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発明の名称 商品価格設定支援システムと方法、およびプログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−4729(P2007−4729A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−187368(P2005−187368)
出願日 平成17年6月27日(2005.6.27)
代理人 【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
発明者 伊藤 保之 / 村上 好樹 / 篠原 和太郎
要約 課題
将来時点で需要家に販売する商品を先渡し市場で仕入れるための仕入れコストとその変動幅などの不確実性を、市場リスク、量的リスク、および流動性リスクを考慮して評価可能とする。

解決手段
商品価格解析部12は、過去の先渡し商品価格データを解析して価格変動モデル定数を決定する。需要変動型計算パラメータ取得部13は、受渡し時期、需要変動モデル定数、初期想定需要量、需要成長率、先渡し取引間隔、先渡し商品の最長満期または限月を取得する。取引成約確率設定部15は、先渡し取引成約確率の実績データを滑らかな関数で近似して、先渡し取引成約確率を設定する。商品仕入れコスト評価部16は、各部12,13,15で得られたデータに基づいて受渡し時期毎に先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行い、計算結果をインタフェース部20により表示させ、収益リスク評価・商品取引最適化装置2に対して出力させる。
特許請求の範囲
【請求項1】
先渡し卸市場で仕入れて需要家に販売する商品の価格設定を支援する商品価格設定支援システムにおいて、
先渡し卸市場の商品価格変動を表す値と先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す値を用いると共に、需要家との取引条件に応じて需要家の需要変動を表す値を選択的に用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行う商品仕入れコスト評価手段と、
前記評価計算の計算条件および計算結果を保存する記憶手段と、
前記評価計算に必要なデータの入力および計算結果の出力を行うインタフェース手段
を有することを特徴とする商品価格設定支援システム。
【請求項2】
前記商品仕入れコスト評価手段は、需要家との前記取引条件が一定量での商品の受渡しである場合に、当該需要家の需要変動を表す値を用いずに先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行い、需要家との前記取引条件が一定量での商品の受渡しでない場合に、当該需要家の需要変動を表す値を用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行うように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の商品価格設定支援システム。
【請求項3】
過去に先渡し卸市場で取引された先渡し商品の価格を示す過去の先渡し商品価格データを、前記インタフェース手段を通じてまたは前記記憶部から取得する商品価格データ取得手段と、
前記過去の先渡し商品価格データを解析して、先渡し価格の変動を表すモデルの計算に必要な価格変動モデル定数を決定する商品価格解析手段と、
計算パラメータとして、商品を需要家に受渡す受渡し時期と、需要家の商品需要の変動を表すモデルの計算に必要な需要変動モデル定数と、初期想定需要量と、需要の成長率と、商品を先渡し卸市場から仕入れるための先渡し取引の間隔と、先渡し卸市場における先渡し商品の最長満期または限月を、前記インタフェース手段を通じてまたは前記記憶部から取得する計算パラメータ取得手段と、
先渡し卸市場に先渡し商品の売買注文を出した際の先渡し取引成約確率の実績データを、前記インタフェース手段を通じてまたは前記記憶部から取得する取引成約確率実績データ取得手段と、
前記先渡し取引成約確率の実績データを、先渡し商品の満期または限月までの期間と注文量との関数として滑らかな関数で近似することにより、前記評価計算で使用する先渡し取引成約確率を設定する取引成約確率設定手段を有し、
前記商品仕入れコスト評価手段は、前記商品価格解析手段、前記計算パラメータ取得手段、および前記取引成約確率設定手段で得られたデータに基づいて、前記受渡し時期毎に先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行い、計算結果を前記インタフェース手段により表示させるように構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品価格設定支援システム。
【請求項4】
過去に先渡し卸市場で取引された先渡し商品の価格を示す過去の先渡し商品価格データを、前記インタフェース手段を通じてまたは前記記憶部から取得する商品価格データ取得手段と、
前記過去の先渡し商品価格データを解析して、先渡し価格の変動を表す計算モデル定数を決定する商品価格解析手段と、
計算パラメータとして、需要家に受渡す商品の量、受渡し開始時期、および受渡し期間と、先渡し卸市場における先渡し商品の最長満期または限月を、前記インタフェース手段を通じてまたは前記記憶部から取得する計算パラメータ取得手段と、
先渡し卸市場に先渡し商品の売買注文を出した際の先渡し取引成約確率の実績データを、前記インタフェース手段を通じてまたは前記記憶部から取得する取引成約確率実績データ取得手段と、
前記先渡し取引成約確率の実績データを、先渡し商品の満期または限月までの期間と注文量との関数として滑らかな関数で近似することにより、前記評価計算で使用する先渡し取引成約確率を設定する取引成約確率設定手段を有し、
前記商品仕入れコスト評価手段は、前記商品価格解析手段、前記計算パラメータ取得手段、および前記取引成約確率設定手段で得られたデータに基づいて、前記受渡し期間に対する平均的な先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行い、計算結果を前記インタフェース手段により表示させるように構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の商品価格設定支援システム。
【請求項5】
前記商品仕入れコスト評価手段は、先渡し商品の仕入れコストの不確実性を表す値として、先渡し商品の仕入れコストの期待値、標準偏差、または変動幅の評価計算を行うように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の商品価格設定支援システム。
【請求項6】
前記商品仕入れコスト評価手段は、先渡し商品の仕入れコストの確率分布または確率密度分布の評価計算を行うように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の商品価格設定支援システム。
【請求項7】
将来の先渡し価格の不確実性を表す値として、将来の先渡し価格の期待値、標準偏差、または変動幅の評価計算を行う先渡し価格評価手段
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の商品価格設定支援システム。
【請求項8】
商品取引事業に関わる収益リスク評価または商品取引の最適化支援を行う収益リスク評価・商品取引最適化装置と接続され、
前記商品仕入れコスト評価手段は、前記評価計算の結果として得られた先渡し商品の仕入れコストとその不確実性を表す値を、前記収益リスク評価・商品取引最適化装置に対して出力するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の商品価格設定支援システム。
【請求項9】
演算部、記憶部、インタフェース部を有するコンピュータを利用して、先渡し卸市場で仕入れて需要家に販売する商品の価格設定を支援する商品価格設定支援方法において、
前記演算部により、先渡し卸市場の商品価格変動を表す値と先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す値を用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行う商品仕入れコスト評価ステップを行い、
前記記憶部により、評価計算の計算結果を保存する記憶ステップを行い、
前記インタフェース部により、計算結果を表示する結果表示ステップを行う
を有することを特徴とする商品価格設定支援方法。
【請求項10】
先渡し卸市場で仕入れて需要家に販売する商品の価格設定を支援する商品価格設定支援プログラムにおいて、
先渡し卸市場の商品価格変動を表す値と先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す値を用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行う商品仕入れコスト評価機能と、
前記評価計算の計算条件および計算結果を保存する記憶機能と、
前記評価計算に必要なデータの入力および計算結果の出力を行うインタフェース機能
をコンピュータに実現させることを特徴とする商品価格設定支援プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、先渡し卸市場で仕入れて需要家に販売する商品の価格設定を支援するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エネルギー商品などの、需要家に販売する商品の価格設定を行うためには、商品の仕入れコストを評価する必要がある。商品の仕入れコストが評価できれば、その仕入れコストに、予め定められたルールで適切な小売マージンを加えることによって販売価格を設定できる。
【0003】
従来、商品価格設定法としては、例えば、特許文献1に記載されているような手法が存在している。この特許文献1においては、原料価格などからコストを求める記述があるものの、需要と販売価格との関係を重点的に取り扱っている。この手法によれば、将来時点で需要家に販売する電力など、貯蔵できないかまたは貯蔵が困難な商品の場合、先渡し卸市場で調達すれば価格変動リスクを回避することができる。
【0004】
需要量が確定していれば、商品を受渡す期限であるところの満期または限月までの期間ができるだけ長い先渡し商品を卸市場で購入することが望ましい。その理由は、一般に長い満期の先渡し商品価格の変動は小さく、価格も比較的低いためである。需要家に受渡す時期が、卸市場で取引される先渡し商品の最長の満期または限月を越えていれば、その商品が出るまで待たなければならない。この待機期間に先渡し商品価格が変動するため、卸市場での商品仕入れコストに市場リスクとしての不確実性が生じる。
【0005】
一般に、先渡し商品を仕入れることを前提とした商品価格設定法は、将来の商品取引における価格設定やそのリスク管理を行うために、過去の、先渡し商品の満期または限月と先渡し価格の関係を与えるフォワードカーブデータを用いて、将来の先渡し価格の期待値と分散または標準偏差を求め、商品の仕入れコストとその不確実性を評価するものである。
【0006】
将来のフォワードカーブの期待値や分散を求める手法については、例えば、非特許文献1や非特許文献2に記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−171180
【非特許文献1】レス・クルーロー、クリス・ストリックランド著、山本要一訳、「エネルギーデリバティブ、プライシングとリスク管理」、(2004)、シグマベイズキャピタル
【非特許文献2】アレキサンダー・アイデランド、クルジストフ・ウォリニーク著、山本要一訳、「電力取引の金融工学、モデル化とプライシングの新展開」、(2004)、エネルギーフォーラム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、卸市場で先渡し商品を購入して需要家に販売する商品の価格設定を行うために必要な商品の仕入れコストの評価において、商品が、電力などの貯蔵できないかまたは貯蔵が困難な商品であって、その需要量が不確実である場合には、次のような問題点が生じる。すなわち、そのような商品の仕入れコストの評価においては、将来時点で想定需要量を見直し、その時点までの購入量との差分を先渡し卸市場で売買する必要があるが、その市場取引は将来時点であるため、付加的に先渡し価格の変動リスクが生じる。
【0009】
さらに、満期または限月までの期間が長い先渡し商品は流動性が悪く、市場に出回ることの少ない場合もあることから、最長満期までの先渡し商品の全てを取引できるとは限らない。このように、定められた将来時点で需要家に販売する商品を先渡し卸市場で仕入れる場合、その市場リスク(価格変動)、量的リスク(需要変動)、および流動性リスク(市場取引可否)が存在するため、先渡し商品価格の前記フォワードカーブの変動だけでは卸市場での商品仕入れコストを評価することができないという課題があった。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、将来時点で需要家に販売する商品を先渡し市場で仕入れるための仕入れコストとその変動幅などの不確実性を、市場リスク、量的リスク、および流動性リスクを考慮して評価可能な商品価格設定支援システムと方法、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記のような目的を達成するために、先渡し卸市場の商品価格変動を表す値と先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す値を用いると共に、需要家の需要変動を表す値を選択的に用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行うことにより、先渡し商品の仕入れコストとその変動幅などの不確実性を、市場リスク、量的リスク、および流動性リスクを考慮して評価できるようにしたものである。
【0012】
本発明の商品価格設定支援システムは、先渡し卸市場で仕入れて需要家に販売する商品の価格設定を支援する商品価格設定支援システムにおいて、商品仕入れコスト評価手段、記憶手段、インタフェース手段を有することを特徴としている。ここで、商品仕入れコスト評価手段は、先渡し卸市場の商品価格変動を表す値と先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す値を用いると共に、需要家との取引条件に応じて需要家の需要変動を表す値を選択的に用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行う手段である。また、記憶手段は、評価計算の計算条件および計算結果を保存する手段であり、インタフェース手段は、評価計算に必要なデータの入力および計算結果の出力を行う手段である。
【0013】
本発明の商品価格設定支援方法および商品価格設定支援プログラムは、上記システムの特徴を、方法およびコンピュータプログラムの観点からそれぞれ把握したものである。
【0014】
以上のような特徴を有する本発明においては、先渡し卸市場の商品価格変動を表す価格変動モデル定数と需要家の需要変動を表す需要変動モデル定数、および先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す取引成約確率等の値を用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行うことができるため、先渡し価格の不確実性、需要の不確実性、および先渡し市場での取引成否の不確実性を考慮して、先渡し商品の仕入れコストとその変動幅などの不確実性を精度よく評価することができる。したがって、市場リスク、量的リスク、および流動性リスクを考慮した商品価格の設定を支援することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、将来時点で需要家に販売する商品を先渡し市場で仕入れるための仕入れコストとその変動幅などの不確実性を、市場リスク、量的リスク、および流動性リスクを考慮して評価可能な商品価格設定支援システムと方法、およびプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[基本的な技術思想]
以下には、本発明を適用した実施形態の説明に先立って、本発明の基本的な技術思想について、図1〜図3を用いて説明する。
【0017】
図1は、時点Tで需要家に商品を受渡す量(需要)が不確実である場合に、時点Tまでの間に想定需要量がランダムに変化する様子を模式的に示す図である。想定需要量を見直す時期tiにおいて、想定需要を満たす商品の量を先渡し取引によって調整する。ここで、初回の先渡し取引では想定需要の全量を購入し、2回目以降は想定需要に対する過不足分を先渡し取引による売買で調整するものとする。
【0018】
図2は、需要家に商品を受渡す時点Tを満期(限月)とする先渡し商品価格のランダムな変動の様子を模式的に示す図である。図1および図2に示すように、与えられた先渡し取引時点での取引量と先渡し価格が得られれば、取引量×先渡し価格の合計で、時点Tに受渡す商品の先渡し取引による仕入れに必要な金額が与えられ、この金額を取引量の合計で除算すれば、単位量に対する「先渡し商品仕入れコスト」が得られる。
【0019】
ここで、先渡し商品を買う場合は取引量をプラスとし、売る場合はマイナスとする。以上は、先渡し取引が確実に成立するという前提であるが、満期または限月までの期間が長くなると、先渡し商品の流動性が悪くなり、先渡し取引が成立しない可能性が出てくる。
【0020】
図3は、満期までの期間と先渡し取引成約確率との関係を模式的に示す図であり、この関係は、先渡し取引の経験より定められるものとする。先渡し取引成約確率は、例えば、1ヶ月間に市場に注文を出した件数と取引が成立した件数との比として定めてもよい。また、先渡し取引成約確率は、満期までの期間だけではなく、取引量の関数であってもよい。図3の先渡し取引成約確率によって取引ができなかった場合には、図1において、先渡し取引時点(想定需要見直し時点)を次月に繰り越すものとする。
【0021】
以下の実施形態においては、先渡し商品仕入れコストの評価計算を行うために、想定需要および先渡し価格の変動モデルを与え、乱数を発生させて、図1や図2のような想定需要および先渡し価格のシナリオを多数発生させ、各シナリオ毎に前述した「先渡し商品仕入れコスト」を計算することによって、その平均値と標準偏差を求める。このようにして、先渡し商品仕入れコストの評価計算を行うことにより、需要家に商品を販売する上で、卸市場動向を考慮した商品価格の設定を支援することができる。
【0022】
[第1の実施形態]
[構成]
図4は、本発明を適用した第1の実施形態に係る商品価格設定支援システムの構成を示すブロック図である。本実施形態は、需要家との取引条件が、一定量での商品の受渡しでない場合に、先渡し商品の仕入れコストとその変動幅などの不確実性を、先渡し価格の不確実性、需要の不確実性、および先渡し市場での取引成否の不確実性を考慮して評価する場合の一つの形態を示している。
【0023】
この図4に示すように、本実施形態の商品価格設定支援システム1は、同じ商品取引事業に関わる収益リスク評価または商品取引の最適化支援を行う収益リスク評価・商品取引最適化装置2に対して、ケーブルやネットワークなどの通信媒体3を介して接続されている。ここで、商品価格設定支援システム1を利用するユーザは、商品取引業務に携わる事業者であるが、一般的には、収益リスク評価・商品取引最適化装置2もまた、同じ事業者により利用される。
【0024】
また、商品価格設定支援システム1は、演算部10、インタフェース部20、記憶部30から構成されている。各部10〜30の詳細は次の通りである。
【0025】
演算部10は、商品価格データ取得部11、商品価格解析部12、需要変動型計算パラメータ取得部13、取引成約確率実績データ取得部14、取引成約確率設定部15、商品仕入れコスト評価部16、を有する。
【0026】
商品価格データ取得部11は、過去に先渡し卸市場で取引された先渡し商品の価格を示す「過去の先渡し商品価格データ」を、インタフェース部20を通じてまたは記憶部30から取得する部分である。商品価格解析部12は、「過去の先渡し商品価格データ」を解析して、先渡し価格の変動を表すモデルの計算に必要な「価格変動モデル定数」を決定する部分である。
【0027】
需要変動型計算パラメータ取得部13は、需要変動を考慮した計算パラメータとして、「受渡し時期」、「需要変動モデル定数」、「初期想定需要量」、「需要成長率」、「先渡し取引間隔」、「先渡し商品の最長満期または限月」を、インタフェース部20を通じてまたは記憶部30から取得する部分である。
【0028】
ここで、「受渡し時期」は、商品を需要家に受渡す時期であり、「需要変動モデル定数」は、需要家の商品需要の変動を表すモデルの計算に必要な定数である。「受渡し時期」、「需要変動モデル定数」、「初期想定需要量」、「需要成長率」は、将来の商品の需要量を推定するために使用されるパラメータである。
【0029】
また、「先渡し取引間隔」は、需要を満たすための商品を先渡し卸市場から仕入れるための間隔であり、より詳細には、図1に示す受渡し時期での不確実な需要に対応するために先渡し商品の仕入れ量を見直し、先渡し取引で調整する時期の間隔である。「先渡し商品の最長満期または限月」は、先渡し市場で取引されている先渡し商品の最長満期または限月である。
【0030】
取引成約確率実績データ取得部14は、先渡し卸市場に先渡し商品の売買注文を出した際の「先渡し取引成約確率の実績データ」を、インタフェース部20を通じてまたは記憶部30から取得する部分である。ここで、「先渡し取引成約確率の実績データ」は、先渡し取引経験より得られる各満期までの期間に対応する離散的なデータである。取引成約確率設定部15は、「先渡し取引成約確率の実績データ」を、先渡し商品の満期または限月までの期間と注文量との関数として滑らかな関数で近似することにより、評価計算で使用する満期毎の「先渡し取引成約確率」を設定する部分である。
【0031】
商品仕入れコスト評価部16は、商品価格解析部12、需要変動型計算パラメータ取得部13、および取引成約確率設定部15で得られたデータに基づいて、受渡し時期毎に先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行う部分である。この商品仕入れコスト評価部16はまた、仕入れコストの評価計算の計算結果をインタフェース部20により表示させると共に、インタフェース部20を通じて収益リスク評価・商品取引最適化装置2に対して出力させる機能を有する。
【0032】
なお、以上のような演算部10は、具体的には、コンピュータのメインメモリとそれに記憶された商品価格設定支援用として特化されたプログラム、そのプログラムによって制御されるCPU等により実現される。
【0033】
インタフェース部20は、データ入力部21、データ表示部22、データ通信部23から構成されている。ここで、データ入力部21は、ユーザの操作に応じた信号をコンピュータに入力するマウスやキーボード等の入力装置である。データ出力部22は、データ入力部21で入力されたデータ、および演算部1で処理された評価結果をユーザに対して表示または出力するディスプレイ、プリンタ等の出力装置である。
【0034】
データ通信部23は、コンピュータに内蔵されてデータの送受信を制御する通信制御装置、およびコンピュータのメインメモリとそれに記憶された通信用として特化されたプログラム、そのプログラムによって制御されるCPU等により実現され、通信媒体3を通じて他のシステムまたは装置とのデータ通信を行う。
【0035】
すなわち、インタフェース部20は、コンピュータとユーザとの間のやり取り、および他のシステムまたは装置との間のデータ通信を行う部分であり、一般的に「ユーザインタフェース」、「通信インタフェース」等と呼ばれる部分を包含する広義のインタフェースである。
【0036】
記憶部30は、演算部10でデータ処理を行うための各種の計算条件を予め保存すると共に、演算部10による計算結果を保存する部分である。この記憶部30は、コンピュータの各種のメモリや補助記憶装置等により実現される。
【0037】
[動作の概略]
図5は、以上のような構成を有する本実施形態に係る商品価格設定支援システムにおける動作の概略を示すフローチャートである。
【0038】
この図5に示すように、本実施形態の商品価格設定支援システム1はまず、商品価格データ取得部11により、商品価格データ取得処理として、先渡し商品の指定、その先渡し商品に関する過去の先渡し商品の限月毎、取引日毎の先渡し商品価格データ、および取引条件の指定等を取得する(S110)。このデータ取得は、インタフェース部20によるデータ入力、すなわち、ユーザの入力操作に応じたデータや外部から受信するデータのデータ入力を行うか、あるいは、記憶部30からデータ読み込みを行うか、または、その両方を行うことにより実現される。
【0039】
商品価格データ取得処理(S110)に続いて、商品価格設定支援システム1は、商品価格解析部12により、商品価格解析処理として、商品価格データ取得部11により取得した過去の先渡し商品価格データを解析して、満期までの期間と先渡し価格の関係を与えるフォワードカーブを求め、将来時点での先渡し商品の価格の期待値とその価格変動を与える、予め定めた価格変動モデルの計算に必要な価格変動モデル定数を算出する(S120)。そして、算出した価格変動モデル定数を用いて、その先渡し商品について、指定された取引条件に対する将来の先渡し商品価格の期待値、標準偏差、変動幅等を求める。
【0040】
商品価格設定支援システム1はまた、需要変動型計算パラメータ取得部13により、需要変動型計算パラメータ取得処理として、需要変動を考慮した計算パラメータ、すなわち、受渡し時期、需要変動モデル定数、初期想定需要量、需要成長率、先渡し取引間隔、先渡し商品の最長満期または限月を取得する(S130)。
【0041】
商品価格設定支援システム1はまた、取引成約確率実績データ取得部14により、取引成約確率実績データ取得処理として、先渡し卸市場に先渡し商品の売買注文を出した際の先渡し取引成約確率の実績データを取得する(S140)。
【0042】
これらの需要変動型計算パラメータ取得処理(S130)および取引成約確率実績データ取得処理(S140)におけるパラメータやデータの取得は、商品価格データ取得処理(S110)と同様に、インタフェース部20によるデータ入力、すなわち、ユーザの入力操作に応じたデータや外部から受信するデータのデータ入力を行うか、あるいは、記憶部30からデータ読み込みを行うか、または、その両方を行うことにより実現される。
【0043】
取引成約確率実績データ取得処理(S140)に続いて、商品価格設定支援システム1は、取引成約確率設定部15により、取引成約確率設定処理として、先渡し取引経験より得られる各満期までの期間に対応する離散的な先渡し取引成約確率の実績データを、先渡し商品の満期または限月までの期間と注文量との関数として滑らかな関数で近似することにより、評価計算で使用する満期毎の先渡し取引成約確率を設定する(S150)。なお、必要であるならば、先渡し取引成約確率を、満期までの期間だけではなく取引量の関数としてもよい。
【0044】
商品価格設定支援システム1は次に、商品仕入れコスト評価部16により、商品仕入れコスト評価処理として、商品価格解析処理(S120)、需要変動型計算パラメータ取得処理(S130)、および取引成約確率設定処理(S150)で得られたデータに基づいて、受渡し時期毎に先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行う(S160)。この商品仕入れコスト評価処理(S160)においては、先渡し商品仕入れコストの期待値、標準偏差、変動幅等を求めると共に、先渡し商品仕入れコストの確率分布や確率密度分布を求める。
【0045】
商品価格設定支援システム1は続いて、商品仕入れコスト評価部16により、結果表示処理として、商品仕入れコスト評価処理(S160)により得られた先渡し商品仕入れコストの評価結果を、インタフェース部20により画面表示し、あるいは印刷を行う(S170)。すなわち、先渡し商品仕入れコストの期待値、標準偏差、変動幅等のデータが表示されると共に、先渡し商品仕入れコストの確率分布や確率密度分布が表示される。
【0046】
この結果表示処理(S170)はまた、先渡し商品仕入れコストの評価結果だけでなく、商品仕入れコスト評価処理に至るまでの各処理(S110〜S160)で得られた他の各種のデータを表示する処理を含む。例えば、ユーザからの要求等に応じて、商品価格解析処理(S120)により得られた将来の先渡し商品価格の期待値、標準偏差、変動幅等のデータを表示したり、あるいは、取引成約確率設定処理(S150)で得られた取引成立確率に関するデータを表示する等の処理を含む。
【0047】
商品価格設定支援システム1はまた、商品仕入れコスト評価部16により、結果送信処理として、商品仕入れコスト評価処理(S160)により得られた先渡し商品仕入れコストの評価結果を、インタフェース部20により、収益リスク評価・商品取引最適化装置2に送信する(S180)。
【0048】
この結果送信処理(S180)においては、先渡し商品仕入れコストの評価結果だけでなく、商品仕入れコスト評価処理に至るまでの各処理(S110〜S160)で得られた他の各種のデータの中から、送信先の収益リスク評価・商品取引最適化装置2で使用するデータを選択的に送信する。例えば、商品価格解析処理(S120)により得られた将来の先渡し商品価格の期待値、標準偏差、変動幅等のデータを送信したり、あるいは、取引成約確率設定処理(S150)で得られた取引成立確率に関するデータを送信する。
【0049】
このように、先渡し商品仕入れコストの評価結果、すなわち、先渡し商品の仕入れコストとその不確実性を表す期待価、標準偏差、変動幅等のデータや、将来の先渡し商品価格の期待値、標準偏差、変動幅等のデータ、あるいは、取引成立確率に関するデータ等を収益リスク評価・商品取引最適化装置2に送信することにより、収益リスク評価・商品取引最適化装置2における収益のリスク評価と商品取引の最適化に貢献することができる。
【0050】
なお、収益リスク評価・取引最適化装置2は、会計期間での多様な商品の取引に伴う収益総計の確率分布を求め、その変動リスクや与えられた確率分布の信頼区間における最大損失を評価すると共に、多様な商品の取引をポートフォリオとして捉え、この取引ポートフォリオを最適化して商品取引計画を支援する装置である。この収益リスク評価・取引最適化装置2は、そのような処理を行うために、対象商品について、商品価格設定支援システム1で得られた先渡し商品の仕入れコストや将来の先渡し商品価格の期待値、標準偏差、変動幅等のデータを、入力データの一部として処理するものである。
【0051】
[商品仕入れコスト算出処理]
図6は、本実施形態における商品価格設定支援システム1の動作のうち、商品仕入れコスト評価部16による商品仕入れコスト評価処理(S160)の一部として行う、商品仕入れコスト算出処理(S161)の手順の一例を示すフローチャートである。
【0052】
この図6に示すように、商品仕入れコスト算出処理(S161)において、商品仕入れコスト評価部16はまず、初回の先渡し取引回数iを「1」と設定し(S1611)、i回目の先渡し取引時点の設定を行う(S1612)。なお、初回の先渡し取引時点は、受渡し時点との期間差が、需要変動型計算パラメータ取得部13による需要変動型計算パラメータ取得処理(S130)により得られた「先渡し商品の最長満期または限月」内となるように設定しなければならない。また、先渡し取引時点は、商品の受渡し時点の前である必要がある。
【0053】
以上のようにi回目の先渡し取引時点の設定を行い(S1612)、設定した先渡し取引時点が、商品の受渡し時点の前である場合(S1613のYES)に、商品仕入れコスト評価部16は、そのi回目の先渡し取引時点での先渡し取引について、以下のような一連の処理(S1614〜S1618)を行う。
【0054】
すなわち、商品仕入れコスト評価部16は、今回(現在処理中のi回目)の先渡し取引時点について、まず、満期までの期間に対する1ヶ月以内の先渡し取引成約確率を考慮し、0から1までの乱数を発生させて、乱数の値を先渡し取引成約確率と比較する(S1614)。乱数の値が先渡し取引成約確率以下である場合には、先渡し取引が成立するものと判定して(S1615のYES)次に進む。
【0055】
一方、先渡し取引が成立しなかった場合(S1615のNO)には、先渡し取引時点を1ヶ月遅らせて設定し(S1612)、設定した先渡し取引時点が受渡し時点の前であれば(S1613のYES)、先渡し取引成約確率を考慮して(S1614)取引成否を判定する(S1615)。
【0056】
今回(現在処理中のi回目)の先渡し取引が成立する場合(S1615のYES)には、商品仕入れコスト評価部16は、続いて、予め用意された想定需要および先渡し商品価格の確率モデルに基づいて乱数を発生させ、その時点での想定需要と受渡し時期を限月(満期)とする先渡し商品の価格を推定する(S1616)。
【0057】
商品仕入れコスト評価部16は次に、今回(現在処理中のi回目)の先渡し取引量として、初回(i=1)時のみは、先渡し取引量=想定需要と推定し、2回目以降は、今回(i回目)の想定需要から前回(i−1回目)の想定需要を減じた値を算出した(S1617)後、今回(i回目)の先渡し取引金額を、今回(i回目)の先渡し取引量と先渡し価格の積により算出する(S1618)。
【0058】
今回(i回目)の先渡し取引について、以上のような一連の処理(S1614〜S1618)を行って先渡し取引金額を算出すると、商品仕入れコスト評価部16は、先渡し取引回数iを1つ増やして(S1619)、新たなi回目の先渡し取引時点を設定した(S1612)後、設定した先渡し取引時点が受渡し時点の前であれば(S1613のYES)、新たなi回目について、同様に一連の処理を行う(S1614〜S1618)。
【0059】
なお、今回(i回目)の取引時点は、前回(i−1回目)の取引時点に、需要変動型計算パラメータ取得部13による需要変動型計算パラメータ取得処理(S130)により得られた「先渡し取引間隔」を加えたものである。
【0060】
商品仕入れコスト評価部16は、以上のような各回の先渡し取引時点の設定(S1612)と受渡し時点に対する確認(S1613)、当該回における一連の処理(S1614〜S1618)を繰り返した後、先渡し取引時点が受渡し時点を越えると(S1613のNO)、初回から最終回までの先渡し取引金額の合計と先渡し取引量の合計を算出し(S1620)、先渡し商品仕入れコストとして、先渡し取引平均単価(=取引金額合計÷取引量合計)を算出する(S1621)。
【0061】
商品仕入れコスト評価部16により、以上のような商品仕入れコスト算出処理(S161)を多数回繰り返すことによって、多数の先渡し商品仕入れコストを求め、その平均と標準偏差を求めることができる。
【0062】
[効果]
以上のような第1の実施形態によれば、先渡し卸市場の商品価格変動を表す価格変動モデル定数と需要家の需要変動を表す需要変動モデル定数、および先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す取引成約確率等の値を用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行うことができるため、先渡し価格の不確実性、需要の不確実性、および先渡し市場での取引成否の不確実性を考慮して、先渡し商品の仕入れコストとその変動幅などの不確実性を精度よく評価することができる。したがって、市場リスク、量的リスク、および流動性リスクを考慮した商品価格の設定を支援することができる。
【0063】
また、商品価格設定支援システムで得られたデータを、収益リスク評価・商品取引最適化装置に送信することにより、先渡し価格の不確実性、需要の不確実性、および先渡し市場での取引成否の不確実性を考慮して、商品取引に関わる収益リスクの評価や商品取引の最適化を精度よく行うことができる。したがって、市場リスク、量的リスク、および流動性リスクを考慮した収益リスクの評価や商品取引の最適化を支援することができる。
【0064】
[第2の実施形態]
[構成]
図7は、本発明を適用した第2の実施形態に係る商品価格設定支援システムの構成を示すブロック図である。本実施形態は、需要家との取引条件が、一定期間、一定価格、および一定量での商品の受渡しである場合に、先渡し商品の仕入れコストとその変動幅などの不確実性を、先渡し価格の不確実性および先渡し市場での取引成否の不確実性を考慮して評価する場合の一つの形態を示している。
【0065】
この図7に示すように、本実施形態の商品価格設定支援システム1は、第1の実施形態に係る商品価格設定支援システム1の需要変動型計算パラメータ取得部13に代えて、需要固定型計算パラメータ取得部17を有するものであり、他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0066】
前述したように、需要家との取引条件が、一定期間、一定価格、および一定量であることから、商品仕入れコスト評価部16による処理は、後述するように第1の実施形態と異なるため、需要固定型計算パラメータ取得部17により取得する計算パラメータも、第1の実施形態における需要変動型計算パラメータ取得部13とは異なっている。すなわち、需要固定型計算パラメータ取得部17は、計算パラメータとして、「受渡し開始時期」、「需要量」、「受渡し期間」、「先渡し商品の最長満期または限月」を、インタフェース部20を通じてまたは記憶部30から取得するようになっている。
【0067】
[動作の概略]
図8は、以上のような構成を有する本実施形態に係る商品価格設定支援システムにおける動作の概略を示すフローチャートである。
【0068】
この図8に示すように、本実施形態の商品価格設定支援システムにおける動作は、需要固定型計算パラメータ取得処理(S230)および商品仕入れコスト評価処理(S260)を除けば、基本的な流れは、図5に示した第1の実施形態のシステムにおける動作と同様であるため、同一の処理には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0069】
すなわち、本実施形態の商品価格設定支援システム1は、需要固定型計算パラメータ取得部17により、需要固定型計算パラメータ取得処理として、需要家との取引条件が、一定期間、一定価格、および一定量であることに応じた計算パラメータ、すなわち、受渡し開始時期、需要量、受渡し期間、先渡し商品の最長満期または限月を取得する(S230)。
【0070】
商品価格設定支援システム1はまた、商品仕入れコスト評価部16により、商品仕入れコスト評価処理として、商品価格解析処理(S120)、需要固定型計算パラメータ取得処理(S230)、および取引成約確率設定処理(S150)で得られたデータに基づいて、受渡し期間に対する平均的な先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行う(S260)。
【0071】
[商品仕入れコスト算出処理]
図9は、本実施形態における商品価格設定支援システム1の動作のうち、商品仕入れコスト評価部16による商品仕入れコスト評価処理(S260)の一部として行う、商品仕入れコスト算出処理(S261)の手順の一例を示すフローチャートである。
【0072】
この図9に示すように、商品仕入れコスト算出処理(S261)において、商品仕入れコスト評価部16はまず、初回の受渡し時点iを「1」と設定し(S2611)、i回目の受渡し時点の設定を行う(S2612)。受渡し時点が受渡し期間内(最終受渡し時点の前)である場合(S2613のYES)には、商品仕入れコスト評価部16は、その時点での受渡しに必要なi回目の先渡し取引時点を設定する(S2614)。
【0073】
先渡し取引時点は、受渡し時点との期間差が、需要固定型計算パラメータ取得部17による需要固定型計算パラメータ取得処理(S230)により得られた「先渡し商品の最長満期または限月」内となるように設定しなければならない。また、先渡し取引時点は、商品の最終受渡し時点の前である必要がある。
【0074】
以上のようにi回目の先渡し取引時点の設定(S2614)を行った後、商品仕入れコスト評価部16は、そのi回目の先渡し取引時点での先渡し取引について、以下のような一連の処理(S2615〜S2618)を行う。
【0075】
すなわち、商品仕入れコスト評価部16は、今回(現在処理中のi回目)の先渡し取引時点について、まず、満期までの期間に対する1ヶ月以内の先渡し取引成約確率を考慮し、0から1までの乱数を発生させて、乱数の値を先渡し取引成約確率と比較する(S2615)。乱数の値が先渡し取引成約確率以下である場合には、先渡し取引が成立するものと判定して(S2616のYES)次に進む。
【0076】
一方、先渡し取引が成立しなかった場合(S2616のNO)には、先渡し取引時点を1ヶ月遅らせて設定し(S2614)、先渡し取引成約確率を考慮して(S2615)取引成否を判定する(S2616)。
【0077】
今回(現在処理中のi回目)の先渡し取引が成立する場合(S2616のYES)には、商品仕入れコスト評価部16は、続いて、予め用意された先渡し商品価格の確率モデルに基づいて乱数を発生させ、その時点での受渡し時期を限月(満期)とする先渡し商品の価格を推定する(S2617)。
【0078】
商品仕入れコスト評価部16は次に、需要固定型計算パラメータ取得部17による需要固定型計算パラメータ取得処理(S230)により得られた需要量に応じて決定される一定の先渡し取引量と今回(i回目)の先渡し価格の積を、今回(i回目)の受渡し時点で必要な商品仕入れのための先渡し取引金額として求める(S2618)。
【0079】
今回(i回目)の先渡し取引について、以上のような一連の処理(S2613〜S2618)を行って先渡し取引金額を算出すると、商品仕入れコスト評価部16は、受渡し時点の番号iを1つ増やして(S2619)、新たなi回目の受渡し時点を設定した(S2612)後、新たなi回目について、同様に一連の処理を行う(S2613〜S2618)。
【0080】
商品仕入れコスト評価部16は、以上のような各回の受渡し時点の設定(S2612)と、当該回における一連の処理(S2613〜S2618)を繰り返した後、受渡し時点が受渡し期間(最終受渡し時点)を越えると(S2613のNO)、初回から最終回までの先渡し取引金額の合計を算出し(S2620)、先渡し商品仕入れコストとして、先渡し取引平均単価(=取引金額合計÷取引量合計)を算出する(S2621)。なお、取引量合計は、一定の先渡し取引量と取引回数の積により求められる。
【0081】
商品仕入れコスト評価部16により、以上のような商品仕入れコスト算出処理(S261)を多数回繰り返すことによって、多数の先渡し商品仕入れコストを求め、その平均と標準偏差を求めることができる。
【0082】
[効果]
以上のような第2の実施形態によれば、需要家との取引条件が一定量での商品の受渡しである場合に、先渡し卸市場の商品価格変動を表す価格変動モデル定数と先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す取引成約確率等の値を用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行うことができるため、先渡し価格の不確実性および先渡し市場での取引成否の不確実性を考慮して、先渡し商品の仕入れコストとその変動幅などの不確実性を精度よく評価することができる。したがって、市場リスクおよび流動性リスクを考慮した商品価格の設定を支援することができる。
【0083】
また、商品価格設定支援システムで得られたデータを、収益リスク評価・商品取引最適化装置に送信することにより、需要家との取引条件が一定量での商品の受渡しである場合に、先渡し価格の不確実性および先渡し市場での取引成否の不確実性を考慮して、商品取引に関わる収益リスクの評価や商品取引の最適化を精度よく行うことができる。したがって、量的リスクを考慮する必要がない場合に、市場リスクおよび流動性リスクを考慮した収益リスクの評価や商品取引の最適化を支援することができる。
【0084】
[他の実施形態]
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。まず、図面に示したシステム構成やフローチャートは、一例にすぎず、具体的な機能構成、動作手順や各処理の詳細、使用するデータの具体的な構成等は適宜選択可能である。
【0085】
例えば、前記第1と第2の実施形態を組み合わせて、需要変動型と需要固定型の計算パラメータ取得部を兼ねた共通の計算パラメータ取得部を設けると共に、商品仕入れコスト評価部を、需要家との取引条件に応じた複数のモードで動作させるなどの形態が実施可能である。
【0086】
また、前記実施形態においては、商品価格設定支援システムと収益リスク評価・商品取引最適化装置を、ケーブルやネットワークなどの通信媒体を介して接続した構成を示したが、1台のコンピュータ上に、商品価格設定支援用および収益リスク評価・商品取引最適化用にそれぞれ特化されたプログラムを組み込んで構成することも可能である。
【0087】
また、前記実施形態においては、本発明の手法を、コンピュータのハードウェアとプログラムによりシステムおよび方法として実現する場合について説明したが、本発明の手法は、商品価格設定支援用として特化されたコンピュータプログラムのみの形態でも実現可能である。
【0088】
すなわち、本発明は、先渡し卸市場の商品価格変動を表す値と先渡し卸市場での取引成否の不確実性を表す値を用いると共に、需要家の需要変動を表す値を選択的に用いて先渡し商品の仕入れコストの評価計算を行うものである限り、その具体的な実施形態は自由に選択可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の基本的な技術思想を説明するために、変動する想定需要と先渡し取引量との関係を模式的に示す図。
【図2】本発明の基本的な技術思想を説明するために、時間と変動する先渡し価格との関係を模式的に示す図。
【図3】本発明の基本的な技術思想を説明するために、満期までの期間と先渡し取引成約確率との関係を模式的に示す図。
【図4】本発明を適用した第1の実施形態に係る商品価格設定支援システムの構成を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態に係る商品価格設定支援システムにおける動作の概略を示すフローチャート。
【図6】第1の実施形態における商品仕入れコスト評価処理の一部として行う、商品仕入れコスト算出処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図7】本発明を適用した第2の実施形態に係る商品価格設定支援システムの構成を示すブロック図。
【図8】第2の実施形態に係る商品価格設定支援システムにおける動作の概略を示すフローチャート。
【図9】第2の実施形態における商品仕入れコスト評価処理の一部として行う、商品仕入れコスト算出処理の手順の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0090】
1…商品価格設定支援システム
2…収益リスク評価・商品取引最適化装置
3…通信媒体
10…演算部
11…商品価格データ取得部
12…商品価格解析部
13…需要変動型計算パラメータ取得部
14…取引成約確率実績データ取得部
15…取引成約確率設定部
16…商品仕入れコスト評価部
17…需要固定型計算パラメータ取得部
20…インタフェース部
21…データ入力部
22…データ出力部
23…データ通信部
30…記憶部




 

 


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