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発明の名称 電子機器及びそのノイズ低減方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−4589(P2007−4589A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−185214(P2005−185214)
出願日 平成17年6月24日(2005.6.24)
代理人 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
発明者 山口 浩之
要約 課題
可動部を有する電子機器において、簡便かつ安価な構成で放射ノイズを効果的に抑制できるようにする。

解決手段
第1の電気ユニットと、第1の電気ユニットに対して可動に配置された第2の電気ユニットと、第1の電気ユニットと第2の電気ユニットとを接続するケーブルと、ケーブルと第2の電気ユニットが第1の電気ユニットに対して成す負荷インピーダンスの共振周波数を演算する演算部5と、第1の電気ユニットからの矩形波周期信号がケーブルを通過することにより発生する放射ノイズのスペクトラムが極小値を取る周波数が、負荷インピーダンスの共振周波数と一致するように、矩形波周期信号のパルス幅を設定するパルス幅設定部2,3とを具備する。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の電気ユニットと、
前記第1の電気ユニットに対して可動に配置された第2の電気ユニットと、
前記第1の電気ユニットと前記第2の電気ユニットとを接続するケーブルと、
前記ケーブルと前記第2の電気ユニットが前記第1の電気ユニットに対して成す負荷インピーダンスの共振周波数を演算する演算手段と、
前記第1の電気ユニットからの矩形波周期信号が前記ケーブルを通過することにより発生する放射ノイズのスペクトラムが極小値を取る周波数が、前記負荷インピーダンスの共振周波数と一致するように、前記矩形波周期信号のパルス幅を設定するパルス幅設定手段と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記パルス幅設定手段は、前記負荷インピーダンスの共振周波数をfrとした場合に、前記矩形波周期信号のパルス幅を1/frに設定することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の電気ユニットに対する前記第2の電気ユニットの移動位置を検出する位置検出手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記演算手段は、前記位置検出手段の検出値に基づいて、前記負荷インピーダンスの共振周波数を演算することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記演算手段は、予め記憶されている前記第1の電気ユニットに対する前記第2の電気ユニットの移動位置と前記負荷インピーダンスの共振周波数の対応関係に基づいて、前記負荷インピーダンスの共振周波数を求めることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記パルス幅設定手段は、前記負荷インピーダンスの共振周波数をfrとした場合に、前記矩形波周期信号のパルス幅を(1/fr)の整数倍に設定することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記パルス幅設定手段は、前記矩形波周期信号のパルス幅を設定する場合に、前記矩形波周期信号が立ち上がり時間を基準として使用される場合は、立ち上がり時間を固定して立ち下がり時間を変更し、前記矩形波周期信号が立ち下がり時間を基準として使用される場合は、立ち下がり時間を固定して立ち上がり時間を変更することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
第1の電気ユニットと、該第1の電気ユニットに対して可動に配置された第2の電気ユニットと、前記第1の電気ユニットと前記第2の電気ユニットとを接続するケーブルとを備える電子機器のノイズを低減する方法であって、
前記ケーブルと前記第2の電気ユニットが前記第1の電気ユニットに対して成す負荷インピーダンスの共振周波数を演算する演算工程と、
前記第1の電気ユニットからの矩形波周期信号が前記ケーブルを通過することにより発生する放射ノイズのスペクトラムが極小値を取る周波数が、前記負荷インピーダンスの共振周波数と一致するように、前記矩形波周期信号のパルス幅を設定するパルス幅設定工程と、
を具備することを特徴とする電子機器のノイズ低減方法。
【請求項9】
前記パルス幅設定工程では、前記負荷インピーダンスの共振周波数をfrとした場合に、前記矩形波周期信号のパルス幅を1/frに設定することを特徴とする請求項8に記載の電子機器のノイズ低減方法。
【請求項10】
前記第1の電気ユニットに対する前記第2の電気ユニットの移動位置を検出する位置検出工程をさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の電子機器のノイズ低減方法。
【請求項11】
前記演算工程では、前記位置検出工程における検出値に基づいて、前記負荷インピーダンスの共振周波数を演算することを特徴とする請求項10に記載の電子機器のノイズ低減方法。
【請求項12】
前記演算工程では、予め記憶されている前記第1の電気ユニットに対する前記第2の電気ユニットの移動位置と前記負荷インピーダンスの共振周波数の対応関係に基づいて、前記負荷インピーダンスの共振周波数を求めることを特徴とする請求項11に記載の電子機器のノイズ低減方法。
【請求項13】
前記パルス幅設定工程では、前記負荷インピーダンスの共振周波数をfrとした場合に、前記矩形波周期信号のパルス幅を(1/fr)の整数倍に設定することを特徴とする請求項8に記載の電子機器のノイズ低減方法。
【請求項14】
前記パルス幅設定工程では、前記矩形波周期信号のパルス幅を設定する場合に、前記矩形波周期信号が立ち上がり時間を基準として使用される場合は、立ち上がり時間を固定して立ち下がり時間を変更し、前記矩形波周期信号が立ち下がり時間を基準として使用される場合は、立ち下がり時間を固定して立ち上がり時間を変更することを特徴とする請求項8に記載の電子機器のノイズ低減方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動する電気ユニットを有する複写機、プリンタ、スキャナ、ファクシミリなどの電子機器からの放射ノイズを低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動する電気ユニットを備えた電子機器、例えば原稿読取部が移動式である画像読取装置や、インク吐出部が移動式である印刷装置などにおいて、移動部の電気ユニットとそれを制御する電子機器の本体側に配置された電気ユニットとの間は信号や電力の伝送ケーブルで接続されている。このような電子機器において、移動する電気ユニットに接続されたケーブルは全区間で筐体に密着固定できず、筐体から浮いたケーブル部分がアンテナとなって大きな放射ノイズを発生していた。さらに、電気ユニットの移動に伴いケーブルの形態、すなわち筐体から浮いた部分の長さが変化するため、ケーブルと電気ユニットがなすインピーダンス特性が時間変化するという特徴があり、これにより放射ノイズのピーク周波数も時間変化する。
【0003】
これに対して、例えば比較的広い周波数帯域で放射ノイズ低減効果を発揮するフェライトコアをケーブルに装着するなどの対策がとられていた。しかし、フェライトコアは、そのインピーダンス特性から一般に低い周波数帯域でしかノイズ低減効果を発揮しないこと、フェライトコアを移動する電気ユニットの近傍に装着すると重量の増加を招き、移動手段であるモータの駆動能力を上げる必要があることなどから、十分な対策とは言えなかった。
【0004】
例えば、図7に示す画像読取装置はそのような電子機器の一例である。
【0005】
図7の移動式原稿読取部6は、光源、およびミラーを含めた光学系、および光センサを一体化したユニットであり、レール7上を走行することで原稿を光走査して画像データを読取る仕組みになっている。2つのローラー12の一方にモータ11の回転軸を接続し、2つのローラー12に巻かれ移動式原稿読取部6に接続されたベルト13の移動によって移動式原稿読取部6がレール7上を移動する。移動式原稿読取部6で読取った画像信号および移動式原稿読取部6の制御信号、光源への電源供給などのために、移動式原稿読取部6と画像処理制御基板8との間にケーブル9が接続されている。ケーブル9は、原稿を読み取る移動式原稿読取部6の走行のために、金属筐体10などの安定なグラウンド電位の金属に密着固定することが出来ず、浮き加減になるため、効率の良いノイズ放射源となり、放射ノイズ低減が困難であった。さらに、移動式原稿読取部6の走行に伴って、ケーブル形態、および位置が時間変化するために、放射ノイズの周波数特性が大きく変動し、広い周波数帯域に渡って、ノイズ対策を必要とする形態であった。
【0006】
これを、図7、図8、図9、図10を用いて説明する。
【0007】
図7のケーブル9を伝送する電気信号が、一定周期で電圧が矩形波状に繰り返すいわゆるクロック信号である場合、放射ノイズが最も問題となる。矩形波周期信号の周期をT0 、パルス幅をτ0 、電圧振幅をVpk とした場合、矩形波周期信号の第n番目高調波成分の電圧強度Enは、以下の式(1)で与えられる。
【0008】
En=20log{2Vpk(τ0/T0)・|sin(nπτ0/T0)/(nπτ0/T0)|/1×10-6} …(1)
ここで、nは自然数(n=1,2,3,…)である。
【0009】
例えば、矩形波周期信号の周期が100nsec(周波数10MHz)、パルス幅が約50nsec、電圧振幅が3.3Vのごく一般的な場合を例に挙げて説明する。その場合の矩形波信号の波形を示したのが図8(a)であり、その放射ノイズの周波数特性を示したのが図8(b)である。
【0010】
ここで、図7の画像読取装置の移動式原稿読取部6が走行し、ケーブル9の形状も変化した状態を断面図で示したのが図9(a)、(b)であり、そのときのアンテナ特性を示したのが図9(c)である。アンテナ特性とは、ケーブル9が放射ノイズを発生する効率を示すものであり、図9(c)では縦軸に放射ノイズレベルをとっている。図9(c)は全周波数で一定の振幅を有する、いわゆるガウシアンパルスを電圧源として与えた場合のアンテナ特性を示すものである。
【0011】
図9(a)から、図9(b)のように移動式原稿読取部6の位置が状態Aから状態Bへ変化した場合に、ケーブル9が金属筐体10から浮いている部分の長さが長くなっている。これによって、図9(c)のアンテナ特性も変化し、放射ノイズを多く発生するピーク周波数が350MHzから250MHzへと低周波方向へ変化している。このピーク周波数は、ケーブル9と移動式原稿読取部6を画像処理制御基板8の負荷としたときのインピーダンスの極小値に一致しており、いわゆるLCR回路の共振周波数である。
【0012】
図10は、図8(b)のクロック信号による放射ノイズの周波数特性と図9(c)のアンテナ特性を足し合わせたもので、放射ノイズスペクトラムを示す。図10を見て判るとおり、アンテナ特性のピーク周波数において放射ノイズレベルが大きな値となり、放射ノイズ規制を守る上で対策を要することが極めて多い。さらに、移動式原稿読取部6の走行によるアンテナ特性の変化が、ピーク周波数を変動させるため、広い周波数帯域に渡って放射ノイズを低減する対策を要することがわかる。
【0013】
この課題を解決する手法として、特開平11−4330号公報(特許文献1)は、画像読取装置において、発光素子と受光素子を使って無線で信号伝送を行なうことで、アンテナとなるケーブルそのものをなくして、放射ノイズ発生を根本から抑制する技術を提案している。具体的には、移動式原稿読取部6と画像処理制御基板8の間の制御信号、画像信号等の伝送を光送受信素子を使って無線でおこなうものである。
【特許文献1】特開平11−4330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、現状では、無線は有線に比べてデータ伝送レートが小さく、画像信号などの大量のデータ伝送には不向きである。無線のデータ伝送レートは常に向上しているものの、同時に対象となる画像読取装置や印刷装置も画像の高精細化や印刷速度の向上などが要求されているため、依然として無線の適用は困難な状況である。さらに、発光素子、受光素子が高コストであること、光学系の光軸調整が複雑になること、光軸ずれを引き起こす振動に弱くなることなどから実用上問題があった。
【0015】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動部を有する電子機器において、簡便かつ安価な構成で放射ノイズを効果的に抑制できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる電子機器は、第1の電気ユニットと、前記第1の電気ユニットに対して可動に配置された第2の電気ユニットと、前記第1の電気ユニットと前記第2の電気ユニットとを接続するケーブルと、前記ケーブルと前記第2の電気ユニットが前記第1の電気ユニットに対して成す負荷インピーダンスの共振周波数を演算する演算手段と、前記第1の電気ユニットからの矩形波周期信号が前記ケーブルを通過することにより発生する放射ノイズのスペクトラムが極小値を取る周波数が、前記負荷インピーダンスの共振周波数と一致するように、前記矩形波周期信号のパルス幅を設定するパルス幅設定手段と、を具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係わる電子機器のノイズ低減方法は、第1の電気ユニットと、該第1の電気ユニットに対して可動に配置された第2の電気ユニットと、前記第1の電気ユニットと前記第2の電気ユニットとを接続するケーブルとを備える電子機器のノイズを低減する方法であって、前記ケーブルと前記第2の電気ユニットが前記第1の電気ユニットに対して成す負荷インピーダンスの共振周波数を演算する演算工程と、前記第1の電気ユニットからの矩形波周期信号が前記ケーブルを通過することにより発生する放射ノイズのスペクトラムが極小値を取る周波数が、前記負荷インピーダンスの共振周波数と一致するように、前記矩形波周期信号のパルス幅を設定するパルス幅設定工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、可動部を有する電子機器において、簡便かつ安価な構成で放射ノイズを効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、放射ノイズを効果的に低減するためのパルス幅を電気ユニットの移動に追従して自動的に設定するためのパルス幅調整ユニットの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、本発明を図7に示した画像読取装置に適用した場合について説明する。
【0021】
図1において、パルス幅調整ユニット100は、図7に示した画像読取装置の本体側の画像処理制御基板8に配置される。1はクロック信号波形を生成する信号発生回路、2はケーブル9からの放射ノイズを効果的に低減するための適切なパルス幅を算出するパルス幅演算回路、3は信号発生回路から発生されるクロック信号のパルス幅をパルス幅演算回路2で算出されたパルス幅に設定するパルス幅設定回路、4は可動部である移動式原稿読取部6の位置を検出する電気ユニット位置検出回路、5は画像処理制御基板8から見たケーブル9と移動式原稿読取部6上の電気回路のインピーダンスの共振周波数を算出する共振周波数演算回路である。
【0022】
この構成において、移動する移動式原稿読取部6の現在位置を検出する電気ユニット位置検出回路4からの信号に基づいて、共振周波数演算回路5が、移動式原稿読取部6とそれを画像読取装置の画像処理制御基板8に接続するケーブル9とを合わせた負荷インピーダンスの共振周波数frを算出する。このとき、共振周波数演算回路5では、移動式原稿読取部6の位置情報と共振周波数frの値の対応があらかじめ関連付けて記憶されているため、移動式原稿読取部6の位置情報が入力されれば、それに対応した共振周波数frを瞬時に求めることが出来る。
【0023】
なお、移動式原稿読取部6の位置情報と共振周波数frの値の対応をあらかじめ関連付けて記憶させておく場合に、移動式原稿読取部6を移動させて、その負荷インピーダンスを計測したうえで、その負荷インピーダンスの共振周波数を移動式原稿読取部6の位置情報と関連付けて記憶回路内に記憶させておく。また、この記憶させる工程を、画像読取装置の製造段階において個々の画像読取装置毎に実施するようにすれば、より精度の高いノイズ抑制効果が得られる。
【0024】
次にパルス幅演算回路2では、共振周波数frにおいてクロック信号から発生する放射ノイズが極小値を取るようなクロック信号のパルス幅τdを、
τd=1/fr …(2)
として算出し、パルス幅設定回路3に出力する。この一連の動作を、移動式原稿読取部6の移動に応じて、連続的に行なうことで、負荷インピーダンスの共振周波数frと放射ノイズのスペクトラムが落ち込む周波数とを常に一致させ、放射ノイズレベルを抑制する。
【0025】
図2、図3を用いて、さらに詳しく説明する。
【0026】
図9に示した装置においては、状態Aから状態Bへの移動式原稿読取部6とケーブル9の状態変化によって、移動式原稿読取部6とケーブル9の負荷インピーダンスの共振周波数frが350MHzから250MHzへ変動している。前述した式(2)より、350MHzに対してはクロック信号のパルス幅τdを2.8571nsec、250MHzに対してはクロック信号のパルス幅τdを4nsecとすれば、図2のようにクロック信号から発生する放射ノイズのスペクトラムの落ち込む周波数を共振周波数fr(ケーブル9のアンテナ特性が極大になる周波数)に一致させることが出来る。
【0027】
なお、クロック信号のパルス幅を上記のように変更する場合は、クロック信号が立上り時間を基準として使用される場合は、立上り時間は固定で、立下り時間を変動させ、逆にクロック信号が立下り時間を基準として使用される場合は、立下り時間は固定で、立上り時間を変動させるようにする。これにより、画像読取装置の動作に支障をきたすことがない。
【0028】
図3(a)は、状態Aにおいて、従来のようにクロック信号のパルス幅を50nsecとした場合と本実施形態のように2.8571nsecとした場合の放射ノイズレベル低減の様子を示している。とくに共振周波数350MHzにおける放射ノイズレベルの低減が著しく、全体としても放射ノイズレベルを従来の場合より低減できていることがわかる。
【0029】
一方、図3(b)は、状態Bに変化した場合において、従来のようにクロック信号のパルス幅を50nsecとした場合と本実施形態のように4nsecとした場合の放射ノイズレベル低減の様子を示している。とくに共振周波数250MHzにおける放射ノイズレベルの低減が著しく、こちらでも全体としても放射ノイズレベルを従来の場合より低減できていることがわかる。
【0030】
なお、移動式原稿読取部6とケーブル9で構成される負荷の状態変化にともなうインピーダンスの変化、言い換えれば移動式原稿読取部6の位置を検出する方法としては、図7における移動式原稿読取部6の位置をセンサで直接検出する方法、ベルト13の位置をセンサで読み取る方法、あるいはモータ11に設けられたエンコーダ15の出力信号から移動式原稿読取部6の位置を算出する方法などで実現可能であり、読み取った情報を図1における電気ユニット位置検出回路4へ入力する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、負荷インピーダンスの共振周波数の変動による、放射ノイズのピーク周波数の変動に追従して、広い周波数帯域に渡り、放射ノイズレベルを常に抑制することが可能となる。
【0032】
(第2の実施形態)
図4は、放射ノイズを効果的に低減するためのパルス幅を電気ユニットの移動に追従して自動的に設定するためのパルス幅調整ユニットの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の部分には同じ記号を付与し、第1の実施形態と相違する部分についてのみ説明する。
【0033】
第1の実施形態においては、クロック信号のパルス幅を、負荷インピーダンスの共振周波数frと放射ノイズのスペクトラムが落ち込む周波数とを一致させるために必要なパルス幅τdに設定したが、実際上は、クロック信号のパルス幅を、このパルス幅τdの整数倍のパルス幅としても、負荷インピーダンスの共振周波数frと放射ノイズのスペクトラムが落ち込む周波数とを一致させることが可能である。
【0034】
そこで、本実施形態では、クロック信号のパルス幅を、第1の実施形態に示されるτdの整数倍で且つクロック信号に本来設定されているパルス幅τ0に近いパルス幅に設定する。
【0035】
図4において、パルス幅演算回路2が、τdの整数倍で且つクロック信号に本来設定されているパルス幅τ0に最も近いパルス幅τdnearを算出し、パルス幅設定回路3においてクロック信号のパルス幅をτdnearに設定する。パルス幅演算回路2では、以下の式(3)に従ってτdnearを算出する。
【0036】
τd=1/fr
τd1=τ0−(τ0 mod τd)
τd2=τ0−(τ0 mod τd)+τd
を算出し、
|τ0−τd1|>|τ0−τd2|のとき、
τdnear=τd2
|τ0−τd1|≦|τ0−τd2|のとき、
τdnear=τd1 …(3)
とする。
【0037】
このようにすれば、第1の実施形態と同様な放射ノイズ低減効果を有しつつ、かつ、本来画像読取装置200に設定されているパルス幅τ0に対して、最も近いパルス幅τdnearを算出して設定することができる。よって、機器の安定動作を確保しやすくなる。
【0038】
図5、図6、図9を参照して、より詳しく説明する。
【0039】
図9に示した装置においては、状態Aから状態Bへの移動式原稿読取部6とケーブル9の状態変化によって、移動式原稿読取部6とケーブル9の負荷インピーダンスの共振周波数frが350MHzから250MHzへ変動している。式(3)より、350MHzに対してはクロック信号のパルス幅τdnearを48.571nsec、250MHzに対してはクロック信号のパルス幅τdnearを48nsecに設定することにより、図5のようにクロック信号から発生する放射ノイズのスペクトラムの落ち込む周波数を共振周波数frに一致させることが出来る。
【0040】
図6(a)は、状態Aにおいて、従来のようにクロック信号のパルス幅を50nsecとした場合と本実施形態のように48.571nsecとした場合の放射ノイズレベル低減の様子を示している。
【0041】
また、図6(b) は、状態Bに変化した場合において、従来のようにクロック信号のパルス幅を50nsecとした場合と本実施形態のように48nsecとした場合の放射ノイズレベル低減の様子を示している。
【0042】
それぞれ、350MHz、250MHzという共振周波数において放射ノイズレベルのピークを低減できることがわかる。
【0043】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、変動させるパルス幅が、本来、最適動作を考慮して設定されているパルス幅から、大きくずれることが無いため、放射ノイズを低減しつつ、電子機器をより安定に動作させることが可能となる。
【0044】
以上説明したように、上記の実施形態によれば、ノイズ放射源であるケーブル伝送される電気信号のパルス幅を、電気ユニットの移動にともなうインピーダンスの変動に追従して変動させる調整機能を電気回路に作りこむだけであるので、コストアップは軽微であり、構造に影響する等の新たな制約を発生せず、また広い帯域に渡って、確実に放射ノイズのピークレベルを低減することが可能となる。
【0045】
また、第2の実施形態では、変動させるパルス幅が、本来最適動作を考慮して設定されているパルス幅から大きくずれることが無いため、放射ノイズを低減させつつ、電子機器をより安定に動作させることが可能となる。
【0046】
また、クロック信号が立上り時間を基準として使用される場合は、立上り時間は固定で、立下り時間を変動させ、逆にクロック信号が立下り時間を基準として使用される場合は、立下り時間は固定で、立上り時間を変動させることにより、基準となる時間がずれることが無いため、電子機器をより安定に動作させることが可能となる。
【0047】
また、移動式原稿読取部6の位置をセンサで直接検出することにより、経時変化等の理由で、移動式原稿読取部6が本来あるべき位置からずれた場合でも、移動式原稿読取部6の位置を正確に検出できるため、放射ノイズ抑制効果を損なうことが無い。
【0048】
また、移動式原稿読取部6の位置情報と共振周波数frの値の対応をあらかじめ関連付けて記憶させておく場合に、移動式原稿読取部6を移動させて、その負荷インピーダンスを計測したうえで、その負荷インピーダンスの共振周波数を移動式原稿読取部6の位置情報と関連付けて記憶回路内に記憶させておくことにより、放射ノイズの低減をより高精度、かつ確実に実現することが可能となる。
【0049】
また、この記憶させる工程を、画像読取装置の製造段階において個々の画像読取装置毎に実施するようにすれば、製造ばらつきも含めてより精度の高いノイズ抑制効果が得られる。
【0050】
なお、上記の実施形態では、移動電気ユニットを有する電子機器として画像読取装置を例に挙げて説明したが、本発明は、画像読取装置に限らず、移動ヘッドを有する印刷装置等、他の移動電気ユニットを有する電子機器にも広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】放射ノイズを効果的に低減するためのパルス幅を電気ユニットの移動に追従して自動的に設定するためのパルス幅調整ユニットの第1の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】クロック信号のパルス幅による放射ノイズのスペクトラム変化を説明するための図である。
【図3】クロック信号のパルス幅によるノイズ低減効果を説明するための図である。
【図4】放射ノイズを効果的に低減するためのパルス幅を電気ユニットの移動に追従して自動的に設定するためのパルス幅調整ユニットの第2の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】クロック信号のパルス幅による放射ノイズのスペクトラム変化を説明するための図である。
【図6】クロック信号のパルス幅によるノイズ低減効果を説明するための図である。
【図7】移動式原稿読取部を有する画像読取装置の構成を示す図である。
【図8】クロック信号のパルス波形と、それに対応する放射ノイズのスペクトラムを示す図である。
【図9】移動式原稿読取部の位置と負荷インピーダンスの共振点の関係を示す図である。
【図10】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 信号発生回路
2 パルス幅演算回路
3 パルス幅設定回路
4 電気ユニット位置検出回路
5 共振周波数演算回路
6 移動式原稿読取部
7 レール
8 画像処理制御基板
9 ケーブル
10 金属筐体
11 モータ
12 ローラー
13 ベルト




 

 


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