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原稿搬送装置 - ブラザー工業株式会社
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発明の名称 原稿搬送装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−60085(P2007−60085A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−240922(P2005−240922)
出願日 平成17年8月23日(2005.8.23)
代理人 【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
発明者 岩郷 利隆
要約 課題
ADFにおけるジャム処理作業の簡易化及びジャム処理作業にかかる時間の短縮を実現する。

解決手段
原稿読取台5の上面に配設されたプラテンガラス60を覆うように原稿読取台5に開閉可能に支持された原稿カバー7に設けられたADF6であって、ピンチローラ102,103の軸を、搬送ローラ100,101に対して接離するように上下可動に軸支する軸受部110と、ピンチローラ102,103の下方に上下可動に設けられ、原稿カバー7の底面から突出する突出姿勢と、同底面に没入する没入姿勢とに姿勢変化するバネホルダブラケット106と、バネホルダブラケット106に支持され、突出姿勢の場合にピンチローラ102,103が搬送ローラ100,101から離反し、没入姿勢の場合にピンチローラ102,103が搬送ローラ100,101に圧接するように、ピンチローラ102,103の軸を上方向へ付勢するバネ片108とを設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
原稿読取台の上面に配設されたプラテンガラスを覆うように該原稿読取台に開閉可能に支持されたカバー部材に設けられ、原稿が載置される原稿載置部から原稿が排出される原稿排出部へ搬送路を通じて原稿を搬送する原稿搬送装置であって、
上記搬送路に配設され、原稿をニップして搬送する上下一対の搬送ローラ対と、
上記搬送ローラ対の下側に配置された下側搬送ローラの軸を、該下側搬送ローラが、その上側に配置された上側搬送ローラに対して接離するように、上下可動に支持する軸受部材と、
上記カバー部材の上記下側搬送ローラの下方に上下可動に設けられ、カバー部材の開時にその底面から突出する突出姿勢と、カバー部材の閉時にその底面に没入する没入姿勢とに姿勢変化する出没部材と、
上記出没部材に支持され、該出没部材が突出姿勢の場合に上記下側搬送ローラが上記上側搬送ローラから離反し、出没部材が没入姿勢の場合に下側搬送ローラが上側搬送ローラに圧接するように、下側搬送ローラを上側搬送ローラへ付勢する付勢部材と、を具備してなるものである原稿搬送装置。
【請求項2】
上記カバー部材は、その底面の上記プラテンガラスに対向する位置に開口が形成されたものであり、
上記搬送路は、上記原稿載置部から上記開口を経て上記原稿排出部へ原稿を案内するものであり、
上記搬送ローラ対は、上記開口付近の上記搬送路に配設されて、該開口へ原稿を搬送するもの又は該開口から原稿を搬送するもののいずれか一方又は双方である請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
上記出没部材は、上記原稿読取台の上面であって上記プラテンガラスが設けられていない位置に当接して、上記カバー部材に没入するものである請求項1又は2に記載の原稿搬送装置。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿読取台の上面に配設されたプラテンガラスを覆うように該原稿読取台に開閉可能に支持されたカバー部材に設けられ、原稿が載置される原稿載置部から原稿が排出される原稿排出部へ搬送路を通じて原稿を搬送する原稿搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スキャナ装置、複写機、ファクシミリ装置、或いはこれらの各機能を併有する複合機(多機能装置とも称される)などの画像処理装置に、原稿トレイ(原稿載置部)にセットされた複数枚の原稿を一枚ずつ取り出して搬送路へ給紙し、読取位置を経由して原稿排出トレイへ原稿を自動搬送する原稿搬送装置が備えられたものが広く知られている。以下、本明細書において、上記原稿搬送装置をADF(ADF:Auto Document Feeder)と略称する。以下に、図12を参照して、従来のADF130の概略構成について簡単に説明する。ここに、図12は、従来のADF130の概略構成を示す模式図である。
【0003】
ADF130は、図示するように、大別すると、原稿が載置される原稿トレイ132と、原稿が排出される原稿排出トレイ145と、原稿トレイ132から原稿を取り出して搬送路139へ給紙する給紙部131と、搬送路139に給紙された原稿を読取位置を経由して原稿排出トレイ145へ搬送する原稿搬送部138とを有して構成される。
【0004】
給紙部131は、原稿トレイ132に連続して形成された吸入シュート部133に、吸入ローラ134、吸入ニップ片135、分離ローラ136及び分離ニップ片137が配設されてなる。吸入ローラ134は、吸入シュート部133の下側のガイド面(不図示)に回転可能に配設されている。吸入ローラ134の対向位置となる吸入シュート部133の上側のガイド面(不図示)には、吸入ニップ片135が吸入ローラ134に接離可能に配設されており、不図示のバネ材により付勢されて吸入ローラ134に圧接されている。
【0005】
原稿トレイ132にセットされた原稿は、吸入ニップ片135により吸入ローラ134側へ付勢され、吸入ローラ134と圧接する最下位置の原稿が、吸入ローラ134の回転を受けて給紙方向へ送り出される。
【0006】
分離ローラ136は、吸入ローラ134から給紙方向へ隔てて、吸入シュート部133の下側のガイド面に回転可能に配設されている。分離ローラ136の対向位置となる吸入シュート部133の上側のガイド面には、分離ニップ片137が分離ローラ136に接離可能に配設されており、不図示のバネ材により付勢されて分離ローラ136と圧接している。吸入ローラ134により送り出された原稿は、分離ローラ136と分離ニップ片137によりニップされ、分離ローラ136の回転を受けて給紙方向へ更に送り出される。
【0007】
原稿搬送部138は、吸入シュート部133から下流側に形成され、断面視で略横向き略U字状の搬送路139に、搬送ローラ140と、搬送ローラ140に圧接するピンチローラ141とが配設されてなる。
【0008】
搬送路139に給紙された原稿は、回転駆動される搬送ローラ140と、搬送ローラ140の回転に伴って従動するピンチローラ141とによって狭持され、その状態で搬送ローラ140が回転されるにより搬送される。これにより、原稿が搬送路139に沿って搬送される。原稿の搬送過程において、原稿がガイド部材142に案内されて図示しない開口からプラテンガラス143上へ搬送され、プラテンガラス143の下方に配設されたイメージスキャナ144により、プラテンガラス143上を通過する原稿の画像が読み取られる。読み取り後の原稿は、上記開口から搬送路139に取り込まれ、搬送路139から原稿排出トレイ145へ排出される。
【0009】
上述の如く構成されたADF130では、搬送路139において原稿のジャム(原稿詰まり)が発生すると、原稿は搬送ローラ140とピンチローラ141との圧接によりニップ(狭持)されているため、この圧接を解除しなければ、原稿を損傷させることなく取り出すことができないという問題が生じ得る。
【0010】
このような問題を回避するために、搬送ローラ140及びピンチローラ141を離反する方向へ力を作用させて各ローラ間に働く圧接力を解除する圧接解除部材が知られている。この圧接解除部材としては、例えば、操作されることにより付属のカム部がいずれかのローラ軸に押圧するように設けられたレバー(特許文献1参照)や、先端にピンチローラが設けられた板部材をその略中間位置で揺動自在に支持し、後端を押し操作することにより先端のピンチローラが搬送ローラから離反するように構成されたもの(特許文献2参照)等が提案されている。
【0011】
また、ADF130の上面側を開放するための上面カバーの開動作に連動して、搬送ローラ或いはピンチローラのいずれかを押し下げることにより圧接状態を解除するカム機構(特許文献3参照)、搬送ローラ140を軸支するガイド或いはピンチローラ141を軸支するガイドのいずれか一方のガイドを操作すると、他方のガイドが連動して動作されて、ローラの圧接状態を解除する機構(特許文献4参照)、プラテンガラス143に沿って原稿が搬送されている際にジャムが生じた場合に、原稿カバー(カバー部材)を開位置に回動させ、更に、原稿カバーの底面に旋回自在に設けられた搬送路を開閉するための補助枠体を開位置に回動させると、該補助枠体に連動して圧接状態が解除されるよう構成された原稿搬送装置(特許文献5参照)が提案されている。
【0012】
【特許文献1】特開平5−6123号公報
【特許文献2】特開平5−155463号公報
【特許文献3】実開平5−61153号公報
【特許文献4】実開平7−157132号公報
【特許文献5】特許第3660859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述したように、ADF130は、原稿カバーの底面に設けられた上記開口から原稿を一端排出してプラテンガラス143に沿って移動させ、再びADF130の内部側へ搬送する機構が採用されている。仮に、ADF130に、上記各公知文献に記載の技術が採用されるとしても、上記開口付近で発生した原稿詰まり(ジャム)を解除する作業(ジャム処理作業)を行うには、まず、プラテンガラス143を覆う原稿カバーを開ける操作を行い、次いで、搬送ローラ140とピンチローラ141との圧接を解除する操作を行う必要がある。このように少なくとも2度の操作を行うことにより、上記開口から原稿を引き出すことが可能となる。しかしながら、上述の2度の操作を煩わしく感じる使用者は、原稿カバーの底面に設けられた上記開口付近で原稿詰まりが生じたときに、原稿カバーを開け、圧接解除を行うことなく露出された原稿を無理に引っ張り出そうとする場合がある。この場合、原稿が圧接された状態で引き出されるため、原稿が損傷するおそれがある。また、使用者が圧接解除の操作方法を知らない場合は、迅速なジャム処理を行うことができないという問題もある。
【0014】
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは,ADFにおけるジャム処理が簡易化且つ迅速化された原稿搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明は、原稿読取台の上面に配設されたプラテンガラスを覆うように該原稿読取台に開閉可能に支持されたカバー部材に設けられ、原稿が載置される原稿載置部から原稿が排出される原稿排出部へ搬送路を通じて原稿を搬送する原稿搬送装置であって、上記搬送路に配設され、原稿をニップして搬送する上下一対の搬送ローラ対と、上記搬送ローラ対の下側に配置された下側搬送ローラの軸を、該下側搬送ローラが、その上側に配置された上側搬送ローラに対して接離するように、上下可動に支持する軸受部材と、上記カバー部材の上記下側搬送ローラの下方に上下可動に設けられ、カバー部材の開時にその底面から突出する突出姿勢と、カバー部材の閉時にその底面に没入する没入姿勢とに姿勢変化する出没部材と、上記出没部材に支持され、該出没部材が突出姿勢の場合に上記下側搬送ローラが上記上側搬送ローラから離反し、出没部材が没入姿勢の場合に下側搬送ローラが上側搬送ローラに圧接するように、下側搬送ローラを上側搬送ローラへ付勢する付勢部材と、を具備してなるものである。
【0016】
カバー部材は、原稿読取台に開閉可能に支持される。カバー部材には、原稿搬送装置の出没部材が、カバー部材の開時にその底面から突出する突出姿勢と、カバー部材の閉時にその底面に没入する没入姿勢とに姿勢変化するように設けられている。カバー部材が原稿読取台に対して閉じられると、出没部材は、原稿読取台に当接して没入姿勢になる。出没部材が没入姿勢になれば、出没部材に支持された付勢部材が、下側搬送ローラを上側搬送ローラに圧接するように付勢する。これにより、搬送ローラ対、すなわち上側搬送路ローラと下側搬送ローラとにニップされて原稿が搬送可能になる。カバー部材が原稿読取台に対して開かれると、出没部材は原稿読取台から離反して上下動が可能になる。出没部材は、その自重により又は下側搬送ローラの荷重を受けて突出姿勢になる。出没部材が突出姿勢になれば、出没部材に支持された付勢部材は、下側搬送ローラが上側搬送ローラから離反するように付勢する。下側搬送ローラは、自重により、その軸が軸受部材に対して下方へ移動することにより、上側搬送ローラから離反する。これにより、搬送ローラ対、すなわち上側搬送路ローラと下側搬送ローラとの圧接が解除される。このように、搬送ローラ対は、カバー部材の開閉に連動してニップした状態又はニップが解除された状態になる。
【0017】
(2)上記カバー部材は、その底面の上記プラテンガラスに対向する位置に開口が形成されたものであり、上記搬送路は、上記原稿載置部から上記開口を経て上記原稿排出部へ原稿を案内するものであり、上記搬送ローラ対は、上記開口付近の上記搬送路に配設されて、該開口へ原稿を搬送するもの又は該開口から原稿を搬送するもののいずれか一方又は双方であってもよい。
【0018】
原稿読取台に対してカバー部材が開かれることにより、カバー部材の底面に形成された開口が露出される。また、カバー部材が開かれることにより、前述したように、搬送ローラ対のニップが解除される。したがって、カバー部材が閉じられた状態で搬送ローラ対にニップされていた原稿を、上記開口から引き出すようにして取り除くことができる。これにより、開口付近で生じたジャムを迅速且つ簡易に処理することができる。
【0019】
(3)上記出没部材は、上記原稿読取台の上面であって上記プラテンガラスが設けられていない位置に当接して、上記カバー部材に没入するものであってもよい。
【0020】
出没部材は、カバー部材が閉じられることにより、原稿載置台の上面に当接する。出没部材は、プラテンガラスが設けられていない位置に当接するので、出没部材によりプラテンガラスが傷つけられることがない。これにより、プラテンガラスを介した良好が画像読取りを維持することができる。
【発明の効果】
【0021】
本原稿搬送装置によれば、カバー部材に、出没部材が、その底面から突出する突出姿勢と底面に没入する没入姿勢に姿勢変化するように設けられ、カバー部材が原稿読取台に対して閉じられることにより、出没部材が原稿読取台に当接して没入姿勢になって、該出没部材に支持された付勢部材が、下側搬送ローラを上側搬送ローラに圧接するように付勢し、カバー部材が原稿読取台に対して開かれることにより、出没部材が突出姿勢になって、出没部材に支持された付勢部材が、下側搬送ローラが上側搬送ローラから離反するように付勢することとしたので、搬送ローラ対を、カバー部材の開閉に連動してニップした状態又はニップが解除された状態にすることができる。これにより、搬送ローラ対のニップを解除するための操作を行うことなく、カバー部材を開くのみで、搬送ローラ対がニップしていた原稿のジャム処理を行うことができるので、ジャム処理の簡易化及び迅速化が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るADF6(原稿搬送装置)を備えた複合機1の外観構成を示す全体斜視図である。本複合機1は、下部に配設されたプリンタ部2と、その上部に配設されたスキャナ部3と、スキャナ部3の更に上部に配設された原稿カバー7(カバー部材)と、装置上面の前方に配置された操作パネル9及びスロット部8とを一体的に備えた多機能装置(MFD;Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能及びファクシミリ機能などを有する。
【0023】
本発明に係るADF6は、原稿カバー7と一体に構成されており、複合機1のスキャナ部3に原稿を読み取らせるものとして実現されている。従って、上記プリンタ機能やコピー機能などは本発明において任意の機能であり、例えば、スキャナ機能のみを実現するスキャナ装置単体として本発明に係るADF6が具現化されていてもよい。もちろん、スキャナ装置単体に限られず、例えば、スキャナ部3を備えてなる複写機において、スキャナ部3に原稿を搬送するためのADF6として実現されるものであってもよい。
【0024】
複合機1の上面の前方側に設けられた操作パネル9は、各種操作ボタンや液晶表示部から構成されており、複合機1は、操作パネル9からの指示によって動作するようになっている。また、複合機1は、操作パネル9による指示のほか、コンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指示によっても動作する。
【0025】
また、スロット部8は、記録媒体である各種小型メモリカードの装填を可能とするものであり、複合機1の正面の左上部に設けられている。本複合機1では、スロット部8に装填された小型メモリカードに記録された画像データを読み出してその画像データに関する情報を操作パネル9の液晶表示部に表示させ、任意の画像をプリンタ部3により記録用紙に記録させることができる。このための入力は、操作パネル9から行うことができる。
【0026】
スキャナ部3は、図1に示すように、FBS(Flatbed Scanner)として機能する原稿読取台5に対して、ADF6を備えた原稿カバー7が、背面側の図示しない蝶番を介して開閉可能に取り付けられてなる。図2に原稿カバー7が開けられた状態を示す斜視図を示す。
【0027】
原稿読取台5は、複合機1の筐体であり、装置上面の一部を構成している。また、原稿カバー7も、装置の上面の一部を構成するものである。図2に示すように、原稿カバー7と対向する上面にはプラテンガラス60が配設されている。図1に示すように原稿カバー7が閉じられた状態で、プラテンガラス60は原稿カバー7により覆われる。この状態で、原稿カバー7が装置上面の一部となる。
【0028】
原稿カバー7の底面、すなわち、プラテンガラス60と対向する面には、図2に示すように、プラテンガラス60に載置された原稿を押さえるために、スポンジ及び板部材などからなる原稿押さえ部材62が配設されている。原稿押さえ部材62は、原稿から安定した反射光を得るために、全域に亘って白色などの単一色とされている。
【0029】
原稿カバー7の底面の端部には、ADF6による原稿の読み取りの際に、原稿を後述する搬送路82(図4及び図5参照)からプラテンガラス60の所定の読取面上に露出させ、読み取り後に原稿を再び搬送路82に戻すための原稿搬送用開口59が形成されている。従って、原稿搬送用開口59は、搬送路82の一部をコンタクトガラス60に対して露出されている。なお、図2には原稿カバー7を開けられた状態の複合機1全体が示されているが、その細部を図示することが困難である。従って、図2においては、後述するバネホルダブラケット106,107や開口114,115は省略されている。
【0030】
プラテンガラス60は、スキャナ部3をFBSとして使用する場合に原稿を載置するものであり、例えば無色透明なガラス板である。もちろん、無色透明の部材であれば、ガラス製であることに限られない。透明プラスチックなどの樹脂で成形されたものを用いることも可能である。
【0031】
また、プラテンガラス60には、その上面に、基準板58が設けられている。この基準板58は、スキャナ部3がFBSとして用いられる場合に原稿が載置される位置を決めるためのものである。基準板58は、正面から見てプラテンガラス60の奥行き方向(主走査方向)に延設された長尺の平板状の部材である。基準板58の上面には、中央位置やA4サイズ、B5サイズ等の各種原稿サイズの両端位置を示す表示が記されている。
【0032】
プラテンガラス60の一端側は、搬送ローラ100の下方付近にまで至っている。基準板58は、プラテンガラス60の一端から所定幅だけ隔てて配置されている。この所定幅だけ隔てられた間隔が、ADF読み取りの際の読取面84を構成する。
【0033】
図3に示すように、原稿読取台5の内部には、プラテンガラス60に対向するようにして、画像読取ユニット61が内蔵されている。ここに、図3はプラテンガラス60の上方から見た原稿読取台5の平面図である。なお、説明の便宜上、図中において、原稿カバー7を省略している。
【0034】
ここで、図3を参照しつつ、原稿読取台5の内部構成について説明する。原稿読取台5の筐体の下フレーム63内には、画像読取ユニット61が配設されている。中央にプラテンガラス60を露出するための開口が形成された上カバー71(図4及び図5参照)が下フレーム63に嵌合されて、原稿読取台5の筐体が構成される。下フレーム63及び上カバー71は共に合成樹脂製のものである。下フレーム63は、底板を構成するベース部64と、ベース部64の周囲から起立した側壁65と、画像読取ユニット61が配設される部分と操作パネル9の基板等が配設される部分とを仕切る仕切板66とが一体的に成形されたものである。なお、下フレーム63には、さらに、プラテンガラス60を支持するための支持リブや、各種部材をネジ止めするためのボス部、電気配線等のための貫通孔等が設けられているが、これらは原稿読取台5の実施態様に応じて適宜設計されるものなので、詳細な説明は省略する。
【0035】
画像読取ユニット61は、コンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor)67、キャリッジ68、ガイドシャフト69、及びベルト駆動機構70から構成されている。コンタクトイメージセンサ67は、光源を発光させて原稿に光を照射し、原稿からの反射光をレンズにより光電変換素子に導き、光電変換素子が反射光強度に応じた電気信号を出力するいわゆる密着型のイメージセンサである。コンタクトイメージセンサ67は、キャリッジ68に搭載されて、プラテンガラス60の下方を往復移動される。キャリッジ68は、下フレーム63の幅方向に渡って架設されたガイドシャフト69と嵌合し、ベルト駆動機構70により駆動されて、ガイドシャフト69上を摺動するように移動される。キャリッジ68が、コンタクトイメージセンサ67をプラテンガラス60に密着させるように搭載してガイドシャフト69上を移動されることにより、コンタクトイメージセンサ67がプラテンガラス60と平行に移動される。
【0036】
スキャナ部3をFBSとして使用する場合は、原稿カバー7を開いてプラテンガラス60上に原稿を載置し、原稿カバー7を閉じて該原稿をプラテンガラス60上に固定する。この状態で、操作パネル9等から読取指示が入力されると、画像読取ユニット61がプラテンガラス60に沿って走査され、プラテンガラス60に載置された原稿の画像が、画像読取ユニット61により下方側から上記プラテンガラス60を介して読み取られる。これにより、FBSによる原稿の画像読み取りが行われる。
【0037】
なお、本実施の形態では、コンタクトイメージセンサ67を含んで構成される画像読取ユニット61を適用する例について説明するが、例えば、CCD(Charge Coupled Device,電荷結合素子)或いはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor,相補型金属酸化膜半導体)等のイメージセンサから構成されてなる画像読取ユニットを適用することも可能である。
【0038】
また、本実施の形態では、スキャナ部3がFBSとしても用いられるものであるから、画像読取ユニット61はプラテンガラス60に沿って走査可能なものとしているが、FBSは任意の機能であり、スキャナ部3を本発明のADF6のみで画像読取りを行うものとして実現する場合には、画像読取ユニット61は読取面84の下方に据え置けばよく、走査機構は不要である。
【0039】
以下、原稿カバー7及びADF6の構成について詳述する。図1に示すように、原稿カバー7には、原稿が載置される原稿トレイ81(原稿載置部)から所定の搬送路82(図4及び図5参照)を経て原稿排出トレイ83(原稿排出部)へ原稿を自動的に連続搬送するADF6が備えられている。ADF6による搬送過程において、原稿が読取面84を通過し、該読取面84の下方において画像読取ユニット61が該原稿の画像を読み取るようになっている。
【0040】
原稿カバー7の上側には、原稿トレイ81及び原稿排出トレイ83が上下二段に設けられている。具体的には、原稿トレイ81の上方に原稿排出トレイ83が配設されている。原稿トレイ81は、原稿カバー7の上面と一体に形成されている。ADF6により画像読み取りが行われる原稿は、複数枚が積層された状態で、給紙方向の先端をADF6に挿入するようにして、原稿トレイ81上に載置される。
【0041】
原稿トレイ81には、複合機1の奥行き方向に隔てて一対の原稿ガイド85が、奥行き方向へスライド移動可能に設けられている。原稿ガイド85は、原稿トレイ81から起立して、原稿トレイ81に載置される原稿の幅方向の位置を規制するものである。一対の原稿ガイド85は、周知の連動機構により、いずれか一方の原稿ガイド85をスライド移動させると、他方の原稿ガイド85も連動して相反する方向へスライド移動する。
【0042】
原稿幅が狭い場合には、複合機1の正面側の一方の原稿ガイド85を背面側へスライド移動させると、これに連動して、背面側の他方の原稿ガイド85は正面側へスライド移動する。これにより、奥行き方向の略中央を中心として、一対の原稿ガイド85により規制される原稿幅を狭くすることができる。原稿幅が広い場合には、複合機1の正面側の一方の原稿ガイド85を正面側へスライド移動させると、これに連動して、背面側の他方の原稿ガイド85は背面側へスライド移動して、一対の原稿ガイド85により規制される原稿幅を広くすることができる。
【0043】
一対の原稿ガイド85には、原稿トレイ81と上下方向に隔てて原稿排出トレイ83がそれぞれ一体的に形成されている。ADF6から排紙された原稿は、その両側を原稿排出トレイ83に担持されて、原稿トレイ81上の原稿と分離した状態で保持される。原稿排出トレイ83は、排紙方向の長さが原稿の長さより短いので、原稿の排紙方向先端側は、原稿排出トレイ83から垂れ下がるようにして、原稿トレイ81上に保持される。したがって、原稿トレイ81上の原稿の給紙方向後端部分の上に、原稿排出トレイ83上の原稿の排紙方向先端部分が重なる。しかし、原稿トレイ81上の原稿の給紙方向先端部分と、原稿排出トレイ83上の原稿の排紙方向後端部分とは、原稿排出トレイ83により上下二段に保持されているので、読み取り前の原稿と読み取り後の原稿とが混同することはない。原稿排出トレイ83を短くすることにより、原稿カバー7上に必要な空間を小さくして、複合機1を薄型且つ小型にすることができる。
【0044】
図1に示すように、原稿トレイ81のADF6が設けられていない側の端部には、原稿ストッパ86が設けられている。原稿ストッパ86は、原稿トレイ81の上面から起立する起立姿勢と、原稿トレイ81の上面と一体に倒伏する倒伏姿勢とに姿勢変化する。原稿ストッパ86を起立姿勢とすることにより、例えば、原稿トレイ81と同程度の大きさの原稿がADF6から排出された際に、原稿が原稿ストッパ86により制止される。これにより、ADF6から排出された原稿が原稿カバー7から滑り落ちることが防止される。排出された原稿を原稿ストッパ86で受け止めることにより、原稿トレイ81、即ち原稿カバー7の面積を小さくすることができ、装置の小型化が実現される。また、原稿ストッパ86が不要な場合には倒伏姿勢とすることにより、原稿ストッパ86が原稿カバー7から突出せず、梱包時や保管時の複合機1のサイズをコンパクトにできる。
【0045】
続いて、図4及び図5を用いてADF6の内部構造について詳細に説明する。図4は原稿カバー7が閉じられたときのADF6の内部構造を示す断面図、図5は原稿カバー7が開けられたときのADF6の内部構造を示す断面図である。
【0046】
図示するように、ADF6の内部には、原稿トレイ81と原稿トレイ81の上方に配設された原稿排出トレイ83とを連結するようにして、搬送路82が設けられている。原稿トレイ81に載置された原稿は搬送路82を通って原稿排出トレイ83へ向けてUターン搬送される。搬送路82は、原稿カバー7に一体に形成されたADF本体87と、原稿排出トレイ83の下側から下方へ延びるよう形成されたガイドリブ80及び原稿排出トレイ83に一体的に形成された搬送ガイド面を構成するガイド板79とによって構成されている。また、ADF本体87には上方向へ開閉可能に設けられたADFカバー88(図1参照)が設けられている。
【0047】
ADF6の吸入シュート部89は、原稿トレイ81の原稿載置面が延長されるように形成されている。吸入シュート部89は、ADF本体87と一体的に形成されたガイド板90とガイドリブ80とをガイド面として、上下に所定幅の通路として構成されている。ADF6により画像読取りが行われる原稿は、給紙方向の先端を吸入シュート部89に挿入するようにして、原稿トレイ81上に載置される。
【0048】
ADF6の排紙シュート部93は、搬送路82から連続するようにして、搬送路82の給紙方向下流側の端部に形成されている。排紙シュート部93はADF本体87、ガイド板79等により、所定幅の通路として連続的に形成されている。
【0049】
搬送路82は、吸入シュート部89から、原稿搬送用開口59及び湾曲部92を経て、排紙シュート部93へ横向き略U字形状に形成されている。原稿トレイ81に載置された原稿は、吸入シュート部89に案内されて、原稿搬送用開口59を通って、湾曲部92へ給送され、排紙シュート部93から原稿排出トレイ83へ排紙される。すなわち、上記原稿トレイ81から搬送路82を通って原稿排出トレイ83へUターン搬送される。
【0050】
なお、本実施の形態では、原稿トレイ81の上方に配設された原稿排出トレイ83へ原稿を搬送する例について説明するが、原稿トレイ81と原稿排出トレイ83の配設位置は適宜変更することが可能である。例えば、原稿トレイ81の下方に原稿排出トレイ83が配設された構成において、上方の原稿トレイ81から下方の原稿排出トレイ83へ搬送路82を通って原稿が搬送される実施例にも本発明は適用可能である。
【0051】
搬送路82には、吸入シュート部89から給紙方向への原稿の給紙を実現するために、吸入ローラ94とこれに圧接する吸入ニップ片95、分離ローラ96とこれに圧接する分離ニップ片97が配設されている。また、搬送路82から原稿排出トレイ83へ原稿を排出するための排出ローラ98とこれに圧接するピンチローラ99が配設されている。更にまた、図示しないモータによって積極的に駆動される2つの搬送ローラ100,101(上側搬送ローラ)とこれらに圧接する2つのピンチローラ102、103(下側搬送ローラ)が配設されている。上記ピンチローラ102、103は上記搬送ローラ100,101よりも下方側に配設されており、これらにより、原稿をニップして搬送する上下一対の搬送ローラ対104,105が構成される。なお、上述の排出ローラ98、ピンチローラ99、吸入ローラ94、吸入ニップ片95、分離ローラ96、分離ニップ片97の構成は一例であって、例えば、ローラの数や配置を変更したり、各ニップ片に代えてピンチローラを用いたり、或いは各ピンチローラに代えてニップ片を用いるなど、その他の公知の搬送手法を適用することは勿論可能である。また、搬送ローラ対の数や配置の変更も適宜可能であることは勿論である。
【0052】
吸入ローラ94は、吸入シュート部89の略中央に、そのローラ面の一部をガイド板90の上面から露出するようにして回転可能に設けられている。同様に、分離ローラ96は、吸入ローラ94から給紙方向へ隔てた位置に、そのローラ面の一部をガイド板90の上面から露出するようにして回転可能に設けられている。吸入ローラ94及び分離ローラ96は、図示しないモータからの駆動力が伝達されて、回転駆動されるようになっている。吸入ローラ94及び分離ローラ96は同径であり、同じ周速度で回転される。吸入ローラ94への駆動伝達においては1周クラッチが介設されており、吸入ローラ94は1周分の空転が可能となっている。
【0053】
吸入ニップ片95は、ガイドリブ80の吸入ローラ94の対向位置に、吸入ローラ94と接離する方向へ揺動可能に設けられている。吸入ニップ片95は、吸入ローラ94の軸方向のローラ幅より若干狭い幅のパッド状のものである。吸入ニップ片95が、その給紙方向上流側の両側を回動軸としてガイドリブ80に軸支されることにより、給紙方向下流側の端部が吸入ローラ94のローラ面に接触可能に進退する。吸入ニップ片95は、バネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で常時吸入ローラ94に圧接されている。なお、パッド状の吸入ニップ片95に代えてローラを用いてもよいが、パッド状の当接部材とすることにより、当接部材を簡易且つ省スペースで実現することができ、また、当接部材に付与する弾性付勢力の調整が容易である。
【0054】
分離ニップ片97は、ガイドリブ80の分離ローラ96の対向位置に、分離ローラ96と接離する方向へ揺動可能に設けられている。分離ニップ片97は、分離ローラ96の軸方向のローラ幅より若干狭い幅のパッド状のものである。分離ニップ片96は、その給紙方向上流側を回動軸として、給紙方向下流側の端部が分離ローラ96のローラ面に接触可能に進退する。分離ニップ片97は、バネ部材により下方へ弾性付勢されており、原稿をニップしない状態で常時分離ローラ96のローラ面に圧接されている。なお、パッド状の分離ニップ片97に代えてローラを分離ローラ96に当接させることとしてもよいが、パッド状の当接部材とすることにより、当接部材を簡易且つ省スペースで実現することができ、また、当接部材に付与する弾性付勢力の調整が容易である。
【0055】
排出ローラ98とこれに圧接するピンチローラ99は、搬送路82の排紙シュート部93側に配設されている。排出ローラ98は吸入ローラ94及び分離ローラ96と同様に、図示しないモータからの駆動力が伝達されて回転駆動される。排出ローラ98は湾曲部92付近に設けられたガイド板79で軸支され、ピンチローラ99は排出ローラ98と対向する位置でADFカバー88に軸支されている。ADFカバー88は、ADF本体87に開閉可能に設けられいる。ADFカバー88が開けられると排出ローラ98とピンチローラ99との圧接が解除される。また、ADFカバー88と排出ローラ98とが大きく離間され、排紙シュート93が開放される。これにより、排紙シュート98において発生した原稿詰まり(ジャム)を解消したり、排出ローラ98やピンチローラ99等の内部機構のメンテナンスを行うことが可能となる。
【0056】
搬送ローラ100とピンチローラ102からなる搬送ローラ対104は、搬送路82に設けられた原稿搬送用開口59の給紙方向下流側の湾曲部92に配設されいる。搬送ローラ100はガイド板79に回転可能に軸支されている。また、ピンチローラ102はその下方に設けられたバネホルダブラケット106(出没部材)と、バネホルダブラケット106に支持されたバネ片108(付勢部材)とによって、その軸116が支持されている。一方、搬送ローラ101とピンチローラ103からなる搬送ローラ対105は、原稿搬送用開口59の給紙方向上流側であって、分離ローラ96に至るまでの搬送路82に配設されている。搬送ローラ101はガイドリブ80に回転可能に軸支されている。また、ピンチローラ103はその下方に設けられたバネホルダブラケット107(出没部材)と、バネホルダブラケット107に支持されたバネ片109(付勢部材)とによって、その軸117が支持されている。搬送ローラ100,101も、吸入ローラ94及び分離ローラ96と同様に、図示しないモータからの駆動力が伝達されて回転駆動される。ピンチローラ102,103の支持構造については後述する。
【0057】
バネホルダブラケット106,107はADF本体87に上下可動に支持されている。バネホルダブラケット106,107の下方に位置する原稿カバー7の底面には、開口114,115が形成されている。バネホルダブラケット106,107は、原稿カバー7が開けられたときに開口114,115から突出し、原稿カバー7が閉じられたときに原稿読取台5の上面とバネホルダブラケット106,107の底面とが当接することにより開口114,115に没入する。すなわち、バネホルダブラケット106,107は、原稿カバー7の開時にその底面から突出する突出姿勢と原稿カバー7の閉時にその底面に没入する没入姿勢とに姿勢変化する。バネホルダブラケット106,107の支持構造については後述する。
【0058】
原稿カバー7が閉じられたときに、バネホルダブラケット106、107の底面が原稿読取台5の上面と当接すると、原稿読取台5の上面に配設されたプラテンガラス60が損傷するおそれがある。そのため、本実施の形態では、搬送ローラ対104とバネホルダブラケット106は原稿読取台5の上面枠を覆う上カバー71(図4及び図5参照)に当接する位置に配設されている。また、搬送ローラ対105とバネホルダブラケット107はプラテンガラス60に貼り付けられた基準板58に当接する位置に配設されている。要するに、上記バネホルダブラケット106、107が原稿読取台5の上面のプラテンガラス60が設けられていない位置に当接するように配設されている。これにより、バネホルダブラケット106,107の当接によりプラテンガラス60が傷つけられることがないため、プラテンガラス60を介してFBS読取する際にも、良好な画像を取得することができる。
【0059】
ここで、図6から図11を参照しながら、ピンチローラ102及びバネホルダブラケット106の支持構造について詳細に説明する。ここに、図6は図4の矢視Pから見た搬送ローラ対104を示す図、図7は図6のA−A線断面図、図8は図7のB−B線断面図である。また、図9は図5の矢視Qから見た搬送ローラ対104を示す図、図10は図9のC−C線断面図、図11は図10のD−D線断面図である。なお、ピンチローラ103の支持構造はピンチローラ102のものと相違しないため、ここでの説明は省略する。
【0060】
図8及び図11に示すように、ADF6には、同径に形成された4つの搬送ローラ100がその軸方向に同軸上となるように一つの軸119で連結されている。これら4つの搬送ローラ100が軸119で連結されることによって搬送ローラ組立体120が構成される。搬送ローラ組立体120の軸119はガイド板79で軸支されている。軸119の一端にはプーリ121が装着されている。このプーリ121と図示しないモータの出力軸とに無端ベルトが巻回されており、該モータが回転駆動されることにより、無端ベルトを介して回転駆動力がプーリ121に伝達され、搬送ローラ組立体120が回転される。
【0061】
ローラ組立体120の各搬送ローラ100の下方には、同径に形成された4つのピンチローラ102がその軸方向に同軸上に一列に配列されている(図8及び図11参照)。4つピンチローラは4つの搬送ローラ100それぞれと対向するように配置されている。4つのピンチローラ102のうち、2つが一組となって一つの軸116で連結されることにより2組のピンチローラ組立体113が構成されている。すなわち、2組のピンチローラ組立体113が軸方向に同軸上に一列に配列されている。ピンチローラ組立体113の各ピンチローラ102の間には所定の間隔が設けられている。なお、本実施の形態では2つのピンチローラ102から構成されるピンチローラ組立体113を例示して説明するが、かかるピンチローラ組立体113に限られず、種々の変形例を適用することも可能である。例えば、4つのピンチローラ102が一組となって一つの軸で連結されたピンチローラ組立体などが考えられる。
【0062】
搬送ローラ対104付近の搬送路82の下側ガイド面を構成するADF本体87には、該下側ガイド面の下方へ向けて軸受部110(軸受部材)が突設されている(図8及び図11参照)。軸受部110は、ピンチローラ組立体113の軸116を吊り下げた状態でピンチローラ102を回転可能に軸支するためのものであり、2組のピンチローラ組立体113の軸116を軸支するべく4つ設けられている。軸受部110は断面視で略コの字状の凹部118が形成されている。凹部118の陥没部は、軸方向から見て上下方向に長尺形状に形成されている。また、凹部118の陥没部は、軸118の挿脱が可能なように、軸118の軸径に所定の公差を加えた幅長さに形成されている。このように構成された軸受部110にピンチローラ組立体113が軸支されている。これにより、ピンチローラ102が上下可動に支持される。
【0063】
ピンチローラ組立体113の可動ストロークは、ピンチローラ102が搬送ローラ100から離反する離反位置と、ピンチローラ102が搬送ローラ100に圧接する圧接位置との間でピンチローラ組立体113が上下可動な範囲を要する。そのため、軸受部110の凹部118の上下方向の長さは、軸受部110の凹部118の最下端でピンチローラ組立体が支持されたときに、ピンチローラ102が搬送ローラ100から離反し、ピンチローラ組立体113が上方向へ持ち上げられたときにピンチローラ102が搬送ローラ100に圧接することが可能なように適宜設定される。
【0064】
2組のピンチローラ対113の軸方向の外側に設けられた軸受部110の更に外側には、一対のブラケット支持部111が突設されている。ブラケット支持部111は、軸受部110と同じように、上記下側ガイド面から下方へ向けて突設されている。一対のブラケット支持部111は、バネホルダブラケット106を吊り下げるようにして上下可動に支持するためのものである。ブラケット支持部111の先端は、断面視で略内向き鉤状に形成されている。
【0065】
バネホルダブラケット106は、ブラケット支持部111の鉤状の先端に掛止される掛止片122と、原稿読取台5の上カバー71に当接する底面を含む底板123と、バネ片108を伸縮自在に収容するバネホルダ112とを備えてなる。底板123は、ピンチローラ組立体113の軸方向に長い平板部材からなり、その長手方向の両端部に掛止片122が形成され、底板123の上側面にバネホルダ112が形成されている。掛止片122は、その先端が断面視で略外向き鉤状に形成されており、これにより、掛止片122の先端がブラケット支持部111の先端で掛止されるようになっている。掛止片122の先端がブラケット支持部111の先端に掛止されると、バネホルダブラケット106が一対のブラケット支持部111に吊り下げられるようにして支持される。
【0066】
バネホルダブラケット106が一対のブラケット支持部111に支持された状態、すなわち、掛止片122の先端がブラケット支持部111の先端に掛止された状態(図11に示す状態)では、バネホルダブラケット106の下方への移動が制限される。この状態で、バネホルダブラケット106が底板123の底面から上方へ持ち上げられると、掛止片122の先端とブラケット支持部111の先端との掛止が解除され、バネホルダブラケット106は上方向へ移動する。バネホルダブラケット106の上方向への移動は、その先端が搬送路82の下側ガイド面を構成するADF本体87に当接するまで可能である。すなわち、バネホルダブラケット106は、一対のブラケット支持部111によって、上下可動に支持されている。
【0067】
バネホルダブラケット106の上下方向の可動ストロークは、掛止片122の先端がブラケット支持部111の先端に掛止されることにより、バネホルダブラケット106がブラケット支持部111に吊り下げられた場合に、原稿カバー7の底面に形成された開口114からバネホルダブラケット106の底板123の底面が突出され、バネホルダブラケット106が底板123の底面から上方へ押圧されることで開口114内に没入される範囲である。このような可動ストロークで上下動することにより、バネホルダブラケット106が原稿カバー7の底面から突出する突出姿勢と、原稿カバー7の底面に没入する没入姿勢とに姿勢変化する。
【0068】
バネホルダブラケット106の底板123の上面には、バネホルダ112が形成されている。バネホルダ112は、底板123の上面において、ピンチローラ102間で露出された軸116に対向する位置に形成されている。バネホルダ112は、断面視で上側が開口された筒形状をしている。バネ片108はその下端がバネホルダ112に収容されることでバネホルダブラケット106で支持される。バネ片108は、搬送ローラ100とピンチローラ101とを圧接するために、ピンチローラ組立体113を上方向へ付勢するためのものである。バネ片108としては、コイルバネ、板バネ、皿バネなど種々のものを用いることができる。そのため、バネホルダ112は収容されるバネ片108に応じてその形状が適宜定められる。
【0069】
バネ片108は、バネホルダブラケット106が上記没入姿勢のときに、ピンチローラ102を搬送ローラ100へ圧接させ、バネホルダブラケット106が上記突出姿勢のときにピンチローラ102と搬送ローラ100との圧接を解除させ得るように伸縮するものが採用されている。すなわちバネ片108は、上述の如く伸縮するように、そのバネ係数が適宜決定される。このように決定されたバネ定数を有するバネ片であればいかなるものであっても適用可能である。もちろん、上記バネ定数を有するものであれば、バネ片に限られることはなく、種々の弾性部材を用いることが可能である。
【0070】
具体的には、突出姿勢から没入姿勢に変化したときにバネホルダブラケット106が上方向へ移動した距離だけ圧縮されることによりバネ片108の付勢力が増大し、この増大した付勢力によりピンチローラ組立体113の自重に抗してピンチローラ組立体113を上方向へ移動させ、ピンチローラ102と搬送ローラ100との間に十分な圧接力を生じさせ得るように伸縮するものが採用される。没入姿勢から突出姿勢に変化したときは、バネホルダブラケット106が下方向へ移動した距離だけ伸長されることによりバネ片108の付勢力が低下する。このとき、ピンチローラ組立体113の自重がバネ片108の付勢力に押し勝って、ピンチローラ組立体113が下方へ移動する。その結果、ピンチローラ102と搬送ローラ100との圧接が解除される。この場合、図11に示すように、ピンチローラ113の軸116は軸受部110の凹部118の下端で支持される。なお、本実施の形態では、突出姿勢時に、ピンチローラ113の軸116が軸受部110の凹部118の下端で支持される形態を例示するが、ピンチローラ102と搬送ローラ100との圧接が解除されれば、ピンチローラ組立体113がバネ片108の付勢力だけにより支持される構成であってもかまわない。
【0071】
以下、上述の如く構成されたADF6において、バネホルダブラケット106、107の姿勢変化に伴うピンチローラ102,103の状態変化について説明する。ADF6による画像読取の際は、原稿カバー7は原稿読取台5に対して閉じられる。原稿カバー7が閉じられると、バネホルダブラケット106、107の底面が原稿読取台5の上面に当接して上方へ押し上げられる。これにより、バネホルダブラケット106、107が原稿カバー7の底面から突出する突出状態から該底面に没入する没入姿勢へ姿勢変化される。このとき、バネホルダブラケット106、107のバネホルダ112に収容されていたバネ片108が圧縮されることにより、バネ片108の付勢力が増大する。この増大した付勢力はピンチローラ組立体113の自重に抗して軸116を押し上げる方向へ作用する。これにより、ピンチローラ102が搬送ローラ100へ圧接される。すなわち、原稿が、搬送ローラ100,102とピンチローラ103,104とにより構成される搬送ローラ対104によってニップされて搬送可能な状態となる。
【0072】
この状態で、ADF6による原稿の読み取りを行う場合は、一枚或いは複数枚からなる原稿を重ねて、その一端を原稿トレイ81から吸入シュート部89に挿入する。吸入シュート部29に挿入された原稿は、吸入ローラ94及び吸入ニップ片95に当接され、吸入ローラ34の空転により、原稿が更に吸入シュート部89の奥部へ挿入される。その後、原稿は、その先端が、分離ローラ96及び分離ニップ片97に当接される。このとき、操作パネル7から原稿の画像読取り開始指示が入力されると、図示しない制御部によりモータが駆動されて、分離ローラ36にモータの回転力が入力され、原稿が一枚ずつ順次搬送路82へ送り込まれる。
【0073】
このようにして給送された原稿は、搬送路82に案内されて読取面84へ向かって下方へ搬送される。すなわち、原稿は、分離ローラ96の直下流側に配設された搬送ローラ対105によってニップされ、その回転力を受けて読取面84へ搬送される。読取面84において画像読取ユニット61により原稿が読み取られ、その原稿が更に先に搬送されると、原稿の先端側が、読取面84の直下流に位置する搬送ローラ対104によりニップされ、その回転力を受けて、湾曲部92に沿って反転するようにしてUターン搬送される。この間も、画像読取ユニット61は、読取面84上を通過する原稿の画像を読み取る。そして、原稿の後端が読取面84に到達し、原稿の後端が読取面84を通過すれば、画像読取ユニット61による画像読取りが終了され、その後、排出ローラ98とピンチローラ99とにより排紙シュート部93から排紙トレイ83へ原稿が排出される。
【0074】
上述の如く原稿が搬送される過程において、原稿詰まり等によりジャムが生じることがある。原稿の先端が湾曲部92より下流側に達したときにジャムが生じた場合は、ADFカバー88を図5に示すように開けて、排紙シュート93や湾曲部92を開放することにより、容易にジャム処理を行うことができる。しかしながら、原稿の先端が湾曲部92に到達するまでにジャムが生じた場合は、ADFカバー88を開けたとしても、原稿を取り出すことはできない。特に、原稿搬送用開口59に原稿が露出されている状態でジャムが生じたときのジャム処理は容易ではない。
【0075】
このような場合において、本ADF6では、原稿カバー7を開けるという単純な操作だけで、原稿搬送用開口59から原稿を損傷させることなく容易に取り出すことができる。すなわち、図5に示すように、原稿カバー7が原稿読取台5に対して開けられると、バネホルダブラケット106、107の底面が原稿読取台5から離反して、バネホルダブラケット106、107の下方への移動が可能となる。つまり、バネホルダブラケット106、107の上下動が可能な状態となる。このとき、バネホルダブラケット106、107はその自重により、又は、ピンチローラ組立体113の荷重を受けて下方へ移動されて、突出姿勢へ変化される。このとき、バネホルダブラケット106のバネホルダ112に収容されていたバネ片108が伸長されて、バネ片108の付勢力が低下して、突出姿勢への変化が後押しされる。その際、ピンチローラ組立体113の自重がバネ片108の付勢力に打ち勝つことにより、ピンチローラ組立体113が下方へ移動される。これにより、ピンチローラ102、103と搬送ローラ100、101との圧接が解除される。すなわち、搬送ローラ100、101とピンチローラ102、103とにより構成される搬送ローラ対104、105による原稿のニップ可能状態が解除された状態となる。
【0076】
このように、ADF6の搬送ローラ対104、105は、原稿カバー7の開閉に連動して、原稿のニップ可能な状態と原稿のニップ可能状態が解除された状態とに変化される。従来は、ジャム処理をするに当たって、原稿カバー7を開ける操作に加え、ニップを解除する操作を行う必要があった。ニップ解除の操作が煩わしく、或いはニップの解除方法を知らないため、原稿がニップされた状態のまま無理に原稿を取り出そうとすることにより、原稿が損傷することがあった。しかし、本ADF6によれば、原稿カバー7を開けるという簡易な操作を行うことにより、ニップ解除の操作を知らない使用者でも、搬送ローラ対104、105によるニップが自動的に解除されるため、原稿搬送用開口59から或いは吸入シュート89から容易に原稿を取り出すことが可能となる。
【0077】
なお、上記実施の形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るADF6を備えた複合機1の外観構成を示す全体斜視図である。
【図2】図2は、原稿カバー7が開けられた状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、プラテンガラス60の上方から見た原稿読取台5の平面図である。
【図4】図4は、原稿カバー7が閉じられたときのADF6の内部構造を示す断面図である。
【図5】図5は、原稿カバー7が開けられたときのADF6の内部構造を示す断面図である。
【図6】図6は、図4の矢視Pから見た搬送ローラ対104を示す図である。
【図7】図7は、図6のA−A線断面図である。
【図8】図8は、図7のB−B線断面図である。
【図9】図9は、図5の矢視Qから見た搬送ローラ対104を示す図である。
【図10】図10は、図9のC−C線断面図である。
【図11】図11は、図10のD−D線断面図である。
【図12】図12は、従来のADF130の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0079】
1・・・複合機
2・・・プリンタ部
3・・・スキャナ部
5・・・原稿読取台
6・・・ADF(原稿搬送装置)
7・・・原稿カバー
9・・・操作パネル
60・・・プラテンガラス
61・・・画像読取ユニット
12・・・軸
67・・・コンタクトイメージセンサ
81・・・原稿トレイ(原稿載置部)
82・・・搬送路
83・・・原稿排出トレイ(原稿排出部)
100,101・・・搬送ローラ(上側搬送ローラ)
102,103・・・ピンチローラ(下側搬送ローラ)
104、105・・・搬送ローラ対




 

 


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