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発明の名称 微細パターン形成補助剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−206728(P2007−206728A)
公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
出願番号 特願2007−114361(P2007−114361)
出願日 平成19年4月24日(2007.4.24)
代理人 【識別番号】100108350
【弁理士】
【氏名又は名称】鐘尾 宏紀
発明者 西川 雅人 / 高橋 清久
要約 課題
ろ過性が良好で、塗布欠陥、現像欠陥、経時安定性に優れた微細パターン形成補助剤を提供する。

解決手段
アセタール化ポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性変性PVAをイオン交換処理により、脱金属イオン、脱酸を行った後、80℃以上の加熱処理を行う。これにより変性PVA中の25万以上の重量平均分子量を有する高分子量体成分量が低減される。加熱処理後の変性PVAと架橋剤を含む微細パターン形成補助剤を、レジストパターン3上に塗布して被覆層4を形成した後、レジストパターン3及び被覆層4を加熱することにより、レジストパターン3から被覆層に酸が拡散される。拡散された酸により、レジストパターン表面近傍の被覆層が架橋、硬化される。被覆層4を現像することにより、レジストパターン表面に架橋、硬化層5を有し、露光波長の解像限界以下のサイズを有する、現像欠陥のないホールパターンなどが形成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
ホルマール基、アセタール基及びブチラール基から選ばれた保護基で保護された変性ポリビニルアルコールの溶液を、イオン交換樹脂を用いて当該溶液の酸分及び金属イオンを除去した後、80℃以上の温度で加熱処理することにより製造された、ゲル透過クロマトグラフィー法により求めてポリエチレングリコール標準物質より計算した重量平均分子量が25万以上の高分子量体成分量が、1000ppm以下でありかつ金属イオン濃度が1.0ppm以下で酸分濃度が50ppm以下である保護基で保護された変性ポリビニルアルコール、水溶性架橋剤、及び水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を含有する微細パターン形成補助剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体等の電子部品やマイクロマシンなどの三次元微細構造物を製造する際の微細加工において、フォトレジストパターン上に適用され、レジストパターンを太らせ、露光波長の限界解像以下のサイズのレジストパターンを形成できるパターン形成方法で用いられる微細パターン形成補助剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体等の電子部品や三次元微細構造物などの製造における微細加工においては、フォトリソグラフィー法が一般に利用されている。フォトリソグラフィー法においては、レジストパターンを形成するため、ポジ型またはネガ型の感放射線性樹脂組成物が用いられている。これら感放射線性樹脂組成物のうち、ポジ型フォトレジストとしては、例えば、アルカリ可溶性樹脂と感光性物質であるキノンジアジド化合物とからなる感放射線性樹脂組成物が広く利用されている。
【0003】
ところで、近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、微細電子デバイス製造業界においてはデザインルールがクオーターミクロン或いは更にそれ以下への微細化が求められている。このようなデザインルールの更なる微細化に対応するためには、露光光源として可視光線或いは近紫外線(波長400〜300nm)など従来使用されてきたものでは充分でなく、KrFエキシマレーザー(248nm)やArFエキシマレーザー(193nm)等の遠紫外線、更にはX線、電子線等のようなより短波長の放射線を用いることが必要とされ、これら露光光源を用いるリソグラフィープロセスが提案され、実用化されつつある。このデザインルールの微細化に対応するべく、微細加工の際にフォトレジストとして用いられる感放射線性樹脂組成物にも高解像性のものが要求されている。さらに、感放射線性樹脂組成物には、解像性に加え、感度、画像寸法の正確さなどの性能向上も同時に求められている。これに応えるべく、短波長の放射線に感光性を有する高解像度の感放射線性樹脂組成物として、「化学増幅型感放射線性樹脂組成物」が提案されている。この化学増幅型感放射線性樹脂組成物は、放射線の照射により酸を発生する化合物を含み、放射線の照射によりこの酸発生化合物から酸が発生され、発生された酸による触媒的な画像形成工程により、高い感度が得られる点等で有利であるため、従来の感放射線性樹脂組成物に取って代わり、普及しつつある。
【0004】
しかしながら、KrFエキシマレーザー(248nm)によるパターン形成も現在の望まれている微細パターンのサイズには追いついておらず、ArFエキシマレーザー(193nm)によるプロセスもまだ実用化されていない状況である。そこでKrFエキシマレーザを用いるパターン形成プロセスにより化学増幅型レジストを用いレジストパターンを形成し、このレジストパターン上に酸により架橋、硬化する水溶性樹脂組成物である微細パターン形成補助剤を塗布して水溶性樹脂膜をパターン上に形成し、全面露光及び/又は加熱することによりレジストパターンから酸を水溶性樹脂膜へ拡散させ、これによって水溶性樹脂膜を架橋、硬化させ、現像液に不溶化させた後、未硬化部を現像により除去してレジストパターンを太らせ、結果としてレジストパターン間の幅を狭くすることによってレジストパターンの微細化を図り、実効的に露光波長の解像限界以下の微細レジストパターンを形成する微細パターン形成方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。この方法は、短波長用の露光装置等の高価な設備投資をすることなく、レジストパターンのスペース部の寸法を効果的に縮小することができるため、有用な方法として注目されている。この微細パターンの形成に用いられる水溶性樹脂組成物からなる微細パターン形成補助剤は、既に、例えばRELACSシリーズ(クラリアント社製)として上市されている。
【0005】
上記補助剤は、特有の保護基で保護された水溶性又はアルカリ可溶性の変性ポリビニルアルコール(以下、単に「変性ポリビニルアルコール」ということもある。)を成分として含んでいるが、ポリビニルアルコールは水素結合による会合体を生成することが知られている。この会合体は、高分子ゲルの一種であり、分子間水素結合によって系全体がつながった三次元網目構造の溶媒膨潤体と見ることができる。また、ポリビニルアルコールは結晶性高分子であり、その架橋点は、微結晶と微結晶間に閉じ込められたからみあい点であると考えられている。この会合体は水溶液中で非常に強固であり、0.1μm以下のサイズのフィルターを使用する際に濾過速度の減少等の不具合を生じる場合があるし、また塗布膜の異物の原因になりうる問題を抱えている。さらに、この会合体は、除去されても経時とともに再度生成されていくという、経時安定性の問題も抱えている。
【0006】
微細パターン形成補助剤の原料として用いられる変性ポリビニルアルコールもポリビニルアルコールと同様、会合などに基づく高分子量体成分を含み、ろ過性及び経時安定性に問題があり、この変性ポリビニルアルコールを用いて形成された微細パターン形成補助剤にも、前記と同様の問題がある。更に、変性ポリビニルアルコールを用いた微細パターン形成補助剤には、基板に塗布する際に塗布欠陥が発生するという問題及び微細パターン形成補助剤をレジストパターン上に塗布し、露光、加熱等の後に硬化されていない微細パターン形成補助剤を現像除去する際に、不要な微細パターン形成補助剤が除去されずに残ることによるパターンの現像欠陥の問題もある。
【0007】
【特許文献1】特開平5−241348号公報
【特許文献2】特開平6−250379号公報
【特許文献3】特開平10−73927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上記したような問題が改善された、即ち、ろ過性が良好であり、塗布欠陥、現像欠陥の発生個数が少なく、経時安定性も良好な半導体製造等で用いられる微細パターン形成補助剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような状況に鑑み、本発明者らは、鋭意研究、検討を行った結果、変性ポリビニルアルコールを含む微細パターン形成補助剤において、変性ポリビニルアルコールに含有される、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法により求めてポリエチレングリコール標準物質より計算した重量平均分子量で25万を超える高分子量体成分が特定量以下である場合に、上記好ましい特性を有する補助剤が得られること、また、このような特性を有する変性ポリビニルアルコールは、変性ポリビニルアルコールから不純物を除去した後に加熱処理を行うことにより得られることを見出して、本発明を成したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、ホルマール基、アセタール基及びブチラール基から選ばれた保護基で保護された変性ポリビニルアルコールの溶液を、イオン交換樹脂を用いて当該溶液の酸分及び金属イオンを除去した後、80℃以上の温度で加熱処理することにより製造された、ゲル透過クロマトグラフィー法により求めてポリエチレングリコール標準物質より計算した重量平均分子量が25万以上の高分子量体成分量が、1000ppm以下でありかつ金属イオン濃度が1.0ppm以下で酸分濃度が50ppm以下である保護基で保護された変性ポリビニルアルコール、水溶性架橋剤、及び水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を含有する微細パターン形成補助剤に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明において、保護基で保護された変性ポリビニルアルコールの保護基としては、ホルマール基、アセタール基、ブチラール基などが挙げられる。これらの保護基で保護された変性ポリビニルアルコールは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)法により求めてポリエチレングリコール標準物質より計算した重量平均分子量(以下、単に「GPCによる重量平均分子量」という。)25万以上の高分子量体成分が、変性ポリビニルアルコールに対し1000ppm以下であることが必要であり、当該高分子量体成分量は、好ましくは100ppm以下である。GPCによる重量平均分子量が25万以上の高分子量体成分量が1000ppmを超える場合、ろ過性、塗布特性、現像特性の優れた微細パターン形成補助剤を得ることができない。このようなGPCによる重量平均分子量が25万以上の高分子量体成分の樹脂中の含有率が1000ppm以下の変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールを保護基を形成する化合物と反応させ、保護基を形成した後で、80℃以上、好ましくは90℃以上の加熱処理を行うことにより製造することができる。さらに経時安定性に優れた変性ポリビニルアルコールを得るためには、加熱処理を行う前に、脱金属イオン処理及び脱酸処理を行いポリマー溶液中の不純物を除去することが必要である。
【0012】
ホルマール基、アセタール基、ブチラール基などの保護基で保護された変性ポリビニルアルコール及びその製造方法自体は、いずれも周知である。本発明において加熱処理、脱酸、脱金属イオン処理にかけられるこれら変性ポリビニルアルコールは、従来知られたいずれの方法によって製造されたものでもよい。例えば、アセタール基を保護基として有するポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールを水に溶解し、酸の存在下にアセトアルデヒドを反応させることにより製造される。ホルマール基、ブチラール基なども、ポリビニルアルコールとホルムアルデヒドあるいはブチルアルデヒドとを、前記アセタール基の導入方法と同様の方法によって反応させることにより、形成することができる。本発明において用いられる変性ポリビニルアルコールは、水溶性であることが必要とされるため、反応後の変性ポリビニルアルコールが水溶性を有するようアセタール化度などの変性度を適度の範囲とすることが必要である。このことは、他の保護基の導入においても同様である。また、変性ポリビニルアルコールを製造するために用いられるポリビニルアルコールとしては、通常、重合度が300〜2400、好ましくは500〜1000、また鹸化度が70〜99モル%、好ましくは88〜95モル%であるものが用いられる。
【0013】
本発明の変性ポリビニルアルコールの製造における加熱処理条件は、80℃以上であり、好ましくは90℃以上である。処理温度が80℃未満の場合には、処理後の変性ポリビニルアルコールの高分子量体成分量が十分には低減されず、このポリマーを用いて微細パターン形成補助剤を構成した場合、80℃以上での加熱処理の場合に比べ、当該補助剤の塗布欠陥、現像欠陥、ろ過特性などの点が劣ることとなるためである。加熱処理時間は、加熱温度によっても変わるため特に限定されるものではないが、好ましくは5分以上、より好ましくは15分以上である。また、加熱処理の際変性ポリビニルアルコールは溶媒に溶解され、溶液の状態で行われる。溶媒としては通常水が用いられ、濃度が5〜20%程度とされて加熱処理される。
【0014】
また、加熱に先立って行われる変性ポリビニルアルコールの酸分、金属イオンなどの不純物除去処理は、変性ポリビニルアルコールの水溶液を、例えばイオン交換樹脂を用いて処理することにより行うことができる。このような脱酸、脱金属イオン処理に用いられるイオン交換樹脂は、多数のものが既に知られている。本発明においては、これら従来周知或いは公知のイオン交換樹脂のいずれのものを用いて、脱酸、脱金属イオン除去処理が行われてもよい。不純物除去処理を行った後の変性ポリビニルアルコールの金属イオン濃度及び酸分濃度は、例えば前者は1.0ppm以下であることが、また後者は50ppm以下、好ましくは5ppm以下であることが好ましい。
【0015】
本発明の微細パターン形成補助剤には、これら処理された変性ポリビニルアルコールの他に水溶性架橋剤及び溶媒が含有される。水溶性架橋剤は、酸により変性ポリビニルアルコールを架橋・硬化し、現像液に対し不溶性の膜を形成するものである限り、いずれのものも用いることができる。このような水溶性架橋剤としては、メラミン誘導体、グアナミン誘導体、尿素誘導体、グリコールウリル、アルコキシアルキル化アミノ樹脂などが好ましいものとして挙げられる。これら水溶性架橋剤のうちメラミン誘導体の例としては、メラミン、メトキシメチル化メラミン、エトキシメチル化メラミン、プロポキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、ヘキサメチロールメラミンなどが挙げられる。また、グアナミン誘導体の例としては、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メチル化ベンゾグアナミンなどが挙げられる。さらに、尿素誘導体の例としては、尿素、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、アルコキシメチレン尿素、N−アルコキシメチレン尿素、エチレン尿素、エチレン尿素カルボン酸などが挙げられる。
【0016】
一方、アルコキシアルキル化アミノ樹脂としては、アルコキシアルキル化メラミン樹脂、アルコキシアルキル化ベンゾグアナミン樹脂、アルコキシアルキル化尿素樹脂などを挙げることができ、具体的には、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化ベンゾグアナミン樹脂、メトキシメチル化尿素樹脂、エトキシメチル化尿素樹脂、プロポキシメチル化尿素樹脂、ブトキシメチル化尿素樹脂などである。
【0017】
これら水溶性架橋剤は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができ、その配合量は前記変性ポリビニルアルコール100重量部当たり、1〜70重量部、好ましくは10〜33重量部である。
【0018】
また、溶媒としては水または水と水溶性の有機溶剤との混合溶剤が用いられる。溶媒として用いられる水は、水であれば特に制限はなく、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理等により有機不純物、金属イオンを除去したもの、例えば純水が好ましい。一方、水溶性有機溶剤としては、水に対して0.1重量%以上溶解する溶剤であれば特に制限はなく、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノンシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等をあげることができ、好ましいものとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のC〜Cの低級アルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これら溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これら溶剤は、水溶性樹脂組成物とした際にレジストパターンを溶解しない範囲で用いられる。
【0019】
また、本発明の微細パターン形成補助剤には、必要に応じ、界面活性剤などの添加剤が含有させてもよい。界面活性剤としては、例えば3M社製のフロラード、三洋化成社製のノニポール、大日本インキ化学工業社製のメガファック、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類、アセチレンアルコール類のポリエトキシレートおよびアセチレングリコール類のポリエトキシレートが挙げられる。
【0020】
本発明の微細パターン形成補助剤は、水または水と水溶性溶剤の混合物100重量部当たり、加熱処理或いは不純物除去処理と加熱処理に付された変性ポリビニルアルコールを1〜30重量部、好ましくは2〜15重量部、水溶性架橋剤を0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部含むことが好ましい。
【0021】
本発明の微細パターン形成補助剤が適用されるレジストパターンは、従来公知或いは周知の方法により形成したものでよい。その一例を、図1(a)及び(b)を参照しつつ説明する。まず、図1(a)に示されるように、例えば半導体基板1などの被加工基板上に、化学増幅型ポジ型感放射線性樹脂組成物を塗布し、必要に応じプリベーク(例えば、ベーク温度:70〜150℃で1分程度)を行い、フォトレジスト層2を形成する。次いで、図示されていないフォトマスクを介して露光した後、必要に応じポストエクスポージャーベーク(PEB)(例えば、ベーク温度:50〜150℃)を行い、現像し、更に、必要であれば現像後ベーク(例えば、ベーク温度:60〜120℃)を行って、図1(b)に示されるようにポジのレジストパターン3が形成される。
【0022】
上記のレジストパターンの形成において用いられる半導体基板は、ベアな半導体基板でもよいが、必要に応じ表面にシリコン酸化膜やアルミニウム、モリブデン、クロムなどの金属膜、ITOなどの金属酸化膜、ポリシリコンなどのシリコン膜を有するシリコンなどの基板、或いは更にこれら基板上に、回路パターン或いは半導体素子などが形成された基板とされてもよい。また、化学増幅型ポジ型感放射線性樹脂組成物の塗布は、例えばスピンコート法、ロールコート法、ランドコート法、流延塗布法、浸漬塗布法など従来公知の方法によればよい。露光光源としては、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーなどの遠紫外線、X線、電子線などが用いられる。更に、フォトレジスト膜の現像剤は、使用する化学増幅型ポジ型感放射線性樹脂組成物を現像することのできるものであればいずれのものでもよく、通常水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液が用いられる。現像法は、パドル法、スプレー法など、従来フォトレジストを現像するために用いられている方法によればよい。なお、感放射線性樹脂組成物は、レジストパターン形成後の露光及び/又は加熱により、レジストパターン3から酸が被覆層4に拡散されるものであればよく、上記の化学増幅型ポジ型感放射線性樹脂組成物に限られるものではない。
【0023】
次いで、レジストパターン上に酸で架橋された被覆層を形成し、レジストパターン間の距離を狭くし、露光波長の限界解像度以下のパターンを形成する方法を、図1(c)〜(e)を参照しつつ説明する。まず、図1(c)に示すように、レジストパターン3上に、本発明の微細パターン形成補助剤を塗布し、必要に応じベーク(例えば、ベーク温度:65〜85℃で1分程度)して、被覆層4を形成する。次いでレジストパターン3から酸を被覆層4に拡散させるため、露光及び/又はベーク(例えば、ベーク温度:90〜140℃で1分程度)する。これによりレジストパターン3から酸が拡散し、図1(d)に示されるように、被覆層4に架橋・硬化層5が形成される。被覆層4を専用の現像液で現像して、架橋・硬化していない被覆層を除去することにより、図1(e)に示されるように、架橋・硬化層5により太らされたパターンが形成され、結果として、レジストパターン間が狭くなり、露光波長の限界解像度以下のパターンが形成される。形成されたパターンは、エッチングマスク、イオン注入マスクなど、基板の微細加工或いは被処理レジストマスクとして用いられる。
【実施例】
【0024】
本発明を以下の実施例で説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0025】
製造例(アセタール化ポリビニルアルコールの製造)
ケン化度88%、重合度500のポリビニルアルコール(PVA)(日本合成化学社製)を、塩酸触媒下でアセトアルデヒドと反応させることによりアセタール化し、その後、水酸化ナトリウム水溶液で中和処理をして、アセタール化率30モル%の変性PVA(ポリマーa)を合成した。ポリマーaのナトリウムイオン含有量は28ppm、酢酸イオン含有量は1250ppm、クロルイオン含有量は221ppmであった。
【0026】
次いで、ポリマーa中の金属イオンを除去するため、イオン交換樹脂アンバーライトEG−290(オルガノ製)を用い、脱金属イオン処理を行い、次いで酸分を除去するため、イオン交換樹脂アンバーリストIRA96SB(オルガノ製)を用い脱酸処理を行い、脱金属イオン及び脱酸された変性PVA(ポリマーA)を得た。ポリマーAは、最終的に10%濃度水溶液として調製された。前記イオン交換処理により、変性PVAのナトリウムイオン含有量は28ppmから5ppbに、酢酸イオン含有量は1250ppmから41ppmに、クロルイオン含有量は221ppmから1ppm以下に低減した。
なお、ナトリウムイオンは原子吸光法にて、酢酸イオン、クロルイオンについてはイオンクロマトグラフィー法にて測定した。
【0027】
実施例1
ポリマーAの10重量%水溶液1kgを三口フラスコに入れ、オイルバスにより100℃で180分間加熱処理し、ポリマーBを得た。ポリマーBの、GPCによる重量平均分子量が25万以上の高分子量体成分(以下、単に「高分子量体成分」という。)量の測定及びろ過性の評価を、以下のとおりに行った。結果を表1に示す。
【0028】
ポリマーの高分子量体成分量の測定
GPC測定装置として、LCモジュール−1(ウォータース社製)を用い、カラムは、SB−800P、SB−804HQ、SB−803HQ、SB−802.5HQ(いずれも昭和電工(株)製)を使用した。溶離液は、0.1モル/リットルの硝酸ナトリウム水溶液9重量部に対して、アセトニトリル1重量部を加えることにより調製した。流速は0.8ミリリットル(ml)/分(min)、サンプル注入量は200マイクロリットル(μl)、カラム温度は40℃とした。
測定は、ポリマーBの10重量%水溶液0.50gを溶離液10mlに溶解し、上記条件にてGPCにより分子量に応じた分離を行い、ポリエチレングリコール換算にて重量平均分子量が25万以上の高分子量体成分を検出、検量することにより行った。検量は、ポリエチレングリコール換算にて重量平均分子量が25万以上の高分子量体成分の、メインのピーク面積に対する面積比より計算した。
【0029】
ろ過性の評価
孔径0.20μm、直径13mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルター(マイクロリス社製)を使用し、窒素1.4kgf/cmにて加圧ろ過して、ポリマーBの3重量%水溶液の濾過速度の変化を調べた。ろ過性の評価は、ろ過開始後2−3分の1分間のろ過量と9−10分の1分間のろ過量を測定、比較し、下記評価基準により評価した。
【0030】
(ろ過性の評価基準)
○:ろ過開始後2−3分の1分間のろ過量に対する9−10分の1分間のろ過量の減少が30%以下
×:ろ過開始後2−3分の1分間のろ過量に対する9−10分の1分間のろ過量の減少が30%超
【0031】
実施例2
ポリマーAの10重量%水溶液1kgを三口フラスコに入れ、オイルバスにより100℃で15分間加熱処理し、ポリマーCを得た。実施例1と同様にしてGPC測定を行い、ポリマーCの高分子量体成分量を求めた。また、実施例1と同様にして、ろ過性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0032】
実施例3
ポリマーAの10重量%水溶液1kgを三口フラスコに入れ、オイルバスにより80℃で180分間加熱処理し、ポリマーDを得た。実施例1と同様にしてGPC測定を行い、ポリマーDの高分子量体成分量を求めた。また、実施例1と同様にして、ポリマーDのろ過性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0033】
比較例1
製造例で得たポリマーAのGPC測定を実施例1と同様に行い、ポリマーAの高分子量体成分量を求めた。また、実施例1と同様にして、ポリマーAのろ過性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0034】
比較例2
ポリマーAの10重量%水溶液1kgを三口フラスコに入れ、オイルバスにより60℃で180分間加熱処理し、ポリマーEを得た。実施例1と同様にしてGPC測定を行い、ポリマーEの高分子量体成分量を求めた。また、実施例1と同様にして、ポリマーEのろ過性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】


【0036】
表1から、変性PVAを80℃以上の温度で加熱処理することにより、ポリマー中の高分子量体成分量が大幅に低減され、また高分子量体成分量の少ない本発明の変性PVAはろ過性も極めて良好であることが分る。
【0037】
実施例4
(微細パターン形成補助剤の調製)
実施例1で得られたポリマーB100重量部と尿素誘導体の水溶性架橋剤19重量部とを、純水と水溶性有機溶剤であるイソプロピルアルコールとの混合溶媒(純水95重量部に対して、イソプロピルアルコール5重量部)1470重量部に溶解し、微細パターン形成補助剤B(組成物B)を調製した。
次いで、組成物Bを、以下の「塗布後の欠陥検査」及び「現像後の欠陥検査」に付した。
【0038】
(塗布後の欠陥検査)
組成物Bを8インチのベア(Bare)なシリコンウエハ上に回転塗布し、85℃で70秒間ダイレクトホットプレートによりベークして、0.35μm厚の膜を形成した。表面欠陥検査計(KLAテンコール社製のKLA−2115)により、塗布膜の欠陥検査を行った。塗布後の欠陥数の評価は、ウエハ上の全塗布欠陥数によった。結果を表2に示す
【0039】
(現像後の欠陥試験)
AZ KrF−17B80(クラリアント社製、「AZ」は登録商標(以下同じ))を、8インチのベア(Bare)なシリコンウエハ上にスピン塗布し、180℃で60秒間ダイレクトホットプレートによりベークし、0.080μm厚の反射防止膜を形成した。さらにAZ DX5240P(7cP)(クラリアント社製)をスピン塗布し、90℃で60秒間ダイレクトホットプレートによりベークして、0.450μm厚のレジスト膜を形成した。このレジスト膜を248.4nm KrFエキシマレーザー光により、バイナリーマスクを介し選択的に露光し、120℃で60秒間ダイレクトホットプレートにてポストエクスポージャーベーク(PEB)した後、現像液としてAZ 300MIF(クラリアント社製;2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、60秒間パドル現像することにより、シリコンウエハ上にホールパターンを形成した。このホールパターン上に、組成物Bを回転塗布し、85℃で70秒間ダイレクトホットプレートにてベークして、0.350μmの膜を形成した。次いで、レジスト層と微細パターン形成補助剤との界面での架橋反応を促進させるため、110℃で70秒間、ダイレクトホットプレートにてベーク(ミキシングベーク)を行った後、AZ R2developer(クラリアント社製)で60秒間流水現像することにより、微細パターンの形成を行った。表面欠陥検査計(KLAテンコール社製のKLA−2115)を使用し、現像後の欠陥検査測定を行った。現像後の欠陥数の評価は、現像後のホールパターンにブリッジなどが形成され、ホールパターンが綺麗に抜けて現像されていない場合を現像後の欠陥とし、ウエハ上の全欠陥数を、現像後の欠陥数とした。結果を表2に示す。
【0040】
実施例5
ポリマーBに替えて実施例2で得られたポリマーCを用いることを除き実施例4と同様にして、微細パターン形成補助剤C(組成物C)を調製した。実施例4と同様にして、組成物Cの「塗布後の欠陥検査」及び「現像後の欠陥検査」を行った。結果を表2に示す。
【0041】
実施例6
ポリマーBに替えて実施例3で得られたポリマーDを用いることを除き実施例4と同様にして、微細パターン形成補助剤D(組成物D)を調製した。実施例4と同様にして、組成物Dの「塗布後の欠陥検査」及び「現像後の欠陥検査」を行った。結果を表2に示す。
【0042】
比較例3
ポリマーBに替えて、製造例で得た加熱処理されていないポリマーAを用いることを除き実施例4と同様にして、微細パターン形成補助剤A(組成物A)を調製した。実施例4と同様にして、組成物Aの「塗布後の欠陥検査」及び「現像後の欠陥検査」を行った。結果を表2に示す。
【0043】
比較例4
ポリマーBに替えて比較例2で得られたポリマーEを用いることを除き実施例4と同様にして、微細パターン形成補助剤E(組成物E)を調製した。実施例4と同様にして、組成物Eの「塗布後の欠陥検査」及び「現像後の欠陥検査」を行った。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】


【0045】
表2から、高分子量体成分量の極めて少ない変性PVAを用いて調製された本発明の微細パターン形成補助剤では、加熱処理が行われず、或いは適切な加熱処理が行われておらず、高分子量体成分量が1000ppmを超える変性PVAを用いた微細パターン形成補助剤に比べ、塗布及びパターン形成時の塗布欠陥及び現像欠陥数が大幅に改善されており、本発明の微細パターン形成補助剤が極めて優れた特性を有するものであることが分る。
【0046】
(経時安定性評価)
実施例7
ポリマーBを室温(25℃)及び低温(5℃)で保存し、2週間後、及び1ヵ月後に再度GPCにて高分子量体成分量を測定した。結果を表3に示す。
【0047】
比較例5
イオン交換処理のされていない製造例のポリマーaの10重量%水溶液1kgを三口フラスコに入れ、オイルバスにより100℃で180分間加熱処理し、ポリマーFを得た。実施例1と同様にGPCにてポリマーFの高分子量体成分量を測定したところ、100ppm以下と良好な結果であった。ポリマーFを室温(25℃)及び低温(5℃)で保存し、2週間後、及び1ヵ月後に再度GPCにて高分子量体成分量を測定した。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】


【0049】
表3から、不純物除去工程を行うことによって経時安定性に優れた変性ポリビニルアルコールを供給できることが分る。
【0050】
[発明の効果]
以上詳しく述べたように、本発明により、ろ過性が良好で、かつ塗布時あるいはパタ−ン形成時に欠陥の少ない、優れた特性を有する微細パターン形成補助剤、その原料ポリマー並びに該原料ポリマーの製造法が提供される。さらに本発明により、経時安定性に優れた微細パターン形成補助剤とその原料ポリマー並びに該原料ポリマーの製造方法を提供することができる。これにより、半導体等の電子部品や三次元微細構造物製造のための微細加工において、露光波長の解像限界以下のサイズのパターンを、設計通りのデザインルールに従って、高精度、高スループットで形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】微細パターン形成補助剤を用いて、レジストパターンを太らせ、レジストパターン間のサイズを狭くし、解像限界以下のパターン寸法幅を有するレジストパターンを形成する工程を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 基板
2 フォトレジスト層
3 レジストパターン
4 微細パターン形成補助剤による被覆層
5 現像液不溶性の架橋・硬化層




 

 


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