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発明の名称 無線通信装置およびアドホック経路情報取得方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−142658(P2007−142658A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−331883(P2005−331883)
出願日 平成17年11月16日(2005.11.16)
代理人 【識別番号】100072604
【弁理士】
【氏名又は名称】有我 軍一郎
発明者 小林 広和
要約 課題
アドホックネットワーク内の各無線通信装置の送信電力の公平性を保ち、かつ無線通信装置の処理負荷や消費電力を低減することができる無線通信装置を提供すること。

解決手段
ネットワークコントローラ部13は、上位レイヤ処理部14からの通信要求時、経路情報記録部18に宛先への経路情報が無い場合、経路探索部15に経路探索を要求する。経路探索部15は、通信データ特性により経路探索送信電力決定部16から経路探索の送信電力を取得し、リアルタイム性が要求される通信では通常送信電力により経路探索を行い、リアルタイム性が要求されない通信では最小送信電力により経路探索を行い、最小送信電力による経路探索に失敗したときは、経路探索送信電力変更部17により送信電力のレベルを上げて、通常送信電力になるまで経路探索を行う。経路探索に成功して得られた経路情報は、経路情報記録部18に送信電力値ごとに記録される。
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも一つのローカルなエリア内で無線通信を行うローカル無線通信インタフェースを有し、このローカル無線通信インタフェースを介してアドホックネットワークを構築して通信する無線通信装置であって、通信データの特性に応じて前記アドホックネットワークでの経路探索時の最小の送信電力を設定する経路探索送信電力決定部と、通信開始時に前記アドホックネットワークでの宛先装置までの通信経路を保有していない場合、前記最小の送信電力で通信経路を探索する経路探索部と、前記最小の送信電力で経路探索を行った結果経路を発見できなかった場合、経路探索の送信電力を段階的に増加させる経路探索送信電力変更部と、経路探索の結果発見された通信経路を経路探索時の送信電力とともに記憶する経路情報記憶部とを備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記経路探索送信電力決定部は、前記通信データが実時間性を必要とするデータ、または緊急通報データである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力に設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記経路探索送信電力決定部は、前記通信データが実時間性を必要としないデータである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力より低い送信電力に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
広域無線通信システムにより通信を行う広域無線通信インタフェースと、前記広域無線通信システムにおける受信環境の変化を検出したとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動する広域無線通信受信環境監視部とをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記受信環境の変化とは、前記広域無線通信インタフェースを介して接続される基地局が変わることであることを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記広域無線通信受信環境監視部は、経路探索を起動するための前記受信環境とそのトリガ要件が設定される広域無線通信受信環境取得情報設定部と、前記受信環境を監視するための情報を収集する広域無線通信受信環境情報収集部とを有し、前記トリガ要件を満たしたときに前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動することを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局からの信号の受信電界強度であることを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局が行う送信電力制御の情報であることを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項9】
利用者が前記広域無線通信受信環境取得情報設定部に前記受信環境およびトリガ要件を設定可能に構成したことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項10】
近距離の無線通信を行う近距離無線通信インタフェースと、前記近距離無線通信インタフェースから取得した情報に基づいて近隣に存在する無線通信装置との位置関係を推定し、この位置関係に変化が生じたとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動する近隣無線通信装置監視部とをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線通信装置。
【請求項11】
前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、近隣に存在する無線通信装置からの信号の受信電界強度であることを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、測位情報であることを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項13】
少なくとも一つのローカルなエリア内で無線通信を行うローカル無線通信インタフェースを有し、このローカル無線通信インタフェースを介してアドホックネットワークを構築して通信する無線通信装置のアドホック経路情報取得方法であって、通信データの特性に応じて前記アドホックネットワークでの経路探索時の最小の送信電力を設定するステップと、通信開始時に前記アドホックネットワークでの宛先装置までの通信経路を保有していない場合、前記最小の送信電力で通信経路を探索するステップと、前記最小の送信電力で経路探索を行った結果経路を発見できなかった場合、経路探索の送信電力を段階的に増加させるステップと、経路探索の結果発見された通信経路を経路探索時の送信電力とともに記憶するステップとを有することを特徴とするアドホック経路情報取得方法。
【請求項14】
前記通信データが実時間性を必要とするデータ、または緊急通報データである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力に設定することを特徴とする請求項13に記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項15】
前記通信データが実時間性を必要としないデータである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力より低い送信電力に設定することを特徴とする請求項13または請求項14に記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項16】
広域無線通信システムにより通信を行う広域無線通信インタフェースをさらに有し、前記広域無線通信システムにおける受信環境を監視するステップと、前記受信環境の変化を検出したとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動するステップとをさらに有することを特徴とする請求項13から請求項15のいずれかに記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項17】
前記受信環境の変化とは、前記広域無線通信インタフェースを介して接続される基地局が変わることであることを特徴とする請求項16に記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項18】
設定された経路探索を起動するための前記受信環境とそのトリガ要件に基づいて、前記受信環境を監視するための情報を収集するステップと、前記トリガ要件を満たしたときに前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動するステップとをさらに有することを特徴とする請求項16に記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項19】
前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局からの信号の受信電界強度であることを特徴とする請求項18に記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項20】
前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局が行う送信電力制御の情報であることを特徴とする請求項18に記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項21】
近距離の無線通信を行う近距離無線通信インタフェースをさらに有し、前記近距離無線通信インタフェースから取得した情報に基づいて近隣に存在する無線通信装置との位置関係を推定するステップと、この位置関係に変化が生じたとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動するステップとをさらに有することを特徴とする請求項13から請求項15のいずれかに記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項22】
前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、近隣に存在する無線通信装置からの信号の受信電界強度であることを特徴とする請求項21に記載のアドホック経路情報取得方法。
【請求項23】
前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、測位情報であることを特徴とする請求項21に記載のアドホック経路情報取得方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線アドホックネットワークシステムにおける無線通信装置および経路情報取得方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置の多様化に伴い、オフィスや街角や移動中の交通機関などで無線通信装置から電子メールの送受信やインターネットの利用やデータの交換などを行うことが可能になってきている。
【0003】
これらの無線通信は、携帯電話網や公衆無線LAN(Local Area Network)などのインフラストラクチャを使うことを前提としている。
【0004】
これに対し、このようなインフラストラクチャを必要とせず、無線通信装置が近隣に散在する無線通信装置と一時的にネットワークを構築して通信を行うアドホックネットワークが注目され始めている。
【0005】
アドホックネットワークは、ある無線通信装置が任意の無線通信装置と互いに直接通信することができなくても、いくつかの無線通信装置を多段接続することで、これらの無線通信装置を経由して通信を可能にするものである。
【0006】
したがって、ある無線通信装置から、どういう経路をたどり宛先の無線通信装置へデータを転送するかを決定する処理、すなわち、各無線通信装置における経路の確立処理が必要となる。
【0007】
従来のアドホックネットワークにおける通信方法としては、無線通信装置において通信要求が発生した場合に、宛先までの経路情報を保有していない場合、経路探索を起動して宛先までの最短ホップ経路を獲得するアドホック・オンデマンド・距離ベクトル(The Adhoc On Demand Distance Vector)方式(以下、AODV方式という)があった(例えば、非特許文献1参照)。
【0008】
AODV方式は、宛先の無線通信装置にデータパケットを送信する場合に、既存の有効経路を所有していないとき、経路探索プロセスを開始し、自身のシーケンス番号、自身が認識している宛先無線通信装置のシーケンス番号、および経路探索識別子を含んだ経路要求メッセージをブロードキャストする。
【0009】
隣接の無線通信装置は、宛先の無線通信装置までの十分に新しい経路情報を持たない場合、受け取った経路要求メッセージを直前に送信してきた近隣の無線通信装置の、逆方向の経路を構築し、さらに経路要求メッセージをブロードキャストする。ただし、既に受信している経路要求メッセージに関してはブロードキャストは行わない。
【0010】
宛先の無線通信装置、もしくは宛先の無線通信装置までの十分に新しい経路情報を所有している無線通信装置は、経路要求メッセージの転送元である無線通信装置に対して、現在の宛先無線通信装置のシーケンス番号を格納した経路応答メッセージをユニキャストで送信する。
【0011】
経路応答メッセージを受信した無線通信装置は、経路応答メッセージ内の情報を元に、宛先のシーケンス番号が最新である場合、もしくはシーケンス番号は同じであるが、宛先までのホップ数が少ない場合に、自身の所有する経路情報を更新し、逆方向の経路を用いて、経路要求メッセージを作成した無線通信装置に向けて経路応答メッセージを転送する。
【0012】
経路応答メッセージが経路要求メッセージを作成した無線通信装置に届けられると、宛先の無線通信装置までの経路が確立される。
【0013】
この一連の手順により、宛先の無線通信装置へデータパケットを届けるための次ホップとなる無線通信装置情報が、中継無線通信装置となるそれぞれの無線通信装置に記録される。送信元の無線通信装置から宛先の無線通信装置へは、それぞれの中継無線通信装置がこの経路情報を元にデータパケットの中継を行う。
【0014】
本方式では、通信を行うにあたり経路情報が必要な場合にのみ経路探索を行うため、経路要求メッセージなどの制御信号によるネットワーク負荷、無線通信装置の処理負荷を軽減することができるという特徴を有する。また、経路情報をパケットヘッダに搭載する必要がないため、宛先までに中継する無線通信装置数が増加しても、パケットヘッダ長は不変となるため、経路情報によるオーバーヘッドが低下しないという特徴を有する。
【0015】
また、別の方法として、自身の持つ経路情報を定期的にアドホックネットワーク内に通知し、他の無線通信装置から取得した経路情報を元に最新の経路情報を記録し、通信時には、予め取得していた宛先無線通信装置までの経路情報を各中継無線通信装置の送信電力情報とともに格納して送信するホップ毎電力指定方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
ホップ毎電力指定方式は、通信データの特性が、転送遅延時間重視か、周波数利用効率重視かを判定し、パケットヘッダ内にその情報を格納する。通信データ特性に応じ、自身の所有するルーティングテーブルから得られる情報を元に経路を計算する。この計算の結果、送信するデータパケットを中継する全ての無線通信装置の識別子とそれぞれの無線通信装置における送信電力情報を、パケットヘッダ内の経路情報フィールドに格納して次ホップの無線通信装置に送信する。
【0017】
中継無線通信装置は、自無線通信装置が宛先に指定されているデータパケットを受信すると、データパケット内の経路情報フィールドに格納されている経路情報から自無線通信装置が中継していく転送経路とその転送経路に伴う送信電力を取り出し、取り出した経路情報フィールドを送信するデータパケットの経路情報フィールドとする。さらに、データパケットの宛先を、取り出した経路における次の無線通信装置とする。
【0018】
そして、受信したデータパケットの転送履歴に自無線通信装置のデータパケットの送信動作を追加し、送信するデータパケットの転送履歴フィールドに格納し、データ部分を受信したデータパケットから複写する。最後に、受信したデータパケットの経路情報にて指定された送信電力でデータパケットを送信する。
【0019】
本方式では、通信データの種別に応じた適切な経路を選択することができるという特徴を有する。
【特許文献1】特許3585790号公報
【非特許文献1】C. Perkins, E. Royer, S. Das . "Ad Hoc On-Demand Distance-Vector (AODV) Routing" . Request for Comments: 3561 , Internet Engineering Task Force(IETF), July 2003.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、AODV方式では、一定の送信電力により経路探索を行い、経路探索により得られた経路情報を元にデータ通信を行うために一定の電力にてデータ通信を行う。このため、無線通信装置における電力消費を考慮して、データ通信のために経由する無線通信装置間をできるだけ少ない電力で接続して通信を行うことのできる省電力経路を探索することができず、必要以上の送信電力にてデータ通信を行ってしまい、電力効率が悪いという課題を有していた。
【0021】
また、他の無線通信装置間の通信を受信してしまい、通信に関係のない無線通信装置が同一周波数にてデータ通信を行うことができず、周波数利用効率が落ちてしまうという課題を有していた。
【0022】
さらには、通信要求時に経路探索を行うのみで、定期的な経路情報の更新を行わないため、アドホックネットワークのトポロジ変更時に迅速な対応ができないという課題を有していた。
【0023】
また、ホップ毎電力指定方式では、データパケットに宛先無線通信装置までの全経路情報を含むため、中継無線通信装置数が多くなると、データパケット内に含まれる経路情報が多くなり、オーバーヘッドが増加するという課題を有していた。
【0024】
また、ホップ毎電力指定方式では、データ中継を行う無線通信装置は、受け取ったデータパケット内に示された経路情報から得られる送信電力、あるいは、自身の所有する経路情報を元に再計算して得られた送信電力にて、データ中継を行う。このため、中継無線通信装置がデータパケットを中継送信する際の送信電力が、データ通信を起動した送信元無線通信装置が送信する送信電力よりも大きくなってしまうことがあり、アドホックネットワーク内でのリソース消費の公平性が失われるという課題を有していた。
【0025】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、アドホックネットワーク内の各無線通信装置の送信電力の公平性を保ち、かつ無線通信装置の処理負荷や消費電力を低減することができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の無線通信装置は、少なくとも一つのローカルなエリア内で無線通信を行うローカル無線通信インタフェースを有し、このローカル無線通信インタフェースを介してアドホックネットワークを構築して通信する無線通信装置であって、通信データの特性に応じて前記アドホックネットワークでの経路探索時の最小の送信電力を設定する経路探索送信電力決定部と、通信開始時に前記アドホックネットワークでの宛先装置までの通信経路を保有していない場合、前記最小の送信電力で通信経路を探索する経路探索部と、前記最小の送信電力で経路探索を行った結果経路を発見できなかった場合、経路探索の送信電力を段階的に増加させる経路探索送信電力変更部と、経路探索の結果発見された通信経路を経路探索時の送信電力とともに記憶する経路情報記憶部とを備える構成を有している。
【0027】
この構成により、アドホックネットワーク内で定期的に経路情報を交換することなく、通信データ特性に応じた省電力経路を獲得することができる。また、通信データの送信元から宛先の無線通信装置までの各無線通信装置が同一送信電力でのデータ転送を可能にする経路情報を得ることができるため、経路上の無線通信装置間の公平性を保てる省電力経路を獲得することができる。
【0028】
ここで、前記経路探索送信電力決定部は、前記通信データが実時間性を必要とするデータ、または緊急通報データである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力に設定する構成とした。
【0029】
この構成により、低遅延が要求されるデータ通信に対しては、中継する無線通信装置のホップ数が少ない経路を獲得することができる。
【0030】
また、前記経路探索送信電力決定部は、前記通信データが実時間性を必要としないデータである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力より低い送信電力に設定する構成とした。
【0031】
この構成により、低遅延が要求されないデータ通信に対しては、少ない送信電力にて宛先までデータを届けられる経路を獲得することができる。
【0032】
また、広域無線通信システムにより通信を行う広域無線通信インタフェースと、前記広域無線通信システムにおける受信環境の変化を検出したとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動する広域無線通信受信環境監視部とをさらに備える構成とした。
【0033】
この構成により、周囲の環境の変化によりトポロジの変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0034】
ここで、前記受信環境の変化とは、前記広域無線通信インタフェースを介して接続される基地局が変わることである構成とした。
【0035】
この構成により、接続される基地局の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0036】
また、前記広域無線通信受信環境監視部は、経路探索を起動するための前記受信環境とそのトリガ要件が設定される広域無線通信受信環境取得情報設定部と、前記受信環境を監視するための情報を収集する広域無線通信受信環境情報収集部とを有し、前記トリガ要件を満たしたときに前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動する構成とした。
【0037】
この構成により、受信環境の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0038】
ここで、前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局からの信号の受信電界強度である構成とした。
【0039】
この構成により、基地局からの信号の受信品質の変化により自身の周囲の環境が変化してトポロジが変化したと推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0040】
また、前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局が行う送信電力制御の情報である構成とした。
【0041】
この構成により、基地局への送信電力の変化により自身の周囲の環境が変化してトポロジが変化したと推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0042】
また、利用者が前記広域無線通信受信環境取得情報設定部に前記受信環境およびトリガ要件を設定可能に構成とした。
【0043】
この構成により、経路更新の条件を利用者が使用状態に応じて変更することができる。
【0044】
また、近距離の無線通信を行う近距離無線通信インタフェースと、前記近距離無線通信インタフェースから取得した情報に基づいて近隣に存在する無線通信装置との位置関係を推定し、この位置関係に変化が生じたとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動する近隣無線通信装置監視部とをさらに備える構成とした。
【0045】
この構成により、周囲の環境の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0046】
ここで、前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、近隣に存在する無線通信装置からの信号の受信電界強度である構成とした。
【0047】
この構成により、位置を特定するための特別なデバイスを搭載することなく、受信電界強度に基づいて位置関係を推定し、近隣の無線通信装置との位置関係の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0048】
また、前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、測位情報である構成とした。
【0049】
この構成により、位置を特定するための特別なデバイスを搭載することなく、位置関係を管理し、近隣の無線通信装置との位置関係の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0050】
また、本発明のアドホック経路情報取得方法は、少なくとも一つのローカルなエリア内で無線通信を行うローカル無線通信インタフェースを有し、このローカル無線通信インタフェースを介してアドホックネットワークを構築して通信する無線通信装置のアドホック経路情報取得方法であって、通信データの特性に応じて前記アドホックネットワークでの経路探索時の最小の送信電力を設定するステップと、通信開始時に前記アドホックネットワークでの宛先装置までの通信経路を保有していない場合、前記最小の送信電力で通信経路を探索するステップと、前記最小の送信電力で経路探索を行った結果経路を発見できなかった場合、経路探索の送信電力を段階的に増加させるステップと、経路探索の結果発見された通信経路を経路探索時の送信電力とともに記憶するステップとを有する構成を有している。
【0051】
この構成により、アドホックネットワーク内で定期的に経路情報を交換することなく、通信データ特性に応じた省電力経路を獲得することができる。また、通信データの送信元から宛先の無線通信装置までの各無線通信装置が同一送信電力でのデータ転送を可能にする経路情報を得ることができるため、経路上の無線通信装置間の公平性を保てる省電力経路を獲得することができる。
【0052】
ここで、前記通信データが実時間性を必要とするデータ、または緊急通報データである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力に設定する構成とした。
【0053】
この構成により、低遅延が要求されるデータ通信に対しては、中継する無線通信装置のホップ数が少ない経路を獲得することができる。
【0054】
また、前記通信データが実時間性を必要としないデータである場合に、前記最小の送信電力を通常送信電力より低い送信電力に設定する構成とした。
【0055】
この構成により、低遅延が要求されないデータ通信に対しては、少ない送信電力にて宛先までデータを届けられる経路を獲得することができる。
【0056】
また、広域無線通信システムにより通信を行う広域無線通信インタフェースをさらに有し、前記広域無線通信システムにおける受信環境を監視するステップと、前記受信環境の変化を検出したとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動するステップとをさらに有する構成とした。
【0057】
この構成により、周囲の環境の変化によりトポロジの変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0058】
また、前記受信環境の変化とは、前記広域無線通信インタフェースを介して接続される基地局が変わることである構成とした。
【0059】
この構成により、接続される基地局の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0060】
また、設定された経路探索を起動するための前記受信環境とそのトリガ要件に基づいて、前記受信環境を監視するための情報を収集するステップと、前記トリガ要件を満たしたときに前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動するステップとをさらに有する構成とした。
【0061】
この構成により、受信環境の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0062】
ここで、前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局からの信号の受信電界強度である構成とした。
【0063】
この構成により、基地局からの信号の受信品質の変化により自身の周囲の環境が変化してトポロジが変化したと推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0064】
また、前記受信環境を監視するための情報は、前記広域無線通信システムの基地局が行う送信電力制御の情報である構成とした。
【0065】
この構成により、基地局への送信電力の変化により自身の周囲の環境が変化してトポロジが変化したと推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0066】
また、近距離の無線通信を行う近距離無線通信インタフェースをさらに有し、前記近距離無線通信インタフェースから取得した情報に基づいて近隣に存在する無線通信装置との位置関係を推定するステップと、この位置関係に変化が生じたとき、前記アドホックネットワークでの経路情報を更新するための経路探索を起動するステップとをさらに有する構成とした。
【0067】
この構成により、周囲の環境の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0068】
ここで、前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、近隣に存在する無線通信装置からの信号の受信電界強度である構成とした。
【0069】
この構成により、位置を特定するための特別なデバイスを搭載することなく、受信電界強度に基づいて位置関係を推定し、近隣の無線通信装置との位置関係の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【0070】
また、前記近距離無線通信インタフェースから取得する情報は、測位情報である構成とした。
【0071】
この構成により、位置を特定するための特別なデバイスを搭載することなく、位置関係を管理し、近隣の無線通信装置との位置関係の変化によりトポロジ変化を推定して経路探索を行っているため、トポロジ変化に対して迅速に経路情報を更新することができる。
【発明の効果】
【0072】
本発明によれば、通信要求時に、経路情報を所有していないとき、リアルタイム性が要求されるデータ通信については通常電力での経路探索を行い、リアルタイム性が要求されないデータ通信については省電力での経路探索を行っているので、アドホックネットワーク内で定期的に経路情報を交換することなく、リアルタイム性が要求されないデータ通信に対する省電力かつ送信電力の公平性を保つことができる経路を獲得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0074】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の無線通信装置を示す図である。
【0075】
図1において、本実施の形態の無線通信装置は、ローカルなエリア内で無線通信を行うローカル無線通信インタフェース11と、広域の無線通信を行う広域無線通信インタフェース12と、パケットの次の送信先を決定してローカル無線通信インタフェース11または広域無線通信インタフェース12によりパケットを送信するとともにローカル無線通信インタフェース11または広域無線通信インタフェース12が受信したパケットを処理して通信の制御を行うネットワークコントローラ部13と、画面表示や入力受付や通信制御などのアプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層、トランスポート層のレイヤ処理を行う上位レイヤ処理部14と、経路制御メッセージを送受信して経路探索を行う経路探索部15と、アドホックネットワークにおける経路探索時に使用する経路要求メッセージの最小の送信電力を決定する経路探索送信電力決定部16と、経路探索においてタイムアウトが発生し再探索するときの送信電力の変更を行う経路探索送信電力変更部17と、送信電力ごとに宛先無線通信装置への経路情報を経路情報エントリとして記録する経路情報記録部18と、広域無線通信インタフェース12により接続している基地局の識別子情報を広域無線通信リンク情報として記録する広域無線通信受信環境監視部19とを備えている。
【0076】
ローカル無線通信インタフェース11は、アンテナ、RF回路、ベースバンド処理回路を有するローカル無線通信物理インタフェース111と、ローカル無線通信データリンク制御部112とを有している。
【0077】
ローカル無線通信物理インタフェース111は、ローカル無線通信データリンク制御部112から受け取った信号に変調を施して無線信号に変換しアンテナから送信する処理と、アンテナから受信した無線信号を復調し、復調したデジタル信号をローカル無線通信データリンク制御部112に渡す処理とを行う。ローカル無線通信物理インタフェース111は、送信電力を設定するための設定レジスタを有し、設定レジスタの値に応じて増幅度が設定され、送信電力が変更される。
【0078】
ローカル無線通信データリンク制御部112は、ネットワークコントローラ部13から得たパケットに、使用するデータリンク層によって定められた所定のフォーマットでのフレーミングを行い、ローカル無線通信物理インタフェース111に渡す処理と、ローカル無線通信物理インタフェース111から受け取ったデジタル信号からデータリンク層ヘッダ、テイラを取り外してネットワークコントローラ部13に渡す処理と、使用するデータリンク層によって定められたアクセス方式に従い無線媒体のアクセス権を獲得する処理とを行う。
【0079】
また、経路要求メッセージ、経路応答メッセージなどの経路制御メッセージの送信時には、ネットワークコントローラ部13から送信電力情報を取得し、ローカル無線通信物理インタフェース111の設定レジスタに該当する送信電力に対応する値を設定する。
【0080】
ローカル無線通信インタフェース11は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11e、BLUETOOTH(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの通信方式により規定される。
【0081】
広域無線通信インタフェース12は、アンテナ、RF回路、ベースバンド処理回路を有する広域無線通信物理インタフェース121と、広域無線通信データリンク制御部122とを有している。
【0082】
広域無線通信物理インタフェース121は、広域無線通信データリンク制御部122から受け取った信号に変調を施して無線信号に変換しアンテナから送信する処理と、アンテナから受信した無線信号を復調し、復調したデジタル信号を広域無線通信データリンク制御部122に渡す処理とを行う。広域無線通信物理インタフェース121は、送信電力を設定するための設定レジスタを有し、設定レジスタの値に応じて増幅度が設定され、送信電力が変更される。
【0083】
広域無線通信データリンク制御部122は、ネットワークコントローラ部13から得たパケットに、使用するデータリンク層によって定められた所定のフォーマットでのフレーミングを行い、広域無線通信物理インタフェース121に渡す処理と、広域無線通信物理インタフェース121から受け取ったデジタル信号からデータリンク層ヘッダ、テイラを取り外してネットワークコントローラ部13に渡す処理と、使用するデータリンク層によって定められたアクセス方式に従い無線媒体のアクセス権を獲得する処理とを行う。
【0084】
また、接続している基地局の識別子情報を広域無線通信受信環境監視部19に渡す処理も行う。
【0085】
広域無線通信インタフェース12は、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)などで標準化されている移動通信システム(IMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)標準)、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communications)方式などの通信方式(広域無線通信システム)により規定される。
【0086】
上位レイヤ処理部14は、必要に応じてネットワークコントローラ部13との間でデータの受渡しを行い、アプリケーションが扱う通信データ特性を通信開始時にネットワークコントローラ部13に渡す。
【0087】
ネットワークコントローラ部13は、上位レイヤ処理部14から受け取ったメッセージに対して、IP(Internet Protocol)処理、ARP(Address Resolution Protocol)処理、ICMP(Internet Control Message Protocol)処理などのネットワーク層処理を行う。例えば、IP送信処理では、IPヘッダを付加し、経路情報記録部18の情報を元に宛先に対する次の送信先を決定してローカル無線通信データリンク制御部112または広域無線通信データリンク制御部122に渡す処理を行う。このとき、経路情報記録部18に、アドホック通信における宛先に対する次の送信先情報が有効な経路情報エントリとして記録されていない場合は、上位レイヤ処理部14から受け取った通信データ特性を経路探索部15に通知して経路探索の起動を行う。
【0088】
また、ネットワークコントローラ部13は、広域無線通信データリンク制御部122から受け取ったパケットを必要に応じて上位レイヤ処理部14に渡す。
【0089】
また、ローカル無線通信データリンク制御部112から受け取ったパケットに対しては、上位レイヤ処理部14に渡す、他の無線通信装置に中継する、経路探索部15に渡す、のいずれを行うかを判断してそれぞれの処理を行う。
【0090】
パケットの宛先が自身もしくは同報であり、かつパケット内に経路要求メッセージ、経路応答メッセージなどの経路制御メッセージが含まれる場合は、これらのメッセージを抽出し、経路探索部15に渡す。
【0091】
パケットの宛先が自身であり、かつ上位レイヤのメッセージを含む場合は、パケットを上位レイヤに渡す。
【0092】
パケットの宛先が自身でない場合は、経路情報記録部18の情報に基づいて転送先を決定し、必要に応じてパケットヘッダを変更して、ローカル無線通信データリンク制御部112に渡す。
【0093】
また、ネットワークコントローラ部13は、経路探索部15から受け取った送信すべき経路要求メッセージに対し、自身を送信元、宛先に同報を意味する識別子を格納したパケットヘッダを付加し、送信電力を指定してローカル無線通信データリンク制御部112に渡す処理と、経路探索部15から受け取った送信すべき経路応答メッセージに対し、送信元として自身の無線通信装置識別子を、宛先として経路情報記録部18に記録されている経路応答メッセージ内の送信元無線通信装置に対する次ホップの無線通信装置を、さらに送信電力情報を格納したパケットヘッダを付加し、ローカル無線通信データリンク制御部112に渡す処理とを行う。
【0094】
経路探索送信電力決定部16は、アドホックネットワークにおけるデータ通信を行う場合、経路探索部15から受け取った通信データ特性を元に、経路探索時に使用する経路要求メッセージの最小の送信電力を経路探索部15に通知する。
【0095】
経路探索送信電力変更部17は、経路探索においてタイムアウトが発生したとき、経路探索部15から経路再探索通知を送信電力情報とともに受け、送信電力を変更して経路探索部15に通知する。
【0096】
経路情報記録部18は、{送信電力情報、宛先無線通信装置識別子、次ホップ無線通信装置識別子、ホップ数、ライフタイム、有効フラグ}を経路情報エントリとして所有する。経路探索部15において処理された経路要求メッセージ、経路応答メッセージに基づき、宛先無線通信装置識別子、次ホップ無線通信装置識別子、送信電力情報、ホップ数情報を受け取り、受信時刻から計算されるライフタイムもしくは受信メッセージ内のライフタイムとともに一組の経路情報エントリとして記録し、送信電力ごとにテーブルとして管理する。この経路情報エントリは、タイマによる管理を行い、ライフタイムを超過した場合には無効とし、さらに一定期間経過した場合には経路情報エントリ自体を削除する。
【0097】
ネットワークコントローラ部13からローカル無線通信データリンク制御部112あるいは広域無線通信データリンク制御部122にパケットが渡される場合には、経路情報記録部18の情報に基づき、転送先と送信電力を決定する。
【0098】
広域無線通信受信環境監視部19では、広域無線通信データリンク制御部122から接続している基地局識別子情報を受け取り、広域無線通信リンク情報として記録する。基地局識別子情報の取得間隔は、例えば、1秒、10秒、変更時のみ、といったように取得間隔を設定する画面を上位レイヤ処理部14によって無線通信装置に表示し、キー入力やメニュー選択などにより変更できるようにする。
【0099】
広域無線通信リンク情報に変更があった場合、移動などにより周囲の状況が変わったと推定し、通信相手となる無線通信装置までの経路探索を行うように経路探索部15に指示する。
【0100】
経路探索部15は、経路制御メッセージ管理処理と、経路制御メッセージの送受信処理を行う。
【0101】
経路制御メッセージ管理処理では、{送信元無線通信装置識別子、宛先無線通信装置識別子、経路探索識別子、送信電力情報、試行回数、満了時刻}を一組の経路探索エントリとして管理する。経路探索部15は、送信する、あるいは受信した経路制御メッセージの処理時刻から計算される満了時刻とともに、これらの経路制御メッセージから該当する情報を抽出して記録する。満了時刻が経過した場合には、作成した経路探索エントリを削除する。
【0102】
経路制御メッセージの送受信処理は、経路要求メッセージの起動処理、経路要求メッセージの再送処理、経路要求メッセージの受信処理、経路応答メッセージの受信処理である。
【0103】
経路要求メッセージの起動処理では、ネットワークコントローラ部13からアドホックネットワークにおける経路探索を起動するように指示されると、通信データ特性情報を経路探索送信電力決定部16に渡し、経路探索時に使用する送信電力情報を問い合わせる。経路探索送信電力決定部16から得られた送信電力情報を元に、送信電力情報を格納した経路要求メッセージを作成し、ネットワークコントローラ部13を経由し、ローカル無線通信インタフェース11に渡す。
【0104】
経路要求メッセージの起動処理は、広域無線通信受信環境監視部19からの指示によっても行われる。広域無線通信受信環境監視部19から経路探索を指示されると、通信中の宛先無線通信装置に対応する経路情報エントリを経路情報記録部18から探し、該当する経路情報エントリに記録されている送信電力情報を元に、送信電力情報を格納した通信中の宛先無線通信装置に対する経路要求メッセージを作成し、ネットワークコントローラ部13を経由し、ローカル無線通信インタフェース11に渡す。
【0105】
経路要求メッセージの再送処理は、経路探索を起動した無線通信装置において、宛先までの経路が獲得できなかった場合に再度経路探索を行う処理である。すなわち、経路探索エントリで一意に識別される自身が送信元となる経路要求メッセージに対する経路応答メッセージを満了時刻までに受信できず、かつ試行回数が許容回数以内である場合、該当する経路探索エントリの経路探索識別子および試行回数を1加算して更新する。さらに、経路探索送信電力変更部17に対して該当経路探索エントリの送信電力情報とともに経路再探索通知を行う。経路探索送信電力変更部17から送信電力情報を受け取ると、該当経路探索エントリの送信電力情報、満了時刻を更新するとともに、経路要求メッセージを作成し、ネットワークコントローラ部13を経由し、ローカル無線通信インタフェース11に渡す。
【0106】
経路要求メッセージの受信処理では、経路探索エントリを参照して経路要求メッセージが既に受信しているものかを判定する。既に受信しているものであれば、何もせずに受信した経路要求メッセージを廃棄する。初めて受信する経路要求メッセージであれば、経路要求メッセージ内に格納されている送信元無線通信装置識別子、宛先無線通信装置識別子、経路探索識別子、送信電力情報、および受信時刻から計算される満了時刻を経路探索エントリとして作成する。
【0107】
さらに、受信した経路要求メッセージの送信電力情報を元に、送信元無線通信装置識別子、受信した経路要求メッセージを格納していたIPパケットのIPヘッダに格納されていた送信元IPアドレス、ホップ数、受信時刻から計算されるライフタイムの組を、各々該当する送信電力における新たな経路情報エントリとして経路情報記録部18の{宛先無線通信装置識別子、次ホップ無線通信装置識別子、ホップ数、ライフタイム}フィールドに記録し、{有効フラグ}フィールドを有効とする。ただし、既に送信電力情報、宛先無線通信装置識別子、および次ホップ無線通信装置識別子で示される組合せにおいて同様の経路情報エントリが存在する場合、該当経路情報エントリにおける他のフィールド情報を更新するだけでよい。
【0108】
そして、自身が経路要求メッセージの宛先無線通信装置であるか否かを判定する。自身が宛先である場合、受信した経路要求メッセージ内に格納されている送信電力情報を格納した経路応答メッセージを作成し、ネットワークコントローラ部13を経由し、ローカル無線通信インタフェース11に渡す。自身が宛先でない場合、受信した経路要求メッセージ内に格納されている送信電力にて経路要求メッセージを転送するため、受信した経路要求メッセージをネットワークコントローラ部13を経由し、ローカル無線通信インタフェース11に渡す。
【0109】
図2は、本実施の形態の無線通信装置において通信要求が発生した場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【0110】
無線通信装置の上位レイヤ処理部14において、WEBブラウザ、メーラ、テレビ電話などの通信アプリケーションが起動され、通信要求が発生すると、上位レイヤ処理部は、送信するメッセージとともに、その通信の通信データ特性をネットワークコントローラ部13に渡す。
【0111】
ネットワークコントローラ部13は、受け取った通信データ特性がリアルタイム性を必要とするものか否かを判定する(S11)。音声など、連続的かつ周期的にデータが到着すべきである実時間性を必要とするデータや、緊急通報時のデータなど、即時に通信相手に届けることが要求されるデータがリアルタイム性を必要とするデータである。また、ファイル転送、メール送受信、WEBブラウジングなどで扱うデータは、リアルタイム性を必要としない(実時間性を必要としない)データである。
【0112】
リアルタイム性が必要か否かは、例えば、通信アプリケーションと扱うデータ特性を示すマトリックスマップをメモリに記録しておく、あるいは、通信を行うためのソケットインタフェースに渡される通信特性を示す引数を参照する、などの方法で判定してもよい。
【0113】
通信データの特性がリアルタイム性を必要とすると判定すると、通信相手となる宛先の無線通信装置への有効な経路情報を所有しているか否かを判定する(S12)。これは、経路情報記録部18の通常送信電力のテーブルに、宛先無線通信装置までの経路情報エントリが存在し、かつ有効フラグが有効であれば、有効な経路情報を所有していると判定する。
【0114】
宛先の無線通信装置への有効な経路情報を所有していると判定すると、通常電力を指定電力とし、指定電力にてパケットを送信する(S13)。
【0115】
例えば、図3に示すような経路情報エントリを所有し、通常送信電力を30mWとしている無線通信装置で、無線通信装置識別子がBの無線通信装置へのリアルタイム通信が発生した場合、宛先無線通信識別子をBとしたパケットを無線通信装置識別子がXの無線通信装置に向けて30mWの送信電力で送信する。以後、本実施の形態においては、通常送信電力値を30mWとして記述するが、これに限定されるわけではない。
【0116】
宛先の無線通信装置への有効な経路情報を所有していないと判定すると、ネットワークコントローラ部13は、経路探索部15に通信データ特性とともに経路探索指示を渡す(S14)。
【0117】
経路探索部15は、受け取った通信データ特性により経路探索送信電力決定部16から送信電力を取得し、図5に示すように、送信元無線通信装置識別子、宛先無線通信装置識別子、経路探索識別子、送信電力情報、試行回数、満了時刻を一組の経路探索エントリとして作成する(S31)。
【0118】
図5は、無線通信装置識別子がAの無線通信装置が所有する経路探索エントリの例を示す図であり、無線通信装置識別子がAの無線通信装置が、無線通信装置識別子がMの無線通信装置までの通常電力経路探索を行う場合に無線通信装置識別子がAの無線通信装置において新たに作成される経路探索エントリを先頭に示している。
【0119】
図5に示すように、送信元無線通信装置識別子を“A”、宛先無線通信装置識別子を“M”、経路探索識別子を無線通信装置識別子がAの無線通信装置が管理している経路探索識別子に1加算した値“28”、新たな経路探索であるので試行回数を“0”、経路応答メッセージの受信待機を終了する満了時刻を“3286”と設定した経路探索エントリを新たに作成している。
【0120】
次に、経路探索部15は、図6に示すような、送信電力情報を格納した経路要求メッセージを作成して指定の電力にて送信する(S32)。
【0121】
上述の例の場合、送信電力情報フィールドには30mW、経路要求メッセージ識別子フィールドには新たな経路探索識別子28、宛先無線通信装置識別子フィールドにはM、送信元無線通信装置識別子フィールドにはAを示すビット列が格納された経路要求メッセージがネットワークコントローラ部13に渡され、ネットワークコントローラ部13が、IPヘッダの送信元に無線通信装置識別子がAの無線通信装置のIPアドレス、宛先IPアドレスには同報を意味するIPアドレスを格納してパケット化し、ローカル無線通信インタフェース11により送信電力30mWにて送信される。
【0122】
そして、経路応答メッセージの待機タイマが満了する満了時刻になったか否かを判定し(S33)、タイマが満了していなければ、送信電力情報を格納した対象となる経路応答メッセージを受信したか判定する(S34)。
【0123】
対象となる経路応答メッセージを受信していれば経路探索成功とし、タイマが満了するまでに対象となる経路応答メッセージを受信できなければ経路探索失敗とする。
【0124】
上述の例の場合、時刻3286になる前に、宛先無線通信装置識別子フィールドにはM、送信元無線通信装置識別子フィールドにはA、送信電力情報フィールドには30mWを示すそれぞれのビット列が格納された図7に示すような経路応答メッセージを受信した場合、経路探索が成功となる。
【0125】
図2に戻り、経路探索処理の結果を判定し(S15)、経路探索処理が成功した場合、経路情報記録部18の通常送信電力のテーブルに新たな経路情報エントリを作成し、経路探索の結果得られた宛先無線通信装置識別子、次ホップ無線通信装置識別子、ホップ数、ライフタイム、有効フラグを記録する(S16)。ただし、既に経過情報エントリが存在する場合は、各フィールドの情報を更新する。
【0126】
そして、経路探索処理で作成した(図4のS31)経路探索エントリを削除し(S17)、S16で記録した経路情報を元に通信データをパケット化し、ローカル無線通信インタフェース11により通常送信電力を指定電力としてパケットを送信する(S13)。
【0127】
経路探索処理が失敗した場合、再探索回数に1加算し(S18)、再探索回数が最大再探索回数を超えているか否かを判定する(S19)。
【0128】
再探索回数が最大再探索回数を超えていなければ、S14に戻り、再度通常電力にて経路探索を行う。
【0129】
再探索回数が最大再探索回数を超えていれば、最大再探索回数に達しても経路情報が得られないので、通信相手が不在と判断し通信試行を終了する。
【0130】
S11において、通信データ特性がリアルタイム性を有さないと判定すると、ネットワークコントローラ部13は、通信相手となる宛先の無線通信装置への有効な省電力経路情報を所有しているか否かを判定する(S20)。これは、経路情報記録部18の通常送信電力以外のテーブルで、宛先無線通信装置までの経路情報エントリが存在し、かつ有効フラグが有効であれば、有効な省電力経路情報を有していると判定し、該当する送信電力を指定電力とし、指定電力にてパケットを送信する(S13)。
【0131】
図3に示す経路情報エントリを所有している無線通信装置において、無線通信装置識別子がCの無線通信装置への非リアルタイム通信が発生した場合、宛先無線通信装置識別子をCとしたパケットを無線通信装置識別子がYの無線通信装置に向けて、1mWの送信電力で送信する。
【0132】
宛先の無線通信装置への有効な省電力経路情報を所有していないと判定すると、ネットワークコントローラ部13は、経路探索部15に通信データ特性とともに経路探索指示を渡す。
【0133】
経路探索部15は、受け取った通信データ特性により経路探索送信電力決定部16から送信電力を取得し、取得した送信電力を最小送信電力に設定し(S21)、図8に示すような経路探索処理を行う(S22)。最小送信電力は、ローカル無線通信インタフェース11の送信電力設定が、例えば、1mW、5mW、10mW、30mWなどのように数段階に分けられている場合、最小送信電力として1mWを設定する。
【0134】
経路探索部15は、図8に示すように、送信元無線通信装置識別子、宛先無線通信装置識別子、経路探索識別子、送信電力情報、試行回数、満了時刻を一組の経路探索エントリとして作成する(S41)。
【0135】
図9は、無線通信装置識別子がDの無線通信装置が所有する経路探索エントリの例を示す図であり、無線通信装置識別子がDの無線通信装置が、無線通信装置識別子がYの無線通信装置までの通常電力経路探索を行う場合に無線通信装置識別子がDの無線通信装置において新たに作成される経路探索エントリを先頭に示している。
【0136】
図9に示すように、送信元無線通信装置識別子を“D”、宛先無線通信装置識別子を“Y”、経路探索識別子を無線通信装置識別子がDの無線通信装置が管理している経路探索識別子に1加算した値“122”、新たな経路探索であるので試行回数を“0”、経路応答メッセージの受信待機を終了する満了時刻を“3795”と設定した経路探索エントリを新たに作成している。
【0137】
次に、経路探索部15は、図6に示すような、送信電力情報を格納した経路要求メッセージを作成して指定の電力にて送信する(S42)。
【0138】
上述の例の場合、送信電力情報フィールドには1mW、経路要求メッセージ識別子フィールドには新たな経路探索識別子122、宛先無線通信装置識別子フィールドにはY、送信元無線通信装置識別子フィールドにはDを示すビット列が格納された経路要求メッセージがネットワークコントローラ部13に渡され、ネットワークコントローラ部13が、IPヘッダの送信元に無線通信装置識別子がDの無線通信装置のIPアドレス、宛先IPアドレスには同報を意味するIPアドレスを格納してパケット化し、ローカル無線通信インタフェース11により送信電力1mWにて送信される。
【0139】
そして、経路応答メッセージの待機タイマが満了する満了時刻になったか否かを判定し(S43)、タイマが満了していなければ、送信電力情報を格納した対象となる経路応答メッセージを受信したか判定する(S44)。
【0140】
対象となる経路応答メッセージを受信していれば経路探索成功とし、タイマが満了するまでに対象となる経路応答メッセージを受信できなければ経路探索失敗とする。
【0141】
上述の例の場合、時刻3795になる前に、宛先無線通信装置識別子フィールドにはY、送信元無線通信装置識別子フィールドにはD、送信電力情報フィールドには1mWを示すそれぞれのビット列が格納された図7に示すような経路応答メッセージを受信した場合、経路探索が成功となる。
【0142】
図2に戻り、経路探索処理の結果を判定し(S23)、経路探索処理が成功した場合、経路情報記録部18の送信電力1mWのテーブルに新たな経路情報エントリを作成し、経路探索の結果得られた宛先無線通信装置識別子、次ホップ無線通信装置識別子、ホップ数、ライフタイム、有効フラグを記録する(S16)。ただし、既に経過情報エントリが存在する場合は、各フィールドの情報を更新する。
【0143】
そして、経路探索処理で作成した(図8のS41)経路探索エントリを削除し(S17)、S16で記録した経路情報を元に通信データをパケット化し、成功した経路探索処理で設定した電力を指定電力とし、IPヘッダにローカル無線通信インタフェース11から送信される信号の送信電力情報を付加し、ローカル無線通信インタフェース11によりパケットを送信する(S13)。上述の例では、指定電力は1mWとなる。
【0144】
経路探索処理が失敗した場合、経路探索部15は、経路探索に失敗した送信電力情報とともに再探索通知を経路探索送信電力変更部17に渡し、送信電力レベルを上げ(S24)、送信電力が通常送信電力に達しているか否かを判定する(S25)。
【0145】
通常送信電力に達していなければ、S22に戻り、設定した送信電力にて経路探索を行う。通常送信電力に達していれば、通常電力経路探索を行う(S14)。
【0146】
本実施の形態においては、送信電力を1mW、5mW、10mW、30mWと四段階にレベル分割しているので、1mWの省電力経路探索が失敗した場合には、次に送信電力を5mWに指定して省電力経路探索を行う。なお、送信電力は、このようにレベル分けをせず、リニアに変動させてもかまわない。
【0147】
次に、図10は、本実施の形態の無線通信装置において経路要求メッセージを受信した場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【0148】
ローカル無線通信インタフェース11は、同報フレームを受信すると、フレームを解析し、ヘッダ部分を解除してパケットをネットワークコントローラ部13に渡す。
【0149】
ネットワークコントローラ部13は、パケットを解析し、経路要求メッセージを抽出して経路探索部15に渡す。
【0150】
経路探索部15は、図10のフローチャートに示すように、経路探索エントリを参照し、受信した経路要求メッセージが既に受信しているものか否かを判定する(S51)。
【0151】
図5に示す経路探索エントリを所有する無線通信装置識別子がAの無線通信装置において、無線通信装置識別子がBの無線通信装置から無線通信装置識別子がDの無線通信装置への経路要求で、送信電力10mW、経路探索識別子が8である経路要求メッセージを受信した場合には、この経路要求メッセージは既に受信しているものとして廃棄し(S57)、受信処理を終了する。
【0152】
該当する経路探索エントリが存在しない場合、経路要求メッセージ内の各情報から経路探索エントリを作成する(S52)。なお、送信元無線通信装置と宛先無線通信装置との組合せに一致するエントリは存在するが、送信電力情報や経路探索識別子が異なる場合は、当該経路探索エントリを更新する。
【0153】
次に、経路探索部15は、経路情報の作成(更新)を行う(S53)。受信した経路要求メッセージに格納されている送信電力情報、送信元無線通信装置識別子、ホップ数、それぞれを経路情報エントリの{送信電力情報、宛先無線通信装置識別子、ホップ数}フィールドに、受信した経路要求メッセージを格納していたIPパケットのIPヘッダの送信元アドレスを{次ホップ無線通信装置識別子}フィールドに、経路要求メッセージ受信時刻から計算されるライフタイムを{ライフタイム}フィールドに記録し、有効フラグを有効にセットする。既に{送信電力情報、宛先無線通信装置識別子}の組合せの経路情報エントリが存在する場合は、経路情報エントリの各フィールドを更新するのみである。
【0154】
さらに、受信した経路要求メッセージの宛先無線通信装置識別子が自身の無線通信装置識別子に一致するか否かを判定する(S54)。
【0155】
一致する場合、受信した経路要求メッセージに格納されている送信電力情報、ホップ数、宛先無線通信装置識別子、送信元無線通信装置識別子、それぞれを、図7に示すフォーマットの各フィールドに格納した経路応答メッセージを作成する。なお、経路応答メッセージに格納するライフタイムは、経路応答メッセージを受信する各無線通信装置が経路情報エントリを保持する時間を格納する。
【0156】
作成された経路応答メッセージは、ネットワークコントローラ部13で経路情報記録部18の情報を元にIPヘッダが付加されてパケット化される。パケットはローカル無線通信インタフェース11に渡され、フレーム化され、経路応答メッセージ内の送信電力情報が示す値の電力にて送信される(S55)。
【0157】
受信した経路要求メッセージの宛先無線通信装置識別子が自身の無線通信装置識別子と一致しない場合、受信した経路要求メッセージのホップ数フィールドに1加算して新たな経路要求メッセージとし、ネットワークコントローラ部13に渡す。
【0158】
ネットワークコントローラ部13は、経路探索部15から受け取った経路要求メッセージに対し、送信元を自身の無線通信装置識別子、宛先に同報を意味するIPアドレスを格納したIPヘッダを付加してパケット化する。パケットはローカル無線通信インタフェース11に渡され、フレーム化され、経路要求メッセージ内の送信電力情報が示す値の電力にて送信される(S56)。
【0159】
次に、図11は、本実施の形態の無線通信装置において経路応答メッセージを受信した場合の処理を説明するためのフローチャートである。
【0160】
ローカル無線通信インタフェース11は、フレームを受信すると、フレームを解析し、自無線通信装置宛のフレームと認識すると、ヘッダ部分を解除してパケットをネットワークコントローラ部13に渡す。
【0161】
ネットワークコントローラ部13は、パケットを解析し、経路応答メッセージを抽出して経路探索部15に渡す。
【0162】
経路探索部15は、図11のフローチャートに示すように、経路応答メッセージの送信元無線通信装置識別子フィールドの値が自身の無線通信装置識別子と一致するか否かを判定する(S61)。すなわち、自身が経路要求メッセージの送信元であるか否かを判定する。
【0163】
自身が送信元である場合、経路応答メッセージを、図4または図8の経路探索処理の対応する経路応答メッセージを待ち合わせている処理(S34またはS44)に渡す(S62)。
【0164】
自身が送信元でない場合、受信した経路応答メッセージに格納されている送信電力情報、宛先無線通信装置識別子、ホップ数、ライフタイム、それぞれの値を経路情報エントリの{送信電力情報、宛先無線通信装置識別子、ホップ数、ライフタイム}フィールドに記録する。このエントリの{次ホップ無線通信装置識別子}フィールドは、受信した経路応答メッセージを格納していたIPパケットの送信元アドレスとし、{有効フラグ}フィールドを有効として記録する(S63)。既に{送信電力情報、宛先無線通信装置識別子}の組合せの経路情報エントリが存在する場合は、経路情報エントリの各フィールドを更新するのみである。
【0165】
次に、経路探索部15は、経路探索エントリの{送信元無線通信装置識別子、宛先無線通信装置識別子、送信電力情報}フィールドが受信した経路応答メッセージに一致するものを探し、該当する経路探索エントリを削除する(S64)。
【0166】
さらに、受信した経路応答メッセージ内に格納されている送信電力情報、および送信元無線通信装置識別子を{送信電力情報、宛先無線通信装置識別子}とする経路情報エントリが存在するか否かを判定する(S65)。すなわち、経路要求メッセージの送信元への経路情報を所有しているか否かを判定する。
【0167】
経路情報を所有している場合は、受信した経路応答メッセージのホップ数フィールドに1加算して新たな経路応答メッセージとし、ネットワークコントローラ部13に渡す。ネットワークコントローラ部13は、経路探索部15から受け取った経路応答メッセージに対し、自身の無線通信装置識別子を送信元アドレスとし、経路応答メッセージ内の送信電力情報、送信元無線通信装置識別子の組合せが{送信電力情報、宛先無線通信装置識別子}と一致する経路情報エントリの{次ホップ無線通信装置識別子}を宛先アドレスとしたIPヘッダを付加してパケット化する。パケットはローカル無線通信インタフェース11に渡され、フレーム化され、経路応答メッセージ内の送信電力情報が示す値の電力にて送信される(S66)。
【0168】
経路情報を所有していない場合、受信した経路応答メッセージの送信電力情報値を最小送信電力として、受信した経路応答メッセージの送信元無線通信装置識別子で示される無線通信装置への省電力経路探索を起動する(S67)。
【0169】
以上の手順で行われた経路探索により得られた経路情報と、受信したIPパケット内に格納されている送信電力情報を元に、各無線通信装置は、パケットの中継転送を行う。すなわち、自身が中継転送を行う無線通信装置である場合に、IPパケットに格納されている送信電力情報および宛先無線通信装置識別子を元に、経路情報記録部18に該当する有効なエントリがあるか探し、そのエントリに従って次ホップ無線通信装置宛に指定された送信電力にてパケットを転送する。
【0170】
次に、図12は、本実施の形態の無線通信装置において経路情報を変更する処理を説明するためのフローチャートである。
【0171】
広域無線通信受信環境監視部19は、広域無線通信インタフェース12から接続基地局情報を取得すると、現在所有している基地局識別情報と、広域無線通信インタフェース12から受け取った接続基地局情報が同一であるか否かを判定する(S71)。
【0172】
同一でない場合、すなわち、接続基地局を変更したと判定した場合、広域無線通信受信環境監視部19は、通信相手となる無線通信装置までの経路探索を行うように経路探索部15に指示する。
【0173】
経路探索部15は、この指示を受けると、自身が行っているデータ通信における宛先に対する経路情報エントリを経路情報記録部18から探し、該当する経路情報エントリに記録されている送信電力情報を最小送信電力とする(S72)。
【0174】
そして、最小送信電力が通常電力と等しいか否かを判定し(S73)、最小送信電力が通常電力に等しい場合、通常電力経路探索を起動する(S74)。
【0175】
最小送信電力が通常電力と等しくない場合、最小送信電力を初期値とし、省電力経路探索を起動する(S75)。
【0176】
このように本実施の形態においては、通信要求時に、経路情報を所有していないとき、リアルタイム性が要求されるデータ通信については通常電力での経路探索を行い、リアルタイム性が要求されないデータ通信については省電力での経路探索を行っているので、アドホックネットワーク内で定期的に経路情報を交換することなく、リアルタイム性が要求されないデータ通信に対する省電力かつ送信電力の公平性を保つことができる経路を獲得することができる。
【0177】
また、広域無線通信受信環境監視部19により、広域無線通信インタフェース12が接続している基地局が変わったとき、経路の探索を行っているので、周囲の環境変化によりトポロジ変化の発生を推測し、経路を変更するための経路探査処理を行うことで、トポロジ変化に迅速に対応してアドホックネットワークにおける経路の更新を行うことができる。
【0178】
なお、送信電力は、経路探索部15、ネットワークコントローラ部13、ローカル無線通信データリンク制御部112を経由して設定されることとしたが、経路探索送信電力決定部16あるいは経路探索部15が、ローカル無線通信物理インタフェース111の設定レジスタにアクセスして設定してもよい。
【0179】
また、図12の経路情報を更新する処理におけるS72において、経路情報エントリに記録されている送信電力情報を最小送信電力としたが、経路情報エントリに記録されている値ではなく、規定の最小送信電力としてもよい。
【0180】
また、経路探索送信電力決定部16、経路探索送信電力変更部17、経路探索部15、経路情報記録部18、広域無線通信受信環境監視部19の各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0181】
ここではLSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0182】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0183】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてある。
【0184】
(第2の実施の形態)
次に、図13は本発明の第2の実施の形態の無線通信装置を示す図である。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態と略同様に構成されているので、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分のみ説明する。
【0185】
本実施の形態は、広域無線通信受信環境監視部21が、広域無線通信インタフェース12が接続している基地局の変更だけでなく、他の広域無線通信受信環境を監視し、経路探索部15に経路探索の指示を出すことを特徴としている。
【0186】
図14は、本実施の形態の広域無線通信受信環境監視部21のブロック図である。
【0187】
図14に示すように、本実施の形態の広域無線通信受信環境監視部21は、収集した情報に基づいて経路探索部15に経路探索を行うように指示する経路探索起動信号生成部211と、監視する広域無線リンクの情報が設定される広域無線通信受信環境取得情報設定部212と、広域無線通信インタフェース12から広域無線リンクの情報を収集する広域無線通信受信環境情報収集部213とを備えている。
【0188】
広域無線通信受信環境取得情報設定部212は、広域無線通信受信環境監視部21において監視する広域無線通信リンクの情報が設定される。図15は、広域無線通信受信環境取得情報設定部212の例を示す図であり、広域無線通信受信環境取得情報フィールドおよびトリガ要件フィールドを設けている。
【0189】
図15では、接続している基地局の識別子が変わった場合、あるいは、受信電界強度差が19dBmを超えた場合に経路探索起動信号生成部211が経路探索部15に経路探索の指示を出すような設定になっている。
【0190】
この情報は、上位レイヤ処理部14からのイベントにより変更することができるようになっており、表示デバイスに表示された広域無線通信受信環境取得情報設定変更画面へのポインティングデバイスによる入力や、キー入力により変更することが可能になっている。
【0191】
例えば、以下のような変更が可能となる、
「基地局識別子のトリガ要件を、識別子が20回/分以上変わった場合とする。」
「基地局識別子のトリガ要件を無効化、あるいはエントリ自体を削除し、基地局識別子の変更では経路探索の起動を指示しないようにする。」
「受信電界強度のトリガ要件を、受信電界強度差が5dBmを超えた場合とする。」
あるいは、使用周波数、フレームエラーレート、ビットエラーレートなどを広域無線通信受信環境取得情報として新たに加え、それぞれ要件を設定するようにしてもよい。
【0192】
広域無線通信受信環境情報収集部213は、広域無線通信受信環境取得情報設定部212の広域無線通信受信環境取得情報フィールドに設定された情報を、広域無線通信インタフェース12から取得する。広域無線通信受信環境情報収集部213は、適宜広域無線通信インタフェース12に問い合わせる、あるいは、定期的に広域無線通信インタフェース12に送出させる、などしてこの情報を取得する。取得した情報は、経路探索起動信号生成部211が経路探索を行うように指示するか否かを判定するために用いる。
【0193】
経路探索起動信号生成部211は、広域無線通信受信環境情報収集部213から受け取った広域無線通信リンクの情報を元に、アドホックネットワークの経路情報を取得するか否かを決定する。
【0194】
広域無線通信リンクの受信環境が、広域無線通信受信環境取得情報設定部212に記録されている許容範囲を超えて変化したことを検出すると、経路探索部15に対して経路探索を行うように指示する。
【0195】
図16は、本実施の形態の経路情報更新処理を説明するためのフローチャートである。なお、広域無線通信受信環境取得情報設定部212の設定情報は、図15に示したものとする。
【0196】
経路探索起動信号生成部211は、広域無線通信受信環境情報収集部213から広域無線通信リンクの情報を受け取ると、図12と同様に、現在所有している基地局識別情報と、接続基地局情報が同一であるか否かを判定し(S71)、同一でない場合、通信相手となる無線通信装置までの経路探索を行うように経路探索部15に指示する。経路探索部15は、この指示を受けると、図12と同様に、自身が行っているデータ通信における宛先に対する経路情報エントリを探し、該当する経路情報エントリに記録されている送信電力情報を最小送信電力とし(S72)、最小送信電力が通常電力と等しいか否かを判定し(S73)、最小送信電力が通常電力に等しい場合、通常電力経路探索を起動し(S74)、最小送信電力が通常電力と等しくない場合、最小送信電力を初期値とし、省電力経路探索を起動する(S75)。
【0197】
現在所有している基地局識別情報と、接続基地局情報が同一である場合、経路探索起動信号生成部211は、広域無線通信受信環境情報収集部213から受け取った最新の受信電界強度と、直前の受信電界強度との差が10dBmを超えているか否かを判定する(S81)。
【0198】
受信電界強度差が10dBmを超えている場合、通信相手となる無線通信装置までの経路探索を行うように経路探索部15に指示し、経路探索部15は、この指示を受けると、経路探索を起動する(S72からS75)。
【0199】
受信電界強度差が10dBmを超えていない場合、S71に戻り、接続基地局が変更されたか判定を行う。
【0200】
このように本実施の形態においては、広域無線通信環境において、接続する基地局の変化がない場合も、他の広域無線通信受信環境を監視し、周囲の環境変化によるトポロジ変化の発生を推測し、経路を更新するための経路探索処理を行っているので、トポロジ変化に対応してアドホックネットワークにおける経路の更新を行うことができる。
【0201】
また、経路探索処理を行うトリガ要件情報をユーザが変更することで、ユーザ嗜好に合わせた経路再探索を行わせることができる。
【0202】
なお、経路探索送信電力決定部16、経路探索送信電力変更部17、経路探索部15、経路情報記録部18、経路探索起動信号生成部211、広域無線通信受信環境取得情報設定部212、広域無線通信受信環境情報収集部213の各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0203】
ここではLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0204】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGAや、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0205】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてある。
【0206】
本実施の形態の他の態様としては、CDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いた移動通信網の基地局において、遠近問題を解決するために実施される送信電力制御の情報を広域無線通信受信環境取得情報として用いるようにする。図17は、このときの広域無線通信受信環境取得情報設定部212を示す図である。
【0207】
送信電力制御とは、基地局が収容している多数の無線通信装置からの送信信号を、基地局において同一レベルで受信することができるように、無線通信装置の送信信号電力を制御するものである。
【0208】
図17に示すように、広域無線通信受信環境情報収集部213は、送信電力制御の結果、自無線通信装置が広域無線通信インタフェース12を介して送信する信号の電力情報を広域無線通信インタフェース12から取得するように設定され、経路探索を起動するトリガ要件としては、送信電力制御の結果、自無線通信装置から広域無線通信インタフェース12を介して送信する信号の電力が、3dB以上変化した場合としている。
【0209】
この場合の経路情報更新処理は、経路探索起動信号生成部211が、広域無線通信受信環境情報収集部213から受け取った最新の送信電力と、直前の送信電力との差が3dB以上か否かを判定し、最新の送信電力と直前の送信電力との差が3dB以上である場合、通信相手となる無線通信装置までの経路探索を行うように経路探索部15に指示する。経路探索部15は、この指示を受けると、図16と同様に、自身が行っているデータ通信における宛先に対する経路情報エントリを探し、該当する経路情報エントリに記録されている送信電力情報を最小送信電力とし(S72)、最小送信電力が通常電力と等しいか否かを判定し(S73)、最小送信電力が通常電力に等しい場合、通常電力経路探索を起動し(S74)、最小送信電力が通常電力と等しくない場合、最小送信電力を初期値とし、省電力経路探索を起動する(S75)。
【0210】
送信電力変動が3dB以上でない場合、新しい送信電力情報を取得し、送信電力変動が3dB以上でないか判定を行い、これを繰り返す。
【0211】
このように構成することによって、広域無線通信環境において、送信電力制御による送信電力値の変化により、自無線通信装置と基地局との間の通信環境の変化を認識し、トポロジの変化の発生を推測し、経路を更新するための経路探索処理を行うことができ、トポロジ変化に迅速に対応してアドホックネットワークにおける経路の更新を行うことができる。
【0212】
(第3の実施の形態)
次に、図18は本発明の第3の実施の形態の無線通信装置を示す図である。なお、本実施の形態は、上述の第1の実施の形態と略同様に構成されているので、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分のみ説明する。
【0213】
本実施の形態は、近距離での無線通信を行う近距離通信デバイスインタフェース31と、近距離通信デバイスインタフェース31が受信した近隣通知メッセージの受信電界強度により近隣の無線通信装置の位置関係を推定し、近隣の無線通信装置の位置関係に変化が生じた場合に経路探索部15に経路探索を行うように指示する近隣無線通信装置監視部32とを備え、近隣に位置する無線通信装置の位置関係によりトポロジ変化の発生を推測し、経路を変更するための経路探索処理を行うことを特徴とする。
【0214】
近距離通信デバイスインタフェース31は、近距離通信デバイス物理インタフェース311と、近距離通信デバイスデータリンク制御部312とを備えている。
【0215】
近距離通信デバイス物理インタフェース311は、近距離通信デバイスデータリンク制御部312から受け取った信号に変調を施して無線信号に変換し、アンテナから送信する処理と、アンテナから受信した無線信号を復調し、デジタル信号を近距離通信デバイスデータリンク制御部312に渡す処理とを行う。
【0216】
近距離通信デバイスデータリンク制御部312では、ネットワークコントローラ部13から得たパケットに使用するデータリンク層によって定められた所定のフォーマットでのフレーミングを行い、近距離通信デバイス物理インタフェース311に渡す処理と、近距離通信デバイス物理インタフェース311から受け取ったデジタル信号からデータリンク層ヘッダ、テイラを取り外してネットワークコントローラ部13に渡す処理と、使用するデータリンク層によって定められたアクセス方式に従い、無線メディアのアクセス権を獲得する処理とを行う。
【0217】
また、近距離通信デバイスインタフェース31は、受信した近隣の無線通信装置からの近隣通知メッセージの受信電力情報を近隣無線通信装置監視部32に渡す。
【0218】
近距離通信デバイスインタフェース31は、BLUETOOTH(登録商標)、UWBなどの通信方式により規定される。また、アドホック通信を行わないIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n、IEEE802.11e方式としてもよい。
【0219】
近隣無線通信装置監視部32では、近距離通信デバイスインタフェース31を経由して直接に通信を行うことができる無線通信装置識別子を管理する。近距離通信デバイスインタフェース31経由で受信した近隣通知メッセージの送信元無線通信装置識別子、および近隣通知メッセージの受信電界強度を、近隣無線通信装置情報管理テーブルに記録する。
【0220】
近隣無線通信装置監視部32は、近隣無線通信装置情報管理テーブルに記録されている情報から、近隣の無線通信装置との位置関係を推定する。
【0221】
近隣無線通信装置監視部32は、近隣の無線通信装置との位置関係に変化が生じた場合、経路探索部15に経路探索を行うように指示する。
【0222】
図19は、近隣無線通信装置情報管理テーブルの例を示したものである。無線通信装置は、近隣に無線通信装置識別子がAの無線通信装置とBの無線通信装置が存在することを認識しており、近隣通知メッセージの受信電界強度は10dBと12dBである。
【0223】
図19に示した近隣無線通信装置情報管理テーブルから、自無線通信装置と無線通信装置識別子がAの無線通信装置とBの無線通信装置の位置関係は、自無線通信装置に近い順に無線通信装置識別子がBの無線通信装置、無線通信装置識別子がAの無線通信装置と推定する。
【0224】
図20は、別の時刻における近隣無線通信装置情報管理テーブルの例を示したものである。無線通信装置は、近隣に無線通信装置識別子がAの無線通信装置とBの無線通信装置が存在することを認識しており、近隣通知メッセージの受信電界強度は15dBと8dBである。
【0225】
このため、自無線通信装置と無線通信装置識別子がAの無線通信装置とBの無線通信装置の位置関係は、自無線通信装置に近い順に無線通信装置識別子がAの無線通信装置、無線通信装置識別子がBの無線通信装置と推定し、経路探索部15に経路探索を行うように指示する。
【0226】
図21は、本実施の形態の経路情報更新処理を説明するためのフローチャートである。
【0227】
近隣無線通信装置監視部32では、現在認識している近隣無線通信装置の位置関係に変化が無いか否かを判定する(S91)。
【0228】
変化がある場合、通信相手となる無線通信装置までの経路探索を行うように経路探索部15に指示する。経路探索部15は、この指示を受けると、図12と同様に、自身が行っているデータ通信における宛先に対する経路情報エントリを探し、該当する経路情報エントリに記録されている送信電力情報を最小送信電力とし(S72)、最小送信電力が通常電力と等しいか否かを判定し(S73)、最小送信電力が通常電力に等しい場合、通常電力経路探索を起動し(S74)、最小送信電力が通常電力と等しくない場合、最小送信電力を初期値とし、省電力経路探索を起動する(S75)。
【0229】
位置関係に変化が無い場合、S91に戻り、位置関係に変化があったか判定を行う。
【0230】
このように本実施の形態においては、無線通信装置の近隣に位置する無線通信装置の位置関係を推定し、位置関係に変更が生じた場合にトポロジ変化の発生を推測し、経路を更新するための経路探索処理を行っているので、トポロジ変化に迅速に対応してアドホックネットワークにおける経路の更新を行うことができる。
【0231】
なお、経路探索送信電力決定部16、経路探索送信電力変更部17、経路探索部15、経路情報記録部18、近隣無線通信装置監視部32の各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0232】
ここではLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0233】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGAや、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0234】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてある。
【0235】
また、本実施の形態においては、近隣通知メッセージの受信電界強度により自無線通信装置との位置関係を推定したが、近距離通信デバイスインタフェース31にUWBのように測位可能なインタフェースを用いる、あるいは近距離通信デバイスインタフェース31の代りに測位に特化したGPS(Global Positioning System)デバイスを用いることで、自無線通信装置との距離を計測することが可能となり、この距離情報を近隣無線通信装置情報管理テーブルに記録して、位置関係を推定するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0236】
以上のように、本発明にかかる無線通信装置は、アドホックネットワーク内で定期的に経路情報を交換することなく、リアルタイム性が要求されないデータ通信に対する省電力かつ送信電力の公平性を保つことができる経路を獲得することができるという効果を有し、アドホックネットワークや自律分散通信ネットワーク等における無線通信装置等に有用である。また、基幹網を簡易に構築する移動型の基地局等にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0237】
【図1】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置のブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置のデータ送信時の処理の説明のためのフローチャート
【図3】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路情報エントリの一例を示す図
【図4】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の通常電力経路探索処理の説明のためのフローチャート
【図5】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路探索エントリの一例を示す図
【図6】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路要求メッセージフォーマットを示す図
【図7】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路応答メッセージフォーマットを示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の省電力経路探索処理の説明のためのフローチャート
【図9】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路探索エントリの一例を示す図
【図10】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路要求メッセージ受信処理の説明のためのフローチャート
【図11】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路応答メッセージ受信処理の説明のためのフローチャート
【図12】本発明の第1の実施の形態における無線通信装置の経路情報更新処理の説明のためのフローチャート
【図13】本発明の第2の実施の形態における無線通信装置のブロック図
【図14】本発明の第2の実施の形態における無線通信装置の広域無線通信受信環境監視部のブロック図
【図15】本発明の第2の実施の形態における無線通信装置の広域無線通信受信環境取得情報設定部の設定例を示す図
【図16】本発明の第2の実施の形態における無線通信装置の経路情報更新処理の説明のためのフローチャート
【図17】本発明の第2の実施の形態の他の態様における無線通信装置の広域無線通信受信環境取得情報設定部の設定例を示す図
【図18】本発明の第3の実施の形態における無線通信装置のブロック図
【図19】本発明の第3の実施の形態における無線通信装置の近隣無線通信装置情報管理テーブルの一例を示す図
【図20】本発明の第3の実施の形態における無線通信装置の近隣無線通信装置情報管理テーブルの他の例を示す図
【図21】本発明の第3の実施の形態における無線通信装置の経路情報更新処理の説明のためのフローチャート
【符号の説明】
【0238】
11 ローカル無線通信インタフェース
111 ローカル無線通信物理インタフェース
112 ローカル無線通信データリンク制御部
12 広域無線通信インタフェース
121 広域無線通信物理インタフェース
122 広域無線通信データリンク制御部
13 ネットワークコントローラ部
14 上位レイヤ処理部
15 経路探索部
16 経路探索送信電力決定部
17 経路探索送信電力変更部
18 経路情報記録部
19 広域無線通信受信環境監視部
21 広域無線通信受信環境監視部
211 経路探索起動信号生成部
212 広域無線通信受信環境取得情報設定部
213 広域無線通信受信環境情報収集部
31 近距離通信デバイスインタフェース
311 近距離通信デバイス物理インタフェース
312 近距離通信デバイスデータリンク制御部
32 近隣無線通信装置監視部




 

 


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