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発明の名称 色処理方法およびその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−6039(P2007−6039A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−182521(P2005−182521)
出願日 平成17年6月22日(2005.6.22)
代理人 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
発明者 大賀 学
要約 課題
より高精度なカラーマッチングを実現するには、物体色を扱うデバイスと光源色を扱うデバイスとを区別して処理する必要がある。

解決手段
デバイスの種類が光源色を扱うデバイスの場合は、測色値ファイル29の測色条件を観察条件に変換する処理(色知覚モデル順変換28および色知覚モデル逆変換27)を行わないように制御し、デバイスの種類が物体色を扱うデバイスの場合は、測色ファイル29の測色条件を観察条件に変換する処理を行い、測色値からプロファイル21を作成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
観察条件と、デバイスの測色値から求めた色変換条件を用いる補正処理であるカラーマッチング処理を行う色処理方法であって、
前記観察条件を取得する取得ステップと、
前記測色値の測色条件を前記観察条件に変換する変換ステップと、
前記デバイスの種類を判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づき前記変換ステップを制御する制御ステップとを有し、
前記制御ステップは、前記デバイスの種類が光源色を扱うデバイスの場合は前記測色条件を前記観察条件に変換する処理を行わないように前記変換ステップを制御し、前記デバイスの種類が物体色を扱うデバイスの場合は前記測色条件を前記観察条件に変換する処理を行うように前記変換ステップを制御することを特徴とする色処理方法。
【請求項2】
前記光源色を扱うデバイスの場合、前記観察条件として、前記デバイスの白色点と環境光の白色点の間の白色点が設定されることを特徴とする請求項1に記載された色処理方法。
【請求項3】
前記変換ステップは、前記測色条件に応じた順変換と前記観察条件に応じた逆変換を行うことを特徴とする請求項1に記載された色処理方法。
【請求項4】
前記物体色を扱うデバイスの場合で、前記測色条件と前記観察条件が一致する場合は、前記変換ステップによる処理を行わないことを特徴とする請求項1に記載された色処理方法。
【請求項5】
物体色を扱うデバイスに対して、環境光基準のXYZ値を使用したプロファイルを作成し、観察条件の白色点として環境光の白色点を使用するステップと、
光源色を扱うデバイスに対して、表示デバイス光源基準のXYZ値を使用したプロファイルを作成し、前記観察条件の白色点として、観察者が表示デバイス上の画像を注視する場合は表示デバイス白色点を使用し、前記観察者が前記表示デバイス上の画像と反射原稿上の画像を比較する場合は前記表示デバイス白色点と前記環境光の白色点の間の白色点を使用するステップとを有することを特徴とする色処理方法。
【請求項6】
前記物体色を扱うデバイスのプロファイルは、前記環境光基準のXYZ値を作成するためにデバイス色の各パッチに対する分光反射率特性を格納することを特徴とする請求項5に記載された色処理方法。
【請求項7】
さらに、測色値ファイルのデバイスが前記物体色を扱うデバイスか前記光源色を扱うデバイスかを判断し、前記物体色を扱うデバイスの場合は測色条件と観察条件を比較し、前記測色条件と前記観察条件が一致しない場合は色知覚モデル順変換および色知覚モデル逆変換を適用して、前記測色条件の下の測色値を前記観察条件の下の測色値へ変換するステップを有することを特徴とする請求項5に記載された色処理方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れかに記載された色処理をコンピュータを用いて実現することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
観察条件と、デバイスの測色値から求めた色変換条件を用いる補正処理であるカラーマッチング処理を行う色処理装置であって、
前記観察条件を取得する取得手段と、
前記測色値の測色条件を前記観察条件に変換する変換手段と、
前記デバイスの種類を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づき前記変換手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記デバイスの種類が光源色を扱うデバイスの場合は前記測色条件を前記観察条件に変換する処理を行わないように前記変換手段を制御し、前記デバイスの種類が物体色を扱うデバイスの場合は前記測色条件を前記観察条件に変換する処理を行うように前記変換手段を制御することを特徴とする色処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察条件に応じたカラーマッチング処理を行う色処理に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は一般的なカラーマッチングの概念図である。
【0003】
RGBデータである入力データは、入力プロファイルによりデバイスに依存しない色空間のXYZデータに変換される。出力デバイスの色再現範囲外の色は出力デバイスにより表現することができないため、そのすべて色が出力デバイスの色再現範囲内に収まるように、デバイスに依存しない色空間のデータに変換された入力データに色空間圧縮が施される。そして、色空間圧縮が施された後、入力データはデバイスに依存しない色空間から出力デバイスに依存する色空間のCMYKデータへ変換される。
【0004】
カラーマッチングにおいて基準白色点および環境光は固定されている。例えば、International Color Consortium (ICC)によって規定されるプロファイルでは、プロファイルを結び付けるProfile Connection Space (PCS)がD50基準のXYZ値およびLab値である。このため、入力原稿やプリント出力はD50特性の光源下で観察する場合に正しい色再現が保証され、その他の特性の光源下では正しい色再現が保証されない。
【0005】
このような点に鑑みて、観察条件に応じたカラーマッチングを出願人は提案している(特許文献1)。この提案は、ソース側の観察条件に応じた色知覚順変換およびデスティネーション側の観察条件に応じた色知覚逆変換を使用するカラーマッチングである。
【0006】
しかし、特許文献1に開示する技術は、物体色を扱うデバイスと光源色を扱うデバイスとを区別せずに処理をするため、より高精度なカラーマッチングを実現するには改善の余地がある。
【0007】
【特許文献1】特開2000-50086公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、より高精度なカラーマッチングの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
【0010】
請求項1に記載の発明は、観察条件と、デバイスの測色値から求められた色変換条件を用いる補正処理であるカラーマッチング処理を行う色処理方法であって、前記観察条件を取得し、前記測色値の測色条件を前記観察条件に変換し、前記デバイスの種類を判定し、前記判定の結果に基づき前記変換を制御する各ステップを有し、前記制御は、前記デバイスの種類が前記光源色を扱うデバイスの場合は前記測色条件を前記観察条件に変換する処理を行なわないように、前記デバイスの種類が前記物体色を扱うデバイスの場合は前記測色条件を前記観察条件に変換する処理を行うように、前記変換を制御することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、物体色を扱うデバイスに対して、環境光基準のXYZ値を使用したプロファイルを作成し、観察条件の白色点として環境光の白色点を使用し、また、光源色を扱うデバイスに対して、表示デバイス光源基準のXYZ値を使用したプロファイルを作成し、前記観察条件の白色点として、観察者が表示デバイス上の画像を注視する場合は表示デバイス白色点を使用し、前記観察者が前記表示デバイス上の画像と反射原稿上の画像を比較する場合は前記表示デバイス白色点と前記環境光の白色点の間の白色点を使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、物体色を扱うデバイスおよび光源色を扱うデバイスのそれぞれに適した変換を行うことができ、より高精度なカラーマッチングを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明にかかる実施例の画像処理を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、以下に説明する実施例で使用する色知覚モデルについて図2を用いて説明する。
【0015】
人間の視覚系によって、知覚される色は、照明光の違い、刺激が置かれている背景などの条件によって、目に入ってくる光が同じであっても異なって見えることが知られている。
【0016】
例えば、白熱電球で照明された白色は、目に入ってくる光の特性ほどには赤く感じられなくて、白として知覚される。また、黒い背景におかれた白と、明るい背景に置かれた白とでは黒い背景に置かれた白の方が明るく感じられる。前者の現象は色順応、後者は対比として知られている。このため、XYZ値ではなく網膜状に分布している視細胞の生理的な活性度に対応する量で色を表示する必要があるが、このような目的に色知覚モデルが開発されている。CIEでは、CIECAM97sの使用を推奨している。この色知覚モデルは色覚の生理的な三原色を用いる。例えばCIECAM97sで計算される色知覚の相関量であるH(色相)、J(明度)およびC(クロマ)、あるいは、H(色相)、Q(ブライトネス)およびM(カラフルネス)の値が、観察条件に依存しない色の表示方法と考えられる。H、J、CまたはH、Q、Mの値がデバイス間で一致するように色再現することによって、入出力画像の観察条件の違いを解決することができる。
【0017】
入力画像を観察する際の観察条件に応じた補正処理(XYZをHJCまたはHQMに変換する処理)を行う色知覚モデルCIECAM97sの順変換における処理内容を、図2を用いて説明する。
【0018】
まず、入力画像の観察条件情報としてステップS160で、順応視野の輝度(cd/m2、通常、順応視野における白の輝度の20%が選らばれる)であるLa、光源条件における試料の相対三刺激値であるXYZ、光源条件における白色光の相対三刺激値であるXwYwZw、および、光源条件における背景の相対輝度であるYbを設定する。また、ステップS180で指定される観察条件のタイプに基づき、入力画像の観察条件情報として、ステップS170で周囲の影響の定数c、色誘導係数Nc、明度コントラスト係数FLLおよび順応度の係数Fを設定する。
【0019】
ステップS160およびS170で設定した入力画像観察条件情報に基づき、入力画像を示すXYZに対して以下のような処理を行う。
【0020】
まず、人間の生理的な三原色として考えられているBradfordの三原色に基づき、XYZを変換してBradford錐体応答RGBを求める(S100)。人間の視覚は常に観察光源に完全順応するわけではないので、輝度レベルと周囲条件(LaおよびF)に基づき順応度を示す変数Dを求め、この変数DおよびXwYwZwに基づき、RGBに対して不完全順応処理を行いRcGcBcに変換する(S110)。
【0021】
次に、人間の生理的な三原色として考えられているHunt-Pointer-Estevezの三原色に基づき、RcGcBcを変換してHunt-Pointer-Estevez錐体応答R'G'B'を求める(S120)。このR'G'B'に対して刺激強度レベルによる順応度合いを推定し、試料と白の両方に応じた順応後錐体応答R'aG'aB'aを求める(S130)。なお、ステップS130では、順応視野の輝度Laに基づき求まる変数FLを用いて非線型応答圧縮を行う。
【0022】
続いて、見えとの相関関係を求めるために、以下の処理を行う。
【0023】
赤-緑および黄色-青の反対色応答abをR'aG'aB'aから求め(S140)、反対色応答abおよび偏心係数から色相Hを求める(S150)。
【0024】
また、Ywおよび背景の相対輝度Ybから求まる背景誘導係数nを求め、この背景誘導係数nを用いて試料および白の両方に関する無彩色応答AおよびAwを求める(S190)。次に、背景誘導係数nおよび明度コントラスト係数FLLから求められる係数z、並びに、A、Aωおよびcに基づき明度Jを求める(S151)。続いて、色誘導係数Ncから飽和度Sを(S153)、飽和度Sおよび明度JからクロマCを(S152)、明度Jおよび白の無彩色応答Aωから輝度Qを(S154)、それぞれ求める。
【0025】
また、変数FLおよび周囲の影響の定数cからカラフルネスMを求める(S155)。
【0026】
物体色を扱うデバイスのカラーマッチング
次に、反射原稿等の物体色を扱うデバイス(ディジタルカメラ、スキャナ、プリンタ等)間のカラーマッチング処理を説明する。
【0027】
図3は物体色を扱うカラーマッチング処理を説明する図である。
【0028】
図3において、変換マトリクスまたは変換ルックアップテーブル(LUT) 11は、入力デバイスに依存するデータを、入力側の環境光の白色点基準に基づくデバイスに依存しない色空間データへ変換する。色知覚モデルの順変換部(CAM)12は、変換LUT 11から得られるデータを人間の色知覚色空間JChまたはQMhへ変換する。JCh(またはJCH)13は、環境光の基準白色に相対的な色知覚空間である。QMh(またはQMH)14は、照度レベルによって大きさが変化する絶対的な色知覚空間である。色知覚モデルの逆変換部15は、人間の色知覚空間JChまたはQMhの色空間データを、出力側の環境光の白色点基準に基づくデバイスに依存しない色空間データへ変換する。変換LUT 16は、逆変換部15から得られるデータを出力デバイスに依存する色空間データヘ変換する。
【0029】
一般に、観察条件における環境光の白色点は、カラーターゲットやカラーパッチなどの色票を測色した際の標準光源の白色点とは異なる。例えば、測色の際に使用される標準光源はD50やD65であるが、実際に画像を観察する場合の環境光はライトブースのD50やD65とは限らず、白熱電球や蛍光灯などの照明光であったり、照明光と太陽光とが混合した光になる場合が多い。以下の説明では、簡単化のために、観察条件における環境光の光源特性をD50、D65およびD93とするが、実際にはメディア上の白色点のXYZ値を白色点として設定する。
【0030】
図4は本実施例の機能構成例を示すブロック図である。
【0031】
図4において、データ作成部41は、入力プロファイル42と入力側の観察条件1から、入力側の観察条件1に依存するデータを作成する。色空間圧縮モード選択部43は、ユーザによる指定またはプロファイルによる指定に基づき色空間圧縮をJCH色空間上で行うかQMH色空間上で行うかを選択する。色空間圧縮部44および45は、それぞれ出力プロファイル46に基づきJCHまたはQMH色知覚空間上でデータに色空間圧縮を施す。データ作成部47は、出力プロファイル46と出力側の観察条件2から出力側の観察条件2に依存するデータを作成する。カラーマッチング部48は、観察条件1に依存するデータ、色空間圧縮データ、観察条件2に依存するデータおよび色知覚モデルを利用してカラーマッチングを行う。
【0032】
図5は図4に示される機能構成を実現する装置の構成例を示すブロック図であるが、図5に示すような装置は、例えばパーソナルコンピュータのような汎用のコンピュータ装置に、図4に示す機能を実現するソフトウェアを供給することによって実現されることは言うまでもない。その場合、本実施例の機能を実現するソフトウェアは、コンピュータ装置のOS(基本システム)に含まれていても構わないし、OSとは別に例えば入出力デバイスのドライバソフトウェアに含まれていても構わない。
【0033】
図5において、CPU 100は、ROM 101およびハードディスク(HD)106などに格納されたプログラムに従い、RAM 102をワークメモリに利用して、装置全体の動作を司るとともに、上述したカラーマッチングに関連する処理をはじめとする各種の処理を実行する。入力インタフェイス103は入力デバイス104を接続するための、ハードディスクインタフェイス105はHD 106を接続するための、ビデオインタフェイス107はモニタ108を接続するための、出力インタフェイス109は出力デバイス110を接続するためのそれぞれインタフェイスである。
【0034】
なお、本実施例が対象とする入力デバイスには、ディジタルスチルカメラおよびディジタルビデオカメラなどの撮影機器、並びに、イメージスキャナおよびフィルムスキャナなどイメージリーダをはじめとする各種の画像入力機器が含まれる。また、出力デバイスには、CRTやLCDなどのカラーモニタ、カラープリンタおよびフィルムレコーダなどの画像出力機器が含まれる。
【0035】
また、インタフェイスとして汎用のインタフェイスが利用できる。その用途に応じて、例えば、RS232C、RS422などのシリアルインタフェイス、IEEE1394やUSBなどのシリアルバス、あるいは、SCSI、GPIBおよびセントロニクスなどのパラレルインタフェイスが利用可能である。
【0036】
また、カラーマッチングを行うための入出力プロファイルはHD 106に格納されるが、ハードディスクに限らず、CD-R/RWやDVD±R/RWなどの光ディスクを用いることもできる。
【0037】
以下では、入出力プロファイルを利用してカラーマッチングを行う例を説明する。
【0038】
●観察条件1に依存するデータの作成
データ作成部41を用いて変換LUT 11を作成する。変換LUT 11を作成する方法には、図6に一例を示すカラーターゲットのXYZ値(またはLab値)および入力デバイスのRGB値の関係から、環境光に対応する変換LUT 11を再構築する方法、並びに、図7に一例を示す入力プロファイル42内のデバイスRGB空間からXYZ空間へ変換するための変換LUTを環境光に対応する変換LUT 11へ更新する方法がある。
【0039】
図6は環境光に対応する変換LUT 11を再構築する処理例を示すフローチャートである。
【0040】
環境光に対応する変換LUT 11を再構築するために、ステップS51で入力プロファイル42からユーザにより指定されたプロファイルを読み込む。入力プロファイル内には予めカラーターゲットのXYZ値(またはLab値)と、そのカラーターゲットをある入力デバイスで読んだときのデバイスRGB値を関連付けたXYZ→RGB関係データが格納されている。このXYZ→RGB関係データを、ステップS52でプロファイルから取り出す。プロファイル内には観察条件1も格納されているので、ステップS53で、観察条件1をプロファイルから取り出す。
【0041】
ステップS52で取り出したXYZ→RGB関係データのXYZ値は、カラーターゲットを測色したときの基準光であるD50またはD65を基準とするデータであるから、測色光源基準のXYZ値を環境光基準のXYZ値に修正する必要がある。ステップS54では、色知覚モデルによって測色光源基準のXYZ値を、測色条件であるD50光源の白色点「D50基準の場合」、照度レベルおよび周囲光の状態等に基づき色知覚モデルにより人間の色知覚空間JCHへ変換する。さらに、測色条件とは異なる観察条件1である例えばD65光源の白色点、照度レベルおよび周囲光の状態などに基づき色知覚モデルを用いて再びXYZ値へ逆変換することで、環境光基準のXYZ値を得る。これにより、環境光基準のXYZ値とデバイスRGB値との関係が得られたので、ステップS55でRGB→XYZ関係データに基づくRGB→XYZ変換マトリクスを作成し、反復法などで最適化すれば、環境条件1に対応する変換LUT 11を得ることができる。
【0042】
図7は環境光に対応する変換LUT 11へ更新する処理例を示すフローチャートである。なお、図6と同様の処理が実行されるステップには同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0043】
一般に、入力デバイス用のICCプロファイルはRGB→XYZ変換を行うための変換マトリクス(colorant Tag)または変換LUT(AtoB0 Tag)を格納するので、RGB→XYZ関係データを、ステップS62でプロファイルから取り出す。
【0044】
そして、ステップS54で環境光基準のXYZ値とデバイスRGB値の関係を得た後、ステップS66でプロファイル内の変換マトリクス(colorant Tag)または変換LUT (AtoB0 Tag)を更新すれば、環境条件1に対応する変換LUT 11を得ることができる。
【0045】
なお、一般に、入力デバイス用のICCプロファイルには、RGB→XYZ変換を行うための変換マトリクス(colorant Tag)または変換LUT (AtoB0 Tag)が格納されている。また、図6および図7においてはRGB→XYZ関係データを利用する例を説明したが、これに限らず、RGB→Lab関係データなど、他のデバイス非依存色のデータを利用しても構わない。
【0046】
●色空間圧縮モードの選択および色空間圧縮
色空間圧縮モードは、ユーザによりユーザインタフェイス経由で選択されるか、ソース側プロファイルのヘッダ内のRendering Intentによって自動的に選択される。プロファイルに基づき自動選択される場合は以下のようになる。
Perceptual JCH色空間上の色空間圧縮モード
Relative Colorimetric JCH色空間上の色空間圧縮モード
Saturation JCH色空間上の色空間圧縮モード
Absolute Colorimetric QMH色空間上の色空間圧縮モード
【0047】
つまり、相対的なカラーマッチングの場合はJCH空間13が選択され、絶対的なカラーマッチングの場合はQMH空間14が選択される。
【0048】
図8はJCH 13またはQMH 14上で色空間圧縮を行う処理例を示すフローチャートである。
【0049】
色知覚空間上で色空間圧縮を行うために、ステップS81で、出力プロファイル46からユーザに指定されたプロファイルを読み込む。
【0050】
一般に、出力デバイス用ICCプロファイルは、色再現域の内か外かを判定(以下「色再現域の内外判定」と呼ぶ)するために、XYZ値またはLab値を入力する判定LUT (gamut Tag)を格納する。しかし、そのXYZ値は測色光源の特性であるD50またはD65を基準にするため、環境光に応じた色再現域の内外判定に直接利用することはできない。従って、色再現域の内外判定を行うLUT (gamut Tag)を利用する代わりに、プロファイルに格納されているCMYK→XYZ変換を行うための変換LUT(AtoB0 Tagなど)からCMYK→XYZ関係データを、ステップS82で取り出して利用する。出力プロファイルには観察条件2も格納されているので、ステップS83で観察条件2を出力プロファイルから取り出す。
【0051】
ステップS82で取り出したCMYK→XYZ関係データのXYZ値は、測色光であるD50またはD65を基準とするデータであるから、環境光基準のXYZ値に修正する必要がある。ステップS84では、色知覚モデルによって測色光基準のXYZ値を、測色条件であるD50光源の白色点「D50基準の場合」、照度レベルおよび周囲光の状態などに基づき色知覚モデルを用いて、人間の色知覚空間JCHへ変換する。そして、測色条件とは異なる観察条件2である例えばD65光源の白色点、照度レベルおよび周囲光の状態などに基づいて、再びXYZ値へ逆変換することにより、環境光基準のXYZ値を得る。このようにステップS84では、デバイスのCMYK値から環境光基準のXYZ値への関係を求める。ステップS85では、ステップS84で得られたCMYK→環境光XYZ関係データに基づきJCHまたはQMH色空間上における出力デバイスの色再現域を求める。
【0052】
例えば、下記の八点に対する環境光基準のXYZ値を、ステップS84で得たCMYK→環境光XYZ関係データを用いて求める。さらに、色知覚モデルによって観察条件2に基づいて人間の色知覚空間JCHまたはQMHの座標値へ変換することで、JCHまたはQMH色空間上における出力デバイスの色再現域を図9に示すような12面体によって近似することができる。
Red (C:0%, M:100%, Y:100%, K:0%)
Yellow (C:0%, M:0%, Y:100%, K:0%)
Green (C:100%, M:0%, Y:100%, K:0%)
Cyan (C:100%, M:0%, Y:0%, K:0%)
Blue (C:100%, M:100%, Y:0%, K:0%)
Magenta(C:0%, M:100%, Y:0%, K:0%)
White (C:0%, M:0%, Y:0%, K:0%)
Black (C:0%, M:0%, Y:0%, K:100%)
【0053】
12面体で近似される色再現域において、色再現域の内部の点、例えば無彩色軸上におけるWhiteとBlackの中間点と、内外判定対象の入力色信号の点(JCH値またはQMH値)とが、同じ側にあれば色再現域内にあると判断し、反対側にあれば色再現域外にあると判断する。
【0054】
ステップS85により得られる色再現域に基づく内外判定の結果に基づき、ステップS86で色空間圧縮を行う。図10はJCH色知覚空間における色空間圧縮の概念を、図11はQMH色知覚空間における色空間圧縮の概念をそれぞれ示す図である。上記の内外判定により出力デバイスの色再現域外であると判定された入力色信号は、JCH色知覚空間やQMH色知覚空間において、色相角h(またはH)を保存するように、色再現域内へマッピングされる。そして、このマッピング結果は、相対的カラーマッチングの場合にはJCH色知覚空間を入出力色空間とするLUTへ、絶対的カラーマッチングの場合にはQMH色知覚空間を入出力色空間とするLUTへ格納される。
【0055】
図12は異なるデバイス間における色空間圧縮の概念を示す図で、破線は入力デバイスの色再現域を、実線は出力デバイスの色再現域をそれぞれ示している。JCH色知覚空間においては、J (lightness)の大きさが観察条件1および2の光源白色点(以下では「白色点1」「白色点2」と略す場合がある)によってそれぞれ正規化されるため、Jは環境条件1および2の照度レベル(以下では「照度レベル1」「照度レベル2」と略す場合がある)に依存しない。一方、QMH色知覚空間においては、Q (brightness)の大きさが照度レベル1および2によって変化する。従って、相対的カラーマッチングでは白色点1がそのまま白色点2になる。一方、絶対的カラーマッチングでは、照度レベル1>照度レベル2の場合には白色点1が白色点2ヘマッピングされる。また、照度レベル1<照度レベル2の場合には白色点1が白色点2より低いのでグレーとして出力される。
【0056】
●観察条件2に依存するデータの作成
次に、データ作成部47を用いて変換LUT 16を作成する。
【0057】
図13は環境光に対応する変換LUT 16を再構築する処理例を示すフローチャートである。
【0058】
一般に、出力デバイス用のICCプロファイルは、XYZまたはLab値からデバイスのCMYKまたはRGB値への変換を行うためのLUT(BtoA0 Tagなど)を色空間圧縮も含んだ形式で格納する。しかし、LUTへ入力すべきXYZ値はD50またはD65を基準とするデータであるから、環境光に応じた変換LUTとして直接利用することはできない。
【0059】
そこで、色空間圧縮処理と同様に、ステップS71で、出力プロファイル46に格納されているCMYK→XYZ変換を行うための変換LUT(AtoB0 Tagなど)を読み込み、ステップS72で、変換LUTからCMYK→XYZ関係データを取り出す。なお、CMYK→XYZ関係データのCMYK値はRGB値など他のデバイス依存色であっても構わないし、XYZ値はLab値など他のデバイスに依存しない色であっても構わない。次に、ステップS73で、出力プロファイル46内に予め格納された観察条件2を取り出す。
【0060】
取り出したCMYK→XYZ関係データのXYZ値はD50またはD65を基準とするデータであるから、ステップS74で測色光源基準のXYZ値を環境光基準のXYZ値に修正する。つまり、色知覚モデルによって測色光源基準のXYZ値を、その測色条件(D50光源の白色点「D50基準の場合」、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて、人間の色知覚空間JCHへ変換する。そして、測色条件とは異なる観察条件2(D65光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて、再びXYZ値へ逆変換することにより、測色光源基準のXYZ値を環境光基準のXYZ値に変換することができる。これにより、デバイスCMYK値から環境光基準のXYZ値への関係が得られるので、ステップS75で、CMYK→環境光XYZ関係データを用いて、環境光XYZ→CMYK関係データを反復法などを用いて最適化すれば、所望の環境光に対応する変換LUT 16を得ることができる。
【0061】
●カラーマッチングの実行
図14はカラーマッチング処理の概念を示す図である。
【0062】
変換LUT 11は、データ作成部41により観察条件1に基づき作成される。LUT 132は、色空間圧縮部44によりJCH色空間上で作成される。LUT 133は、色空間圧縮部45によりQMH色空間上で作成される。変換LUT 16は、データ作成部47により観察条件2に基づき作成される。
【0063】
RGBまたはCMYKの入力色信号は、変換LUT 11により入力デバイスの色信号から観察条件1におけるデバイスに依存しない色信号であるXYZ信号へ変換される。次に、XYZ信号は、色知覚モデル順変換部134および135により観察条件1(D50光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて人間の知覚信号JCHまたはQMHへ変換される。相対的カラーマッチングの場合はJCH空間が、絶対的カラーマッチングの場合はQMH空間がそれぞれ選択される。
【0064】
色知覚信号JCHおよびQMHはLUT 132および133により出力デバイスの色再現範囲内へ圧縮される。色空間圧縮された色知覚信号JCHおよびQMHは、色知覚モデル逆変換部136および137により観察条件2(D65光源の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)に基づいて観察条件2におけるデバイスに依存しない色信号であるXYZ信号へ変換される。そして、XYZ信号は変換LUT 134により観察条件2における出力デバイスに依存する色信号へ変換される。
【0065】
以上の処理によって得られたRGBまたはCMYK信号は出力デバイスへ送られて、その色信号によって示される画像がプリント出力される。そのプリントアウトを観察条件2の下で観察すれば、観察条件1の下で観察されるオリジナル原稿と、同じ色味に見える。
【0066】
物体色を扱うデバイスと光源色を扱うデバイス間のカラーマッチング
次に、反射原稿等の物体色を扱うデバイス(ディジタルカメラ、スキャナ、プリンタ等)と、モニタ等の光源色を扱うデバイス(CRT、LCDディスプレイ、プロジェクタ等)間で、カラーマッチング処理を行う例を説明する。
【0067】
なお、物体色と光源色を扱うデバイス間のカラーマッチング処理(以下「カラーマッチング処理B」と呼ぶ)は、図3から図14を用いて説明した、物体色を扱うデバイス間のカラーマッチング処理(以下「カラーマッチング処理A」と呼ぶ)と構成および処理は同一であり、同一の構成および処理については詳細説明を省略する。
【0068】
カラーマッチング処理Bの特徴は、反射原稿等の物体色を扱うデバイスと、モニタ等の光源色を扱うデバイスのそれぞれに対応させて、測色条件および観察条件を設定することにある。以下、図15を用いて詳細に説明する。
【0069】
●物体色を扱うデバイスに対する観察条件
反射原稿等の物体色の場合、環境光が物体によって反射された光が色として知覚されるので、色の見えは環境光に依存する。物体色を扱うデバイスに対する観察条件3は、観察者が環境光に順応していると考えることができるため、観察条件の白色点として環境光のXYZ値を設定する。
【0070】
●光源色を扱うデバイスに対する観察条件
一方、モニタ等の光源色の場合、表示デバイス自体が環境光とは異なる光源をもっているので、表示デバイスから放出された光(プロジェクタの場合にはスクリーンから反射される光)が色として知覚される。表示デバイスの表示画面が観察者の視野全体を占める場合、観察者が表示デバイスの光源に順応していると考えることができる。一方、視野にモニタの枠などが含まれる場合や、表示デバイス上の画像と反射原稿上の画像を比較している場合は、表示デバイス光源と環境光の間の白色点に順応(以下「部分順応」と呼ぶ)していると考えることができ、表示デバイスの光源に加えて環境光の影響も考慮する必要がある。
【0071】
従って、光源色を扱うデバイスに対する観察条件4は、観察者が表示画像を注視している場合は、観察条件の白色点として表示デバイス白色点のXYZ値を設定する。一方、観察者が表示デバイス上の画像と反射原稿上の画像を比較している場合などは、観察条件の白色点として、表示デバイス白色点のXYZ値と環境光のXYZ値の間の点を白色点のXYZ値として設定する。
【0072】
●物体色を扱うデバイスの測色条件
物体色を扱うデバイスに対する測色条件は、環境光基準のXYZ値が必要になるため、測色条件の白色点は環境光のXYZ値になる。従って、物体色を扱うデバイスに対する測色条件の白色点は、物体色を扱うデバイスの観察条件の白色点と一致する。
【0073】
ここで、環境光基準のXYZ値は、物体の分光反射率特性をR(λ)、環境光の分光分布特性をS(λ)とすれば、Φ(λ)=R(λ)・S(λ)になり、式(1)によって算出することができる。
X = k∫λφ(λ)x(λ)dλ
Y = k∫λφ(λ)y(λ)dλ
Z = k∫λφ(λ)z(λ)dλ …(1)
k = 100/∫λS(λ)y(λ)dλ
ここで、x(λ)、y(λ)、z(λ)は等色関数
【0074】
つまり、プロファイル内にデバイス色の各パッチに対する分光反射率特性を予め格納しておき、環境光センサなどによって実際の環境光の分光分布特性を取得すれば、動的に環境光基準のXYZ値を算出することができる。さらに、得られたデバイス色とXYZ値の関係に対して、反復法等を用いて、動的に環境光に対応したプロファイル21を得ることができる。ここで、動的に作成する観察光に対応したプロファイルは、ソース側に限らず、デスティネーション側であっても構わない。
【0075】
●光源色を扱うデバイスの測色条件
一方、光源色を扱うデバイスに対する測色条件は、表示デバイス光源基準のXYZが必要となるため、測色条件の白色点は表示デバイス白色点のXYZ値になる。従って、観察者が表示画像を注視している場合は、光源色を扱うデバイスの観察条件の白色点と一致するが、部分順応の場合は、光源色を扱うデバイスの観察条件の白色点とは一致しないことになる。
【0076】
ここで、表示デバイス光源基準のXYZ値は、表示デバイスの分光放射特性をΦ(λ)とすれば、式(2)によって算出することができる。
X = k∫λφ(λ)x(λ)dλ
Y = k∫λφ(λ)y(λ)dλ …(2)
Z = k∫λφ(λ)z(λ)dλ
k = 683 [lumen/W]
ここで、x(λ)、y(λ)、z(λ)は等色関数
【0077】
光源色を扱うデバイスに対するプロファイル26は、表示デバイス表面の反射等による環境光の影響を特に受けなければ、観察条件が変更になっても同じプロファイルを使用することができる。
【0078】
●カラーマッチング処理B
物体色を扱うデバイスに対して、環境光基準のXYZ値を使用したプロファイル21を作成する。そして、観察条件3の白色点として環境光の白色点を使用する。
【0079】
一方、光源色を扱うデバイスに対して、表示デバイス光源基準のXYZ値を使用したプロファイル26を作成する。そして、観察条件4の白色点として、観察者が表示デバイス上の画像を注視している場合は表示デバイス白色点を使用し、観察者が表示デバイス上の画像と反射原稿上の画像を比較している場合などは表示デバイス白色点と環境光の白色点の間の白色点を使用する。
【0080】
物体色を扱うデバイスのデバイス色信号は、プロファイル21を利用してデバイスに依存しない色信号XYZへ変換され、観察条件3を利用した色知覚モデル順変換部22によって色知覚信号JCHまたはQMHに変換される。さらに、JCH色空間上またはQMH色空間上においてデスティネーション側デバイスの色再現域内に色空間圧縮される。色空間圧縮された色知覚信号JCHまたはQMHは観察条件4を用いて色知覚モデル逆変換部25によってデバイスに依存しない色信号XYZへ変換され、プロファイル26を利用して光源色を扱うデバイスのデバイス色信号へ変換される。
【0081】
なお、図15の例では、ソース側が物体色を扱うデバイスであり、デスティネーション側が光源色を扱うデバイスであるが、逆に、ソース側が光源色を扱うデバイスであり、デスティネーション側が物体色を扱うデバイスの場合も同様に処理することができる。さらに、ソース側およびデスティネーション側の両方が光源色を扱うデバイスであっても、同様に処理することができる。つまり、デバイスが物体色を扱うか、光源色を扱うかに応じて、測色条件および観察条件を適切に設定することで、様々な組み合わせに対応することができる。
【0082】
また、物体色を扱うデバイスのプロファイルに、環境光基準のXYZ値を作成するため、デバイス色の各パッチに対する分光反射率特性を格納しても構わない。
【0083】
測色値ファイルを利用したカラーマッチング処理
以下では、測色値ファイルを利用して、物体色および/または光源色を扱うデバイス間で、カラーマッチング処理(以下「カラーマッチング処理C」と呼ぶ)を行う例を説明するが、上記と同様の構成および処理についてはその詳細説明を省略する。なお、カラーマッチング処理Cにおいて、カラーマッチング処理A、Bと異なる点は、プロファイルではなく測色値ファイルを使用することである。
【0084】
物体色を扱うデバイスの場合、測色条件の白色点は観察条件の白色点と一致する。従って、予め用意された測色条件が観察条件と異なる場合は、色知覚モデルを用いて測色条件の測色値から観察条件の測色値を求める。そして、求めた測色値に基づきプロファイルを作成する。
【0085】
一方、光源色を扱うデバイスの場合、測色条件の白色点は表示デバイスの白色点であり、観察条件の白色点と一致するとは限らない。従って、測色値からプロファイルを作成するとともに、観察条件としては観察状況に応じた白色点を設定する。
【0086】
以下、図15を用いてカラーマッチング処理Cを説明する。
【0087】
物体色を扱うデバイスに対して環境光基準のXYZ値を利用した測色値ファイル29を、光源色を扱うデバイスに対して表示デバイス光源基準のXYZ値を利用した測色値ファイル32を利用すれば、デバイス色との関係から反復法等により、直接、プロファイル21やプロファイル26を作成することができる。
【0088】
しかし、実際の環境光基準の測色値を予め用意しておくことは困難である。何故ならば、実際の環境光は様々なものが考えられ、それら全ての環境光に対応した測色値を用意することは到底困難である。
【0089】
そこで、物体色を扱うデバイスの測色値ファイルとして、標準光源(D50光源、A光源等)基準の測色値を予め用意しておく。そして、色知覚モデルを用いて、測色条件の測色値から観察条件(環境光の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)の測色値を求める。具体的には、測色条件の測色値ファイルに対して、測色条件を用いて色知覚モデル順変換を行う。そして、観察条件(観察条件3:環境光の白色点、照度レベル、周囲光の状態など)を用いて色知覚モデル逆変換を行い、観察条件の測色値を推測する。
【0090】
このように、測色条件と観察条件を色知覚モデル順変換および色知覚モデル逆変換に与えて、測色条件下の測色値から観察条件下の測色値へ変換すれば、環境光基準のXYZ値の予測値を得ることができる。
【0091】
光源色を扱うデバイスの測色値ファイルに関しては、表示デバイス光源基準の測色値が格納されていればよいので、観察条件(環境光)に応じて測色値を変換する必要はない。
【0092】
従って、測色値ファイルを読み込む際、その測色値ファイルのデバイスが物体色を扱うデバイスか、光源色を扱うデバイスかを判断し、物体色を扱うデバイスの場合は色知覚モデル順変換および色知覚モデル逆変換を適用して、測色条件下の測色値を観察条件下の測色値に変換する。なお、測色条件と観察条件が一致する場合は、この変換処理を行う必要はない。
【0093】
図15の例では、ソース側が物体色を扱うデバイスであり、デスティネーション側が光源色を扱うデバイスである。
【0094】
ソース側では、デバイスの種類が物体色を扱うデバイスであると判断し、測色値ファイル29に対して測色条件に応じた色知覚モデル順変換28および観察条件に応じた色知覚モデル逆変換27を行い、観察条件に応じた測色値を求める。そして、観察条件に応じた測色値からプロファイル21を作成する。そして、入力値に対して、観察条件3に応じたプロファイル21を用いて変換するとともに、観察条件3に応じた色知覚モデル順変換22を行う。
【0095】
一方、デスティネーション側では、デバイスの種類が光源色を扱うデバイスであると判断し、測色条件に応じた測色値ファイル32からプロファイル26を作成する。つまり、測色値データ32に対して色知覚モデル順変換31および色知覚モデル逆変換30を行わないように制御する。そして、観察条件4に応じた色知覚モデル逆変換25を行い、測色値ファイル32の測色条件に応じたプロファイル26を用いた変換を行う。
【0096】
表示デバイスの表示画面が観察者の視野全体を占める観察状況の場合、観察者が表示デバイスの光源に順応していると考えることができるので、観察条件4として、測色条件と同じ条件を設定する。一方、視野にモニタの枠などが含まれている場合や、表示デバイス上の画像と反射原稿上の画像を比較している場合は、観察条件4として、表示デバイスの光源(測色条件)と環境光の間の白色点を設定する。
【0097】
このように、図15の例によれば、デバイスの種類に応じて適切に、測色値からプロファイルを求めることができる。
【0098】
[変形例]
なお、上記の説明では、プロファイルを作成する前に、測色値ファイルを変換する例を説明したが、プロファイル作成後の色信号変換の際に同様の測色値変換を適用することで、所望する環境光基準のXYZ値を得てもよい。
【0099】
また、物体色を扱うデバイスの測色値データ29として環境光基準のXYZ値の代わりに分光反射率特性が格納されていても構わない。
【0100】
また、測色条件の測色値を観察条件に応じた測色値に変換(色知覚モデル逆変換27、30、色知覚モデル順変換28、31)する際、測色条件と観察条件の比較に白色点しか用いない場合は、色知覚モデル順変換および色知覚モデル逆変換の代わりに、色順応変換を用いてもよい。
【0101】
また、上記の実施例における色知覚モデルにはCIECAM97s, CIECAM02、CIECAT02, CIECAT94、Bradford変換、VonKries変換等を利用することができる。
【0102】
また、上記各実施例における色信号の色空間(例えばRGB、XYZ、Jch、QMh)は使用できる色空間の一例に過ぎず、CMYKやLabなどの他の色空間を使用しても構わない。
【0103】
[他の実施例]
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0104】
また、本発明の目的は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0105】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0106】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】一般的なカラーマッチングの概念図、
【図2】本発明にかかる実施形態で使用する色知覚モデルについて説明する図、
【図3】物体色を扱うカラーマッチング処理を説明する図、
【図4】実施例の機能構成例を示すブロック図、
【図5】図4に示される機能構成を実現する装置の構成例を示すブロック図、
【図6】環境光に対応する変換LUTを再構築する処理例を示すフローチャート、
【図7】環境光に対応する変換LUTへ更新する処理例を示すフローチャート、
【図8】JCHまたはQMH色空間上で色空間圧縮を行う処理例を示すフローチャート、
【図9】色再現域を近似する12面体を示す図、
【図10】JCH色知覚空間における色空間圧縮の概念を示す図、
【図11】QMH色知覚空間における色空間圧縮の概念を示す図、
【図12】異なるデバイス間における色空間圧縮の概念を示す図、
【図13】環境光に対応する変換LUTを再構築する処理例を示すフローチャート、
【図14】カラーマッチング処理の概念を示す図、
【図15】物体色を扱うデバイス間のカラーマッチング処理、および、測色値ファイルを利用したカラーマッチング処理を説明する図である。




 

 


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