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発明の名称 無線タグ通信装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−60144(P2007−60144A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−241519(P2005−241519)
出願日 平成17年8月23日(2005.8.23)
代理人 【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
発明者 倉本 勝行 / 滝 和也
要約 課題
簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現する無線タグ通信装置を提供する。

解決手段
無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性を変更するPAAウェイト制御部46(S3乃至S8、及びS10)を有することから、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、例えば単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に限定することができる。すなわち、簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現する無線タグ通信装置12を提供することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
所定の無線タグに向けて質問波を送信すると共に、該無線タグから返信される応答波を受信して該無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、
前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に該質問波の送信指向性を変更する指向性制御部を有することを特徴とする無線タグ通信装置。
【請求項2】
前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に該質問波の送信指向性を、該送信指向性に対応する有効通信範囲が変更前後で一部が重なるように変更するものである請求項1の無線タグ通信装置。
【請求項3】
前記指向性制御部は、前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲が、変更前の送信指向性に対応する有効通信範囲及び変更後の送信指向性に対応する有効通信範囲の和よりも狭くなるように送信指向性を変更するものである請求項2の無線タグ通信装置。
【請求項4】
前記指向性制御部は、前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲を制御し得るものである請求項2又は3の無線タグ通信装置。
【請求項5】
前記質問波は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うためのコマンドを含むコマンド部と、コマンドを含まない非コマンド部とを有するものである請求項1から4の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項6】
前記指向性制御部は、前記コマンド部の送信開始から送信終了までの間に前記質問波の送信指向性を変更するものである請求項5の無線タグ通信装置。
【請求項7】
前記指向性制御部は、前記コマンド部の送信後、前記非コマンド部の送信開始から送信終了までの間に前記質問波の送信指向性を変更するものである請求項5の無線タグ通信装置。
【請求項8】
前記指向性制御部は、前記コマンド部と非コマンド部とが切り替わる時点において前記質問波の送信指向性を変更するものである請求項5の無線タグ通信装置。
【請求項9】
前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から所定時間経過後に該質問波の送信指向性を変更するものである請求項1から8の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項10】
前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に該質問波の送信指向性のメインローブ方向を変更するものである請求項1から9の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項11】
前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に該質問波の送信指向性特性を変更するものである請求項1から10の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項12】
前記無線タグ通信装置は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に該質問波の送信電力を変更するものである請求項1から11の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項13】
前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に所定の基準方向を軸として線対称に該質問波の送信指向性方向を切り換えるものである請求項1から12の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項14】
前記指向性制御部は、前記質問波に応じて前記無線タグから返信される応答波の受信指向性のメインローブ方向を前記基準方向として前記質問波の送信指向性方向を切り換えるものである請求項13の無線タグ通信装置。
【請求項15】
前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に所定の基準方向を軸として線対称に該質問波の送信指向性方向を切り換えるものであり、通信を行う毎に該基準方向を変更するものである請求項1から12の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項16】
前記指向性制御部は、前記質問波に応じて前記無線タグから返信される応答波の受信開始以降は前記送信指向性のメインローブが前記基準方向となるように前記質問波の送信指向性を制御するものである請求項13から15の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項17】
前記指向性制御部は、前記質問波に応じて前記無線タグから返信される応答波の受信開始以降は前記送信指向性のメインローブが単位となる通信において前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲と略一致するように質問波の送信指向性を制御するものである請求項2から16の何れかの無線タグ通信装置。
【請求項18】
前記指向性制御部は、単位となる通信における変更前後の送信指向性のメインローブの重なり合う範囲が通信を行う毎に狭くなるように制御するものである請求項1から17の何れかの無線タグ通信装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線にて情報の書き込みや読み出しができる無線タグとの間で通信を行う無線タグ通信装置に関し、特に、その無線タグとの間の通信指向性の制御技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
上記無線タグ通信装置では、通信感度を高めるために通信指向性の制御が行われることが多く、斯かる通信指向性を好適に制御するために種々の技術が用いられる。例えば、特許文献1に記載されたレーダ装置の指向性制御技術がそれである。この技術によれば、複数のアンテナ素子を備えてフェイズドアレイ制御を行うアレイアンテナにおいて、それら複数のアンテナ素子のうち通信に用いるアンテナ素子を選択的に切り換えてアンテナ素子の相互間隔を変更することで指向性特性を制御することができ、最大距離及び最大感度を低下させることなく、検索すべき全領域に対して受信感度を適合させることができるとされている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−174823号公報
【0005】
しかし、前記従来の技術のように、複数のアンテナ素子を備えたアレイアンテナによる指向性制御において、そのメインローブの幅を狭めて比較的鋭い通信指向性を実現するためにはアンテナ素子の数を増やす必要があり、装置が大型化するという弊害があった。このため、簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現する無線タグ通信装置の開発が求められていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現する無線タグ通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、所定の無線タグに向けて質問波を送信すると共に、その無線タグから返信される応答波を受信してその無線タグとの間で情報の通信を行う無線タグ通信装置であって、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性を変更する指向性制御部を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性を変更する指向性制御部を有することから、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、例えば単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に限定することができる。すなわち、簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現する無線タグ通信装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性を、その送信指向性に対応する有効通信範囲が変更前後で一部が重なるように変更するものである。このようにすれば、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に限定することができる。
【0010】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲が、変更前の送信指向性に対応する有効通信範囲及び変更後の送信指向性に対応する有効通信範囲の和よりも狭くなるように送信指向性を変更するものである。このようにすれば、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を実用的な態様で定めることができる。
【0011】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲を制御し得るものである。このようにすれば、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を通信形態に合わせて任意に定めることができる。
【0012】
また、好適には、前記質問波は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うためのコマンドを含むコマンド部と、コマンドを含まない非コマンド部とを有するものである。このようにすれば、一般的な質問波を用いた前記無線タグとの間の情報の通信に関して、簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現することができる。
【0013】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記コマンド部の送信開始から送信終了までの間に前記質問波の送信指向性を変更するものである。このようにすれば、前記コマンド部を始めから終わりまで受信した無線タグのみから応答波が返信されるため、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信可能エリアすなわち有効通信範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0014】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記コマンド部の送信後、前記非コマンド部の送信開始から送信終了までの間に前記質問波の送信指向性を変更するものである。このようにすれば、前記コマンド部を始めから終わりまで受信した上で非コマンド部を電力供給源として受信した無線タグのみから応答波が返信されるため、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0015】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記コマンド部と非コマンド部とが切り替わる時点において前記質問波の送信指向性を変更するものである。このようにすれば、前記コマンド部を始めから終わりまで受信した上で非コマンド部を電力供給源として受信した無線タグのみから応答波が返信されるため、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができることに加え、切り換えに伴うノイズなどの悪影響を受けにくい。
【0016】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から所定時間経過後にその質問波の送信指向性を変更するものである。このようにすれば、前記所定時間を好適に定めることで、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0017】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性のメインローブ方向を変更するものである。このようにすれば、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を実用的な態様で任意に定めることができる。
【0018】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性特性を変更するものである。このようにすれば、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を実用的な態様で任意に定めることができる。
【0019】
また、好適には、前記無線タグ通信装置は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信電力を変更するものである。このようにすれば、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を実用的な態様で任意に定めることができる。
【0020】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に所定の基準方向を軸として線対称にその質問波の送信指向性方向を切り換えるものである。このようにすれば、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を、所定の方向を基準として実用的な態様で定めることができる。
【0021】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記質問波に応じて前記無線タグから返信される応答波の受信指向性のメインローブ方向を前記基準方向として前記質問波の送信指向性方向を切り換えるものである。このようにすれば、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を、前記無線タグからの応答波の受信指向性方向を基準として実用的な態様で定めることができる。
【0022】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記無線タグとの間で情報の通信を行うための単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間に所定の基準方向を軸として線対称にその質問波の送信指向性方向を切り換えるものであり、通信を行う毎にその基準方向を変更するものである。このようにすれば、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を、所定の方向を基準として実用的な態様で定めることができると共に、その基準となる方向を順次振ってゆくことで、対象となる無線タグの存在する方向を好適に特定できる。
【0023】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記質問波に応じて前記無線タグから返信される応答波の受信開始以降は前記送信指向性のメインローブが前記基準方向となるように前記質問波の送信指向性を制御するものである。このようにすれば、検索している方向に存在する無線タグに対して前記送信指向性のメインローブを向けるため、その無線タグに好適に電力を供給することができる。
【0024】
また、好適には、前記指向性制御部は、前記質問波に応じて前記無線タグから返信される応答波の受信開始以降は前記送信指向性のメインローブが単位となる通信において前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲と略一致するように質問波の送信指向性を制御するものである。このようにすれば、検索している方向に存在する無線タグに対して前記送信指向性のメインローブを向けるため、その無線タグに好適に電力を供給することができる。
【0025】
また、好適には、前記指向性制御部は、単位となる通信における変更前後の送信指向性のメインローブの重なり合う範囲が通信を行う毎に狭くなるように制御するものである。このようにすれば、前記無線タグとの間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を順次狭めてゆくことで、その無線タグの存在する方向を好適に特定できる。
【0026】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明の無線タグ通信装置が好適に用いられる無線タグ通信システム10について説明する図である。この無線タグ通信システム10は、本発明の一実施例である無線タグ通信装置12と、その無線タグ通信装置12の通信対象である単数乃至は複数(図1では単数)の無線タグ14とから構成される所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムであり、上記無線タグ通信装置12はそのRFIDシステムの質問器として、上記無線タグ14は応答器としてそれぞれ機能する。すなわち、上記無線タグ通信装置12から質問波F(送信信号)が上記無線タグ14に向けて送信されると、その質問波Fを受信した上記無線タグ14において所定の情報信号(データ)によりその質問波Fが変調され、応答波F(返信信号)として上記無線タグ通信装置12に向けて返信されることで、その無線タグ通信装置12と無線タグ14との間で情報の通信が行われる。この無線タグ通信システム10は、例えば、所定の通信領域内における物品の管理等に用いられるものであり、上記無線タグ14は、好適には、管理対象である物品に貼られる等してその物品と一体的に設けられている。
【0028】
図2は、前記無線タグ通信装置12の構成を説明する図である。この図2に示すように、前記無線タグ通信装置12は、前記無線タグ14への送信信号に対応するコマンドビット列を生成するコマンドビット列生成部20と、そのコマンドビット列生成部20から出力されたディジタル信号をパルス幅変調等により符号化する符号化部22と、その符号化部22により符号化された信号をAM方式で変調して送信メモリ部26に供給(記憶)するAM変調部24と、その送信メモリ部26に記憶された送信信号を随時読み出して所定の送信ウェイト(送信PAAウェイト)を掛算する送信PAA(Phased Array Antenna)処理部である送信ウェイト掛算部28とを、備えている。
【0029】
また、前記無線タグ14へ向けて前記質問波Fを送信すると共に、その質問波Fに応じてその無線タグ14から返信される応答波Fを受信する送受信共用の複数(図2では3つ)のアンテナ素子30a、30b、30c(以下、特に区別しない場合には単にアンテナ素子30と称する)と、所定の局発信号を出力する局部発振器32と、その局部発振器32から出力される局発信号に応じて上記送信ウェイト掛算部28から出力される送信信号をアップコンバートして上記複数のアンテナ素子30から前記質問波Fとして送信すると共に、それら複数のアンテナ素子30によりそれぞれ受信される受信信号を上記局部発振器32から出力される局発信号に応じてダウンコンバートして受信メモリ部36に供給(記憶)する複数(図2では3つ)の高周波送受信部34a、34b、34c(以下、特に区別しない場合には単に高周波送受信部34と称する)とを、備えている。
【0030】
また、上記受信メモリ部36に記憶された受信信号を随時読み出して所定の受信ウェイト(受信PAAウェイト)を掛算する受信PAA処理部である受信ウェイト掛算部38と、その受信ウェイト掛算部38から出力される受信信号をAM方式で復調してAM復調波を検出するAM復調部40と、そのAM復調部40により復調されたAM復調波をFSK方式等により復号する復号部42と、その復号部42により復号された復号信号を解釈して前記無線タグ14の変調に関する情報信号を読み出す返答ビット列解釈部44と、前記送信ウェイト掛算部28において掛算される送信ウェイト及び受信ウェイト掛算部38において掛算される受信ウェイトを制御(算出)するPAAウェイト制御部46とを、備えている。このPAAウェイト制御部46は、後述するように、前記送信メモリ部26に記憶された送信信号を随時読み出して、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる送信信号の送信開始から送信終了までの間にその送信信号に対応する質問波Fの送信指向性を変更する指向性制御部として機能する。
【0031】
図3は、前記送信ウェイト掛算部28の構成を詳しく説明する図である。この図3に示すように、前記送信ウェイト掛算部28は、前記送信メモリ部26から読み出される送信信号に前記PAAウェイト制御部46から供給される送信PAAウェイトをそれぞれ掛け合わせて各高周波送受信部34に供給する複数(図3では3つ)の掛算器48a、48b、48c(以下、特に区別しない場合には単に掛算器48と称する)を備えている。ここで、上記掛算器48aが高周波送受信部34aに、掛算器48bが高周波送受信部34bに、掛算器48cが高周波送受信部34cに、それぞれ対応しており、各掛算器48からの出力が対応する高周波送受信部34に供給されるようになっている。
【0032】
図4は、前記高周波送受信部34の構成を詳しく説明する図である。この図4に示すように、前記高周波送受信部34は、前記送信ウェイト掛算部28から供給される送信信号をアナログ信号に変換する送信信号D/A変換器50と、その送信信号D/A変換器50によりアナログ変換された送信信号の周波数を前記局部発振器32から出力される局発信号の周波数だけ高くするアップコンバータ52と、そのアップコンバータ52によりアップコンバートされた送信信号を後述するPAAウエイト制御部46から設定される増幅率で増幅する可変増幅器である送信信号増幅器54と、その送信信号増幅器54から出力される送信信号を対応するアンテナ素子30に供給すると共に、そのアンテナ素子30から供給される受信信号を受信信号増幅部58に供給する方向性結合器56と、その方向性結合器56から供給される受信信号を増幅する受信信号増幅器58と、その受信信号増幅器58から出力される受信信号の周波数を前記局部発振器32から出力される局発信号の周波数だけ低くするダウンコンバータ60と、そのダウンコンバータ60によりダウンコンバートされた受信信号をディジタル信号に変換して前記受信メモリ部36に供給する受信信号A/D変換器62とを、備えている。
【0033】
図5は、前記受信ウェイト掛算部38の構成を詳しく説明する図である。この図5に示すように、前記受信ウェイト掛算部38は、前記受信メモリ部36から読み出される受信信号それぞれに前記PAAウェイト制御部46から供給される所定の受信PAAウェイトを掛け合わせる複数(図5では3つ)の掛算器64a、64b、64c(以下、特に区別しない場合には単に掛算器64と称する)と、それら掛算器64から出力される信号を合成して前記AM復調部40に供給する合成器66とを、備えている。ここで、上記掛算器64aが高周波送受信部34aに、掛算器64bが高周波送受信部34bに、掛算器64cが高周波送受信部34cに、それぞれ対応している。
【0034】
図6は、前記無線タグ14に備えられた無線タグ回路素子70の構成を説明する図である。この図6に示すように、上記無線タグ回路素子70は、前記無線タグ通信装置12との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部72と、そのアンテナ部72により受信された信号を処理するためのIC回路部74とを、備えて構成されている。そのIC回路部74は、上記アンテナ部72により受信された前記無線タグ通信装置12からの質問波Fを整流する整流部76と、その整流部76により整流された質問波Fのエネルギを蓄積するための電源部78と、上記アンテナ部72により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部86に供給するクロック抽出部80と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部82と、上記アンテナ部72に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部84と、上記整流部76、クロック抽出部80、及び変復調部84等を介して上記無線タグ回路素子70の作動を制御するための制御部86とを、機能的に含んでいる。この制御部86は、前記無線タグ通信装置12と通信を行うことにより上記メモリ部82に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部72により受信された質問波Fを上記変復調部84において上記メモリ部82に記憶された情報信号に基づいて変調したうえで応答波Fとして上記アンテナ部72から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0035】
続いて、前記無線タグ通信装置12による前記無線タグ14との間の情報の通信について詳述する。図7は、前記無線タグ回路素子70との通信に用いられるコマンドを例示する図である。この図7に示すように、前記無線タグ回路素子70との通信では、複数種類のコマンドのうち目的により所定のコマンドが用いられ、例えば通信対象となる前記無線タグ回路素子70を特定する通信では、その無線タグ回路素子70に記憶された情報を読み出すための「PING」及び「SCROLL ID」等のコマンドが用いられる。また、前記無線タグ回路素子70に情報を書き込むための通信では、その無線タグ回路素子70に記憶された情報を初期化するための「ERASE ID」、情報を書き込むための「PROGRAM ID」、書き込まれた情報を確認するための「VERIFY」、新たな情報の書き込みを禁止するための「LOCK」等のコマンドが用いられる。
【0036】
図8は、前記無線タグ通信装置12にて作成されるコマンドフレーム構造を詳しく説明する図である。このコマンドフレームは、Tを1ビットの情報を送信するための時間として、2Tの送信パワーオフである「GAP」、5Tの送信パワーオンである「PREAMBL」、20箇の0信号を送信してクロック同期を行う「CLKSYNC」、コマンドの内容である「COMMAND」、8Tの送信パワーオンである「SET UP」、及び1箇の1信号を送信する「SYNC」から成る。前記無線タグ回路素子70により解釈される部分である「COMMAND」は、コマンドの開始を示す「SOF」、図7に示す個々のコマンド「CMD」、書き込み対象となる無線タグ回路素子70のメモリ位置を指定するポインタである「PTR」、情報の長さを示す「LEN」、送信する情報の内容である「VAL」、上記「PTR」、「LEN」、及び「VAL」のパリティ情報である「P」、及びコマンドの終了を示す「EOF」から成る。
【0037】
前記コマンドフレームは、図9に示す0信号、1信号、及び所定時間の連続した送信パワーオン・オフを要素として構成される。情報の書き込み対象となる前記無線タグ回路素子70の特定動作や、情報の書き込み動作では、このコマンドフレームに基づく変調情報である信号が前記無線タグ通信装置12のコマンドビット列生成部20により生成され、前記符号化部22による符号化及びAM変調部24による変調が行われた後、前記アンテナ素子30から前記無線タグ14に向けて送信される。その信号が対象である無線タグ14のアンテナ部72により受信され、その無線タグ回路素子70へ供給されると、前記制御部86によりコマンドに対応する前記メモリ部82への情報の書き込みや、情報の返信動作等が行われる。
【0038】
前記無線タグ回路素子70による情報の返信動作において、以下に詳細に説明するリプライ情報は、図10に示す0信号及び1信号を要素とする例えばFM符号化された一連の信号として構成され、その信号に基づいて搬送波が反射変調されて前記無線タグ通信装置12へ返信される。例えば、情報の書き込み対象となる前記無線タグ回路素子70の特定動作では、図11に示すようなその無線タグ回路素子70に固有のIDを示す信号により変調された反射波が返信される。
【0039】
図12は、前記無線タグ回路素子70のメモリ構成を示す図である。この図12に示すように、前記無線タグ回路素子70のメモリ部82には、前述したCRC符号の計算結果、その無線タグ回路素子70に固有のID、及び「LOCK」コマンド等に用いられるパスワードが予め記憶されている。上記リプライ情報は、これらの情報に基づいて作成されるものであり、例えば、図13に示すように、「SCROLL ID」コマンドを含む信号が受信された場合には、0xFEで表される8ビットの「PREAMBLE」信号と、前記メモリ部82に記憶されたCRC符号の計算結果である「CRC」、及びその無線タグ回路素子70のIDを示す「ID」から成るリプライ信号が作成される。
【0040】
前述した図7の「PING」コマンドは、複数の前記無線タグ回路素子70に対して各無線タグ回路素子70のメモリ部82に記憶された情報に対応して、図12に示すメモリ上の位置を指定して応答させるためのコマンドであり、図14に示すように、開始アドレスポインタ「PTR」、データ長「LEN」、及び値「VAL」の情報を含む。例えば、図15に示すように、前記メモリ部82に記憶された情報のうち「PTR」番目から後ろ「LEN」個のデータが「VAL」と等しい場合、「PTR+LEN+1」番目以降8ビットのデータがリプライ信号となる。前記メモリ部82に記憶された情報のうち「PTR」番目から後ろ「LEN」個のデータが「VAL」と等しくない場合には、返信対象となっていないためリプライ信号は生成されない。
【0041】
また、前記無線タグ回路素子70の「PING」コマンドに対する返信タイミングは、リプライ信号の上位3ビットによって決まり、前記無線タグ通信装置12から「PING」に続けて送られるBINパルスによって区分される「bin0」乃至「bin7」のうち何れかの区間でリプライ信号が返される。例えば、図15(a)に示すように、「PING」コマンドとして「PTR=0」、「LEN=1」、「VAL=0」が送られてきた場合、前記メモリ部82に記憶された情報のうち1ビット目が「VAL」と一致する「0」である無線タグ回路素子70では、図15(b)に示すような信号が抽出されてリプライ信号に組み込まれ、そのリプライ信号の上位3ビットが「011」であれば、「PING」コマンドに対するリプライの中の区間「bin3」においてそのリプライ信号が返信される。
【0042】
ここで、本実施例の無線タグ通信装置12において前記無線タグ14へ送信される質問波Fの送信指向性を制御する指向性制御部として機能する前記PAAウェイト制御部46は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる送信信号に対応する質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性を変更する。この単位となる送信信号とは、前記無線タグ14との間で所定の情報通信を行うための一纏まりの信号をいい、例えば、前述した図8に示すような、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うためのコマンドを含むコマンド部と、コマンドを含まない非コマンド部とを有する一連のコマンドフレームに基づく信号に相当する。
【0043】
図16及び図17は、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間における前記PAAウェイト制御部46による送信指向性の変更について説明する図であり、図16は、変更前の送信指向性のメインローブを、図17は、変更後の送信指向性のメインローブをそれぞれ示している。これらの図に示すように、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性のメインローブ方向を変更するものであり、更に好適には、その単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間に所定の基準方向(図16及び図17では0°方向)を軸として線対称にその質問波Fの送信指向性方向を切り換えるものである。図16及び図17では、変更前後におけるこの基準方向からの偏差は±15°とされているが、前記PAAウェイト制御部46は、この偏差を制御することによりその変更前後で重なる有効通信範囲を任意に制御し得る。ここで、前記質問波Fの送信指向性のメインローブは、その質問波Fに応じて無線タグ14が応答波Fを返信できる範囲、すなわち有効通信範囲に対応するものであるため、前記PAAウェイト制御部46は、換言すれば、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間に前記無線タグ14との有効通信範囲を変更する有効通信範囲変更手段である。
【0044】
図29は、前記無線タグ14に対して送信されるコマンドフレーム、その無線タグ14より受信されるリプライフレームと送信される質問波Fのウェイトの切替タイミングを示した図であり、コマンドフレームが送信され、前記無線タグ14からの応答が終わるまでの間に少なくとも1回ウェイトを切り換える様子を示している。この図29に示すように、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、コマンドフレームとリプライフレームの切り換えタイミングに合わせてウェイトを切り替えている。このようにすることで、切り換えに伴うノイズなどの悪影響を受けにくい。
【0045】
図18は、前記PAAウェイト制御部46による前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間における送信指向性の変更前後でのメインローブの重なりを説明する図であり、その重なりを斜線範囲で示している。この図18に示すように、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性を、変更前後で重なるメインローブの範囲が変更前のメインローブ及び変更後のメインローブの和よりも狭くなるように、且つそれらのメインローブが変更前後で一部が重なるように変更する。また、上述のように、送信指向性のメインローブは、前記質問波Fの到達可能範囲すなわち有効通信範囲に対応するものであるため、前記PAAウェイト制御部46は、換言すれば、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性を、変更前後で重なる有効通信範囲が変更前の送信指向性に対応する有効通信範囲及び変更後の送信指向性に対応する有効通信範囲の和よりも狭くなるように、且つそれら有効通信範囲が変更前後で一部が重なるように変更する。
【0046】
図8乃至図15を用いて前述したように、前記無線タグ14は、前記無線タグ通信装置12から送信される一連のコマンドビット列に対応する質問波Fに応じて所定の応答波Fを返信する。すなわち、前記単位となる質問波Fを最初から最後まで受信しきってはじめてその応答波Fを返信するのであり、途中までしか受信されなかった場合や、途中からしか受信されなかった場合には応答波Fは返信されない。前記PAAウェイト制御部46により前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間に質問波Fの送信指向性のメインローブを図16に示すものから図17に示すものに変更した場合を考えると、図18の斜線範囲で示す変更前後でメインローブが重なる範囲に設置された無線タグ14には前記単位となる質問波Fが最初から最後まで届けられるが、それ以外の範囲に設置された無線タグ14には前記単位となる質問波Fが完全には届けられないため、前記斜線範囲で示す変更前後でメインローブが重なる範囲に設置された無線タグ14のみから前記単位となる質問波Fに応じた応答波Fが返信される。このように、本実施例の無線タグ通信装置12では、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信可能エリアすなわち有効通信範囲を、前記単位となる通信における変更前後の送信指向性のメインローブの重なり合う範囲に限定することができる。この変更前後の送信指向性のメインローブの重なり合う範囲は、変更前の送信指向性のメインローブ及び変更後の送信指向性のメインローブの和よりも狭いものであるため、斯かる制御により比較的鋭い通信指向性を実現することができる。
【0047】
前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記コマンド部すなわち前述した図8に示す「COMMAND」に対応するビット列の送信開始から送信終了までの間に前記質問波Fの送信指向性を変更するものである。このコマンド部を始めから終わりまで受信した無線タグ14のみから応答波Fが返信されるため、このようにすることで、前記無線タグ14との間の情報通信における有効通信範囲を、前記単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0048】
また、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記コマンド部の送信後、前記非コマンド部すなわち「SET UP」や「SYNC」乃至はそれに続く所定長の搬送波の送信開始から送信終了までの間に前記質問波の送信指向性を変更するものである。この所定長の搬送波は、前記無線タグ14が応答波Fを返信するために必要十分な電力を供給し得る長さの搬送波であり、このようにすることで、前記コマンド部を始めから終わりまで受信した上で非コマンド部を電力供給源として受信した無線タグ14のみから応答波が返信されるため、前記無線タグ14との間の情報通信における有効通信範囲を、前記単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0049】
また、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から所定時間経過後にその質問波Fの送信指向性を変更するものである。この所定時間は、例えば前記コマンド部の送信開始から送信終了までの間、或いは前記コマンド部の送信後、前記非コマンド部の送信開始から送信終了までの間に前記送信指向性の変更が行われるように定められる。このようにすることで、前記無線タグ14との間の情報通信における有効通信範囲を、前記単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0050】
また、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記質問波Fに応じて前記無線タグ14から返信される応答波Fの受信開始以降は、例えば図18に対応して図19に示すように、前記送信指向性のメインローブが前記基準方向となるように前記質問波Fの送信指向性を制御する。換言すれば、前記質問波Fに応じて前記無線タグ14から返信される応答波Fの受信開始以降は、前記送信指向性のメインローブが、前記単位となる通信において前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲と略一致するように質問波Fの送信指向性を制御する。前記無線タグ14の検索に際して前記質問波Fの送信指向性を絞るのは、例えばその検索対象である無線タグ14の詳細な位置を特定するためであり、コマンド部送信完了後は送信指向性のメインローブをその方向に向けることで、その方向に存在する無線タグ14が応答波Fを返信する期間に好適に電力を供給することができるのである。
【0051】
また、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記単位となる通信における変更前後の送信指向性のメインローブの重なり合う範囲が通信を行う毎に狭くなるように制御する。前述したように、前記PAAウェイト制御部46は、前記送信指向性の変更前後で送信指向性のメインローブの重なり合う範囲(重なり合う有効通信範囲)を制御し得るものであり、例えば、その変更前後における前記基準方向からの偏差を制御することでそのメインローブの重なり合う範囲を任意に変更できる。前記PAAウェイト制御部46は、例えば、前記単位となる通信を行う毎にこの基準方向からの偏差を大きくしていくことで、変更前後の送信指向性のメインローブの重なり合う範囲を順次狭めていく。これにより、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲もまた順次狭まっていくため、その無線タグ14の存在する方向乃至は位置を詳しく検出することができる。
【0052】
また、前記PAAウェイト制御部46は、好適には、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性特性を変更する。更に好適には、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性のメインローブ方向を変更すると共に、その送信指向性特性を変更する。図20は、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性のメインローブ方向を変更するのと同時にその送信指向性特性を変更した際の変更前後でのメインローブの重なりを説明する図であり、その重なりを斜線範囲で示している。この図20に示すように、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性特性を変更した例では、その変更前後でメインローブの重なり合う範囲が図18に示した変更前後でのメインローブの重なり合う範囲よりも狭くなっていることがわかる。このように、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性特性を変更することで、その変更前後におけるメインローブの重なり合う範囲すなわち実効ある通信範囲を任意に変更することができる。
【0053】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記送信信号増幅部54の増幅率を制御して、好適には、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にメインローブ方向の制御とタイミングを合わせてその質問波Fの送信電力を変更する。更に好適には、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性のメインローブ方向を変更すると共に、その送信電力を変更する。図21は、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性のメインローブ方向を変更するのと同時にその送信電力を変更した際の変更前後でのメインローブの重なりを説明する図であり、その重なりを斜線範囲で示している。この図21に示すように、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指電力を変更した例では、その変更前後でメインローブの重なり合う範囲が図18に示した変更前後でのメインローブの重なり合う範囲よりも狭く(小さく)なっていることがわかる。このように、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指電力を変更することで、その変更前後におけるメインローブの重なり合う範囲すなわち実効ある通信範囲を任意に変更することができる。
【0054】
また、前記無線タグ通信装置12は、好適には、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間における前記質問波Fの送信指向性の変更に際してその質問波Fの搬送波の周波数も徐々に変化させる。本実施例のように、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間において前記質問波Fの送信指向性を変更する場合、図22に示すように、その送信指向性(ウェイト)の変化点付近において波形が不連続となり、高調波が発生して妨害を与える等の弊害が生じるおそれがある。そこで、この送信指向性の変化点付近において前記質問波Fの搬送波の周波数を一時的に徐々に変化させることで、図23に示すように、その変化点付近においても波形が滑らかに連続し、上記弊害の発生を好適に防止することができる。
【0055】
図24は、前記無線タグ通信装置12によるタグ検索制御を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0056】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記コマンドビット列生成部20により検索対象である無線タグ14への送信信号としてのコマンドビット列が生成され、前記符号化部22により符号化される。次に、S2において、S1にて符号化された送信信号が前記AM変調部24により変調され、前記送信メモリ部26に記憶される。次に、S3において、送信PAAウェイトがメインローブ方向θ=−15°に対応するパターン1に設定される。次に、S4において、受信PAAウェイトがメインローブ方向θ=0°に対応する所定値に設定される。次に、S5において、S2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号がその送信メモリ部26から順次読み出され、S3にて設定された送信PAAウェイトが前記送信ウェイト掛算部28において乗算された後、前記複数の高周波送受信部34を介してそれぞれ対応するアンテナ素子30から質問波Fとして送信される。次に、S6において、送信中の送信信号に関してコマンド部の所定部分まで送信されたか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、S5以下の処理が再び実行されるが、S6の判断が肯定される場合には、S7において、送信PAAウェイトがメインローブ方向θ=15°に対応するパターン2に設定される。次に、S8において、S2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号のうち未だ送信されていない残りの送信信号がその送信メモリ部26から順次読み出され、S7にて設定された送信PAAウェイトが前記送信ウェイト掛算部28において乗算された後、前記複数の高周波送受信部34を介してそれぞれ対応するアンテナ素子30から質問波Fとして送信される。次に、S9において、前記複数のアンテナ素子30により受信された受信信号がそれぞれ対応する前記高周波送受信部34を介して前記受信メモリ部36に記憶される。次に、S10において、S9にて前記受信メモリ部36に記憶された受信信号がその受信メモリ部36から読み出され、S4にて設定された受信PAAウェイトが前記受信ウェイト掛算部38において乗算されると共に合成される。次に、S11において、S10にて合成された合成信号が前記AM復調部40により復調される。次に、S12において、S11にて検波された復調波が前記復号部42により復号される。次に、S13において、S12にて復号された復号信号が前記返答ビット列解釈部44により解釈され、復号データは正常であるか否かが判断される。このS13の判断が肯定される場合には、S14において、所定の無線タグ14が発見(検索)されたことが確認された後、本ルーチンが終了させられるが、S13の判断が否定される場合には、S15において、前記無線タグ14が発見されなかったことが確認された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S3乃至S8、及びS10が前記PAAウェイト制御部46の動作に対応する。
【0057】
図25は、前記無線タグ通信装置12によるタグ検索制御の他の一例を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図25で示す制御に関して、前述した図24で示す制御と共通するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
図25の制御では、前述したS4の処理に続くS16において、前述したS2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号に対応する質問波Fの送信開始から所定時間が経過したか否かが判断される。このS16の判断が否定される場合には、S18以下の処理が実行されるが、S16の判断が肯定される場合には、S17において、その時点における送信PAAウェイトがメインローブ方向θ=−15°に対応するパターン1である場合にはメインローブ方向θ=15°に対応するパターン2に、パターン2である場合にはパターン1に変更される。次に、S18において、前述したS3又はS17にて設定された送信PAAウェイトが前記送信ウェイト掛算部28において乗算された後、前記複数の高周波送受信部34を介してそれぞれ対応するアンテナ素子30から質問波Fとして送信される。次に、S19において、前述したS2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号に対応する質問波Fの送信が終了したか否かが判断される。このS19の判断が否定される場合には、S16以下の処理が再び実行されるが、S19の判断が肯定される場合には、前述したS9以下の処理が実行される。以上の制御において、S3、S4、S16乃至S19、及びS10が前記PAAウェイト制御部46の動作に対応する。
【0059】
図26は、前記無線タグ通信装置12によるタグ検索制御の更に別の一例を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図25で示す制御に関して、前述した図24で示す制御と共通するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図26の制御では、前述したS4の処理に続くS20において、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間における送信指向性の変更偏差角度を定める値αが初期値である零とされる。次に、SSにおいて、図27に示すタグとの通信制御が実行される。次に、S21において、前記無線タグ14から応答があったか否かが判断される。このS21の判断が否定される場合には、S22において、前記無線タグ14は発見(検索)されなかったことが確認された後、本ルーチンが終了させられるが、S21の判断が肯定される場合には、S23において、応答した無線タグ14は単数であるか否かが判断される。このS23の判断が肯定される場合には、S24において、通信の行われた無線タグ14が特定された後、本ルーチンが終了させられるが、S23の判断が否定される場合には、S25において、上記送信指向性の変更偏差角度を定める値αに5が加算された後、SSにおいて、図27に示すタグとの通信制御が実行される。次に、S26において、前記無線タグ14から応答があったか否かが判断される。このS26の判断が肯定される場合には、S23以下の処理が再び実行されるが、S26の判断が否定される場合には、S27において、通信の行われた無線タグ14を特定できないことが確認された後、本ルーチンが終了させられる。なお、以上の制御において、変更偏差角度を定める値αが大きいほど、メインローブ方向変更前後のメインローブ相互の角度差が大きくなり、有効通信範囲であるメインローブの重なる範囲が狭くなる。これにより、通信指向性を鋭くできる。
【0061】
図27は、図26のタグ検索制御の一部であるタグとの通信制御について説明するフローチャートである。この制御では、先ず、SS1において、送信PAAウェイトがメインローブ方向θ=−15−α°に対応するパターン1に設定される。次に、SS2において、前述したS2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号がその送信メモリ部26から順次読み出され、SS1にて設定された送信PAAウェイトが前記送信ウェイト掛算部28において乗算された後、前記複数の高周波送受信部34を介してそれぞれ対応するアンテナ素子30から質問波Fとして送信される。次に、SS3において、送信中の送信信号に関してコマンド部の所定部分まで送信されたか否かが判断される。このSS3の判断が否定される場合には、SS2以下の処理が再び実行されるが、SS3の判断が肯定される場合には、SS4において、送信PAAウェイトがメインローブ方向θ=15+α°に対応するパターン2に設定される。次に、SS5において、前述したS2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号のうち未だ送信されていない残りの送信信号がその送信メモリ部26から順次読み出され、SS4にて設定された送信PAAウェイトが前記送信ウェイト掛算部28において乗算された後、前記複数の高周波送受信部34を介してそれぞれ対応するアンテナ素子30から質問波Fとして送信される。次に、SS6において、前記複数のアンテナ素子30により受信された受信信号がそれぞれ対応する前記高周波送受信部34を介して前記受信メモリ部36に記憶される。次に、SS7において、SS6にて前記受信メモリ部36に記憶された受信信号がその受信メモリ部36から読み出され、前述したS4にて設定された受信PAAウェイトが前記受信ウェイト掛算部38において乗算されると共に合成される。次に、SS8において、SS7にて合成された合成信号が前記AM復調部40により復調される。次に、SS9において、SS8にて検波された復調波に基づいて前記無線タグ14からの応答が確認された後、上述した図26のタグ検索制御に復帰させられる。以上の制御において、S4、S25、SS1乃至SS5、及びSS7が前記PAAウェイト制御部46の動作に対応する。
【0062】
図28は、前記無線タグ通信装置12によるタグ検索制御の更に別の一例を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図28で示す制御に関して、前述した図24で示す制御と共通するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図28の制御では、先ず、S28において、前記単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその送信指向性を変更する上での基準となる基準方向に対応する角度θが初期値である−30°とされた後、前述したS1以下の処理が実行される。また、前述したS2の処理に続くS29において、送信PAAウェイトがメインローブ方向θ=θ−15°に対応するパターン1に設定される。次に、S30において、受信PAAウェイトがメインローブ方向θ=θ°に対応する所定値に設定される。次に、S31において、前述したS2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号がその送信メモリ部26から順次読み出され、S29にて設定された送信PAAウェイトが前記送信ウェイト掛算部28において乗算された後、前記複数の高周波送受信部34を介してそれぞれ対応するアンテナ素子30から質問波Fとして送信される。次に、S32において、送信中の送信信号に関してコマンド部の所定部分まで送信されたか否かが判断される。このS32の判断が否定される場合には、S31以下の処理が再び実行されるが、S32の判断が肯定される場合には、S33において、送信PAAウェイトがメインローブ方向θ=θ+15°に対応するパターン2に設定される。次に、S34において、前述したS2にて前記送信メモリ部26に記憶された送信信号のうち未だ送信されていない残りの送信信号がその送信メモリ部26から順次読み出され、S33にて設定された送信PAAウェイトが前記送信ウェイト掛算部28において乗算された後、前記複数の高周波送受信部34を介してそれぞれ対応するアンテナ素子30から質問波Fとして送信される。また、前述したS15の処理に続くS35において、前記基準方向に対応する角度θに10が加算される。次に、S36において、前記基準方向に対応する角度θが所定値θlimより大きいか否かが判断される。このS36の判断が否定される場合には、前述したS1以下の処理が再び実行されるが、S36の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、S10、及びS28乃至S36が前記PAAウェイト制御部46の動作に対応する。
【0064】
以上、図28のように基準方向を順次変化させ、更に目的の無線タグ14を検出したらさらに図26、図27のように指向性を鋭くすることにより、目的の無線タグ14の方向を精度良く特定することができる。このとき、図26のように応答タグが単数とならなくとも、αが所定の大きさ(所定の指向性の鋭さ)になったら処理を終了してもよい。また、目的の無線タグ14が検出されるよう、αを大きくする毎に基準方向を所定の範囲内で微調整して常に目的の無線タグ14を補足するようにしてもよい。
【0065】
このように、本実施例によれば、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性を変更する指向性制御部であるPAAウェイト制御部46(S3乃至S8、及びS10)を有することから、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、例えば単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に限定することができる。すなわち、簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現する無線タグ通信装置12を提供することができる。
【0066】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性を、その送信指向性に対応する有効通信範囲が変更前後で一部が重なるように変更するものであるため、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に限定することができる。
【0067】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲が、変更前の送信指向性に対応する有効通信範囲及び変更後の送信指向性に対応する有効通信範囲の和よりも狭くなるように送信指向性を変更するものであるため、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を実用的な態様で定めることができる。
【0068】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲を制御し得るものであるため、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を通信形態に合わせて任意に定めることができる。
【0069】
また、前記質問波Fは、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うためのコマンドを含むコマンド部と、コマンドを含まない非コマンド部とを有するものであるため、一般的な質問波Fを用いた前記無線タグ14との間の情報の通信に関して、簡単な構成にて比較的鋭い通信指向性を実現することができる。
【0070】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記コマンド部の送信開始から送信終了までの間に前記質問波Fの送信指向性を変更するものであるため、前記コマンド部を始めから終わりまで受信した無線タグ14のみから応答波Fが返信されるため、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信可能エリアすなわち有効通信範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0071】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記コマンド部の送信後、前記非コマンド部の送信開始から送信終了までの間に前記質問波Fの送信指向性を変更するものであるため、前記コマンド部を始めから終わりまで受信した上で非コマンド部を電力供給源として受信した無線タグ14のみから応答波Fが返信されるため、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0072】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記コマンド部と非コマンド部とが切り替わる時点において前記質問波Fの送信指向性を変更するものであるため、前記コマンド部を始めから終わりまで受信した上で非コマンド部を電力供給源として受信した無線タグ14のみから応答波Fが返信されるため、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができることに加え、切り換えに伴うノイズなどの悪影響を受けにくい。
【0073】
また、前記PAAウェイト制御部46(S3、S4、S16乃至S19、及びS10)は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から所定時間経過後にその質問波Fの送信指向性を変更するものであるため、前記所定時間を好適に定めることで、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲に実用的な態様で限定することができる。
【0074】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性のメインローブ方向を変更するものであるため、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を実用的な態様で任意に定めることができる。
【0075】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信指向性特性を変更するものであるため、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を実用的な態様で任意に定めることができる。
【0076】
また、前記無線タグ通信装置12は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間にその質問波Fの送信電力を変更するものであるため、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を実用的な態様で任意に定めることができる。
【0077】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間に所定の基準方向を軸として線対称にその質問波Fの送信指向性方向を切り換えるものであるため、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を、所定の方向を基準として実用的な態様で定めることができる。
【0078】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記質問波Fに応じて前記無線タグ14から返信される応答波Fの受信指向性のメインローブ方向を前記基準方向として前記質問波Fの送信指向性方向を切り換えるものであるため、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を、前記無線タグ14からの応答波Fの受信指向性方向を基準として実用的な態様で定めることができる。
【0079】
また、前記PAAウェイト制御部46(S10、S28乃至S36)は、前記無線タグ14との間で情報の通信を行うための単位となる質問波Fの送信開始から送信終了までの間に所定の基準方向を軸として線対称にその質問波Fの送信指向性方向を切り換えるものであり、通信を行う毎にその基準方向を変更するものであるため、単位となる通信における変更前後の送信指向性の重なり合う範囲を、所定の方向を基準として実用的な態様で定めることができると共に、その基準となる方向を順次振ってゆくことで、対象となる無線タグ14の存在する方向を好適に特定できる。
【0080】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記質問波Fに応じて前記無線タグ14から返信される応答波Fの受信開始以降は前記送信指向性のメインローブが前記基準方向となるように前記質問波Fの送信指向性を制御するものであるため、検索している方向に存在する無線タグ14に対して前記送信指向性のメインローブを向けるため、その無線タグ14に好適に電力を供給することができる。
【0081】
また、前記PAAウェイト制御部46は、前記質問波Fに応じて前記無線タグ14から返信される応答波Fの受信開始以降は前記送信指向性のメインローブが単位となる通信において前記送信指向性の変更前後で重なる有効通信範囲と略一致するように質問波Fの送信指向性を制御するものであるため、検索している方向に存在する無線タグ14に対して前記送信指向性のメインローブを向けるため、その無線タグ14に好適に電力を供給することができる。
【0082】
また、前記PAAウェイト制御部46(S4、S25、SS1乃至SS5、及びSS7)は、単位となる通信における変更前後の送信指向性のメインローブの重なり合う範囲が通信を行う毎に狭くなるように制御するものであるため、前記無線タグ14との間の情報通信における実効ある通信指向性の範囲を順次狭めてゆくことで、その無線タグ14の存在する方向を好適に特定できる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0084】
例えば、前述の実施例において、前記送信ウェイト掛算部28、受信ウェイト掛算部38、及びPAAウェイト制御部46等は、それぞれ個別の制御装置として備えられたものであったが、これらの制御機能は、CPU、ROM、RAM等を含んでディジタル信号処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)等に機能的に備えられたものであってもよい。また、これらの制御機能による制御動作は、ディジタル信号処理によるものであるとアナログ信号処理によるものであるとを問わない。
【0085】
また、前述の実施例では、前記送信ウェイト掛算部28に所定の送信PAAウェイトを供給すると共に、前記受信ウェイト掛算部38に所定の受信PAAウェイトを供給する送受信共用のPAAウェイト制御部46が設けられていたが、送信PAAウェイトを設定する送信PAAウェイト制御部と、受信PAAウェイトを設定する受信PAAウェイト制御部とが別々に設けられたものであってもよい。
【0086】
また、前述の実施例では、PAA(Phased Array Antenna)処理により前記無線タグ14との間の通信指向性を制御する態様について説明したが、例えば、AAA(Adaptive Array Antenna)処理等により前記無線タグ14との通信指向性を制御し得る無線タグ通信装置にも本発明は好適に適用されるものである。
【0087】
また、前述の実施例では、前記無線タグ14に向けて送信信号を送信すると共に、その送信信号に応じてその無線タグ14から返信される返信信号を受信するために用いられる送受信共用のアンテナ素子30を備えた無線タグ通信装置12等について説明したが、前記送信信号を送信するための送信アンテナ及び受信信号を受信するための受信アンテナが別々に設けられた無線タグ通信装置にも本発明は好適に適用される。
【0088】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の無線タグ通信装置が好適に用いられる無線タグ通信システムについて説明する図である。
【図2】本発明の一実施例である無線タグ通信装置の構成を説明する図である。
【図3】図2の無線タグ通信装置に備えられた送信ウェイト掛算部の構成を詳しく説明する図である。
【図4】図2の無線タグ通信装置に備えられた高周波送受信部の構成を詳しく説明する図である。
【図5】図2の無線タグ通信装置に備えられた受信ウェイト掛算部の構成を詳しく説明する図である。
【図6】図2の無線タグ通信装置の通信対象である無線タグに備えられた無線タグ回路素子の構成を説明する図である。
【図7】図6の無線タグ回路素子との通信に用いられるコマンドを例示する図である。
【図8】図2の無線タグ通信装置にて作成されるコマンドフレーム構造を詳しく説明する図である。
【図9】図8のコマンドフレームの構成要素である0信号及び1信号について説明する図である。
【図10】図6の無線タグ回路素子からのリプライ信号の作成に用いられる0信号及び1信号について説明する図である。
【図11】図6の無線タグ回路素子に固有のIDを示す信号を例示する図である。
【図12】図6の無線タグ回路素子のメモリ構成を示す図である。
【図13】図6の無線タグ回路素子において「SCROLL ID」コマンドを含む信号が受信された場合に返信される「SCROLL ID Reply」について説明する図である。
【図14】図6のメモリ部に記憶された情報の一部である「LEN」に続く情報が抽出される様子を説明する図である。
【図15】図13の「SCROLL ID Reply」について詳しく説明する図である。
【図16】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部による、単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間における送信指向性の変更について説明する図であり、変更前の送信指向性のメインローブを示している。
【図17】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部による、単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間における送信指向性の変更について説明する図であり、変更後の送信指向性のメインローブを示している。
【図18】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部による、単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間における送信指向性の変更前後でのメインローブの重なりを説明する図であり、その重なりを斜線範囲で示している。
【図19】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部により、図18に示すような送信指向性の変更に対応して定められる、図6の無線タグからの応答波の受信指向性のメインローブの一例を示す図である。
【図20】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部による、単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性のメインローブ方向を変更するのと同時にその送信指向性特性を変更した際の変更前後でのメインローブの重なりを説明する図であり、その重なりを斜線範囲で示している。
【図21】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部による、単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性のメインローブ方向を変更するのと同時にその送信電力を変更した際の変更前後でのメインローブの重なりを説明する図であり、その重なりを斜線範囲で示している。
【図22】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部により単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性を変更した際に、その変化点付近において波形が不連続となっている例を示す図である。
【図23】図2の無線タグ通信装置のPAAウェイト制御部により単位となる質問波の送信開始から送信終了までの間にその質問波の送信指向性を変更した際に、その変化点付近において搬送波の周波数を高めることにより波形が連続となる様子を説明する図である。
【図24】図2の無線タグ通信装置によるタグ検索制御を説明するフローチャートである。
【図25】図2の無線タグ通信装置によるタグ検索制御の他の一例を説明するフローチャートである。
【図26】図2の無線タグ通信装置によるタグ検索制御の更に別の一例を説明するフローチャートである。
【図27】図26のタグ検索制御の一部であるタグとの通信制御について説明するフローチャートである。
【図28】図2の無線タグ通信装置によるタグ検索制御の更に別の一例を説明するフローチャートである。
【図29】図6の無線タグ回路素子に対して送信されるコマンドフレーム、その無線タグにより受信されるリプライフレームと送信される質問波のウェイトの切替タイミングを示した図である。
【符号の説明】
【0090】
12:無線タグ通信装置
14:無線タグ
46:PAAウェイト制御部(指向性制御部)




 

 


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