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発明の名称 パターンおよび配線パターンならびにそれらの製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−178885(P2007−178885A)
公開日 平成19年7月12日(2007.7.12)
出願番号 特願2005−379508(P2005−379508)
出願日 平成17年12月28日(2005.12.28)
代理人 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次
発明者 長 原 達 郎
要約 課題
低コストで半導体素子または表示素子を製造することができる、パターンの製造法とそれにより形成されるパターンの提供。

解決手段
基板上に形成された感光性樹脂組成物層の上に疎液性の高い表面被覆層を形成させ、パターンを形成させる。基板上に残留する表面被覆層は疎液性が高く、一方、被覆が除去された部分は相対的に親液性が高いので、被覆が除去された部分に選択的に導電性材料含有組成物を付着させることができ、所望の配線パターンを得ることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成された感光性樹脂組成物層と、
前記感光性樹脂組成物層の上に形成された表面被覆層と
を具備してなり、前記感光性樹脂組成物層と前記表面被覆層とが像様に除去されたパターンであって、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対するn−ヘキサデカンの接触角が41度以上であることを特徴とするパターン。
【請求項2】
23℃において測定される、前記感光性樹脂組成物層と前記表面被覆層とが除去された部分に対するn−ヘキサデカンの接触角が40度以下である、請求項1に記載のパターン。
【請求項3】
前記表面被覆層が、フッ素含有ポリマーを含んでなるものである、請求項1または2に記載のパターン。
【請求項4】
前記フッ素含有ポリマーが、炭素数が1〜18のパーフルオロアルキル基をふくむものである、請求項3に記載のパターン。
【請求項5】
前記感光性樹脂組成物層が、シラザン構造を有するポリマーと感光剤と溶剤とを含む感光性樹脂組成物に由来するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成法。
【請求項6】
基板上に感光性樹脂組成物層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層の上に表面被覆層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層を像様露光する工程、
現像により、露光された領域の前記感光性樹脂組成物層および表面被覆層を除去する工程、
を含んでなり、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対するn−ヘキサデカンの接触角が41度以上であることを特徴とするパターン形成法。
【請求項7】
基板上に感光性樹脂組成物層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層の上に表面被覆層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層を像様露光する工程、
現像により、露光された領域の前記感光性樹脂組成物層および表面被覆層を除去する工程、
現像により被覆が除去された部分のみに導電性材料含有組成物を付着させる工程
を含んでなり、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対する前記導電性材料含有組成物の接触角が41度以上であることを特徴とする配線パターン製造法。
【請求項8】
前記導電性材料含有組成物が、金属微粒子と溶媒とを含むものである、請求項7に記載の配線パターン製造法。
【請求項9】
導電性材料含有組成物を付着させた後、加熱、あるいは紫外線または電子線の照射により導電性材料含有組成物を硬化させる、請求項7または8に記載の配線パターン製造法。
【請求項10】
配線パターンを具備してなる半導体素子であって、前記配線パターンが下記の工程:
基板上に感光性樹脂組成物層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層の上に表面被覆層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層を像様露光する工程、
現像により、露光された領域の前記感光性樹脂組成物層および表面被覆層を除去する工程、および
現像により被覆が除去された部分のみに導電性材料含有組成物を付着させる工程
を含んでなる方法により製造され、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対する前記導電性材料含有組成物の接触角が41度以上であることを特徴とする半導体素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子および表示素子、ならびにその製造法に関するものである。さらに詳しくは、下地となる基板表面に、親液性の部分と、疎液性の部分とを形成させ、親液性の部分にのみ配線材料を付着させることにより配線を形成させた半導体素子および表示素子、ならびにその製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子または表示素子に用いられる配線パターンを製造する場合には、フォトリソグラフィー法を用いた方法が一般的に採用されている。このような方法は、通常、
(1)基板上に導電膜を形成させ、
(2)導電膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー法によりパターンを形成させ、
(3)形成されたパターン(フォトレジスト膜)を介して導電膜をエッチングし、
(4)フォトレジストを剥離する、
という工程からなる。
【0003】
半導体素子や表示素子は、より高性能なものが求められており、それに伴ってそれらの構造はより一層の微細化および高集積化が望まれている。このため、それらの素子の製造に用いられるスパッタ装置やエッチング装置もより高度な制御が可能な高価なものが要求されるようになってきている。具体的には、上記の導電膜形成工程では、導電膜の形成を気相法で行う場合にはスパッタ装置やCVD装置が必要となり、導電膜のエッチング工程ではエッチング装置が必要となる。これらは、そのまま設備に対するコストの増大を意味することとなる。
【0004】
このため、より安価に半導体素子や表示素子を製造するための方法が検討されている。そのような方法のひとつとして、基板上にパターンを形成した後、液滴吐出法により凹部に金属材料を含む液滴を充填して埋め込み配線を形成する方法が特許文献1には開示されている。このような方法によれば、高価なスパッタ装置やエッチング装置が不要となるメリットがある。
【0005】
しかしながら本発明者らの検討によれば、この特許文献1に記載された方法では、液滴吐出法の精度が重要となり、液滴吐出法に高い精度が要求されるために、設備コストや製造の歩留まりの観点から改良の余地があることがわかった。
【特許文献1】特開2005−210081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記したような従来技術の問題点に鑑み、低コストで十分な性能を有する半導体素子または表示素子を製造するための方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるパターンは、
基板と、
前記基板上に形成された感光性樹脂組成物層と、
前記感光性樹脂組成物層の上に形成された表面被覆層と
を具備してなり、前記感光性樹脂組成物層と前記表面被覆層とが像様に除去されたパターンであって、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対するn−ヘキサデカンの接触角が41度以上であることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明による配線パターン形成方法は、
基板上に感光性樹脂組成物層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層の上に表面被覆層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層を像様露光する工程、
現像により、露光された領域の前記感光性樹脂組成物層および表面被覆層を除去する工程、
を含んでなり、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対するn−ヘキサデカンの接触角が41度以上であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明による配線パターン製造法は、
基板上に感光性樹脂組成物層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層の上に表面被覆層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層を像様露光する工程、
現像により、露光された領域の前記感光性樹脂組成物層および表面被覆層を除去する工程、
現像により被覆が除去された部分のみに導電性材料含有組成物を付着させる工程
を含んでなり、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対する前記導電性材料含有組成物の接触角が41度以上であることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明による半導体素子は、配線パターンを具備してなるものであって、前記配線パターンが下記の工程:
基板上に感光性樹脂組成物層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層の上に表面被覆層を形成させる工程、
前記感光性樹脂組成物層を像様露光する工程、
現像により、露光された領域の前記感光性樹脂組成物層および表面被覆層を除去する工程、および
現像により被覆が除去された部分のみに導電性材料含有組成物を付着させる工程
を含んでなる方法により製造され、
23℃において測定される、前記表面被覆層に対する前記導電性材料含有組成物の接触角が41度以上であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板上に液体との親和性が高い部分と低い部分とのコントラストを作り出すことができ、それによって、基板の表面の所望の位置にだけ液体を付着させることができる。このような効果によって、基板表面に導電性を有する液体を付着させることにより、配線パターンを形成させることができる。このような方法によれば半導体素子や表示素子を安価に製造することができ、さらには導電性を有する液体の吐出精度を高くする必要性が低くなるために製造が容易であり、製造装置に対するコストを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明によるパターン形成法を図を用いて説明すると以下の通りである。
図1は本発明によるパターン形成法の一例を説明するためのものである。まず、基板1上に感光性樹脂組成物層を形成させる(図1(a))。ここで用いることができる基板は任意であり、ガラス、SiまたはGaAsなどの半導体材料などを用いることができる。また、感光性樹脂組成物層を形成させるに先立って、表面を研磨するなどの前処理を行ったり、後述する導電性材料を含む液体に対する親和性の高い、言い換えれば親液性の材料で被覆しておくこともできる。
【0013】
前記の基板1の表面に感光性樹脂組成物層2を形成させる。感光性樹脂組成物層2は任意のものを用いることができる。このような感光性樹脂組成物層2は、一般にポリマーと感光剤と溶剤とを含んでなる感光性樹脂組成物を基板1上に塗布することにより形成させる。感光性樹脂組成物に含まれる成分は、目的とする素子やパターンの種類などに応じて任意に選択される。用いることのできるポリマーとしては、シラザン構造を有するポリマー、アクリルポリマー、シラノールシリコーン、ポリイミドなどが挙げられる。用いられる感光剤は、組み合わされるポリマーの種類や、露光に用いる光源などに応じて適当に選択される。具体的にはナフトキノンジアジド含有化合物、トリフェニルスルホニウム化合物、ジフェニルヨードニウム化合物、トリアジン化合物などが挙げられる。また、溶剤としては、前記のポリマーおよび感光剤を均一に溶解または分散できるものから選択される。具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン、ノナン、ノニルアルコールなどが挙げられる。
【0014】
このような感光性樹脂組成物のうち、好ましいのはポリマーとしてシラザン構造を有するポリマーを含むものである。本発明において使用することのできる感光性ポリシラザン組成物としては例えば特開2000−311591号公報に記載されている物が挙げられる。ポリマーがシラザン構造を含むと、耐熱性および可視光透過性が高くなり、かつ誘電率が低くなるので好ましい。このような感光性樹脂組成物は、例えばPS−MSZ(メチルシラザンに光酸発生剤が添加された組成物:AZエレクトロニックマテリアルズ社製)などを用いることもできる。
【0015】
感光性樹脂組成物層2は、通常、液体の状態で塗布される。この感光性樹脂組成物の塗布は任意の方法、例えばスピン塗布、ディップ塗布、スプレー塗布、およびスリット塗布、から選択される。
【0016】
塗布された感光性樹脂組成物層2は、必要に応じて引き続いて溶媒除去および/または組成物層の硬化のために加熱される。このような加熱を一般にプリベークと呼ぶ。プリベークの条件は用いられる感光性樹脂組成物の種類などによって変化するが、一般に40〜150℃、好ましくは60〜140℃、で一般に0.5〜10分間、好ましくは1〜3分間、で行われる。
【0017】
形成させる感光性樹脂組成物層2の厚さは特に限定されないが、一般に0.01〜100μmであり、製造されるパターンの用途により選択される。
【0018】
ついで、形成された感光性樹脂組成物層の上に、表面被覆層3を形成させる(図1(b))。形成される表面被覆層3は、有機溶媒や界面活性剤を含む水溶液に対して疎液性であることが必要であり、本発明においては表面被覆層3に対するn−ヘキサデカンの接触角が41度以上であることが必要であり、50度以上であることが好ましい。このため、この層に接触した溶媒などは弾かれる。ここでn−ヘキサデカンの接触角は材料表面の疎液性を示す一般的な指標であり、本発明における表面被覆層は、それに対するn−ヘキサデカンの接触角が41度以上であることにより、通常用いられる有機溶媒または界面活性剤をふくむ水溶液に対して疎液性であることを示している。このような表面被覆層3は、例えばフッ素含有ポリマーを含んでなる被膜により達成することができる。
【0019】
一般にこのようなフッ素含有ポリマー層は、フッ素含有ポリマーを溶媒に溶解または分散させた組成物を塗布することにより形成させる。用いることができるフッ素ポリマーとしては、フッ素含有ポリマー層に対するn−ヘキサデカンあるいは後述する導電性材料含有組成物の接触角が本発明において特定される範囲にあるものであれば任意のものを用いることができる。このようなフッ素含有ポリマーとしては、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルコキシアルカンのような、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基やパーフルオロアルコキシ基などを含む、アルカン、アルケン、アルキルエーテル、アルカノールなどが挙げられる。これらは必要に応じてフッ素以外のハロゲンを含んでいてもよい。より具体的には、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマーなどが挙げられる。また、これを溶解または分散するために用いられる溶媒としては、ハイドロフロオロエーテルなどが挙げられる。さらに、このフッ素含有ポリマーを含む組成物は、必要に応じてその他の添加物、例えば界面活性剤、着色剤、バインダー、分散剤、pH調整剤、粘度調整剤、焼成触媒などを含んでいてもよい。また、このようなフッ素含有ポリマーを含む組成物として、FS−1010(株式会社フロロテクノロジー製)などの市販の組成物を用いることもできる。これらのフッ素含有ポリマーを含む組成物は、任意の方法で塗布することができる。
【0020】
塗布された表面被覆層3は、必要に応じて加熱などにより溶媒を除去する。このような工程は前記の感光性樹脂組成物層2のプリベークと併せて行うこともできる。すなわち、感光性樹脂組成物層2を塗布後、加熱する前に「ウェット・オン・ウェット」で塗布し、二層を同時に加熱して硬化させることもできる。
【0021】
形成される表面被覆層3は、感光性樹脂組成物層2を被覆し、前記したように表面を疎液性にすることができれば任意の厚さに設定することができる。しかしながら、むら無く感光性樹脂組成物層2を被覆し、かつ後述する現像工程において感光性樹脂組成物層2とともに容易に除去されるように、一般に1μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下に設定される。一方、表面被覆層3が十分な疎液性を示すために、その厚さは0.001μm以上であることが好ましい。
【0022】
ついで、感光性樹脂組成物層2および表面被覆層3(以下、これらを併せて「被覆層」ということがある)が形成された基板1を、像様に露光する(図1(c))。像様露光をするためには、図1(c)に示したようにマスク4を介して露光する方法の他、ステッパーを用いたり、走査露光をするなどの方法が挙げられる。この露光工程において露光された領域の感光性樹脂組成物層は現像液に対して溶解性が高くなる。
【0023】
ついで露光済みの感光性樹脂組成物層2は現像される。現像液は用いられる感光性樹脂組成物に応じて選択される。一般にはアルカリ性水溶液、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液が用いられる。現像後、必要に応じて乾燥され、本発明によるパターンが得られる。得られたパターンにおいて、表面被覆層が除去された部分は基板表面が露出するか、親液性の材料で基板表面を被覆した場合にはその親液性材料の層が露出する。この部分は、表面被覆層に対して相対的に親液性が高いが、具体的にはn−ヘキサデカンの接触角が、一般に小さければ小さいほど好ましいが、具体的には40度以下であることが好ましい。
【0024】
感光性樹脂組成物として、シラザン構造を有するポリマーを用いた場合、パターン形成後の感光性樹脂組成物層に露光および加湿処理をすることができる。このような処理を行うことにより、感光性樹脂組成物層の露光部分に酸が生成し、この生成した酸によりポリシラザンのSi−N結合が解裂し、さらに雰囲気中の水分と反応してシラノールとなる。この結果、シラザン構造を有するポリマーのシリカ質膜への転化が促進されるので好ましい。
【0025】
上記の例においては、感光性樹脂組成物層2を形成させ、露光をする前に表面被覆層3を形成させたが、本発明の効果を得るためには、必ずしもこのような工程の順序で行う必要はない。すなわち、感光性樹脂組成物層を形成させた後、現像前までの任意の順序で表面被覆層を形成させることができる。例えば、露光をした後に表面被覆層を形成させてもよい。
【0026】
さらに、上記の例ではいわゆるポジ型の感光性樹脂組成物を用いた方法を説明しているが、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いても同様にパターンを形成させることができる。この場合には、一般的に行われるネガ型感光性樹脂組成物を用いてパターンを形成させるときと同様に露光された部分に被覆層が残留したパターンを形成させることとなる。
【0027】
また、必要に応じてその他の層を形成させることもできる。例えば感光性樹脂組成物層と表面被覆層の間、または基板と感光性樹脂組成物層との間に中間層を設けることもできる。特に、基板上に、後述する導電性材料含有組成物と親和性の高い、すなわち親液性の高い材料の層であって、現像により除去されない層5を設けることで、表面被覆層の表面と、被覆層が除去された部分との親液性の差がおおきくなり、親液性の高い部分に導電性材料含有組成物を付着させるのに有利となる(図2(a))。また、現像後に被覆層が除去された部分に親液性の高い材料の層6を形成させることにより、同様の効果を得ることができる(図2(b))。
【0028】
さらには、被覆層が除去された部分の表面状態を調整し、後述する導電性材料含有材料の付着性を改良することもできる。このような方法としては、紫外線を照射する方法、プラズマ処理、フッ酸処理などが挙げられる。
【0029】
本発明による配線パターンの製造法は、前記の方法により得られたパターンに、さらに導電性材料を所望の位置、すなわち被覆層が除去された部分に付着させる工程を含んでなる。
【0030】
導電性材料含有組成物としては、導電性の金属微粒子などを分散させた分散液が挙げられる。本願発明における表面被覆層は、それに対するn−ヘキサデカンの接触角が41度以上であるため、一般的に用いられる有機溶媒および界面活性剤をふくむ水溶液に対して疎液性が高いので、特別な事情がない限り任意の媒体を含む組成物を用いることができる。しかしながら、被覆層が除去された部分、すなわち導電性材料含有組成物を付着させようとする部分との親和性が高いことが望ましいので、適切な媒体を含む組成物を用いるべきである。また、形成されている被覆層などを不要に溶解しないことも必要である。
【0031】
このような導電性材料含有組成物の例としては、例えば導電性材料として銅、銀、金、ニッケル、亜鉛、黒鉛などの導電性粒子を、n−ヘキサデカン、デカン、プロピルアルコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、ジオクチルアミン、オクタン、フタル酸ジメチルなどの有機溶媒または界面活性剤を含む水に分散させたものなどが挙げられる。ここで、媒体に水を用いる場合には、一般に界面活性剤を含む水溶液が用いられる。用いることのできる界面活性剤としては、ラウリル酸ナトリウム、ラウリル酸アンモニウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルミルアミンオキシド、ラウリルジメチルベタイン、ポリエチレングリコールモノラウレートなどが挙げられる。これらのうち、特に銅や銀を含むものは形成される配線回路の抵抗が低くなるので好ましい。このような導電性材料含有組成物は、必要に応じて様々な成分を含み得るが、その組成物の23℃において測定される、表面被覆層に対する接触角が41度以上、好ましくは50度以上、であることが必要である。
【0032】
これらの導電性材料含有組成物は任意の方法で前記のパターンに付着させることができる。例えば、スピン塗布、デイップ塗布、スプレー塗布、スリット塗布などの方法により基板の全面に導電性材料含有組成物を塗布することができる。このように塗布された導電性材料は、疎液性の高い部分、すなわち表面被覆層上では玉状になり、親液性の高い部分、すなわち被覆層が除去された部分においては付着する。このような状態は図3に示すとおりである。すなわち、導電性材料含有組成物は、被覆層の除去された部分、すなわち形成されたパターンの溝部に付着し(7A)、一方で、残余の導電性材料含有組成物は、表面被覆層の上で疎液性のために玉状になる(7B)。この玉状になった導電性材料含有組成物は、基板を傾けたり、遠心力をかけたり、風を吹き付けることで基板表面から簡単に除去される。その結果、基板上の被覆層が除去された部分だけに導電性材料組成物が付着する。
【0033】
また、全面塗布ではなく、被覆層が除去された部分にのみ導電性材料を配置することもできる。すなわち、ディスペンサー等を用いて、被覆層の除去された部分に導電性材料組成物を供給すれば、その部分に連結された被覆層除去部分に導電性材料が展開していく。被覆層が残留している部分は表面被覆層に覆われているために、導電性材料含有組成物があふれて、被覆層が除去されていない部分に付着することもない。このためにディスペンサー等には過度に高い精度が要求されず、製造設備に対する制限が少なくなる。
【0034】
このとき、被覆層除去部分の幅が狭いなどの理由からディスペンサー等で導電性材料含有組成物を供給するのが困難な場合には、パターンにあらかじめ導電性材料含有組成物を供給するための液だまりを形成させておくこともできる。図4は、そのような液だまりを具備してなるパターンの一例の立体断面図である。感光性樹脂組成物層上に形成された液だまり8に導電性材料含有組成物を供給することにより、それに連結された被覆層除去部分に導電性材料含有組成物が展開する。このような液だまりの形状は図5に示すようなものであってもよい。
【0035】
このような液だまりを有するパターンに導電性材料含有組成物をディスペンサーで供給する方法を採用すれば、ひとつの基板に異なった導電性材料含有組成物からなる配線を形成させることもできる。
【0036】
このように導電性材料含有組成物を所望の形状で付着させて配線パターンが形成されるが、必要に応じて、さらなる処理を行って導電性材料含有組成物を固定することができる。例えば、加熱により媒体を除去して導電性材料含有組成物を配線材料として固定することができる。さらには、導電性材料含有組成物に加熱や紫外線または電子線などの照射により、反応して導電性材料含有組成物を硬化させることのできる添加剤を配合しておき、加熱等をすることで硬化させることもできる。
【0037】
このように形成された配線パターンは、各種の半導体素子に用いることができる。具体的には、トランジスタ、発光ダイオードなどや、それらを利用したLSI、フラットパネルディスプレー、カラーフィルターなどが挙げられる。
【0038】
実施例1
シリコン基板上に感光性樹脂組成物PS−MSZをスピン塗布し、110℃で1分間プリベークすることにより、膜厚1.5μmの膜を形成させた。さらにフッ素系ポリマー組成物FS−1010(株式会社フロロテクノロジー製)をスピン塗布して、膜厚0.01μmの表面被覆膜を形成させた。
【0039】
この試料をステッパー(株式会社日立製作所製LD−5050iw)を用いてパターニングし、幅10μmのトレンチパターンを得た。この後、試料全面に紫外線を100mJ/cmの強度で照射し、25℃80%RHの水蒸気雰囲気に2分間曝した後、150℃で5分間ポストベークした。
【0040】
この試料のパターン残留部の表面特性を調べたところ、界面活性剤を含む水溶液、ならびにイソプロピルアルコール、キシレン、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのいずれの有機溶媒に対しても強い撥液性を示し、濡れが生じなかった。このとき、23℃において測定される、パターン残留部に対するn−ヘキサデカンの接触角は65度であった。一方、パターン除去部(トレンチ内部)は界面活性剤を含む水溶液および有機溶媒をはじくことがなく、親液性であることがわかった。23℃において測定される、パターン除去部に対するn−ヘキサデカンの接触角は10度であった。
【0041】
実施例2
10gの銅ナノ粒子を90gのデカンに分散させて導電性インク(以下、銅導電性インクという)を調製した。実施例1で製造したパターンに、a)スピン塗布、b)ディップ塗布、c)スプレー塗布、またはd)スリット塗布により、銅導電性インクを塗布した。23℃において測定される銅導電性インクの接触角は、パターン残留部に対して60度、パターン除去部に対して10度であった。
【0042】
いずれの場合においても銅導電性インクは一旦パターン全面に広がるが、銅導電性インクはやがてパターン残留部ではじかれ、玉状になった。これらの玉状になった銅導電性インクは、パターンに遠心力を与えたり、風を与えることによって除去することができた。一方、トレンチ内に残った銅導電性インクは前記の操作の後もトレンチ内に均一に残っていた。
【0043】
比較例1
フッ素系ポリマー膜を形成させないことを除いて、実施例1と同様にしてパターンを形成させた。この試料のパターン残留部の表面特性を調べたところ、有機溶媒および界面活性剤を含む水溶液に対しては濡れが生じた。このとき、23℃において測定される、パターン残留部に対するn−ヘキサデカンの接触角は20度であった。また銅導電性インクをスピン塗布したところ、パターン全面に銅導電性インクが広がって付着し、遠心力や風によって除去することが困難であった。
【0044】
実施例3
実施例1と同様の方法により、トレンチと、それに接続する1mm×1mmの液だまりを有するパターンを製造した。この液だまりに精密なディスペンサーにより銅導電性インクを吐出させたところ、銅導電性インクはトレンチに流れ込み、パターン除去部分を均一に覆うことが確認できた。また、パターン残留部に銅導電性インクを吐出させたところ、銅導電性インクは玉状になってちらばり、トレンチに触れた銅導電性インクはトレンチ内に流れ込んだ。
【0045】
実施例4
PS−MSZの代わりに感光性アクリル樹脂組成物(AZ RISOFINE OC−302(商品名;AZエレクトロニックマテリアルズ社製))を用い、加湿処理を省略した他は実施例1と同様にしてパターンを形成させた。このパターンを用いて実施例1と同様にパターン面の表面特性を調べたところ、パターン残留部では界面活性剤を含む水溶液および有機溶媒に対して撥液性を示し、パターン除去部では界面活性剤を含む水溶液および有機溶媒に対して親液性を示した。23℃において測定されるn−ヘキサデカンの接触角は、パターン残留部に対して55度、パターン除去部に対して5度であった。
【0046】
実施例5
界面活性剤で表面をコーティングした10gの銀ナノ粒子を90gの水に分散させて銀導電性インクを調製した。この銀導電性インクを用いた他は、実施例2と同様にしてa)〜d)の方法で塗布試験を行った。銀導電性インクを用いた場合にも、パターン残留部ではインクが玉状になってはじかれて撥液性を示す一方、パターン除去部には均一にインクが広がった。23℃において測定される銀導電性インクの接触角は、パターン残留部に対して82度、パターン除去部に対して4度であった。
【0047】
実施例6
実施例1で得られたパターンにディップ塗布により銀導電性インクでパターン除去部を埋め、表面に残っている玉状のインクを除去した後、300℃で30分間焼成した。得られた埋め込み配線の抵抗値を測定したところ3.5μΩcmであり、良好な抵抗値であることがわかった。
【0048】
実施例7
感光性アクリル樹脂(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 AZ RISOFINE OC−302(商品名))をガラス基板にスピン塗布し、膜厚3μmの膜を得た。これを90℃1分間のプリベークを行った。また、フッ素ポリマー(株式会社ネオス製フタージェント110)をエタノールに2%の濃度で溶解したものを準備した。前記の感光性アクリル樹脂塗布済みの基板をフッ素ポリマーエタノール溶液にディップし引き上げ、エリプソ分光法により測定したところ、0.07μmのフッ素ポリマー膜が付着していること求められた。
【0049】
得られた試料をステッパーを用いて8umのパターニングを行ったのち、150℃のポストベークをおこなった。この試料に対する接触角を測定したところ、23℃において測定されるn−ヘキサデカンの接触角は、パターン残留部に対して55度、パターン除去部に対して5度以下であった。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明によるパターンの形成法を説明する図。
【図2】本発明によるパターンの例を示す断面図。
【図3】本発明による配線パターンの製造法を示す断面図。
【図4】本発明によるパターンの例を示す立体断面図。
【図5】本発明によるパターンの形状の例を示す上面図。
【符号の説明】
【0051】
1 基板
2 感光性樹脂組成物層
3 表面被覆層
4 マスク
5、6 親液性の高い材料の層
7 導電性材料含有組成物
8 液だまり




 

 


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