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マルチキャリア送信装置、マルチキャリア受信装置及び通信方法 - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 マルチキャリア送信装置、マルチキャリア受信装置及び通信方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−142674(P2007−142674A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−332067(P2005−332067)
出願日 平成17年11月16日(2005.11.16)
代理人 【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
発明者 藤田 昭一
要約 課題
回路規模を大きくすることなく低コストにて遅延時間及び振幅のIQ間(あるいは同相/直交間)不均衡および直交誤差を補償すること。

解決手段
座標変換部103は、m系列の送信信号の各シンボルを、I−Q平面上のI軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称になるように座標変換する。サブキャリア配列部104は、座標変換に用いたI−Q平面上のI軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称な座標位置関係である座標変換前のシンボルと座標変換後のシンボルとが、所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように、2m系列の並列複素信号を生成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
I−Q平面上の各シンボルをI軸に対して対称に座標変換する座標変換手段と、
I軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成する配列手段と、
前記配列手段にて生成された送信信号を逆高速フーリエ変換する逆高速フーリエ変換手段と、
前記逆高速フーリエ変換手段にて逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限する帯域制限手段と、
前記帯域制限された送信信号を送信する送信手段と、
を具備するマルチキャリア送信装置。
【請求項2】
I−Q平面上の各シンボルをQ軸に対して対称に座標変換する座標変換手段と、
Q軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成する配列手段と、
前記配列手段にて生成された送信信号を逆高速フーリエ変換する逆高速フーリエ変換手段と、
前記逆高速フーリエ変換手段にて逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限する帯域制限手段と、
前記帯域制限された送信信号を送信する送信手段と、
を具備するマルチキャリア送信装置。
【請求項3】
I−Q平面上の各シンボルをI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換する座標変換手段と、
前記対称軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成する配列手段と、
前記配列手段にて生成された送信信号を逆高速フーリエ変換する逆高速フーリエ変換手段と、
前記逆高速フーリエ変換手段にて逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限する帯域制限手段と、
前記帯域制限された送信信号を送信する送信手段と、
を具備するマルチキャリア送信装置。
【請求項4】
前記配列手段にて生成された送信信号をスクランブルするスクランブル手段を具備し、
前記逆高速フーリエ変換手段は、前記スクランブル手段にてスクランブルされた送信信号を逆高速フーリエ変換し、
前記帯域制限手段は、前記逆高速フーリエ変換手段で逆高速フーリエ変換された送信信号のI成分とQ成分とを個別に帯域制限する請求項1から請求項3のいずれかに記載のマルチキャリア送信装置。
【請求項5】
I−Q平面上の各シンボルをI軸に対して対称に座標変換するとともに、I軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置された受信信号を受信する受信手段と、
前記受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力する直交検波手段と、
前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限する帯域制限手段と、
前記帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力する周波数時間領域変換手段と、
前記周波数時間領域変換手段から出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換する座標変換手段と、
前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成する合成手段と、
を具備するマルチキャリア受信装置。
【請求項6】
I−Q平面上の各シンボルをQ軸に対して対称に座標変換するとともに、Q軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置された受信信号を受信する受信手段と、
前記受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力する直交検波手段と、
前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限する帯域制限手段と、
前記帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力する周波数時間領域変換手段と、
前記周波数時間領域変換手段から出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換する座標変換手段と、
前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成する合成手段と、
を具備するマルチキャリア受信装置。
【請求項7】
I−Q平面上の各シンボルをI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換するとともに、前記対称軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置された受信信号を受信する受信手段と、
前記受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力する直交検波手段と、
前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限する帯域制限手段と、
前記帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力する周波数時間領域変換手段と、
前記周波数時間領域変換手段から出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換する座標変換手段と、
前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成する合成手段と、
を具備するマルチキャリア受信装置。
【請求項8】
前記周波数時間領域変換手段から出力された前記複数系列の受信信号をデスクランブルするデスクランブル手段を具備し、
前記座標変換手段は、前記デスクランブルされた前記複数系列の受信信号の各シンボルの前記再変換を行う請求項5から請求項7のいずれかに記載のマルチキャリア受信装置。
【請求項9】
I−Q平面上の各シンボルをI軸に対して対称に座標変換するステップと、
I軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成するステップと、
生成された前記送信信号を逆高速フーリエ変換するステップと、
逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限するステップと、
帯域制限された送信信号をマルチキャリア送信装置が送信するステップと、
マルチキャリア受信装置が前記マルチキャリア送信装置から送信された送信信号を受信するステップと、
受信した受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力するステップと、
前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限するステップと、
帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力するステップと、
出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換するステップと、
前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成するステップと、
を具備する通信方法。
【請求項10】
I−Q平面上の各シンボルをQ軸に対して対称に座標変換するステップと、
Q軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成するステップと、
生成された送信信号を逆高速フーリエ変換するステップと、
逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限するステップと、
帯域制限された送信信号をマルチキャリア送信装置が送信するステップと、
マルチキャリア受信装置が前記マルチキャリア送信装置から送信された送信信号を受信するステップと、
受信した受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力するステップと、
前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限するステップと、
帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力するステップと、
出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換するステップと、
前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成するステップと、
を具備する通信方法。
【請求項11】
I−Q平面上の各シンボルを通るI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換するステップと、
前記対称軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成するステップと、
生成された送信信号を逆高速フーリエ変換するステップと、
逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限するステップと、
帯域制限された送信信号をマルチキャリア送信装置が送信するステップと、
マルチキャリア受信装置が前記マルチキャリア送信装置から送信された送信信号を受信するステップと、
受信した受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力するステップと、
前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限するステップと、
帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力するステップと、
出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換するステップと、
前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成するステップと、
を具備する通信方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチキャリア送信装置、マルチキャリア受信装置及び通信方法に関し、特に、同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)との間の遅延時間差と振幅差と直交誤差による不均衡を補償するマルチキャリア送信装置、マルチキャリア受信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、信号帯域が100MHzの広帯域のマルチキャリア通信では、ディジタル直交検波が困難であり、一般にアナログ直交検波が用いられる。この場合、ディジタル/アナログ(以下「D/A」と記載する)のポストフィルタ、アナログ/ディジタル(以下「A/D」と記載する)のプリフィルタとしてIチャネル及びQチャネルにアナログローパスフィルタ(以下「LPF」と記載する)が必要になる。即ち、LPFは、D/A変換及びA/D変換の際に生じる、サンプリング周波数の2分の1以上の折り返しノイズを除去するために必要である。この際に、LPFの個体差により、IチャネルとQチャネルとの間に振幅と遅延時間の不均衡が生じる。IチャネルとQチャネルとの間の振幅と遅延時間の不均衡は、キャリア間干渉を引き起こして性能が劣化する。
【0003】
マルチキャリア通信の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)では、IチャネルとQチャネルとの間の遅延差の影響が大きく、高速フーリエ変換(以下「FFT」と記載する)のサンプル周期の1/10程度の遅延時間差に抑えないと劣化が大きくなることがわかってきた。しかし、1/10サンプル周期という値は、アナログLPFにとっては非常に厳しいものであり、選別によるI/Qペアリング等が必要になってしまう。そこで、IチャネルとQチャネルとの間の振幅と遅延時間の不均衡をディジタル回路で補償する方法が必要になった。なお、以下の説明において、FFTの1サンプル時間または1サンプル周期を「サンプル」と記載する。また、A/Dの際には、オーバーサンプリングする場合があるので、A/Dの1サンプルとFFTの1サンプルとは必ずしも一致しない。
【0004】
従来、IチャネルとQチャネルとの間の振幅と遅延時間の不均衡を補償する方法としては、振幅及び群遅延の個体差の小さいLPFを用いる方法(以下、「第一の方法」と記載する)、またはLPFを個別に調整して振幅差及び群遅延差を抑える方法(以下「第二の方法」と記載する)がある。また、従来、同相成分と直交成分から別々にタイミングを抽出し、同相成分及び直交成分それぞれの最適タイミングでA/D変換することで遅延時間差を吸収する方法(以下「第三の方法」と記載する)が知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
図22は、LPFの個体差により生じる同相成分と直交成分との間の遅延時間の不均衡がない場合の受信コンスタレーション結果を示す図であり、図23は、LPFの個体差により生じる同相成分と直交成分との間の遅延時間の不均衡による性能劣化を示す図である。図23は、同相成分と直交成分との間に1/8サンプルの遅延時間差が生じた場合を示すものである。
【0006】
OFDM等のマルチキャリアでは、遅延時間差の影響が大きく、1サンプル時間以下の僅かな差でも大きく劣化する。これは、ベースバンド信号であってもサブキャリアを持っており、サブキャリアの周期に対して遅延時間差が無視できなくなるためである。したがって、周波数の高いサブキャリアほど影響が大きくなり、ベースバンド信号のIF/RF帯の変調信号では信号帯域の中心から離れたサブキャリアほど遅延時間差の影響が大きくなる。また、アナログLPFはカットオフ近傍、即ち通過帯域の端ほど素子感度が高くばらつきが大きくなるため、劣化を避けるのは困難である。
【0007】
図23に示すように、1/8サンプルの遅延時間差でも、サブキャリア間の直交性が崩れてコンスタレーションが大きく劣化する。信号帯域を100MHz(ベースバンド信号は50MHz)とし、サブキャリア数を384本にしてFFTポイント数を512にした場合、サンプリングクロックは100MHz×512/384=133MHz程度となり、1サンプル時間は7.5nsとなる。したがって、1/8サンプルは940psになる。一方、50MHz帯域のLPFの群遅延時間は通常数10nsのオーダーとなる。例えば、図24に示すように、LPFの群遅延時間を48nsとすると、送信側と受信側とでLPFを用いる場合には、群遅延時間は48×2=96nsになる。したがって、遅延差を1/8サンプル=940psに抑えるには、約1%のばらつき(個体差)しか許されない。
【0008】
図25は、LPFの個体差により生じる同相成分と直交成分との間の振幅の不均衡がない場合の受信コンスタレーション結果を示す図であり、図26は、LPFの個体差により生じる同相成分と直交成分との間の振幅の不均衡による性能劣化を示す図である。図26は、同相成分と直交成分との間に1dBの振幅差が生じる場合を示すものである。図26に示すように、振幅の不均衡によってもサブキャリア間の干渉が起こり、性能が劣化する。振幅差は、遅延時間差と比べると影響は小さい。例えば、LPFの通過域振幅差を1dBに抑えることは、群遅延差を1%に抑えることより容易である。
【0009】
図27は、LPFの個体差により生じる同相成分と直交成分との間の直交誤差がない場合の受信コンスタレーション結果を示す図であり、図28は、LPFの個体差により生じる同相成分と直交成分との間の直交誤差による性能劣化を示す図である。図28は、同相成分と直交成分との間に5degの直交誤差が生じる場合を示すものである。アナログ直交検波ではπ/2位相器が必要になるが、広帯域に渡って正確な位相シフトを実現することは難しい。従って、図28に示すように、直交誤差によるIチャネルとQチャネルとの間の不均衡の発生が避けられない。直交誤差に伴うIチャネルとQチャネルとの間の不均衡は、OFDM信号の中心周波数を対称軸として、対称位置関係にあるサブキャリアどうしの干渉が原因で生じるものであり、対称位置関係にあるサブキャリア以外のサブキャリアは影響しない。そこで、従来、対称位置関係にあるサブキャリアの時間方向拡散符号を直交させることにより、IチャネルとQチャネルとの間の直交誤差による不均衡が原因で生じる干渉を取り除くものが知られている(例えば、非特許文献1)。
【0010】
次に、遅延時間差、振幅差及び直交誤差について説明する。まず、OFDM信号を中心周波数=0の複素ベースバンド信号で考える。IFFTポイント数及びFFTポイント数をN(偶数)とし、サブキャリア#0〜#N−1の1次変調シンボルをAk(k=0〜N−1)とする。サブキャリア#0は直流成分、サブキャリア#1〜#N/2は正の周波数、サブキャリア#N/2+1〜#N−1は負の周波数とし、低周波数から高周波数に向けてサブキャリア#N/2+1、・・・、#N−1、#0、#1、・・・、#N/2の順になっているとする。なお、Akはヌルシンボル(ヌルサブキャリア)を含んでいてもよい。
【0011】
劣化要因のない理想状態では、受信信号をFFTすることにより1次変調シンボルAkが得られる。このとき、Akは、FFTの性質により、FFT入力の実数部から得られた成分Xkと、虚数部から得られた成分Ykとに分離することができる。Xkは(1)式で表されるとともにYkは(2)式で表される。
【0012】
【数1】


【0013】
【数2】


【0014】
まず、遅延時間差がある場合を考える。FFTの推移則より、(3)式となる。
【0015】
【数3】


【0016】
(3)式より、遅延時間は、周波数領域では周波数に比例した位相回転として現われる。そこで、式の処理を簡単にするため、Iチャネルは△tだけ進み、Qチャネルは△tだけ遅れ、IチャネルとQチャネルとの間に2△tの遅延時間差がある場合を考える。遅延時間を含んだIチャネルの周波数領域信号をX′kとするとともに、Qチャネルの周波数領域信号をY′kとすると、(4)式及び(5)式のように表される。
【0017】
【数4】


【0018】
【数5】


【0019】
次に、振幅差を考える。Iチャネルの振幅を(1+α)、Qチャネルの振幅を(1−α)とおくと、遅延差に加えて振幅差を含む周波数領域信号は(6)式及び(7)式となる。
【0020】
【数6】


【0021】
【数7】


【0022】
さらに、直交誤差を加える。式の処理を簡単にするため、Iチャネルは位相が△θ(rad)進み、Qチャネルは△θ(rad)だけ遅れ、直交誤差が−2Δθ(rad)、即ちI軸とQ軸との角度がπ/2−2△θとする。直交誤差を含んだIチャネル及びQチャネルの周波数領域信号は、(8)式及び(9)式のように表される。
【0023】
【数8】


【0024】
【数9】


【0025】
これらより、遅延時間差と振幅差と直交誤差を含んだ受信シンボルをA′′′kとすると、A′′′kは、(10)式のようになる。
【0026】
【数10】


【0027】
即ち、サブキャリア#kの復調シンボルは、#kの送信シンボルと#N−kの送信シンボルとの干渉、即ち中心周波数を軸として対称位置の送信シンボル同士が干渉したものとなる。それ以外のサブキャリア信号は影響を与えない。
【特許文献1】特開2001−24722号公報
【非特許文献1】信学技報RCS2003−145(2003−10)、「ダイレクトコンバージョン形OFCDM受信機のIQ Imbalanceによる干渉の除去」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、従来の装置においては、IチャネルとQチャネルとの間の振幅と遅延時間の不均衡については、第一の方法及び第二の方法では、LPFの仕様が厳しいためにコストがアップして低コスト化が図れないという問題がある。また、第三の方法では、1サンプル周期より小さい遅延時間の補償は可能であるが、タイミング抽出回路が2つ必要なために回路規模が大きくなるという問題がある。また、第三の方法では、振幅の不均衡を補償することができないという問題がある。また、従来の装置においては、直交誤差に伴うIチャネルとQチャネルとの間の不均衡を補償するためには、時間方向に拡散されていることが必要である。従って、周波数方向のみに拡散する方式、及び複製したデータシンボルを複数のサブキャリアで送信して、受信側無線通信装置が受信した無線信号に含まれる同一のデータシンボルをシンボル合成してダイバーシチゲインを得るレピティション(Repetition)方式では、直交誤差に伴うIチャネルとQチャネルとの間の不均衡を補償することができないという問題がある。
【0029】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、回路規模を大きくすることなく低コストにて遅延時間及び振幅の不均衡を補償することができるとともに、周波数方向にのみ拡散する方式あるいはレピティションする方式でも直交誤差を補償することができるマルチキャリア送信装置、マルチキャリア受信装置及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明のマルチキャリア送信装置は、I−Q平面上の各シンボルをI軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換する座標変換手段と、I軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成する配列手段と、前記配列手段にて生成された送信信号を逆高速フーリエ変換する逆高速フーリエ変換手段と、前記逆高速フーリエ変換手段にて逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限する帯域制限手段と、前記帯域制限された送信信号を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
【0031】
本発明のマルチキャリア受信装置は、I−Q平面上の各シンボルをI軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換するとともに、I軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置された受信信号を受信する受信手段と、前記受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力する直交検波手段と、前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限する帯域制限手段と、前記帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力する周波数時間領域変換手段と、前記周波数時間領域変換手段から出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換する座標変換手段と、前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成する合成手段と、を具備する構成を採る。
【0032】
本発明の通信方法は、I−Q平面上の各シンボルをI軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換するステップと、I軸またはQ軸またはI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称な座標位置関係の前記座標変換前のシンボルと前記座標変換後のシンボルとが所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように各シンボルを配列した送信信号を生成するステップと、生成された送信信号を逆高速フーリエ変換するステップと、逆高速フーリエ変換された送信信号を帯域制限するステップと、帯域制限された送信信号をマルチキャリア送信装置が送信するステップと、マルチキャリア受信装置が前記マルチキャリア送信装置から送信された送信信号を受信するステップと、受信した受信信号を直交検波してI成分とQ成分を出力するステップと、前記I成分と前記Q成分とを個別に帯域制限するステップと、帯域制限された前記I成分及び前記Q成分を周波数領域から時間領域に変換して複数系列の受信信号として出力するステップと、出力された前記複数系列の受信信号の前記座標変換された各シンボルをI−Q平面上で前記座標変換前の状態に再変換するステップと、前記再変換されたシンボルと前記再変換されていないシンボルとを合成するステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、回路規模を大きくすることなく低コストにて遅延時間及び振幅の不均衡を補償することができるとともに、周波数方向にのみ拡散する方式あるいはレピティションする方式でも直交誤差を補償することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るマルチキャリア送信装置100の構成を示すブロック図である。
【0036】
シリアル/パラレル(以下「S/P」と記載する)部101は、図示しない変調器でQPSKまたは16QAM等の変調方式にて1次変調されて生成されたI成分信号とQ成分信号の複素ベースバンド信号を、m(mは2以上の自然数)系列の並列信号に変換する。そして、S/P部101は、m系列の送信信号をパイロット挿入部102へ出力する。なお、S/P部101に入力する信号は、複素ベースバンド信号に限らず、拡散された信号、レピティションされた信号またはコード多重された信号でも良い。
【0037】
パイロット挿入部102は、S/P部101から入力したm系列の送信信号に対して、時間多重により伝送路推定用既知信号を挿入する。そして、パイロット挿入部102は、伝送路推定用既知信号を挿入したm系列の送信信号を座標変換部103及びサブキャリア配列部104へ出力する。
【0038】
座標変換部103は、パイロット挿入部102から入力したm系列の送信信号の各シンボルを、I−Q平面上の所定の対称軸に対して対称になるように座標変換してサブキャリア配列部104へ出力する。なお、座標変換する方法については、後述する。
【0039】
配列手段であるサブキャリア配列部104は、パイロット挿入部102から入力したm系列の送信信号と座標変換部103から入力したm系列の送信信号とを配列して、2m系列の並列複素信号を生成する。具体的には、サブキャリア配列部104は、座標変換に用いたI−Q平面上の対称軸に対して対称な座標位置関係である、パイロット挿入部102から入力した座標変換前のシンボルと、座標変換部103から入力した座標変換後のシンボルとが、所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように、2m系列の並列複素信号を生成する。そして、サブキャリア配列部104は、生成した2m系列の並列複素信号をヌルサブキャリア付加部105へ出力する。
【0040】
ヌルサブキャリア付加部105は、サブキャリア配列部104から入力した2m系列の並列複素信号に対してヌルデータ(0データ)を付加し、N(N>2m)系列の並列の複素信号を生成する。そして、ヌルサブキャリア付加部105は、生成したN系列の並列複素信号をIFFT部106へ出力する。ヌルサブキャリア付加部105は、ヌルデータを付加する場合に、ガード帯域に割り当てるサブキャリアに対してデータ「0」が挿入されるようにする。例えば、IFFTポイントが512の場合には512本のサブキャリアを生成できるが、この場合、内側の負の周波数を含む0Hzの両側の384本のサブキャリアにデータが挿入され、0Hzのサブキャリアと残りの外側のサブキャリアとの計128本にはデータ「0」が挿入されるようにする。これにより、データが挿入されるサブキャリアは低い周波数帯域だけになるので、折り返しノイズの除去が容易になる。
【0041】
IFFT部106は、ヌルサブキャリア付加部105から入力したN系列の並列複素信号に対して、NポイントのIFFT演算を行う。そして、IFFT部106は、IFFT演算後の送信信号をパラレル/シリアル(以下「P/S」と記載する)部107へ出力する。
【0042】
P/S部107は、IFFT部106から入力したマルチキャリア信号を時系列信号に変換してガードインターバル(以下「GI」と記載する)挿入部108へ出力する。
【0043】
GI挿入部108は、P/S部107から入力した時系列信号にGIを挿入してD/A部109へ出力する。
【0044】
D/A部109は、GI挿入部108から入力した時系列信号をディジタル信号からアナログ信号に変換してLPF110へ出力する。
【0045】
帯域制限手段であるLPF110は、D/A部109から入力したアナログ信号から、D/A変換に伴って生じた折り返し成分を除去する。そして、LPF110は、折り返し成分を除去したアナログ信号を周波数変換部111へ出力する。
【0046】
周波数変換部111は、LPF110から入力したアナログ信号をベースバンド周波数からIF周波数(中間周波数)にアップコンバートして無線送信部112へ出力する。
【0047】
無線送信部112は、周波数変換部111から入力したIF周波数のアナログ信号をIF周波数から無線周波数にアップコンバートするとともに増幅してアンテナ113へ出力する。
【0048】
アンテナ113は、無線送信部112から入力した無線周波数のアナログ信号をマルチキャリア信号として送信する。
【0049】
次に、マルチキャリア受信装置200の構成について、図2を用いて説明する。図2は、マルチキャリア受信装置200の構成を示すブロック図である。
【0050】
アンテナ201は、マルチキャリア送信装置100から送信されたマルチキャリア信号を受信して無線受信部202へ出力する。
【0051】
無線受信部202は、アンテナ201から入力した受信信号を無線周波数からIF周波数にダウンコンバートして直交検波部203へ出力する。
【0052】
直交検波部203は、無線受信部202から入力したIF周波数の受信信号をアナログ直交検波して、I成分をLPF204へ出力するとともに、Q成分をLPF205へ出力する。直交検波の際に、π/2移相回路の不完全性により直交誤差が生じる。
【0053】
帯域制限手段であるLPF204は、直交検波部203から入力したI成分の低周波数帯のみを通過させることにより帯域制限して、帯域制限したベースバンド同相成分をA/D部206へ出力する。
【0054】
帯域制限手段であるLPF205は、直交検波部203から入力したQ成分の低周波数帯のみを通過させることにより帯域制限して、帯域制限したベースバンド直交成分をA/D部207へ出力する。この際に、LPF204とLPF205との個体差により、I成分とQ成分との間に振幅差及び遅延時間差が生じる。
【0055】
A/D部206は、LPF204から入力したI成分をアナログ信号からディジタル信号に変換して同期回路208及びGI除去部209へ出力する。
【0056】
A/D部207は、LPF205から入力したQ成分をアナログ信号からディジタル信号に変換して同期回路208及びGI除去部210へ出力する。
【0057】
同期回路208は、I成分とQ成分から、GI相関演算によりFFT開始位置を示すタイミング信号を生成する。そして、同期回路208は、生成したタイミング信号をGI除去部209及びGI除去部210へ出力する。
【0058】
GI除去部209は、同期回路208からのタイミング信号に基づいて、A/D部206から入力したI成分からGIを除去してS/P部211へ出力する。
【0059】
GI除去部210は、同期回路208からのタイミング信号に基づいて、A/D部207から入力したQ成分からGIを除去してS/P部212へ出力する。
【0060】
S/P部211は、GI除去部209から入力したI成分を、OFDMシンボル単位で、N系列の並列信号に変換する。そして、S/P部211は、変換したN系列の並列信号をFFT部213へ出力する。
【0061】
S/P部212は、GI除去部210から入力したQ成分を、OFDMシンボル単位で、N系列の並列信号に変換する。そして、S/P部212は、変換したN系列の並列信号をFFT部213へ出力する。
【0062】
周波数時間領域変換手段であるFFT部213は、S/P部211及びS/P部212から入力したN系列の並列信号に対して、NポイントのFFT演算を行う。FFT部213は、FFTすることにより、N系列の並列信号を周波数領域から時間領域に変換する。そして、FFT部213は、FFT演算後の複素数である並列信号をヌルサブキャリア除去部214へ出力する。
【0063】
ヌルサブキャリア除去部214は、FFT部213から入力した並列信号からヌルサブキャリアの信号を除去して2m系列の有効サブキャリアだけの並列信号を伝送路補償部215へ出力する。
【0064】
伝送路補償部215は、ヌルサブキャリア除去部214から入力した並列信号に含まれている伝送路推定用既知信号を用いて、サブキャリア毎の伝送路特性を推定して補償を行う。そして、伝送路補償部215は、補償後の2m系列の並列信号の内、マルチキャリア送信装置100で座標変換されていないm系列の並列信号を合成部217へ出力するとともに、マルチキャリア送信装置100で座標変換されているm系列の並列信号を座標変換部216へ出力する。
【0065】
座標変換部216は、伝送路補償部215から入力したm系列の並列信号の各シンボルを座標変換部103にて座標変換する前の状態に戻すように再度座標変換する。そして、座標変換部216は、座標変換したm系列の並列信号を合成部217へ出力する。
【0066】
合成部217は、伝送路補償部215から入力したm系列の並列信号と、座標変換部216から入力したm系列の並列信号を加算する。この際に、合成部217は、所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアのシンボル同士を加算する。そして、合成部217は、加算したm系列の並列信号をP/S部218へ出力する。
【0067】
P/S部218は、合成部217から入力した2m系列の並列信号を直列信号に変換して受信信号として出力する。P/S部218から出力される受信信号は1次変調されたI成分とQ成分の複素ベースバンド信号である。
【0068】
次に、マルチキャリア送信装置100及びマルチキャリア受信装置200の動作について説明する。
【0069】
最初に、マルチキャリア送信装置100は、S/P部101にて、I成分とQ成分の複素ベースバンド信号を、m(mは2以上の自然数)系列の並列信号に変換し、パイロット挿入部102にて、m系列の並列信号に伝送路推定用既知信号を挿入する。次に、マルチキャリア送信装置100は、座標変換部103にて、I−Q平面上の所定の対称軸に対して各シンボルを座標変換する。
【0070】
座標変換する方法は、対称軸としてI軸を選択して各シンボルをI−Q平面のI軸に対して対称に座標変換する方法と、対称軸としてQ軸を選択して各シンボルをI−Q平面のQ軸に対して対称に座標変換する方法と、対称軸としてI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸を選択して、各シンボルを選択した対称軸に対して対称に座標変換する方法の3つの方法の内の何れかを選択する。各シンボルをI−Q平面のI軸に対して対称に座標変換する方法では、図3に示すように、シンボル#301をI軸に対して対称に座標変換することにより、シンボル#301の座標変換後はシンボル#302になる。また、各シンボルをI−Q平面のQ軸に対して対称に座標変換する方法では、図4に示すように、シンボル#401をQ軸に対して対称に座標変換することにより、シンボル#401の座標変換後はシンボル#402になる。また、各シンボルをI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換する方法は、I−Q平面にて各シンボルのI成分とQ成分とを入れ換えることと同じになるので、図5に示すように、シンボル#501のI成分とQ成分とを入れ換えることにより、シンボル#501の座標変換後はシンボル#502になる。ここで、図5より、対称軸#503は、I軸に対して45度の正の傾きを有する原点Oを通る直線であり、シンボル#501とシンボル#502とは対称軸#503に対して座標位置は対称になる。
【0071】
次に、マルチキャリア送信装置100は、ヌルサブキャリア付加部105にて、IFFTポイント数がNである場合、N−2m個のヌルデータを付加してN系列の並列信号を生成する。次に、マルチキャリア送信装置100は、IFFT部106にて、N系列の並列信号をIFFTする。
【0072】
IFFT部106は、IFFTすることにより、図6に示すように、通信帯域#601内にて周波数の低い方から高い方に向かって配列するサブキャリア#m、#m+1、・・・、#2m−1、#0、#1、・・・、#m−1からなるマルチキャリア信号を生成する。図6の場合には、サブキャリア#0の中央が中心周波数f1になる。即ち、中心周波数f1に対して周波数軸上で対称なサブキャリアは、例えば、サブキャリア#1とサブキャリア2m−1、サブキャリア#2とサブキャリア2m−2、及びサブキャリアm−1とサブキャリアm+1になる。従って、IFFTした結果、これらの対称なサブキャリアに座標変換前のシンボルと座標変換後のシンボルが配置される。なお、サブキャリア#0及びサブキャリア#mは、通常はヌル信号を配置する。
【0073】
そして、各シンボルをI−Q平面のI軸に対して対称に座標変換する方法を用いる場合には、IFFTすることにより、例えば、シンボル#301がサブキャリア#1に配置されるとともにシンボル#302がサブキャリア#2m−1に配置される。また、各シンボルをI−Q平面のI軸に対して対称に座標変換する方法を用いる場合には、正の周波数成分と負の周波数成分とが複素共役になっているため、IFFT部106は、実数部のみを出力し、虚数部は出力しない。
【0074】
また、各シンボルをI−Q平面のQ軸に対して対称に座標変換する方法を用いる場合には、IFFTすることにより、例えば、シンボル#401がサブキャリア#1に配置されるとともにシンボル#402がサブキャリア#2m−1に配置される。また、各シンボルをI−Q平面のQ軸に対して対称に座標変換する方法を用いる場合には、正の周波数成分と負の周波数成分とが複素共役の反転になっているため、IFFT部106は、虚数部のみを出力し、実数部は出力しない。
【0075】
また、各シンボルをI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換する方法の場合には、IFFTすることにより、例えば、シンボル#501がサブキャリア#1に配置されるとともにシンボル#502がサブキャリア#2m−1に配置される。この場合は、IFFT後の信号の実数部と虚数部とは等しくなる。
【0076】
次に、マルチキャリア送信装置100は、P/S部107にて、N系列の信号から時系列信号に変換し、GI挿入部108にて、GIを挿入し、D/A部109にてディジタル信号からアナログ信号に変換する。次に、マルチキャリア送信装置100は、LPF110にて、折り返し成分を除去する。この際に、IFFT部106からは実数部及び虚数部の何れか一方のみが出力されるか、あるいは実数部と虚数部とは等しくなるので何れか一方のみを用いればよく、LPF110は1つで良い。
【0077】
次に、マルチキャリア送信装置100は、周波数変換部111にて、アナログ信号をベースバンド周波数からIF周波数(中間周波数)にアップコンバートし、無線送信部112にて、IF周波数のアナログ信号をIF周波数から無線周波数にアップコンバートするとともに増幅して、アンテナ113から送信する。
【0078】
次に、マルチキャリア送信装置100から送信されたマルチキャリア信号を受信したマルチキャリア受信装置200は、無線受信部202にて、無線周波数からIF周波数にダウンコンバートし、直交検波部203にて、IF周波数の受信信号をアナログ直交検波してI成分とQ成分を出力する。
【0079】
次に、マルチキャリア受信装置200は、LPF204にて、I成分の低周波数帯のみを通過させることにより帯域制限し、LPF205にて、Q成分の低周波数帯のみを通過させることにより帯域制限する。次に、マルチキャリア受信装置200は、A/D部206にて、I成分をアナログ信号からディジタル信号に変換し、A/D部207にて、Q成分をアナログ信号からディジタル信号に変換し、同期回路208にて、GI相関演算によりFFT開始位置を示すタイミング信号を生成し、GI除去部209にて、タイミング信号に基づいてI成分からGIを除去し、GI除去部210にて、タイミング信号に基づいてQ成分からGIを除去する。
【0080】
次に、マルチキャリア受信装置200は、S/P部211にて、I成分を、OFDMシンボル単位で、N系列の並列信号に変換し、S/P部212にて、Q成分を、OFDMシンボル単位で、N系列の並列信号に変換する。
【0081】
次に、マルチキャリア受信装置200は、FFT部213にて、NポイントのFFT演算を行い、ヌルサブキャリア除去部214にて、ヌルサブキャリアの信号を除去して2m系列の有効サブキャリアだけの並列信号とし、伝送路補償部215にて、伝送路推定用既知信号を用いて、サブキャリア毎の伝送路特性を推定して補償を行う。
【0082】
次に、マルチキャリア受信装置200は、座標変換部216にて、m系列の並列信号の各シンボルをI−Q平面上で座標変換部103にて座標変換する前の状態に再度座標変換する。即ち、座標変換部216は、各シンボルをI−Q平面のI軸に対して対称に座標変換する方法では、図3のシンボル#302をI軸に対して再び対称に座標変換することにより、シンボル#302の座標変換後はシンボル#301になる。また、各シンボルをI−Q平面のQ軸に対して対称に座標変換する方法では、図4のシンボル#402をQ軸に対して対称に座標変換することにより、シンボル#402の座標変換後はシンボル#401になる。また、各シンボルをI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換する方法では、図5のシンボル#502のI成分とQ成分とを再び入れ換えることにより、シンボル#502の座標変換後はシンボル#501になる。
【0083】
次に、マルチキャリア受信装置200は、合成部217にて、座標変換していないm系列の並列信号と、再び座標変換したm系列の並列信号を加算する。この際に、合成部217は、所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアのシンボル同士を加算する。
【0084】
次に、上記の3つの各座標変換方法を用いた場合において、遅延時間差と振幅差と直交誤差を補償する方法について、数式を用いてさらに詳細に説明する。
【0085】
最初に、Q軸に対して対称に座標変換する場合について説明する。サブキャリア送信装置100は、(11)式の関係を持たせた2倍拡散を行って送信する。
【0086】
【数11】


【0087】
サブキャリア送信装置100から送信された(11)式の関係を持った信号は、サブキャリア受信装置200で遅延時間差・振幅差・直交誤差を含んだ受信シンボルA′′′
では(12)式となり、遅延時間差・振幅差・直交誤差を含んだ受信シンボルA′′′−kでは(13)式になる。
【0088】
【数12】


【0089】
【数13】


【0090】
ここで、ejωk△tおよびejωN-k△tはk毎(サブキャリア毎)に決まった固定の位相回転であり、(1+α)とej△θは固定値である。したがって、これら固定の係数は、パイロットシンボル(既知信号)を用いたサブキャリア毎のチャネル推定により補償され、復調シンボルとしてAkおよびAが得られる。
【0091】
そして、座標変換部216にてA′′′N−kを座標変換すると、(14)式のようになる。
【0092】
【数14】


【0093】
合成部217にて(14)式をA′′′と合成すると、(15)式が得られる。
【0094】
【数15】


【0095】
次に、I軸に対して対称に座標変換する場合について説明する。サブキャリア送信装置100は、(16)式の関係を持たせた2倍拡散を行って送信する。
【0096】
【数16】


(16)
【0097】
サブキャリア送信装置100から送信された(16)式の関係を持った信号は、サブキャリア受信装置200で遅延時間差・振幅差・直交誤差を含んだ受信シンボルA′′′
では(17)式となり、遅延時間差・振幅差・直交誤差を含んだ受信シンボルA′′′−kでは(18)式になる。
【0098】
【数17】


【0099】
【数18】


【0100】
ここで、e-jωk△tおよびe-jωN-k△tはk毎(サブキャリア毎)に決まった固定の位相回転であり、(1−α)とe-j△θは固定値である。したがって、これら固定の係数は、パイロットシンボル(既知信号)を用いたサブキャリア毎のチャネル推定により補償され、復調シンボルとしてAkおよび−Akが得られる。座標変換部216にてA′′′N-kを座標変換すると、(19)式のようになる。
【0101】
【数19】


【0102】
合成部217にて(19)式をA′′′と合成すると、(20)式が得られる。
【0103】
【数20】


【0104】
次に、各シンボルをI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換する場合について説明する。(21)式が成り立つとすると、サブキャリア送信装置100は、(22)式の関係を持たせた2倍拡散を行って送信する。
【0105】
【数21】


【0106】
【数22】


【0107】
このとき、(23)式及び(24)式のようになる。
【0108】
【数23】


【0109】
【数24】


【0110】
ここで、(23)式及び(24)式の[ ]内は送信シンボルに無関係であり、それぞれk毎(サブキャリア毎)に決まった固定の係数となる。したがって、これら固定の係数は、パイロットシンボル(既知信号)を用いたサブキャリア毎のチャネル推定により補償され、復調シンボルとしてAkおよびAN-kが得られる。座標変換部216にてA′′′N-kを座標変換すると、(25)式のようになる。
【0111】
【数25】


【0112】
合成部217にて(25)式をA′′′と合成すると、(26)式が得られる。
【0113】
【数26】


【0114】
次に、遅延時間差及び直交誤差を補償する方法について、I−Q平面を用いて説明する。図7及び図8は、I成分とQ成分との間に遅延時間差及び直交誤差がある場合において、干渉が生じる状態を示す図である。I成分とQ成分との間に遅延時間差及び直交誤差がある場合には、中心周波数に対して対称位置関係にあるサブキャリア間で干渉がおきる。図7より、拡散を行わない場合、即ち通常のOFDM伝送の場合、サブキャリア#kの送信変調シンボル#701のI−Q平面座標が(1、1)で、対称位置サブキャリアのシンボル#702のI−Q平面座標が(−1、−1)の場合において、送信変調シンボル#701を受信したときにI成分とQ成分との間に遅延時間差2△tあるいは直交誤差2△θがあると、(10)式において振幅差α=0とした場合の係数cos(ω△t+△θ)の分だけ少し振幅が小さくなり、受信シンボル#703にマッピングされる。さらに、受信シンボル#703に対して、干渉信号#702が干渉してくる。この場合、干渉成分は、干渉信号#702の複素共役点#704にjsin(ω△t+△θ)を乗算した、つまり振幅をsin(ω△t+△θ)倍して位相を左回りに90度回転した、信号点#705に向かうベクトル#706になる。受信シンボル#703にベクトル#706が干渉成分として加わることにより、受信シンボル#703は受信シンボル#707になる。
【0115】
また、図8より、拡散を行わない場合、即ち通常のOFDM伝送の場合、あるサブキャリアの送信変調シンボル#801のI−Q平面座標が(1、1)で、対称位置サブキャリアのシンボル#802のI−Q平面座標が(1、−1)の場合において、送信変調シンボル#801を受信したときにI成分とQ成分との間に遅延時間差2△tあるいは直交誤差2△θがあると、cos(ω△t+△θ)の分だけ少し振幅が小さくなり、受信シンボル#803にマッピングされる。さらに、受信シンボル#803に対して、干渉信号#802が干渉してくる。この場合、干渉成分は、信号点#804に向かうベクトル#805になる。受信シンボル#803にベクトル#805が干渉成分として加わることにより、受信シンボル#803は受信シンボル#806になる。このように、干渉成分の影響により、図9に示すように、QPSKの場合には本来コンスタレーションマッピング点が4点(P1〜P4)のものが16点(P10〜P25)になり、性能が劣化する。
【0116】
そこで、本実施の形態1においては、対称サブキャリアとの間に一定の関係を持たせることを考える。例えば、対称サブキャリアとの間に複素共役の関係を持たせた場合を考える。つまり、あるサブキャリアのシンボル(x、y)に対して対称位置は(x、−y)にすると、図10に示すように、QPSKの干渉成分を含む受信コンスタレーションは、受信シンボル#1001〜#1004になる。この場合、干渉成分を含む受信シンボル#1001〜#1004は4点となり、位相回転はあるが歪んでいない。位相回転はI成分とQ成分との間の遅延時間差及び直交誤差の大きさにより決まる一定値のため、既知シンボルを用いたチャネル推定で補償することができる。チャネル推定を行うことにより、受信シンボル#1001〜#1004は、受信シンボル#1005〜#1008に戻る。そして、対称サブキャリアを合成することにより振幅が2倍になる。なお、図7及び図8においては、説明を簡単にするために遅延時間差及び直交誤差を補償する方法について説明したが、これに限らず、上記で説明したように、本実施の形態1の方法により振幅差も補償することができる。
【0117】
因みに、図11に示すように、対称位置サブキャリア間に反転の関係、即ちあるサブキャリアのシンボル(x、y)に対して対称位置シンボルを(−x、−y)にした場合は、干渉成分を含む受信コンスタレーションは受信シンボル#1101〜#1104になる。QPSKの場合、受信シンボル#1101〜#1104は4点になるが、歪みが生じていない場合のコンスタレーションマッピング点#1105〜#1108に対して歪みが生じる。コンスタレーションの歪みは、送信データによって変化が異なるので、チャネル推定では補償できず、性能劣化になる。つまり、たとえば既知信号の受信シンボルがコンスタレーションマッピング点#1101だった場合、チャネル推定はコンスタレーションマッピング点#1105になるように振幅を大きくする補償を行う。このときにデータとしてコンスタレーションマッピング点#1102を受信するとさらに振幅を大きくしてしまいコンスタレーションの歪はなくならない。また、この歪みは、合成または加算しても変わらない。例えば、I−Q平面座標が(1、1)の送信変調シンボルを送信した場合、受信シンボル#1101と対称位置サブキャリアの受信シンボル#1103になり、受信シンボル#1103の反転は受信シンボル#1101に等しいので合成すると振幅が2倍になるが、受信シンボル#1102と受信シンボル#1104の振幅も同様に2倍になるので振幅の比率は変わらず、歪みはなくならない。
【0118】
図12は、従来の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図であり、図13は、本実施の形態1におけるQ軸に対称に座標変換した場合の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図であり、図14は、本実施の形態1におけるI軸に対称に座標変換した場合の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図であり、図15は、本実施の形態1におけるI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換した場合の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図である。図12〜図15は位相雑音がない場合のコンスタレーションを示すものである。図12の場合には、I成分とQ成分との遅延差と振幅差と直交誤差により、コンスタレーションが大きく劣化している。一方、図13〜図15の場合には、I成分とQ成分との遅延差と振幅差と直交誤差があってもコンスタレーションの劣化はない。
【0119】
なお、本発明は、周波数変換に伴い発生する位相雑音の影響を低減するという追加の効果を有する。図16は、位相雑音がある場合の従来の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図であり、図17は、本実施の形態1におけるQ軸に対称に座標変換した場合の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図であり、図18は、本実施の形態1におけるI軸に対称に座標変換した場合の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図であり、図19は、本実施の形態1におけるI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換した場合の全サブキャリアのコンスタレーションを示す図である。図16の場合には、I成分とQ成分との遅延差と振幅差と直交誤差と位相雑音により、コンスタレーションが大きく劣化している。一方、図17〜図19の場合には、I成分とQ成分との遅延差と振幅差と直交誤差と位相雑音があってもコンスタレーションの劣化はない。周波数変換に伴う位相雑音は、全サブキャリアに対して同一の位相変動となる。したがって、受信において本発明の座標変換を行うと、位相回転が逆向きに変換され、対称位置サブキャリアとの合成により位相変動が打ち消される。
【0120】
このように、本実施の形態1によれば、各シンボルをI−Q平面上の所定の対称軸に対して対称に座標変換し、座標変換前後のシンボルを中心周波数軸に対して対称のサブキャリアに配置したので、回路規模を大きくすることなく低コストにて遅延時間及び振幅の不均衡を補償することができるとともに、周波数方向にのみ拡散する方式あるいはレピティションする方式でも直交誤差を補償することができる。また、本実施の形態1によれば、I軸に対して対称になるように座標変換する方法、Q軸に対して対称になるように座標変換する方法、及びI軸に対して45度の正の傾きを有する原点を通る対称軸に対して対称に座標変換をする方法の何れかの方法を用いることにより、マルチキャリア送信装置では直交変調が不要になるので、送信側にてI成分とQ成分との間の遅延時間差及び振幅差が生じることを防ぐことができる。
【0121】
(実施の形態2)
図20は、本発明の実施の形態2に係るマルチキャリア送信装置2000の構成を示すブロック図である。
【0122】
本実施の形態2に係るマルチキャリア送信装置2000は、図1に示す実施の形態1に係るマルチキャリア送信装置100において、図20に示すように、周波数変換部111を除き、スクランブル部2001及び直交変調部2008を追加し、GI挿入部108の代わりにGI挿入部2002、2003を有し、D/A部109の代わりにD/A部2004、2005を有するとともにLPF110の代わりにLPF2006、2007を有する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0123】
サブキャリア配列部104は、パイロット挿入部102から入力したm系列の送信信号と座標変換部103から入力したm系列の送信信号とを配列して、2m系列の並列複素信号を生成する。具体的には、サブキャリア配列部104は、座標変換に用いたI−Q平面上の対称軸に対して対称な座標位置関係である、パイロット挿入部102から入力した座標変換前のシンボルと、座標変換部103から入力した座標変換後のシンボルとが、所定の通信帯域の中心周波数に対して周波数軸上で対称なサブキャリアに各々配置されるように、2m系列の並列複素信号を生成する。そして、サブキャリア配列部104は、生成した2m系列の並列複素信号をスクランブル部2001へ出力する。
【0124】
スクランブル部2001は、サブキャリア配列部104から入力した2m系列の並列複素信号を複素スクランブルしてヌルサブキャリア付加部105へ出力する。ここで、複素スクランブルとは、振幅は不変で位相回転を加える処理のことである。
【0125】
ヌルサブキャリア付加部105は、スクランブル部2001から入力したスクランブル後の2m系列の並列複素信号に対してヌルデータ(0データ)を付加し、N(N>2m)系列の並列の複素信号を生成する。そして、ヌルサブキャリア付加部105は、生成したN系列の並列複素信号をIFFT部106へ出力する。
【0126】
GI挿入部2002は、P/S部107から入力したI成分の時系列信号にGIを挿入してD/A部2004へ出力する。
【0127】
GI挿入部2003は、P/S部107から入力したQ成分の時系列信号にGIを挿入してD/A部2005へ出力する。
【0128】
D/A部2004は、GI挿入部2002から入力したI成分の時系列信号をディジタル信号からアナログ信号に変換してLPF2006へ出力する。
【0129】
D/A部2005は、GI挿入部2003から入力したQ成分の時系列信号をディジタル信号からアナログ信号に変換してLPF2007へ出力する。
【0130】
LPF2006は、D/A部2004から入力したアナログ信号から、D/A変換に伴って生じた折り返し成分を除去する。そして、LPF2006は、折り返し成分を除去したアナログ信号を直交変調部2008へ出力する。
【0131】
LPF2007は、D/A部2005から入力したアナログ信号から、D/A変換に伴って生じた折り返し成分を除去する。そして、LPF2007は、折り返し成分を除去したアナログ信号を直交変調部2008へ出力する。
【0132】
直交変調部2008は、LPF2006及びLPF2007から入力したアナログ信号を、ベースバンド周波数からIF周波数(中間周波数)にアップコンバートして無線送信部112へ出力する。
【0133】
無線送信部112は、直交変調部2008から入力したIF周波数のアナログ信号をIF周波数から無線周波数にアップコンバートするとともに増幅してアンテナ113へ出力する。
【0134】
次に、マルチキャリア受信装置2100の構成について、図21を用いて説明する。図21は、マルチキャリア受信装置2100の構成を示すブロック図である。
【0135】
ヌルサブキャリア除去部214は、FFT部213から入力した並列信号からヌルサブキャリアの信号を除去して2m系列の有効サブキャリアだけの並列信号をデスクランブル部2101へ出力する。
【0136】
デスクランブル部2101は、ヌルサブキャリア除去部214から入力した2m系列の並列信号をデスクランブルして伝送路補償部215へ出力する。ここで、デスクランブルとは、スクランブル部2001でスクランブルする際に用いたスクランブルコードの複素共役を2m系列の並列信号に乗算する処理である。
【0137】
伝送路補償部215は、デスクランブル部2101から入力したデスクランブル後の並列信号に含まれている伝送路推定用既知信号を用いて、サブキャリア毎の伝送路特性を推定して補償を行う。そして、伝送路補償部215は、補償後の2m系列の並列信号の内、マルチキャリア送信装置2000で座標変換されていないm系列の並列信号を合成部217へ出力するとともに、マルチキャリア送信装置2000で座標変換されているm系列の並列信号を座標変換部216へ出力する。なお、マルチキャリア送信装置2000及びマルチキャリア受信装置2100の動作、及び遅延時間差と振幅差と直交誤差を補償する方法は、スクランブル及びデスクランブルする以外は上記実施の形態1と同一であるので、その説明は省略する。また、本実施の形態2における全コンスタレーションは、条件が同一であれば上記実施の形態1と同一の結果になるので、その説明は省略する。
【0138】
このように、本実施の形態2によれば、各シンボルをI−Q平面上の所定の対称軸に対して対称に座標変換し、座標変換前後のシンボルを中心周波数軸に対して対称のサブキャリアに配置したので、回路規模を大きくすることなく低コストにて遅延時間及び振幅の不均衡を補償することができるとともに、周波数方向にのみ拡散する方式あるいはレピティションする方式でも直交誤差を補償することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明にかかるマルチキャリア送信装置、マルチキャリア受信装置及び通信方法は、特に同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)との間の時間遅延と振幅差と直交誤差による不均衡を補償するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマルチキャリア送信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係るマルチキャリア受信装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る座標変換を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る座標変換を示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係る座標変換を示す図
【図6】本発明の実施の形態1に係るサブキャリアを示す図
【図7】本発明の実施の形態1に係る干渉が生じる状態を示す図
【図8】本発明の実施の形態1に係る干渉が生じる状態を示す図
【図9】本発明の実施の形態1に係る干渉が生じる状態を示す図
【図10】本発明の実施の形態1に係る干渉が生じる状態を示す図
【図11】本発明の実施の形態1に係る干渉が生じる状態を示す図
【図12】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図13】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図14】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図15】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図16】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図17】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図18】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図19】本発明の実施の形態1に係るコンスタレーションを示す図
【図20】本発明の実施の形態2に係るマルチキャリア送信装置の構成を示すブロック図
【図21】本発明の実施の形態2に係るマルチキャリア受信装置の構成を示すブロック図
【図22】従来のコンスタレーションを示す図
【図23】従来のコンスタレーションを示す図
【図24】従来のコンスタレーションを示す図
【図25】従来のコンスタレーションを示す図
【図26】従来のコンスタレーションを示す図
【図27】従来のコンスタレーションを示す図
【図28】従来のコンスタレーションを示す図
【符号の説明】
【0141】
100 マルチキャリア送信装置
101 S/P部
102 パイロット挿入部
103 座標変換部
104 サブキャリア配列部
105 ヌルサブキャリア付加部
106 IFFT部
107 P/S部
108 GI挿入部
109 D/A部
110 LPF
111 周波数変換部
112 無線送信部




 

 


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