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発明の名称 磁気ヘッド及び磁気記録装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12264(P2007−12264A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2006−221210(P2006−221210)
出願日 平成18年8月14日(2006.8.14)
代理人 【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
発明者 大沢 裕一 / 中村 志保 / 羽根田 茂
要約 課題
電流直接駆動による磁化反転の際の反転電流を低減させることができる磁気セル及びそれを用いた磁気メモリを提供することを目的とする。

解決手段
磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性体層と、磁化の方向が可変の第2の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第2の強磁性体層との間に設けられた第1の中間層と、を備え、磁気記録媒体から前記第2の強磁性体層に電子電流を流入させて前記第2の強磁性体層の前記磁化を前記電子電流のスピン偏極状態に応じた方向とし、前記第1の強磁性体の前記磁化の方向と前記第2の強磁性体の前記磁化の方向の相対的な関係に応じて決定される前記第1及び第2の強磁性体層の間の抵抗の変化を検出することにより前記磁気記録媒体に記録された情報の読みとりを可能としたことを特徴とする磁気ヘッドを提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性体層と、
磁化の方向が可変の第2の強磁性体層と、
前記第1の強磁性体層と前記第2の強磁性体層との間に設けられた第1の中間層と、
を備え、
磁気記録媒体から前記第2の強磁性体層に電子電流を流入させて前記第2の強磁性体層の前記磁化を前記電子電流のスピン偏極状態に応じた方向とし、
前記第1の強磁性体の前記磁化の方向と前記第2の強磁性体の前記磁化の方向の相対的な関係に応じて決定される前記第1及び第2の強磁性体層の間の抵抗の変化を検出することにより前記磁気記録媒体に記録された情報の読みとりを可能としたことを特徴とする磁気ヘッド。
【請求項2】
前記第1の中間層は、微小穴を有する絶縁体からなり、前記第1及び第2の強磁性体層は、前記微小穴を介して接続されてなることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
【請求項3】
請求項1または2に記載の磁気ヘッドを備え、
磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を再生可能としたことを特徴とする磁気記録装置。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ヘッドに関し、特に、磁気ディスク装置等に用いることができ、高密度記録が可能な磁気ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクドライブにおける磁気記録密度は急激に上昇し、それに伴い、要求される記録周波数も数100MHzにまで上昇している。
【0003】
再生ヘッドに関しては、スピン依存散乱を動作原理に用いたGMR(Giant Magnet-Resistance)ヘッドの出現により、飛躍的に出力を上げることで高記録密度化に対応した。また、さらなる高記録密度化に対応するため、多くの構造が提案されている。その目的に対応した形で多層膜積層面に垂直に通電するタイプの再生素子が提案されている。例えば、TMR(Tunneling-junction Magnet-Resistance)ヘッドやCPPGMR(Current Perpendicular to the Plane GMR)ヘッドなどが、それらの再生素子に相当する。
【0004】
この素子設計に当たっては、磁化固着されたピン層と外部磁界に反応するフリー層との磁化直交配列や、フリー層の軟磁性化設計や、さらに出力を上げるための界面散乱およびバルク散乱を顕著にするための設計などが重要となる。フリー層の上下をピン層で挟んだ形のCPPGMR構造は、フリー層上下で界面散乱が発生するため出力の向上が見込まれる。そのためには、上下に挟んだピン層の磁化は、フリー層と直交し、さらに上下のピン層が同一の方向を向いている必要がある。また、外部磁界に敏感に反応するためにはその飽和磁化量を下げる方向が望ましい。
【0005】
さらに一般的なシールド型ヘッドの場合には、その両脇をシールドで挟み、素子総合膜厚がシールドに収まり、フリー層が略シールドの中間に位置する必要がある。記録ヘッドに比較した光学的なトラック幅方向のパターニングプロセスに関しては、構造が比較的単純であるため焦点深度を浅くしたより微細フォトリソグラフィーがしやすいなどメリットがある。
【0006】
一方、記録ヘッドにおいては、薄膜工程を経て形成されたコイルに交流電流を流し、コイルに鎖交する記録用磁性体を励磁し、信号情報を記録する原理を用いる。
【0007】
なお、磁性体に電流を流すことにより磁化反転を起こす技術については、例えば、非特許文献1に開示されている。しかし、これは、磁気ヘッドに関するものではない。
【非特許文献1】F. J. Albert, et al., Appl. Phy. Lett. 77, 3809 (2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
記録ヘッドにおいては、高密度化が困難になりつつある。すなわち、従来のコイルを用いた方式の場合、外部磁界に対する記録材料の磁化応答はコイルおよび磁気回路のインダクタンスにより制限され、それ以上の高周波対応が原理的に困難である。高周波に対応するためには、磁気回路のインダクタンスを小さくする必要があり、全体に小さく形成しなければならない。トラック幅は、コイルがあるために約10ミクロンに達する高い段差を越えて加工する必要がある。このため、フォトリソグラフィーの焦点深度の関係から多くの中間プロセスが必要となったり、トラック幅規定工程の歩留まりが悪くなったりと、コスト的な増大を招く。
【0009】
このように、従来、記録ヘッドは、記録信号をコイルに電流で流し励磁された信号磁界を磁性体に伝達して記録する原理を用いてきて、高記録密度化はそのサイズを小さくすることにより対応してきたが、ここにきて、その原理・構造から壁に突き当たる様相を呈している。
【0010】
本発明はかかる課題の認識に基づいてなされたものであり、従来のコイル方式とは根本的に異なる原理により書き込み磁界を発生させ飛躍的な高密度記録が可能な磁気ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明においては、磁性体に対してスピン偏極した電流を流すことにより、その磁化を制御する手法を用いて、従来よりも高密度な磁気記録が可能な磁気ヘッドを提供する。スピン偏極した電子を記録磁極に注入することによって磁気ヘッドの磁極の磁化反転を行う。こうすることにより、高周波記録が可能となり、さらに記録コイルが不要になるため狭トラック化が容易となる。また、プロセス数の低減によるコスト的メリットも生ずる。
【0012】
すなわち、本発明の第1の磁気ヘッドは、磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性体層と、磁化の方向が可変の第2の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第2の強磁性体層との間に設けられた第1の中間層と、を備え、
前記第1及び第2の強磁性体層の間で電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第2の強磁性層に作用させて前記第2の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定し、
前記決定された前記第2の強磁性体層の前記磁化により発生する記録磁界によって磁気記録媒体に情報を磁気的に記録可能としたことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、従来のコイル方式とは根本的に異なる原理により書き込み磁界を発生させ飛躍的な高密度記録が可能な磁気ヘッドを提供することができる。
【0014】
また、本発明の第2の磁気ヘッドは、磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性体層と、磁化の方向が可変の第2の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第2の強磁性体層との間に設けられた第1の中間層と、を備え、
前記第1及び第2の強磁性体層の間で電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第2の強磁性層に作用させて前記第2の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定し、
前記第2の強磁性体層から磁気記録媒体に前記スピン偏極した電子を流すことにより磁気記録媒体の磁化を決定して情報を記録可能としたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によっても、従来のコイル方式とは根本的に異なる原理により書き込み磁界を発生させ飛躍的な高密度記録が可能な磁気ヘッドを提供することができる。
【0016】
これら第1及び第2の磁気ヘッドにおいて、前記第1の強磁性体層から前記第2の強磁性体層に電子電流を流した場合には、前記第2の強磁性体層の前記磁化の方向は前記第1の方向とされ、前記第2の強磁性体層から前記第1の強磁性体層に電子電流を流した場合には、前記第2の強磁性体層の前記磁化の方向は前記第1の方向とは反対の方向とされるものとすることができる。
【0017】
また、本発明の第3の磁気ヘッドは、磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性体層と、磁化が前記第1の方向とは反対の第2の方向に実質的に固定された第3の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第3の強磁性体層との間に設けられ、磁化の方向が可変の第2の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第2の強磁性体層との間に設けられた第1の中間層と、前記第2の強磁性体層と前記第3の強磁性体層との間に設けられた第2の中間層と、を備え、
前記第1及び第3の強磁性層の間で電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第2の強磁性層に作用させて前記第2の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定し、
前記決定された前記第2の強磁性体層の前記磁化により発生する記録磁界によって磁気記録媒体に情報を磁気的に記録可能としたことを特徴とする。
【0018】
上記構成によっても、従来のコイル方式とは根本的に異なる原理により書き込み磁界を発生させ飛躍的な高密度記録が可能な磁気ヘッドを提供することができる。
【0019】
また、本発明の第4の磁気ヘッドは、磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性体層と、磁化が前記第1の方向とは反対の第2の方向に実質的に固定された第3の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第3の強磁性体層との間に設けられ、磁化の方向が可変の第2の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第2の強磁性体層との間に設けられた第1の中間層と、前記第2の強磁性体層と前記第3の強磁性体層との間に設けられた第2の中間層と、を備え、
前記第1及び第3の強磁性層の間で電流を流すことによりスピン偏極した電子を前記第2の強磁性層に作用させて前記第2の強磁性層の磁化の方向を前記電流の向きに応じた方向に決定し、
前記第2の強磁性体層から磁気記録媒体に前記スピン偏極した電子を流すことにより磁気記録媒体の磁化を決定して情報を記録可能としたことを特徴とする。
【0020】
上記構成によっても、従来のコイル方式とは根本的に異なる原理により書き込み磁界を発生させ飛躍的な高密度記録が可能な磁気ヘッドを提供することができる。これら第3及び第4の磁気ヘッドにおいて、前記第1の強磁性体層から前記第2の強磁性体層を介して前記第3の強磁性体層に向けて電子電流を流した場合には、前記第2の強磁性体層の前記磁化の方向は前記第1の方向とされ、
前記第3の強磁性体層から前記第2の強磁性体層を介して前記第1の強磁性体層に向けて電子電流を流した場合には、前記第2の強磁性体層の前記磁化の方向は前記第2の方向とされるものとすることができる。
【0021】
また、上記のいずれの磁気ヘッドにおいても、前記第2の強磁性体層の前記磁化は、前記電流を流さない状態においては前記第1の方向と略直交した方向を向いているものとすることができる。
【0022】
一方、本発明の第5の磁気ヘッドは、磁化が第1の方向に実質的に固定された第1の強磁性体層と、磁化の方向が可変の第2の強磁性体層と、前記第1の強磁性体層と前記第2の強磁性体層との間に設けられた第1の中間層と、を備え、
磁気記録媒体から前記第2の強磁性体層に電子電流を流入させて前記第2の強磁性体層の前記磁化を前記電子電流のスピン偏極状態に応じた方向とし、
前記第1の強磁性体の前記磁化の方向と前記第2の強磁性体の前記磁化の方向の相対的な関係に応じて決定される前記第1及び第2の強磁性体層の間の抵抗の変化を検出することにより前記磁気記録媒体に記録された情報の読みとりを可能としたことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、従来のコイル方式とは根本的に異なる原理により書き込み磁界を発生させ飛躍的な高密度記録が可能な読みとり用の磁気ヘッドを提供すること
上記第5の磁気ヘッドにおいて、前記第1の中間層は、微小穴を有する絶縁体からなり、前記第1及び第2の強磁性体層は、前記微小穴を介して接続されてなるものとすることができる。
【0024】
また、上記いずれの磁気ヘッドにおいても、前記第1の強磁性層は、隣接して設けられた反強磁性体層によりその磁化方向が固定されてなるものとすることができる。
【0025】
また、前記第1及び第3の強磁性層の少なくともいずれかは、隣接して設けられた反強磁性体層によりその磁化方向が固定されてなるものとしてもよい。
【0026】
一方、本発明の磁気記録装置は、上記いずれかの磁気ヘッドを備え、磁気記録媒体に情報を磁気的に記録可能としたことを特徴とする。
【0027】
または、本発明の磁気記録装置は、上記第5の磁気ヘッドを備え、磁気記録媒体に磁気的に記録された情報を再生可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
以上詳述したように、本発明によれば、スピン偏極電流による電流直接駆動型の磁化反転機構によって、軟磁性体層の磁化を所定の方向に反転させることができる。このため、コイルからの漏洩電流磁界を用いる従来の磁気ヘッドと比較して、はるかに高速な磁化反転が可能となる。その結果として、超高密度磁気記録に必要な高い動作周波数を実現することができる。さらにまた、そのサイズも、コイルを用いた場合と比べて大幅にコンパクトとすることができ、トラック幅や記録ビットサイズを縮小することが容易となる。
【0029】
すなわち、本発明によれば、従来よりも高い記録密度の磁気ヘッドを提供することができ産業上のメリットは多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態にかかる記録用の磁気ヘッドの要部の基本的な断面構造を例示する模式図である。この磁気ヘッドは、磁化が実質的に一方向に固着された磁性体からなる磁化固着層Cと、非磁性体からなる中間層Bと、磁化固着層Cよりも磁気的にソフトな軟磁性体層Aと、が積層された構造を有する。つまり、磁化固着層の磁化1は、一方向に固定され、軟磁性体層Aの磁化Mは、反転可能とされている。
【0032】
磁化固着層Cは、例えば、軟磁性体層Aよりも磁気的なハード(硬い)な磁性体により形成できる。また、磁化固着層Cの材料が、軟磁性体層Aよりも磁気的なハードな磁性体ではない場合には、反強磁性体(図示せず)などによりその磁化M1を所定の方向に固着したものでもよい。この点については、後に実施例を参照しつつ詳述する。
【0033】
磁化固着層C、中間層B及び軟磁性体層Aには、それぞれ図示しない電流供給手段により、同図に矢印で示したいずれかの方向に電流Iが流される。そして、この電流Iにより軟磁性体層Aの磁化Mを所定の方向に向け、その磁化Mにより、記録媒体Rに記録磁界を与えて所定の情報を磁気的に記録することができる。つまり、スピン偏極電流によって、軟磁性体層Aの磁化を反転させる。そして、軟磁性体層Aは、磁気ヘッドの「書き込み磁極」または「記録磁極」として作用する。
【0034】
図2は、本具体例の磁気ヘッドにおける磁化反転のメカニズムを説明する模式図である。
【0035】
すなわち、まず同図(a)に表したように、磁化固着層Cから軟磁性体層Aに向けて電子電流Iを流すと、軟磁性体層Aの磁化Mを、磁化固着層Cの磁化M1と同方向に反転させることができる。つまり、この方向に電子電流Iを流した場合、電子のスピンはまず、磁化固着層Cにおいてその磁化M1の方向に応じて偏極される。つまり、磁化固着層Cは、「スピン偏極電子エミッタ」として作用する。そして、このようにスピン偏極された電子が軟磁性体層Aに流入して、その磁化Mを磁化固着層Cの磁化M1と同方向に反転させる。
【0036】
これに対して、図2(b)に表したように、軟磁性体層Aから磁化固着層Cに向けて電子電流Iを流すと、これとは逆方向に書き込むことができる。すなわち、磁化固着層Cの磁化M1に対応したスピン電子は、磁化固着層Cを容易に通過できのに対して、磁化M1と逆方向のスピン電子は、中間層Bと磁化固着層Cとの界面において高い確率で反射される。そして、このように反射されたスピン偏極電子が軟磁性体層Aに戻ることにより、軟磁性体層Aの磁化Mを、磁化固着層Cの磁化M1とは逆の方向に反転させる。
【0037】
このように、電流の方向に応じて軟磁性体層Aの磁化Mを所定の方向に向け、その磁化Mを記録媒体Rに作用させることにより、磁気記録が可能となる。
【0038】
また、後に実施例を参照しつつ詳述するように、本発明においては、軟磁性体層Aから記録媒体Rに対してスピン偏極した電流を流すことにより記録媒体Rに情報を記録することも可能である。
【0039】
このように、本発明においては、スピン偏極電流による電流直接駆動型の磁化反転機構によって、軟磁性体層Aの磁化Mを所定の方向に反転させることができる。このため、コイルからの漏洩電流磁界を用いる従来の磁気ヘッドと比較して、はるかに高速な磁化反転が可能となる。その結果として、超高密度磁気記録に必要な高い動作周波数を実現することができる。さらにまた、そのサイズも、コイルを用いた場合と比べて大幅にコンパクトとすることができ、トラック幅や記録ビットサイズを縮小することが容易となる。
【0040】
図3は、本発明のもう一つの実施形態にかかる磁気ヘッドの要部の基本的な断面構造を例示する模式図である。この磁気ヘッドも記録用のヘッドであり、硬磁性体からなる磁化固着層C1と、非磁性体からなる中間層B1と、磁化固着層Cよりも磁気的にソフトな軟磁性体層Aと、非磁性体からなる中間層B2と、硬磁性体からなる磁化固着層C2と、がこの順に積層された構造を有する。磁化固着層C1、C2は、その磁化M1、M2が互いに反平行な方向に実質的に固着されている。また、軟磁性体層Aは、その磁化Mが可変とされている。
【0041】
本具体例の磁気ヘッドも、両端の磁化固着層C1、C2間に電流Iを流すことによって、軟磁性体層Aの磁化Mの方向を制御することができる。そして、このようにして、軟磁性体層Aの磁化Mに対応した記録磁界により記録媒体Rに情報を磁気的に書き込むことができる。
【0042】
図4は、図3に表した磁気ヘッドにおける「磁化反転」のメカニズムを説明するための模式断面図である。2つの磁化固着層C1、C2を設け、これらの界面を横切るように電流Iを流して、軟磁性体層Aの磁化Mを反転せさるメカニズムは、次のとおりである。
【0043】
まず、図4(a)において、磁化M1を有する第1の磁化固着層C1を通過した電子は、磁化M1の方向のスピンをもつようになり、これが軟磁性体層Aへ流れると、このスピンのもつ角運動量が軟磁性体層Aへ伝達され、磁化Mに作用する。一方、第2の磁化固着層C2の磁化M2は、磁化M1とは逆向きである。このため、電子の流れが第2の磁化固着層C2へ入る界面においては、磁化M1と同方向のスピン(同図において上向き)を有する電子は反射され、第2の磁化固着層C2に接した中間層B2に溜まる。この逆向きスピンは、やはり軟磁性体層Aに作用する。すなわち、第1の磁化固着層C1を通過してきたスピン電子が、軟磁性体層Aに対して2回作用するため、実質的に2倍の書き込み作用が得られる。その結果として、軟磁性体層Aに対する書き込みを、図1に表した磁気ヘッドよりも小さい電流で実施できる。
【0044】
また、図4(b)は、電流Iを反転させた場合を表す。この場合には、電流Iを構成する電子は、まず、第2の磁化固着層C2の磁化M2の作用を受けて、この方向(同図において下向き)のスピンを有する。このスピン電子は、軟磁性体層Aにおいてその磁化Mに作用する。さらに、スピン電子は、それとは逆向きの磁化M1を有する第1の磁化固着層C1との界面において反射されて、中間層B2に溜まり、もう一度、軟磁性体層Aの磁化Mに作用する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、2つの磁化固着層の磁化M1、M2を反平行としたことにより、軟磁性体層Aへ働くスピン方向は最終的に同一方向となり、2倍の作用が働く。その結果として、軟磁性体層Aの磁化の反転のための電流を低減することが可能となる。
【0046】
次に、本発明の実施の形態にかかる再生用の磁気ヘッドについて説明する。
【0047】
図5は、本発明の実施形態の再生用の磁気ヘッドを表す模式断面図である。すなわち、再生用の磁気ヘッドの場合、磁化固着層Cと軟磁性体層Aとの間には絶縁層ILが設けられ、この絶縁層ILに形成された微小穴NHによって磁化固着層Cと軟磁性体層Aとは接触している。なお、図5においては微小穴NHをひとつのみ表したが、本発明はこれには限定されず、複数の微小穴NHが設けられていてもよい。また、磁化固着層Cは、例えば、硬磁性体により形成することができる。
【0048】
このように、磁化固着層Cと軟磁性体層Aとが微小穴NHを介して接続されていると、いわゆる「磁性ポイントコンタクト」が形成され、極めて大きい磁気抵抗効果が得られる。従って、この微小穴NHを介した両側の磁性層の間での磁気抵抗効果を検出することにより、軟磁性体層Aの磁化Mの方向を容易に判定することができる。
【0049】
すなわち、この磁気ヘッドの軟磁性体層Aから電極EL1に電流が流れる場合のコンダクタンスは、軟磁性体層Aの磁化Mと、磁化固着層Cとの磁化M1との相対的な方向に依存する。図5に表した具体例の場合、もし、軟磁性体層Aの磁化MがABSの方を向いていた時には、磁化固着層Cの磁化M1の向きと平行になる。この場合には、微小穴NHにおける磁化固着層Cと軟磁性体層Aとの界面には、磁壁が存在しない。
【0050】
一方、もし軟磁性体層Aの磁化Mが磁化固着層Cの磁化M1と逆方向の場合には、微小穴NHにおける軟磁性体層Aと磁化固着層Cとの界面には、磁壁が存在する。この場合、軟磁性体層Aと磁化固着層Cとの接触部が微小穴NHで絞られているため急峻な磁壁が存在することとなる。このため、軟磁性体層Aと電極EL1との間のコンダクタンスは、磁化が並行の場合をCp、反平行の場合をCapとすると、Cp>Capとなる。
【0051】
軟磁性体層Aの磁化Mは、媒体の記録層RLに記録されている信号磁界を受けてその方向に回転される。その磁化Mの方向を、上述の如く微小穴NHを介したコンダクタンスの変化により検出できる。
【0052】
一方、軟磁性体層Aは、媒体の記録層RLからスピン偏極電子を受け取って、その磁化Mの方向を変えることもできる。すなわち、磁気ヘッドを媒体Rに対して接触走行させた場合、媒体Rを電気的に接地し、磁気ヘッドの電極EL1の電位をアース(接地電位)より上げた電気回路を構成することで、媒体Rから軟磁性体層Aへ電子が流入することとなる。すなわち、記録層RLの記録磁化に応じたスピン偏極電子が軟磁性体層Aに流入する。すると、軟磁性体層Aの磁化Mの方向は、このスピン偏極電子により制御される。その結果として、記録層RLの記録磁化が磁化固着層Cと同方向の場合のコンダクタンスはCp(抵抗小)となり、逆方向の場合のコンダクタンスはCap(抵抗大)となる。
【0053】
ここで、軟磁性体層Aの磁化Mの方向を変化させる力は、記録層RLから流入するスピン偏極電子によるトルクと、記録層RLに記録されている信号磁界によるトルクの2つである。信号磁界に関しては、その記録ビット以外からの漏れ信号によるノイズ(いわゆる「サイドリーディング」または「クロストーク」)が入ってしまう可能性がある。
【0054】
これに対して、スピン偏極電子による読みとりの場合、軟磁性体層Aの保磁力Hcを適宜大きくすることで信号磁界のサイドリーディングを防ぎつつ、電気的に接触している記録ビットのみの記録信号を読み取ることができる。このように、スピン偏極電子によるトルクによって軟磁性体層Aの磁化Mを回転させるようにすれば、接触している記録ビットのみの信号磁界を読むことが容易であり、磁束を検出して信号を再生する方式と比べて外乱に強く、分解能に優れ、トラック幅方向やトラック長手方向のシールドを不要とすることもできる。
【0055】
ここで、微小穴NHの開口径は、概ね20nm以下であることが望ましい。また、微小穴NHの開口形状は、円錐状、円柱状、球状、多角錘状、多角柱状などの各種の形状を取りうる。また、微小穴NHの数は、1個でも複数でもよい。
【0056】
次に、本発明の記録用または再生用の磁気ヘッドを構成する各要素について詳述する。
【0057】
まず、磁化固着層C、C1、C2と、軟磁性体層Aの材料としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、または、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む合金、「パーマロイ」と呼ばれるNiFe系合金、あるいはCoNbZr系合金、FeTaC系合金、CoTaZr系合金、FeAlSi系合金、FeB系合金、CoFeB系合金などの軟磁性材料、ホイスラー合金、磁性半導体、CrO、Fe、LaSrMnOなどのハーフメタル磁性体酸化物(あるいはハーフメタル磁性体窒化物)のいずれかを用いることができる。
【0058】
ここで「磁性半導体」としては、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)の少なくともいずれかの磁性元素と、化合物半導体または酸化物半導体とからなるものを用いることができ、具体的には、例えば、(Ga、Cr)N、(Ga、Mn)N、MnAs、CrAs、(Ga、Cr)As、ZnO:Fe、(Mg、Fe)Oなどを挙げることができる。
【0059】
本発明においては、磁化固着層C、C1、C2、軟磁性体層Aの材料として、これらのうちから用途に応じた磁気特性を有するものを適宜選択して用いればよい。
【0060】
また、これら磁性層に用いる材料としては、連続的な磁性体でもよく、あるいは非磁性マトリクス中に磁性体からなる微粒子が析出あるいは形成されてなる複合体構造を用いることもできる。このような複合体構造としては、例えば、「グラニュラー磁性体」などと称されるものを挙げることができる。
【0061】
またさらに、軟磁性体層Aの材料として、[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)]からなる2層構造、あるいは[(CoあるいはCoFe合金)/(NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi)/(CoあるいはCoFe合金)]からなる3層構造の積層体を用いることもできる。
【0062】
一方、中間層B、B1、B2の材料としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金をはじめとし、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、シリコン(Si)及び鉄(Fe)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物あるいは窒化物、フッ化物からなる絶縁体を用いることができる。また、これら中間層に酸素等の異種元素が添加していてもよい。さらに、絶縁層の場合にはピンホールが形成され、そこに磁性層が進入していてもよい。
【0063】
また一方、本発明においては、磁化固着層C、C1、C2の磁化を反強磁性体により固着することもできる。この場合に用いることができる反強磁性体の材料としては、鉄マンガン(FeMn)、白金マンガン(PtMn)、パラジウム・マンガン(PdMn)、パラジウム白金マンガン(PdPtMn)、イリジウムマンガン(IrMn)、白金イリジウムマンガン(PtIrMn)などを用いることが望ましい。また、層間結合を使って固着させる際の中間層としては、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)あるいはこれらのいずれか一種以上を含む合金が好ましい。
【0064】
以下、実施例を参照しつつ、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
【0065】
(第1の実施例)
図6は、本発明の第1の実施例にかかる記録用の磁気ヘッドの要部を表す断面図である。
すなわち、本実施例の磁気ヘッドは、電極EL1、中間層B1、軟磁性体層A、中間層B2、硬磁性体層C、電極EL2、リターンヨークRYをこの順に積層した構造を有する。記録媒体Rとの対向面の裏側には、絶縁層ILを介してバックヨークBYが設けられている。
【0066】
本実施例における軟磁性体層Aの磁化Mの反転のメカニズムは、図2に関して前述した通りである。すなわち、電極EL1とリターンヨークRYとの間で所定の向き記録信号電流RSを流すことにより、軟磁性体層Aの磁化Mを適宜反転させ、その磁界により、記録媒体Rに情報を書き込むことができる。
【0067】
記録媒体Rは、例えば、図示した如く、軟磁性体からなる裏打ち層BLの上に磁性体記録層RLが設けられたものを用いることができる。この場合、磁気ヘッドの「書き込み磁極」すなわち軟磁性体層Aから放出された記録磁界は、裏打ち層BLからリターンヨークRY、バックヨークBYを介して軟磁性体層Aに環流し、閉磁気回路を形成できる点で有利である。以下、本実施例の磁気ヘッドの構成について、その製造工程を参照しつつさらに詳細に説明する。
【0068】
図6に表した磁気ヘッドのリターンヨークRYは、例えば、この磁気ヘッドに隣接して設けられる再生ヘッド(図示せず)の磁気シールドと兼用することができる。そして、この場合には、図示しない再生ヘッドを形成した後に、このリターンヨークRYの上に図6の磁気ヘッドを形成することができる。
【0069】
すなわち、まず、リターンヨークRYの上に、モリブデン・タングステン(MoW)からなる電極EL2(膜厚30nm)を形成する。次に、硬磁性体層Cの下地膜となるクロム(Cr)層(膜厚5nm)を形成し、その上に、硬磁性体層Cとして、飽和磁束密度1T(テスラ)のコバルト白金(CoPt)合金層(膜厚30nm)を形成する。このCoPt層は、その保磁力Hcが1.5KOe(キロエルステッド)となる条件で形成することができる。
【0070】
さらに、中間層B2として銅(Cu)層(膜厚5nm)を形成し、その上に軟磁性体層Aとして飽和磁束密度2.3Tの鉄コバルト・ニッケル(FeCoNi)合金層を膜厚10nmとなるように形成する。次に、中間層B1として銅(Cu)層を15nm成膜し、その後、トラック幅方向のパターニングを行う。
【0071】
パターニングは、電子線(EB)レジストを所定のトラック幅(例えば、50nm)にパターニングして、イオンミリングにより電極EL2の表面までエッチングし、さらにMoW電極EL2はフレオン系ガスによるRIE(Reactive Ion Etching)により加工することができる。
【0072】
次に、エッチングした部分(例えば、深さが95nm程度)を埋め込むようにSiO膜を成膜し、EBレジストをリフトオフする。これによりトラック幅の規定とSiO絶縁膜によるトラックまわりの平坦化ができる。
【0073】
次に、バックヨーク側のパターニングを行うため、マスクとしてフォトレジストを約3μm幅で形成する。そして、トラック幅加工と同じようにイオンミリングとRIEを用いて電極EL2までエッチングを行う。そして、絶縁層ILとしてSiO膜(膜厚5nm)を堆積し、さらにバックヨークBYとしてニッケル鉄(NiFe)合金膜(膜厚90nm)を堆積し、さらにSiO膜(膜厚25nm)を形成してリフトオフする。このようにして裏面側も絶縁層ILおよびバックヨークBYにて埋めこみ平坦化できる。バックヨークBYは、絶縁層ILによって硬磁性体層Cや軟磁性体層Aなどと絶縁される。
【0074】
その後、電極EL1としてMoW合金層(膜厚0.2μm)を形成し、電極の形状に加工する。その後、通常のヘッドのように媒体走行面(air bearing surface:ABS)を形成するための切断・研磨加工を行うことで、ABSに硬磁性体層Cおよび軟磁性体層Aが現れ、磁気ヘッドの要部が完成する。
【0075】
このようにして形成した磁気ヘッドは、図1及び図2に関して前述したように電流により書き込み磁界を適宜反転生成することができる。すなわち、電極EL1から硬磁性体層Cを介して軟磁性体層Aの方向に電子電流を流すことにより、硬磁性体層Cからスピン偏極した電子が軟磁性体層Aに流入し、軟磁性体層Aの磁化Mの方向は、硬磁性体層Cの磁化M1の方向と同じ方向となる。
【0076】
一方、電極EL2から電極EL1に向けて電子電流を流した場合には、硬磁性体層Cの界面に入射したスピン偏極電子のうち硬磁性体層Cと逆向きのスピンを有するのものは反射されて軟磁性体層Aに流入する。その結果として、軟磁性体層Aの磁化Mは硬磁性体層Cの磁化M1とは逆方向を向くこととなる。つまり、軟磁性体層Aと硬磁性体層Cの磁化の方向が逆方向の場合には、軟磁性体層Aの磁化反転は起こらず、両者が同方向の場合に磁化反転が生じる。
【0077】
このように、軟磁性体層Aに流れ込む電子のスピン偏極方向を制御することで、高飽和磁束密度を有する軟磁性体層Aの磁化方向を制御することができる。この軟磁性体層Aは磁気ヘッドの「記録磁極」または「書き込み磁極」として作用することとなる。
【0078】
一方、記録媒体Rとしては、図示したように、軟磁性裏打ち層BLと垂直磁気記録層RLとを有する垂直記録媒体を用いることができる。この記録媒体Rの上を、例えば浮上量2nmにて本実施例の記録ヘッドを浮上走行させることができる。軟磁性裏打ち層BLが設けられた記録媒体を使用することで、磁気ヘッドの記録磁極である2.3Tと高い飽和磁束密度を有する軟磁性体層Aからの磁束により媒体に記録することができる。記録媒体の保磁力Hcは、軟磁性体層Aからの磁束により記録が可能であり、且つ、低飽和磁束密度である硬磁性体層Cからの磁束では記録されないように設定すればよい。
【0079】
記録磁極(軟磁性体層A)から放出された記録磁束は、記録媒体の記録層RLに磁化情報を記録し、軟磁性裏打ち層BLを通り、リターンヨークRYに吸い上げられ、バックヨークBYを通り、記録磁極に戻る。
【0080】
ここで、記録媒体Rへの書き込み時以外の書き込みを防止するために、電流が流されていない状態において、軟磁性体層Aの磁化Mが、硬磁性体層Cの磁化M1と略直交方向になるような磁気バイアスを加えてもよい。
【0081】
ただし、軟磁性体層Aが磁区安定化のためにバイアスを加えられることで、磁化回転のための必要トルクは上昇する。したがって、その分だけ偏極電子の電流量も増加させる必要がある。特に、軟磁性体層Aを磁化固着層と逆方向に磁化回転させる場合(電子が軟磁性体層Aから磁化固着層へ流入する方向)、磁化固着層での電子反射確率やスピン偏極率の問題から、磁化固着層方向への磁化回転の場合よりもより多くの電子電流が必要になる。
【0082】
これに対して、図3及び図4に関して前述した構造を採用すれば、書き込み電流を低減できる。
【0083】
図7は、書き込み電流を低減できる磁気ヘッドを表す模式断面図である。すなわち、軟磁性体層Aの両側に、それぞれ中間層B1、B2を介して硬磁性体層C1、C2を設ける。これらの磁化M1、M2の向きを互いに逆向きにしておくことで、図3及び図4に関して前述したように、書き込み電流を低減できる。
【0084】
以下、本具体例の磁気ヘッドについて、その製造工程を参照しつつ説明する。
【0085】
まず、図示しない再生ヘッドを形成し、その磁気シールドを兼用するリターンヨークRYの上に、電極EL2としてMoW層(膜厚30nm)を形成する。
【0086】
次に、硬磁性体層C2の下地膜となるCr層(膜厚5nm)を形成し、その上に硬磁性体層C2として、飽和磁束密度1TのCoPt合金(膜厚30nm)を形成する。このCoPtは、例えば、保磁力Hcが1.5KOeとなる条件で形成することができる。さらに、中間層B2として銅(Cu)層(膜厚5nm)を形成し、その上に軟磁性体層Aとして、飽和磁束密度2.3Tを有するFeCoNi合金層を10nm形成する。さらに、硬磁性体層C1として、飽和磁束密度1TのCo層(膜厚30nm)を形成する。硬磁性体層C1の保磁力Hcは、例えば1KOeとなる条件で形成できる。
【0087】
この段階で、硬磁性体層C1を2KOeの磁界で媒体走行面(ABS)の方向に着磁し、さらに1.2KOeの磁界をABSとは逆向きに印加することによりと硬磁性体層C2を着磁する。このようにして、硬磁性体層C1、C2の磁化方向を互いに逆向きになるようにすることができる。
【0088】
次に、図6に表した磁気ヘッドに関して前述したものと同様の工程により、トラック幅方向のパターニングを行い、さらに絶縁層ILとバックヨークBYを形成する。
【0089】
その後、電極EL1として、MoW合金層(膜厚0.2μm)を形成して、電極形状に加工する。さらに、媒体走行面をだすための切断・研磨加工を行うことで、ABSに互いに逆方向に磁化された硬磁性体層C1、C2および軟磁性体層Aが現れる。
【0090】
このようにして形成した磁気ヘッドは、図3及び図4に関して前述したように、スピン偏極電流により記録磁界を反転させることができる。すなわち、電極EL1から電極EL2に向けて電子電流を流すことにより、軟磁性体層Aの磁化Mは硬磁性体層C1の磁化M1と同じ方向になる。一方、電極EL2から電極EL1に向けて電子電流を流すと、軟磁性体層Aの磁化Mは硬磁性体層C2の磁化M2の方向を向くこととなる。
【0091】
この時、図4に関して前述したように、軟磁性体層Aを通過したスピン偏極電子のうちで硬磁性体層の界面で反射された電子が再び軟磁性体層Aに作用するため、電流書き込み効果が倍増し、小さな書き込み電流で軟磁性体層Aの磁化反転が可能となる。
【0092】
一方、本発明においては、磁化固着層として、硬磁性体層の代わりに反強磁性体層により磁化固着した軟磁性体層を用いることもできる。
【0093】
図8は、反強磁性体層により磁化固着させた磁気ヘッドを例示する模式断面図である。同図については、図1乃至図7に関して前述したものと同様の要素については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0094】
本具体例の磁気ヘッドの場合、磁化固着層C1、C2は、それぞれ軟磁性体により形成されている。そして、これらに隣接して設けられた反強磁性体層AF1、AF2により、磁化M1、M2が固着されている。以下、この磁気ヘッドの構造について、その製造工程を参照しつつ説明する。
【0095】
まず、図示しない再生ヘッドの磁気シールドを兼用するリターンヨークRYの上に、MoWからなる電極EL2(膜厚30nm)を形成する。次に、反強磁性体層AF2として、白金マンガン(PtMn)合金層(膜厚15nm)を形成し、さらにその上に磁化固着層C2を構成する軟磁性体として飽和磁化Bsが約1TのNiFe合金層を10nm形成する。さらに、中間層B2として銅(Cu)層(膜厚5nm)を形成し、その上に軟磁性体層Aとして飽和磁束密度2.3Tを有するFeCoNi合金層を10nm形成する。
【0096】
次に、中間層B1としてCu層(膜厚5nm)を形成し、さらに磁化固着層C1を構成する軟磁性体として飽和磁化Bsが約1TのNiFe合金層を10nm形成し、さらにその上にイリジウム・マンガン(IrMn)合金からなる反強磁性体層AF1(膜厚10nm)を形成する。
【0097】
この際、ABS(媒体対向面)が形成される方向に磁界を印加しながら成膜を行った。すなわち、ABSと逆方向に10KOeの磁界を印加しながら270℃で10時間の加熱処理を行った。これにより、反強磁性体層AF2を構成するPtMn合金層に隣接した軟磁性体からなる磁化固着層C2の磁化M2は、ABSと反対方向に固着される。
【0098】
次に、ABS方向に10KOeの磁界を印加しながら200℃で1時間の熱処理を加えた。これにより、反強磁性体層AF1を構成するIrMn合金層に隣接した軟磁性体からなる磁化固着層C1の磁化M1は、ABS方向を向いて固着される。
【0099】
このような磁化配列を与えることにより、電子がABS方向に磁化固着された磁化固着層C1から記録磁極である軟磁性体層Aに流入するときは、軟磁性体層Aの磁化MはABS向きとなり、逆に、ABSと反対方向に磁化固着された磁化固着層C2から軟磁性体層Aに電子が流入するときは、軟磁性体層Aの磁化MはABSと逆方向を向くこととなる。
【0100】
このように、硬磁性体の代わりに反強磁性体層と薄い軟磁性体層とを組み合わせて磁化固着させることができる。また、一対の磁化固着層C1、C2のうちのいずれか一方のみを硬磁性体により形成してもよい。
【0101】
図6乃至図8に表した磁気ヘッドの場合、トラック幅方向の加工の後に、その部分を絶縁層で埋め込んだ構造を有する。その絶縁層で埋め込んだ部分に、バイアス層を埋めこんで、軟磁性体層Aの磁化Mを媒体面に平行な方向に磁気バイアスすると、スムーズでノイズフリーな磁化回転が得られる。
【0102】
図9乃至図12は、このようなバイアス層を設けた磁気ヘッドを表す模式断面図である。すなわち、これらの図は、媒体対向面から見た断面図である。
【0103】
図9乃至図12に表した磁気ヘッドは、磁化固着層C1、C2の磁化固着を反強磁性体層AF1、AF2により行う構造を有する。そして、トラック幅の加工を電極EL1まで行った後、軟磁性体層Aを直交バイアスするため、SiOからなる絶縁層ILと、コバルト白金(CoPt)からなる磁気バイアス層HMと、SiOからなる絶縁層ILを積層させて形成することができる。
【0104】
そして、これら磁気バイアス層HMからのバイアス磁界MBにより、軟磁性体層Aの磁化Mは、媒体対向面に対して略平行な方向にバイアスされている。このようにすると、記録電流を流して軟磁性体層Aの磁化Mを磁化固着層C1またはC2の磁化方向に磁化反転させる時に、磁化の回転量が約90度と小さくなり、磁化回転がスムーズで且つ磁気ノイズも低減する。さらに、無通電状態で軟磁性体層Aの磁化が媒体方向を向くことによる媒体情報の消去を防ぐことができる。
【0105】
図9に表した磁気ヘッドは、トラック幅加工を電極EL1まで行った後、SiO絶縁層IL(膜厚7nm)、CoPt磁気バイアス層HM(膜厚80nm)、SiO絶縁層IL(膜厚20nm)を形成し、最後に電極EL2を形成したものである。磁気バイアス層HMの回りを絶縁層ILで覆っているのは、記録電流が磁気バイアス層HMへリークして効率を低下させないためのものである。磁気バイアス層HMの材料としてCoPtの代わりにガンマヘマタイトのように高抵抗の硬磁性材料を使うことにより、絶縁層ILを省くことも可能である。
【0106】
図10に表した磁気ヘッドは、トラック幅加工を中間層B1までで止めた構造を有する。こうすることで、トラック幅加工の深さを浅くすることができ、その結果としてトラック幅加工に伴うトラック幅の誤差を小さくすることができる。また、通電される微小領域の長さが短くなるために発熱を低下させ、その結果、より大電流を流して確実な軟磁性体層Aの磁化回転を起こさせたり、発熱に伴う信頼性の低下を防ぐことができる。なお、図10においては、中間層B1の全体を加工しているが、中間層B1の途中までの加工でも同様の効果が得られる。
【0107】
図11に表した磁気ヘッドの場合、トラック幅に加工された部分は中間層B1、軟磁性体層A、中間層B2に限定されている。このようにすると、発熱領域を軟磁性体層Aの部分に限定できるため、発熱を低下させ、その結果、より大電流を流して確実な軟磁性体層Aの磁化回転を起こさせたり、発熱に伴う信頼性の低下を防ぐことができる。
【0108】
この場合、中間層B2まで成膜した後、トラック幅の加工、さらに磁気バイアス層HMの成膜を行い、改めて軟磁性体からなる磁化固着層C2、反強磁性体層AF2を形成することができる。
【0109】
図12に表した磁気ヘッドは、軟磁性体層Aまで成膜の後、トラック幅の加工および磁気バイアス層HMの成膜を行い、その後、中間層B2、軟磁性体からなる磁化固着層C2、反強磁性体層AF2を形成したものである。このように一対の磁気バイアス層HMを上に盛り上がらせて、その間に中間層B2を埋め込むと、その次に埋め込まれる磁化固着層C2(軟磁性体)の埋め込み幅(TW2)は、トラック幅加工した軟磁性体層Aの幅(TW1)よりも狭くなる。このように、一方の磁化固着層C2の幅を小さくすることで、軟磁性体層Aにおける通電領域を制限することができる。そのため、実質的な磁極の幅を、リソグラフィーを用いたトラック幅加工サイズよりも小さくすることが可能となり、より高密度な磁気記録が可能となる。
【0110】
(第2の実施例)
図13は、本発明の第2の実施例にかかる記録用の磁気ヘッドを媒体対向面から眺めた平面図である。また、図14は、図13のA−A線断面図であり、図15は、図14のB−B線断面図である。これらの図面についても、図1乃至図12に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。なおここで、「デプス方向」とは、媒体対向面ABSに対して垂直な方向を意味する。
【0111】
図13から分かるように、本実施例の磁気ヘッドは、媒体対向面において、記録磁極として作用する軟磁性体層Aの先端が露出し、その周囲は絶縁層ILにより覆われている。
【0112】
一方、図14及び図15から分かるように、軟磁性体層Aの上下には、中間層B1、M2を介して磁化固着層C1、C2が設けられている。これら磁化固着層C1、C2は、硬磁性体からなり、その磁化は互いに反平行方向に固着されている。
【0113】
この磁気ヘッドに電極EL1から電極EL2の方向に電子電流を流すと、軟磁性体層Aの磁化は磁化固着層C1の磁化の方向に向けられる。一方、電極EL2から電極EL1の方向に電子電流を流すと、軟磁性体層Aの磁化は磁化固着層C2の磁化の方向を向くこととなる。
【0114】
以下、本実施例の磁気ヘッドについて、その製造工程を参照しつつさらに詳細に説明する。
【0115】
まず、図示しない再生ヘッドの上部シールド(図示せず)の上に、アルミナ絶縁層(図示せず)を約0.2μmの厚みに形成し、さらにMoW合金からなる電極EL2(膜厚0.1μm)を形成する。そのMoW層をフォトレジストを用いて電極パターン形状にエッチング加工する。すなわち、フレオン系ガスを用いたRIEによってアルミナ膜の表面までエッチングし、まわりにアルミナを新たに0.1μm埋めこみ、レジストをリフトオフして平坦化する。
【0116】
次に、磁化固着層C2の下地となるCr層(膜厚5nm)を形成し、その上に磁化固着層C2を構成する硬磁性体として、飽和磁束密度1TのCoPt合金(膜厚30nm)を形成する。ここでは、このCoPtの保磁力Hcが1.5KOeとなる条件で形成することができる。さらに、中間層B2としてCu層(膜厚5nm)を形成する。ここで2KOeの磁界でABSと逆向きに磁化固着層C2を着磁する。
【0117】
ここまでの積層膜を形成したところで、幅と長さがそれぞれ1μmのフォトレジストでパターニングを行う。これをイオンミリングを用いて中間層B2のCu、磁化固着層C2のCoPt(Bs〜1T、Hc〜1.5KOeに設定)およびその下地のCrをエッチングし、その下のMoWをフレオン系ガスを用いたRIEによりアルミナ膜の表面までエッチングする。その後、アルミナ膜を約40nm形成しフォトレジストをリフトオフすることで、1ミクロン角の金属積層膜の周りをアルミナ絶縁膜で囲った平坦面が形成される。
【0118】
次に、記録磁極となる軟磁性体層Aとして、FeCoNi合金層(膜厚10nm:Bs〜2.3T)を形成する。この合金層を、EBリソグラフィーにより、幅40nm、長さ1.5μmで、下の金属積層膜(1ミクロン角)の中央位置に配置されるように長さ方向は0.25μmずつ出るようにパターニングする。
【0119】
次に、イオンミリングを用いてFeCoNi合金層(軟磁性体層A)をエッチングする。その後、アルミナ層(膜厚10nm)を形成し、レジストをリフトオフする。この工程により、40nm×1.5μmのFeCoNi合金からなる軟磁性体層A(記録磁極)が中間層B2に電気的にコンタクトして配置され、その周りはアルミナ絶縁膜で平坦化されたことになる。
【0120】
次に、中間層B1としてCu層(膜厚5nm)を形成し、その上に磁化固着層C1を構成する硬磁性体として飽和磁束密度1TのCo層(膜厚30nm)を形成する。磁化固着層C1の保磁力Hcは、1KOeとなる条件で形成することができる。この時点で、1.2KOeの磁界をABS向きに印加して、磁化固着層C1を着磁し、磁化固着層C1とC2の磁化方向を互いに逆向きに付与する。
【0121】
次に、1μm角のフォトレジストマスクを形成して中間層B1、磁化固着層C1をイオンミリングにてエッチングする。さらに、アルミナ膜を35nm形成してリフトオフして平坦化する。そしてこの上に、MoW合金層(膜厚0.1μm)を電極EL1として形成し、フレオン系ガスを用いたRIEにて電極の形状にパターニングする。
【0122】
このようにして形成した積層体を所定の箇所で切断・研磨加工することにより、ABSを形成する。この際、図13に表したように、ABSには、記録磁極(軟磁性体層A)のみがトラック幅40nm、厚さ10nmのサイズで現われる。
【0123】
以上の加工プロセスを経ることで、電気的には電極EL1から電極EL2までが接続され、ABSには記録磁極のみが現われる記録ヘッドが形成される。このような構造にすることで、記録磁極(軟磁性体層A)以外から媒体に電子電流が流れることによる書き込み、さらに磁化固着層(C1、C2)からの磁界による媒体への書き込みを防止することができる。
【0124】
図16は、記録媒体Rに書き込みを行う状態を例示する模式断面図である。電極EL1、EL2の間で流す電流の向きに応じて、軟磁性体層Aの磁化Mが磁化固着層C1、C2の磁化M1、M2のいずれかの向きとされる。このように、軟磁性体層Aに流れ込む電子の流入方向を制御することで、硬飽和磁束密度を有する軟磁性体層Aの磁化Mの方向を制御することができる。そして、その磁化Mにより記録媒体Rに磁気記録層RLに記録ビットを形成することができる。
【0125】
また、図17に例示した如く、磁化固着層Cを一層のみとしてもよい。この場合も、図1及び図2に関して前述したように、電流の通電方向で軟磁性体層Aの磁化Mの方向をコントロールできる。
【0126】
また本実施例においても、磁化固着層C1、C2として、硬磁性体の代わりに、反強磁性体により磁化固着した軟磁性体を用いることもできる。
【0127】
図18及び図19は、反強磁性体により磁化固着させた磁気ヘッドを表す模式断面図である。すなわち、これらの図は、それぞれ図14と図15に対応した断面図である。図18の向かって横方向は、デプス方向(媒体対向面ABSに対して垂直な方向)に対応し、また、図19の向かって横方向は、記録トラックの幅方向に対応する。
また、図18の矢印TWは、記録トラックの幅方向に対応する。
【0128】
これらの図に表したように、磁化固着層C1、C2は、軟磁性体により形成され、隣接した反強磁性体層AF1、AF2により磁化が固着されている。ここで、図19に表した反強磁性体層AF1は、紙面の手前方向に着磁され、反強磁性体層AF2は、紙面の奥行き方向に着磁されている。
【0129】
また、軟磁性体層Aの磁化Mを、磁化固着層C1、C2の磁化方向に対して直交方向にバイアスするための磁気バイアス層HMが、軟磁性体層Aの両脇に設けられている。磁気バイアス層HMは、例えばガンマヘマタイトなどの高抵抗な硬磁性体により形成できる。
【0130】
図19に表したように、軟磁性体層Aをトラックの幅方向にパターニングすることにより、記録電流はこの部分において軟磁性体層Aに集中して流れるため発熱を最小限に抑えることができる。また、媒体走行面には記録磁極(軟磁性体層A)のみが現れるので、磁化固着層などから記録媒体に電流がリークすることを防ぐことができる。またさらに、電気抵抗の高い磁気バイアス層HMにより軟磁性体層Aに直交バイアスが印加されているため、磁化回転が円滑になり、書き込み時以外の記録を防ぐことができる。
【0131】
ここで再び図16、図17に戻って説明を続けると、記録媒体Rとしては、導電性の裏打ち層BLが裏面側に設けられ、垂直記録層RLを有する垂直記録媒体を用いることができる。この媒体上を、記録ヘッドを所定の浮上量だけ離した状態で走行させてもよく、または、実質的に接触した状態で走行させることもできる。
【0132】
電極EL1またはEL2から流入する電子は、前述したように、その流れる方向に応じて軟磁性体層Aの磁化Mの方向を規定する。またさらに、記録ヘッドを接触状態で走行させた場合、軟磁性体層A(記録磁極)と媒体Rとが電気的に接触するため、軟磁性体層Aの磁化M方向にスピン偏極した電子の一部が記録層RLに流入し、導電性裏打ち層BLに流れ出る。このスピン偏極した電子により、記録媒体Rの記録層RLは、その方向にスピンをそろえ、結果として軟磁性体層Aと同じ方向に磁化記録されることとなる。つまり、接触走行の場合、電極EL1またはEL2から電流を流すことで軟磁性体層Aの磁化Mの方向を制御し、さらに軟磁性体層Aから媒体Rにスピン偏極電子を流すことで媒体記録層RLにさらに効率的に情報を書き込むことができる。
【0133】
磁気的に書き込みを行う場合には、軟磁性体層Aとして飽和磁化Bsが2.3T(テスラ)程度のFeCoNi合金を用いることが望ましい。しかし、接触走行によりスピン偏極電子を記録媒体に流す場合には、スピン偏極電子からのスピントランスファによる書き込みも併用できる。そのため、軟磁性体層Aの材料は、高いBs材料に限ることはなく、より軟磁性が得られやすいFeNi合金などを用いることができる。軟磁性が得られやすい材料を用いると、軟磁性体層Aの反転電流を低減させることができ、発熱も低減するという効果が得られる。
【0134】
なお、図6に関して前述したように記録媒体Rに軟磁性の裏打ち層BLを設けた場合も、裏打ち層の導電性が確保できれば、同様の効果が得られる。
【0135】
また、接触走行により軟磁性体層Aから媒体Rに流すスピン偏極電子で記録する場合には、図6に例示したようなリターンヨークRYやバックヨークBYなどは本質的には必要としない。このため、磁気ヘッドの構造が簡単になり、より微細なトラック幅などのパターンの形成が容易となる。また、製造高歩留まりも高くなりコスト的なメリットも発生する。
【0136】
(第3の実施例)
次に、本発明の第3の実施例として、スピン偏極電子電流により再生を行う磁気ヘッドについて説明する。
【0137】
図20は、本発明の第3の実施例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。同図についても、図1乃至図19に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0138】
本実施例の磁気ヘッドの場合、磁化固着層Cと軟磁性体層Aとの間には絶縁層ILが設けられ、この絶縁層ILに形成された微小穴NHによって磁化固着層Cと軟磁性体層Aとは接触している。なお、図20においては微小穴NHをひとつのみ表したが、本発明はこれには限定されず、複数の微小穴NHが設けられていてもよい。また、磁化固着層Cは、例えば、硬磁性体により形成することができる。
【0139】
この再生用の磁気ヘッドの場合、図5に関して前述したように、微小穴NHを介した電流コンダクタンスの変化により記録ビットの磁化を読み出すことができる。
【0140】
そして、磁気ヘッドを媒体Rに対して接触走行させた場合、媒体Rを電気的に接地し、磁気ヘッドの電極EL1の電位をアース(接地電位)より上げた電気回路を構成することで、媒体Rから軟磁性体層Aへ電子が流入することとなる。すなわち、記録層RLの記録磁化に応じたスピン偏極電子が軟磁性体層Aに流入する。すると、軟磁性体層Aの磁化Mの方向は、このスピン偏極電子により制御される。その結果として、記録層RLの記録磁化が磁化固着層Cと同方向の場合のコンダクタンスはCp(抵抗小)となり、逆方向の場合のコンダクタンスはCap(抵抗大)となる。
【0141】
スピン偏極電子による読みとりの場合、軟磁性体層Aの保磁力Hcを適宜大きくすることで信号磁界のサイドリーディングを防ぎつつ、電気的に接触している記録ビットのみの記録信号を読み取ることができる。このように、スピン偏極電子によるトルクによって軟磁性体層Aの磁化Mを回転させるようにすれば、接触している記録ビットのみの信号磁界を読むことが容易であり、磁束を検出して信号を再生する方式と比べて外乱に強く、分解能に優れ、トラック幅方向やトラック長手方向のシールドを不要とすることもできる。
【0142】
次に、本実施例の磁気ヘッドの製造工程について説明する。
【0143】
まず、図示しない基板上にアルミナ絶縁層(膜厚約0.2μm)を形成する(図示せず)。次に、電流コレクタとなるFeNi合金層(膜厚5nm)を軟磁性体層Aとして形成する。さらにその上に、SiO層(膜厚5nm)を絶縁層ILとして形成する。次に、EBリソグラフィーで幅40nm、長さ1.5μmにパターニングする。次に、そのレジストマスクにてイオンミリングを用いてSiO層、FeNi合金層(軟磁性体層A)をエッチングする。その後、アルミナ層(膜厚10nm)を形成し、レジストをリフトオフする。この工程により40nm×1.5μmのFeNi合金からなる軟磁性体層Aと、SiOからなる絶縁層ILがパターニングされ平坦化される。
【0144】
次に、真空中で絶縁層ILの表面にXeFガスをノズルで吹きつけながら約5nm径に絞った電子線(EB)を照射してSiO絶縁層ILに、直径約5nmの微小穴NHをあける。
【0145】
次に、磁化固着層Cとして飽和磁束密度1Tのコバルト(Co)層(膜厚30nm)を形成する。磁化固着層Cの保磁力Hcは1KOeとなる条件で形成した。また、この時に、1.2KOeの磁界を印加して、磁化固着層CをABS向きに着磁した。
【0146】
これを第1実施例に関して前述したように、切断・研磨加工してABSを形成する。その際、第2実施例に関して前述したように、ABSには電流コレクタとなる軟磁性体層Aのみが、トラック幅40nm、厚さ5nmで現われる形状とする。以上説明したプロセスを経ることで、電気的には電極EL1から軟磁性体層Aまでが接続され、ABSには再生コレクタとなる軟磁性体層Aの先端のみが現われた再生磁気ヘッドが形成される。
【0147】
(第4の実施例)
次に、本発明の第4の実施例として、記録媒体との接触状態が変動しても安定した再生が可能なスピン偏極電流検出型の磁気ヘッドについて説明する。
【0148】
図21は、本発明の第4の実施例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。同図についても、図1乃至図20に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0149】
本実施例の磁気ヘッドは、軟磁性体層Aの両側に磁化固着層C1、C2が設けられ、これらは、絶縁層ILに形成された微小穴NHによって接触している。
この磁気ヘッドにおいても、軟磁性体層Aから電極EL1に電流が流れる場合のコンダクタンスは、軟磁性体層Aの磁化Mと磁化固着層C1の磁化M1との相対的な方向に依存する。図21の具体例の場合、もし、軟磁性体層Aの磁化Mの方向がABS方向を向いていた時は、磁化固着層C1の磁化M1と平行になる。従って、磁化固着層C1と軟磁性体層Aとの界面(微小穴NH)には磁壁が存在しないため、電子は散乱されずに移動する。このときのコンダクタンスをCpとする。
【0150】
一方、この場合に、軟磁性体層Aの磁化Mと磁化固着層C2の磁化M2とは相対的な逆向きになるので、その界面には接触部が微小穴NHで絞られているため急峻な磁壁が存在する。このため、電子は磁壁により散乱されてコンダクタンスCapは低下する。その結果として、両側のコンダクタンスを比較すると、Cp>Capとなる。
【0151】
記録媒体Rを電気的に接地し、電極EL1とEL2の電位を接地電位よりも上げた状態で、磁気ヘッドを媒体Rに対して接触走行させると、記録層RLの磁化方向に応じたスピン偏極電子が媒体から軟磁性体層Aへ流入し、軟磁性体層Aの磁化Mを決定する。また、軟磁性体層Aに流入した電子は、前述したコンダクタンスに従って電極EL1とEL2とに分流する。この場合、電極EL1とEL2の2つのコンダクタンス比を調べることによって、軟磁性体層Aの磁化の方向を判断できる。このため、記録媒体Rと軟磁性体層Aとの間の接触抵抗の影響を排除でき、高いS/Nでの再生が可能となる。
【0152】
次に、本実施例の磁気ヘッドの製造工程について説明する。
【0153】
まず、図示しないアルミナ絶縁層(膜厚約0.2μm)の上に、MoW合金からなる電極EL2(膜厚0.1μm)を形成する。このMoW層を、フォトレジストをマスクとして、フレオン系ガスを用いたRIEによりアルミナ絶縁層の表面までエッチングして、電極パターンを形成する。
【0154】
次に、この電極EL2の周囲にアルミナを0.1μm程度の厚みに埋めこみ、レジストをリフトオフして平坦化する。次に、磁化固着層C2の下地となるCr層(膜厚5nm)を形成し、その上に磁化固着層C2として、飽和磁束密度1TのCoPt合金層(膜厚30nm)を形成する。このCoPt層は、その保磁力Hcが1.5KOeとなる条件で形成することができる。
【0155】
次に、絶縁層IL2としてSiO層(膜厚5nm)を形成する。ここで、2KOeの磁界を印加することより、磁化固着層C2をABSと逆向きに着磁する。次に、この積層構造を、幅と長さがそれぞれ1μmのフォトレジストでパターニングする。次に、イオンミリングを用いて絶縁層IL2のSiO層と磁化固着層C2のCoPt層(Bs〜1T,Hc〜1.5KOeに設定)およびその下地膜のCr層をエッチングする。そして、アルミナ層を約40nm形成しフォトレジストをリフトオフすることで、1ミクロン角の金属積層膜の周りをアルミナ絶縁層で囲った平坦面が形成される。
【0156】
次に、真空中で絶縁層IL2の表面にXeF2ガスをノズルで吹きつけながら約5nm径に絞った電子線(EB)を照射してSiOからなる絶縁層IL2に約5nm径の微小穴NHをあける。
【0157】
次に、軟磁性体層AとなるFeNi合金層(膜厚10nm、Hc<1Oe)を形成する。さらにその上に、絶縁層IL1としてSiO層(膜厚5nm)を形成する。次に、EBリソグラフィーで、幅40nm、長さ1.5μmで先の金属積層膜(1ミクロン角)の中央位置にくるように長さ方向は0.25μmずつ出るようにパターニングする。
【0158】
次に、そのレジストマスクにてイオンミリングを用いてFeNi合金膜(軟磁性体層A)をエッチングする。その後、アルミナ層(膜厚10nm)を形成し、レジストをリフトオフする。この工程により、40nm×1.5μmのFeNi合金からなる軟磁性体層A(電流コレクタ)の周りはアルミナ絶縁層で平坦化されたことになる。
【0159】
次に、真空中で絶縁層IL1の表面にXeFガスをノズルで吹きつけながら約5nm径に絞った電子線(EB)を照射してSiOからなる絶縁層IL1に約5nm径の微小穴NHをあける。
【0160】
次に、磁化固着層C1として飽和磁束密度1Tのコバルト(Co)層(膜厚30nm)を形成する。磁化固着層C1の保磁力Hcは、例えば1KOeとなる条件で形成できる。この時点で、1.2KOeの磁界を印加して、磁化固着層C1をABS向きに着磁し、磁化固着層C1と磁化固着層C2の磁化の方向を互いに逆向きになるようにする。
【0161】
次に、1μm角のフォトレジストマスクを形成して絶縁層IL1、下地層、磁化固着層C1をイオンミリングにてエッチングする。さらに、アルミナ層を40nm形成してリフトオフして平坦化する。さらにこの上に、MoW合金層(膜厚0.1μm)を電極EL1としてを形成し、フレオン系ガスをによるRIEによって電極形状にパターニングする。
【0162】
これを第1実施例に関して前述したように、切断・研磨加工してABSを形成する。その際、第2実施例に関して前述したように、ABSには電流コレクタとなる軟磁性体層Aのみが、トラック幅40nm、厚さ10nmで現われる形状とする。以上説明したプロセスを経ることで、電気的には電極EL1からEL2までが接続され、ABSには再生コレクタとなる軟磁性体層Aの先端のみが現われた再生磁気ヘッドが形成される。
【0163】
(第5の実施例)
次に、本発明の第5の実施例として、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを組み合わせた記録再生型の磁気ヘッドについて説明する。
【0164】
図22は、本発明の第5の実施例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。同図についても、図1乃至図21に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0165】
本実施例の磁気ヘッドは、媒体Rから所定の浮上量だけ浮上させた状態で記録再生が可能である。但し、接触走行させても記録、再生は同様に可能である。
【0166】
まず、記録ヘッドとしては、図7に関して前述したものと同様の原理で動作する。すなわち、電極EL1から磁化固着層C1さらに微小穴NHを介して電極EL2の方向に電子電流を流すことで、軟磁性体層3の磁化Mは、磁化固着層C1の磁化M1と方向と同じ方向を向く。一方、電極EL2から磁化固着層C2を介して電極EL1に電子電流を流すことで、軟磁性体層Aの磁化Mは磁化固着C2の磁化M2の方向を向くこととなる。このように、高Bsの軟磁性体層Aに流れ込む電子のスピン偏極方向を制御することで、微小穴NHの有無に係わらず記録磁極となる軟磁性体層Aの磁化Mの方向を制御できる。
【0167】
一方、再生ヘッドとしては、抵抗値は微小穴NHが設けられた部分の電流コンダクタンスにより再生ができる。すなわち、軟磁性体層Aは、媒体Rの記録層RLからの信号磁界によりその磁化Mが回転する。そして、軟磁性体層Aの磁化Mの向きが磁化固着層C1と平行の時は、微小穴NHは低抵抗を示し、その両側の磁化(MとM1)が反平行の時は高抵抗を示す。すなわち、微小穴NHを介した磁化固着層C1と軟磁性体層Aとの間のコンダクタンスの変化が大きいため、実質的にこれら二つの磁性体層の磁化の平行・反平行の関係により磁気ヘッドの再生出力が決定される。
【0168】
但し、このような抵抗変化を検出するためのセンス電流は、センス電流によるスピン注入トルクで軟磁性体層Aの磁化Mが反転しないように、記録時に比べて低く押さえる必要がある。すなわち、本実施例の記録再生型磁気ヘッドは、同じ磁性素子構造を利用しつつ、流す電流の大(記録時)、小(再生時)で記録動作と再生動作とを使い分けることができる。
【0169】
図23は、本実施例の変形例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。同図についても、図1乃至図22に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0170】
本実施例の磁気ヘッドは、図16に関して前述した記録ヘッドと、図22に関して前述した再生ヘッドとを組み合わせた構造を有する。
【0171】
すなわち、記録ヘッドとしては、電極EL1とEL2との間に、所定の記録電流を流す。図20に関して前述したように、電流の方向に応じて、所定のスピン偏極を有する電子が軟磁性体層Aに流入し、その磁化Mを対応する方向に回転させる。さらに、このスピン偏極電子の一部は、軟磁性体層Aから記録媒体の記録層RLに流入し、記録ビットの磁化に作用する。すなわち、スピン偏極電子を記録層RLに流すことにより、その磁化を所定の方向に向けて記録ができる。この際に、軟磁性体層Aの磁化による書き込み磁界を併用してもよい。
【0172】
一方、再生ヘッドとしては、図22に関して前述したものと同様に動作する。すなわち、すなわち、微小穴NHを介した磁化固着層C1と軟磁性体層Aとの間のコンダクタンスの変化が大きいため、実質的にこれら二つの磁性体層の磁化の平行・反平行の関係により磁気ヘッドの再生出力が決定される。
【0173】
なお、再生ヘッドとして、図20に表した磁気ヘッドと同様の動作を行わせることも可能である。すなわち、媒体Rの記録層RLからその磁化に応じたスピン偏極電子を軟磁性体層Aに受け取って磁化Mを回転させ、微小穴NHを介したコンダクタンスの変化を検出することにより、記録層RLの記録ビットの磁化を検出することができる。
【0174】
(第6の実施例)
次に、本発明の第6の実施例として以上説明した磁気ヘッドを搭載した磁気記録再生装置について説明する。すなわち、前述した本発明の磁気ヘッドは、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み込まれ、磁気記録再生装置に搭載することができる。
【0175】
図24は、このような磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本発明の磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、記録用媒体ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。本発明の磁気記録再生装置150は、複数の媒体ディスク200を備えたものとしてもよい。
【0176】
媒体ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、例えば、前述したいずれかの磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0177】
媒体ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は媒体ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。あるいはスライダが媒体ディスク200と接触する「接触走行型」であってもよい。
【0178】
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0179】
アクチュエータアーム155は、スピンドル157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0180】
図25は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
【0181】
サスペンション154の先端には、図1乃至図23に関して前述したいずれかの磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
【0182】
本発明によれば、図1乃至図23に関して前述したような磁気ヘッドを具備することにより、従来よりも高い記録密度で媒体ディスク200に磁気的に情報を記録し、または記録された情報を高感度で確実に読みとることが可能となる。
【0183】
なお、本実施例においても、磁化固着層C1、C2としては、硬磁性体を用いてもよく、または反強磁性体により磁化固着した軟磁性体を用いてもよい。
【0184】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、磁気ヘッドを構成する強磁性体層、絶縁層、反強磁性体層、非磁性金属層、電極などの具体的な材料や、膜厚、形状、寸法などに関しては、当業者が適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の範囲に包含される。
【0185】
さらに、本発明を用いる磁気記録再生装置は、特定の記録媒体を定常的に備えたいわゆる固定式のものでも良く、一方、記録媒体が差し替え可能ないわゆる「リムーバブル」方式のものでも良い。
【0186】
その他、本発明の実施の形態として上述した磁気ヘッドを基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての磁気ヘッドも同様に本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】本発明の実施の形態にかかる記録用の磁気ヘッドの要部の基本的な断面構造を例示する模式図である。
【図2】図1の磁気ヘッドにおける磁化反転のメカニズムを説明する模式図である。
【図3】本発明のもう一つの実施形態にかかる磁気ヘッドの要部の基本的な断面構造を例示する模式図である。
【図4】図3に表した磁気ヘッドにおける「磁化反転」のメカニズムを説明するための模式断面図である。
【図5】本発明の実施形態の再生用の磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図6】本発明の第1の実施例にかかる記録用の磁気ヘッドの要部を表す断面図である。
【図7】書き込み電流を低減できる磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図8】反強磁性体層により磁化固着させた磁気ヘッドを例示する模式断面図である。
【図9】磁気バイアス層を設けた磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図10】磁気バイアス層を設けた磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図11】磁気バイアス層を設けた磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図12】磁気バイアス層を設けた磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図13】本発明の第2の実施例にかかる記録用の磁気ヘッドを媒体対向面から眺めた平面図である。
【図14】図13のA−A線断面図である。
【図15】図13のB−B線断面図である。
【図16】記録媒体Rに書き込みを行う状態を例示する模式断面図である。
【図17】磁化固着層Cを一層のみとした磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図18】反強磁性体により磁化固着させた磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図19】反強磁性体により磁化固着させた磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図20】本発明の第3の実施例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図21】本発明の第4の実施例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図22】本発明の第5の実施例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図23】第5実施例の変形例の磁気ヘッドを表す模式断面図である。
【図24】磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。
【図25】アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0188】
150 磁気記録再生装置
152 スピンドル
153 ヘッドスライダ
154 サスペンション
155 アクチュエータアーム
156 ボイスコイルモータ
157 スピンドル
160 磁気ヘッドアッセンブリ
164 リード線
200 媒体ディスク
A 軟磁性体層
ABS 媒体対向面
AF1、AF2 反強磁性体層
B、B1、B2 中間層
BL 裏打ち層
BY バックヨーク
C、C1、C2 磁化固着層
EL1、EL2 電極
I 電流
IL、IL1、IL2 絶縁層
M、M1、M2 磁化
HM 磁気バイアス層
MB バイアス磁界
NH 微小穴
R 記録媒体
RL 磁気記録層
RY リターンヨーク




 

 


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