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発明の名称 動画像予測方法、動画像符号化方法及び装置、動画像復号化方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6527(P2007−6527A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2006−231055(P2006−231055)
出願日 平成18年8月28日(2006.8.28)
代理人 【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
発明者 角野 眞也 / チョン スン・リム / テック ウィー・フー / シェン メイ・シェン
要約 課題
スケーリング処理による動画像の予測において、計算量とメモリ容量の削減が可能な動画像予測方法を提供する。

解決手段
時刻T0の値P0、時刻T1の値P1から時刻Tの値Pを予測する方法であって、時刻T0、時刻T1および時刻Tを用いたスケーリングで所定の有効ビット数で予測値を生成することが可能か否かを判断するステップと(ステップS90)、所定の有効ビット数で予測値を生成することが可能である場合は時刻T0、時刻T1および時刻Tを用いたスケーリングで値P0と値P1から値Pを予測するステップ(ステップS92)と、所定の有効ビット数で予測値を生成することが不可能である場合は時刻T0、時刻T1および時刻Tを用いずに値P0と値P1から値Pを予測するステップ(ステップS91)とを含む。
特許請求の範囲
【請求項1】
2枚の参照ピクチャの画素値を用いて対象ピクチャの予測画素値を生成し、該予測画素値を用いて前記対象ピクチャを符号化する画像符号化方法であって、
所定の条件に基づいて、前記対象ピクチャの予測画素値を算出する予測画素値生成ステップと、
前記予測画素値生成ステップによって算出された予測画素値を用いて、前記対象ピクチャを符号化する符号化ステップと、を含むことを特徴とする画像符号化方法。
【請求項2】
2枚の参照ピクチャの画素値を用いて対象ピクチャの予測画素値を生成し、該予測画素値を用いて前記対象ピクチャを符号化する画像符号化方法であって、
前記対象ピクチャと第1参照ピクチャとの時間間隔に対応する第1パラメータを算出する第1パラメータ算出ステップと、
前記第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとの時間間隔に対応する第2パラメータを算出する第2パラメータ算出ステップと、
前記第1パラメータおよび前記第2パラメータに基づいて算出される第3パラメータの値があらかじめ設定された所定範囲に含まれるか否かを判断する判断ステップと、
(i)前記判断ステップにおいて、前記第3パラメータの値が前記所定範囲に含まれる場合には、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータを用いて算出される重み係数を用いて、前記第1参照ピクチャおよび第2参照ピクチャの画素値をスケーリングすることにより、前記対象ピクチャの予測画素値を算出し、
(ii)前記判断ステップにおいて、前記第3パラメータの値が前記所定範囲に含まれない場合には、所定値の重み係数を用いて、前記第1参照ピクチャおよび第2参照ピクチャの画素値をスケーリングすることにより、前記対象ピクチャの予測画素値を算出する、予測画素値生成ステップと、
前記予測画素値生成ステップによって算出された予測画素値を用いて、前記対象ピクチャを符号化する符号化ステップと、を含むことを特徴とする画像符号化方法。
【請求項3】
2枚の参照ピクチャの画素値を用いて対象ピクチャの予測画素値を生成し、該予測画素値を用いて前記対象ピクチャを符号化する画像符号化装置であって、
前記対象ピクチャと第1参照ピクチャとの時間間隔に対応する第1パラメータを算出する第1パラメータ算出手段と、
前記第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとの時間間隔に対応する第2パラメータを算出する第2パラメータ算出手段と、
前記第1パラメータおよび前記第2パラメータに基づいて算出される第3パラメータの値があらかじめ設定された所定範囲に含まれるか否かを判断する判断手段と、
(i)前記判断手段において、前記第3パラメータの値が前記所定範囲に含まれる場合には、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータを用いて算出される重み係数を用いて、前記第1参照ピクチャおよび第2参照ピクチャの画素値をスケーリングすることにより、前記対象ピクチャの予測画素値を算出し、
(ii)前記判断手段において、前記第3パラメータの値が前記所定範囲に含まれない場合には、所定値の重み係数を用いて、前記第1参照ピクチャおよび第2参照ピクチャの画素値をスケーリングすることにより、前記対象ピクチャの予測画素値を算出する、予測画素値生成手段と、
前記予測画素値生成ステップによって算出された予測画素値を用いて、前記対象ピクチャを符号化する符号化手段と、を含むことを特徴とする画像符号化装置。
【請求項4】
画像信号を符号化処理するプログラムを格納したデータ記憶媒体であって、
前記プログラムは、コンピュータに、請求項2に記載の画像符号化方法により前記符号化処理を行なわせることを特徴とする、データ記憶媒体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像における画素値の予測方法に関し、特に、2つのピクチャに基づいて時間的にスケーリング処理を行う予測方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
動画像符号化においては、一般に、動画像が有する空間方向および時間方向の冗長性を利用して情報量の圧縮を行う。ここで、時間方向の冗長性を利用する方法として、ピクチャ間予測符号化が用いられる。ピクチャ間予測符号化では、あるピクチャを符号化する際に、時間的に前方または後方にあるピクチャを参照ピクチャとする。そして、その参照ピクチャからの動き量を検出し、動き補償を行ったピクチャと符号化対象のピクチャとの差分値に対して空間方向の冗長度を取り除くことにより情報量の圧縮を行う。
【0003】
このような動画像符号化方式では、ピクチャ間予測符号化を行わない、すなわちピクチャ内符号化を行うピクチャをIピクチャと呼ぶ。ここでピクチャとは、フレームおよびフィールドの両者を包含する1つの符号化の単位を意味する。また、既に処理済みの1枚ピクチャを参照してピクチャ間予測符号化するピクチャをPピクチャと呼び、既に処理済みの2枚のピクチャを参照してピクチャ間予測符号化するピクチャをBピクチャと呼ぶ。
【0004】
ところで、Bピクチャは、2つの参照ピクチャに基づいて、スケーリング処理(ピクチャの間隔に基づく比例計算)によって、画素値が予測(「重み付け予測」とも言う。)されたり、動きベクトルが算出されたりする。なお、ピクチャの間隔としては、例えばピクチャの有する時間情報の差、ピクチャごとに割り当てられるピクチャ番号の差、ピクチャの表示順序を示す情報の差などがある。
【0005】
図1は、2つの参照ピクチャに基づく重み付け予測によって、Bピクチャの予測画素値を算出する過程を示す従来技術の一例を示す。本図に示されるように、Bピクチャの予測画素値Pは、2つの参照ピクチャブロック1及び2の画素値P0及びP1を用いた重み付け加算によって決定される。式中の重み係数a及びbは、例えば、いずれも1/2である。
【0006】
図2及び図3は、2つの参照ピクチャ(ブロック1及び2)に基づいて、スケーリングを行うことによってBピクチャ(符号化対象ブロック)の予測画素値を算出する過程を示す他の例である(例えば、非特許文献1参照。)。ここで、図2は、Bピクチャ(符号化対象ブロック)が前方向のピクチャ(ブロック1)と後方向のピクチャ(ブロック2)を参照している場合の例を示し、図3は、Bピクチャ(符号化対象ブロック)が2つの前方向のピクチャ(ブロック1及びブロック2)を参照している場合の例を示している。なお、図中のW0及びW1は、スケーリング処理(ここでは、画素値の重み付け予測)における重み係数であり、それぞれ、ブロック1の画素値に乗じる重み係数、ブロック2の画素値に乗じる重み係数であり、以下の式で表される。
【0007】
W0=(128×(T1−T))/(T1−T0) (式1)
W1=(128×(T−T0))/(T1−T0) (式2)
【0008】
ここで、T、T0、T1は、それぞれ、符号化対象ブロック、前方向の参照ブロック1、後方向の参照ブロックに付された時間(タイムスタンプ等)である。
【0009】
このとき、対象ブロックの予測画素値Pは、以下の式によって、算出される。
【0010】
P=(P0×W0+P1×W1+64)≫7 (式3)
【0011】
ここで、「≫」は、右方向へのビットシフトを意味する。つまり、「≫7」は、「÷(2の7乗)」を意味する。なお、上記式3は、画素値が輝度信号の値を示す場合であるが、画素値が色差を示す場合には、以下の式で表される。
【0012】
P=128+((P0−128)×W0+(P1−128)×W1+64)≫7 (式4)
【0013】
図4は、これらの式を用いた具体的な算出手順を示すフローチャートである。時刻T、T1、T0を取得した後に(ステップS401)、時刻T1とT0が等しい、つまり、式1及び式2に示された重み係数W0及びW1の式における分母がゼロになるか否かを判断し(ステップS402)、ゼロになる場合には(ステップS402でYes)、重み係数W0及びW1を128とし(ステップS403)、そうでない場合には(ステップS402でNo)、上記式1及び式2に従って重み係数W0及びW1を算出し(ステップS404)、最後に、それらの重み係数W0及びW1、参照ブロック1の画素値P0及び参照ブロック2の画素値P1を用いて、上記式3又は式4に従って、符号化対象ブロックの予測画素値Pを算出する(ステップS405)。このように、2つの参照ブロックの画素値を用いて、時間的なスケーリングを行うことで、符号化対象ブロックの予測画素値が算出される。
【0014】
ところで、このような時間的なスケーリング処理においては、上記式1及び式2に示されるように、重み係数の算出のために除算が必要となるが、除算は乗算に比べ、演算に必要なリソースが大きいことから、除算を行う代わりに、除数の逆数を予め計算してルックアップテーブル等に格納しておき、その逆数を用いて乗算を行うことが一般的である。
【0015】
なお、図1、図2および図3でブロック1およびブロック2はPピクチャとしたが、IピクチャやBピクチャであっても良く、Pピクチャに拘るものではない。
【非特許文献1】Joint Video Team (JVT) of ISO/IEC MPEG and ITU-T VCEG Joint Committee Draft 2002-05-10、JVT-C167 11.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、予め計算された逆数を用いる方法では、重み係数を算出する式における除数の種類が多い場合には、予め計算しておく逆数の種類も多くなる。例えば、式1、式2で示したT0およびT1がとり得る値がそれぞれ30通りとすると、単純に計算して900通りの除算が逆数計算のために必要となり逆数演算の演算量が非常に大きくなる。更に、逆数を格納しておくルックアップテーブル等の記憶容量が多く必要とされるという問題もある。
【0017】
また、上記式1及び式2における分母(重み係数の除数)が小さくなると、重み係数(商)が非常に大きくなり、例えば、予測画素値が16ビットで表現できる値を超えてしまうという問題がある。そのために、例えば、32ビットによる演算を行う必要が生じる等、演算に必要な演算精度(有効演算桁数)が増加するため、演算装置の規模が大きくなってしまう。
【0018】
そこで、本発明は、このような状況に鑑み、時間的なスケーリング処理による動画像の予測において、そこで用いられる除数の逆数を予め計算してメモリに格納しておく場合に、そのメモリの記憶容量が小さくて済むことを可能にする動画像予測方法等を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、時間的なスケーリング処理による動画像の予測において、演算に必要な有効演算桁数を増大させることなく、小さな規模の演算で済むことを可能にする動画像予測方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明に係る動画像予測方法は、動画像を構成するピクチャの画素値を2枚の参照ピクチャの画素値に基づいて予測する方法であって、予測対象ピクチャと第1参照ピクチャとの間隔に対応する第1パラメータを算出する第1パラメータ算出ステップと、前記第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとの間隔に対応する第2パラメータを算出する第2パラメータ算出ステップと、前記第1パラメータおよび前記第2パラメータに基づいて算出される第3パラメータがあらかじめ設定された所定範囲に含まれるか否かを判断する第1判断ステップと、前記第1判断ステップでの判断の結果、前記第3パラメータが前記所定範囲に含まれる場合、前記第1パラメータ、前記第2パラメータ、前記第1参照ピクチャおよび第2参照ピクチャの画素値に基づいてスケーリングを行うことにより、前記予測対象ピクチャの画素値を算出する第1予測ステップと、前記第1判断ステップでの判断の結果、前記第3パラメータが前記所定範囲に含まれない場合、あらかじめ設定された所定値、前記第1参照ピクチャおよび第2参照ピクチャの画素値に基づいてスケーリングを行うことにより、前記予測対象ピクチャの画素値を算出する第2予測ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
ここで、スケーリング処理とは、2枚の参照ピクチャの画素値から予測対象ピクチャの画素値を算出するときの各重み係数を求める処理である。
【0022】
これによって、スケーリング処理における重み係数の値の1つである第3パラメータに制限を設け、重み係数が所定範囲内の場合には、その重み係数を用いたスケーリング処理を行うが、重み係数が所定範囲外である場合には、重み係数を所定値とし、その重み係数を用いたスケーリング処理を行うので、予測対象ピクチャの画素値を求めるときに、常に所定の有効ビット数での計算が可能になる。
【0023】
また、前記動画像予測方法は、さらに、前記第1パラメータがあらかじめ設定された所定範囲に含まれるか否かを判断する第2判断ステップを含み、前記第2判断ステップでの判断の結果、前記第1パラメータが前記所定範囲に含まれない場合、前記第2予測ステップでの予測を行うことが好ましい。
【0024】
これによって、スケーリング処理における除数の値となる第1パラメータに制限を設け、除数が所定範囲内の値である場合には、さらにその除数によって特定される重み係数が所定範囲に含まれるか否かを判断して上記のように処理を行い、一方、除数が所定範囲を超えている場合には、予め定めた値を重み係数としてスケーリング処理を行うので、予測対象ピクチャの画素値を求めるときに、除数の逆数を計算する演算量や記憶するメモリ量が小さく抑えられる。
【0025】
また、前記動画像予測方法は、さらに、前記第2パラメータがあらかじめ設定された所定範囲に含まれるか否かを判断する第3判断ステップを含み、前記第3判断ステップでの判断の結果、前記第2パラメータが前記所定範囲に含まれない場合、前記第2予測ステップでの予測を行ってもよい。
【0026】
これによって、スケーリング処理における乗数の値となる第2パラメータに制限を設け、乗数が所定範囲内の値である場合には、さらにその乗数によって特定される重み係数が所定範囲に含まれるか否かを判断して上記のように処理を行い、一方、乗数が所定範囲を超えている場合には、予め定めた値を重み係数としてスケーリング処理を行うので、予測対象ピクチャの画素値を求めるときに、計算する演算量が小さく抑えられる。
【0027】
なお、本発明は、このような動画像予測方法として実現することができるだけでなく、このような動画像予測方法に含まれるステップを手段とする動画像予測装置として実現したり、そのような動画像予測方法を行う動画像符号化方法・装置及び動画像復号化方法・装置として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0028】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る動画像予測方法によって、2つの参照ピクチャを用いたスケーリング処理が効率化される。これによって、スケーリング処理に伴う計算量とメモリ容量が削減される。
【0029】
つまり、予測画素値の生成や動きベクトルの生成において、重み係数の算出における除算を避けるために必要な逆数演算の回数と逆数を保存するルックアップテーブル等のメモリサイズが削減される。また、所定の有効ビット数(例えば、16ビット)でスケーリング処理が行われ、回路規模の肥大化が回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る動画像予測方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図5は、本発明に係る動画像予測方法を用いた動画像符号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0032】
動画像符号化装置は、ピクチャメモリ101、予測残差符号化部102、符号列生成部103、予測残差復号化部104、ピクチャメモリ105、動きベクトル検出部106、動き補償符号化部107、動きベクトル記憶部108、差分演算部110、加算演算部111、およびスイッチ112、113を備える。
【0033】
ピクチャメモリ101は、表示時間順にピクチャ単位で入力された動画像を格納する。動きベクトル検出部106は、符号化済みの復号化画像データを参照ピクチャとして用いて、そのピクチャ内の探索領域において最適と予測される位置を示す動きベクトルの検出を行う。
【0034】
動き補償符号化部107は、動きベクトル検出部106で検出された動きベクトルを用いてブロックの符号化モードを決定し、この符号化モードに基づいて予測画像データ(予測画素値)を生成する。例えば、2枚の参照ピクチャを用いたピクチャ間予測符号化モードの場合には、動き補償符号化部107は、動きベクトル検出部106で検出された動きベクトルを用いて2枚の参照ピクチャから2つの参照ブロックの画素値を求め、予測画像データを生成する。つまり、本発明に係る特徴的なスケーリング処理によって、画素値の重み付け予測を行い、2つの参照ブロックの画素値より処理対象ブロックの画素値を求める。また、動き補償符号化部107は、第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとの間隔に対応する値(所定の範囲に制限した値)とその逆数とを対応付けて記憶するルックアップテーブルを有しており、このルックアップテーブルを参照してスケーリング処理を行う。
【0035】
動きベクトル記憶部108は、動きベクトル検出部106で検出された動きベクトルを記憶する。この動きベクトル記憶部108に記憶された動きベクトルは、例えば参照ピクチャの有する動きベクトルをスケーリング処理して処理対象ブロックの動きベクトルを予測する時間的ダイレクトモードの際に参照される。差分演算部110は、ピクチャメモリ101より読み出された画像データと、動き補償符号化部107より入力された予測画像データとの差分を演算し、予測残差画像データを生成する。
【0036】
予測残差符号化部102は、入力された予測残差画像データに対して周波数変換や量子化等の符号化処理を行い、符号化データを生成する。符号列生成部103は、入力された符号化データに対して可変長符号化等を行い、さらに動き補償符号化部107から入力された動きベクトルの情報、および符号化モードの情報等を付加することにより符号列を生成する。
【0037】
予測残差復号化部104は、入力された符号化データに対して逆量子化や逆周波数変換等の復号化処理を行い、復号化差分画像データを生成する。加算演算部111は、予測残差復号化部104より入力された復号化差分画像データと、動き補償符号化部107より入力された予測画像データとを加算し、復号化画像データを生成する。ピクチャメモリ105は、生成された復号化画像データを格納する。
【0038】
次に、以上のように構成された動画像符号化装置の特徴的な動作について説明する。ここでは、一例として、動き補償符号化部107によるBピクチャの予測画素値の生成、つまり、重み付け予測について、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0039】
動き補償符号化部107は、以下の式に基づいて、符号化対象ブロックの予測画素値を算出する。
【0040】
P=P0+((P1−P0)×BWD)≫LWD (式5)
【0041】
ここで、BWD及びLWDは、以下の式6〜式9で特定される値である。
【0042】
BWD0=((T−T0)≪7)/(T1−T0) (式6)
【0043】
ここで、「≪」は、左方向へのビットシフトを意味する。つまり、「≪7」は、「×(2の7乗)」を意味する。
【0044】
LWD0=Ceil(log2(1+(abs(BWD0)≫7)) (式7)
【0045】
ここで、関数Ceil(x)は、xを、x以上で、かつ、xに最も近い整数に丸める関数である。関数abs(x)は、xの絶対値を返す関数である。
【0046】
BWD=BWD0≫LWD0 (式8)
LWD=7−LWD0 (式9)
【0047】
なお、式7に示されるように、LWD0は、abs(BWD0)≫7の整数値のビット数をも意味する。
【0048】
以上の式から分かるように、本実施の形態では、画素値が8ビットで表現されるとすれば、上記式6、式7、式8、式9の演算は全て16ビットの演算になる。従って、上記式5に示されるスケーリング処理は16ビットの有効ビット数の範囲内で行われることが保証される。つまり、上記式8によって、上記式5における乗算が16ビットの有効ビット数を超えないように、重み係数が制限されるのである。これによって、Bピクチャの重み付け予測は、常に16ビットの有効ビット数内で実現される。なお、処理量の削減のために、BWD及びLWDについては、予め計算しておき、ピクチャ又はスライスの開始時点に置かれるルックアップテーブル等に格納しておいてもよい。
【0049】
なお、本実施の形態では、重み係数の算出のための計算回数を削減するために、上記の制限のほかに、別の制限を適用することが可能である。それは、ブロック1の参照ピクチャが第2参照リスト(list1)における最初の参照ピクチャでない場合には、デフォールトの重み係数を用いる、という制限である。ここでは、第2参照リストにおける最初の参照ピクチャは、第2参照リストにおけるインデックス0が付された参照ピクチャである。
【0050】
ここで、参照リストとは、参照ピクチャを特定するための相対的な番号(インデックス)の列であり、Bピクチャが参照する2つのピクチャを特定するために、第1参照リストと第2参照リストとが用いられる。第1参照リストは1番目の動きベクトルの参照リストであり通常は前方予測に使われ、第2参照リストは2番目の動きベクトルの参照リストであり通常は後方予測に使われる。インデックスは通常は対象画像と画素相関が大きい参照ピクチャに小さい番号が割り当てられており、最も小さい番号は0である。また、重み係数のデフォールト値は、BWD=1、LWD=1が好ましい。ただし、LWD0が7より大きい値となる場合には、異なるデフォールト値、例えば、BWD=1、LWD=0と設定されてもよい。
【0051】
図6は、動き補償符号化部107による重み付け予測の処理手順を示すフローチャートである。まず、P0、P1、T、T0、T1が取得されると(ステップS501)、ブロック2が属する参照ピクチャが第2参照リストにおける最初の参照ピクチャ(つまり、list1におけるインデックス0)であるか否かが判断される(ステップS502)。
【0052】
その結果、ブロック2が属する参照ピクチャが第2参照リストにおける最初の参照ピクチャでない場合には(ステップS502でNo)、重み係数は第1のデフォールト値に設定される(ステップS504)。ここで、「重み係数が第1のデフォールト値に設定される」とは、BWD=1、LWD=1を意味する。
【0053】
一方、ブロック2が属する参照ピクチャが参照リストにおける最初の参照ピクチャである場合には(ステップS502でYes)、時刻T1とT0が等しいか否かが判断される(ステップS503)。その結果、T1とT0が等しい場合には(ステップS503でYes)、重み係数は第1のデフォールト値に設定され(ステップS504)、一方、T1とT0が等しくない場合には(ステップS503でNo)、上記式6及び式7に従って、BWD0及びLWD0が算出される(ステップS505)。
【0054】
続いて、LWD0が7よりも大きいか否かが判断され(ステップS506)、7よりも大きい場合には(ステップS506でYes)、重み係数は第2のデフォールト値に設定される(ステップS507)。ここで、「重み係数が第2のデフォールト値に設定される」とは、BWD=1、LWD=0を意味する。一方、LWD0が7以下である場合には(ステップS506でNo)、上記式8及び式9に従って、BWD及びLWDが算出される(ステップS508)。
【0055】
そして、以上のようにして決定されたBWD及びLWDを用いて、上記式5に従って、符号化対象ブロックの予測画素値Pが算出される(ステップS509)。
【0056】
このように、上記制限(ステップS502、S503、S504、S506、S507)、つまり、一定条件が満たされた場合に重み係数を所定値に固定することで、計算の回数、及び、重み係数用のルックアップテーブルに必要とされる記憶サイズは、従来に比べ、極めて小さくなる。また、必要な除算の回数は、ルックアップテーブルに記憶する重み係数の個数から1を引いた値に等しくなる。これは、ルックアップテーブルのエントリにおける残り部分では、デフォールト値の重み係数が用いられるからである。つまり、一部の重み係数だけが計算によって算出されることになる。
【0057】
なお、以上の重み付け予測は、画素値が輝度を示す場合だけでなく、色差を示す場合にも成り立つことは言うまでもない。たとえば、Bピクチャにおける色差のブロックの重み係数については、色差の予測値は、上記式5に式3と同様の128のオフセットを用いて算出することができる。よって、色差の画素値に対するスケーリングについても、従来に比べ、計算量が削減される。
【0058】
以上のように、本実施の形態における動画像符号化装置によって、2つの参照ブロックを用いたスケーリング処理が効率化される。そして、計算量の削減という効果は、動画像符号化装置だけでなく、動画像復号化装置についても適用できることは言うまでもない。
【0059】
なお、本実施の形態では、重み係数の算出における除算を避けるために必要なルックアップテーブルのサイズ削減と、所定の有効ビット数(例えば、16ビット)で重み付け予測を行うことの両方を同時に実現する方法が示されたが、本発明は、必ずしも、両方の効果を同時に発揮する実現方法だけに限られない。以下、ルックアップテーブルのサイズ削減と所定の有効ビット数での重み付け予測それぞれを単独に実現する方法を説明する。
【0060】
また、上記においては、ビットシフトによって所定の有効ビット数で重み付け予測を行う方法を示したが、BWD及びLWDについては固定値を用いることが可能である。BWD及びLWDを固定値とすることで、重み係数が所定の有効ビット数を超える場合があるが、この場合には以下に説明するように所定の重み係数を用いる。
【0061】
図7は、重み係数の算出における除算を避けるために必要なルックアップテーブルのサイズ削減に有効な処理手順を示すフローチャートである。
【0062】
まず、動き補償符号化部107は、図2又は図3に示されたBピクチャの重み付け予測に際して、時刻T、T1、T0の値に応じた予測値の生成が必要か否かを判断する(ステップS70)。その結果、必要と判断した場合には(ステップS70でYes)、通常通り、上記式1〜式3に従って、それらの時刻T、T1、T0の値に応じた予測値を生成する(ステップS72)。一方、必要と判断しなかった場合には(ステップS70でNo)、2つの重み係数W0及びW1それぞれを1/2と設定し、上記式3に従って、予測値を生成する(ステップS71)。
【0063】
図8は、図7における判断処理(ステップS70)の具体例を示すフローチャートである。
【0064】
図8(a)では、動き補償符号化部107は、時刻T1のインデックス(時刻T1に対応する参照ピクチャの参照リストにおけるインデックス)が0であるか否かよって(ステップS80)、所定の重み係数(例えば、W0=W1=1/2)を用いて予測値を生成するか(ステップS81)、または、上記式1〜式3に従って、時刻T、T1、T0を用いて予測値を生成するか(ステップS82)を、切り替える。これによって、例えば、時刻T1のインデックスが0となる場合だけについて、時間関係に依存した重み係数の算出が必要となるので、そのような場合に対応する重み係数だけをルックアップテーブルに格納しておくことで、全ての場合における重み係数を格納する従来に比べ、テーブルのサイズが削減される。
【0065】
図8(b)では、動き補償符号化部107は、時刻T1のインデックス(時刻T1に対応する参照ピクチャの参照リストにおけるインデックス)が所定値(例えば、2)以下であるか否かよって(ステップS85)、所定の重み係数(例えば、W0=W1=1/2)を用いて予測値を生成するか(ステップS86)、または、上記式1〜3に従って、時刻T、T1、T0を用いて予測値を生成するか(ステップS87)を、切り替える。これによって、例えば、参照ピクチャのインデックスが所定値以下となる場合だけについて、時間関係に依存した重み係数の算出が必要となるので、そのような場合に対応する重み係数だけをルックアップテーブルに格納しておくことで、全ての場合における重み係数を格納する従来に比べ、テーブルのサイズが削減される。
【0066】
図9は、所定の有効ビット数で重み付け予測を行う処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
まず、動き補償符号化部107は、図2又は図3に示されたBピクチャの重み付け予測に際して、時刻T、T1、T0の値に応じて、所定の有効ビット数で予測値を生成することが可能か否かを判断する(ステップS90)。その結果、可能と判断した場合には(ステップS90でYes)、通常通り、上記式1〜式3に従って、それらの時刻T、T1、T0の値に応じた予測値を生成する(ステップS92)。一方、不可能と判断した場合には(ステップS90でNo)、2つの重み係数W0及びW1それぞれを1/2と設定し、上記式3に従って、予測値を生成する(ステップS91)。
【0068】
図10は、図9における判断処理(ステップS90)の具体例を示すフローチャートである。
【0069】
図10(a)は、画素値の重み付け予測における具体例を示す図である。ここでは、動き補償符号化部107は、時刻T1と時刻Tとの差(T1−T)が所定範囲内(例えば、−2〜2)であるか否かよって(ステップS100)、所定の重み係数(例えば、W0=W1=1/2)を用いて予測値を生成するか(ステップS101)、または、上記式1〜式3に従って、時刻T、T1、T0を用いて予測値を生成するか(ステップS102)を、切り替える。これによって、予測画素値の生成において、重み係数が一定値を超える場合、つまり、一定のビット数で表現できない事態が生じ得る場合には、重み係数は所定値(一定のビット数で表現される値)に設定されるので、常に、一定の有効ビット数による重み付け予測が確保される。
【0070】
図10(b)は、画素値の重み付け予測における具体例を示す図である。ここでは、動き補償符号化部107は、時刻T1と時刻T0との差(T1−T0)が所定範囲内(例えば、−2〜2)であるか否かよって(ステップS105)、所定の重み係数(例えば、W0=W1=1/2)を用いて予測値を生成するか(ステップS106)、または、上記式1〜式3に従って、時刻T、T1、T0を用いて予測値を生成するか(ステップS106)を、切り替える。これによって、予測画素値の生成において、重み係数が一定値を超える場合、つまり、一定のビット数で表現できない事態が生じ得る場合には、重み係数は所定値(一定のビット数で表現される値)に設定されるので、常に、一定の有効ビット数による重み付け予測が確保される。
【0071】
(実施の形態2)
次に、本発明に係る動画像予測方法を用いた動画像復号化装置について説明する。
【0072】
図11は、本発明に係る動画像予測方法を用いた動画像復号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0073】
動画像復号化装置は、符号列解析部201、予測残差復号化部202、ピクチャメモリ203、動き補償復号化部204、動きベクトル記憶部205、加算演算部207、およびスイッチ208を備える。
【0074】
符号列解析部201は、入力された符号列より、符号化モードの情報、および符号化時に用いられた動きベクトルの情報等の各種データの抽出を行う。予測残差復号化部202は、入力された予測残差符号化データの復号化を行い、予測残差画像データを生成する。
【0075】
動き補償復号化部204は、符号化時の符号化モードの情報、および動きベクトルの情報等に基づいて、動き補償画像データを生成する。例えば、2枚の参照ピクチャを用いたピクチャ間予測符号化モードで符号化されている場合には、動き補償復号化部204は、符号列解析部201で抽出された動きベクトルを用いて2枚の参照ピクチャから2つの参照ブロックの画素値を求め、動き補償画像データを生成する。つまり、本発明に係る特徴的なスケーリング処理によって、画素値の重み付け予測を行い、2つの参照ブロックの画素値より処理対象ブロックの画素値を求める。また、動き補償復号化部204は、第1参照ピクチャと第2参照ピクチャとの間隔に対応する値とその逆数とを対応付けて記憶するルックアップテーブルを有しており、このルックアップテーブルを参照してスケーリング処理を行う。
【0076】
動きベクトル記憶部205は、符号列解析部201により抽出された動きベクトルを記憶する。この動きベクトル記憶部205に記憶された動きベクトルは、例えば復号化対象ブロックが時間的ダイレクトモードにより符号化されている場合に参照される。加算演算部207は、予測残差復号化部202より入力された予測残差符号化データと、動き補償復号化部204より入力された動き補償画像データとを加算し、復号化画像データを生成する。ピクチャメモリ203は、生成された復号化画像データを格納する。
【0077】
以上のように構成された動画像復号化装置の特徴的な動作、つまり、動き補償復号化部204による画素値の重み付け予測について説明する。
【0078】
動き補償復号化部204は、基本的には、動画像符号化装置が備える動き補償符号化部107と同様の機能を有する。例えば、スケーリング処理による画素値の重み付け予測においては、図6に示されるように、時刻T1のインデックス値や時刻T1と時刻T0との一致性に基づいて(ステップS501〜S503)、BWD及びLWDにデフォールト値を設定したり(ステップS504、S507)、上記式6〜式9に従ってBWD及びLWDを特定し(ステップS508)、特定したBWD及びLWDを用いて、上記式5に従って、符号化対象ブロックPの予測画素値を算出する(ステップS509)。
【0079】
なお、動き補償復号化部204は、図7及び図8に示されるように、重み係数の算出における除算を避けるために必要なルックアップテーブルのサイズ削減に有効な処理だけを行ってもよい。つまり、動き補償復号化部204は、図2又は図3に示されたBピクチャの重み付け予測に際して、時刻T、T1、T0の値に応じた予測値の生成が必要か否かを判断し(ステップS70)、その結果、必要と判断した場合には(ステップS70でYes)、通常通り、上記式1〜式3に従って、それらの時刻T、T1、T0の値に応じた予測値を生成し(ステップS72)、一方、必要と判断しなかった場合には(ステップS70でNo)、2つの重み係数W0及びW1それぞれを1/2と設定し、上記式3に従って、予測値を生成する(ステップS71)。
【0080】
これによって、時刻T、T1、T0に応じた予測値の生成が必要となる場合だけについて、時間関係に依存した重み係数の算出が必要となるので、そのような場合に対応する重み係数だけをルックアップテーブルに格納しておくことで、全ての場合における重み係数を格納する従来に比べ、テーブルのサイズが削減される。
【0081】
同様に、動き補償復号化部204は、図9及び図10に示されるように、所定の有効ビット数で重み付け予測を行う処理を行ってもよい。つまり、動き補償復号化部204は、図2又は図3に示されたBピクチャの重み付け予測に際して、時刻T、T1、T0の値に応じて、所定の有効ビット数で予測値を生成することが可能か否かを判断し(ステップS90)、その結果、可能と判断した場合には(ステップS90でYes)、通常通り、上記式1〜式3に従って、それらの時刻T、T1、T0の値に応じた予測値を生成し(ステップS92)、一方、不可能と判断した場合には(ステップS90でNo)、2つの重み係数W0及びW1それぞれを1/2と設定し、上記式3に従って、予測値を生成する(ステップS91)。
【0082】
これによって、時刻T、T1、T0を用いて所定の有効ビット数で予測ができない場合、つまり、重み係数が一定値を超えるために一定のビット数で予測値を表現することができない事態が生じる場合には、重み係数は所定値(一定のビット数で表現される値)に設定されるので、常に、一定の有効ビット数による重み付け予測が確保される。
【0083】
(実施の形態3)
次に、本発明に係る動画像予測方法、動画像符号化装置及び動画像復号化装置を別の形態で実現した例について説明する。
【0084】
上記各実施の形態で示した動画像符号化装置または動画像復号化装置の構成を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記憶媒体に記録するようにすることにより、上記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
【0085】
図12は、上記実施の形態1の動画像符号化装置または実施の形態2の動画像復号化装置の構成を実現するためのプログラムを格納したフレキシブルディスクを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合の説明図である。
【0086】
図12(b)は、フレキシブルディスクの正面からみた外観、断面構造、及びフレキシブルディスクを示し、図12(a)は、記録媒体本体であるフレキシブルディスクの物理フォーマットの例を示している。フレキシブルディスクFDはケースF内に内蔵され、該ディスクの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフレキシブルディスクでは、上記フレキシブルディスクFD上に割り当てられた領域に、上記プログラムとしての動画像符号化装置が記録されている。
【0087】
また、図12(c)は、フレキシブルディスクFDに上記プログラムの記録再生を行うための構成を示す。上記プログラムをフレキシブルディスクFDに記録する場合は、コンピュータシステムCsから上記プログラムとしての動画像符号化装置または動画像復号化装置をフレキシブルディスクドライブを介して書き込む。また、フレキシブルディスク内のプログラムにより上記動画像符号化装置をコンピュータシステム中に構築する場合は、フレキシブルディスクドライブによりプログラムをフレキシブルディスクから読み出し、コンピュータシステムに転送する。
【0088】
なお、上記説明では、記録媒体としてフレキシブルディスクを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
【0089】
さらにここで、上記実施の形態で示した動画像予測方法、動画像符号化装置、動画像復号化装置の応用例とそれを用いたシステムを説明する。
【0090】
図13は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示すブロック図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex107〜ex110が設置されている。
【0091】
このコンテンツ供給システムex100は、例えば、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex107〜ex110を介して、コンピュータex111、PDA(Personal Digital Assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、カメラ付きの携帯電話ex115などの各機器が接続される。
【0092】
しかし、コンテンツ供給システムex100は図13のような組合せに限定されず、いずれかを組み合わせて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex107〜ex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。
【0093】
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話は、PDC(Personal Digital Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
【0094】
また、ストリーミングサーバex103は、カメラex113から基地局ex109、電話網ex104を通じて接続されており、カメラex113を用いてユーザが送信する符号化処理されたデータに基づいたライブ配信等が可能になる。撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするサーバ等で行ってもよい。また、カメラex116で撮影した動画データはコンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信されてもよい。カメラex116はデジタルカメラ等の静止画、動画が撮影可能な機器である。この場合、動画データの符号化はカメラex116で行ってもコンピュータex111で行ってもどちらでもよい。また、符号化処理はコンピュータex111やカメラex116が有するLSIex117において処理することになる。なお、動画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な記録媒体である何らかの蓄積メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込んでもよい。さらに、カメラ付きの携帯電話ex115で動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex115が有するLSIで符号化処理されたデータである。
【0095】
このコンテンツ供給システムex100では、ユーザがカメラex113、カメラex116等で撮影しているコンテンツ(例えば、音楽ライブを撮影した映像等)を上記実施の形態同様に符号化処理してストリーミングサーバex103に送信する一方で、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して上記コンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等がある。このようにすることでコンテンツ供給システムex100は、符号化されたデータをクライアントにおいて受信して再生することができ、さらにクライアントにおいてリアルタイムで受信して復号化し、再生することにより、個人放送をも実現可能になるシステムである。
【0096】
このシステムを構成する各機器の符号化、復号化には上記各実施の形態で示した動画像符号化装置あるいは動画像復号化装置を用いるようにすればよい。
【0097】
その一例として携帯電話について説明する。
図14は、上記実施の形態で説明した動画像予測方法、動画像符号化装置及び画像復号化装置を用いた携帯電話ex115を示す図である。携帯電話ex115は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex201、CCDカメラ等の映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex203、カメラ部ex203で撮影した映像、アンテナex201で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex202、操作キーex204群から構成される本体部、音声出力をするためのスピーカ等の音声出力部ex208、音声入力をするためのマイク等の音声入力部ex205、撮影した動画もしくは静止画のデータ、受信したメールのデータ、動画のデータもしくは静止画のデータ等、符号化されたデータまたは復号化されたデータを保存するための記録メディアex207、携帯電話ex115に記録メディアex207を装着可能とするためのスロット部ex206を有している。記録メディアex207はSDカード等のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したもの
である。
【0098】
さらに、携帯電話ex115について図15を用いて説明する。携帯電話ex115は表示部ex202及び操作キーex204を備えた本体部の各部を統括的に制御するようになされた主制御部ex311に対して、電源回路部ex310、操作入力制御部ex304、画像符号化部ex312、カメラインターフェース部ex303、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex302、画像復号化部ex309、多重分離部ex308、記録再生部ex307、変復調回路部ex306及び音声処理部ex305が同期バスex313を介して互いに接続されている。
【0099】
電源回路部ex310は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話ex115を動作可能な状態に起動する。
【0100】
携帯電話ex115は、CPU、ROM及びRAM等でなる主制御部ex311の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex205で集音した音声信号を音声処理部ex305によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。また携帯電話機ex115は、音声通話モード時にアンテナex201で受信した受信データを増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、音声処理部ex305によってアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208を介して出力する。
【0101】
さらに、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キーex204の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex304を介して主制御部ex311に送出される。主制御部ex311は、テキストデータを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して基地局ex110へ送信する。
【0102】
データ通信モード時に画像データを送信する場合、カメラ部ex203で撮像された画像データをカメラインターフェース部ex303を介して画像符号化部ex312に供給する。また、画像データを送信しない場合には、カメラ部ex203で撮像した画像データをカメラインターフェース部ex303及びLCD制御部ex302を介して表示部ex202に直接表示することも可能である。
【0103】
画像符号化部ex312は、本願発明で説明した動画像符号化装置を備えた構成であり、カメラ部ex203から供給された画像データを上記実施の形態で示した動画像符号化装置に用いた符号化方法によって圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部ex308に送出する。また、このとき同時に携帯電話機ex115は、カメラ部ex203で撮像中に音声入力部ex205で集音した音声を音声処理部ex305を介してディジタルの音声データとして多重分離部ex308に送出する。
【0104】
多重分離部ex308は、画像符号化部ex312から供給された符号化画像データと音声処理部ex305から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。
【0105】
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナex201を介して基地局ex110から受信した受信データを変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部ex308に送出する。
【0106】
また、アンテナex201を介して受信された多重化データを復号化するには、多重分離部ex308は、多重化データを分離することにより画像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex313を介して当該符号化画像データを画像復号化部ex309に供給すると共に当該音声データを音声処理部ex305に供給する。
【0107】
次に、画像復号化部ex309は、本願発明で説明した動画像復号化装置を備えた構成であり、画像データのビットストリームを上記実施の形態で示した符号化方法に対応した復号化方法で復号化することにより再生動画像データを生成し、これをLCD制御部ex302を介して表示部ex202に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データが表示される。このとき同時に音声処理部ex305は、音声データをアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まる音声データが再生される。
【0108】
なお、上記システムの例に限られず、最近は衛星、地上波によるディジタル放送が話題となっており、図16に示すようにディジタル放送用システムにも上記実施の形態の少なくとも動画像符号化装置または動画像復号化装置のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex409では映像情報のビットストリームが電波を介して通信または放送衛星ex410に伝送される。これを受けた放送衛星ex410は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送受信設備をもつ家庭のアンテナex406で受信し、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置によりビットストリームを復号化してこれを再生する。また、記録媒体であるCDやDVD等の蓄積メディアex402に記録したビットストリームを読み取り、復号化する再生装置ex403にも上記実施の形態で示した動画像復号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex404に表示される。また、ケーブルテレビ用のケーブルex405または衛星/地上波放送のアンテナex406に接続されたセットトップボックスex407内に動画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex408で再生する構成も考えられる。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に動画像復号化装置を組み込んでも良い。また、アンテナex411を有する車ex412で衛星ex410からまたは基地局ex107等から信号を受信し、車ex412が有するカーナビゲーションex413等の表示装置に動画を再生することも可能である。
【0109】
更に、画像信号を上記実施の形態で示した動画像符号化装置で符号化し、記録媒体に記録することもできる。具体例としては、DVDディスクex421に画像信号を記録するDVDレコーダや、ハードディスクに記録するディスクレコーダなどのレコーダex420がある。更にSDカードex422に記録することもできる。レコーダex420が上記実施の形態で示した動画像復号化装置を備えていれば、DVDディスクex421やSDカードex422に記録した画像信号を再生し、モニタex408で表示することができる。
【0110】
なお、カーナビゲーションex413の構成は例えば図15に示す構成のうち、カメラ部ex203とカメラインターフェース部ex303、画像符号化部ex312を除いた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111やテレビ(受信機)ex401等でも考えられる。
【0111】
また、上記携帯電話ex114等の端末は、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型の端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末の3通りの実装形式が考えられる。
【0112】
このように、上記実施の形態で示した動画像予測方法、動画像符号化装置及び画像復号化装置を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記実施の形態で説明した効果を得ることができる。
【0113】
以上、本発明に係る動画像予測方法、動画像符号化装置及び動画像復号化装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限られない。
【0114】
例えば、図7における判断(T,T1,T0に応じた予測値の生成が必要か否かの判断;ステップS70)、及び、図9における判断(T,T1,T0に応じて、所定の有効ビット数で予測値の生成が可能か否かの判断;ステップS90)は、上記式1及び式2に示される重み係数W0及びW1を算出する式の除数(分母の値)の値だけに限られず、乗数(分子の値)の値や、重み係数W0及びW1の値によって判断してもよい。さらに、それら重み係数W0及びW1を乗じた値によって判断してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上のように、本発明に係る動画像予測方法、動画像符号化方法および動画像復号化方法は、例えば携帯電話、DVD装置、およびパーソナルコンピュータ等で、予測画素値を生成したり、動画像を構成する各ピクチャを符号化して符号列を生成したり、生成された符号列を復号化したりするための方法等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】2つの参照ピクチャに基づく重み付け予測によって、Bピクチャの予測画素値を算出する過程を示す従来技術の一例を示す図である。
【図2】Bピクチャ(符号化対象ブロック)が前方向のピクチャ(ブロック1)と後方向のピクチャ(ブロック2)を参照している場合の例を示す図である。
【図3】Bピクチャ(符号化対象ブロック)が2つの前方向のピクチャ(ブロック1及びブロック2)を参照している場合の例を示す図である。
【図4】従来の重み付け予測の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る動画像予測方法を用いた動画像符号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】図5における動き補償符号化部による重み付け予測の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】重み係数の算出における除算を避けるために必要なルックアップテーブルのサイズ削減に有効な処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図7における判断処理(ステップS70)の具体例を示すフローチャートである。
【図9】所定の有効ビット数で重み付け予測を行う処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図9における判断処理(ステップS90)の具体例を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る動画像予測方法を用いた動画像復号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態1の動画像符号化装置または実施の形態2の動画像復号化装置の構成を実現するためのプログラムを格納したフレキシブルディスクを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合の説明図である。
【図13】コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムの全体構成を示すブロック図である。
【図14】本発明に係る動画像予測方法、動画像符号化装置及び画像復号化装置を用いた携帯電話を示す図である。
【図15】本発明に係る携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明に係るディジタル放送用システムの全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0117】
101 ピクチャメモリ
102 予測残差符号化部
103 符号列生成部
104 予測残差復号化部
105 ピクチャメモリ
106 動きベクトル検出部
107 動き補償符号化部
108 動きベクトル記憶部
110 差分演算部
111 加算演算部
112 スイッチ
201 符号列解析部
202 予測残差復号化部
203 ピクチャメモリ
204 動き補償復号化部
205 動きベクトル記憶部
207 加算演算部




 

 


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