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発明の名称 スピーカ用振動板およびこれを用いたスピーカならびにこのスピーカを用いた電子機器および装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−5992(P2007−5992A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−181942(P2005−181942)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 三村 和義 / 溝根 信也 / 中村 和人 / 清水 俊宏 / 隅山 昌英
要約 課題
本発明は音響機器に使用されるスピーカ用振動板およびこれを用いたスピーカならびにこのスピーカを用いた電子機器および装置に関するものであり、安定したスピーカの音質や特性、さらには外観を実現させることのできるものである。

解決手段
本発明は、内部添加剤として少なくとも両性ポリアクリルアミド樹脂系紙力剤を含んでスピーカ用振動板27を構成することにより、水質に関係なく定着を良好化させることで、振動板27の物性バラツキを抑え、安定したスピーカの音質や特性、外観を実現することができる構成としたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
パルプを重量比で50%以上含むスピーカ用振動板であって、前記スピーカ用振動板は、内部添加剤として、少なくとも両性ポリアクリルアミド樹脂系紙力剤を含むスピーカ用振動板。
【請求項2】
着色剤として、カチオン性ポリビニルアミン系化合物の染料定着剤と、アニオン系染料とを用いた請求項1記載のスピーカ用振動板。
【請求項3】
表面サイズ剤として、スチレン系ポリマーを用いた請求項1または請求項2記載のスピーカ用振動板。
【請求項4】
湿潤紙力剤として、ポリアミドとエピクロルヒドリンを反応させて用いた請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のスピーカ用振動板。
【請求項5】
抄紙により形成された請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のスピーカ用振動板。
【請求項6】
円錐状に形成された請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のスピーカ用振動板。
【請求項7】
磁気回路に結合されたフレームと、このフレームの外周部に結合された請求項1から請求項6記載のいずれか1つの振動板と、この振動板に結合されるとともに、その一部が前記磁気回路の磁気ギャップに配置されたボイスコイルとからなるスピーカ。
【請求項8】
請求項7記載のスピーカと、少なくともこのスピーカへの入力信号の増幅回路とを備えた電子機器。
【請求項9】
請求項7記載のスピーカを移動手段に搭載した装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は各種音響機器や映像機器に使用されるスピーカ用振動板やこれを用いたスピーカおよびステレオセットやテレビセット等の電子機器および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙振動板は比重が小さく適度な内部損失を有することから、現在でもスピーカ用振動板の主流である。
【0003】
従来の紙振動板は通常その抄紙工程において、硫酸アルミニウムを使用することで品質の安定化を図っていた。
【0004】
これらのスピーカ用振動板は音響機器の音質を決定する重要部品であるために、紙振動板を安定して製造するための処方や生産方法の検討が従来から数多く実施されてきている。
【0005】
尚、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開2003−230197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の紙振動板は硫酸アルミニウムを介したイオン結合によるパルプ繊維への定着であるが、これは水質とくにpHや金属イオン濃度や含有有機物質量によって定着の形態が大きく変化して振動板の物性をばらつかせ、スピーカの音質バラツキや外観バラツキを発生させるという課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
紙振動板の特性を決定する要因は薬品処理工程にあり、ここでの薬品の定着のバラツキがスピーカの音質や外観のバラツキにつながることになる。
【0008】
このため、薬品処理工程での薬品の定着のバラツキをなくすため、パルプのセルロースと水素結合することで自己定着できる化学薬品を選定することにより、定着の水質等によるバラツキをなくすことができる構成としたものである。
【0009】
すなわち、内部添加剤として、少なくとも両性ポリアクリルアミド樹脂系紙力剤を含んでスピーカ用振動板を構成したものである。
【0010】
この構成とすることで、水質に関係なく定着が良好化し、振動板の物性バラツキが抑えられ、結果としてスピーカの音質バラツキや外観バラツキを低減させることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、内部添加剤として、少なくとも両性ポリアクリルアミド樹脂系紙力剤を含んでスピーカ用振動板を構成したものである。
【0012】
この構成により、水質に関係なく定着を良好化させることができ、振動板の物性バラツキが抑えられ、よってバラツキがなく安定したスピーカの音質や外観を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1から請求項6に記載の発明について説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図を示したものである。
【0016】
図1に示すように、振動板27はスピーカ用振動板として使用されるため、その形状は円錐状に抄紙形成されて構成されている。
【0017】
そして、材料的にはパルプを重量比で50%以上含み、内部添加剤として両性ポリアクリルアミド樹脂系紙力剤を用いてスピーカ用振動板として構成している。
【0018】
ここで、両性ポリアクリルアミド樹脂は紙に定着し、紙の物性を向上させる紙力剤と呼ばれるものであり、セルロースと水素結合できる化合物である。
【0019】
この両性ポリアクリルアミド樹脂はセルロースと良好な水素結合でのネットワークを形成し、音速(ヤング率E/密度ρの平方根)が重要な振動板においては、パルプの補強剤として著しい効果を奏するものである。
【0020】
この構成により、水質に関係なく定着を良好化させることができ、振動板の物性バラツキが抑えられ、よってバラツキがなく安定した音質や外観を実現することができるスピーカ用振動板を得ることができる。
【0021】
また、このスピーカ用振動板に着色剤として、カチオン性ポリビニルアミン系化合物の染料定着剤と、アニオン系染料とを用いた構成としても良い。
【0022】
これらは、着色するときの染料の定着剤および染料であり、通常染料による着色は、水質の影響を受けやすく外観品質が安定しにくいものである。
【0023】
この構成とすることにより、着色するときの染料の定着性が良好化し、水質の影響を受けにくくなる。よって、この組合せが外観商品であるスピーカ用振動板には最適である。
【0024】
また、このスピーカ用振動板に、表面サイズ剤としてスチレン系ポリマーを用いた構成としても良い。
【0025】
この構成にすることにより、表面の改質効果が大きいスピーカ用振動板を得ることができる。
【0026】
もちろんサイズ剤として、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、中性ロジンエマルジョン系等のサイズ剤を用いても問題はないが、スチレン系ポリマーを用いることで表面の改質効果を一層高めることができる。
【0027】
また、このスピーカ用振動板に、湿潤紙力剤としてポリアミドとエピクロルヒドリンを反応させて用いた構成としても良い。
【0028】
この構成にすることにより、前述した両性ポリアクリルアミド樹脂系紙力剤と併用して、エピクロルヒドリンでポリアクリルアミド樹脂を変性することにより、尚一層定着性を良好化させることができ、その効果は非常に大きい。
【0029】
さらに本発明は、振動板に添加される公知の添加剤や無機フィラー等の使用を特に限定するものではない。
【0030】
また、以下に本発明を実施するための最良の形態の一例を示す。
【0031】
本発明の最良の実施形態としては、固形分で0.5〜3%のカチオン系ビニルアミンと固形分で2〜15%の染料を叩解したパルプに定着させたのち、固形分で0.3〜2%の両性ポリアクリルアミドを乾燥紙力剤として添加、その後、固形分で0.5〜3%のエピクロルヒドリン変性ポリアクリルアミドを湿潤紙力剤として添加した後、スチレン系ポリマーを1〜5%表面サイズ剤として使用する方法が好ましい。
【0032】
(実施例1、2、3)
600mlに叩解したPUKPパルプに染料定着剤カチオファストVSH(BAFジャパン製)を固形分で0.5%、アニオン系染料を固形分で8%加えた。その後DS4374(星光PMC製両性ポリアクリルアミド)を固形分で0.5%、WS552(星光PMS製エピクロルヒドリン変性ポリアクリルアミド)を固形分で1.2%、SS2072(星光PMC社製スチレン系ポリマー)を固形分で3%順次入れる方法で紙コーンを作成した。
【0033】
水はドイツ硬度2DHの軟水、20DHの硬水、20mg/Lの有機物を含む水の3種類使用した。
【0034】
(比較例1、2、3)
従来の硫酸アルミニウムを用いた方法で同様に実施した。
結果:
JISP8112記載の低圧ミューレン法での破裂強度は、
実施例1:2DHの水 3.1kg/cm
実施例2:20DHの水 3.1kg/cm
実施例3:有機物の多い水 3.1kg/cm
比較例1:2DHの水 3.0kg/cm
比較例2:20DHの水 1.2kg/cm
比較例3:有機物の多い水 1.8kg/cm
また、それぞれをスピーカに組込んで音質を評価した結果、実施例1〜3および比較例1はほぼ同じ音質であったが、比較例2,3は高音域での音圧が低く迫力のないものとなった。
【0035】
以上の結果より、水質に関係なく定着を良好化させるスピーカ用振動板を得ることができ、安定したスピーカの音質や特性、さらには外観を実現することができるという本発明の有効性を実証することができた。
【0036】
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項7に記載の発明について説明する。
【0037】
図2は、本発明の一実施の形態のスピーカの断面図を示したものである。
【0038】
図2に示すように、着磁されたマグネット21を上部プレート22およびヨーク23により挟み込んで内磁型の磁気回路24を構成している。
【0039】
この磁気回路24のヨーク23にフレーム26を結合している。このフレーム26の周縁部に、請求項1から請求項6記載のいずれか1つの振動板27の外周をエッジ29を介して接着している。そして、この振動板27の内周部にボイスコイル28の一端を結合するとともに、反対の一端を上記磁気回路24の磁気ギャップ25にはまり込むように結合して構成している。
【0040】
以上は、内磁型の磁気回路24を有するスピーカについて説明したが、これに限定されず、外磁型の磁気回路を有するスピーカに適用しても良い。
【0041】
さらに、振動板27とエッジ29とが一体化された携帯電話用等の小型スピーカについても適用することも可能である。
【0042】
この構成により、実施の形態1において説明したように、水質に関係なく定着を良好化させるスピーカ用振動板を得ることができ、安定した音質や特性、さらには外観を実現することができるスピーカを得ることができる。
【0043】
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項8に記載の発明について説明する。
【0044】
図3は、本発明の一実施の形態の電子機器であるオーディオ用のミニコンポシステムの外観図を示したものである。
【0045】
図3に示すように、本発明のスピーカ30をエンクロジャー41に組込んでスピーカシステムを構成し、このスピーカ30に入力する電気信号の増幅手段であるアンプ42と、このアンプ42に入力されるソースを出力するプレーヤ43とを備えて、電子機器であるオーディオ用のミニコンポシステム44を構成したものである。
【0046】
この構成とすることにより、従来では実現できなかった安定した音質や特性、さらには外観を実現することができるスピーカシステムや、オーディオ用のミニコンポシステム等の電子機器を得ることができる。
【0047】
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明の特に請求項9に記載の発明について説明する。
【0048】
図4は、本発明の一実施の形態の装置である自動車50の断面図を示したものである。
【0049】
図4に示すように、本発明のスピーカ30をリアトレイやフロントパネルに組込んで、カーナビゲーションやカーオーディオの一部として使用して自動車50を構成したものである。
【0050】
この構成とすることにより、スピーカ30の安定した音質や特性、さらには外観を実現することができ、このスピーカ30を搭載した自動車等の装置の性能や品質を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明にかかるスピーカ用振動板、スピーカ、電子機器および装置は、安定した音質や特性、さらには外観が必要な映像音響機器や情報通信機器等の電子機器、さらには自動車等の装置への適用に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスピーカ用振動板の断面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるスピーカの断面図
【図3】本発明の一実施の形態における電子機器の外観図
【図4】本発明の一実施の形態における装置の断面図
【符号の説明】
【0053】
21 マグネット
22 上部プレート
23 ヨーク
24 磁気回路
25 磁気ギャップ
26 フレーム
27 振動板
28 ボイスコイル
29 エッジ
30 スピーカ
41 エンクロジャー
42 アンプ
43 プレーヤ
44 ミニコンポシステム
50 自動車




 

 


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