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発明の名称 携帯端末装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6387(P2007−6387A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−187043(P2005−187043)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩
発明者 吉田 智久 / 松元 博幸 / 佐伯 洋介
要約 課題
低い周波数帯を強調する性質のレシーバとともに高い周波数帯域を強調するスピーカを用いることで幅広い周波数帯に対応する受話が可能となる。また、同時に音声出力することで受話鳴動部(面積)を広げ、耳あたりのずれによる音声レベルの減衰を抑えることが可能となる。したがって、この発明によれば、通話中において、安定した音声を再現するとともに、耳あたりのずれによる音声の聞き取りにくさを解消できる携帯端末装置を提供する。

解決手段
携帯端末装置は、音声を出力する第1の音声出力手段と、音声を出力する第2の音声出力手段とを具備する携帯端末装置であって、前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段は、それぞれ異なる特性を有するとともに携帯端末装置の略同一方向に向けて音声を出力するように配置され、前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段とに略同じ音声信号を供給する音声制御部とを具備するようにしたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
音声を出力する第1の音声出力手段と、音声を出力する第2の音声出力手段とを具備する携帯端末装置であって、
前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段は、それぞれ異なる特性を有するとともに携帯端末装置の略同一方向に向けて音声を出力するように配置され、
前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段とに略同じ音声信号を供給する音声制御部とを具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
音声を出力する第1の音声出力手段と、音声を出力する第2の音声出力手段とを具備する携帯端末装置であって、
前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段は、それぞれ異なる特性を有するとともに携帯端末装置の略一方面に配置され、
前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段とに略同じ音声信号を供給する音声制御部とを具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
前記特性とは、周波数特性であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記異なる特性とは、前記第1の音声出力手段の低域再現性が前記第2の音声出力手段の低域再現性より高く、前記第2の音声出力手段の高域再現性が前記第1の音声出力手段の高域再現性より高いものであることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の携帯端末装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話システムやPHS(Personal Handyphone System)などで用いられる携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、携帯端末装置は、受話用のスピーカとしてレシーバを備えるが、近時これに加えて、表示部の利用者と対峙する面がスピーカとして機能するパネルスピーカを採用することが検討されている。このようなパネルスピーカによれば、従来より採用されるレシーバに比べて出力面積が広いため、利用者が耳への位置決めを容易に行えるというメリットがある。
【0003】
ここで、出願人の知っている上述の如き先行技術は、公知・公用の技術であって文献公知発明に係わるものではなく、もって記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の携帯端末装置では、通話中においてレシーバのみによる受話音声では、レシーバの周波数特性によっては高域の再現性が悪く、周囲の騒音によっては相手の音声が聞き取りにくい場合がある。またレシーバ孔が小さい場合、耳あたりのずれにより相手の音声が聞き取りにくくなるという問題がある。
【0005】
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、通話中において、安定した音声を再現するとともに、耳あたりのずれによる音声の聞き取りにくさを解消できる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は、音声を出力する第1の音声出力手段と、音声を出力する第2の音声出力手段とを具備する携帯端末装置であって、前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段は、それぞれ異なる特性を有するとともに携帯端末装置の一方面に配置され、前記第1の音声出力手段と第2の音声出力手段とに同じ音声信号を供給する音声制御部とを具備して構成するようにした。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、低い周波数帯を強調する性質のレシーバとともに高い周波数帯域を強調するスピーカを用いることで幅広い周波数帯に対応する受話が可能となる。また、同時に音声出力することで受話鳴動部(面積)を広げ、耳あたりのずれによる音声レベルの減衰を抑えることが可能となる。したがって、この発明によれば、通話中において、安定した音声を再現するとともに、耳あたりのずれによる音声の聞き取りにくさを解消できる携帯端末装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に関わる携帯端末装置の外観を示すものである。図1に示すように携帯端末装置は、レシーバ50、パネルスピーカ53(図中ハッチング部分)などが設けられた上部筐体Aと、マイク40やキー操作部60などが設けられた下部筐体Bと、左右一対のヒンジ部Cとを含んで構成され、ヒンジ部Cを介して上部筐体Aと下部筐体Bとが回動可能に連結している。そして、この携帯端末装置は、上部筐体Aと下部筐体Bをヒンジ部Cを中心に折り畳むことが可能である。
【0009】
ここで、レシーバ50とパネルスピーカ53は上部筐体Aの略一方の方向に向けて音声出力できるように配置されており、互いに近傍に配置されている。これにより、受話鳴動部(面積)を広げ、耳あたりのずれによる音声レベルの減衰を抑えることが可能となる。したがって、耳あたりのずれによる音声の聞き取りにくさを解消できる。
【0010】
図2は、この発明の一実施形態に係わる携帯端末装置の構成を示すものである。この携帯端末装置は、アンテナ1、無線部10、カメラ部20、表示部30、マイクロホン40、レシーバ50、スピーカ制御部51、アンプ52、パネルスピーカ53、キー操作部60、メモリ70、充電検出部80、開閉検出部90、制御部100を備えている。
【0011】
無線部10は、アンテナ1が移動通信網に収容される無線基地局BSから受信した無線信号をダウンコンバートして復調し、通信相手局から送信された符号化音声データ、受信メールデータあるいはwebデータを得て、これを制御部100に出力する。また無線部10は、制御部100から与えられる符号化音声データや送信メールデータを用いてベースバンド信号を変調し、これをアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ1を通じて上記無線基地局BSに送信する。
【0012】
カメラ部20は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いた電子カメラであって、撮像した画像をエンコードして画像データとして制御部100に出力する。
【0013】
表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)などを用いた表示装置であって、制御部100によって制御され、テキストや画像など種々の視覚的な情報をユーザに映示するものである。また表示部30の利用者と対峙する表面には、パネルスピーカ53が実装される。
【0014】
マイクロホン40は、利用者の送話音声を集音し、送話音声信号に変換して制御部100に出力する。レシーバ50は、スピーカ制御部51から与えられる信号に基づいて、受話音声や種々の報知音を拡声出力するスピーカである。スピーカ制御部51は、制御部100から与えられる信号に基づいて、レシーバ50及びパネルスピーカ53を駆動制御する。アンプ52は、スピーカ制御部51から与えられる信号を増幅して、振動素子に出力し、また、パネルスピーカ53への信号出力のオン/オフを切り替える。パネルスピーカ53は、アンプ52からの信号出力を受けて、圧電素子によってパネルを振動させることで音声を出力させるものである。なお、アンプ52は、スピーカ制御部51等によって必要な音圧が得れる場合は、省略することが可能である。
【0015】
キー操作部60は、複数のキースイッチなどを備え、ユーザの要求を受け付けるものである。
メモリ70は、制御部100の制御プログラムや制御データ、電話番号、名称および顔写真などの画像データを対応づけた電話帳データを記憶するとともに、送受信したメールデータや、カメラ部20で撮像した画像データ、当該携帯端末装置の動作設定のパラメータなどが記憶される。
【0016】
充電検出部80は、図示しない動作用のバッテリへの充電器接続を検出するものであり、検出結果を制御部100に通知する。充電器の接続が検出された場合には、図示しない充電回路により、外部から供給される電力により上記バッテリの充電が開始される。
【0017】
開閉検出部90は、折りたたみ式の当該携帯端末装置の筐体開閉を検出するものであり、検出結果を制御部100に通知する。
制御部100は、当該携帯端末装置の各部を統括して制御するものである。例えば、制御部100は、無線部10が無線基地局から着信信号を受信した場合に、表示部30を制御するとともに、スピーカ制御部51を通じてレシーバ50やパネルスピーカ53を制御して、着信の発生を報知するとともに、キー操作部60を通じたユーザの応答操作により、上記着信に応答する信号を無線部10に送信させ、音声通信リンクを確立する着信制御機能を備える。
【0018】
また制御部100は、無線基地局BSを通じて音声通信リンクが開設された場合には、無線部10にて復調された符号化音声データを復号して音声信号を再生し、レシーバ50やパネルスピーカ53から拡声出力する。これにより、通話相手局からの送話音声がユーザに伝達される。また制御部100は、マイクロホン40から入力された音声信号を符号化して符号化音声データを生成し、これを無線部10に与えて、通話相手に送信させる。
【0019】
さらに制御部100は、電子メールの送受信制御機能を備える。キー操作部60を通じた利用者からの指示に従って、送信メールを作成し、これをメモリ70に記録する。そしてキー操作部60を通じた利用者からの要求に応じて、メモリ70から上記送信メールを読み出し、無線部10を制御して、無線基地局BSを通じて送信メールの送信を行う。
【0020】
また制御部100は、無線部10が電子メールを受信した場合に、この受信メールをメモリ70に記録する。そしてキー操作部60を通じた利用者からの要求に応じて、メモリ70に記録した受信メールを読み出し、表示部30に表示する。
【0021】
その他、制御部100は、webデータを閲覧するための制御機能、無線基地局BSから配信される情報を受信するための制御機能や、三者間通信が復帰した旨を報知するコールウエイティング報知制御機能、スケジュールデータを管理する制御機能、スケジュールに連動してアラーム音を拡声出力するスケジュールアラーム制御機能、時刻に応じてアラーム音を拡声出力するアラーム制御機能、キッチンタイマのように短時間をカウントダウンして時間経過を報知するタイマ制御機能、ユーザに警告を報知する警報制御機能、上記バッテリの残量が閾値以下に低下したことを報知するローバッテリ警告制御機能、キー操作部60の操作を確認音として出力する制御機能、不在応答時にメモリ70に記録した発信者の音声データをメモリ70に記録したり、この音声データを読み出して再生する簡易留守録音制御機能、マイクロホン40を通じて入力された音声をデータ化してメモリ70に記録し、この記録した音声データを読み出して再生する音声メモ制御機能などを備える。
【0022】
次に、上記構成の携帯端末装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、無線基地局BSとの間に通信リンクを確立する手順や、音声通信を実現するための制御、電話帳データの登録や呼出、編集などの説明は省略し、制御部100にしたがって、音を発する動作制御について説明する。
【0023】
先ず、無線基地局BSから着信信号を受信した場合に、携帯端末装置における制御部100は、表示部30を制御するとともに、スピーカ制御部51を通じてレシーバ50やパネルスピーカ53を制御して、着信の発生を報知するとともに、キー操作部60を通じたユーザの応答操作により、上記着信に応答する信号を無線部10に送信させ、音声通信リンクを確立させる。
【0024】
次に、制御部100は、無線基地局BSを通じて音声通信リンクが開設された場合には、無線部10にて復調された符号化音声データを復号して音声信号を再生し、レシーバ50やパネルスピーカ53から拡声出力する。この拡声出力は、レシーバ50とパネルスピーカ53に同じ音声信号を送出することによって行なう。同じ音声信号を送出することによって、低い周波数帯をレシーバ50にて強調し、高い周波数帯域をパネルスピーカ53にて強調して幅広い周波数帯に対応する受話が可能となる。したがって、通話中において、安定した音声を再現することができる。
【0025】
図3は、この発明の一実施形態に係わる携帯端末装置の周波数特性を示すものである。横軸に出力される音声の周波数を、縦軸に出力される音声の音圧であるレベルを表わしている。破線カーブがレシーバ50からの音声出力の特性を示しており、実戦カーブがパネルスピーカ53からの音声出力の特性を示している。
【0026】
一般に、携帯電話機における通常の音声帯域は、300Hzから3kHzであるところ、レシーバ50のみによって500Hzから800Hzのいわゆる低域の音声を出力すると105dBから110dBの間で音圧を確保できる。しかし、レシーバ50によって1.5kHzから3kHzのいわゆる高域の音声を出力しようとすると、100dBを下回ってしまい、音圧を十分に確保できない。一方、パネルスピーカ53は、レシーバ50とは異なる特性を有するものであるため、1.5kHzから3kHzの音声を出力する場合、100dB以上の音圧を確保できる。
【0027】
従って、低い周波数帯を強調する性質のレシーバ50とともに高い周波数帯域を強調するパネルスピーカ53を用いることで幅広い周波数帯に対応する受話が可能となる。
【0028】
上記実施の形態では、着信時における通話での音声出力について説明したが、音声出力は、これら無線基地局BSから到達する音声に限らず、メモリ70に格納された音楽データを出力する場合でも同様に実施可能である。
【0029】
また上記実施の形態では、レシーバ50とパネルスピーカ53とから同時に拡声出力するものとして説明したが、利用者の要求に応じていずれか一方から選択的に拡声出力するようにしたりするようにしてもよい。ここで、利用者の要求とは、キー操作であったり、通話相手や機能によって予めなされた設定等をいう。この際は、例えばアンプ52内に設けられたスイッチをオン/オフすることで切り替えることができる。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明に係わる携帯端末装置の一実施形態の外観構成を示す外観構成図。
【図2】図1に示した携帯端末装置の一実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図3】図1に示した携帯端末装置の周波数特性を表わす周波数特性図。
【符号の説明】
【0031】
A…上部筐体、B…下部筐体、C…ヒンジ部、1…アンテナ1、10…無線部、20…カメラ部、30…表示部、40…マイクロホン、50…レシーバ、51…スピーカ制御部、52…アンプ、53…パネルスピーカ、60…キー操作部、70…メモリ、80…充電検出部、90…開閉検出部、100…制御部、BS…無線基地局。




 

 


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