まれた画像を映し出すためのものである。シャッタキー13は、撮影タイミングを指示するための操作ボタンである。
【0032】
図3は同実施形態におけるデジタルカメラ1の回路構成を示すブロック図である。
【0033】
デジタルカメラ1は、光学レンズ装置21、イメージセンサ22、メモリ23、表示装置24、画像処理装置25、操作部26、コンピュータインタフェース部27、外部記憶IO装置28、プログラムコード記憶装置29、CPU30、メモリカード31、そして、3軸加速度センサ32を備えて構成される。
【0034】
光学レンズ装置21は、撮影レンズ部11とその駆動部とからなり、イメージセンサ22上に撮影対象からの光を集光させて像を結像させる。
【0035】
イメージセンサ22は、光学レンズ装置21により結像した被写体の画像を、デジタル化した画像データとして取り込むためのものであり、例えば、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等によって構成される。イメージセンサ22は、CPU30によって制御され、シャッタキー13が押下されなければ、プレビュー用の解像度の低いデジタルの画像データを生成し、この画像データを秒間30枚程度の間隔で、定期的にメモリ23に送出する。また、イメージセンサ22は、シャッタキー13が押下されると、解像度の高い画像データを生成し、生成した画像データをメモリ23に送出する。また、イメージセンサ22はCPU30によって撮像感度(ISO感度)の設定が可能になっており、被写体の明るさに応じて調整が可能になっている。
【0036】
メモリ23は、イメージセンサ22からの低解像度のプレビュー画像、高解像度の画像データまたは画像処理装置25が画像処理する元画像のデータ、処理後の画像データを一時記憶するものである。メモリ23は、一時記憶した画像データを表示装置24または画像処理装置25に送り出す。また、このメモリ23には、後述する射影補正パラメータを記憶するためのパラメータ記憶領域が設けられている。
【0037】
表示装置24は、液晶モニタ12を備え、液晶モニタ12に画像を表示させるためのものである。表示装置24は、メモリ23が一時記憶した低解像度のプレビュー画像または解像度の高い画像を液晶モニタ12に表示する。
【0038】
画像処理装置25は、メモリ23に一時記憶された画像データに対して、画像データの圧縮等の画像処理を行うためのものである。また、本実施形態では、この画像処理装置25は、図4(a)、(b)にように台形状に歪んだ画像を同図(c)のように補正するための処理を行う。
【0039】
操作部26は、シャッタキー13の他に、図示せぬ電源キー、撮影キー、再生キーなどから構成され、それらのキー操作に伴う信号は直接CPU30へ送出される。また、この操作部26は、図5に示すように、決定キー110と上下左右のカーソルキー111〜114を備える。これらのキー110、111〜114は、後述する射影補正の微調整用操作キーとして用いられる。
【0040】
コンピュータインタフェース部27は、デジタルカメラ1がコンピュータ(図示せず)に接続されたときに、USBのストレジクラスドライバとして動作するものである。これにより、コンピュータは、デジタルカメラ1に接続されると、メモリカード31をコンピュータの外部記憶装置として取り扱う。
【0041】
外部記憶IO装置28は、メモリカード31との間で、画像データ等の入出力を行うものである。メモリカード31は、外部記憶IO装置28から供給された画像データ等を記憶するものである。
【0042】
プログラムコード記憶装置29は、CPU30が実行するプログラムを記憶するためのものであり、ROMやフラッシュメモリなどによって構成される。
【0043】
CPU30は、プログラムコード記憶装置29に格納されているプログラムに従って、システム全体を制御するものである。なお、メモリ23は、CPU30の作業メモリとしても用いられる。
【0044】
操作部26のスイッチ・キーが押下されることにより、操作部26から操作情報が送信されると、CPU30は、この操作情報に基づいて、イメージセンサ22、メモリ23、表示装置24、画像処理装置25等を制御する。
【0045】
具体的には、CPU30は、操作部26から、撮影キーが押下された旨の操作情報が送信されると、各部を撮影モードに設定する。CPU30は、撮影モードに設定した状態で、シャッタキー13が押下されなければ、イメージセンサ22をプレビューモードに設定し、シャッタキー13が押下されれば、解像度の高い撮影対象画像を読み込む高解像度モードに設定する。また、CPU30は、再生キーが押下された旨の操作情報が送信されると、各部を再生モードに設定する。
【0046】
また、CPU30は、外部記憶IO装置28を介してメモリカード31に、プレビュー画像、高解像度の画像のデータを記録したり、メモリカード31から、記録された画像データを読み出したりする。CPU30は、メモリカード31には、例えば、JPEGフォーマットで圧縮した画像データを記録する。
【0047】
CPU30は、メモリ23に画像データを一時記憶する際、プレビュー画像、高解像度の画像データを異なる記憶領域に記録する。また、CPU30は、メモリカード31には、画像データを画像ファイルに分けて記録する。
【0048】
また、CPU30は、外部記憶IO装置28を介してメモリカード31に、プレビュー画像、高解像度の画像のデータを記録したり、メモリカード31から、記録された画像データを読み出したりする。CPU30は、このため、メモリカード31に、画像データを格納する画像ファイルを作成する。
【0049】
3軸加速度センサ32は、重力方向を検出するためのものであり、デジタルカメラ1の筐体内に設けられている。この3軸加速度センサ32は、CPU30から3軸それぞれの加速度成分を読み出すことができる。これにより、CPU30では、デジタルカメラ1の撮影方向と重力方向との相対関係を判断することができる。なお、この3軸加速度センサ32は近年様々なものが実用化されており、例えばピエゾ抵抗素子を用いたものであっても良い。
【0050】
次に、前記構成のデジタルカメラ1によって実現される画像補正について詳しく説明する。
【0051】
(2)カメラの向きと射影補正制御
デジタルカメラ1には、3軸加速度センサ32が搭載されている。この3軸加速度センサ32によって検出される3軸の方向は任意に幾何補正できる。便宜上、図6のようなI,J,Kの座標系を考える。I軸をCCDの横方向、J軸をCCDの縦方向、K軸を光軸方向とする。
【0052】
図6に示すように、机上などに水平に置かれた用紙2を被写体とする場合には、デジタルカメラ1の光軸(K軸)は重力方向(G)を向くようになる。このような向きで撮影が行われた場合、デジタルカメラ1では、撮影対象となる被写体が水平面上に置かれているものと仮定して射影補正を行う。
【0053】
一方、図7に示すように、床面などに垂直に立つホワイトボード3を被写体とする場合には、デジタルカメラ1の光軸(K軸)は水平方向を向くようになる。このような向きで撮影が行われた場合、デジタルカメラ1では、撮影対象となる被写体が垂直方向に置かれているものと仮定して射影補正を行う。
【0054】
ここで、前記2つの射影補正の切り替え方法について説明する。
3軸加速度センサ32から読み出した3軸の各成分を(i,j,k)と表すものとする。カメラ向きの検出方法は、デジタルカメラ1が下向きのときは、光軸(K軸)が重力方向(G)に向くので、下記の数式1に示すように、成分kが他の成分のベクトル和より大きくなることを利用する。
【数1】


【0055】
また、別の方法として、重力の大きさは予めわかっているので、その重力の大きさを|G|とすると、下記の数式2に示すように、成分kが|G|/2より大きいかどうかでもカメラ向きを検出することができる。
【数2】


【0056】
(3)カメラが下向きの場合の射影補正
デジタルカメラ1が下向きの場合には、撮影対象は水平に置かれているものと仮定して射影補正を行う。射影補正とは、射影変換を利用した画像の歪み補正(台形補正)のことを言う。この射影補正はJ軸方向とK軸方向で独立に行うので、まず、J軸側の射影補正について説明する。
【0057】
図8はデジタルカメラ1がJ−K平面上において重力方向に対して傾いている例である。図の点Oはデジタルカメラ1の中心位置である。また、Gは3軸加速度センサ32で検出している重力ベクトルである。この場合、デジタルカメラ1はI軸側には傾いていないとするので、GのI成分は0になる。
【0058】
また、ψは重力ベクトルGとK軸とがなす角度である。ここでは、G方向を0度とし、便宜上、J軸が正への角度を+方向と定義するので、図8のような場合の角度ψは負となる。
【0059】
また、K軸とJ軸がつくる平面と用紙が置かれる平面Fとの交線をV軸とする。J軸とK軸が作る平面とF平面との交線をU軸とする。この直線上でデジタルカメラ1の光軸(K軸)との交点をQとし、ここを原点(0,0)とする。また、U−V平面上のある任意の点Pの座標を(u,v)とする。点PをU軸上、V軸上への垂線を下ろしたときの点をそれぞれR=(u,0),S=(0、v)とする。図9(a)にO−Q−S面、同図(b)にO−P−S面を抜き出して示す。
【0060】
図中fはデジタルカメラ1の焦点距離である。デジタルカメラ1で撮像する画像はデジタルカメラ1の中心点Oから光軸(K軸)上でfだけ離れた位置にある仮想スクリーン上に画像Lが投影されると考えることができる。この画像Lの座標系をX−Yとし、X軸とI軸、Y軸とJ軸は同じ向きであるとする。図8の例では、画像F上の点Pが座標p(x,y)に投影されていることを示している。
【0061】
このとき、
【数3】


【0062】
の関係が成り立つ。ただし、α=w/fである。αは画像Lの座標系(X−Y)と用紙面の座標系(U−V)との尺度関係を示しているが、補正処理では出力画像の座標は入力画像の座標と同じものとするので、この尺度αを1として扱う。
【0063】
変換の記述を簡単にするために、以後、同次座標系で表記を行う。U−V平面上の点Pの座標(u,v)は、次の数式4で表される。Hは射影補正パラメータ(変換行列式)である。
【数4】


【0064】
最終的な座標(u,v)は、次の数式5によって算出される。
【数5】


【0065】
同次座標系では、前記数式3は次式で表記される。ただし、α=1とした。
【数6】


【0066】
pyは、画像の天地方向の射影補正パラメータである。
【0067】
同様に、デジタルカメラ1の光軸(K軸)が重力Gに対してI−K軸平面のみで傾いている場合には、重力ベクトルGとK軸がなす角度φを用いて次式の関係が成り立つ。
【数7】


【0068】
pxは、画像の左右方向の射影補正パラメータである。
【0069】
次に、デジタルカメラ1の光軸が重力の方向に対して、I−K軸平面上ではφ、J−K軸平面上ではψだけ傾いていたとする。このような場合は、数式6と数式7の合成の関係が成り立つ。
【数8】


【0070】
なお、数式8のφ,ψは、重力ベクトルGの成分が(i,j,k)である場合には、次式の関係から求められる。
【数9】


【0071】
実際の射影補正は、まず、検出した重力ベクトルGの成分(i,j,k)から数式9に従ってφ,ψを求める。次に、これらのφ,ψの値により数式8のH=Hpx・Hpyの値を求める。
【0072】
次に、前記数式4にHの値と補正画像の各座標(u,v)を代入して、それに対応する射影歪みのある元画像の座標(x,y)を得る。この場合、(x,y)の解は整数とは限らないので、補正画像である出力画像の画素値P(u,v)は、元画像である入力画像の座標(x,y)の周辺の画素からバイリニア法を用いて次式にて求めるものとする。なお、バイリニア法(bi-linear interpolation)とは、画像補間法の1つであり、周囲の4つの画素の濃度値から、その座標の画素値を求める方法である。
【数10】


【0073】
以上の手順を出力範囲全ての座標点において行う。これにより、斜めに撮影された画像を正面方向から撮影した画像に補正することができる。
【0074】
(4)射影補正の微調
前記(3)の方法により、机上などに水平に置かれた用紙2を撮影した画像は良好に射影補正される。ただし、これは撮影対象である用紙2が水平に置かれていることが前提である。したがって、例えば机が斜めに傾いていた場合には、正しく補正されないこともある。
【0075】
このような場合には、ユーザがデジタルカメラ1の液晶モニタ12に表示された補正画像を見ながら、図5に示した上下左右の4つのカーソルキー111〜114を操作することで、射影角度のφ,ψを増減させて画像の形状を任意に調整することが可能である。
【0076】
(5)カメラが水平方向である場合の射影補正
次に、図7のようにデジタルカメラ1を水平方向に向いてホワイトボード3に筆記された文字や、ホワイトボード3に貼り付けられた用紙などを撮影する場合を想定する。
【0077】
この場合、図10に示すように、デジタルカメラ1の重力ベクトルGは撮影対象としているホワイトボード3上の平面FのV軸と平行である。よって、平面FのV軸とデジタルカメラ1の光軸Kとのなす角度は求めることができるが、平面FのU軸とデジタルカメラ1の光軸Kとのなす角度は特定することができない。
【0078】
そこで、デジタルカメラ1が水平方向にある場合には、撮影画像に対し、垂直方向の射影補正のみを行うことになる。つまり、上下間の長さの不均による画像の歪みについてのみ補正するものとする。この場合、水平方向の歪みが残ることになるが、一般に、左右方向については、撮影者が撮影対象と向かい合う位置を右あるいは左に変えて容易に調整することができるため、特に支障ないものと考えられる。
【0079】
また、前記(4)で述べた微調整機能を利用すれば、水平方向の歪みを左右カーソルキー113,114の操作により手動にて補正することも可能である。
【0080】
図10に示すように、デジタルカメラ1が水平方向にある場合には、重力方向を調べて、その重力方向に射影補正を行う必要がある。そのため、補助的なI′−J′−K座標空間を考える。
【0081】
J′軸は、I−J平面上でG軸を垂直に投影した軸であって、その方向はG軸とは逆向きとする。I′軸は、同じくI−J平面上でJ′軸に対してデジタルカメラ1の原点Oを中心に−90度回転した軸である。K軸はどちらの座標系でも同じとする。もし、デジタルカメラ1の光軸Kとカメラ長手方向ともに重力Gに対して直角をなしていれば、I−J−K空間とI′−J′−K空間とは一致する。
【0082】
ここで、ホワイトボード平面上のU−V座標をI′−J′平面をK軸方向に投影したものと定義する。
【0083】
また、前記(3)の場合と同様に、デジタルカメラ1の中心点Oから光軸(K軸)上でfだけ離れた位置にある仮想スクリーン上に画像Lが投影されたものと考え、その画像Lの座標系をI′−J′座標系のX2−Y2とし、X2軸とI′軸、Y2軸とJ′軸は同じ向きであるとする。図10の例では、画像F上の点P(u,v)が座標p′(x2,y2)に投影されていることを示している。
【0084】
このとき、点p′の、X−Y座標系での座標が(x,y)であるとすると、(x、y)と(x2、y2)との関係は次式のようになる。
【数11】


【0085】
は、垂直方向と画像の天地方向とを補正する回転補正パラメータであって、X−Y座標系とX′−Y′座標系の座標変換を示すものである。これらの座標系のなす角度は、I−J座標とI′−J′座標となす角度θと同じである。このθは定義からデジタルカメラ1の回転軸(J軸)と重力ベクトルGとのなす角度であるので、以下のような式で表せる。
【数12】


【0086】
また、ホワイトボード3の傾きはV軸側のみの補正しか行わない。すなわち、射影補正はJ′軸に沿って行い、J′軸からJ軸への座標回転を行うと考えれば良いから、そのときの射影変換式は次式で与えられる。
【数13】


【0087】
ただし、数式13のψは、光軸Kと被写体平面とのなす角度であって、今、被写体は重力Gに対して平行をなしていると仮定しているので、ψはK軸とJ′−K平面において水平方向のベクトルG2となす角度になる。よってψは、重力Gの成分が(i,j,k)である場合は、
【数14】


【0088】
となる。よって、数式12、数式14からψ,θを求め、その値を数式13に代入することで射影補正パラメータHが求まる。この射影補正パラメータHを前記数式4の式に代入することで、垂直方向の射影補正が可能となる。
【0089】
(6)カメラが水平方向であって水平線がみつかった場合の射影補正
上述した(5)の方法では、デジタルカメラ1の垂直方向の射影歪みは補正されるが、水平方向の射影歪みは補正されなかった。これは、撮影対象となる被写体がカメラの光軸に対し水平面内でどのような傾きを持っているのかが3軸加速度センサ32では特定できないためである。
【0090】
そこで、撮影対象から水平方向の直線を見つけ出し、この直線から撮影対象の水平面内での傾きを推測して射影補正を行う方法を提案する。
【0091】
図11は垂直に立脚したホワイトボード3の一部を写した画像を示している。図中の斜線で示す部分がホワイトボードである。この例では、ホワイトボード3の上辺の直線L1が写っているが、下部は画角内に収まらず切れている状態を示している。また、この例では、垂直方向には射影歪みがない状態であるとする。
【0092】
図中の直線L1はエッジ処理とハフ変換を行うことで検出できる。ハフ変換とは、線分を抽出する手法の1つである。なお、ハフ変換による直線検出方法については、後に図13を用いて詳しく説明する。
【0093】
今、検出された直線L1の式が下記であったとする。
【数15】


【0094】
ホワイトボード3がU軸(横手方向)に傾いている場合は前記数式7の関係が成り立つ。また、直線L1上の点(x,y)の対応座標(u,v)は常に一定の座標を持つことになる。これらと、前記数式15から次式の関係が求まる。
【数16】


【0095】
よって、次式で垂直方向に射影歪みがない場合は補正できる。
【数17】


【0096】
以上のことから、次のような手順で撮影画像を射影補正すれば良いことになる。
まず、前記(5)で説明した方法により、垂直方向に射影補正した画像を得る。
次に、この補正画像を再び入力画像として水平方向の射影補正を行う。そのために、当該補正画像の輪郭を示したエッジ画像を作成し、そのエッジ画像をハフ変換することで水平線に近い直線の式を算出する。
次に、前記算出された直線のパラメータa,bから前記数式16で撮影対象の傾きψを求め、前記数式17に代入して最終的な変換式を得る。
【0097】
なお、複数の直線が検出される場合は、それぞれの直線からφを求め、それらの平均値を撮影対象の水平方向の傾きと推測して射影補正することが望ましい。
【0098】
(7)直線改良法
前記(6)の方法では、一旦上下方向の射影補正を作成してから、直線検出を行わなければならなかったので、処理時間がかかる問題がある。
【0099】
そこで、上下方向の射影補正を行っていない元画像から、左右方向の直線の検出を行うものとする。そのときの直線が
【数18】


【0100】
であったとする。この直線を前記数式13で重力の垂直方向に補正を行ったときのU−V座標の直線式は下記のようになる。
【数19】


【0101】
ただし、aijはH=H・Hpyの各要素である。
【数20】


【0102】
この直線が水平方向つまり横手方向に歪んだ直線となる。この直線を再び歪み画像とする。すなわち、前記数式19の変数(u,v)を(x,y)に変換して、前記数式15と比較することで、前記数式16により、水平方向の歪み角度φが次式で求められることがわかる。
【数21】


【0103】
よって、合成射影補正パラメータHは、以下のようになる。
【数22】


【0104】
以上のことから、次のような手順で撮影画像を射影補正すれば良いことになる。
まず、入力画像から前記数式12、数式14からψ,θを求めて、H=H・Hpyを求める。
次に、エッジ画像を作成し、そのエッジ画像からハフ変換によって水平方向に近い直線を検出する。その直線のパラメータから前記数式21でφを求め、最終的な射影補正パラメータとして、H=H・Hpy・Hpxを求める。これにより、前記数式4を用いて、バイリニア補間により射影補正が可能である。
【0105】
(8)実際の動作説明
次に、上述したカメラ向きに応じた射影補正を実現するデジタルカメラ1の動作について説明する。なお、以下のフローチャートで示される処理は、マイクロコンピュータであるCPU30がプログラムコード記憶装置29に記憶されたプログラムを読み込むことにより、そのプログラムに記述された手順に従って実行される。
【0106】
図12はデジタルカメラ1の撮影処理の動作を示すフローチャートである。この処理は、CPU30にて画像処理装置25を用いながら実行される。以後、CPU30の行う処理手順を順に説明する。
【0107】
まず、CPU30は、シャッタキー13の押下に伴い、光学レンズ装置21、イメージセンサ22などを制御して撮影処理を行い、イメージセンサ22によって得られた画像をメモリ23に取り込む(ステップS101)。
【0108】
次に、デジタルカメラ1の向きを判断するため、CPU30は3軸加速度センサ32からI軸、J軸、K軸のそれぞれの成分を読み出す。この場合、通常の撮影ではデジタルカメラ1を静止した状態で行うため、加速度成分(i,j,k)は重力成分Gのみと仮定することができ、G=(i,j,k)とする(ステップS102)。なお、ここで言うデジタルカメラ1の向きとは、撮影レンズ部11が向いている方向つまり光軸Kの方向である。
【0109】
ここで、射影補正パラメータであるHpx,Hpy,Hの3つの要素を単位行列Iに初期化(ステップS103)する。Hpxはデジタルカメラ1の水平方向、または画像の左右方向の射影補正パラメータ、Hpyはデジタルカメラ1の垂直方向、または画像の天地方向の射影補正パラメータである。また、Hは垂直方向とデジタルカメラ1の画像の天地方向とを補正する回転補正パラメータである。
【0110】
次に、CPU30は、前記数式1または数式2に従ってデジタルカメラ1の向きを判定する(ステップS104)。その結果、デジタルカメラ1が垂直向きと判定された場合には、CPU30は、重力成分Gから前記数式9に従ってφ,ψを求め、そのφ,ψを前記数式6,7の行列Hpx,Hpyの要素に代入することにより、画像の左右方向の射影補正パラメータHpxと、画像の天地方向の射影補正パラメータHpyを求める(ステップS105)。この画像の左右方向の射影補正パラメータHpxと、画像の天地方向の射影補正パラメータHpyは、それぞれメモリ23のパラメータ記憶領域に記憶される。
【0111】
次に、CPU30は、H=H・Hpy・Hpxを求める(ステップS106)。このとき、Hは単位行列Iに初期化されていたので、射影補正パラメータHは前記数式8と同値となる。よって、この射影補正パラメータHを用いることで、水平面に置かれた撮影対象の射影歪みを補正することができる。
【0112】
このようにして射影補正パラメータHが得られると、CPU30は、この射影補正パラメータHを画像処理装置25に渡して射影補正画像の作成を指示する。これにより、画像処理装置25では、撮影画像を射影補正することで、あたかも正面から撮影したような矩形状の画像を作成する(ステップS107)。
【0113】
詳しくは、前記ステップS106で得られた射影補正パラメータHを用いて、前記数式5の変換式に補正画像の各座標(u,v)を順に代入することにより、その補正画像に対応する射影歪みのある元画像の座標(x,y)を求める。続いて、前記数式10に従って座標(x,y)の周辺の画素からバイリニア法により補正画像の各画素値P(u,v)を求める。
【0114】
CPU30は、このようにして射影補正された画像をメモリ23の表示領域にコピーした後、これを液晶モニタ12に表示する(ステップS108)。これにより、ユーザは補正画像を画面上で確認することができ、必要に応じて微調整することができる。
【0115】
補正画像の表示後、CPU30は、操作部26に設けられた決定キー110が押下されたか否かを判断する(ステップS109)。決定キー110が押下された場合には(ステップS109のYes)、CPU30は、補正画像を画像処理装置25にて所定の方式で圧縮処理した後(ステップS110)、外部機器IO装置28を介してメモリカード31に転送して保存する(ステップS111)。
【0116】
次に、補正画像の微調整処理について説明する。
【0117】
前記ステップS109にて決定キー110が押下されなかった場合には、CPU30は、操作部26に設けられたカーソルキー111〜114の操作に従って補正画像の微調整処理を行う(ステップS112)。この微調整処理とは、撮影画像から自動検出した被写体(撮影対象)の傾きφとψを微調整するための処理である。図5に示したように、カーソルキー111〜114は上下、左右の方向指示を行うための操作キーである。
【0118】
CPU30は、右カーソルキー113または左カーソルキー114が押されていることを検出すると、U軸側の射影歪み補正を微調整する。具体的には、CPU30は自動検出したφを右カーソルキー113が押下された場合に+1度、左カーソルキー114が押下された場合には−1度をして、画像の左右方向の射影補正パラメータHpxの変換行列を修正する。
【0119】
同様に、上カーソルキー111が押下された場合には、ψを+1度、下カーソルキー112が押下された場合はψを−1度をして、V軸側の射影歪み補正を微調整するように、画像の天地方向の射影補正パラメータHpyの変換行列を修正する。
【0120】
このような微調整によりHpxまたはHpyを修正すると、CPU30は、前記ステップS106に戻って合成変換式であるHを求め直す。この修正後のHを用いて射影補正された画像が再表示されるので、ユーザはその補正画像を確認しながら、射影補正の微調整を行うことができる。補正画像が満足できるものであった場合には、決定キー110を押す。これによって、最終的な補正画像が圧縮処理されてメモリカード31に保存されることになる。
【0121】
次に、カメラの向きが水平方向であった場合の補正手順について説明する。
【0122】
前記ステップS104でデジタルカメラ1の向きが水平方向であると判定された場合には、ステップS113に分岐される。
【0123】
デジタルカメラ1が水平向きの場合には、CPU30は、まず、重力ベクトルGの成分から前記数式12、数式14でψ,θの角度を求め、それからの値から射影補正パラメータHpyとHを求める(ステップS113)。
【0124】
次に、撮影画像から水平方向の直線を検出する方法を図14の撮影画像の例を用いて説明する。撮影画像の中の斜線部の領域は、被写体であるホワイトボード3が少し傾いた状態で撮影されたことを示している。図には撮影画像のX軸、Y軸を示した。これらの軸はカメラの座標系I、Jと同じ方向を向いている。
【0125】
今、重力ベクトルG=(i,j,k)であったとして、そのGベクトルのI,J成分の部分ベクトルG′=(i,j)を撮影画像に重ねて図示した。このベクトル方向が撮影画像における重力方向になる。もし検出する水平線が奥行き(K軸方向)に対して等距離で射影ひずみがない場合は、このG′と直角をなすベクトルv=(−j,i)方向となる。このベクトルvとI軸となす角度θ′は、図に示したように、tan-1(−i/j)の角度となる。ところが、実際の検出を行いたい水平方向の直線は、この角度θ′を中心にして射影歪みによって角度が変化する。図中の直線L1はホワイトボード3の水平方向の直線の一例であって、直線L1の角度はθ1はθ′に近い角度でひずみの影響を受けている。よって、平行線の検出はθ′の付近の角度をもつ直線の検出を行えばよい。
【0126】
通常、射影ひずみによって変化する角度差は±30度ぐらいに存在すると想定できるので、CPU30は直線の検出範囲はθ′を中心とした(θ′−30度〜θ′+30度)とする(ステップS114)。
【0127】
次に、CPU30は、入力画像の輪郭を追跡してエッジ画像を作成する(ステップS115)。続いて、CPU30は、このエッジ画像からハフ変換を行って直線を検出するが、そのときの検出範囲は前記ステップS114で設定した範囲とする。この検出範囲内でハフ変換により得られた(ρ,θ)の投票数に基づいて直線を検出する(ステップS117)。
【0128】
ここで、ハフ変換について説明する。
【0129】
線分を抽出する手法として、ハフ変換と呼ばれる手法がある。例えば、図13に示すようなx−y座標系における1つの直線y=ax+bを考える。この直線に原点Oから垂線を下ろして、その垂線の長さをρ、x軸とのなす角をθとすると、
ρ=xcosθ+ysinθ
と表わすことができる。
【0130】
すなわち、極座標系では、1点(ρ,θ)が分かれば、1つの直線が定まることになる。この(ρ,θ)を直線y=ax+bのハフ変換と呼ぶ。また、(ρ,θ)で表される線分上の画素数を、(ρ,θ)に対する投票数と呼ぶ。この投票数が高いほど、長い直線であることを意味する。
【0131】
CPU30は、前記(ρ,θ)の投票数の最大値を予め設定された閾値と比較し、閾値以上であれば、水平方向の直線が検出されたとする(ステップS118のYes)。一方、閾値より少なかった場合には、水平方向の直線が検出されなかったとする(ステップS118のNo)。
【0132】
水平方向の直線が検出されなかった場合、ステップS106にジャンプして、合成変換Hを求める。この場合、Hpxは求めておらず、単位行列Iのままであるので、そのときのHは前記数式13に等しくなる。よって、ステップS107では、例えばホワイトボード3などを被写体とした場合の撮影画像が重力に対して垂直方向のみ射影補正されることになる。
【0133】
一方、ステップS118で直線が検出された場合には、CPU30は、前記投票最大値の(ρ,θ)から前記数式18の直線パラメータa′,b′を求める(ステップS119)。
【0134】
続いて、CPU30は、合成H=H・Hpyを求め、Hの要素と、前記直線パラメータa′,b′から前記数式21を用いて水平方向の歪み角度φを求めた後、前記数式7に従って水平方向の射影補正パラメータHpxを求める(ステップS120)。
【0135】
このように、水平方向の直線が検出された場合には、その直線に基づいて水平方向の射影補正パラメータHpxを算出することができる。続いて、ステップS106にて、このHpxと以前に求めたH、Hpyを用いて合成変換Hを求めるが、このHは前記数式22に等しい。よって、ステップS107では、例えばホワイトボード3などを被写体とした場合の撮影画像が重力に対して垂直方向だけでなく、水平方向を含めて射影補正されることになる。
【0136】
また、デジタルカメラ1を水平向きで撮影した場合も、垂直向きで撮影した場合と同様に、射影補正された画像の微調整が可能である(ステップS108〜112)。したがって、例えばホワイトボード3が少し斜めに傾いて立脚されていたとしても、手動操作にて補正画像を微調整してから保存することができる。
【0137】
以上のように、本実施形態によれば、3軸加速度センサ32で検出される重力方向の向きから水平あるいは垂直に置かれた撮影対象に対するデジタルカメラ1の向きを判断し、その向きに応じて射影補正の方法を切り替えることで、被写体の輪郭情報を必要とせずに撮影画像の歪みを正しく補正することが可能となる。
【0138】
また、ホワイトボード3のように床面などに垂直に置かれた被写体を撮影対象とする場合には、3軸加速度センサ32による重力検出だけでは、画像の水平方向の歪みを射影補正することはできないが、撮影画像の中から水平方向の直線を少なくとも一本検出することにより、その直線に基づいて画像の水平方向を特定して射影補正することができる。
【0139】
また、射影補正された画像をモニタ画面上で確認しながら、上下左右カーソルキーの操作により微調整することができる。これにより、ユーザの意図する形に整形してから当該撮影画像を保存することができる。
【0140】
なお、前記実施形態では、デジタルカメラにより静止画が撮影する場合を例にして説明したが、静止画の撮影に限らず、動画を撮影する場合でも応用できる。
【0141】
また、本発明は、デジタルカメラの他に、例えばカメラ付きの携帯電話機など、撮影機能を備えた電子機器であれば、これらのすべてに適用可能である。
【0142】
要するに、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0143】
さらに、上述した実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、そのプログラム自体をネットワーク等の伝送媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムあるいは伝送媒体を介して提供されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る撮像装置としてデジタルカメラを例にした場合の撮影状態を示す図であり、カメラのレンズを垂直向き(下向き)にした状態を示す図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係る撮像装置としてデジタルカメラを例にした場合の撮影状態を示す図であり、カメラのレンズを水平向きにした状態を示す図である。
【図3】図3は同実施形態におけるデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図4】図4は同実施形態におけるデジタルカメラの画像補正を説明するための図である。
【図5】図5は同実施形態におけるデジタルカメラの操作部に備えられた決定キーと上下左右のカーソルキーの配置を示す図である。
【図6】図6は同実施形態におけるデジタルカメラと水平方向に置かれた撮影対象との関係を示す図である。
【図7】図7は同実施形態におけるデジタルカメラと垂直方向に置かれた撮影対象との関係を示す図である。
【図8】図8は同実施形態におけるデジタルカメラが垂直向きにある場合での射影補正を説明するための図である。
【図9】図9は図8のO−Q−S面とO−P−S面を抜き出して示した図である。
【図10】図10は同実施形態におけるデジタルカメラが水平向きにある場合での射影補正を説明するための図である。
【図11】図11は同実施形態におけるデジタルカメラにより垂直に立脚したホワイトボードの一部を写した画像を示す図である。
【図12】図12は同実施形態におけるデジタルカメラの撮影処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は同実施形態におけるデジタルカメラのハフ変換を説明するための図である。
【図14】図14は同実施形態におけるデジタルカメラの撮影画像から水平方向の直線を検出する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0145】
1…デジタルカメラ、2…用紙、3…ホワイトボード、11…撮影レンズ部、12…液晶モニタ、13…シャッタキー、21…光学レンズ装置、22…イメージセンサ、23…メモリ、24…表示装置、25…画像処理装置、26…操作部、27…コンピュータインタフェース部、28…外部記憶IO装置、29…プログラムコード記憶装置、30…CPU、31…メモリカード、32…3軸加速度センサ、110…決定キー、111〜114…カーソルキー。




 

 


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