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発明の名称 カラーフィルター及びそれを有する撮像装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6061(P2007−6061A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182866(P2005−182866)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
発明者 佐々木 亨
要約 課題
色再現性を高め,同時に高周波成分の取得ができるカラーフィルタを得ること。

解決手段
赤色光透過用のRフィルター、第1緑色光透過用のG1フィルター、該第1緑色光と分光特性が異なる第2緑色光透過用のG2フィルター、青色光透過用のBフィルターを含むフィルター群を所定の周期で、複数配列したカラーフィルターであって、該G1フィルターとG2フィルターは、いずれもrgb等色関数の関数g(λ)との相関値が70%以上あること。
特許請求の範囲
【請求項1】
赤色光透過用のRフィルター、第1緑色光透過用のG1フィルター、該第1緑色光と分光特性が異なる第2緑色光透過用のG2フィルター、青色光透過用のBフィルターを含むフィルター群を所定の周期で、複数配列したカラーフィルターであって、該G1フィルターとG2フィルターは、いずれもrgb等色関数の関数g(λ)との相関値が70%以上あることを特徴とするカラーフィルター。
【請求項2】
前記G1フィルターとG2フィルターは、該G1フィルターとG2フィルターの分光透過率分布の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が80%以上であることを特徴とする請求項1のカラーフィルター。
【請求項3】
前記G2フィルターは、該G2フィルターの分光透過率とrgb等色関数の関数g(λ)の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が80%以上であることを特徴とする請求項1のカラーフィルター。
【請求項4】
前記G1フィルターとG2フィルターは、該G1フィルターとG2フィルターの分光透過率分布の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が波長550nm以下の波長帯域において80%以上であることを特徴とする請求項1のカラーフィルター。
【請求項5】
前記G2フィルターは、該G2フィルターの分光透過率分布とのrgb等色関数の関数g(λ)の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が波長550nm以下の波長帯域において80%以上であることを特徴とする請求項1のカラーフィルター。
【請求項6】
前記G2フィルターの分光透過率の重心波長は、540〜560nmの範囲内にあること又は等色関数gの重心波長より長波長側にあることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項のカラーフィルター。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項のカラーフィルターと、該カラーフィルターの光射出側に撮像素子を配置していることを特徴とする光電変換装置。
【請求項8】
請求項7の光電変換装置と、該光電変換装置に像を形成する為の光学系とを有することを特徴とする撮像装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は,カラー画像情報を得る為に好適なカラーフィルタ及びそれを有する撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、1000万を超える画素数のイメージセンサ(撮像素子)が開発され、それを用いるディジタルカメラの解像性能は銀塩写真に匹敵しつつある。しかしながら色再現性や色モアレ縞の発生等の総合的な画質の点では未だ解決すべき点が多い。
【0003】
特に高い色再現性が必要とされる分野(例えば、医療用画像取得やインターネット画像取引用の商品カタログ、実世界を対象としたシミュレーター用画像など)では更なるカラー画像の高画質化が望まれている。
【0004】
色再現性を高めた撮像装置に用いられている、単板式のカラー撮像素子では、カラーフィルタの色数を増やし、高い色再現性とリアルタイムの撮像の実現を図っている。従来、用いられているRGB三原色に対し、青色から緑色の間に相当する透過波長帯のカラーフィルタを追加した撮像素子を用いた撮像装置が知られている(特許文献1、2)。また、緑色フィルタの透過波長帯域を長波長側あるいは短波長側にずらした緑色フィルタを4色目としたカラーフィルタを用いた撮像装置が知られている(特許文献3)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−274424号公報
【特許文献2】特開2003−284084号公報
【特許文献3】特開2004−228662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載されているカラー画像形成用の撮像装置では、R、G、B色フィルターに次ぐ4色目のフィルタの透過率波長帯域として青色から緑色(約波長440〜540nmの波長帯)にピークを持つ波長帯域を採用したフィルターを用いている。両者とも、色再現性を高めるために等色関数rgbのうち等色関数rが負の値を持つ波長帯域が透過して、かつ緑色フィルタとの相関が比較的高くなるように透過波長帯域を選択している。しかし、上記4色目のフィルタを用いることで、ベイヤー配列(近傍4画素がRGB三原色のカラーフィルタで構成され、GフィルターがR、Bフィルターの2倍配置されているカラーフィルタ配列)を使用した場合より高品質な画像が得られるわけではない。主要な原因は、ベイヤー配列を用いた方が高い空間周波数成分を取得しやすいためである。つまり、ベイヤー配列においては、赤色フィルタや青色フィルタの二倍の数の緑色フィルタが配置されるため、緑色画像のサンプリング間隔を狭めることができ、結果的に高空間周波数を取得できる。しかしながら、特許文献1,2におけるカラーフィルタにおいては構造上、最大透過波長と緑色フィルタの最大透過波長がずれざるを得ないため、緑色フィルタとの相関を高めにくく、高空間周波数成分を取得することが難しい。この問題は、特許文献3に記載されているカラーフィルタ配列においても同様である。
【0007】
本発明は、等色関数rgbのうち等色関数rが負の値を持つ波長帯域に関する出力を容易に取得でき、かつ高周波成分の取得も容易で良好なる色再生性の画像が得られるカラーフィルタ及びそれを利用した撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカラーフィルターは、赤色光透過用のRフィルター、第1緑色光透過用のG1フィルター、該第1緑色光と分光特性が異なる第2緑色光透過用のG2フィルター、青色光透過用のBフィルターを含むフィルター群を所定の周期で、複数配列したカラーフィルターであって、該G1フィルターとG2フィルターは、いずれもrgb等色関数の関数g(λ)との相関値が70%以上あることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、等色関数rの負の分光感度分布による出力値を得ることで色再現性を向上させ、且つ空間解像度の劣化を最小限に保つことが可能になるカラーフィルタとそれを有する撮像装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1に係るカラーフィルタ及びそれを有するカラー撮像装置について説明する。
【0012】
図1は、本発明のカラーフィルターの要部概略図である。
【0013】
図1において、10はカラーフィルターである。
【0014】
カラーフィルター10は、重心波長580nm以上の赤色光透過用のRフィルターR、第1緑色光透過用のG1フィルタG1、該第1緑色光と分光特性が異なる第2緑色光透過用のG2フィルターG2、重心波長480nm以下の青色光透過用のBフィルターBを含むフィルター群11を所定の周期で、複数2次元配列している。本実施例の配列はベイヤー配列より成っている(尚実施例において4つの色フィルターの配列はベイヤー配列に限らず他の配列であっても良い)。
【0015】
G1フィルターG1とG2フィルターG2は、いずれもrgb等色関数の関数g(λ)との相関値が70%以上ある。
【0016】
カラーフィルター10の光射出側には、各色フィルタR、G1、G2、Bに対応して撮像素子が配置されており、これらによって光電変換装置を構成している。
【0017】
次に実施例1及び以下の各実施例においてカラーフィルターの透過率を示す分光分布の状態を表わすために用いる用語について述べる。
【0018】
分光透過率分布,及び分光感度分布については,波長λの関数f(λ)を用いて表記する。二つの分光感度分布f(λ),h(λ)の近似度を表わす相関値Sを以下の式で定義する。
【0019】
【数1】


【0020】
ただし,λminとλmaxは波長の積分区間の下限値,上限値の波長であり,通常はλmi=350nmからλmax=800nm程度の可視光領域全体で積分する。
【0021】
二つの分布f(λ)、h(λ)が完全に一致する場合に相関値S=100%となる。
【0022】
相関値Sと推定精度の関係について説明する。ここで推定精度は分光感度分布f(λ)によるある受光手段の受光値から、分光感度分布h(λ)を用いたときの受光手段の受光値を推定するときの精度に相当する。分光感度分布f(λ),h(λ)による受光値が単位量変動するときに,波長λの単色光が各々の変動の原因である確率P(λ),P'(λ)は近似的に以下のように与えられる。
【0023】
【数2】


【0024】
近似的と表現しているのは,分光感度分布f(λ),h(λ)が負の値を含むためである。厳密には長さを正規化された関数であり確率とは異なるが,負の値の影響も含めた上で確率と同様の扱いができると考えてよい。分光感度分布f(λ)による受光値が単位量変動したときに,波長λの単色光が原因で分光感度分布h(λ)による受光値が単位量変動する確率はP(λ)P'(λ)である。よって分光感度分布f(λ)による受光値が単位量変動したときに分光感度分布h(λ)による受光値が単位量変動する確率P''(つまり分光感度分布h(λ)による受光値の推定精度)は以下の式(3)のように与えられる。
【0025】
【数3】


【0026】
結果としてフィルタの分光感度分布h(λ)による受光値の推定精度の絶対値は,式(1)により与えられる相関値Sと比例することがわかる。
【0027】
次に,分光感度分布f(λ)の重心波長Wを以下のように定義する。
【0028】
【数4】


【0029】
重心波長Wは,分光感度分布f(λ)がピーク波長λpを中心として左右対称形の場合,ピーク波長λpとなり,左右一方向に分布が偏っている場合は,偏りが大きい方向に移動する。
【0030】
本実施例のG2フィルタ(以下,減衰フィルタG2とも呼ぶ)は,図2に示すようにRGB三原色フィルタの一つであるgフィルタに関する分光透過率分布の短波長側の減衰カーブの傾斜を強めた分光透過率分布を持つ。G1フィルターは、rgb等色関数の関数g(λ)との相関値が70%以上あれば良く、関数g(λ)に類似している。ただし,本発明のカラーフィルターで説明に用いる2つの緑色光用のG1フィルター、G2フィルターのうち一方のG2フィルターの分光分布形状は,以下の特徴のどちらかに当てはまることを想定している。
【0031】
(a)G2フィルタの分光透過率分布と等色関数g(λ)(後述する)との相関値Sが95%以上を示すこと、
(b)G2フィルタの分光透過率分布にカラーフィルターを用いる撮像装置におけるイメージセンサ(撮像素子)の分光感度分布を積算した分光分布と等色関数g(λ)との相関値Sが95%以上を示す
以下、本発明の実施例のカラーフィルタの特徴を示すためにG2フィルタとの相関値Sを計算するが,上記特徴から,計算結果は全て等色関数g(λ)との相関値Sについても当てはまる。
【0032】
上記減衰フィルタG2は以下に示す二つの目的を達成するように設計されている。一つの目的は,rgb等色関数に対する出力値(人間の目の応答の分光特性)に近い出力(分光特性)を得ることである。rgb等色関数は図3に示すような3つの分光感度分布r(λ)、g(λ)、b(λ)であり,異なる波長の光に対する人間の目の応答(三刺激値)を表わす。三つの色フィルタ(Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ)を用いる場合には,等色関数rの負の領域102からの応答が得られないため,第4のフィルタが必要となる(本実施例では、減衰フィルターG2が相当する)。
【0033】
二つ目の目的は,上記減衰G2フィルタが配置されている画素において,等色関数g(λ)と略等しい特性を持つG1フィルタからの出力値の推定精度を高めることである。RGB三原色のカラーフィルタR、G,Bは通常、撮像素子面上において,図4に示すベイヤー配列と呼ばれる配置で実装されている。上記ベイヤー配列では,図4に示すようにGフィルタGがR,BフィルタR,Bの二倍の比率で配置される。GフィルタGで取得する点数を他色の二倍とすることで,高周波の空間周波数成分を取得している。一つ目の目的を達成するために第4のフィルタを導入する場合,ベイヤー配列のように高周波の空間周波数成分を取得できるようにGフィルタ出力値の推定精度を高めることが重要になる。
【0034】
上記減衰フィルタG2として、3つの減衰フィルタG21、G22,G23の分光透過率の例を図2に示す。各々の減衰フィルタG21、G22,G23の分光透過率は,等色関数g(λ)と略等しい分光特性を有するG1フィルタの分光透過率の短波長側の傾斜を異なる割合で強めたものである。上記減衰フィルタG21、G22,G23の例は,各減衰フィルタG21、G22,G23とG1フィルタの分光透過率分布の差分(図5)により特徴付けられる。差分が値をもつ周波数帯は,図3に示した等色関数rが負の値を持つの周波数帯(波長領域)(以下,負の領域102と呼ぶ)とほぼ一致し,差分布は上記負の領域102と高い相関を持つ。そのため,上記減衰フィルタG21、G22,G23とG1フィルタの出力値の差を計算することにより(図5参照),上記負の領域102に対応する出力値の近似値を得ることができる。
【0035】
具体的には、G1フィルターと減衰フィルターG2は、G1フィルターと減衰フィルターG2の分光透過率分布の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が80%以上である。
【0036】
又は、減衰フィルターG2は、減衰フィルターG2の分光透過率分布とrgb等色関数の関数g(λ)の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が80%以上である。これによってG2フィルターは、その最大透過波長とrgb等色関数における等色関数gの最大透過率波長との差が少なくなるようにしている。
【0037】
上記減衰フィルタG21、G22,G23は,G1フィルタとの相関の高さや差分の特徴等から,従来型のカラーフィルタと区別可能である。以下では,上記減衰フィルタG2例と既存の分光フィルタを例にして数値的な違いを示す。まず,図6に示すように波長515nmに最大値を持ち分光分布の裾野の広がりが異なる3種類のフィルタ(以下,比較用フィルタ1〜3と呼ぶ)を比較対象とした例を示す。最大値を持つ波長を515nmとしたのは,上記負の領域102の出力値の取得を目的としたカラーフィルタがこの値を最大値としているためである。比較用フィルタ1〜3の裾野の広がりは,G1フィルターと相関が高まるように長波長方向のみ採用している。上記減衰フィルタG2例とG1フィルタとの相関,及び上記既存の比較用フィルタ1〜3とG1フィルタとの相関を図7に示す。上記減衰フィルタG2の例は全て95%以上の高い相関値Sを示すのと比較して上記比較用フィルタ1〜3は低い相関値Sになることが分かる。中でも,分光分布の裾野の広がりが狭い比較用フィルタ1の相関値Sは60%程度になり,相関値Sのみで十分に区別可能である。
【0038】
次に,重心波長Wを使った比較結果を図9に示す。本実施例の減衰フィルタ−の重心波長は、波長540nm〜560nmの範囲内、又は等色関数g(λ)の重心波長(波長550nm)より長波長側にある。具体的には上記減衰フィルタG21,G22、G23の重心波長WはG1フィルタと同じく波長550nm付近になる。一方,比較用フィルタ1〜3の重心波長Wは,比較用フィルタ3を除いてかなり短波長側に位置する。比較用フィルタ2は,G1フィルタとの相関が高まるように分光分布の裾野を広げたフィルタであるが,重心波長を調べることで実施例のG2フィルターと明確に区別可能である。
【0039】
比較用フィルタ3は,分光分布の裾野をさらに大きく広げることで,重心波長WをG1フィルタと同程度の値にしたフィルタであり,一般的な比較対象とは言いにくいが,このタイプのフィルタとも区別することができる。このタイプのフィルタと区別する場合には,G1フィルタとの差分相関値で比較する。上記差分相関値は,対象フィルタ(上記減衰フィルタG2,または上記比較用フィルタ)とG1フィルタとの差分布と,等色関数rの負の領域102との相関値である。ただし,上記対象フィルタとG1フィルタの差分では,G1フィルタに重みをかけて減算する。そのときの重み量は任意であり,比較では差分相関値が最も高くなるように重みを選択する必要がある。図10に対象フィルタを比較用フィルタ3として,重みを変えながら差分相関値を計算した結果を示す。この場合,差分相関値の最大値は80%程度の値となり,原理的に高い値にはならない。対象フィルタを上記減衰フィルタとする場合には,差分相関値はほぼ100%となるため,結果として区別可能である。以上より,上記減衰フィルタと波長515nmに最大値を持つフィルタの相関値Sは,いずれも明確に区別可能である。
【0040】
次に比較対象を少量の作成誤差を伴った緑色フィルタ(以下,誤差含有Gフィルタと称する)とした例を示す。誤差含有GフィルタとG1フィルタ自身との相関値は100%に近い値となるため,相関値を用いて上記減衰フィルタG2と区別するのは難しい。そこで,上記差分相関値を使った比較により違いを示す。上記減衰フィルタG2と上記誤差含有Gフィルタに対して求めた差分相関値のグラフを図8に示す。上記誤差含有Gフィルタに含まれる誤差は小さく均一に分布しやすいため差分相関値は20%より高くらず,反対に,上記減衰フィルタG2の差分相関値は100%に近い値になる。このように,上記減衰フィルタG2は,G1フィルタと似たような分光透過率分布を持つ誤差含有フィルタとも明確に区別できる。
【0041】
上記減衰フィルタG2を備えたカラー撮像装置について説明する。上記カラー撮像装置における処理の流れ(フローチャート)を図11に示す。カラー撮像装置では,レンズ系(撮像系)0200により結像した光学像を,カラーフィルタ0201を用いて各色毎の画像に分解する。カラーフィルタの実装方法はG1フィルタと上記減衰フィルタG2を備えていれば任意であるが,ここでは図1に示すベイヤー配列の二つのGフィルタの一つが上記減衰フィルタG2に置き換えられたカラーフィルタアレイを使用する。受光部0202では,イメージセンサによりカラーフィルタ通過後の光学像の光強度信号を取得する。画像メモリ0203に記憶した輝度信号に対し,画像処理部0204により画像処理(ホワイトバランス処理,ノイズ除去,色補間処理,カラーマトリクス処理)を行う。
【0042】
カラー撮像装置の出力信号は,任意の表示装置に伝送され,表示される。本実施例では色域を広げるためにカラーフィルタ数を通常より増やした液晶ディスプレーを用いている。
【0043】
以上説明したように,本実施例によれば,G1フィルタの分光透過率の短波長側の減衰カーブの傾斜を大きくしたG2フィルタを備えたカラーフィルターを含む光電変換装置を有する撮像装置を提供することで,色再現性を高め,同時に高周波成分の画像を取得することができる。
【実施例2】
【0044】
本発明の実施例2に係るカラーフィルタ及びそれを有するカラー撮像装置について説明する。実施例2で提供するカラーフィルタに含まれるG2フィルター(以下,シフトフィルタと呼ぶ)は,実施例1で提供するG2フィルタと同じく,RGB三原色フィルタの緑色フィルタgの分光透過率分布を基にして設計されている。上記シフトフィルタの特徴は,G1フィルタより分光透過率分布の短波長側の減衰カーブの傾斜が大きく,高周波側の減衰カーブの傾斜が小さくなっていることである。
【0045】
具体的には、G1フィルターとシフトフィルター(G2フィルター)は、G1フィルターとシフトフィルターの分光透過率分布の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が波長550nm以下の波長帯域において80%以上である。
【0046】
又は、シフトフィルターは、シフトフィルターの分光透過率分布とrgb等色関数の関数g(λ)の差分布と、rgb等色関数の関数r(λ)の分光感度分布における負の値の領域との相関値が波長550nm以下の波長帯域において80%以上である。
【0047】
上記シフトフィルタ1〜3の分光特性の例を図12に示す。短波長側の傾斜以外に長波長側の傾斜も変化している。上記シフトフィルタ1〜3とG1フィルタの相関値を図13に示す。実施例1で提供可能なG2フィルタに関する相関値と比較して,相関値が低い値になる。これは,G1フィルタの分光透過率分布より長波長側に分布が広がったため,式(1)で示す相関値Sの分母が増加した結果である。相関値Sは低くなるが,本発明の実施例1の説明で用いた波長515nmにおいて透過率が最大となる比較用フィルタとG1フィルタの相関値(図6)と比較すれば未だに高い。このため緑色出力値の推定精度を高めることができる。
【0048】
一方,上記シフトフィルタ1〜3とG1フィルタの分光分布の差分布は,図14(a)に示すようにG1フィルタの分光透過率の長波長側の減衰領域で高い値を示す。結果,等色関数rの負の領域102との相関値が大きく低下し,そのままでは赤色の出力値の精度を向上できなくなる。この問題に対処するため,上記シフトフィルタの設計では,長波長側の差分布とRフィルタの相関値が90%以上に保たれるようにする。このように設計したとき,図14(a)に示す上記シフトフィルタの差分布から,重みをかけたRフィルタの分布をさらに減算した差分布(図14(b))を生成することができる。上記差分布(図14(b))を分光透過率としたときの出力値は,G1フィルタとシフトフィルタによる出力値の差から,さらに,Rフィルタによる出力値に重みをかけて減算することにより得られる。上記差分布(図14(b))と等色関数rの負の領域との相関値は高いため,結果として高精度で等色関数rの負の領域による影響を精度良く計算することができる。
【0049】
上記シフトフィルタの利点は,本発明の実施例1で提供できるフィルタの透過波長帯域より広い透過波長帯域を持つので,光量効率が高くなり,材料の選択が容易になる。
【0050】
実施例2で提供できるカラーフィルタを備えたカラー撮像装置としては、実施例1と同様に図11に示す構成を用いる。カラー撮像装置の構成に関しては,カラーフィルタ配列以外は実施例1と共通である。カラーフィルタ配列はG1フィルタと上記シフトフィルタが近傍に位置するように配置されていれば任意であるが,実施例2では図15に示すようにRフィルタとGフィルタを対角に位置させ,上記シフトフィルタ(図中ではSaと記述)とG1フィルタを水平方向に並べて配置する。この配置は,水平方向の解像点数を高く保つのに有効である。
【0051】
以上説明したように,実施例2によれば,G1フィルタの分光透過率の短波長側の減衰カーブの傾斜を大きくし,長波長側の減衰カーブの傾斜を小さくしたカラーフィルタを備えた撮像装置を提供することで,色再現性を高め,同時に高周波成分の取得が可能になる。
【0052】
また,実施例1で提供できるカラーフィルタより容易に作成することができる。
【0053】
次に本発明の光電変換装置を用いたビデオカメラの実施例を図16を用いて説明する。
【0054】
図16において、10はビデオカメラ本体、11はズームレンズによって構成された撮影光学系、12は撮影光学系11によって被写体像を受光する本発明に係る光電変換装置でありカラーフィルターの光射出側に撮像素子を配置している。13は撮像素子12によって光電変換された被写体像に対応する情報を記憶するメモリ、14は不図示の表示素子に表示された被写体像を観察するためのファインダーである。上記表示素子は液晶パネル等によって構成され、撮像素子12上に形成された被写体像が表示される。
【0055】
本発明の撮像装置は、デジタルスチルカメラにも同様に適用することができる。このように本発明の光電変換装置をビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより良好なる色再現性のある撮像装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施例1のカラーフィルターの要部概略図
【図2】実施例1で提供できるカラーフィルタの減衰フィルター分光透過率分布の例を示す図。
【図3】rgb等色関数を説明する図。
【図4】本発明のカラーフィルターのベイヤー配列を説明する図。
【図5】実施例1で提供できる減衰フィルタとG1フィルタの差分布を説明する図。
【図6】実施例1で提供できる減衰フィルタに対する比較対象として用いる波長515nmに最大値を持ち裾野の広がりが異なる3種類のフィルタを説明する図。
【図7】実施例1で提供できる減衰フィルタ例とG1フィルタとの相関,及び比較用分光フィルタとG1フィルタとの相関値を説明する図。
【図8】実施例1で提供できる減衰フィルタと誤差を含むG1フィルタに対して求めた差分相関値を表わす図。
【図9】実施例1で提供できる減衰フィルタとG1フィルタの重心波長の違いについて説明する図。
【図10】比較用フィルタ3の差分相関値を表わす図。
【図11】実施例1で提供できるカラー撮像装置における処理の流れを説明する図。
【図12】実施例2で提供できるシフトフィルタの分光透過率分布の例を示す図。
【図13】実施例2で提供できるシフトフィルタ例とG1フィルタとの相関値を説明する図。
【図14】実施例2で提供できるシフトフィルタとG1フィルタの差分布を説明する図。
【図15】実施例2で提供できるカラーフィルタを備えたカラーフィルタ配列の例を説明する図。
【図16】本発明の撮像装置の概略図
【符号の説明】
【0057】
R :赤色光用フィルター
G1、G2:緑色光用フィルター
B :青色光用フィルター
0200 :レンズ系
0201 :カラーフィルタ
0203 :画像メモリ
0202 :受光部
0204 :画像処理部
0205 :画像記録部
0206 :復号器
0207 :表示部




 

 


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