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発明の名称 光ヘッド装置および光ディスク装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−12191(P2007−12191A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−193145(P2005−193145)
出願日 平成17年6月30日(2005.6.30)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 丸山 純孝 / 渡部 一雄 / 加治 伸暁 / 小川 昭人
要約 課題
2つ以上の異なるピッチのトラックが形成される光ディスクに記録された情報を再生する際のトラッキングエラー信号の信号品質を改善する。

解決手段
この発明の光ヘッド装置は、光ディスクの記録層で反射された反射レーザ光を受光して対応する信号を出力する光検出器28の受光面に、トラックピッチが異なる光ディスクの任意のトラックのトラックピッチに従って生起される回折光を検出した出力を位相差検出法(第1のトラッキングエラー検出法)とプッシュプル法(第2のトラッキングエラー検出法)のそれぞれにおいて所定の組み合わせに切り替えて利用するために、複数の回折光を提供することのできる回折パターン24−5〜24−8が与えられた回折素子(HOE)24を含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
光を記録媒体の記録面に集光する集光手段と、
前記記録媒体の前記記録面で反射された反射光を共通の中心部分を含む複数の光に分割する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記反射光を独立して受光可能に形成された複数の受光領域を有する光検出手段と、
を備え、
前記分割手段は、前記反射光を、少なくとも中心部分を含む光を用いる第1の方式により前記集光手段により集光される光と前記記録媒体の記録マーク列または案内溝の位置のずれを示すトラッキングエラー信号を生成するために利用可能に所定方向に回折させる領域と主として中心部分とは異なる領域を含む光を用いる第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成するために利用可能に所定方向に回折させる領域とを含み、
前記光検出手段からの出力は、前記第1の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合及び前記第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合のそれぞれにおいて所定の組み合わせに切り替えられる
ことを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項2】
前記分割手段は、外周領域とその内側に規定される中心部領域とを含み、
前記第1の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合においては、前記光検出手段の前記少なくとも中心部分を含む光に対応する出力と前記主として中心部分とは異なる領域を含む光に対応する出力が所定の組み合わせで利用され、前記第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合においては、前記分割手段の前記主として中心部分とは異なる領域を含む光に対応する前記光検出手段の領域からの出力が所定の組み合わせで利用される
ことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
【請求項3】
前記分割手段は、外周領域とその内側に規定される中心部領域とを含み、
前記第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合においては、前記分割手段の前記外周領域に対応する前記光検出手段の領域からの出力が所定の組み合わせで利用され、前記分割手段の前記中心部領域に対応する前記光検出手段の領域の出力が所定の組み合わせで前記1の方式および第2の方式のいずれとも異なる第3の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合に利用される
ことを特徴とする請求項1記載の光ヘッド装置。
【請求項4】
前記分割手段は、前記記録媒体のラジアル方向に沿って規定された中心領域とその中心領域の少なくとも一部の外側に規定された外周領域とを含み、前記中心領域と前記外周領域との境界は、前記記録媒体に固有の記録マーク列または案内溝のピッチに基づいて規定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ヘッド装置。
【請求項5】
前記分割手段は、前記記録媒体に固有の記録マーク列または案内溝のピッチに基づいて規定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光ヘッド装置。
【請求項6】
光源からの光を記録媒体の記録面に集光する対物レンズと、
前記記録媒体の前記記録面で反射された反射光を前記記録媒体のラジアル方向に沿って複数に分割するとともに分割された前記反射光の少なくとも1つに、前記記録媒体に固有の記録マーク列または案内溝のピッチの影響を所定の割合以下に設定可能な所定の回折特性を与える回折素子と、
前記回折素子により回折により分割された前記反射光を、分割されたそれぞれの反射光毎に受光し、その分割された前記反射光の光強度に対応する信号を出力する光検出器と、
前記光検出器からの出力を所定の規則に従って演算する演算手段と、
前記分割手段により分割された光に対応する前記光検出器からの出力に基づいて、前記記録媒体に記録されている情報を再生する信号処理部と、
を有し、
前記分割手段は、前記対物レンズにより集光される光と前記記録媒体の記録マーク列または案内溝の位置のずれを示すトラッキングエラーの信号を生成する際に前記反射光を、少なくとも中心部分を含む光を用いる第1の方式によりトラッキングエラー信号を生成するために利用可能に所定方向に回折させる領域と主として中心部分とは異なる領域を含む光を用いる第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成するために利用可能に所定方向に回折させる領域とを含み、
前記演算手段は、上記第1の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合と上記第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合のそれぞれにおいて、所定の組み合わせに切り替えられる
ことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項7】
前記回折素子は、前記記録媒体のラジアル方向に沿って規定された中心領域とその中心領域の少なくとも一部の外側に規定された外周領域とを含み、前記中心領域と前記外周領域との境界は、前記記録媒体に固有のトラックピッチに基づいて規定されることを特徴とする請求項6記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記演算手段は、前記第1の方式によるトラッキングエラー信号の生成に際して前記分割手段の総ての領域で回折された前記反射光に対応する前記光検出手段の個々の受光領域の出力を用い、前記第2の方式によるによるトラッキングエラー信号の生成に際して前記分割手段の外周領域で回折された前記反射光に対応する前記光検出手段の個々の受光領域の出力を用いる
ことを特徴とする請求項6または7記載の光ディスク装置。
【請求項9】
前記演算手段は、前記記録媒体が案内溝を有する場合に利用される前記第3の方式によるトラッキングエラー信号の生成に際して、前記分割手段の前記中心部領域で回折された前記反射光に対応する前記光検出手段の個々の受光領域の出力を用いる
ことを特徴とする請求項6または7記載の光ディスク装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーザ光を用いて情報の記録、消去または再生が可能な光ディスクに情報を記録し、または情報を消去し、もしくは情報を再生する情報記録再生装置(光ディスク装置)ならびに光ディスク装置に用いられる光ピックアップ(光ヘッド)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報の記録、再生ならびに消去(繰り返し記録)に適した記録媒体として、光ディスクが既に広く利用されている。反面、さまざまな規格の光ディスクが提案され、それぞれが実用化されている。なお、さまざまな規格の光ディスクは、記録容量で区別すると、CD規格やDVD規格に分類される。また、用途(データ記録形式)から見た場合、既に情報が記録されている(ROMと呼称される)再生専用タイプ、1回限りの情報記録が可能な(−Rと呼称される)ライトワンスタイプ(追記型)、あるいは記録と消去が繰り返し可能な(RAMまたはRWと呼称される)リライタブルタイプ(録再型または書換可能型)等に区分される。
【0003】
光ディスクの規格および用途の多様化に伴って、光ディスク記録再生装置には、2以上の規格の光ディスクに情報を記録し、または記録されている情報を再生し、もしくは既に記録されている情報を消去可能であることが、望まれている。なお、光ディスク記録再生装置には、情報の記録および消去は困難であってもセットされた光ディスクの規格を識別可能であることは、必須の要件として要求されている。
【0004】
このため、光ディスク情報記録再生装置に組み込まれる光ピックアップにおいては、光ディスクの規格(種類)にかかわりなく、少なくとも光ディスクに固有のトラックもしくは記録マーク列からの反射光を獲得し、少なくとも対物レンズ(光ピックアップ)のトラッキングおよびフォーカスが制御できることが必要である。
【0005】
なお、光情報記録媒体(光ディスク)からの反射光のうち、0次光と±1回折光とが重なる部分と重ならない部分に分割し、それぞれ、独立した光検出手段に反射光を入射させて、所定の信号を得ることによって、トラキングエラー信号を得るものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−39165号号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のあるような光情報記録媒体からの反射光の±1次の回折光の回折角は、反射光の波長、光情報記録媒体のトラックピッチ等によって異なる。
【0007】
このため、複数の波長の反射光、または複数の種類の光情報記録媒体のトラックからの反射光、もしくは単一の光情報記録媒体内に2以上のピッチのトラックが存在する場合の反射光を受光するピックアップ装置においては、0次光と±1回折光とが重なる部分と重ならない部分を、一意的に決めることはできない。
【0008】
その一方で、どれか1つの反射光の波長、トラックピッチに基づいた光分割手段では、異なる波長、異なるトラックピッチの光情報記録媒体からの反射光等からトラックエラー信号を正常に生成することは、困難である。
【0009】
また、単一の光情報記録媒体内に2以上のピッチのトラックが存在する場合、文献1に記載された系においては、本来DPD信号に用いるべきゼロクロスとは異なるゼロクロスの影響により、正確なDPD信号が得られにくい問題がある。
【0010】
この発明の目的は、複数の波長のレーザ光による反射光あるいは複数のトラックピッチのデータ領域を持つ光情報記録媒体からの反射光等の、回折角が異なるさまざまな反射光からトラッキングエラー信号を、確実に得ることができる光ディスク情報記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、光を記録媒体の記録面に集光する集光手段と、前記記録媒体の前記記録面で反射された反射光を共通の中心部分を含む複数の光に分割する分割手段と、前記分割手段により分割された前記反射光を独立して受光可能に形成された複数の受光領域を有する光検出手段と、を備え、前記分割手段は、前記反射光を、少なくとも中心部分を含む光を用いる第1の方式により前記集光手段により集光される光と前記記録媒体の記録マーク列または案内溝の位置のずれを示すトラッキングエラー信号を生成するために利用可能に所定方向に回折させる領域と主として中心部分とは異なる領域を含む光を用いる第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成するために利用可能に所定方向に回折させる領域とを含み、前記光検出手段からの出力は、前記第1の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合及び前記第2の方式によりトラッキングエラー信号を生成する場合のそれぞれにおいて所定の組み合わせに切り替えられることを特徴とする光ヘッド装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異なるピッチのトラックが形成される光ディスクに記録された情報を再生する際の位相差検出法(第1のトラッキングエラーの検出法)により得られるトラッキングエラー信号(DPD)、およびプッシュ−プル法(第2のトラッキングエラーの検出法)により得られるトラッキングエラー信号(PP)ならびに、第3のトラッキングエラーの検出法により得られる補償トラッキングエラー信号(CPP)のS/Nが向上される。
【0013】
また、光ディスクに固有の案内溝(トラック)に類似した信号を出力するような傷が生じた光ディスクに対しても影響を受けにくい光ディスク装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、この発明の実施の形態が適用可能な光ヘッド装置を有する光ディスク装置すなわち情報記録再生装置の一例を示す。
【0016】
図1に示す情報記録再生装置すなわち光ディスク装置1は、PUH(光ピックアップヘッド、以下単に光ヘッド装置と示す)11から出射されるレーザ光を、記録媒体すなわち光ディスクDの情報記録層に集光することにより、光ディスクDに情報を記録し、または光ディスクDから情報を再生できる。
【0017】
光ディスクDは、図示しないディスクモータの図示しないターンテーブルに支持され、(ターンテーブルを回転させる)ディスクモータが所定の回転数で回転されることにより所定の速度で回転される。
【0018】
PUH(光ヘッド装置)11は、図示しないピックアップ送り用モータにより、情報の記録または再生もしくは消去の各動作時のそれぞれにおいて、光ディスクDの半径方向に所定の速度で移動される。
【0019】
光ヘッド装置11は、光源、例えば半導体レーザ素子であるレーザダイオード(LD)21を含む。レーザダイオード(光源)21から出力されるレーザ光の波長は、例えば400〜410nmで、好ましくは405nmである。
【0020】
レーザダイオード21からのレーザ光は、コリメートレンズ22によりコリメート(平行光化)されるとともに、予め所定の位置に設けられている偏光ビームスプリッタ(PBS)23、光分割素子すなわちホログラムプレート(ホログラム光学素子(HOE))24およびλ/4板(1/4波長板すなわち偏光制御素子)25を通り抜けた後に、集光素子すなわち対物レンズ(OL)26により所定の集束性が与えられる。なお、対物レンズ26は、例えばプラスチック製で、その開口数NAは、例えば0.65である。
【0021】
対物レンズ26により所定の集束性が与えられたレーザ光は、光ディスクの詳述しないカバー層を透過し、記録層(あるいはその近傍)に集光される(光源21からのレーザ光は、対物レンズ26の焦点位置で最小光スポットを呈する)。
【0022】
詳述しないが、周知のフォーカス制御により、対物レンズ26と光ディスクDの記録面との間の距離が対物レンズ26の焦点距離に一致されるよう、対物レンズ26(光ヘッド装置11)が記録面と直交する方向(光軸方向)に移動されることで、レーザ光の最小光スポットが光ディスクDの記録層に集光される。
【0023】
光ディスクDの記録面で反射された反射レーザ光は、対物レンズ26により捕捉され、対物レンズ26により概ね平行な断面ビーム形状に変換され、偏光ビームスプリッタ23に戻される。
【0024】
偏光ビームスプリッタ23に戻された反射レーザ光は、1/4波長板25を通過されることにより光ディスクDに向かうレーザ光の偏光の方向と偏光の方向が90度回転されているため、偏光ビームスプリッタ23の詳述しない偏光面で反射される。
【0025】
偏光ビームスプリッタ23で反射された反射レーザ光は、フォーカスレンズ27によりフォトダイオード(光検出器(PD))28の受光面に結像される。
【0026】
反射レーザ光は、HOE24を通過される際に、後段に設けられる光検出器28の受光面に予め与えられている検出領域(受光領域)の配列および形状に合わせて、所定の分割数および形状に、分割される。
【0027】
光検出器28の受光部は、通常複数の受光(検出)領域に分割されており、それぞれの受光部から、光強度に応じた電流を出力する。
【0028】
個々の受光部から出力された電流は、図示しないI/Vアンプにより電圧に変換された後、演算回路(信号処理部)101により、HF(再生)信号、トラック誤差(エラー)信号、およびフォーカス誤差(エラー)信号等に利用可能に、演算処理される。なお、HF(再生)信号は、詳述しないが、所定の信号形式に変換され、もしくは所定のインタフェースにより、例えば一時記憶装置または外部記憶装置等に出力される。
【0029】
演算回路101により得られた信号はまた、サーボ回路111を介して、光ヘッド装置11の対物レンズ26の位置を、対物レンズ26と光ディスクDの記録面との間の距離が対物レンズ26の焦点距離に一致されるよう、光ディスクDの記録面を含む面と直交する方向(光軸方向)、および光ディスクの記録面に予め形成されているトラックもしくは記録マーク(列)が延びる方向と直交する方向に、任意に移動させるためのサーボ信号にも利用される。
【0030】
なお、サーボ信号は、周知のフォーカスエラー(誤差)検出方法に従って、対物レンズ26の焦点位置において所定のサイズをとる光スポットが光ディスク1の記録層上でその所定のサイズとなるよう、対物レンズ26の位置の変化を示すフォーカスエラー信号と、周知のトラックエラー(誤差)検出方法に従って、同光スポットが記録マーク列もしくはトラックの概ね中心に案内されるよう、対物レンズ26の位置の変化を示すトラッキングエラー信号に基づいて、生成される。
【0031】
すなわち、対物レンズ26は、光ディスクDの図示しない記録層に形成されているトラックまたは記録マーク列の概ね中心に、対物レンズ26により集光された光スポットを、その焦点距離において、記録層に最小の光スポットを提供可能に、制御される。
【0032】
より詳細には、半導体レーザ(LD)21から発したレーザ光は、コリメートレンズ22によりコリメートされる。このレーザ光は、直線偏光であり、PBS(偏光ビームスプリッタ)23、ホログラム(HOE)24を透過し、1/4波長板25により偏光面が円偏光に変化(回転)され、対物レンズ26に所定の集束性が与えられて、光ディスクDの記録面に集光される。
【0033】
光ディスクDの記録面に集光されたレーザ光は、記録面に記録されている記録マーク、例えばピット(ピット列)やマーク(反射率の異なるパターン)、あるいはグルーブ等で(反射あるいは回折され)、光学的に変調される。
【0034】
光ディスクの記録面で反射あるいは回折した反射レーザ光は、対物レンズ26で、再びほぼ平行化され、1/4波長板25を再び通過されて、往路とは偏光の方向が90度変化されて、ホログラム(HOE)24に戻される。
【0035】
ホログラム24は、復路の偏光(反射レーザ光)にのみ作用するパターンが与えられており、復路のレーザ光(反射レーザ光)を、複数の光束に分割し、かつ所定の方向に偏向させる(分割されたレーザ光毎に、それぞれのレーザ光に対応して設けられているフォトディテクタの受光領域に向けて、中心からの距離を変化させる)。
【0036】
このようにして、偏光の方向が往路と90度変化され、所定数に分割された反射レーザ光は、PBS(偏光ビームスプリッタ)23の偏光面で反射され、フォーカスレンズ27を介してフォトディテクタ28のそれぞれの受光領域(後述)に、集光される。
【0037】
図2は、図1に示した光ディスク装置の光ヘッドに組み込まれるホログラム素子により光束が分割される際のパターンならびにフォトダイオード(光検出器)の受光領域の配列および形状の特徴(配列パターン)の一例を示す。
【0038】
図2に示されるように、ホログラム(HOE)24は、例えば概ね円形のパターン24−0を有する。パターン24−0は、概ね中心を通る境界線24R(ラジアル方向)と、境界線24Rと直交する境界線24T(タンジェンシャル方向)により、両境界線の交点を中心とする第1〜第4の領域24−1〜24−4に、区分されている。パターン24−0の内側には、同心円状に定義された概ね円形の境界線24Cが設けられ、第1〜第4の領域の内側(中心寄り)に、第5〜第8の領域24−5〜24−8が規定されている。なお、境界線24Rは、図示しないが光ディスクの記録面に同心円状あるいはスパイラル状に予め形成される図示しないトラック(案内溝)または記録マーク列が延びる方向(タンジェンシャル方向)と直交する半径方向(ラジアル方向)に延びている。
【0039】
第1〜第4の領域24−1〜24−4により回折される回折光と第5〜第8の領域24−5〜24−8により回折される回折光は、それぞれが境界線24Rと24Tにより区分される同一の区画内(数学的な観点で示すと「象限」に相当する)に規定された領域において、位相差検出(DPD:Differential Phase Detection)法、すなわち対物レンズ26により、光ディスクDの記録面に集光されるレーザ光と記録面に予め形成されている記録マーク列または案内溝の位置のずれを示すトラッキングエラー信号を生成するための第1のトラッキングエラー検出法に利用される。
【0040】
第1〜第4の領域24−1〜24−4により回折される回折光は、第2のトラッキングエラー検出法であるプッシュプル(PP:Push Pull)方式のトラッキングエラー信号の生成に利用される。
【0041】
上述した回折パターン(HOE)24により分割された光ビーム(レーザ光)は、光検出器28の4分割の受光領域28−a〜28−dと、ラジアル方向に距離を置いた4つの独立した受光領域28−e〜28−hに、それぞれ、結像される。
【0042】
すなわち、回折パターン24−1により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−hに、同24−2により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−gに、同24−3により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−fに、同24−4により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−eに、それぞれ、結像される。
【0043】
また、回折パターン24−5により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−aに、同24−6により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−bに、同24−7により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−cに、同24−8により回折された光ビーム(回折光)は、受光領域28−dに、それぞれ、結像される。
【0044】
個々の受光領域28−a〜28−hの出力を、それぞれPa〜Phとすると、
プッシュプル(PP)法によるトラッキングエラー信号PPは、
PP=(Pe+Pf)−(Pg+Ph) ・・・(1)
により得られる。
【0045】
また、位相差検出法(DPD)によるトラッキングエラー信号DPD(以下、単にDPDと呼称する)は、
DPD=Ph(Ph+Pa+Pf+Pc)−Ph(Pg+Pb+Pe+Pd)
・・・(2)
により求めることができる。
【0046】
ところで、パターン24−0の内側に同心円状に規定される境界線24Cの大きさは、光ディスク装置1により再生可能な光ディスク(記録媒体)Dの記録面に予め形成されている案内溝(トラック)のピッチに基づいて規定されている。
【0047】
例えば、再生可能な光ディスクが、広く普及しているDVD規格である場合、トラックピッチは、0.68μmである。
【0048】
これに対し、現行のDVD規格の光ディスクに比較して記録密度が高められているHD DVD規格の光ディスクにおいては、データ領域のトラックは、そのトラックピッチが、0.3〜0.7μmで、例えば0.34〜0.44μm、典型的には0.40μmであることが多い。なお、HD DVD規格の光ディスクにおいては、システムリード−イン(System Lead-in)領域のトラックピッチは、0.68μmに決められている。
【0049】
図3(a)〜(c)は、上述したトラックピッチと図2に示したホログラムパターンの同心円状の境界線(境界円24C)の大きさを規定する方法を示す。なお、図3(a)は、トラックピッチTpが狭い光ディスクまたは部分からの反射レーザ光の回折光を、図3(b)は、トラックピッチTpが広い光ディスクまたは部分からの反射レーザ光の回折光を、それぞれ、光検出器上における集光パターンの例として、模式的に示していている。
【0050】
例えば、トラックピッチTpが狭い光ディスクまたは部分について、Tp=0.4μmとした場合、光ディスクからの反射レーザ光は、図3(a)に示すように、非回折光と回折光の一部が相互に重なりあうとともに、回折光同士は、ラジアル方向において所定の間隔となる。
【0051】
一方、トラックピッチTpが広い光ディスクまたは部分について、Tp=0.68μmとした場合、光ディスクからの反射レーザ光は、図3(b)に示すように、非回折光と回折光の一部が相互に重なりあうとともに、回折光同士も、図3(a)に示した例に比較して重なりあう領域が増大されて、ラジアル方向において所定の領域で重なりあう。
【0052】
従って、図2に示した回折素子の同心円状の境界線24Cは、図3(c)で説明されるように、トラックピッチTpの広いトラック(Tp=0.68μm)から反射されたレーザ光による回折光同士が重なりあう領域を含み、トラックピッチTpの狭いトラック(Tp=0.40μm)から反射されたレーザ光による回折光のいずれも含まない領域に規定される。
【0053】
このことは、図2に示した回折素子24の回折パターンから同心円状の境界線24Cにより区分される内側の4つのパターンを比較のため取り除いた状態で、DPD信号を得ることを考えた場合に、図4に示すように、ゼロクロス信号が1セット(1組)のみとはならないことにより説明される。なお、図4は、既に説明した「先行技術」および対応する「発明が解決しようとする課題」において説明したことがらと同等であるから詳細な説明を省略する。
【0054】
図5は、図2および図3により説明した本発明を適用した光検出器ならびに回折素子により得られるDPD信号を示している。
【0055】
なお、図5において、曲線Aは、トラックピッチTpの広いトラック(Tp=0.68μm)すなわちシステムリードイン)からのDPD信号を示し、曲線Bは、トラックピッチTpの狭いトラック(Tp=0.40μmすなわちデータ領域)からのDPD信号を示している。
【0056】
図5から明らかなように、曲線Bの振幅は曲線Aの振幅に比較して小さいが、もともとのトラックピッチに依存するものであり、図4に示したようなゼロクロスが1セット(1組)以外にも生じるという問題は生じないことが認められる。
【0057】
なお、図2および図3に示した本発明を適用した光検出器ならびに回折素子によれば、光ディスクDが記録層に案内溝を持つ書換え型、あるいは追記型ディスクの場合に用いられる補償トラッキングエラー信号CPP(Compensation Push Pull,すなわち第3のトラッキングエラー検出法)についても、
CPP=(Pg+Ph)−(Pe+Pf)−k(Pa+Pb−Pc−Pd)
ここで、kは補償係数
・・・(3)
により、求めることができる。
【0058】
図6は、図1に示した光ディスク装置の光ヘッドに組み込まれるホログラム素子(回折格子)により光束が分割される際のパターンならびにフォトダイオード(光検出器)の受光領域の配列および形状の特徴(配列パターン)の別の実施の形態の一例を示す。なお、図6に示す例は、図2により既に説明したホログラムの回折パターンおよび対応する光検出器の受光領域の配列を変形し、PP(プッシュプル)信号のS/Nをより高めることを可能としている。
【0059】
図6に示されるように、ホログラム(HOE)624(識別のため[600]を加算する)は、例えば概ね円形のパターン624−0を有する。パターン624−0は、概ね中心を通る境界線624R(ラジアル方向)と、境界線624Rと直交する境界線624T(タンジェンシャル方向)により、両境界線の交点を中心とする第1〜第4の領域624−1〜624−4に、区分されている。パターン624−0の内側には、同心円状に定義された概ね円形の境界線624Cが設けられ、第1〜第4の領域の内側(中心寄り)に、第5〜第8の領域624−5〜624−8が規定されている。また、図3により説明したが、光ディスクDからの反射レーザ光のうちの非回折光が透過する部分であって、回折光は重ならない部分に対応する2つの円弧を組み合わせた境界線624URと624LRと境界線624Tとにより規定される第9〜第12の領域624−12〜624−15(回折光の領域を境界線624Cと境界線624Tが交わる位置まで移動して規定される部分であって、非回折光がそのまま通過する領域)が設けられている。
【0060】
第1〜第4の領域624−1〜624−4により回折される回折光は、それぞれ、プッシュプル(PP:Push Pull)方式のトラッキングエラー信号の生成に利用される。なお、参照符号から見ると、図2により先に説明した例と一致するが、それぞれの領域においては、第9〜第12領域624−12〜624−15が欠きとられている(対応する光検出器の受光領域に入射しない)点が異なる。
【0061】
第1〜第4の領域624−1〜624−4により回折される回折光と第5〜第8の領域624−5〜624−8により回折される回折光は、それぞれが同一の区画内(数学的な観点で示すと「象限」に相当する)に規定された領域において、位相差検出(DPD:Differential Phase Detection)法のトラッキングエラー信号の生成に利用される。また、第1〜第4の領域624−1〜624−4の一部が第9〜第12領域624−12〜624−15として欠きとられている(対応する光検出器の受光領域に入射しない)点は、上述のPP信号と同様である。
【0062】
第9〜第12の領域624−12〜624−15を通過された光は、それぞれ、対物レンズ26のレンズシフトの影響を除去するために利用可能である。
【0063】
上述した回折パターンにより分割された光ビーム(レーザ光)は、光検出器628の受光面の概ね中心の4分割の受光領域628a〜628dと、ラジアル方向に距離を置いた4つの独立した受光領域628e〜628hに、それぞれ、結像される。また、第9〜第12の領域624−12〜624−15により分割されたレーザ光は、それぞれ、光検出器628の4分割の受光領域628−a〜628−dの近傍の所定の位置に規定された第9ないし第12の受光領域628−q,628−r,628−uおよび628−vに、それぞれ、結像される。
【0064】
その出力をそれぞれPa〜PhならびにPq,Pr,PuおよびPvとすると、
位相差検出法(DPD)によるトラッキングエラー信号DPDは、
DPD=Ph(Ph+Pa+Pq+Pf+Pc+Pu)
−Ph(Pg+Pb+Pr+Pe+Pd+Pv)
(実質的に(2)と同じ) ・・・(4)
により求めることができる。
【0065】
また、プッシュプル法によるトラッキングエラー信号PPは、
PP=(Pe+Pf)−(Pg+Ph)
(計算式は実質的に(1)と同じ,但し、第9〜第12領域
624−12〜624−15を通過する成分が、それぞれの
出力に含まれない) ・・・(5)
により求めることができる。
【0066】
また、補償トラッキングエラー信号CPPについても、
CPP=(Pg+Ph)−(Pe+Pf)
−k{(Pa+Pb−Pc−Pd)+(Pq+Pr−Pu−Pv)}
ここで、kは補償係数
・・・(6)
により、求めることができる。
【0067】
なお、(5)式すなわちPP信号および(6)式すなわちCPP信号については、もともと利用しない成分を除去したものであり、対物レンズ26のレンズシフトによるオフセット成分のみに対応する出力である。従って、(3)式に比較した場合、補償信号としてのS/Nが向上可能である。
【0068】
このことは、kの大きさを小さく設定することで、例えば光ディスクDの記録面に、光ディスクに固有の案内溝(トラック)からの反射レーザ光に類似した反射光を生成するような傷が生じた場合やごみ等が付着した場合に、その影響を低減できることを意味する。
【0069】
従って、光ディスクに固有の案内溝(トラック)に類似した信号を出力するような傷が生じた光ディスクに対しても、影響を受けにくい光ディスク装置が得られる。
【0070】
また、(5)式および(6)式によれば、光検出器628の受光領域628−q,628−r,628−uおよび628−vは、一見すると不要であるが、例えば波長が405nmのレーザ光を用いるHD DVD規格の光ディスクから情報を再生する場合においては、その再生出力が小さいため、HF(再生出力)のゲインを高めるために、総ての受光領域の出力を加算する等の場合に有益である。
【0071】
以上説明したように、本発明により規定した受光光学系を用いることにより、2つ以上の異なるピッチのトラックが形成される光ディスク(記録媒体)に記録された情報を再生する際のプッシュ−プル法によるトラッキングエラー信号(PP,第2の方式のトラッキングエラー信号生成方法)および位相差法によるトラッキングエラー信号(DPD,第1の方式のトラッキングエラー信号生成方法)ならびに補償トラッキングエラー信号(CPP,第3の方式のトラッキングエラー信号生成方法)のS/Nが向上される。また、対物レンズにレンズシフトが重畳される系においても、正確なトラックエラー検出が可能となる。
【0072】
なお、この発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形もしくは変更が可能である。また、各実施の形態は、可能な限り適宜組み合わせて、もしくは一部を削除して実施されてもよく、その場合は、組み合わせもしくは削除に起因したさまざまな効果が得られる。
【0073】
また、発明の詳細な説明においては、光ディスク装置を例に実施の形態を説明したが、記録媒体として光ディスクを用いる動画撮影用カメラや、音楽データを収容する携帯用の音響機器等にも適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】この発明の実施の形態が適用可能な情報記録再生装置(光ディスク装置)の構成の一例を示す概略図。
【図2】図1に示した光ディスク装置に組み込まれる光ヘッド装置に用いられる回折素子(ホログラム)による光束分割のパターンならびにフォトダイオード(光検出器)の受光領域のパターンの一例を示す概略図。
【図3】図2に示したホログラムを定義する条件を説明する概略図。
【図4】図2に示したホログラムの作用を説明するためのDPD(トラッキングエラー)信号の比較例を示すグラフ。
【図5】図2に示したホログラムを用いて得られるDPD(トラッキングエラー)信号の例を示すグラフ。
【図6】図1に示した光ディスク装置に組み込まれる光ヘッド装置に用いられる回折素子(ホログラム)による光束分割のパターンならびにフォトダイオード(光検出器)の受光領域のパターンの一例を示す概略図。
【符号の説明】
【0075】
1…光ディスク装置(情報記録再生装置)、11…光ピックアップ(光ヘッド装置)、12…信号処理部、21…レーザダイオード(光源)、22…コリメートレンズ、23…偏光ビームスプリッタ(分離手段)、24,624…ホログラム(回折素子)、25…1/4波長板、26…対物レンズ、27…フォーカスレンズ、28,628…フォトダイオード(光検出器)、101…演算回路(信号処理部)、111…サーボ回路、D…光ディスク(記録媒体)。




 

 


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