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発明の名称 OFDM受信装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−13310(P2007−13310A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−188417(P2005−188417)
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 鶴田 誠 / 松岡 秀浩 / 笠見 英男
要約 課題
IFFT処理における重複を回避することにより、チャネル推定の演算を効率化することのできるOFDM受信装置を提供する。

解決手段
複数のサブキャリアを表す受信信号とパイロット信号とから推定した複数のチャネル応答を出力するチャネル応答推定手段と、複数のチャネル応答をIFFT処理することにより複数の複素インパルス応答を出力する複数のIFFT処理手段と、複数のIFFT処理手段のいずれかから出力される複素インパルス応答から雑音成分を推定する雑音推定手段と、推定された雑音成分を複数の複素インパルス応答において抑圧する雑音抑圧手段と、雑音抑圧手段による雑音成分の抑圧後の複素インパルス応答をFFT処理することにより、雑音成分が抑圧されたチャネル応答推定信号を出力するFFT処理手段とを具備する。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のサブキャリアを表す受信信号とパイロット信号とから推定した複数のチャネル応答を出力するチャネル応答推定手段と、
前記複数のチャネル応答をIFFT処理することにより複数の複素インパルス応答を出力する複数のIFFT処理手段と、
前記複数のIFFT処理手段のいずれかから出力される複素インパルス応答から雑音成分を推定する雑音推定手段と、
推定された雑音成分を前記複数の複素インパルス応答において抑圧する雑音抑圧手段と、
前記雑音抑圧手段による雑音成分の抑圧後の複素インパルス応答をFFT処理することにより、雑音成分が抑圧されたチャネル応答推定信号を出力するFFT処理手段とを具備し、
前記複数のIFFT処理手段は、各々のIFFT処理手段によるIFFTのサイズがより大きくなり、かつIFFTにゼロを割り当てる数がより少なくなるように前記複数のチャネル応答の数を分割した際の分割数に対応して設けられることを特徴とするOFDM受信装置。
【請求項2】
前記複数のIFFT処理手段から出力された複数の複素インパルス応答のうち、最大の振幅値を有する複素インパルス応答を選択する選択手段を具備し、
前記雑音推定手段は、前記選択手段により選択された複素インパルス応答に基づいて前記雑音成分を推定する請求項1記載のOFDM受信装置。
【請求項3】
前記複数のIFFT処理手段から出力された複数の複素インパルス応答のうち、信号対雑音比(SNR)が最大となる複素インパルス応答を選択する選択手段を具備し、
前記雑音推定手段は、前記選択手段により選択された複素インパルス応答に基づいて前記雑音成分を推定する請求項1記載のOFDM受信装置。
【請求項4】
前記雑音抑圧手段は、前記複数の複素インパルス応答の各々から、予め定められた電力方向の第1の閾値を連続して下回り、時間方向について予め定められた第2の閾値を上回る時間区間に相当する成分を雑音として抑圧する請求項1乃至3のいずれかに記載のOFDM受信装置。
【請求項5】
前記雑音推定手段により推定された雑音成分を前記複数の複素インパルス応答の各々から削除する雑音成分削除手段と、
雑音成分が削除された複数の複素インパルス応答を、時間方向について予め定められた閾値に基づいて複数のセグメントに分類する分類手段とをさらに具備し、
前記雑音抑圧手段は、前記複数のIFFT処理手段から出力された複数の複素インパルス応答の各々において、前記セグメントに属さない複素インパルス応答を前記雑音推定手段により推定された雑音成分に基づいて抑圧する請求項1乃至3のいずれかに記載のOFDM受信装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、OFDM受信装置、伝搬路のチャネル応答推定時の雑音抑圧に係わり、特に、雑音抑圧により伝搬路のチャネル応答の推定精度の改善効果が得られるようにした受信装置、雑音抑圧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の雑音抑圧技術では、伝搬路のチャネル応答推定値をIFFT変換することで複素インパルス応答に変換し、雑音抑圧処理を施し、再びFFT変換することで高精度なチャネル応答の推定を行うことができる。この雑音抑圧処理は、複素インパルス応答の最大振幅から所定のしきい値を下回る複素インパルス応答の成分を零に置換する方法である。このIFFTとFFTを適用した雑音抑圧技術では、サイドローブの発生を抑圧するために、サブキャリア数が2のべき乗であることが要求されている。しかし、通常のOFDM通信システムでは、サブキャリア数が必ずしも2のべき乗個とはならない。この場合、信号帯域のサブキャリア数よりも大きな最小の2のべき乗のサイズを持つFFT/IFFTにより信号が作られる。例えば下記特許文献1には、2種類のFFTサイズのFFT/IFFTを組み合せることでFFTのサイズが2のべき乗でない場合においても、各パス成分のサイドローブの発生が抑制された雑音抑圧処理を実現できることが記載されている。
【0003】
従来のOFDM通信システムが備えるチャネル推定部について説明する。まず、チャネル推定部に対し受信信号とパイロット信号とが入力され、これらの信号に基づいてチャネル応答が推定される。チャネル推定部には、2のべき乗でない場合にも対応できるように2と2の2種類のIFFT処理部が接続され、チャネル推定部から出力されたチャネル応答、すなわち2と2の2種類のIFFT処理部への入力信号は、その一部が2種類のIFFT処理部の両者に与えられるようになっており、これによりサブキャリア数(複素インパルス応答数)が2のべき乗でない場合にも対応することができる。IFFT処理部に接続される雑音除去処理部は、IFFT処理部から出力される複素インパルス応答に対し、一定のしきい値以下の部分を零で置換する。
【特許文献1】特開2005−45628号公報「OFDM通信方式の受信装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のチャネル推定部は、2種類のFFT処理部(あるいはIFFT処理部)の間でFFT(あるいはIFFT)に重複する区間が存在することから、演算処理が非効率であるという問題点がある。また、一定のしきい値で雑音部分と複素インパルス応答の部分とを分離しているために、しきい値が深い場合には雑音抑圧効果が不十分となり、しきい値が浅い場合には、チャネル応答が劣化する等の問題がある。
【0005】
本発明は、FFT処理またはIFFT処理における重複を回避することにより、チャネル推定の演算を効率化することのできるOFDM受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点に係るOFDM受信装置は、複数のサブキャリアを表す受信信号とパイロット信号とから推定した複数のチャネル応答を出力するチャネル応答推定手段と、前記複数のチャネル応答をIFFT処理することにより複数の複素インパルス応答を出力する複数のIFFT処理手段と、前記複数のIFFT処理手段のいずれかから出力される複素インパルス応答から雑音成分を推定する雑音推定手段と、推定された雑音成分を前記複数の複素インパルス応答において抑圧する雑音抑圧手段と、前記雑音抑圧手段による雑音成分の抑圧後の複素インパルス応答をFFT処理することにより、雑音成分が抑圧されたチャネル応答推定信号を出力するFFT処理手段とを具備し、前記複数のIFFT処理手段は、各々のIFFT処理手段によるIFFTのサイズがより大きくなり、かつIFFTにゼロを割り当てる数がより少なくなるように前記複数のチャネル応答の数を分割した際の分割数に対応して設けられることを特徴とするOFDM受信装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、FFT処理またはIFFT処理における重複を回避することにより、チャネル推定の演算を効率化することのできるOFDM受信装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るOFDM受信装置を示すブロック図である。アンテナ部6−1で受信されたRF信号は、受信部6−2によりディジタル信号に変換された後に、GI(ガードインターバル)除去処理部6−3によりGIが除去され、有効シンボル区間の信号が取り出される。FFT処理部6−4は、この有効シンボル区間の信号をFFT処理することによりサブキャリアに変換する。FFT処理部6−4からの出力はチャネル推定部6−6に入力され、伝搬路の状態を示すチャネル応答が推定される。チャネル推定部6−6の詳細については後述する。FFT処理部6−4からの出力とチャネル推定部6−6からの出力はチャネル補償部6−5に入力される。チャネル補償部6−5はFFT処理部6−4でサブキャリアに変換された信号の伝搬路歪みをチャネル推定部6−6のチャネル応答推定値に基づいて補償する。チャネル補償部6−5で伝搬路歪み補償がなされた後の信号は、復調処理6−7においてシンボル(データ)に変換され、誤り訂正処理部6−8により誤り訂正復号処理が施され、送信データが復元される。
【0010】
図2はチャネル推定部6−6の内部構成を示すブロック図である。チャネル応答推定部1−1には、受信信号とパイロット信号とが入力される。チャネル応答推定部1−1は、これら受信信号とパイロット信号とからチャネル応答を算出し、該チャネル応答を示す複数の信号を生成する。このチャネル応答を示す複数の信号を出力するための信号線は、n組のブロックに分割され、各ブロックがIFFT処理部1−21,1−22,・・・1−2nにそれぞれ入力される。
【0011】
ここで、信号線のブロック数(分割数)nは、例えば、複素インパルス応答のグルーピング化が有効に機能するIFFTのサイズmをチャネル応答推定部1−1が出力するチャネル応答数lで除した余りが最小となるように選択される。
【0012】
あるいは、信号線のブロック数(分割数)n、すなわちIFFT/FFTの分割は、次に説明するように規定してもよい。ここでは、IFFT/FFTの分割における制約条件として、雑音抑圧を最小化する観点でIFFT/FFTの時間分解能を設定すること、および、サイドローブの発生を防止する観点でIFFT/FFTのサイズに対するゼロ埋めの割合を最小化することとする。
【0013】
[時間分解能の設定方法]
時間分解能は、複素インパルス応答のパターンと雑音抑圧の要求の程度とを勘案して設定する。
【0014】
図3(a)に示すように、時間分解能が小さい場合には、複素インパルス応答が分離できずに塊Rとして表現されるために、ゼロ置換による雑音改善量は次式の通りとなる。
【数1】


【0015】
一方、十分な時間分解能ある場合には、図3(b)に示すように複素インパルス応答を分離でき、ゼロ置換の区間を増加させることができる。したがって、次式のように雑音抑圧の効果が大きくとることができる。
【数2】


【0016】
したがって、雑音改善量が最大化されるように時間分解能を設定することが好ましい。
【0017】
[分割の方法]
分割の方法としては、下記の式(1)〜式(4)のいずれかに従う方法が選択可能である。これらの方法の選択基準は、基本的にはIFFT/FFTサイズとチャネル応答のサイズとにより決定されるが、雑音抑圧の要求の程度との関係が考慮される。
【数3】


【0018】
但し、Lはチャネル応答の数、biは同一のサイズを有するIFFT/FFTのサイズ、ciはIFFTへの入力にゼロを割当てる数とする。
【0019】
以下、分割の具体的な方法について詳しく説明する。
【0020】
[上式(1)に従う方法]
上式(1)に従う方法では、
【数4】


【0021】
となる最大のIFFT/FFTサイズが先ず選択される。次に、IFFT/FFTサイズとして
【数5】


【0022】
が計算される。これがL=0まで繰り返される。
【0023】
この結果、S0,S2,…Snからなるn個のIFFT/FFTサイズが得られる。
【0024】
[上式(2)に従う方法]
この方法は、上式(1)の方法において余りが生じ、計算が行えないケースに適用される。この時のゼロ埋めの方法は、図4(a)〜(d)に示す通りケース1からケース4に分類される。これらのケースの選択基準(方針)を以下に説明する。
【0025】
ケース1は、各ブロックに同一のサイズのゼロを挿入した場合に式(2)を満足し、最小のIFFT/FFTサイズが十分に大きく、ゼロ挿入によるサイドローブが十分に小さい場合に選択する。
【0026】
ケース2は、最小のIFFT/FFTサイズが小さいために、時間分解能が十分にとれない場合において、システムとしてインタリーブなどの仕組みを有している場合に選択する。この場合には、最小のIFFT/FFTサイズのブロックに全ての余りのゼロを挿入し上式(2)を満足するように設定がなされる。
【0027】
ケース3は、最大のIFFT/FFTサイズがゼロ挿入サイズに比較して十分に小さいためにサイドローブの広がりが無視できる程度であって、且つ、最小のIFFT/FFTサイズも十分な時間分解能が確保される場合に選択する。
【0028】
ケース4は、全てのIFFT/FFTサイズの時間分解能が十分確保されていて、各々のIFFT/FFTサイズに対するサイドローブの発生割合が同程度になるように上式(2)を満足するゼロ挿入サイズが設定される場合に選択する。
【0029】
[上式(3)に従う方法]
上式(3)を満足する全ての組み合わせにおいて、時間分解能が十分に確保される組み合わせを選択する。つまり、時間分解能が十分確保されないIFFT/FFTサイズの組が最小となるような組み合わせとなる選択方法とする。
【0030】
[上式(4)に従う方法]
上式(4)に従う方法は、上式(3)に従う方法では時間分解能を十分に確保する組み合わせを選択できないが、ゼロ挿入をすれば時間分解能を十分に確保できる場合に適用する方法である。この場合にも上式(2)の方法のようにケース1からケース4のようなゼロ挿入の方法を選択し、ゼロ挿入を行う。
【0031】
図5は、以上の手順をまとめてフローチャートに示したものである。
【0032】
以上説明したようにIFFT/FFTを分割する構成によれば、従来のチャネル応答推定のようなIFFT処理の重複を回避することができ、演算量を低減できるという効果がある。IFFT処理を複数の小ブロックに分割すること自体による演算量の低減効果も期待できる。
【0033】
具体的には、IFFTの演算量のオーダはIFFTのサイズをNとするときに次式のように表される。
【数6】


【0034】
このため、IFFTサイズNをM個のブロックにすることによりIFFTの演算量のオーダは次式のように表され、演算量を低減することができる。
【数7】


【0035】
ここで図2の説明に戻る。IFFT処理部1−21,1−22,・・・1−2nからの出力は、最大値検出部1−3、選択部1−4、雑音レベル削除処理部1−61,1−62,・・・,1−6n、雑音抑圧処理部1−81,1−8nにそれぞれ入力される。
【0036】
最大値検出部1−3は、IFFT処理部1−21,1−22,・・・1−2nから出力された複素インパルス応答の中から最大振幅を検出する。選択部1−4は、最大振幅となる複素インパルス応答を有するブロックを選択し、該ブロックの複素インパルス応答を雑音推定部1−5に対して出力する。雑音推定部1−5は、これにより入力された複素インパルス応答から雑音の推定を行う。
【0037】
ここで、最大振幅となる複素インパルス応答を有するブロックを選択すること、つまり、複数の複素インパルス応答の中からSNR(Signal-to-Noise Ratio;信号対雑音比)の一番良好な複素インパルス応答を選択ことは、次に説明するように雑音抑圧の高い効果をもたらす。
【0038】
ここでの雑音として白色雑音を仮定すると、白色雑音の電力の分布は指数分布に従う。受信された複素インパルス応答の電力の分布をプロットし、図6に示すように確率密度分布の対数表示とした場合のグラフの傾きから雑音電力成分を推定することができる。複数の複素インパルス応答の中からSNRの一番良好な複素インパルス応答を選択すると、雑音による寄与成分が大きい部分60と複素インパルス応答による寄与が大きい部分61とが明りょうに分離されることから、雑音電力成分を適切に推定できる。
【0039】
なお、雑音推定方法については、多岐に渡る方法が提案されている。例えば雑音推定部1−5による雑音推定処理では、IFFT処理後の1BIN(IFFT或いはFFTの1ポイント辺りの時間・周波数幅)とパイロット信号とから推定を行う。つまり、FFT後の伝搬路応答をH、受信信号をY、パイロット信号をX、熱雑音をNと表すとき、受信信号Yは、
【数8】


【0040】
であり、推定伝搬路は
【数9】


【0041】
であるから
【数10】


【0042】
となり、チャネル応答推定値に対する雑音成分はN/Xである。
【0043】
また、熱雑音Nは、帯域幅をB、温度をT、ボルツマン定数をk、抵抗をRとするとき、N=kTBRで与えられる。能動素子が含まれる場合には、その能動素子の雑音指数Fにより換算することにより熱雑音を推定することができる。ここでは、間接的な熱雑音推定について述べたが、IFFT処理後の複素インパルス応答から直接的に熱雑音を推定することもできる。具体的には、複素インパルス応答の推定値の分布から推定する方法などがある。
【0044】
図2の説明に戻る。雑音レベル削除処理部1−61,1−62,・・・,1−6nには、雑音推定部1−5で推定された雑音成分の大きさとIFFT処理部1−21,1−22,・・・,1−2nから出力された複素インパルス応答が入力される。
【0045】
ここで、図7(a)に示すように、雑音レベル削除処理部1−61,1−62,・・・,1−6nは、雑音レベル以上の信号成分を抽出してグルーピング化する前処理を行う。
【0046】
次に、図7(b)に示すように、遅延波クラスタ検出部1−71,1−72,・・・,1−7nは、時間方向に指定されるグルーピング幅Thb(しきい値)に基づき、複素インパルス応答の各パス成分をグルーピングする。図7(b)に示す例では、複素インパルス応答はGr1とGr2の2つのグループに分離される。
【0047】
雑音抑圧処理部1−81,・・・,1−8nには、グループGr1とグループGr2の時間方向の区間情報と、IFFT処理部1−21,1−22,・・・1−2nからの複素インパルス応答が入力される。雑音抑圧処理部1−81,・・・,1−8nは、グループGr1とグループGr2のそれぞれの区間以外の複素インパルス応答を零に置換することで雑音抑圧を行う。この雑音抑圧の結果を図7(c))に示す。雑音抑圧処理部1−81,・・・,1−8nにより雑音抑圧が施された複素インパルス応答は、FFT処理部1−91,・・・,1−9nに入力されFFT処理されたのち、チャネル応答推定値として出力される。
【0048】
このように、雑音成分の判定に関し、本実施形態ではグルーピングの概念を導入していることから、現実的な伝搬路に対する適応的な雑音抑圧を実現できる。このグルーピングの概念とは、図7(b)のようにグループGr1とグループGr2とに複素インパルス応答を分離することである。これは、物理的には、伝搬時間の異なる遅延波成分の群(クラスタ)毎にグループ化することとを意味し、散乱成分のクラスタ毎にグループ化することに対応する。
【0049】
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、まず、チャネル応答推定部から出力されるチャネル応答の信号線をIFFT/FFT処理に重複が生じないよう分割し、この分割数に応じた数のIFFT/FFT処理部を具備する構成によれば、演算量の低減効果が得られる。また、IFFT処理を複数の小ブロックに分割すること自体による演算量の低減効果も期待できる。
【0050】
次に、雑音成分推定のために、複数の分割された小ブロックの複素インパルス応答の中からSNRの良好な小ブロックを選択する構成によれば、雑音成分の推定精度を良好に確保することができる。
【0051】
さらに、パス成分のグルーピングの概念によれば、信号成分の劣化なしに、雑音成分を効果的に抑圧することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態において、チャネル応答推定部1−1からのチャネル応答の出力数とひとつのIFFT処理部(例えばIFFT処理部1−21)への入力数との比が非整数の場合、少なくとも1つのIFFT処理の入力に対してダミーの零入力が必要となる。この場合、IFFT処理部の入力数とダミーの零の入力数との比が増加する。このため、複素インパルス応答の各成分の両脇に発生するサイドローブが無視できなくなってくる。
【0053】
そこで本実施形態では、IFFT処理にダミーの零が挿入された場合のサイドローブ抑圧のために、図8に示すようにサイドローブキャンセル部2−3を付加する。図8における他の構成要素については図2に示したものと同様である。
【0054】
サイドローブは、IFFT処理部2−2nの一部に零を入力することにより発生する。これは、IFFT全区間の一部に対して矩形の窓関関数を掛けていることと等価である。そこで、IFFT区間をNポイントとし、零の挿入区間をMポイントとすると、窓関数の効果により、窓関数無しのIFFT信号に対して、式(5)を畳込んだ信号が窓関数ありの場合のIFFT信号となる。
【数11】


【0055】
そのために、窓関数の効果である式(5)をキャンセルすることにより、IFFT処理に対する零の挿入効果を軽減することができる。つまり、窓関数なしのIFFT処理号後の信号をX、窓関数ありのIFFT処理後の信号をYとし、式(5)を要素とする畳み込み行列Fとする時に、
【数12】


【0056】
と関係付けられる。また、畳み込み行列は、
【数13】


【0057】
と表される。
【0058】
また、この行列のランクがrank(F)=N−Mとなるために、式(3)の逆行列は一般に存在しない。そこで、対象成分の存在区間を考慮し、式(7)の部分行列に対して逆行列を式(8)の通り計算することにより、窓関数の効果がキャンセルされる。このときの対象成分の存在区間とは、窓関数の零の区間以外を指している。
【数14】


【0059】
式(8)の窓関数の効果のキャンセルの結果を図9に示す。また、式(7)の部分行列の逆行列の特性を図10に示す。
【0060】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果に加え、IFFT処理部による零挿入に伴いパス成分の両脇に発生するサイドローブ成分の抑圧効果が得られる。その結果、雑音抑圧処理部2−91,2−9nにおける雑音抑圧が効果的なものとなる。
【0061】
(第3の実施形態)
上述した第1の実施形態において、離散的なパイロット信号(例えばスキャッタドパイロット)がチャネル応答推定部に与えられる場合、チャネル応答推定部からの出力は、チャネル応答(C)と零挿入(0)とが規則的に繰り返される「C00C00C00C0・・・」のようなパターンとなる。この場合、IFFT処理後の複素インパルス応答にイメージ成分が現れることになり、このイメージ成分を抑圧することが必要になる。
【0062】
そこで、本実施形態では、図11に示すようにIFFT処理部3−21,3−22,…3−22nのそれぞれの出力端子に、イメージ成分を抑圧するためのフィルタ部3−31,3−32,…3−3nが付加される。図11における他の構成要素については図2に示したものと同様である。
【0063】
フィルタ部3−31,3−32,・・・,3−3nは、IFFT処理部3−21,3−22,・・・,3−2nから出力される各々のチャネル応答に挿入された零の数に対応する数のイメージ成分を通過させず、全て零で置換するようなフィルタ機能を有する。
【0064】
このような本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果に加え、スキャッタドパイロットが存在するような環境において、IFFT処理部3−21,3−22,…3−2nからの出力に発生するイメージ成分を抑圧することができることから、雑音抑圧処理部3−91,3−92,…3−9nにおける雑音抑圧が効果的なものとなる。
【0065】
(第4の実施形態)
本実施形態は上述した第2の実施形態と第3の実施形態の組み合わせに係る。本実施形態はスキャッタドパイロットが存在する場合で且つ、チャネル推定部から出力されるチャネル応答の数がIFFT処理部の数で割り切れずに余りが生じ、零の挿入がIFFT処理部に入力が必要な場合に有効であり、その構成を図12に示す。
【0066】
図12に示すように、IFFT処理部4−21,4−22,…4−22nのそれぞれの出力端子に、イメージ成分を抑圧するためのフィルタ部4−31,4−32,…4−3nが付加され、例えばフィルタ部4−3nの出力端子にサイドローブをキャンセルするためのサイドローブキャンセル部2−3が付加されている。図12における他の構成要素については図2に示したものと同様である。
【0067】
本実施形態によれば、第1の実施形態に加えて、第1の実施形態と同様の作用効果に加え、スキャッタドパイロットが存在する環境であって、かつIFFT処理部に対して連続した零の挿入に伴いパス成分の両脇にサイドローブが発生する環境において、IFFT処理部4−21,4−22,…4−2nの出力に発生するイメージ成分の抑圧とサイドローブ成分の抑圧とを同時に実現でき、雑音抑圧処理部4−101,4−102,…4−10nにおける雑音抑圧が効果的なものとなる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
OFDM受信装置のチャネル応答の推定に関する技術であり、地上ディジタル放送、無線LAN、FWAなどOFDMの原理を適用した受信装置の受信品質の改善する技術として広範囲に適用可能である。また、地上ディジタル放送のようなSFN環境における超遅延波が発生する環境や遅延波が動的に変化していく環境である移動受信環境では、本提案方式によるチャネル推定方式が有効である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態に係るOFDM受信装置を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る雑音抑圧機能付チャネル応答推定部の内部構成を示すブロック図
【図3】時間分解能の設定方法を説明するための図
【図4】IFFT/FFTの具体的な分割方法を説明するための図
【図5】IFFT/FFTの分割方法の手順を示すフローチャート
【図6】雑音成分推定について説明するための図
【図7】パス成分の時間方向のグルーピングによる雑音除去を説明するための図
【図8】本発明の第2の実施形態に係る雑音抑圧機能付チャネル応答推定部の内部構成を示すブロック図
【図9】サイドローブキャンセル部による処理効果を示すグラフ
【図10】サイドローブキャンセル部による処理効果を示すグラフ
【図11】本発明の第3の実施形態に係る雑音抑圧機能付チャネル応答推定部の内部構成を示すブロック図
【図12】本発明の第4の実施形態に係る雑音抑圧機能付チャネル応答推定部の内部構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0071】
1−1…チャネル応答推定部;
1−21〜1−2n…IFFT処理部;
1−3…最大値検出部;
1−4…選択部;
1−5…雑音推定部;
1−61〜1−6n…雑音レベル削除処理部;
1−71〜1−7n…遅延波クラスタ検出部;
1−81〜1−8n…雑音抑圧処理部;
1−91〜1−9n…FFT処理部




 

 


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