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発明の名称 印刷システム及び印刷装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−11808(P2007−11808A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193164(P2005−193164)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫
発明者 橋本 直樹
要約 課題
印刷装置毎に固有の印刷制御条件に対応するための面倒な印刷制御データ入力が不要であり、かつ、ホストコンピュータ側で用意すべき印刷制御データを過度に拡張せずとも、印刷条件変更の自由度を十分に確保することができる印刷装置を提供する。

解決手段
印刷装置2は、通信経路5及び受信インターフェース28(一次印刷制御データ受信手段)を介して一次印刷制御データ48を送信元装置4から受信する。そして、印刷制御データ変換手段の機能を実現するROM22内のフィルタ処理プログラム44により、受信した一次印刷制御データ48を、印刷装置2に固有の二次印刷制御データ50に変換し、その変換により得られた二次印刷制御データ50に基づいて、印字部(印刷処理部)27にて印刷処理を行なう。
特許請求の範囲
【請求項1】
印刷処理の制御条件を特定する印刷制御データの送信元となる送信元装置と、前記送信元装置から受信した前記印刷制御データに基づいて印刷処理を行なう印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記送信元装置に設けられ、一次印刷制御データを記憶する一次印刷制御データ記憶手段と、
前記一次印刷制御データ記憶手段から読み出された前記一次印刷制御データを、該一次印刷制御データとは制御条件内容の異なる前記印刷装置に固有の二次印刷制御データに変換する印刷制御データ変換手段とを備え、
前記印刷装置は、前記二次印刷制御データに基づいて前記印刷処理を行なうことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記印刷装置は、前記一次印刷制御データを前記送信元装置から受信する一次印刷制御データ受信手段と、該受信した一次印刷制御データを前記二次印刷制御データに変換する前記印刷制御データ変換手段とを備える請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記送信元装置に対して前記印刷装置が複数接続され、これら複数の印刷装置に対して共通の前記一次印刷制御データが用意され、前記印刷制御データ変換手段は、該共通の一次印刷制御データを、印刷装置毎に固有の前記二次印刷制御データに変換するものであり、
前記印刷装置は、それら複数の二次印刷制御データのうち、自身に対応するものを使用して前記印刷処理を行なう請求項1又は請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷制御データは、複数の印刷条件コマンドの集合として記述され、前記印刷制御データ変換手段は、前記一次印刷制御データを構成する複数の一次印刷条件コマンドの少なくとも一部のものを、前記印刷装置に固有の印刷条件コマンドである二次印刷条件コマンドに変換するものである請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷制御データ変換手段は、
前記一次印刷条件コマンドのうち変換の対象となるものを、変換対象コマンドとして予め登録する変換対象コマンド登録部と、
前記二次印刷条件コマンドとして、前記変換対象コマンドに対応した変換後の印刷条件コマンドである変換コマンドを予め登録する変換コマンド登録部と、
前記変換対象コマンド登録部の内容を参照して、前記一次印刷制御データに含まれる変換対象コマンドを検索する変換対象コマンド検索手段と、
前記変換コマンド登録部の内容を参照して、検索された前記変換対象コマンドを、対応する前記変換コマンドに変換するコマンド変換手段と、を有する請求項4記載の印刷システム。
【請求項6】
前記コマンド変換手段は、前記変換対象コマンドを、該変換対象コマンドと同種であって指令条件内容の異なる変換コマンドに置換処理するものである請求項5記載の印刷システム。
【請求項7】
同種の複数の変換対象コマンドに対し、それら変換対象コマンドにおける前記指令条件内容の記述部分を共通符号化した一般化コマンドが作成され、前記変換対象コマンド登録部には前記複数の変換対象コマンドに代えて前記一般化コマンドが登録される一方、前記変換コマンド登録部には前記変換コマンドとして、前記一般化コマンドの前記共通符号化された部分に対し、特定の指令条件内容を表すデータ値が代入された代表コマンドが登録されてなり、
前記変換対象コマンド検索手段は、前記一次印刷制御データに含まれる変換対象コマンドのうち、前記共通符号化された部分以外が前記一般化コマンドと一致するものを検索するものであり、
前記コマンド変換手段は、該検索一致した変換対象コマンドを前記代表コマンドにより一義的に置換処理するものである請求項6記載の印刷システム。
【請求項8】
印刷制御対象種別が同一で指令条件内容の異なる複数の一連の印刷条件コマンドがグループをなし、それらグループをなす印刷条件コマンドは、各々該グループを特定するグループ特定部と、当該グループに属する複数の指令条件内容のいずれであるかを特定する条件特定部とを有するものとして構成され、
前記コマンド変換手段は前記変換対象コマンドを、該変換対象コマンドとグループ特定部の内容が同一であって前記条件特定部の内容は異なる変換コマンドに置換処理するものである請求項6又は請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記グループ特定部の内容が同一で前記条件特定部の内容が互いに異なる複数の変換対象コマンドに対し、前記条件特定部を共通符号化する形で一般化コマンドが作成され、前記変換対象コマンド登録部には前記複数の変換対象コマンドに代えて前記一般化コマンドが登録される一方、前記変換コマンド登録部には前記変換コマンドとして、前条件特定部に対し特定のデータ値が代入された代表コマンドが登録されてなり、

前記変換対象コマンド検索手段は、前記一次印刷制御データに含まれる変換対象コマンドのうち、前記グループ特定部が前記一般化コマンドと一致するものを検索するものであり、
前記コマンド変換手段は、該検索一致した変換対象コマンドを前記代表コマンドにより一義的に置換処理するものである請求項8記載の印刷システム。
【請求項10】
前記グループ特定部は、前記印刷制御対象として、前記印刷装置の給紙トレー、前記印刷装置の排紙トレー、印刷用紙のサイズ、印刷用紙の種別、印刷用紙の前記印刷装置への挿入方向及び印刷形式のいずれかを特定するものである請求項8又は請求項9に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記コマンド変換手段は、前記変換対象コマンドに対し、該変換対象コマンドと異種の印刷条件コマンドを追加処理するものである請求項5記載の印刷システム。
【請求項12】
前記変換対象コマンドが前記印刷装置の給紙トレーの種別を規定するものであり、追加される印刷条件コマンドが印刷用紙の種別を特定するものである請求項11記載の印刷システム。
【請求項13】
前記印刷制御データ変換手段に対し、前記一次印刷制御データを前記二次印刷制御データへ変換する制御データ変換処理を許可するために、前記印刷装置の使用状態が充足するべき予め定められた変換許可条件を設定する変換許可条件設定手段と、
前記印刷装置の使用状態を検出し、検出された該使用状態が、設定された前記変換許可成立条件を充足しているか否かを判定する変換許可判定手段と、
前記変換許可判定手段により、前記変換許可成立条件を充足していると判定された場合に、前記印刷制御データ変換手段に前記制御データ変換処理の実行を許可する変換許可手段とを備える請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項14】
前記変換許可条件設定手段が設定する前記変換許可条件毎に、対応する前記一次印刷制御データに対する前記制御データ変換処理の内容が複数組定められてなり、該複数組の制御データ変換処理のいずれかを選択する変換内容選択手段が設けられ、前記印刷制御データ変換手段は、該選択された制御データ変換処理に従い、前記一次印刷制御データを前記二次印刷制御データに変換するものである請求項13記載の印刷システム。
【請求項15】
前記変換許可条件設定手段は、前記変換許可条件の一つとして、前記印刷装置に複数設けられた前記印刷制御データの受信インターフェースのうち、いずれを変換許可インターフェースとするかを設定する変換許可インターフェース設定手段を有し、
前記変換許可判定手段は、前記印刷装置の使用状態として、前記印刷制御データが複数の前記受信インターフェースのいずれに入力されているかを検出し、該印刷制御データの入力が検出された受信インターフェースが、前記変換許可インターフェースに一致している場合にのみ、前記印刷制御データ変換手段に前記制御データ変換処理の実行を許可する請求項13又は請求項14に記載の印刷システム。
【請求項16】
前記印刷装置のユーザー特定情報を入力するユーザー特定情報入力手段を備え、前記変換許可条件設定手段は、前記変換許可条件の一つとして、予め定められたユーザー特定情報を変換許可ユーザー特定情報として設定する変換許可ユーザー特定情報設定手段を有し、
前記変換許可判定手段は、前記ユーザー特定情報入力手段に入力された前記ユーザー特定情報を検出し、該ユーザー特定情報が、設定された前記変換許可ユーザー特定情報に一致している場合にのみ、前記印刷制御データ変換手段に前記制御データ変換処理の実行を許可する請求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項17】
前記変換許可条件設定手段は、前記変換許可条件の一つとして、前記印刷制御データを使用する印刷ジョブのうち、特定の印刷ジョブを変換許可ジョブとして設定する変換許可ジョブ設定手段を有し、
前記変換許可判定手段は、前記印刷装置の使用状態として、該印刷装置が受信する印刷ジョブ名を検出し、該印刷ジョブ名が、設定された前記変換許可ジョブに一致している場合にのみ、前記印刷制御データ変換手段に前記制御データ変換処理の実行を許可する請求項13ないし請求項16のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項18】
前記変換許可条件設定手段は、前記変換許可条件の一つとして、前記印刷装置が前記印刷処理を実行するためのエミュレーションモードのうち、特定のエミュレーションモードを変換許可エミュレーションモードとして設定する変換許可エミュレーションモード設定手段を有し、
前記変換許可判定手段は、前記印刷装置の使用状態として、該印刷装置が前記印刷処理の実行に使用するエミュレーションモードを検出し、該エミュレーションモードが、設定された前記変換許可エミュレーションモードに一致している場合にのみ、前記印刷制御データ変換手段に前記制御データ変換処理の実行を許可する請求項13ないし請求項17のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項19】
前記変換許可判定手段は、予め定められた複数個の前記変換許可条件を同時に充足する場合にのみ前記印刷制御データ変換手段に前記制御データ変換処理の実行を許可する請求項13ないし請求項18のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項20】
前記印刷装置の使用状態とは無関係に、前記制御データ変換処理の実行を禁止するための変換禁止設定を行なう変換禁止設定手段を有し、
前記変換禁止設定手段により前記変換禁止設定がなされている場合に、前記変換許可手段は、前記変換許可条件設定手段による設定内容とは無関係に、前記印刷制御データ変換手段に対し前記制御データ変換処理の実行を禁止するものである請求項13ないし請求項19のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項21】
前記変換許可条件設定手段は、前記変換禁止設定手段が前記変換禁止設定を行なっていない場合にのみ、前記変換許可条件の設定モードが能動化される請求項20記載の印刷システム。
【請求項22】
前記印刷装置は、前記制御データ変換処理の実行が許可された場合は、該制御データ変換処理により得られる前記二次印刷制御データに基づいて前記印刷処理を行ない、前記制御データ変換処理の実行が許可されなかった場合は、前記一次印刷制御データに基づいて前記印刷処理を行なう請求項13ないし請求項21のいずれか1項に記載の印刷システム。
【請求項23】
印刷処理の制御条件を特定する印刷制御データとして、一次印刷制御データを送信元装置から受信する一次印刷制御データ受信手段と、
受信した前記一次印刷制御データを、前記印刷装置に固有の二次印刷制御データに変換する印刷制御データ変換手段と、
前記変換により得られた前記二次印刷制御データに基づいて前記印刷処理を行なう印刷処理部と、
を備えたことを特徴とする印刷装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、印刷システム及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平11−78168号公報
【0003】
ホストコンピュータから受信した印刷制御データに従い印刷を実施する印刷装置において、特許文献1には、ユーザーがキー入力等により設定した印刷条件設定コマンド(印刷制御データ)が、ホストコンピュータからの印刷条件設定コマンドにより変更されてしまう不具合を防止するため、受信する印刷条件設定コマンドが、ユーザーが希望しないコマンドであった場合に、これを無視する機能を搭載した印刷装置が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、印刷装置の使用条件は、ユーザーの希望により適宜選択するものであって、希望の使用条件に合せて印刷制御データの内容も固有に定める必要がある。しかし、従来は、ホストコンピュータ側で用意された印刷制御データが、ユーザーの希望する印刷条件に合致した内容になっていない場合に、その都度、ユーザーによる印刷制御データの設定入力が必要となるので面倒である。例えば、ホストコンピュータに複数台の印刷装置が接続され、印刷装置毎に印刷条件を変えて出力したい場合においては、どの印刷装置を使用するかに応じて、ホストコンピュータ側で逐一印刷制御データを設定入力する必要がある。また、1台の印刷装置に、複数台のホストコンピュータが接続されている場合についても同様であり、例えば特定のホストコンピュータのデータは必ずトレー1に出力したいが、それ以外の印刷元のデータはトレー2に出力したい、といった要望においては、トレー指定に関する印刷制御データを印刷前に毎回入力する必要が生ずる。こうした方法は、印刷条件の設定入力が面倒なだけでなく、入力ミスした場合は所望の条件で印刷がなされず、やり直す必要がある。かといって、各印刷装置に対応した、内容の異なる印刷制御データを含むプリンタドライバを、ホストコンピュータ側にいくつも搭載するのは、インストールに時間がかかる上、記憶装置の容量も無駄に消費する欠点がある。また、階層の近いプリンタドライバ同士が処理上のコンフリクトを起こしやすい問題もある。
【0005】
特許文献1の印刷装置は、つまるところ、ユーザーが印刷装置側でその都度、印刷条件設定コマンドをキーボード等により入力して使用する点で、旧来の印刷装置と何ら変わるところがない。そして、ユーザーにとって不都合なコマンドを無視する機能が搭載されているといっても、その目的は、ホストコンピュータ側から送信されてくるコマンドに対するデータ保護機能にあり、印刷のたびに必要とされていた印刷条件設定コマンド入力の手間を省く、という課題解決には何ら寄与するものではない。
【0006】
本発明の課題は、印刷装置毎に固有の印刷制御条件に対応するための面倒な印刷制御データ入力が不要であり、かつ、ホストコンピュータ側で用意すべき印刷制御データを過度に拡張せずとも、印刷条件変更の自由度を十分に確保することができる印刷システム及び印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の印刷システムは、
印刷処理の制御条件を特定する印刷制御データの送信元となる送信元装置と、送信元装置から受信した印刷制御データに基づいて印刷処理を行なう印刷装置とを有する印刷システムであって、
送信元装置に設けられ、一次印刷制御データを記憶する一次印刷制御データ記憶手段と、
一次印刷制御データ記憶手段から読み出された一次印刷制御データを、該一次印刷制御データとは制御条件内容の異なる印刷装置に固有の二次印刷制御データに変換する印刷制御データ変換手段とを備え、
印刷装置は、二次印刷制御データに基づいて印刷処理を行なうことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の印刷装置は、印刷処理の制御条件を特定する印刷制御データとして、一次印刷制御データを送信元装置から受信する一次印刷制御データ受信手段と、
受信した一次印刷制御データを、印刷装置に固有の二次印刷制御データに変換する印刷制御データ変換手段と、
変換により得られた二次印刷制御データに基づいて印刷処理を行なう印刷処理部と、を備えたことを特徴とする。
さらに、該本発明の印刷装置を用いて本発明の印刷システムを構成することも可能である。この場合、本発明の印刷システムは、その印刷装置が、一次印刷制御データを送信元装置から受信する一次印刷制御データ受信手段と、該受信した一次印刷制御データを二次印刷制御データに変換する印刷制御データ変換手段とを備えたものとして構成される。
【0009】
上記本発明の印刷システム及び印刷装置によると、印刷装置側で要求される印刷条件に特化された印刷制御データを、印刷条件毎に個別に保持するのではなく、印刷制御データ変換手段により、送信元装置に設けられた一次印刷制御データを、印刷装置に固有の制御条件内容を示す二次印刷制御データに変換して印刷処理に供するようにした。従って、ユーザーは、印刷装置毎に固有の印刷制御条件に対応するために、印刷制御データをいちいち入力する手間から解放され、また、種々の印刷条件に対応するための二次印刷制御データは、共通の一次印刷制御データから変換により作成して使用されるので、送信元装置で用意すべき印刷制御データを過度に拡張せずとも、印刷条件変更の自由度を十分に確保することができる。
【0010】
そして、本発明の印刷装置では、受信した一次印刷制御データを、印刷装置に固有の二次印刷制御データに変換する印刷制御データ変換手段を有することで、その印刷装置固有の二次印刷制御データの作成機能を、印刷装置の内部処理機能として具備するので、送信元装置の側の印刷制御データ(ひいてはそれを使用するプリンタドライバ)の体系を大幅に簡略化することができ、送信元装置側の処理負担を軽減できるとともに、バージョンアップ等にも容易に対応することができる。
【0011】
特に、送信元装置に対して印刷装置が複数接続される場合、これら複数の印刷装置に対して共通の一次印刷制御データを用意しておくとよい。この場合、印刷制御データ変換手段は、該共通の一次印刷制御データを、印刷装置毎に固有の二次印刷制御データに変換するものとすることができ、印刷装置は、それら複数の二次印刷制御データのうち、自身に対応するものを使用して印刷処理を行なうものとすることができる。この方式によると、印刷条件設定の異なる複数の印刷装置に対し、送信元装置側で個別の印刷制御データを搭載する必要がなくなり、共通の一次印刷制御データを複数の印刷装置間で使いまわすことができるので、送信元装置側に搭載すべき印刷制御データ量を減ずることができる。また、個々の印刷装置にて、印刷処理の度にユーザーが個別の印刷制御条件を設定する必要がなくなり、印刷時の設定入力の手間を大幅に省くことができる。
【0012】
印刷制御データは、複数の印刷条件コマンドの集合として記述することができる。印刷制御データ変換手段は、一次印刷制御データを構成する複数の一次印刷条件コマンドの少なくとも一部のものを、印刷装置に固有の印刷条件コマンドである二次印刷条件コマンドに変換するものとすることができる。印刷制御データを複数の印刷条件コマンドの集合として記述することで、二次印刷制御データに変換する処理をコマンド単位で行なうことができ、必要のないコマンドについては変換をスキップすることも可能となるから、変換処理の効率化を図ることができる。また、印刷処理の制御内容の見通しもよくなり、バグの発見等も容易になる。
【0013】
この場合、印刷制御データ変換手段は、
一次印刷条件コマンドのうち変換の対象となるものを、変換対象コマンドとして予め登録する変換対象コマンド登録部と、
二次印刷条件コマンドとして、変換対象コマンドに対応した変換後の印刷条件コマンドである変換コマンドを予め登録する変換コマンド登録部と、
変換対象コマンド登録部の内容を参照して、一次印刷制御データに含まれる変換対象コマンドを検索する変換対象コマンド検索手段と、
変換コマンド登録部の内容を参照して、検索された変換対象コマンドを、対応する変換コマンドに変換するコマンド変換手段と、を有するものとして構成することができる。この構成によると、変換コマンド登録部の登録内容を参照して、一次印刷条件コマンド中の変換対象コマンドを検索し、さらに変換コマンド登録部の内容を参照して、これを、対応する変換コマンドに変換して二次印刷条件コマンドを得るようにしたから、一次印刷制御データの二次印刷制御データへの変換処理を極めて効率的に行なうことができる。
【0014】
コマンド変換手段は、変換対象コマンドを、該変換対象コマンドと同種であって指令条件内容の異なる変換コマンドに置換処理するものとすることができる。この方式によると、上記変換処理は、一次印刷条件コマンド(変換対象コマンド)中の指令条件内容の記述部分を、二次印刷条件コマンド(変換コマンド)に固有の指令条件内容に置換するだけでこと足り、変換処理の更なる簡略化を図ることができる。
【0015】
この場合、同種の複数の変換対象コマンドに対し、それら変換対象コマンドにおける指令条件内容の記述部分を共通符号化した一般化コマンドを作成し、変換対象コマンド登録部に上記複数の変換対象コマンドに代えて該一般化コマンドを登録しておくことができる。この場合、変換コマンド登録部には変換コマンドとして、一般化コマンドの共通符号化された部分に対し、特定の指令条件内容を表すデータ値が代入された代表コマンドを登録しておくことができる。そして、変換対象コマンド検索手段を、一次印刷制御データに含まれる変換対象コマンドのうち、共通符号化された部分以外が一般化コマンドと一致するものを検索するものとし、コマンド変換手段を、該検索一致した変換対象コマンドを代表コマンドにより一義的に置換処理するものとして構成できる。該構成によると、一次印刷制御データ中に指令条件内容の異なる多数の変換対象コマンドが含まれている場合でも、指令条件内容の記述部分を共通符号化した一般化コマンドを作成して、これを変換コマンド登録部に登録しておくことで、同種の変換対象コマンドを一括して検索/置換することができ、効率的である。また、同種の変換対象コマンドを多数登録する必要がなくなるので、登録処理の手間も省け、また、変換コマンド登録部の記憶容量を有効活用することができる。
【0016】
具体的には、印刷条件コマンドの記述体系において、印刷制御対象種別が同一で指令条件内容の異なる複数の一連の印刷条件コマンドを、1つのグループとして取り扱うことができる。それらグループをなす印刷条件コマンドは、各々該グループを特定するグループ特定部と、当該グループに属する複数の指令条件内容のいずれであるかを特定する条件特定部とを有するものとして記述できる。コマンド変換手段は、変換対象コマンドを、該変換対象コマンドとグループ特定部の内容が同一であって条件特定部の内容は異なる変換コマンドに置換処理するものとできる。印刷条件コマンドに上記のようなグループ特定部を組み込むことで、置換処理の対象となる同種のコマンドを、グループ特定部の内容照合により簡単かつ確実に特定でき、該置換処理を効率的に実行することができる。
【0017】
また、グループ特定部と条件特定部とを分離したコマンド構造とすることで、前述した条件特定部の共通符号化も容易に行なうことができる。具体的には、グループ特定部の内容が同一で条件特定部の内容が互いに異なる複数の変換対象コマンドに対し、条件特定部を共通符号化する形で一般化コマンドを作成し、変換対象コマンド登録部には複数の変換対象コマンドに代えて一般化コマンドを登録する一方、変換コマンド登録部には変換コマンドとして、条件特定部に対し特定のデータ値が代入された代表コマンドを登録しておく。変換対象コマンド検索手段は、一次印刷制御データに含まれる変換対象コマンドのうち、グループ特定部が一般化コマンドと一致するものを検索するものとすることができ、コマンド変換手段は、該検索一致した変換対象コマンドを代表コマンドにより一義的に置換処理するものとすることができる。
【0018】
グループ特定部は、印刷制御対象として、印刷装置の給紙トレー、印刷装置の排紙トレー、印刷用紙のサイズ、印刷用紙の種別、印刷用紙の印刷装置への挿入方向及び印刷形式のいずれかを特定するものとすることができる。いずれの印刷制御対象種別も、印刷装置仕様にて複数の候補のいずれかより選択して設定される点において共通しており、条件特定部は、それら候補に一対一に対応したパラメータ(例えば整数パラメータ;具体例としては、給紙や排紙のトレーを番号指定する整数パラメータである)として記述が可能である。この場合のコマンド置換処理は、一次印刷条件コマンド中にてコマンド中に指定されているパラメータ値を、希望するパラメータ値に変換するだけの簡単なものとなる。
【0019】
なお、本発明においてコマンド変換処理は、上記のようなコマンド置換処理に限定されるものではなく、例えばコマンド変換手段は、変換対象コマンドに対し、該変換対象コマンドと異種の印刷条件コマンドを追加処理するものとして構成することができる。例えば、一次印刷条件コマンドにおける変換対象コマンドが、単に印刷装置の給紙トレーの種別を規定するものであった場合、上記追加処理にて追加される印刷条件コマンドを、印刷用紙の種別を特定するものとすることができる。この例からもわかる通り、コマンド変換処理を、異種の印刷条件コマンドを追加処理するものとして実行することで、一時印刷制御データでは、条件仕様の広がりの大きい上位の印刷条件を規定する内容であったものを、新たなコマンドの追加により、目的がより特化された制限的な(あるいは複雑な)仕様で印刷制御することが可能になる。また、条件設定漏れにより望み通りの印刷がなされない、といった不具合もより生じにくくすることができる。
【0020】
次に、本発明の印刷システムでは、印刷制御データ変換手段に対し、一次印刷制御データを二次印刷制御データへ変換する制御データ変換処理を許可するために、印刷装置の使用状態が充足するべき予め定められた変換許可条件を設定する変換許可条件設定手段と、印刷装置の使用状態を検出し、検出された該使用状態が、設定された変換許可成立条件を充足しているか否かを判定する変換許可判定手段と、変換許可判定手段により、変換許可成立条件を充足していると判定された場合に、印刷制御データ変換手段に制御データ変換処理の実行を許可する変換許可手段とを設けることができる。
【0021】
一次印刷制御データは、汎用的な印刷制御条件として機能させることを通常考慮して作成されるから、ユーザーの目的に合致する場合は、印刷装置側で特に変換せずに使用することも十分考えられる。すなわち、一次印刷制御データは、常にその全てが二次印刷制御データへの変換対象となるわけではない。しかし、どの一次印刷制御データが二次印刷制御データへの変換対象になっているかを、印刷の度にユーザーの側で判断し、変換を実行する/しないの指令を行なうのは面倒である。上記の構成では、印刷装置がどのような使用状態にあるかに応じて、二次印刷制御データへの変換を行なうか否かを変換許可条件設定手段により予め定めておき、その後は印刷の都度、その印刷装置の使用状態を検出するとともに、検出された該使用状態が設定された変換許可成立条件を充足しているか否かを判定し、該変換許可成立条件を充足していると判定された場合に、予め定められた二次印刷制御データへの変換を許可するように構成したので、現状の印刷処理にかかる一次印刷制御データを、二次印刷制御データへ変換すべきかどうかをいちいち判断させる煩わしさから、ユーザーを解放することができる。
【0022】
この場合、変換許可条件設定手段が設定する変換許可条件毎に、対応する一次印刷制御データに対する制御データ変換処理の内容を複数組定めておくことができ、該複数組の制御データ変換処理のいずれかを選択する変換内容選択手段を設けるとともに、印刷制御データ変換手段を、該選択された制御データ変換処理に従い、一次印刷制御データを二次印刷制御データに変換するものとして構成することができる。変換許可条件毎に変換内容の選択候補を複数用意しておき、ユーザーが所望のものを選択して使用することで、一次印刷制御データの変換内容、ひいては変換の結果として得られる印刷制御条件の設定自由度を増大させることができ、ユーザーの希望によりきめ細かく対応することができる。例えば、複数の排紙トレーを有した1台の印刷装置に複数台の送信元装置を接続して使用する場合に、変換許可条件を定めるべき印刷装置の使用状態を、一次印刷制御データを受けている送信元装置の種別として定め、送信元装置毎に変換内容の選択候補を、印刷物を出力する排紙トレーの種別として定めることができる。これにより、送信元装置の種別によって複数の排紙トレーを使い分ける印刷制御も簡単に行なうことができる。
【0023】
以下、さらに具体的な例について説明する。変換許可条件設定手段は、変換許可条件の一つとして、印刷装置に複数設けられた印刷制御データの受信インターフェースのうち、いずれを変換許可インターフェースとするかを設定する変換許可インターフェース設定手段を有し、変換許可判定手段は、印刷装置の使用状態として、印刷制御データが複数の受信インターフェースのいずれに入力されているかを検出し、該印刷制御データの入力が検出された受信インターフェースが、変換許可インターフェースに一致している場合にのみ、印刷制御データ変換手段に制御データ変換処理の実行を許可するものとして構成することができる。この方式によると、印刷装置の受信インターフェースの種別によって制御データ変換処理を行なうか否かを自動判定することができる。例えば、シリアル通信インターフェースとパラレル通信インターフェースとの2つの通信インターフェースを有した印刷装置の場合、印刷装置は、その双方の通信インターフェースに送信元装置を接続することで、複数台の送信元装置により該印刷装置を共有することができる。そして、これら2つの通信インターフェースのいずれかを変換許可インターフェースとしておけば、該変換許可インターフェース側に接続されている送信元装置からの一次印刷制御データだけが自動的に制御データ変換処理される。
【0024】
また、印刷装置のユーザー特定情報を入力するユーザー特定情報入力手段を設けておき、変換許可条件設定手段は、変換許可条件の一つとして、予め定められたユーザー特定情報を変換許可ユーザー特定情報として設定する変換許可ユーザー特定情報設定手段を有し、変換許可判定手段は、ユーザー特定情報入力手段に入力されたユーザー特定情報を検出し、該ユーザー特定情報が、設定された変換許可ユーザー特定情報に一致している場合にのみ、印刷制御データ変換手段に制御データ変換処理の実行を許可するものとして構成することもできる。このようにすると、特定のユーザーに係るユーザー特定情報の入力があった場合にのみ、制御データ変換処理を実行させることができ、例えばユーザーに固有の(つまり、特定ユーザーのみが希望する)条件にて、印刷制御データの変換を行なうようなこともできる。なお、ユーザー特定情報は、ユーザー名(ユーザーID)としてもよいし、ユーザー固有のパスワードとしてもよい。
【0025】
また、変換許可条件設定手段は、変換許可条件の一つとして、印刷制御データを使用する印刷ジョブのうち、特定の印刷ジョブを変換許可ジョブとして設定する変換許可ジョブ設定手段を有し、変換許可判定手段は、印刷装置の使用状態として、該印刷装置が受信する印刷ジョブ名を検出し、該印刷ジョブ名が、設定された変換許可ジョブに一致している場合にのみ、印刷制御データ変換手段に制御データ変換処理の実行を許可するものとして構成することができる。このようにすると、特定の印刷ジョブについてのみ、制御データ変換処理を実行させることができ、例えば該印刷ジョブに固有の条件にて、印刷制御データの変換を行なうようなこともできる。
【0026】
また、変換許可条件設定手段は、変換許可条件の一つとして、印刷装置が印刷処理を実行するためのエミュレーションモードのうち、特定のエミュレーションモードを変換許可エミュレーションモードとして設定する変換許可エミュレーションモード設定手段を有し、変換許可判定手段は、印刷装置の使用状態として、該印刷装置が印刷処理の実行に使用するエミュレーションモードを検出し、該エミュレーションモードが、設定された変換許可エミュレーションモードに一致している場合にのみ、印刷制御データ変換手段に制御データ変換処理の実行を許可するものとすることもできる。このようにすると、特定のエミュレーションモードが指定された場合についてのみ、制御データ変換処理を実行させることができる。
【0027】
上記の変換許可条件は、複数のものを組み合わせた形で変換許可判定に使用することもできる。この場合、変換許可判定手段は、予め定められた複数個の変換許可条件を同時に充足する場合にのみ印刷制御データ変換手段に制御データ変換処理の実行を許可するものとして構成できる。これにより、より限定された変換許可条件を設定したい場合にも、複数個の変換許可条件の組み合わせにより、簡単克きめ細かく対応できるようになる。
【0028】
また、印刷装置の使用状態とは無関係に、制御データ変換処理の実行を禁止するための変換禁止設定を行なう変換禁止設定手段を設けることも可能である。変換禁止設定手段により変換禁止設定がなされている場合に、変換許可手段は、変換許可条件設定手段による設定内容とは無関係に、印刷制御データ変換手段に対し制御データ変換処理の実行を禁止するものとして構成される。変換禁止設定手段を設けることで、印刷装置の使用状態とは無関係に、一律に制御データ変換処理を禁止設定することができ、ユーザーが特に必要としない場合に不用意に制御データ変換処理が実行されてしまい、所望の印刷結果が得られなくなってしまうような不具合を未然に防止することができる。この場合、変換禁止設定手段が変換禁止設定を行なっていない場合にのみ、変換許可条件の設定モードが能動化されるものとして変換許可条件設定手段を構成しておけば、より効果的である。
【0029】
なお、変換許可条件を設定する上記一連の構成においては、制御データ変換処理の実行が許可された場合は、該制御データ変換処理により得られる二次印刷制御データに基づいて印刷処理を行ない、制御データ変換処理の実行が許可されなかった場合は、一次印刷制御データに基づいて印刷処理を行なうものとして印刷装置を構成しておくと、制御データ変換処理の実行が許可されなかった場合でも、一次印刷制御データをそのまま用いてとりあえずは印刷を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の印刷システムの一例を示す概略図であり、印刷処理の制御条件を特定する印刷制御データの送信元となる送信元装置4と、送信元装置4から受信した印刷制御データに基づいて印刷処理を行なう印刷装置2とを有する。本実施形態では、送信元装置4が1台であり、これに印刷装置2が複数、通信経路5を介して接続された構造となっている。通信経路5は、シリアル通信ケーブル、パラレル通信ケーブル、有線LANケーブルなどの有線通信経路のほか、無線LANやBluetooth等の無線通信経路とすることも可能である。また、1台の印刷装置2に複数台の送信元装置4を通信接続することも可能であるし、印刷装置2と送信元装置4との双方を複数台ずつ通信接続することも可能である。
【0031】
図2は、印刷装置2と送信元装置4の電気的構成を示すブロック図である。印刷装置2の要部は、CPU21、ROM22、RAM23、印刷制御データを、通信経路5を経て送信元装置4から受信する受信インターフェース(送信インターフェースも兼ねた通信インターフェースである:図面中では単にインターフェースと表示)28、受信した印刷制御データを一時格納する受信バッファメモリ(以下、受信バッファともいう)29、不揮発性メモリとしてのEEPROM24、及び入出力部20が内部バスにより接続されたコンピュータハードウェアであり、入出力部(I/O)20には、周知のインクジェット印字機構、レーザー印字機構、熱転写印字機構、あるいはドットインパクト式印字機構などからなる印字部27、LCD等からなる表示部25、タッチパネル、押しボタンスイッチあるいはテンキーなどから構成された入力用の操作部26が接続されている。ROM22には、後述のフィルタ処理プログラム44が格納されている。また、EEPROM24には、フィルタ処理プログラム44が使用する後述の変換対象コマンド登録部41及び変換コマンド登録部42が形成されている。
【0032】
また、送信元装置4は周知のパソコンあるいはワークステーションであり、そのコンピュータハードウェア部分は、CPU31、ROM32、RAM33、通信経路5との間でデータ送受信を行なうための通信インターフェース(図面中ではインターフェースと略記)37、及び入出力部30が内部バスにより接続された構成を有し、また、インターフェース(I/F)34a,38aを介して、記憶装置(本実施形態ではHDDを採用している)34やCD−ROMドライブ38などが接続されている。また、入出力部30には、LCDあるいはCRTからなる表示部35、キーボードあるいはマウス等からなる入力用の操作部36が接続されている。記憶装置34には、送信元装置4の基板ソフトウェアとなるOS45、印刷機能を有した種々のアプリケーション46、印刷装置2への印刷制御指令処理を行なうプリンタドライバ47とがインストールされている。また、各アプリケーション46で作成された印刷ジョブデータを構成し、プリンタドライバ47による印刷制御処理の対象となる一時印刷制御データ48も記憶装置34に記憶されている。
【0033】
送信元装置4に設けられた記憶装置34は、一次印刷制御データ48を記憶する一次印刷制御データ記憶手段として機能している。ROM22に格納されたフィルタ処理プログラム44は、CPU21により実行されることで、記憶装置(一次印刷制御データ記憶手段)34から読み出された一次印刷制御データ48を、該一次印刷制御データ48とは制御条件内容の異なる印刷装置2に固有の二次印刷制御データ50に変換する印刷制御データ変換手段の機能を実現するものである。そして、印刷装置2は、該二次印刷制御データ50に基づいて印刷処理を行なう。
【0034】
印刷装置2は、通信経路5及び受信インターフェース28(一次印刷制御データ受信手段)を介して一次印刷制御データ48を送信元装置4から受信する。そして、印刷制御データ変換手段の機能を実現するROM22内のフィルタ処理プログラム44により、受信した一次印刷制御データ48を、印刷装置2に固有の二次印刷制御データ50に変換し、その変換により得られた二次印刷制御データ50に基づいて、印字部(印刷処理部)27にて印刷処理を行なう。つまり、本実施形態の印刷システム1おいては、印刷装置2が、一次印刷制御データ受信手段と、印刷制御データ変換手段とを備えたものとして構成されている。
【0035】
図1の印刷システム1においては、送信元装置4に対して印刷装置2が複数接続されており、図2において、送信元装置4の記憶装置34に記憶された一次印刷制御データ48は、上記複数の印刷装置2によって共通に使用されるものである。各印刷装置2は、各々に固有の変換処理内容が規定されたフィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44により、上記共通の一次印刷制御データ48を、印刷装置2毎に固有の二次印刷制御データ50に変換し、これを用いて印刷処理を行なう。
【0036】
図8に示すように、印刷制御データ48,50は、複数の印刷条件コマンド148,150の集合として記述することができる。フィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44は、一次印刷制御データ48を構成する複数の一次印刷条件コマンド148を、各印刷装置2に固有の印刷条件コマンドである二次印刷条件コマンド150に変換する処理を行なう。フィルタ処理プログラム44は、該処理を実行するために、以下のコマンド登録部を使用する(いずれも、EEPROM24内に形成されている)。
・変換対象コマンド登録部41:一次印刷条件コマンドのうち変換の対象となるものを、変換対象コマンドとして予め登録する。
・変換コマンド登録部42:二次印刷条件コマンドとして、変換対象コマンドに対応した変換後の印刷条件コマンドである変換コマンドを予め登録する。
・変換制限コマンド登録部40:変換制限コマンドとして定められた一次印刷条件コマンドに含まれる種別特定データ列を予め登録する。
【0037】
そして、フィルタ処理プログラム44は、変換対象コマンド登録部41の内容を参照して、一次印刷制御データ48に含まれる変換対象コマンドを検索し(変換対象コマンド検索手段)、変換コマンド登録部42の内容を参照して、検索された変換対象コマンドを、対応する変換コマンドに変換する(コマンド変換手段)形で制御データ変換処理を行なう。他方、一次印刷条件コマンドのうち、予め定められた種別のものを変換制限コマンドとして、印刷条件コマンド変換手段による該変換制限コマンドへの変換処理の実行を制限する印刷制御データ変換制御手段の機能も組み込まれている。
【0038】
図10には、印刷制御コマンドのいくつかの実例を示している。いずれのコマンドも、先頭の規定数(ここでは5桁)の文字列がコマンド種別特定部51,51’を形成し、このコマンド種別特定部51,51’に続いてパラメータ部53,53’と、本体末尾特定部55,55’とを有してなる。LeftMarginコマンド及びRightMarginコマンドは、印刷領域の左マージン幅あるいは右マージン幅を規定するコマンドであり、パラメータ部53はマージン桁数を特定する条件特定部をなす。給紙先コマンドは、印刷装置2に設けられた複数の給紙トレーのいずれから給紙を行なうかを特定するコマンドであり、各給紙トレーにはトレー番号が一義的に付与され、パラメータ部53は、給紙を行なうトレー番号(順位が明確となるものであれば、アルファベットなど、番号(整数値)以外のパラメータを採用してもよい)を特定する条件特定部をなす。印刷媒体選択コマンドは、印刷に使用する媒体(用紙)の材質(種別)を特定するコマンドであり、使用可能な一連の媒体種別に媒体番号が一義的に付与され、パラメータ部53は、その媒体番号を特定する条件特定部をなす。
【0039】
また、図示はしていないが、排紙トレー選択コマンドは、印刷装置2に設けられた複数の排紙トレーのいずれに印刷物を排紙するかを特定するコマンドであり、各排紙トレーにはトレー番号が一義的に付与され、パラメータ部53は、排紙を行なうトレー番号を特定する条件特定部をなす。印刷用紙サイズ選択コマンドは、印刷に使用する媒体(用紙)のサイズを特定するコマンドであり、使用可能な一連のサイズに媒体サイズ番号が一義的に付与され、パラメータ部53は、その媒体サイズ番号を特定する条件特定部をなす。用紙挿入方向選択コマンドは、印刷に使用する媒体(用紙)の印刷装置2への挿入方向を特定するコマンドであり、パラメータ部53は、媒体の挿入方向が縦か横かを番号によって特定する条件特定部をなす。印刷形式選択コマンドは、媒体(用紙)への印刷形式を特定するコマンドであり、両面印刷、片面集約印刷などの採用可能な一連の印刷形式に印刷形式番号が一義的に付与され、パラメータ部53は、実際に採用される印刷形式番号を特定する条件特定部をなす。
【0040】
また、ラスターデータコマンドは、印刷対象となるラスター印刷画像データを示すもので、コマンド種別特定部51’、パラメータ部53’及び本体末尾特定部55’がコマンド本体をなし、該コマンド本体の後に続く形で、印刷に使用するラスター印刷画像データが付与された形式を有する。つまり、ラスター印刷画像データも印刷制御コマンドの一部をなす。パラメータ部53’は、コマンドに組み込まれたラスター印刷画像データのデータサイズを表す。
【0041】
そして、本実施形態では、上記ラスターデータコマンドのコマンド種別特定部51’が種別特定データ列として定められ、コマンド本体部分が変換処理許容データ列とされている。そして、残余のラスター印刷画像データ部分は、変換処理非許容データ列として、コマンド変換処理の実行が禁止されている。
【0042】
フィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44は、変換対象コマンドを、種々のルールに従い変換コマンドに変換処理するものである。まず、代表的な処理としては、変換対象コマンド登録部41に登録された変換対象コマンドを、これと同種であって指令条件内容の異なる変換コマンドに置換処理するものとすることができる。本実施形態では、前述のLeftMarginコマンド、RightMarginコマンド、給紙先コマンド、印刷媒体選択コマンド、排紙トレー選択コマンド、印刷用紙サイズ選択コマンド、用紙挿入方向選択コマンド及び印刷形式選択コマンド等が、上記置換型の変換処理が可能な変換対象コマンドとされている。これらのコマンドは、印刷条件コマンドの記述体系において、印刷制御対象種別が同一で指令条件内容の異なる複数の一連の印刷条件コマンドが、1つのグループとして取り扱われる。それらグループをなす印刷条件コマンドは、各々該グループを特定するグループ特定部と、当該グループに属する複数の指令条件内容のいずれであるかを特定する条件特定部とを有するものとして記述される。具体的には、これらのコマンドにおいて、前述のコマンド種別特定部51がグループ特定部をなし、パラメータ部53が条件特定部をなしている。また、いずれのコマンドも、本体末尾特定部55がコマンド自体の末尾を識別するものとして付与され、当該本体末尾特定部55の後には、有効なコマンド構成情報が随伴しない形となっている。
【0043】
フィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44は、上記のような置換型の変換対象コマンドを、該変換対象コマンドとコマンド種別特定部(グループ特定部)51の内容が同一であってパラメータ部(条件特定部)53の内容は異なる変換コマンドに置換処理する。図3及び図4は、給紙トレー選択コマンドを例にとった変換対象コマンド登録部41及び変換コマンド登録部42の設定内容の実例を示すものである。図3は、図1の印刷装置(プリンタ)Aについて、一次印刷制御データ48で種々に設定されていた給紙トレー番号(2〜5)を、一義的に特定の給紙トレー番号(1)からの給紙に設定したい場合の登録設定例である。変換対象コマンド登録部41には、変換対象となる全ての給紙トレー番号を有した給紙トレー選択コマンドが変換対象コマンド148として記憶され、変換コマンド登録部42には、これに対応付ける形で、給紙トレー番号1を指定する給紙トレー選択コマンドが変換コマンド150として登録されている。一方、図4は、図1の印刷装置(プリンタ)Bについて、一次印刷制御データ48で一義的に定められていた給紙トレー番号(1)を、別の所望の給紙トレー番号(2,3,4‥)からの給紙に設定したい場合の登録設定例である。
【0044】
次に、図5は、図3のプリンタAにおける変換処理と等価な変換結果が得るための別法を開示するものである。すなわち、図3の変換対象コマンド登録部41に登録された複数の変換対象コマンド(給紙トレー選択コマンド)は、グループ特定部51の内容が同一で条件特定部53の内容が互いに異なる複数の変換対象コマンドをなすが、図5では、その条件特定部53を、いわゆるワイルドカードコマンド「*」を使用して共通符号化することにより一般化コマンド148wを作成し、変換対象コマンド登録部41には、図3の複数の変換対象コマンド148に代えて、その一般化コマンド148wを登録してある。他方、変換コマンド登録部42には変換コマンドとして、条件特定部53に対し特定のデータ値(ここでは、トレー番号=1)が代入された代表コマンド150wが登録されている。
【0045】
この場合、図9に示すように、フィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44は、一次印刷制御データ48に含まれる変換対象コマンド148について、コマンド特定部(グループ特定部)51が一般化コマンド148wと一致するものを検索する。そして、該一般化コマンド148wが一致した変換対象コマンド148を、代表コマンド150wにより一義的に置換処理する。
【0046】
なお、コマンド変換処理は、上記のようなコマンド置換処理に限定されるものではなく、例えば図6Aに示すように、変換対象コマンド148に対し、該変換対象コマンド148と異種の印刷条件コマンド56を追加処理するものとして実施することもできる。図6Aでは、変換対象コマンド登録部41に登録されている変換対象コマンド148が、単に印刷装置2の給紙トレーの種別を規定するものとされる一方、変換コマンド登録部42には、上記変換対象コマンド148とともに、追加処理にて追加される印刷条件コマンド(以下、追加印刷条件コマンドともいう)56として、印刷用紙の種別を特定する印刷媒体選択コマンドが登録されている。なお、図7に示すように、変換コマンド登録部42には追加処理にて追加される印刷条件コマンド56のみを登録するようにしてもよい。図6Aの場合は、変換コマンド登録部42に変換対象コマンド148も合せて登録されているので、処理事態は、変換対象コマンド登録部41に登録されている変換対象コマンド148を、変換コマンド登録部42に登録された「変換対象コマンド148+追加印刷条件コマンド56」にて置換する処理と見ることもできる。しかし、図7の場合は、追加印刷条件コマンド56しか変換コマンド登録部42に登録されていないから、これを一義的に置換処理と判断してコマンド変換処理を実行してしまうと、変換対象コマンド148が追加印刷条件コマンド56によって置換されてしまい、所望の変換結果が得られない。この場合、変換形態を特定するフラグを別途設け、図3〜図5のような置換処理と図7のような追加処理とを、該フラグの値によって識別するようにすればよい(ここでは、フラグ値=「0」が置換処理、フラグ値=「1」が追加処理)。
【0047】
次に、前述のラスターデータコマンドについては、コマンド先頭に配置されたコマンド種別特定部51’の内容が、図6Bに示すごとく、変換制限コマンド登録部40に登録されており、一次印刷制御データ中にて、当該コマンド種別特定部51’が含まれているコマンドを検索することにより、容易に特定することができる。このラスターデータコマンドは変換制限コマンドであるから、引き続き、どこまでが変換処理許容データ列であるかの解析がなされる。本実施形態では、ラスターデータコマンドの本体末尾特定部55’(W)が、コマンド本体の末尾、ひいては変換処理許容データ列と該変換処理許容データ列に属さないデータ列との境界を識別するための識別コードとして定められている。この場合、変換制限コマンド登録部40に、この識別コードを登録しておき、見出されたラスターデータコマンドをなす文字列を先頭の文字から順に該登録された識別コードと照合して、当先頭から該識別コード(W)が見出された位置までの範囲を変換処理許容データ列として確定し、後続の文字列(ラスター印刷画像データ部分)を変換処理非許容データ列として確定する。
【0048】
実際に置換処理を行なう場合は、受信バッファからRAM23内に変換メモリ(図2のRAM23内に形成できる)にラスタコマンドをコピーし、上記の範囲確定処理を行なった後、特定された変換処理非許容データ列を切り離して別のメモリ領域に退避させる(つまり、変換メモリからは変換処理非許容データ列(ラスター印刷画像データ)が削除される)。そして、変換メモリに残された変換処理許容データ列に対し、変換対象コマンド登録部を参照し、当該変換処理許容データ列と同一のデータ列が登録されていれば、変換コマンド登録部から対応する変換後のデータ列(変換コマンド)を読出し、変換処理を行なう。その後、その変換処理後の変換処理許容データ列に、退避させておいた変換処理非許容データ列を再結合し、二次印刷条件コマンドとして、これを印刷処理に供する。
【0049】
変換制限コマンドの実例としては、上記ラスターデータコマンド以外に、フィルターコマンドを例示できる。このフィルターコマンドは、図10に示すごとく、変換対象コマンドと変換コマンドあるいは変換制限コマンドを、各々対応する登録部41,42,40に登録するコマンドであり、コマンド先頭に配置されたコマンド種別特定部51”の内容が、図2の変換制限コマンド登録部40に登録されている。一次印刷制御データ中にて、当該コマンド種別特定部51”が含まれているコマンドを検索することにより、変換制限コマンドとして特定される。フィルターコマンドも同様に、本体末尾特定部55”(F)が識別コードとして定められ、変換制限コマンド登録部40に該識別コードが登録されて、ラスターデータコマンドと同様に、変換処理許容データ列と変換処理非許容データ列とが確定される。フィルターコマンドの場合、変換処理非許容データ列は、変換対象コマンドの内容を示す文字列と変換コマンドの内容を示す文字列である。なお、フィルターコマンドにおいてパラメータ部53”は、変換対象コマンド及び変換コマンドの、各登録部41,42内での登録位置を示す。
【0050】
実際に置換処理を行なう場合は、受信バッファからRAM23内に変換メモリ(図2のRAM23内に形成できる)に変換制限コマンドの全体をコピーし、上記の範囲確定処理を行なった後、特定された変換処理非許容データ列を切り離して別のメモリ領域に退避させる(つまり、変換メモリからは変換処理非許容データ列が削除される)。そして、変換メモリに残された変換処理許容データ列に対し、変換対象コマンド登録部を参照し、当該変換処理許容データ列と同一のデータ列が登録されていれば、変換コマンド登録部から対応する変換後のデータ列(変換コマンド)を読出し、変換処理を行なう。その後、その変換処理後の変換処理許容データ列に、退避させておいた変換処理非許容データ列を再結合し、二次印刷条件コマンドとして、これを印刷処理に供する。
【0051】
次に、本実施形態において、図2の送信元装置4のプリンタドライバ47は、印刷装置2側のフィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44と協働する形で、印刷制御データ変換手段の補助機能として、次のような機能実現手段を実現する。
・変換許可条件設定手段:一次印刷制御データ48を二次印刷制御データ50へ変換する制御データ変換処理を許可するために、印刷装置2の使用状態が充足するべき予め定められた変換許可条件を設定する。
・変換許可判定手段:印刷装置2の使用状態を検出し、検出された該使用状態が、設定された変換許可成立条件を充足しているか否かを判定する。
・変換許可手段:上記の変換許可判定手段により、変換許可成立条件を充足していると判定された場合に、印刷制御データ変換手段に制御データ変換処理の実行を許可する。
【0052】
本実施形態では、複数の変換許可条件の設定/解除を、送信元装置4に設けられた操作部(マウス及びキーボードからなる)36からの設定入力情報に基づいて、個別に印刷装置を指定しつつ実行するようにしている。図11は、送信元装置4の表示部35における変換許可条件の設定画面を示すもので、上記設定入力により個別にオン/オフされる設定表示部(ここでは、チェックボックス)161が表示され、設定されている変換許可条件と非設定の変換許可条件とが識別可能となるように、設定表示部161の表示状態がマウスクリック等により切替えられる(ここでは、設定されている変換許可条件のチェックボックスにチェックマークが表示される)。また、個別の変換許可条件を入力するための、補助入力部162〜166が形成されている。
【0053】
以下、より詳細に説明する。本実施形態では変換許可条件は、
(1)送信元装置4からの印刷制御データを受信するインターフェース指定を行なう;
(2)ユーザー名指定を行なう;
(3)ジョブ名指定を行なう;
(4)エミュレーション指定を行なう;
(5)パスワード指定を行なう;
の5種類につき、個別に設定/解除が可能とされている。印刷装置2は、設定表示部161がON(設定)になっている変換許可条件の全てがAND条件で成立する使用状態が実現している場合に、フィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44によるコマンド変換処理の実行が許可される。
【0054】
以下、個別に説明する。
(1)対応する設定表示部161をONにした状態で、印刷装置2に複数設けられた印刷制御データの受信インターフェース(図2では、符号28で1つのみ代表表示しているが、ここではシリアルインターフェース(具体的にはUSB)及びパラレルインターフェース(具体的にはセントロニクス)の2つの受信インターフェースが設けられている)のうち、いずれを変換許可インターフェースとするかを予め設定する。ここでは、マウスによる補助入力部162に形成された設定アイコンのマウスクリックにより、変換許可インターフェースを選ぶようにしている。印刷装置2の使用状態として、これから実行する印刷ジョブの印刷制御データが、複数の受信インターフェースのいずれに入力されているかが検出され、該印刷制御データの入力が検出された受信インターフェースが、変換許可インターフェース(USB又はセントロニクス)に一致している場合にのみ、コマンド変換処理(制御データ変換処理)の実行が許可される。
【0055】
(2)(5)対応する設定表示部161をONにした状態で、操作部36(ユーザー特定情報入力手段:ここではキーボード)から、予め定められたユーザー特定情報を変換許可ユーザー特定情報として、補助入力部163,166に入力・設定する(変換許可ユーザー特定情報設定手段)。そして、印刷対象となる印刷ジョブの実行に先立って入力されたユーザー特定情報を検出し、これが上記予め設定された変換許可ユーザー特定情報に一致している場合にのみ、コマンド変換処理(制御データ変換処理)の実行が許可される。(2)では、変換許可ユーザー特定情報はユーザー名であり、(5)では、変換許可ユーザー特定情報はパスワードである。
【0056】
(3)対応する設定表示部161をONにした状態で、操作部36(ユーザー特定情報入力手段:ここではキーボード)から、印刷制御データを使用する印刷ジョブのうち、特定の印刷ジョブを変換許可ジョブとして補助入力部164に入力・設定する(変換許可ジョブ設定手段)。そして、印刷対象となる印刷ジョブの実行に先立って入力されたジョブ名のうち、設定されたジョブ名が、設定された変換許可ジョブに一致している場合にのみ、コマンド変換処理(制御データ変換処理)の実行が許可される。
【0057】
(4)対応する設定表示部161をONにした状態で、操作部36(ユーザー特定情報入力手段:ここではキーボード)から、印刷装置2が印刷処理を実行するためのエミュレーションモードのうち、特定のエミュレーションモードを変換許可エミュレーションモードとして設定する。ここでは、マウスによる補助入力部165に形成された設定アイコンのマウスクリックにより、変換許可エミュレーションモードを選ぶようにしている。印刷装置2の使用状態として、これから実行する印刷ジョブのエミュレーションモードが、どのようなエミュレーションモードであるかが検出され、該検出されたエミュレーションモードが、変換許可エミュレーションモードに一致している場合にのみ、コマンド変換処理(制御データ変換処理)の実行が許可される。
【0058】
また、図11においては、印刷装置2の使用状態とは無関係に、制御データ変換処理の実行を禁止するための変換禁止設定を行なうことが可能とされている(変換禁止設定手段)。変換禁止の設定/解除は、送信元装置4に設けられた操作部(マウス及びキーボードからなる)36からの設定入力情報に基づいて、個別に印刷装置を指定しつつ実行可能である。図11に示すように、送信元装置4の表示部35には、上記設定入力により個別にオン/オフされる変換禁止設定用の設定表示部(ここでは、チェックボックス)160が表示され、該設定表示部160の設定表示状態がOFFになっている場合は、上記の複数の変換許可条件のいずれが許可されているかとは無関係に、制御データ変換処理の実行は全面的に禁止される。
【0059】
図12は、複数の変換許可条件のいくつかを組み合わせて設定した、表示部35の設定画面の出力状態を示すものである。ここでは、印刷ジョブの実行開始に際して、特定のユーザー名(「TARO」)とエミュレーションモード(PCL)とが指定された場合に、制御データ変換処理が実行される。なお、制御データ変換処理の実行が許可された場合は、該制御データ変換処理により得られる二次印刷制御データ50(図2)に基づいて印刷処理が行なわれるが、制御データ変換処理の実行が許可されなかった場合は、一次印刷制御データ48に基づいて印刷処理が行なわれる。
【0060】
図13〜図15は、この場合の印刷処理の一例を示すフローチャートである。図13のS1では、変換禁止設定がなされているか否か(つまり、制御データ変換処理(フィルタ機能)がONになっているか否か:設定表示部160の設定表示状態がON)を判定し、Yesであれば、S2に進み、フィルタフラグ(図2のフィルタ処理プログラム44のワークエリアをなすRAM23内に形成される)を「1」(変換許可)に設定する。他方、NOであればS13に進み、フィルタフラグを「0」(変換禁止)に設定する。S3,S5,S7,S9,S11では、個々の変換許可条件が設定状態(設定表示部161の、対応するものの設定表示状態がON)になっているか否かが判定され、設定状態になっているものについては、上記した各々の変換許可条件が充足されているか否かを判定する(S4,S6,S8,S10,S12)。1つでも変換許可条件が充足されていなければS13に進み、フィルタフラグを「0」(変換禁止)に設定する。他方、設定された変換許可条件が全て充足されていれば、S2のフィルタフラグ値が「1」(つまり、変換許可)のまま維持される。なお、非設定の変換許可条件については、S3,S5,S7,S9,S11で、後続の変換許可条件の充足判定ステップ(S4,S6,S8,S10,S12)がスキップされる。
【0061】
次に、図14のS14に進み、フィルタフラグの内容を確認する。フィルタフラグが「1」であればS16に進み、制御データ変換処理(フィルタ機能処理)及び印刷実行となる。図15〜図17は、フィルタ機能処理の一例を示すものである。この処理フローでは、一次印刷制御データに含まれる全ての一次印刷条件コマンドを、コマンド変換処理の対象とし、変換制限コマンドについては、上記の方法により、変換処理非許容データ列を除去した後、コマンド変換処理に供するようにしている。また、コマンド変換処理と、印刷実行のためのコマンド実行処理とを別サイクルにて実施しているので、個々の一次印刷条件コマンドにつき、既にコマンド変換処理(検索及び変換)が終わっているか否かを識別するための、変換検索済みフラグが図2のRAM23内に形成される。S51でこの変換検索済みフラグの内容をクリア(初期化)し、S52で受信バッファ29を介して一次印刷制御データ48を受信する。
【0062】
S53,S60,S67では、順次読み取った一次印刷条件コマンドがどの種別(変換対象コマンド/変換制限コマンド)のコマンドであるかを識別し、種別に応じたコマンド変換処理(S54〜S59(図15)、S61〜S66(図16)、S68〜S72及びS73(図17)に進む。いずれのコマンド変換処理においても、まず、対応する変換検索済みフラグの内容を確認する(S54,S61,S68)。該フラグの内容が変換検索済み状態(「1」とする)にセットされていなければ(つまり、「0」)、これを「1」にセットする(S55,S62,S69)。
【0063】
当該の一次印刷条件コマンドが変換対象コマンドであるかどうかを確認するステップ(S56とS57,S63とS64,S70とS71)では、まず変換制限コマンド登録部40(図2)内を検索する。変換制限対象コマンドでなかった場合は、図2のEEPROM(不揮発性メモリ)24に形成された変換対象コマンド登録部41の内容を参照して、一次印刷制御データ48中に含まれる変換対象コマンド148を検索する。そして、変換コマンド登録部42の内容を参照して、対応する変換コマンド150に変換する処理(置換又は追加:詳細は、図3〜図10を用いて説明した通りである)を行なって二次印刷条件コマンドとする(S58,S65,S72)。なお、S65では、ラスターデータに無用な変換がかかることを避けるために、ラスターデータを一旦取り除き、で変換する処理を行った上でラスターデータを再度追加し、二次印刷条件コマンドとする。
【0064】
その後、S53の直前に戻って以下同じルーチンを繰り返すのであるが、2度目は変換検索済みフラグが既にセット状態となっているので(S54,S61,S68:Yes)、各々変換後の二次印刷条件コマンドにより印刷または変換対象コマンド、変換コマンド及び変換制限コマンドの登録処理を実行する(S59,S66、S72)。なお、図14のS14において、フィルタフラグが「0」であればS15に進み、受信した一次印刷制御データ48を無変換にて受信バッファから取得し、S17で印刷実行(あるいはコマンドに従った処理)に供する。
【0065】
図15〜図17のフィルタ機能処理においては、変換制限コマンド(ラスターデータコマンド及びフィルターコマンド)についてもコマンド変換処理を行なっていたが、図18に示すように、変換制限コマンドについてはコマンド変換処理をスキップし(つまり、一次印刷条件コマンドのままで)、直ちにコマンド実行処理に移行するようにしてもよい(S60→S66,S67→S73)。
【0066】
なお、図19に示すように、上記の複数の変換許可条件毎に、対応する一次印刷制御データ48に対する制御データ変換処理の内容を複数組定め、操作部36からの入力に基づいて、変換許可条件毎に採用する制御データ変換処理の内容をカスタマイズすることも可能である。図19は、この場合の送信元装置4の表示部35における変換許可条件の設定画面を示すもので、基本構成は図11の設定画面と同じである(共通の部分には共通の符号を付与して詳細な説明は省略する)が、変換許可条件毎に、変換内容選択手段としての変換内容選択アイコン群167が形成されており、マウスクリックによりそのいずれかを選択可能とされている。ここでは、選択可能な変換内容として、変換許可条件の共通に;
・変換1:給紙トレー2を給紙トレー1に変換する
・変換2:給紙トレー4を給紙トレー1に変換する
・変換3:印刷用紙サイズA4を印刷用紙サイズレターに変換する
の3つが用意されている。変換対象コマンド登録部と変換コマンド登録部とは、変換内容毎に対応するものが個別に用意される。図20はその設定状態の一例を示すもので、設定状態になっている変換許可条件(チェックボックス161がON:複数ある変換許可条件の1つだけが選択的に設定可能である)のもののみ、変換内容の選択が許可されるようになっている。
【0067】
図21及び図22は、この場合の印刷処理の一例を示すフローチャートである。図21のS101では、変換禁止設定がなされているか否かを判定し、NOであればS112に進み、フィルタフラグを「0」(変換禁止)に設定する。一方、YESであれば、S102以下の処理に進む。S102,S104,S106,S108,S110では、個々の変換許可条件が設定状態になっているか否かが判定され、設定状態になっているものについては、上記した各々の変換許可条件が充足されているか否かを判定する(S103,S105,S107,S109,S111)。変換許可条件がいずれも充足されていなければS112に進み、フィルタフラグを「0」(変換禁止)に設定する。他方、そのいずれか1つが充足されている場合に限り、S113に進み、フィルタフラグを「1」(変換許可)に設定する。
【0068】
以下のステップは図14と同じであるが、S16のフィルタ機能処理は、図22に示すような、変換内容候補の選択実行処理が追加されることとなる。すなわち、S151で受信バッファ29を介して一次印刷制御データ48を受信し、S152、S155,S158,S161では、複数の変換内容候補のどれが選択されているかを判定する。そして、選択された変換内容候補について、対応する変換対象コマンド登録部を参照し、変換対象コマンドを検索する(S153,S156,S159,S162)。そして、検索一致した変換対象コマンドを、対応する変換コマンド登録部を参照して、変換コマンドに変換する(S154,S157,S160,S163)。
【0069】
なお、図11〜図13に示した変換許可条件の設定/解除の機能(及び関連する機能実現手段)は、個々の印刷装置2側に設けるようにしてもよい(この場合、図2においては、操作部26及び表示部25を用いて、変換許可条件の設定処理を同様に実行可能である)。あるいは、印刷装置2に変換許可条件の設定/解除の機能についての設定入力を受け付ける設定ページを提供するWebサーバ機能を設け、送信元装置4に備えたWebブラウザから設定入力を受けるようにしても良い。また、以上説明した実施形態では、図23に示すごとく、フィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段)44、変換対象コマンド登録部41及び変換コマンド登録部42が全て印刷装置2側に設けられ、送信元装置4からの一次印刷条件コマンド(図中では一次コマンドと略記)を印刷装置2で受け取り、これを二次印刷条件コマンド(図24、図25では二次コマンドと略記)に変換して印刷に供していた。しかし、図24に示すように、送信元装置4に、印刷装置別の変換コマンド登録部42’を、プリンタドライバ47とともにカスタムインストール(例えば、図2のCD−ROMドライバ38を用いて行なうことができる)し、各印刷装置2側には変換対象コマンド登録部41のみを設けておくこともできる。この場合、各印刷装置2では、送信元装置4から受信した一次印刷制御データにて変換対象コマンドの検索のみを行ない、変換対象コマンドを発見したらその都度、送信元装置4に二次印刷条件コマンドの発行を要求する。送信元装置4では、印刷装置2側で発見された変換対象コマンドに対応する変換コマンドを、対応する印刷装置の変換コマンド登録部42’にて検索し、該当するコマンドを二次印刷条件コマンドとして印刷装置2側に発行(送信する)。
【0070】
また、図25に示すように、送信元装置4に、印刷装置別の変換対象コマンド登録部41’と変換コマンド登録部42’を、プリンタドライバ47及びフィルタ処理プログラム44とともにカスタムインストールしておくこともできる。この場合、送信元装置4側で、送信先となる印刷装置2に対応する変換対象コマンド登録部41’を参照して、一次印刷制御データ中にて変換対象コマンドの検索を行ない、変換対象コマンドを発見したらこれを対応する変換コマンド登録部42’を参照して変換コマンドに変換し、二次印刷条件コマンドとして対応する印刷装置2に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の印刷システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】印刷装置と送信元装置の内部構成を示すブロック図。
【図3】変換対象コマンド登録部と変換コマンド登録部との第一構成例を示す概念図。
【図4】変換対象コマンド登録部と変換コマンド登録部との第二構成例を示す概念図。
【図5】変換対象コマンド登録部と変換コマンド登録部との第三構成例を示す概念図。
【図6A】変換対象コマンド登録部と変換コマンド登録部との第四構成例を示す概念図。
【図6B】変換制限コマンド登録部の構成例を示す概念図。
【図7】変換対象コマンド登録部と変換コマンド登録部との第五構成例を示す概念図。
【図8】制御データ変換処理の第一の具体例を示す概念図。
【図9】制御データ変換処理の第二の具体例を示す概念図。
【図10】印刷条件コマンドのいくつかの実例を示す図。
【図11】送信元装置の表示部における変換許可条件の設定画面の第一例を示す図(条件設定前)。
【図12】送信元装置の表示部における変換許可条件の設定画面の第一例を示す図(条件設定後)。
【図13】本発明の印刷システムにおける印刷処理の第一例を示すフローチャート。
【図14】図13に続くフローチャート。
【図15】フィルタ機能処理のフローチャート。
【図16】図15に続くフローチャート。
【図17】図16に続くフローチャート。
【図18】フィルタ機能処理の変形例を示すフローチャート。
【図19】送信元装置の表示部における変換許可条件の設定画面の第二例を示す図(条件設定前)。
【図20】送信元装置の表示部における変換許可条件の設定画面の第二例を示す図(条件設定後)。
【図21】本発明の印刷システムにおける印刷処理の第二例を示すフローチャート(前半部分、後半部分は図14に同じ)。
【図22】図18に対応するフィルタ機能処理の流れを示すフローチャート。
【図23】本発明の印刷システムの第一構成例を示す概念図。
【図24】本発明の印刷システムの第二構成例を示す概念図。
【図25】本発明の印刷システムの第三構成例を示す概念図。
【符号の説明】
【0072】
1 印刷システム
2 印刷装置
4 送信元装置
28 受信インターフェース(一次印刷制御データ受信手段)
34 記憶装置(一次印刷制御データ記憶手段)
36 入力操作部(変換許可条件設定手段、変換許可インターフェース設定手段、変換許可ユーザー特定情報設定手段、変換許可ジョブ設定手段、変換許可エミュレーションモード設定手段、変換禁止設定手段)
41 変換対象コマンド登録部
42 変換コマンド登録部
44 フィルタ処理プログラム(印刷制御データ変換手段、変換対象コマンド検索手段、コマンド変換手段、変換許可条件設定手段、変換許可判定手段、変換許可インターフェース設定手段、変換許可ユーザー特定情報設定手段、変換許可ジョブ設定手段、変換許可エミュレーションモード設定手段、変換禁止設定手段)
47 プリンタドライバ(変換許可条件設定手段、変換許可判定手段、変換許可インターフェース設定手段、変換許可ユーザー特定情報設定手段、変換許可ジョブ設定手段、変換許可エミュレーションモード設定手段、変換禁止設定手段)
48 一次印刷制御データ
50 二次印刷制御データ
51 コマンド種別特定部(グループ特定部)
53 パラメータ部(条件特定部)
148 一次印刷条件コマンド
148w 一般化コマンド
150 二次印刷条件コマンド




 

 


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