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無線装置、通信局、及び無線ネットワーク - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 無線装置、通信局、及び無線ネットワーク
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6019(P2007−6019A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182246(P2005−182246)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
発明者 四方 英邦 / 安達 尚季 / 岸上 高明 / 中川 洋一 / 岡村 周太
要約 課題
複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止でき、且つ通信局の伝送効率を最大限に高めることができる無線装置、通信局、及び無線ネットワークを提供する。

解決手段
通信局10,11からの信号波を検出する検出部と、検出部が、所定の通信局10からの信号波を検出している際に、所定の通信局10とは異なる他の通信局11からの信号波を検出した場合、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間が他の通信局11のデータ伝送期間と重複しないように、所定の通信局10及び他の通信局11の少なくとも1つに指示する制御部とを備えた無線装置であって、重複するエリアで干渉を防止し、且つ通信局の伝送効率を最大限に高める。
特許請求の範囲
【請求項1】
通信局とデータ伝送を行う無線装置であって、
前記通信局からの信号波を検出する検出部と、
前記検出部が、前記通信局からの信号波を検出している際に、前記通信局とは異なる他の通信局からの信号波を検出した場合、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、前記通信局及び前記他の通信局の少なくとも1つに指示する制御部と、
を備えた無線装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複する期間を予測し、その重複する期間では、前記通信局及び前記他の通信局のうちの何れかにデータ伝送の停止を指示する請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記通信局のデータ伝送周期と前記他の通信局のデータ伝送周期の最小公倍数を算出し、
前記通信局のデータ伝送周期、前記他の通信局のデータ伝送周期、前記最小公倍数に基づいて、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように指示する請求項1または2に記載の無線装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記通信局のデータ伝送周期と前記他の通信局のデータ伝送周期とを、同じ周期に調整する請求項1乃至3の何れかに記載の無線装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通信局のデータ伝送周期の開始時と前記他の通信局のデータ伝送周期の開始時が一致するように指示する請求項3に記載の無線装置。
【請求項6】
無線装置とデータ伝送を行う通信局であって、
前記無線装置が、前記通信局からの信号波を検出している際に、前記通信局とは異なる他の通信局からの信号波を検出した場合、前記他の通信局からの信号波を検出したことを示す情報を前記無線装置から受信する受信部と、
前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、データ伝送を制御する制御部と、
を備えた通信局。
【請求項7】
通信局と、
前記通信局とは異なる他の通信局と、
無線装置と、
を備える無線ネットワークであって、
前記通信局からの信号波を検出している前記無線装置により前記他の通信局からの信号波が検出された場合、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように制御する無線ネットワーク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は無線装置、通信局、及び無線ネットワークに関し、特に、無線LANなどのような、一般ユーザが利用する無線装置、通信局、及び無線ネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線LAN装置においては、集中管理通信モード(以下、「PCF(Point Coordination Function)モード」という。)が知られている。PCFモードでは、ビーコン周期ごとに、通信端末へアクセスするためのアクセス権が通信局に巡回してくるため、パケットの到着遅延時間を一定時間内に制限でき、オーディオデータ、画像データなどの等時性データ通信に適している。
【0003】
しかし、無線LANアクセスポイントが密集する状況では、使用可能な無線チャネル数に限りがあるため、隣接する無線LANアクセスポイントが同一チャネルを選択する場合がある。この場合、通信端末において干渉が生じる。しかし、同一チャネルを選択している一方のアクセスポイントが、他方のアクセスポイントから同一チャンネルで信号が出力されていることを認識(キャリアセンス)できれば、同一チャンネルで信号を送信しないように制御することにより、干渉を防ぐことができる。
【0004】
ところが、両方のアクセスポイントがキャリアセンスできない場合、例えば、両方のアクセスポイントの通信エリアが重複するエリアでは、通信端末において干渉が生じ、通信端末の通信品質が著しく劣化する。
【0005】
かかる問題点を解決するために、他のネットワークが使用中のチャネルを相互に調停して共有使用する無線ネットワークが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−158667号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された無線ネットワークでは、重複するエリアへ同一チャネルで信号を送信するアクセスポイントのうち、何れかのアクセスポイントのみが通信を所定期間占有する。したがって、一方のアクセスポイントが通信状態である場合、他方のアクセスポイントは通信できない。この結果、重複しないエリアでは干渉が生じないにもかかわらず、かかる重複しないエリアに存在する通信端末に対しても、他方のアクセスポイントは通信できない。このため、通信の機会が制限され、アクセスポイントの伝送効率が低下してしまう。
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決し、複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、且つ複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止でき、且つ通信局の伝送効率を最大限に高める無線装置、通信局、及び無線ネットワークを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無線装置は、通信局とデータ伝送を行う無線装置であって、前記通信局からの信号波を検出する検出部と、前記検出部が、前記通信局からの信号波を検出している際に、前記通信局とは異なる他の通信局からの信号波を検出した場合、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、前記通信局及び前記他の通信局の少なくとも1つに指示する制御部とを備える。
【0009】
この構成によれば、無線装置がデータ伝送の指示を行うので、複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止できる。また、無線装置は、自装置へのデータ伝送期間のみ、他の通信局のデータ伝送期間と重複しないように制御するので、通信局の伝送効率を最大限に高めることができる。
【0010】
また、本発明の無線装置では、前記制御部は、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複する期間を予測し、その重複する期間では、前記通信局及び前記他の通信局のうちの何れかにデータ伝送の停止を指示する。
【0011】
この構成によれば、通信局から無線装置へのデータ伝送期間が他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないようにすることができる。
【0012】
また、本発明の無線装置では、前記制御部は、前記通信局のデータ伝送周期と前記他の通信局のデータ伝送周期の最小公倍数を算出し、前記通信局のデータ伝送周期、前記他の通信局のデータ伝送周期、前記最小公倍数に基づいて、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように指示する。
【0013】
この構成によれば、干渉期間を容易に予測でき、通信局のデータ伝送周期と他の通信局のデータ伝送周期の最小公倍数ごとに同じ制御をすることができる。
【0014】
また、本発明の無線装置では、前記制御部は、前記通信局のデータ伝送周期の開始時と前記他の通信局のデータ伝送周期の開始時が一致するように指示する。
【0015】
この構成によれば、複数の通信局のPCF周期の開始時間の相対位相差を、実質的に「0」にすることにより、複数の通信局のデータ伝送期間が重複しないように容易に制御できる。
【0016】
また、本発明の無線装置では、前記制御部は、前記通信局のデータ伝送周期の開始時と前記他の通信局のデータ伝送周期とを、同じ周期に調整する。
【0017】
この構成によれば、データ伝送周期が共通するため、干渉を生じさせる通信局が多数ある場合でも、干渉が生じないように容易に制御することができる。
【0018】
また、本発明の通信局は、無線装置とデータ伝送する通信局であって、前記無線装置が、前記通信局からの信号波を検出している際に、前記通信局とは異なる他の通信局からの信号波を検出した場合、前記他の通信局からの信号波を検出したことを示す情報を前記無線装置から受信する受信部と、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、データ伝送を制御する制御部とを備える。なお、本発明の通信局は、上述の本発明の無線装置の各種の構成を備えてもよい。
【0019】
この構成によれば、無線装置により干渉したことを示す情報が送信されるため、複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止できる。また、通信局は、自局から無線装置へのデータ伝送期間のみ、他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように制御するので、通信局の伝送効率を最大限に高めることができる。
【0020】
また、本発明の無線ネットワークは、通信局と、前記通信局とは異なる他の通信局と、無線装置とを備える無線ネットワークであって、前記通信局からの信号波を検出している前記無線装置により前記他の通信局からの信号波が検出された場合、前記通信局から前記無線装置へのデータ伝送期間が前記他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように制御する無線ネットワーク。なお、本発明の無線ネットワークは、上述の本発明の無線装置及び通信局の各種の構成を備えてもよい。
【0021】
この構成によれば、無線装置がデータ伝送の指示を行うので、複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止できる。また、無線装置は、自装置へのデータ伝送期間のみ他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように制御するので、通信局の伝送効率を最大限に高めることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止でき、且つ通信局の伝送効率を最大限に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の無線ネットワークの一例を示した図である。図1に示すように、第1の実施の形態の無線ネットワークは、通信局10、通信局11、無線装置1、2、3を備える。
【0024】
通信局10は、所定のチャネルでデータ伝送する。通信局10は、無線装置1,2から受信する受信部10aを備える。また、通信局10は、通信局10を構成する通信装置各部の制御、及びパケットの送受信の制御を行う制御部10bを備える。通信局10は、無線装置1とデータ伝送を行う。また、通信局10は、無線装置2とデータ伝送を行う。通信局10は、エリアA1の範囲へデータ伝送することができる。
【0025】
通信局11は、通信局10と同じチャネルでデータ伝送する。通信局11は、無線装置3から受信する受信部11aを備える。通信局11は、無線装置3とデータ伝送を行う。通信局11は、エリアA2の範囲へデータ伝送することができる。
【0026】
無線装置1は、例えば携帯通信端末である。無線装置1は、通信局10,11からの信号波を検出する。無線装置1は、通信局10とデータ伝送を行う無線装置であって、通信局10からの信号波を検出する検出部と、検出部が、通信局10からの信号波を検出している際に、通信局とは異なる通信局11からの信号波を検出した場合、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間が通信局11から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、通信局10及び通信局11の少なくとも1つに指示する。図1に示すように、無線装置1は、エリアA1とエリアA2が重複するエリアA3に位置する。したがって、無線装置1は、通信局10,11からの信号波を検出する。無線装置1は、通信局10から所定のチャネルで信号波を受信しているが、同時に、通信局11から同じチャネルの信号波を受信する。この場合、通信局10と通信局11からの信号波の干渉を防止するために、無線装置1は、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間が、通信局11から無線装置3へのデータ伝送期間と重複しないように、通信局10,11の少なくとも1つに指示する。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施の形態の無線装置の一例を示した図である。図2に示すように、第1の実施の形態の無線装置1は、アンテナ101、無線部102、ベースバンド処理部103、MAC(媒体アクセス制御)部104、制御部105、メモリ106、タイマ107、受信品質検出部108、内部バス109、インターフェース110を備える。
【0028】
アンテナ101は、図1に示す通信局10,11から信号波を受信し、通信局10,11へ信号波を送信する。
【0029】
無線部102は、アンテナ101で受信した信号波の周波数をベースバンド帯の周波数に変換する。また、無線部102は、ベースバンド処理部103からのベースバンド信号の周波数を無線周波数帯の周波数に変換する。
【0030】
ベースバンド処理部103は、受信動作の場合には、受信した信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換した後に、復調して受信データを出力する。また、ベースバンド処理部103は、送信動作の場合には、MAC部104から入力された送信データを変調し、アナログ信号に変換する。
【0031】
MAC部104は、受信動作の場合には、受信データのパケットを識別したり、ベースバンド処理部103を制御したりする機能を有し、内部バス109を経由してメモリ106に受信データを格納する。MAC部104は、送信動作の場合には、メモリ106に格納された送信データをパケット化し、所定のタイミングでベースバンド処理部103に入力する。また、MAC部104は、変調された送信信号が信号波として伝搬路に輻射されるように、ベースバンド処理部103を制御する。
【0032】
受信品質検出部108は、アンテナ101により受信された信号波から、通信局10,11からの信号波を検出する。受信品質検出部108は、無線部102及びベースバンド処理部103などから入力された信号に基づいて、通信局10,11からの信号波の干渉量を判断する。例えば、受信品質検出部108は、受信信号の受信信号電力と信号品質レベルに基づいて、受信信号の干渉量を判断する。信号品質レベルは、例えば信号対干渉雑音比SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)などにより検出される。タイマ部107は、ビーコン周期やポーリング信号などのタイミングを制御する。
【0033】
制御部105は、受信品質検出部108が、所定の通信局からの信号波を検出している際に、所定の通信局とは異なる他の通信局からの信号波を検出した場合、通信局から無線装置へのデータ伝送期間が他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、所定の通信局及び他の通信局の少なくとも1つに指示する。例えば、受信品質検出部108が、図1に示す通信局10から信号波を検出している際に、通信局11からの信号波を検出し、通信局10からの信号波と通信局11からの信号波が干渉すると判断した場合、制御部105は、通信局10と通信局11のデータ伝送期間が重複しないように、通信局10及び通信局11の少なくとも1つに指示する。ここで、通信局10と通信局11の、MACアドレスやIDなど、固体識別できる識別番号に応じて、例えば識別番号の小さい方の通信局に指示するようにすることで、通信局の選択が容易に構成できる。
【0034】
制御部105は、通信局から無線装置へのデータ伝送期間が他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、所定の通信局及び他の通信局のうちの何れかにデータ伝送を停止させる。例えば、通信局10からの信号波と通信局11からの信号波が干渉すると判断された場合、干渉する期間(以下、「干渉期間」という)では、通信局10及び通信局11の何れかの通信局に、干渉する信号波によるデータ伝送を停止するように命令する。
【0035】
制御部105は、所定の通信局のデータ伝送周期と他の通信局のデータ伝送周期の最小公倍数(以下、「最小公倍周期」という)を算出する。そして、制御部105は、所定の通信局のデータ伝送周期、他の通信局のデータ伝送周期、最小公倍周期に基づいて、通信局から無線装置へのデータ伝送期間が、他の通信局から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように指示する。例えば、制御部105は、図1に示す通信局10と通信局11の最小公倍周期を算出する。そして、制御部105は、算出された最小公倍周期、通信局10が無線装置1へデータ伝送するデータ伝送周期、及び通信局11が無線装置3へデータ伝送するデータ伝送周期に基づいて、通信局10から無線装置1への伝送期間と通信局11から無線装置3へのデータ伝送期間が重複しないように、通信局10,11の少なくとも1つに指示する。
【0036】
制御部105は、通信局10と通信局11の最小公倍周期の時間同期誤差を検出し、同期誤差を修正するように、通信局10,11の少なくとも1つに指示する。
【0037】
また、制御部105は、無線装置1を構成する通信装置各部の制御、及びパケットの送受信の起動を行うと共に、外部インターフェース110を経由して外部とのデータ転送を制御する。
【0038】
次に、本発明の第1の実施形態の無線装置、通信局、及び無線ネットワークの機能について説明する。
【0039】
無線装置1は、通信局10,11の通信状態を観測する。図1に示すように、通信局10は、無線装置2と通信している。また、通信局11は無線装置3と通信している。無線装置1は、エリアA3に属しているため、通信局10及び通信局11の双方からデータ伝送された信号を受信する。よって、無線装置1は、通信局10及び通信局11の通信状態を観測できる。無線装置1は、通信局10及び通信局11が伝送する信号の受信レベル、送信元、及び宛先アドレスを観測し、これらのデータ伝送情報をテーブルとしてメモリ106に格納する。なお、無線装置1は、受信レベルの代わりに受信信号品質(推定S/N)などをメモリ106に格納してもよい。
【0040】
図3は、通信局10,11と無線装置2,3とが、通信する信号の一例を示したタイミングチャートである。図3に示すように、通信局10は、PCF周期の開始時間0からPCF周期Ta(100T)毎に、データの送受信を行う。通信局10は、データ伝送タイミングである1Tに、無線装置2へデータ伝送する。無線装置2へのデータ伝送の通信継続時間は、19Tである。また、無線装置2は、データ伝送タイミングである21Tに、通信局10へデータ伝送する。無線装置2のデータ伝送の通信継続時間は19Tである。通信局11は、PCF周期の開始時間0からPCF周期Tb(75T)毎に、データの送受信を行う。ここで、通信局11のPCF周期の開始時間と通信局10のPCF周期の開始時間との相対位相差は、5Tであるとする。通信局11は、データ伝送タイミングである1Tに、無線装置3へデータ伝送する。無線装置3へのデータ伝送の通信継続時間は、19Tである。また、無線装置3は、データ伝送タイミングである21Tに、通信局11へデータ伝送する。無線装置3のデータ伝送の通信継続時間は15Tである。
【0041】
無線装置1は、通信局10と無線装置2とが、データ伝送する信号の信号レベル、通信局10及び無線装置2の送信元アドレス、通信局10及び無線装置2の宛先アドレスなどのデータ伝送情報を、メモリ106に格納する。また、無線装置1は、通信局11と無線装置3とが、データ伝送する信号の信号レベル、通信局11及び無線装置3の送信元アドレス、通信局11及び無線装置3の宛先アドレスなどのデータ伝送情報を、メモリ106に格納する。
【0042】
更に、無線装置1は、受信した信号のPCF周期、PCF開始相対位相、データ伝送タイミング、通信継続時間(データ伝送期間)、同期オフセットなどの時間情報も取得しておく。例えば図3に示すように、通信局10のPCF周期Ta(100T)、通信局11のPCF周期Tb(75T)、通信局10のPCF周期Taと通信局11のPCF周期TbのPCF開始相対位相(5T)、通信局10から無線装置2へのデータ伝送タイミング(1T)、無線装置2から通信局10へのデータ伝送タイミング(21T)、通信局11から無線装置3へのデータ伝送タイミング(1T)、無線装置3から通信局11へのデータ伝送タイミング(21T)などのデータ伝送情報が、無線装置1のメモリ106に格納される。図4は、図3に示す通信状態でのメモリ106に格納されたデータ伝送情報の一例を示した図である。図4に示すように、通信局、PCF周期、PCF開始相対位相、データ伝送タイミング、通信継続時間、送信元アドレス、宛先アドレス、及び同期オフセットが、メモリ106に格納される。
【0043】
なお、図3では通信局10,11から無線装置2,3への送信(ダウンリンク)の場合にも、ポーリング信号P200〜P204を送信しているが、ダウンリンクの場合、これらのポーリング信号は省略されてもよい。また、図3に示すようなタイミングで継続的に通信が行われるようにするためには、例えば、無線LANの標準規格であるIEEE802.11eで規定されたHCCA(HCF Controlled Channel Access)という中央制御型の方式を採用することにより、各局が中央制御局の指揮の下、確定的にチャネルにアクセスできる。
【0044】
無線装置1は、データ伝送情報を通信局10,11へ送信する。例えば、無線装置1は、PCFの周期、各通信局10,11から送信されるPCF開始タイミングの相対的な位相差、データ伝送タイミング、送信通信継続時間、送信元アドレス、及び宛先アドレス、各通信局10,11からの信号の同期オフセット値などのデータ伝送情報を取得し、通信局10,11へそれぞれ通知する。
【0045】
無線装置1は、通信を希望するネットワークを管理している通信局10に対して、データを要求する。通信局10は、無線装置1と通信するのに必要な帯域を算出し、割り当てる。この結果、通信局10は無線装置1と通信状態を構築する。
【0046】
図5は、通信局10が無線装置1にデータ伝送区間を割り当てた信号の一例を示したタイミングチャートである。図6は、図5に示す通信状態でのメモリ106に格納されたデータ伝送情報の一例を示した図である。図5に示すように、通信局10は、データ伝送タイミングである41Tに、無線装置1へデータ伝送する。無線装置1へのデータ伝送の通信継続時間は、19Tである。また、無線装置1は、データ伝送タイミングである61Tに、通信局10へデータ伝送する。無線装置1のデータ伝送の通信継続時間は9Tである。また、通信局10は、データ伝送タイミングである141Tに、無線装置1へデータ伝送する。通信局11は、データ伝送タイミングである151Tに、無線装置3へデータ伝送する。この場合、通信局10と無線装置1とのデータ伝送に用いられるチャネルは、通信局11と無線装置3とのデータ伝送に用いられるチャネルと同じであるので、無線装置1は、通信局10と通信局11の両方からデータが送信されることになる。このため、図5に示すように、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間と通信局11から無線装置3へのデータ伝送期間とが重複する干渉期間が生じ、これが原因となってシステムのスループットが低下してしまう。
【0047】
そこで、無線装置1は、干渉期間を検出し、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間が通信局11から無線装置3へのデータ伝送期間と重複しないように、通信局10に指示する。
【0048】
無線装置1は、通信局10のデータ伝送周期と通信局11のデータ伝送周期との最小公倍周期を求める。例えば図5に示すように、無線装置1は、通信局10のPCF周期Ta(=100T)と通信局11のPCF周期Tb(=75T)の最小公倍周期TL(=300T)を算出する。
【0049】
図5に示すように、通信局10と通信局11のPCF周期の最小公倍周期300Tを1つのセットと考える。通信局10のPCF周期Taは100Tであるため、3つの周期が1つのセット中に存在する。通信局11のPCF周期は75Tであるため、4つの周期が1つのセットに存在する。1つのセットに含まれる通信局11の4つの周期をそれぞれn=0,1,2,3で表す。
【0050】
無線装置1は、干渉を生じさせる信号波のデータ伝送タイミング(干渉タイミング)tを検出する。例えば図5に示すように、通信局11から無線装置3にデータを伝送する干渉タイミングt(=151T)を検出する。無線装置1は、この干渉タイミングtに基づいて、式(1)により最小公倍周期における干渉タイミングtbを特定する。
【0051】
【数1】


・・・・・(1)
【0052】
式(1)によれば、干渉タイミングtを最小公周期TLで除した余りの値が、最小公倍周期における干渉タイミングtbとなる。例えば図5に示すように、干渉タイミングt(=151T)を最小公周期TL(=300T)で除した余りの値(=151T)が、最小公倍周期における干渉タイミングtbとなる。
【0053】
そして、最小公倍周期における干渉タイミングtbが、最小公倍周期TLを構成する4つの周期(n=0,1,2,3)の何れに含まれるかが、式(2)により特定される。
【0054】
【数2】


・・・・・(2)
【0055】
ここで、[X]は、Xを超えない最大の整数を示す。式(2)によれば、最小公倍周期における干渉タイミングtb(=151T)を、通信局11のデータ伝送周期Tb(=75T)で除した商の値(=2)により、nは2と算出される。この結果、干渉タイミングtbが、最小公倍周期中の3番目の周期に含まれることとなる。このように、式(1)及び式(2)により、最小公倍周期における干渉タイミングtbが特定され、最小公倍周期における干渉タイミングtbが含まれる周期が特定される。これにより、将来における干渉期間が予測される。無線装置1は、特定された干渉タイミングtb及び予測された干渉期間の情報を通信局10へ通知する。
【0056】
干渉を生じさせるデータ伝送の通信継続時間をDbとした場合、式(1)で求めたタイミングtbからtb+Dbまでの区間中では、通信局10が無線装置1に向けてデータを送信することのないようにスケジューリングを行う。つまり、通信局10は、干渉期間などの情報を無線装置1から受信部10aを介して受信し、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間が通信局11から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、データ伝送のスケジューリングを行う。図7は、データ伝送のスケジューリングを行った信号の一例を示した図である。図7に示すように、最小公倍周期において予測された干渉期間で、通信局10が無線装置1に向けてデータを送信しないようにスケジューリングする。スケジューリングされたスケジュールに基づいて、最小公倍周期TLごとに、通信局10はデータ伝送を繰り返す。
【0057】
次に、第1の実施の形態の無線装置、通信局、及び無線ネットワークの動作について説明する。図8は、第1の実施の形態の無線装置、通信局、及び無線ネットワークの動作の一例を示したフローチャートである。
【0058】
ステップS500において、図1に示す無線装置1が、エリアA3に新規参加し、図1に示す通信局10と通信する場合、無線装置1のスケジュール割り当て要求、またはトラフィック変動が発生する。
【0059】
ステップS501において、通信局10は、対応するトラフィックの要求伝送速度および伝送路通信品質などから、現状のPCF周期を仮定した場合に必要な1周期あたりの通信継続時間を算出する。要求伝送速度をR、現状の伝送路通信品質で伝送可能な現状のPCF周期1周期Tcあたりに伝送できる伝送速度をQとした場合、無線装置1が必要とする通信継続時間TnはTn=(R/Q)×Tcで示される。
【0060】
ステップS502において、現状のPCF周期を維持できるか否かが判断される。例えば図9に示すように、通信局10は、PCF周期100Tにおいて無線装置2と通信している。無線装置2が必要とする通信継続時間は、Teである。この場合、通信局10のPCF周期100Tに、無線装置1が必要とする通信継続時間Tnが挿入される余地があるか否かが判断される。Tn<(Tc−Te)の場合には現状のPCF周期を維持できると判断され、ステップS508へ進む。Tn>(Tc−Te)の場合には、PCF周期を維持できないと判断され、通信局10のPCF周期を長くする必要があると判断され、ステップS504へ進む。
【0061】
ステップS504において、通信局10のPCF周期が変更される。例えば、図9に示す通信局10のPCF周期がTn<(Tc−Te)となるように変更される。
【0062】
ステップS505において、変更された通信局10のPCF周期を通信局11に通知する。例えば、無線装置1が、変更された通信局10のPCF周期をデータ伝送情報として通信局10から受信し、変更されたPCF周期を通信局11へ送信する。また、通信局10が、無線または有線により、変更されたPCF周期をデータ伝送情報として通信局11へ直接送信してもよい。
【0063】
ステップS506において、通信局11は、変更されたPCF周期を承諾するか否かを判断する。承諾する場合は、承諾する信号を通信局10へ送信し、ステップS508へ進む。承諾しない場合は、ステップS504へ戻り、通信局10と通信局11が、過去の履歴データや今回の変更対象セッションの優先度などに基づいて、所定の基準により処理を行い、かかる処理の結果として相互のPCF周期を変更する。
【0064】
ステップS508において、無線装置1は、通信局10のPCF周期と通信局11のPCF周期の最小公倍周期を算出する。最小公倍周期は、通信局10のPCF周期と通信局11のPCF周期から厳密に算出されてもよい。また、所定の最小公倍周期になるように、通信局10のPCF周期と通信局11のPCF周期が調整されてもよい。
【0065】
ステップS509において、無線装置1は、通信局10のPCF周期、通信局11のPCF周期、及び最小公倍周期を、通信局11に通知する。
【0066】
ステップS510において、通信局11は、通信局10のPCF周期、通信局11のPCF周期、及び最小公倍周期を解析し、通信局11のデータ伝送に支障が生じるか否かを判断する。支障が生じると判断された場合は、ステップS504へ戻り、通信局10と通信局11が、過去の履歴データや今回の変更対象セッションの優先度などに基づいて、所定の基準により処理を行い、かかる処理の結果として相互のPCF周期を変更する。支障が生じないと判断された場合は、ステップS511へ進む。
【0067】
ステップS511において、無線装置1により検出された干渉タイミング及び通信局10,11のデータ伝送情報に基づいて、最小公倍周期における干渉期間を予測する。例えば図5に示すような干渉期間を予測する。
【0068】
ステップS512において、予測された干渉期間で干渉が生じないように、通信局10は、通信局10のデータ伝送のスケジューリングを行う。
【0069】
ステップS513において、通信局10は、スケジューリングされたスケジュールに必要な伝送速度や遅延時間などの所定の通信品質を、確保できるか否かを判断する。PCF周期が長くなった場合、PCF周期における通信継続時間が一定であると、伝送速度は低下することになるため、必要な通信品質を確保できないことが起こり得る。また、伝送速度低下の他に、フレーム間の遅延時間が長くなり、ジッタが大きくなることにより、必要な通信品質を確保できないことも起こり得る。このため、通信局10は、スケジューリングされたスケジュールにおける通信品質を確認する。所定の通信品質を確保できない場合は、ステップS504に戻り、通信局10と通信局11が、過去の妥協履歴や今回の変更対象セッションの優先度などに基づいて、所定の基準により処理を行い、かかる処理の結果として相互のPCF周期を変更する。所定の通信品質を確保できる場合は、ステップS514へ進む。
【0070】
ステップS514において、スケジューリングされたスケジュールに基づき、通信局10,11は通信を開始する。通信開始後、通信局10と通信局11は、相互の同期誤差を修正するために、時間制御を行いながら通信を継続する。
【0071】
第1の実施の形態の無線装置、通信局、及び無線ネットワークによれば、複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止でき、且つ通信局の伝送効率を最大限に高めることができる。
【0072】
(第1の実施の形態の変形例)
第1の実施の形態では、無線装置1が、最小公倍周期TLを算出し、最小公倍周期における干渉期間を予測するが、これらの処理の一部または総てを、通信局10または通信局11が行ってもよい。通信局10がこれらの処理を行う場合、通信局10の受信部10aは、無線装置1が、通信局10からの信号波を検出している際に、通信局11からの信号波を検出した場合、通信局11からの信号波を検出したことを示す情報を無線装置1から受信する。また、受信局10の制御部10bは、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間が通信局11から送出されるデータのデータ伝送期間と重複しないように、データ伝送を制御する。
【0073】
また、第1の実施の形態では、式(1)及び式(2)により、干渉期間が予測されるが、干渉期間を予測できるあらゆる手法が許容される。例えば、通信局10のデータ伝送周期及び通信局11のデータ伝送周期に基づいて、干渉期間を予測してもよい。例えば図5に示すように、無線装置1により干渉期間が特定された場合、通信局10のデータ伝送周期100T及び通信局11のデータ伝送周期75Tに基づいて、次の干渉期間が予測される。つまり、通信局10のデータ伝送タイミングと通信局11のデータ伝送タイミングは、PCF周期ごとに、25T(=100T−75T)ずつ相対差が生じる。よって、通信局10のPCF周期の3周期(=75T/25T)後に、次の干渉期間が到来する。また、通信局11のPCF周期の4周期(=100T/25T)後に、次の干渉期間が到来する。
【0074】
また、通信局10のデータ伝送タイミングと通信局11のデータ伝送タイミングの差を検出し、通信局10のデータ伝送周期と通信局11のデータ伝送周期の差を検出し、データ伝送タイミングの差をデータ伝送周期の差で除することにより算出された値に基づいて、干渉期間を予測してもよい。
【0075】
また、第1の実施の形態では、通信局10が、データ伝送のスケジューリングを行うが、無線装置1または通信局11がデータ伝送のスケジューリングを行ってもよい。また、第1の実施の形態におけるスケジューリング手法は一例にすぎず、干渉を回避するための様々な手法が許容される。
【0076】
また、第1の実施の形態では、図1に示すように、無線装置1がエリアA3で通信局10と通信している。しかし、図10に示すように、無線装置4がエリアA3で通信局10と通信してもよい。なお、通信局10のPCF周期の長さが、通信局10が無線装置4とデータ伝送を行うためには不十分な場合は、通信局10のPCF周期を延長する。無線装置4が、新たにネットワークに参加する場合、無線装置4が通信局10,11の通信状況を観測し、通信局10,11にデータ伝送情報を通知する。そして、通信局10から無線装置4への信号波と通信局11から無線装置4への信号波が干渉しないように、通信局10がデータ伝送のスケジューリングを行う。この場合、無線装置1及び無線装置4で干渉が生じないように、通信局10は、無線装置1及び無線装置4から取得したデータ伝送情報に基づいて、データ伝送のスケジューリングを行う。スケジューリングできない場合は、通信局10,11のPCF周期を延長するように、無線装置1または無線装置4を介して通知する。この場合、スケジューリングされたスケジュールも通信局10,11に通知する。通信局10,11は、無線装置1及び無線装置4で干渉が生じないように、再びデータ伝送のスケジューリングを行う。
【0077】
無線装置4が新たにネットワークに参加した結果、伝送速度が低下し、所定の通信品質を確保できないと判断された場合は、再びスケジューリングを変更し、無線装置4への送信割り当て時間を短くして、一定の通信品質を確保してもよい。なお、要求されている伝送容量の関係から、無線装置4への送信割り当て時間を短くすることが困難な場合は、通信局10,11で交渉する必要があるが、過去にどちらの通信局が、より譲歩しているかといった履歴の指標、及びスケジューリングの優先度などに基づいて、データ伝送のスケジュールを決定する。
【0078】
また、図11に示すように、無線装置5がエリアA3で通信局11と通信する場合にも、第1の実施の形態を応用できる。無線装置5が新たにネットワークに参加した場合、通信局10及び通信局11が相互にデータ伝送情報を取得し、取得されたスケジュールに基づいて、通信局10及び通信局11の双方がデータ伝送のスケジューリングを行う。通信局10から無線装置1へのスケジューリングを行っている場合は、通信局11は、通信局10のスケジューリングが完了するまで、通信局11のスケジューリングを行わないようにすると、スケジューリングの輻輳現象を防ぐことができる。
【0079】
また、第1の実施の形態では、2つの通信局10,11によって生じる干渉について説明したが、3つの通信局によって干渉が生じる場合も、第1の実施の形態を応用できる。
【0080】
また、第1の実施の形態では、無線装置1が、通信局10と通信局11の時間同期誤差を検出し、同期誤差を修正するように、通信局10,11の少なくとも1つに指示する。しかし、新たにネットワークに参加した無線装置が、通信局10と通信局11の時間同期誤差を検出し、同期誤差を修正するように、通信局10,11の少なくとも1つに指示してもよい。また、無線装置1が検出した時間同期誤差と新たにネットワークに参加した無線装置が検出した時間同期誤差の平均値に基づいて、通信局10または通信局11に同期誤差を修正させてもよい。
【0081】
また、トラフィックの変化などによって通信局10,11のPCF周期を変更したい場合には、干渉を生じさせないようにスケジューリングした後に、PCF周期を変更する。この場合、通信局10,11の何れか一方は、スケジューリングされたスケジュール、及び変更したPCF周期を、無線装置1を介して他方の通信局に通知する。通知を受けた他方の通信局は、干渉を生じないようにスケジューリングを行う。
【0082】
また、図12に示すように、ステップS504において相互のPCF周期を変更しても、ステップS506において通信局11が承諾しない場合は、ステップS600において、通信局11が承諾しなかった回数をカウントし、ステップS601において、所定の閾値(または、所定の時間)を超えた場合は、ステップS602において、通信局10,11はDCFモードによる通信に切り替えてもよい。
【0083】
なお、分散制御型のDCF(Distributed Coordination Function)モードとPCFモードとを組み合わせて使用することや、通信局と無線装置の距離などによって、送受信信号にジッタが発生するため、許容すべきジッタを考慮したスケジューリングを行う。これにより、データの衝突を回避できる。また、DCFモードの場合、データ送信によって伝送路が長時間占有されると、スケジュールに狂いが生じてしまうため、DCFモードで送信するデータのパケットサイズをフラグメントによって小さくし、長時間占有しないようにすることができる。
【0084】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態において、制御部105は、所定の通信局のデータ伝送周期の開始時と他の通信局のデータ伝送周期の開始時が一致するように指示する。制御部105は、図1に示す通信局10が無線装置1へデータ伝送を行う周期の開始時と図1に示す通信局11が無線装置3へデータ伝送を行う周期の開始時とが一致するように、通信局10,11に指示する。つまり、通信局10,11の相対位相差を実質的に「0」にする。その他の構成、機能、及び動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0085】
図13は、通信局10と通信局11の相対位相差を「0」にした信号の一例を示したタイミングチャートである。通信局10は、無線装置1から通知された相対位相差をなくすように、通信局10のPCF周期の開始時をシフトし、図13に示すように、最小公倍周期TLごとに、通信局10のPCF周期の開始時が通信局11のPCF周期の開始時に一致するように制御する。
【0086】
そして、無線装置1は、通信局10と通信局11の相対位相差を「0」にした場合の干渉期間を検出する。例えば図13に示すように、干渉期間を検出する。
【0087】
無線装置1は、上記の式(1)及び式(2)により、最小公倍周期における干渉タイミングtbを特定し、最小公倍周期における干渉タイミングtbが含まれる周期を特定する。これにより、無線装置1は、将来における干渉期間を予測する。
【0088】
通信局10は、通信局10から無線装置1へのデータ伝送期間が通信局11から無線装置3へのデータ伝送期間と重複しないように、データ伝送のスケジューリングを行う。図14は、データ伝送のスケジューリングを行った信号の一例を示した図である。図14に示すように、最小公倍周期において予測された干渉期間で、通信局10が無線装置1に向けてデータを送信しないようにスケジューリングする。スケジューリングされたスケジュールに基づいて、最小公倍周期TLごとに、通信局10はデータ伝送を繰り返す。
【0089】
第2の実施の形態の無線装置、通信局、及び無線ネットワークによれば、複数の通信局の相対位相差を実質的に「0」にすることにより干渉期間を容易に予測できる。この結果、複数の通信局のデータ伝送期間が重複しないように容易に制御できる。
【0090】
(第2の実施の形態の変形例)
第2の実施の形態では、最小公倍周期が算出される。しかし、制御部105は、一方の通信局のデータ伝送周期を他方の通信局のデータ伝送周期に一致させてもよい。一般には、短いデータ伝送周期を、延長することで、長いデータ伝送周期に一致させる。図15に示したように、通信局11は、通信局11のPCF周期を通信局10のPCF周期に一致させる。通信局11のPCF周期は100Tとなる。この場合、通信局10,11は、干渉を生じさせる信号波のデータ送信期間が重複しないように、通信局10,11の少なくとも1つの通信局がデータ伝送のスケジューリングを行う。例えば、通信局11のPCF周期の空いた伝送区間に、通信局10から無線装置1へのデータ伝送を割り当てる。この場合、データ伝送周期が共通するため、干渉を生じさせる通信局が多数ある場合でも、干渉が生じないように容易に制御することができる。
【0091】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、図1に示す無線装置1が、データ伝送のスケジューリングを行い、通信局10,11のデータ伝送タイミングを制御する。その他の構成、機能、及び動作は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様である。
【0092】
無線装置1は、通信局10,11のデータ伝送情報を取得し、データ伝送情報と干渉期間に基づいて将来の干渉期間を予測する。そして、無線装置1が、通信局10,11及び無線装置2,3に通信権を与えて、干渉が生じないデータ伝送制御を実現する。例えば、干渉期間で通信局10,11のデータ伝送期間が重複しないようにスケジューリングされたスケジュールに基づいて、通信局10,11及び無線装置2,3へポーリング信号を送信する。
【0093】
なお、スケジューリングは、無線装置1により行われてもよいし、通信局10または通信局11により行われてもよい。スケジューリングのプロセスの処理量が大きく、無線装置1への負荷が過大となる場合は、通信局10または通信局11がスケジューリングを行い、無線装置1がスケジューリングされたスケジュールを取得すればよい。
【0094】
ここで、無線装置1からのポーリング信号は、無線装置1から他の無線装置2,3へ直接到達しない場合がある。そこで、無線装置1からのポーリング信号を受信した通信局10,11は、それぞれのネットワーク内に属する無線装置2,3に対するポーリング信号を、無線装置2,3へ送信する。そして、通信局10,11は無線装置2,3とそれぞれ通信を開始する。
【0095】
図16は、第3の実施の形態における信号の一例を示したタイミングチャートである。図16に示すように、無線装置1は、ポーリング信号P300〜P305を送信している。無線装置1は、ポーリング信号P300を通信局10,11へ送信し、通信局10,11の双方に通信権を与える。無線装置1は、ポーリング信号P302を通信局10へ送信し、通信局10に通信権を与える。無線装置1は、ポーリング信号P304を通信局11へ送信し、通信局11に通信権を与える。
【0096】
ここで、通信局から無線装置へデータ伝送するダウンリンクの場合には、無線装置1からのポーリング信号が無線装置2,3に直接到達しなくてもよい。そこで、ダウンリンクの場合は、通信局10,11からのポーリング信号送信を省略することができる。これにより、伝送効率が向上する。すなわち、図17に示すように、無線装置1によりポーリング信号P400が送信される場合、通信局10,11から無線装置2,3へのダウンリンクであるため、通信局10,11からのポーリング信号の送信が省略される。無線装置1によりポーリング信号P401が送信される場合、無線装置2,3から通信局10,11へそれぞれデータ伝送するアップリンクであるため、通信局10,11からポーリング信号が送信される。無線装置1によりポーリング信号P402が送信される場合、通信局10から無線装置1へのダウンリンクであるため、通信局10からのポーリング信号送信は省略される。無線装置1によりポーリング信号P403が送信される場合、無線装置1から通信局10へのアップリンクであり、通信局11から無線装置3へのダウンリンクであるため、通信局10からはポーリング信号が送信され、通信局11からのポーリング信号送信は省略される。無線装置1によりポーリング信号P404が送信される場合、通信局10から無線装置2へのダウンリンクであり、無線装置3から通信局11へのアップリンクであるため、通信局10からのポーリング信号送信は省略され、通信局11からはポーリング信号が送信される。
【0097】
第3の実施の形態の無線装置、通信局、及び無線ネットワークによれば、複数の通信局が無線装置のタイムベースに同期するため、通信局間の同期が自動的に確保される。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明の無線装置、通信局、及び無線ネットワークは、複数の通信局が同一チャネルで信号を送信する場合であって、複数の通信局がキャリアセンスできない場合であっても、重複するエリアで干渉を防止でき、且つ通信局の伝送効率を最大限に高めることができるという効果を有し、特に、無線LANなどのような、一般ユーザが利用する無線装置、通信局、及び無線ネットワークなどとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第1の実施の形態の無線ネットワークの一例を示した図
【図2】第1の実施の形態の無線装置の一例を示した図
【図3】第1の実施の形態における通信局10,11と無線装置2,3が通信する信号の一例を示したタイミングチャート
【図4】図3に示す通信状態でのメモリ106に格納されたデータ伝送情報の一例を示した図
【図5】第1の実施の形態における通信局10,11と無線装置1,2,3が通信する信号の一例を示したタイミングチャート
【図6】図5に示す通信状態でのメモリ106に格納されたデータ伝送情報の一例を示した図
【図7】第1の実施の形態における、データ伝送のスケジューリングを行った信号の一例を示した図
【図8】第1の実施の形態の無線装置、通信局、及び無線ネットワークの動作の一例を示したフローチャート
【図9】第1の実施の形態の変形例における通信局10が無線装置2と通信している信号の一例を示した図
【図10】第1の実施の形態の変形例における無線装置4がエリアA3で通信局10と通信している状態の一例を示した図
【図11】第1の実施の形態の変形例における無線装置5がエリアA3で通信局11と通信している状態の一例を示した図
【図12】第1の実施の形態の変形例の無線装置、通信局、及び無線ネットワークの動作の一例を示したフローチャート
【図13】第2の実施の形態における通信局10と通信局11の相対位相差を0にした信号の一例を示したタイミングチャート
【図14】第2の実施形態におけるデータ伝送のスケジューリングを行った信号の一例を示した図
【図15】第2の実施の形態における通信局のデータ伝送周期を一致させる一例を示した図
【図16】第3の実施の形態における信号の一例を示したタイミングチャート
【図17】第3の実施の形態における通信局10,11からのポーリング信号送信を省略した一例を示した図
【符号の説明】
【0100】
1,2,3,4,5 無線装置
10,11 通信局
101 アンテナ
102 無線部
103 ベースバンド処理部
104 MAC部
105 制御部
106 メモリ
107 タイマ
108 受信品質検出部
109 内部バス
110 インターフェース




 

 


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