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発明の名称 情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−4216(P2007−4216A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180151(P2005−180151)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
発明者 長谷部 恵
要約 課題
ある解析プロセスにおいて発生したトラブル項目や現象について、複数のサブシステムにまたがった考察を行ない、パラメータの設定を支援する。

解決手段
サブシステム毎の解析結果をシステム共通のデータ構造からなるジョブ・コードに記述して、共有データベースを構築する。ジョブ・コードのデータ構造に、パラメータや現象とともにトラブル項目を設定する。トラブル項目のメカニズムを究明する際、現象やトラブル項目をキーにして共有データベースを参照して、パラメータの設定に有益な情報を得ることができる。また、サブシステムの境界を越えて、トラブル原因の検討を行なうことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して個々にシミュレーションを行なって得られる解析履歴を管理する情報管理装置であって、
各シミュレーション・モジュールで行なわれた個々の解析履歴を共通のデータ・フォーマットからなるジョブ・コードに記入するジョブ・コード生成手段と、
各シミュレーション・モジュールにおいて生成されたジョブ・コードを、複数の利用者が共用する共有データベースに格納するジョブ・コード蓄積手段と、
前記共有データベース上で、利用者が入力する検索キーに従ってジョブ・コードを検索するジョブ・コード検索手段と、
を具備することを特徴とする情報管理装置。
【請求項2】
前記ジョブ・コード生成手段は、各シミュレーション・モジュールにおいて解析計算が行なわれたときに、当該サブプロセスの名前、解析計算により確認された現象並びにトラブル項目、解析計算に使用したパラメータ・セット、解析計算の結果並びにその要約、解析計算の実施者のコメントを含む複数の入力項目からなるジョブ・コードを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理装置。
【請求項3】
前記ジョブ・コード検索手段は、検索結果やパラメータ・セット、コメント・リストを画面表示する表示装置を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項4】
前記ジョブ・コード検索手段は、利用者から入力された現象とトラブル項目をキーにして前記共有データベースを検索して、過去に行なった同様のシミュレーション計算の要約、パラメータ・セット、境界条件、コメントのリストに関する情報を取得して利用者に提示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項5】
前記ジョブ・コード検索手段は、
利用者がサブプロセス名を指定したことに応答して、該サブプロセス名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じサブプロセス名を持つジョブ・セットとしてリストアップするジョブ・セット検索手段と、
利用者が現象を指定したことに応答して、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードを現象名付きでリストアップする現象リストアップ手段と、
利用者が前記の現象名のリスト中で知りたい現象を選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップするデータ構造リストアップ手段と、
利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択された現象名を持つジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示するデータ提示手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項6】
前記ジョブ・コード検索手段は、
利用者がトラブル項目名を指定したことに応答して、該トラブル項目名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じトラブル項目名を持つジョブ・セットとしてリストアップするジョブ・セット検索手段と、
利用者がサブプロセスを指定したことに応答して、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードをサブプロセス名付きでリストアップするサブプロセス・リストアップ手段と、
利用者が前記のサブプロセス名のリスト中で解析対象としているサブプロセスを選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップするデータ構造リストアップ手段と、
利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択されたサブプロセスに関するジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示するデータ提示手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報管理装置。
【請求項7】
複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して構成されるシミュレーション装置に関する情報を管理する情報管理装置であって、
各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている能力に関する情報を格納する能力情報格納手段と、
いずれのシミュレーション・モジュールにおいても解析不可能なケースに関する情報を格納する不可情報格納手段と、
シミュレーションを行なう利用者が解析したい項目を事前に入力する入力手段と、
該入力された解析したい項目が前記シミュレーション装置により解析可能であるかどうかを、前記の能力情報及び不可情報を基に判定する予診手段と、
前記の予診した結果を利用者に提示する提示手段と、
を具備することを特徴とする情報管理装置。
【請求項8】
前記能力情報格納手段は、各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている解析モデル、現象、トラブル項目に関する情報を格納する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報管理装置。
【請求項9】
前記予診手段は、解析できないと判定した際に、該入力された解析したい項目に類似するシミュレーション結果を前記能力情報から探索し、前記提示手段を介して利用者に提示する、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報管理装置。
【請求項10】
複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して個々にシミュレーションを行なって得られた解析履歴を管理する情報管理方法であって、
各シミュレーション・モジュールで行なわれた個々の解析履歴を共通のデータ・フォーマットからなるジョブ・コードに記入するジョブ・コード生成ステップと、
各シミュレーション・モジュールにおいて生成されたジョブ・コードを、複数の利用者が共用する共有データベースに格納するジョブ・コード蓄積ステップと、
前記共有データベース上で、利用者が入力する検索キーに従ってジョブ・コードを検索するジョブ・コード検索ステップと、
を具備することを特徴とする情報管理方法。
【請求項11】
前記ジョブ・コード生成ステップでは、各シミュレーション・モジュールにおいて解析計算が行なわれたときに、当該サブプロセスの名前、解析計算により確認された現象並びにトラブル項目、解析計算に使用したパラメータ・セット、解析計算の結果並びにその要約、解析計算の実施者のコメントを含む複数の入力項目からなるジョブ・コードを生成する、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報管理方法。
【請求項12】
前記ジョブ・コード検索ステップでは、検索結果やパラメータ・セット、コメント・リストを画面表示する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報管理方法。
【請求項13】
前記ジョブ・コード検索ステップでは、利用者から入力された現象とトラブル項目をキーにして前記共有データベースを検索して、過去に行なった同様のシミュレーション計算の要約、パラメータ・セット、境界条件、コメントのリストに関する情報を取得して利用者に提示する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報管理方法。
【請求項14】
前記ジョブ・コード検索ステップは、
利用者がサブプロセス名を指定したことに応答して、該サブプロセス名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じサブプロセス名を持つジョブ・セットとしてリストアップするジョブ・セット検索サブステップと、
利用者が現象を指定したことに応答して、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードを現象名付きでリストアップする現象リストアップ・サブステップと、
利用者が前記の現象名のリスト中で知りたい現象を選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップするデータ構造リストアップ・サブステップと、
利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択された現象名を持つジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示するデータ提示サブステップと、
を備えることを特徴とする請求項11に記載の情報管理方法。
【請求項15】
前記ジョブ・コード検索ステップは、
利用者がトラブル項目名を指定したことに応答して、該トラブル項目名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じトラブル項目名を持つジョブ・セットとしてリストアップするジョブ・セット検索サブステップと、
利用者がサブプロセスを指定したことに応答して、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードをサブプロセス名付きでリストアップするサブプロセス・リストアップ・サブステップと、
利用者が前記のサブプロセス名のリスト中で解析対象としているサブプロセスを選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップするデータ構造リストアップ・サブステップと、
利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択されたサブプロセスに関するジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示するデータ提示サブステップと、
を備えることを特徴とする請求項11に記載の情報管理方法。
【請求項16】
複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して構成されるシミュレーション装置に関する情報を管理する情報管理方法であって、
各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている能力に関する情報を格納する能力情報格納ステップと、
いずれのシミュレーション・モジュールにおいても解析不可能なケースに関する情報を格納する不可情報格納ステップと、
シミュレーションを行なう利用者が解析したい項目を事前に入力する入力ステップと、
該入力された解析したい項目が前記シミュレーション装置により解析可能であるかどうかを、前記の能力情報及び不可情報を基に判定する予診ステップと、
前記の予診した結果を利用者に提示する提示ステップと、
を具備することを特徴とする情報管理方法。
【請求項17】
前記能力情報格納ステップでは、各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている解析モデル、現象、トラブル項目に関する情報を格納する、
ことを特徴とする請求項16に記載の情報管理方法。
【請求項18】
前記予診ステップでは、解析できないと判定した際に、該入力された解析したい項目に類似するシミュレーション結果を前記能力情報から探索して利用者に提示する、
ことを特徴とする請求項16に記載の情報管理方法。
【請求項19】
複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して個々にシミュレーションを行なって得られた解析履歴を管理するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
各シミュレーション・モジュールにおいて行なわれた個々の解析履歴を共通のデータ・フォーマットからなるジョブ・コードに記入するジョブ・コード生成手順と、
各シミュレーション・モジュールにおいて生成されたジョブ・コードを、複数の利用者が共用する共有データベースに格納するジョブ・コード蓄積手順と、
前記共有データベース上で、利用者が入力する検索キーに従ってジョブ・コードを検索するジョブ・コード検索手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項20】
複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して構成されるシミュレーション装置に関する情報を管理するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている能力に関する情報を格納する能力情報格納手順と、
いずれのシミュレーション・モジュールにおいても解析不可能なケースに関する情報を格納する不可情報格納手順と、
シミュレーションを行なう利用者が解析したい項目を事前に入力する入力手順と、
該入力された解析したい項目が前記シミュレーション装置により解析可能であるかどうかを、前記の能力情報及び不可情報を基に判定する予診手順と、
前記の予診した結果を利用者に提示する提示手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理的、生態的、あるいは社会的などのシステムの挙動を数式化若しくはモデル化し、ほぼ同じ法則に支配されるシステムの挙動をコンピュータ上で模擬したシミュレーション結果に関する情報を管理する情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、複数のプロセスによって構成されるシステムの挙動をプロセス毎にサブシステム化して個々にシミュレーションを行なった解析履歴を統合してシステム全体のパフォーマンスを予測する統合シミュレータにおけるサブシステム毎の解析結果に関する情報を管理する情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、単独若しくは複数のシミュレーション・モジュールからなるシステムにおいて、各サブシステムがデータを蓄積し相互利用しながら、シミュレーション実行時のパラメータの設定を支援する情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、ある解析プロセスにおいて発生したトラブル項目や現象について、複数のサブシステムにまたがった考察を行ない、パラメータの設定を支援する情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
物理的、生態的、あるいは社会的などのシステムの挙動を数式化若しくはモデル化し、ほぼ同じ法則に支配されるシステムの挙動をコンピュータ上で模擬すること、すなわちシミュレーションが広く利用されている。シミュレーション技術を利用することにより、さまざまな局面におけるシステムの挙動を現実に体験する前に予測することができ、得られたパラメータに基づいてシステムを制御し、システムのエラーを予測し、これを防止する制御を行なうことでエラーを回避することができる。
【0004】
例えば、粉体や粒体などの粒子を取り扱う分野では、粒子の挙動を把握することか必要であるが、このような粒子の挙動を試行錯誤の実験により把握するとなると、時間やコストの面で問題がある。そこで、粉体や粒体などの粒子の挙動を数式化若しくはモデル化し、ほぼ同じ法則に支配されるシステムの挙動をコンピュータ上でシミュレーションすることにより、粒子の挙動を現実に体験する前に予測することができる。また、投入する条件やパラメータを変えて、同じシミュレーション計算を繰り返し行なうことにより、さまざまな粒子組成や装置設計・制御体系の性能を評価することができる。
【0005】
粉体を取り扱う装置の代表例として、電子写真技術を利用した複写機やプリンタなどの画像形成装置を挙げることができる。この場合、画像構成剤としてのトナー及びトナーを搬送するための磁性体からなるキャリアという2成分からなる現像剤を粉体挙動解析の対象として取り扱い、粉体挙動解析シミュレーションを適用することで、現実に画像形成実験を行なうことなく、形成される画像を予測し評価することができる。
【0006】
電子写真プロセスは、電子写真感光体に対する帯電及びスキャンした原稿イメージの露光、感光体表面の静電潜像へのトナー重畳すなわち現像、転写体へのトナー転写、転写したトナーの定着など複数の工程からなる。このようなシステムのシミュレーションを単一のシミュレータで行なおうとすると、装置が巨大化して現実的でなくなる。そこで、例えば露光・帯電、現像、転写、定着などのプロセス毎にシミュレーションをモジュール化し、各シミュレーション・モジュールからのシミュレーション結果を統合することによって、画像形成装置から得られる画像を予測しその評価を行なうようにすればよい。
【0007】
このように、シミュレーションの対象となる巨大なシステムを複数のサブシステムに分けて扱い、サブシステム毎のシミュレータを構築して、各シミュレータによるシミュレーション結果を統合してシステム全体の性能を予測するシミュレーション手法は「統合シミュレータ」と呼ぶこともできる。
【0008】
例えば、離散事象シミュレーション・モジュールの作成及びメンテナンスを簡単に行なえるようにして、システム開発を効率的に行なえるようにしたシミュレーション装置について提案がなされている(例えば、特許文献1)。同シミュレーション装置は、複数のスケジューラ間で時刻の同期をとるタイミング制御手段と複数のスケジューラ間で所定のオブジェクトを移動させるインターフェース手段とを備えたシミュレーション全体の制御部を設けることにより、個々の系を表すスケジューラを複数組み合わせて1つの統合シミュレータを構成したものであり、シミュレーションの対象とする大きな系を、モデル化が容易な小さなモデル系の集まりとして表現するとともに、それらのモデル系のスケジューラを並行して開発することができる。
【0009】
統合シミュレータにおいては、分散処理などを取り入れて処理負荷を軽減するとともに、シミュレーション・モジュール毎の処理を並列化することができる。例えば、シミュレーション・モジュール毎の処理をグリッド・コンピュータで分散することができる。
【0010】
また、統合シミュレータは、プロセス毎にシミュレーション・モジュール化した複数のサブシステムで構成され、サブシステム毎に独立して完成されたシステムである。したがって、各シミュレーション・モジュールの設計担当者は、巨大なシステム全体に渡って精通していなくとも、自分の担当分野だけ高度にエキスパータイズされていれば十分である。そして、個々のサブシステムから得られたシミュレーション結果を統合してシステム全体のパフォーマンスを予測して、満足できる相乗効果を得ることができる。
【0011】
しかしながら、各シミュレーション・モジュールの設計担当者は、自分の担当領域しか関知していないので、例えば自システム内でトラブルが発生したときに、その原因が自システムあるいは他のいずれかのシステムにおける設定パラメータによるものであるかを究明することは容易でない。
【0012】
従来、トラブル項目などの現象面から、シミュレータにおいて解析するために必要なパラメータを自動検索し、オペレータにパラメータの設定を支援するような装置は存在しなかった。また、シミュレータにおいて解析したい現象について、過去に行なった解析のパラメータ・セットやその解析結果、そのときの担当オペレータのコメントなど、これらか解析しようとするオペレータがパラメータを設定するに際して有益な情報を提供する解析ツールも存在しなかった。
【0013】
また、一連の解析プロセスからなる統合シミュレータにおいて、ある解析プロセスにおいて発生したトラブル項目や現象の原因として複数のサブプロセスが関与している場合には、各サブプロセスからの影響やその解析結果、オペレータのコメントなどを別途調べなければならない。特に、トラブル項目や現象の原因として、専門とする技術領域が異なるサブプロセスが関わる場合には、適切な情報を得るには、各領域の担当オペレータや専門家に問い合わせるなどしなけれはならず、余分な工数がかかるため作業効率がよくない。
【0014】
また、一般に、解析したい現象がシミュレーションにより解析することが可能かどうかの判断は、ユーザに任されている。このため、ユーザに専門的知識がない場合や、自分の担当分野にのみ精通し他のサブシステムからの影響を判断できない場合には、試行錯誤の末に解析不能であることが判明すると言う無駄な作業を行なったり、あるいは知見者の判断を仰いだりしなければならず、効率的でない。
【0015】
【特許文献1】特開平10−333712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、複数のプロセスによって構成されるシステムの挙動をプロセス毎にサブシステム化して個々にシミュレーションを行なった解析結果を統合してシステム全体のパフォーマンスを予測する統合シミュレータにおけるサブシステム毎の解析結果に関する情報を管理することができる、優れた情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0017】
本発明のさらなる目的は、単独若しくは複数のシミュレーション・モジュールからなるシステムにおいて、各サブシステムがデータを蓄積し相互利用しながら、シミュレーション実行時のパラメータの設定を支援することができる、優れた情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる目的は、ある解析プロセスにおいて発生したトラブル項目や現象について、複数のサブシステムにまたがった考察を行ない、パラメータの設定を支援することができる、優れた情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して個々にシミュレーションを行なって得られた解析履歴を管理する情報管理装置であって、各シミュレーション・モジュールで行なわれた個々の解析履歴を共通のデータ・フォーマットからなるジョブ・コードに記入するジョブ・コード生成手段と、各シミュレーション・モジュールにおいて生成されたジョブ・コードを、複数の利用者が共用する共有データベースに格納するジョブ・コード蓄積手段と、前記共有データベース上で、利用者が入力する検索キーに従ってジョブ・コードを検索するジョブ・コード検索手段とを具備することを特徴とする情報管理装置である。
【0020】
本発明は、複数のプロセスによって構成されるシステムの挙動をプロセス毎にシミュレーションを実行し、各々の解析結果を統合してシステム全体のパフォーマンスを予測し若しくは評価する、統合シミュレータに関する。
【0021】
統合シミュレータは、プロセス毎にシミュレーション・モジュール化した複数のサブシステムで構成され、サブシステム毎に独立して完成されたシステムである。したがって、各シミュレーション・モジュールの設計担当者は、巨大なシステム全体に渡って精通していなくとも、自分の担当分野だけ高度にエキスパータイズされていれば十分である。個々のサブシステムから得られたシミュレーション結果を統合してシステム全体のパフォーマンスを予測して、満足できる相乗効果を得ることができる。
【0022】
しかしながら、各シミュレーション・モジュールの設計担当者は、自分の担当領域しか関知していないので、例えば自システム内でトラブルが発生したときに、その原因が自システムあるいは他のいずれかのシステムにおける設定パラメータによるものであるかを究明することは容易でない。ある解析プロセスにおいて発生したトラブル項目や現象の原因として複数のサブプロセスが関与している場合には、各サブプロセスからの影響やその解析結果、オペレータのコメントを別途調べるなど、余分な工数がかかる。
【0023】
そこで、本発明に係る情報管理装置では、各シミュレーション・モジュールにおいて行なわれた個々の解析履歴を共通のデータ・フォーマットからなるジョブ・コードに記入し、これらのジョブ・コードを、複数の利用者が共用する共有データベースに格納するようにしている。この共有データベース上では、利用者が入力する検索キーに従ってジョブ・コードを検索することができる。すなわち、サブシステム毎に得られるノウハウや知識を共有し、各サブシステムの利用者は、随時最新のデータを利用することができる。
【0024】
前記ジョブ・コード生成手段は、各シミュレーション・モジュールにおいて解析計算が行なわれたときに、当該サブプロセスの名前、解析計算により確認された現象並びにトラブル項目、解析計算に使用したパラメータ・セット、解析計算の結果並びにその要約、解析計算の実施者のコメントを含む複数の入力項目からなるジョブ・コードを生成する。
【0025】
したがって、トラブル項目のメカニズムを究明する際には、オペレータは、現象やトラブル項目をキーにして共有データベースを参照して、パラメータの設定に有益な情報を得ることができる。また、利用者はサブシステムの境界を越えて、トラブル原因の検討を行なうことができる。
【0026】
前記ジョブ・コード検索手段は、利用者から入力された現象とトラブル項目をキーにして前記共有データベースを検索して、過去に行なった同様のシミュレーション計算の要約、パラメータ・セット、境界条件、コメントのリストに関する情報を取得して利用者に提示することができる。
【0027】
例えば、前記ジョブ・コード検索手段は、利用者がサブプロセス名を指定したことに応答して、該サブプロセス名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じサブプロセス名を持つジョブ・セットとしてリストアップする。ここで、利用者が現象を指定した場合には、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードを現象名付きでリストアップし、さらに利用者が前記の現象名のリスト中で知りたい現象を選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップする。そして、利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択された現象名を持つジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示する。
【0028】
また、前記ジョブ・コード検索手段は、利用者がトラブル項目名を指定したことに応答して、該トラブル項目名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じトラブル項目名を持つジョブ・セットとしてリストアップする。ここで、利用者がサブプロセスを指定した場合には、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードをサブプロセス名付きでリストアップし、さらに利用者が前記のサブプロセス名のリスト中で解析対象としているサブプロセスを選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップする。そして、利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択されたサブプロセスに関するジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示する。
【0029】
また、本発明の第2の側面は、複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して構成されるシミュレーション装置に関する情報を管理する情報管理装置であって、各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている能力に関する情報を格納する能力情報格納手段と、いずれのシミュレーション・モジュールにおいても解析不可能なケースに関する情報を格納する不可情報格納手段と、シミュレーションを行なう利用者が解析したい項目を事前に入力する入力手段と、該入力された解析したい項目が前記シミュレーション装置により解析可能であるかどうかを、前記の能力情報及び不可情報を基に判定する予診手段と、前記の予診した結果を利用者に提示する提示手段とを具備することを特徴とする情報管理装置である。ここで、前記能力情報格納手段は、各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている解析モデル、現象、トラブル項目に関する情報などを格納している。
【0030】
本発明の第2の側面に係る情報管理装置によれば、オペレータは、解析を行なう前の予診、すなわち、解析を行なう前に解析したい項目について解析の可否判断を行なう。したがって、解析したい現象がシミュレーションにより解析することが可能かどうか(すなわちモデル化されているか)を判定し、メッセージ(可否、利用可能な代替モデル)をオペレータに提示することができ、作業を効率化することができる。
【0031】
また、前記予診手段は、解析できないと判定した際に、該入力された解析したい項目に類似するシミュレーション結果を前記能力情報から探索し、前記提示手段を介して利用者に提示するようにしてもよい。
【0032】
また、本発明の第3の側面は、複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して個々にシミュレーションを行なって得られた解析履歴を管理するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、各シミュレーション・モジュールにおいて行なわれた個々の解析履歴を共通のデータ・フォーマットからなるジョブ・コードに記入するジョブ・コード生成手順と、各シミュレーション・モジュールにおいて生成されたジョブ・コードを、複数の利用者が共用する共有データベースに格納するジョブ・コード蓄積手順と、前記共有データベース上で、利用者が入力する検索キーに従ってジョブ・コードを検索するジョブ・コード検索手順とを実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0033】
また、本発明の第4の側面は、複数のサブプロセスによって構成されるシステムの挙動をサブプロセス毎にシミュレーション・モジュール化して構成されるシミュレーション装置に関する情報を管理するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、各シミュレーション・モジュールにおいて実装されている能力に関する情報を格納する能力情報格納手順と、いずれのシミュレーション・モジュールにおいても解析不可能なケースに関する情報を格納する不可情報格納手順と、シミュレーションを行なう利用者が解析したい項目を事前に入力する入力手順と、該入力された解析したい項目が前記シミュレーション装置により解析可能であるかどうかを、前記の能力情報及び不可情報を基に判定する予診手順と、前記の予診した結果を利用者に提示する提示手順とを実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0034】
本発明の第3及び第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3及び第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1及び第2の各側面に係る情報管理装置と同様の作用効果をそれぞれ得ることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、単独若しくは複数のシミュレーション・モジュールからなるシステムにおいて、各サブシステムがデータを蓄積し相互利用しながら、シミュレーション実行時のパラメータの設定を支援することができる、優れた情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0036】
また、本発明によれば、ある解析プロセスにおいて発生したトラブル項目や現象について、複数のサブシステムにまたがった考察を行ない、パラメータの設定を支援することができる、優れた情報管理装置及び情報管理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0037】
本発明によれば、複数のプロセスによって構成されるシステムの挙動をプロセス毎にシミュレーションし、各々の解析結果を統合してシステム全体のパフォーマンスを予測し若しくは評価するという統合シミュレータにおいて、シミュレーション・モジュール毎に行なわれる解析計算の結果や履歴に関する情報を、システム共通のデータ構造からなるジョブ・コードとして記述してデータベース化し、システム全体で共有することにより、サブシステム毎に得られるノウハウや知識を蓄積するようにしている。したがって、各サブシステムの利用者は、随時最新のデータを利用することができる。
【0038】
そして、ジョブ・コードのデータ構造として、使用したパラメータや観察された現象などとともに、トラブル項目を設定する。したがって、トラブル項目のメカニズムを究明する際には、オペレータは、現象やトラブル項目をキーにして共有データベースを参照して、パラメータの設定に有益な情報を得ることができる。また、共有データベースの構築によりサブシステム間でノウハウや知識の共有が円滑化されるので、利用者はサブシステムの境界を越えて、トラブル原因の検討を行なうことができる。
【0039】
本発明に係る情報管理装置によれば、統合シミュレータを構成する各サブシステムにおける解析結果に関する情報を共通フォーマットからなるジョブ・コードとして共有データベース化しているので、あるサブシステムにおいて新たな解析計算をする際に、現象やトラブル項目から、過去の知見を生かしたパラメータ設定ができるので、パラメータ設定に要する工数を低減することができる。
【0040】
また、本発明に係る情報管理装置によれば、統合シミュレータを構成する各サブシステムにおける解析結果に関する情報を共通フォーマットからなるジョブ・コードとして共有データベース化しているので、現象やトラブル項目とパラメータ・セット、過去の結果の参照が容易であり、且つ同様の現象・トラブル項目を有する他サブの関連するデータの参照、及び解析ができるため、現象・問題に対する理解向上、さまざまな角度からの課題検討や解決策の提案を行なうことができる。よって開発効率の向上、設計ノウハウの蓄積がなされる。
【0041】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0043】
本発明は、複数のプロセスによって構成されるシステムの挙動をプロセス毎にシミュレーション・モジュール化し、各々の解析結果を統合してシステム全体のパフォーマンスを予測し若しくは評価する、統合シミュレータに関する。統合シミュレータの1つの用途として電子写真プロセスを挙げることができる。この場合、露光・帯電、現像、転写、定着などのプロセス毎にシミュレーションをモジュール化し、各シミュレーション・モジュールからのシミュレーション結果を統合することによって、画像形成装置から得られる画像を予測しその評価を行なう。
【0044】
図1には、統合シミュレータの全体構成を模式的に示している。シミュレーションの対象となるシステムは巨大であるから、複数のサブシステムに分け、サブシステム毎にモデル化したシミュレータで構成される。図示の通り、各シミュレータはネットワーク接続されるとともに、システム内でシミュレーション結果を共有するための共有データベースを備えている。
【0045】
例えば、電子写真プロセス用の統合シミュレータの場合、帯電、露光、現像、転写、定着などのサブプロセス毎にモジュール化された、複数のシミュレータで構成され、各シミュレータがネットワーク経由で相互接続されている。
【0046】
共有データベースには、各シミュレータにおいて行なわれる解析計算の結果や解析履歴に関する情報が格納し、サブシステム毎に得られるノウハウや知識を蓄積するようにしている。したがって、各サブシステムの利用者は、随時最新のデータを利用することができる。
【0047】
各シミュレータは、解析計算した結果を、「ジョブ・コード」と呼ばれる共通のフォーマットで記述することで、利用者は随時最新のデータを利用することができ、サブシステム間でノウハウや知識の共有を円滑化している。
【0048】
図2には、統合シミュレータを構成要素となる各シミュレータの構成を模式的に示している。個々のシミュレータは、パーソナル・コンピュータ(PC)などの一般的な計算機システムで構成することができ、キーボードやマウス、ディスプレイなどのユーザ・インターフェースを備え、ネットワーク接続されている。
【0049】
シミュレータは、担当する解析対象領域をモデル化した1以上のモデル式を備えている。オペレータは、使用するモデル式を指定するとともに、シミュレーション条件を規定するパラメータを設定してシミュレータ・エンジン部に投入する。
【0050】
シミュレータ・エンジン部は、指定されたモデル式に設定パラメータを適用して、解析計算を実行する。解析結果は、ディスプレイでオペレータに提示される。
【0051】
また、解析結果は、使用したパラメータなどの解析条件とともにジョブ・コードに記入される。オペレータが解析結果に対して行なったコメントもジョブ・コードに記入される。解析計算毎に生成されるジョブ・コードは、ネットワーク経由で共有データベースに転送され、データベース登録される。
【0052】
このジョブ・コードのデータ構造として、使用したパラメータや観察された現象などとともに、トラブル項目を設定している。したがって、トラブル項目のメカニズムを究明する際には、オペレータは、現象やトラブル項目をキーにして共有データベースを参照して、パラメータの設定に有益な情報を得ることができる。また、共有データベースの構築によりサブシステム間でノウハウや知識の共有が円滑化されるので、利用者はサブシステムの境界を越えて、トラブル原因の検討を行なうことができる。
【0053】
図3には、ジョブ・コードの基本データ構造の一例を示している。同図に示すように、ジョブ・コードには、サブプロセス名、現象、トラブル項目、パラメータ・セット、結果/要約、コメント、機械コード、主要部品コードなどの入力項目が設けられている。
【0054】
サブプロセス名には、シミュレーションを行なったサブプロセスの名称が書き込まれる。パラメータ・セットには、そのシミュレーション計算に使用した各パラメータ値が書き込まれ、シミュレーション計算の結果から観察された現象が現象フィールドに書き込まれる。現象としてトラブルが検出された場合にはそのトラブル名がトラブル項目フィールドに書き込まれる。また、オペレータは、シミュレーション計算の結果若しくはその要約、コメントをジョブ・コード内の該当フィールドに入力することができる。機械コードや、主要部品コードの各フィールドには、シミュレーション対象とした機械やその主要部品に固有の識別コード(例えば、解析対象となる画像形成装置の装置固有情報や、感光体ドラムなどの部品の識別情報など)を書き込む。
【0055】
共有データベースには、ジョブ・コードの各入力項目をキーワードに検索処理を行なうことができる検索エンジンが接続されている。検索エンジンは、検索結果やパラメータ・セット、コメント・リストなどを画面表示する表示装置を備えている。勿論、サブシステム毎のシミュレータ装置がこのような検索エンジン機能を装備していてもよい。
【0056】
オペレータは、例えば現象とトラブル項目をキーにして共有データベースを検索すると、過去に行なった同様のシミュレーション計算の要約、パラメータ・セット、境界条件、コメントのリストなどの情報を取得することができる。また、推定されるトラブルの原因が、すべてのサブシステムにわたり表示される。これと同時に、他のサブシステムの結果もリスト表示され、結果の要約やコメントを得ることができる。これによって、トラブル原因をサブシステムの境界を越えて検討することができる。
【0057】
このように、サブシステム毎のシミュレータをネットワーク接続し、シミュレーション結果を共有データベース化した統合シミュレータによれば、ノウハウや知識が共有化され、利用者は随時最新のデータが利用可能であるとともに、サブシステムの垣根を越えた検討を行なうことができる。
【0058】
また、本実施形態に係る統合シミュレータによれば、自動ケーススタディ機能や、関連する他のサブシステムのパラメータ自動設定、自動実行、複数のサブシステムのタンデム解析、結果比較などの機能を提供することができる。
【0059】
トラブル項目データは複数の属性を有する。共通フォーマットのジョブ・コードを蓄積した共有データベースによれば、属性からあらゆる分類データへの相互関連付けが可能である。
【0060】
続いて、ジョブ・コードを蓄積した共有データベースの利用方法について説明する。
【0061】
図4には、サブプロセス名を基に共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析情報を表示する流れをフローチャートの形式で示している。
【0062】
まず、ジョブ・セット検索ステップでは、利用者がサブプロセス名を指定したことに応答して、該サブプロセス名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じサブプロセス名を持つジョブ・セットとしてリストアップする。
【0063】
続いて、現象リストアップ・ステップでは、利用者が現象を指定したことに応答して、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードを現象名付きでリストアップする。
【0064】
続いて、データ構造リストアップ・ステップでは、利用者が前記の現象名のリスト中で知りたい現象を選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップする。
【0065】
そして、データ提示ステップでは、利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択された現象名を持つジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示する。
【0066】
図5には、サブプロセス名を基に共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析情報を表示するための操作手順を図解している。
【0067】
データ構造「Sub process」から「サブプロセス名=SA」を指定した場合、過去のジョブ・セットの中からサブプロセス名に「SA」を持つジョブ#がリストアップされる。
【0068】
続いて、そのジョブ・セットの中から、基本データ構造の「Phenomenon」を指定すると、その名称がジョブ識別番号付きでリストアップされる。その中で、知りたい現象「P1」を選択すると、そのJOB#1のデータ構造がリストアップされる。
【0069】
ここで、データ構造「Result/Summary」を選択すると、結果と要旨が表示される。「Parameter Set」を選択するとその計算に用いたパラメータの値が表示される。
【0070】
各サブシステムのオペレータなど、この共有データベースの利用者は、あるサブシステムにおける解析したい現象に関する過去の計算結果や、ノウハウ(コメント)、パラメータ・リストを参照することにより、新たな解析のパラメータ設定が容易になる。
【0071】
また、図6には、トラブル項目名から共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析結果を表示する流れをフローチャートの形式で示している。
【0072】
まず、ジョブ・セット検索ステップでは、利用者がトラブル項目名を指定したことに応答して、該トラブル項目名を持つジョブ・コードを前記共有データベースから検索し、同じトラブル項目名を持つジョブ・セットとしてリストアップする。
【0073】
続いて、サブプロセス・リストアップ・ステップでは、利用者がサブプロセスを指定したことに応答して、前記ジョブ・セット中の各ジョブ・コードをサブプロセス名付きでリストアップする。
【0074】
続いて、データ構造リストアップ・ステップでは、利用者が前記のサブプロセス名のリスト中で解析対象としているサブプロセスを選択したことに応答して、該当するジョブ・コードのデータ構造をリストアップする。
【0075】
そして、データ提示ステップでは、利用者が前記のデータ構造のリスト中で特定の入力項目を選択したことに応答して、該選択されたサブプロセスに関するジョブ・コードにおいて該選択された入力項目として格納されているデータを提示する。
【0076】
図7には、トラブル項目名から共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析結果を表示する流れを図解している。
【0077】
データ構造「Defects(トラブル項目)」から「ディフェクト名=DA」を指定した場合、過去のジョブ・セットの中からディフェクト名に「DA」を持つジョブ#がリストアップされる。
【0078】
続いて、そのジョブ・セットの中から、基本データ構造の「Sub Process」を指定すると、その名称がジョブ識別番号付きでリストアップされる。その中で、解析対象としているサブプロセス「SB」を選択すると、そのJOB#1のデータ構造がリストアップされる。ここで、ALLを選択するとすべてのジョブの情報が一覧表示される。
【0079】
例えばJob#10の情報を参照したい場合、データ構造「Result/Summary」を選択すると、結果と要旨が表示される。「Parameter Set」を選択するとその計算に用いたパラメータの値が表示される。
【0080】
サブシステムのオペレータなど、この共有データベースの利用者は、あるディフェクトを基準に、それが起こる複数のサブシステムの中から特定のサブシステムを選択することにより、解析したい現象に関する過去の計算結果、ノウハウ(コメント)、パラメータ・リストを参照することができる。また、同様なディフェクトが生じる他サブシステムの情報も同時に得ることができる。
【0081】
このように、統合シミュレータを構成する各サブシステムにおける解析結果に関する情報を共通フォーマットからなるジョブ・コードとして共有データベース化しているので、あるサブシステムにおいて新たな解析計算をする際に、現象やトラブル項目から、過去の知見を生かしたパラメータ設定ができるので、パラメータ設定に要する工数を低減することができる。
【0082】
また、現象やトラブル項目とパラメータ・セット、過去の結果の参照が容易であり、且つ同様の現象・トラブル項目を有する他サブの関連するデータの参照、及び解析ができるため、現象・問題に対する理解向上、さまざまな角度からの課題検討や解決策の提案を行なうことができる。よって開発効率の向上、設計ノウハウの蓄積がなされる。
【0083】
図4及び図6では、共有データベースから取り出された過去の解析情報に基づいて、新たな解析のパラメータ設定を支援する利用形態について説明してきた。共有データベースの他の利用形態として、解析を行なう前の予診、すなわち、解析を行なう前に解析したい項目について解析の可否判断を行なうことができる。解析したい現象がシミュレーションにより解析することが可能かどうか(すなわちモデル化されているか)を判定し、メッセージ(可否、利用可能な代替モデル)をオペレータに提示することができ、作業を効率化することができる。
【0084】
図8には、解析を行なう前に解析したい項目について解析の可否判断を行なう可否判定装置の構成を模式的に示している。
【0085】
可否判定装置は、解析の可否判断を行なう際に、統合シミュレータ全体しての解析環境や解析能力、解析履歴の各項目をリスト構造にして備えている。例えば、個々のサブシステムにおいて実装されている解析モデルのリスト(Model List)、現象(Phenomenon List)、トラブル項目(Defect List)、解析できないケース(No Use Case List)、キーワード(Evaluate Term List)などからなる。
【0086】
解析モデルに関しては、例えば、サブシステム毎にシミュレータを構築した際や、あるサブシステムに新しいモデル式を導入した際に、逐次的に可否判定装置内の解析モデル・リストに登録するようにすればよい。また、現象、ディフェクト、解析できないケース、キーワードの各リストに関しては、サブシステム毎の解析結果の情報を蓄積した共有データベースから構築することができる。可否判定装置内の各リストは、共有データベースと相互関連付けされていてもよい。
【0087】
可否判定装置は、これらの各リストを事前のチェック項目として用意する。サブシステムのオペレータなど、この可否判定装置の利用者は、解析チェック項目で内容を選択することができる。
【0088】
そして、可否判定装置は、事前チェックされた項目について、判定装置内のデータと照合することで、実装されたモデルで解析できるかできないかを通知する。解析できない場合、その理由と類似したケースの情報を表示する。
【0089】
このように、解析を行なう前の予診、すなわち、解析を行なう前に解析したい項目について解析の可否判断を行なうことにより、解析したい現象がシミュレーションにより解析することが可能かどうか(すなわちモデル化されているか)を判定し、メッセージ(可否、利用可能な代替モデル)をオペレータに提示することができ、作業を効率化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0091】
本発明は、例えば、電子写真プロセスを複数のサブプロセスに分けて統合シミュレーションを行なう際にサブシステム毎の解析の履歴情報を管理するために好適に適用することができるが、本発明の要旨はこれに限定されない。巨大なシステムを複数のサブシステムに分けて扱い、サブシステム毎のシミュレータを構築するその棚さまざまなタイプの統合シミュレータに対し、本発明を同様に適用することができる。
【0092】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】図1は、統合シミュレータの全体構成を模式的に示した図である。
【図2】図2は、統合シミュレータを構成要素となる各シミュレータの構成を模式的に示した図である。
【図3】図3は、ジョブ・コードの基本データ構造の一例を示した図である。
【図4】図4は、サブプロセス名を基に共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析情報を表示する流れを示したフローチャートである。
【図5】図5は、サブプロセス名を基に共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析情報を表示する操作手順を説明するための図である。
【図6】図6は、トラブル項目名から共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析結果を表示する流れを示したフローチャートである。
【図7】図7は、トラブル項目名から共有データベースを検索し、過去に行なわれた解析結果を表示する流れを説明するための図である。
【図8】図8は、解析を行なう前に解析したい項目について解析の可否判断を行なう可否判定装置の構成を模式的に示した図である。




 

 


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