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発明の名称 感光性樹脂組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−33666(P2007−33666A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−214669(P2005−214669)
出願日 平成17年7月25日(2005.7.25)
代理人 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次
発明者 栗 原 清 二 / 緒 方 智 成 / 高 橋 修 一 / 張 勇
要約 課題
膜表面の白濁の抑制と、残膜率低下の抑制とを両立できる感光性樹脂組成物の提供。

解決手段
アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド基を有する感光剤ならびに硬化剤を含んでなる感光性樹脂組成物であって、アルカリ可溶性樹脂がアクリル系樹脂であり、硬化剤がエポキシ基を含む硬化剤であり、さらに融点が20℃以下であり、複数のカルボキシル基の一部が高級アルコールでエステル化されたポリカルボン酸エステル化合物を含んでなる感光性樹脂組成物、およびこの感光性樹脂組成物を用いて形成された平坦化膜あるいは層間絶縁膜を具備してなるフラットディスプレィパネルまたは半導体デバイス。前記ポリカルボン酸エステル化合物としては、脂肪族不飽和ジカルボン酸から形成されるものが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
アルカリ可溶性のアクリル系樹脂、キノンジアジド基を有する感光剤ならびにエポキシ基を有する硬化剤を含んでなる感光性樹脂組成物であって、融点が20℃以下であり、複数のカルボキシル基の一部が高級アルコールでエステル化されたポリカルボン酸エステル化合物を前記感光性樹脂組成物がさらに含んでなることを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記感光剤が、下記一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物とナフトキノンジアジド化合物との反応生成物である、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
【化1】


(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立してHまたはC1−C2のアルキル基を表し、R5およびR6は、それぞれ独立してC1−C2のアルキル基を表す。)
【化2】


(式中、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、H、C1−C4のアルキル基または
【化3】


を表し、mおよびnはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、a、b、c、d、e、f、gおよびhは、a+b≦5、c+d≦5、e+f≦5、g+h≦5を満たす0〜5の整数であり、iは0〜2の整数である。)
【請求項3】
前記感光性樹脂組成物が、前記一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物をさらに含んでなる、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリカルボン酸エステル化合物が、下記一般式Aで表されるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
(ROCO)−R−(COOH) (A)
(ここでRは、水酸基、ハロゲン、アミノ基、またはスルホン酸基で置換されていてもよい炭化水素基であり、Rは炭化水素基であり、pおよびqはそれぞれ1以上の整数である。)
【請求項5】
前記ポリカルボン酸エステル化合物を形成するポリカルボン酸が、脂肪族不飽和ジカルボン酸である、請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物により形成された平坦化膜あるいは層間絶縁膜を有することを特徴とするフラットパネルディスプレー。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物により形成された平坦化膜あるいは層間絶縁膜を有することを特徴とする半導体デバイス。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布してからプリベークにより塗膜を形成させ、
得られた塗膜を露光し、
露光後の塗膜をアルカリ現像液により現像してパターンを形成させ、
現像により得られたパターンをさらに全面露光し、
ポストベークする
ことを特徴とする耐熱性薄膜の形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、さらに詳細には半導体デバイス、フラットパネルディスプレー(FPD)等の製造、特に、半導体デバイスおよびFPDなどの層間絶縁膜または平坦化膜の形成に好適な感光性樹脂組成物、この感光性樹脂組成物を用いて形成されたFPDおよび半導体デバイス、ならびに前記感光性樹脂組成物を用いて耐熱性薄膜を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIなどの半導体集積回路や、FPDの表示面の製造、サーマルヘッドなどの回路基板の製造等を初めとする幅広い分野において、微細素子の形成あるいは微細加工を行うために、従来からフォトリソグラフィー技術が利用されている。そして、フォトリソグラフィー技術においては、レジストパターンを形成するため、ポジ型またはネガ型感光性樹脂組成物が用いられている。近年、これら感光性樹脂組成物の新たな用途として、半導体集積回路やFPDなどの層間絶縁膜または平坦化膜の形成技術が注目されている。特にFPD表示面の高精細化に対する市場の要望は強いものがあり、この高精細化を達成するためには透明性が高く、絶縁性に優れる層間絶縁膜、平坦化膜は必須材料といわれている。このような用途に用いる感光性樹脂組成物に関しては多くの研究がなされており、特許が出願され公開されている(例えば、特許文献1および2等参照)。しかし、従来層間絶縁膜などの用途に適したものとして提案された感光性樹脂組成物は耐熱性を高くするために架橋(硬化)剤を必要とすることから、経時安定性が悪く、微細加工に使用されている一般的なポジ型レジストと比べて、組成物の保存環境に特別な注意が必要となる。さらに、FPD表示面の作製工程におけるフォトリソグラフィーでは、現像液を繰り返し使用するリサイクル現像液が用いられている。このリサイクル現像液中で、TFT(薄膜トランジスタ)作製用ポジ型レジストと前記架橋剤を含む感光性樹脂組成物が混合された場合、ポジ型レジストと前記架橋剤を含む組成物中の架橋剤が反応することで、現像液に不溶な析出物が多量に発生するという問題がある。
【0003】
またポリマー主鎖中にエポキシ基を有するモノマーを組み込むことで加熱処理後の平坦化膜が白濁することを防止する技術も知られている(例えば、特許文献1及び2参照)が、この方法ではポリマーの安定性が劣り、感光性樹脂組成物の保存安定性が非常に短くなる。さらに、ポリマーとエポキシ樹脂を共重合体とせずに混合して使用した場合には、保存安定性は非常に優れるが、加熱処理後の平坦化膜表面が白濁するという問題がある。
【0004】
このような問題点を解決するために、組成物にカルボン酸を添加して膜表面の白濁を抑制する方法が提案されている(特許文献3)。しかしながら本発明者らが検討したところ、この方法により膜表面の白濁の問題点は解消できるものの、新たな問題点として現像処理時の残膜率が低下することがあることがわかった。このために、膜表面の白濁の抑制と、残膜率低下の抑制とを両立できる組成物が望まれていた。
【特許文献1】特開平7−248629号公報
【特許文献2】特開平8−262709号公報
【特許文献3】国際特許公開第2005/008337号パンフレット
【特許文献4】特開平5−297582号公報
【非特許文献1】J. Appl. Polym. Sci., 77, pp3077 (2000)
【非特許文献2】Orpanic preparation and procedures international (1985), 17(2), pp121
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のような状況に鑑み、本発明は、アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド基を含む感光剤、および硬化剤を含有する感光性樹脂組成物において、高温ベーキング後においても膜表面の平坦性を保持し、良好な光透過率、低い誘電率を有する薄膜が得られ、かつ経時安定性の良く、現像時において高い残膜率をも達成できるい感光性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、前記感光性樹脂組成物により形成された平坦化膜あるいは層間絶縁膜を有するFPDあるいは半導体デバイスを提供するものである。
さらに、本発明は前記感光性樹脂組成物を用いてパターニング後、全面露光を行い、次いでポストベークをすることにより耐熱性薄膜を形成する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究、検討を行った結果、アルカリ可溶性樹脂、キノンジアジド基を含む感光剤、および硬化剤を含んでなる感光性樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂および硬化剤として特定の物質を用い、かつ前記感光性樹脂組成物に融点が20℃以下であり、複数のカルボキシル基の一部が高級アルコールでエステル化されたポリカルボン酸エステル化合物を含有せしめることにより、前記目的を達成できる、すなわち、例えば220℃、1時間の高温の加熱処理後においても膜表面の平坦性を保持し、また良好な光透過率、低い誘電率を有する薄膜が得られ、かつ長期に亘る経時安定性に優れた感光性樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を成したものである。
【0007】
本発明による感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性のアクリル系樹脂、キノンジアジド基を有する感光剤ならびにエポキシ基を有する硬化剤を含んでなる感光性樹脂組成物であって、融点が20℃以下であり、複数のカルボキシル基の一部が高級アルコールでエステル化されたポリカルボン酸エステル化合物を前記感光性樹脂組成物がさらに含んでなることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明によるフラットパネルディスプレイまたは半導体デバイスは、前記の感光性樹脂組成物により形成された平坦化膜あるいは層間絶縁膜を有することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明による耐熱性薄膜の形成方法は、前記の感光性樹脂組成物を用いてパターンニング後、全面露光を行い、次いでポストベークを行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明による感光性樹脂組成物は、経時安定性、塗布特性に優れ、本発明の感光性樹脂組成物により、高耐熱性、例えば220℃、1時間の高温の加熱処理後においても膜表面の変質を来たさずかつ平坦性を保持し、また良好な光透過率、低い誘電率を有し、耐溶剤性をも有する薄膜を形成することができる。そして、薄膜形成時の現像工程において、高い残膜率を維持しており、形成される薄膜は十分な厚さを維持している。このため、本発明の感光性樹脂組成物は、半導体デバイスなどの平坦化膜、層間絶縁膜等に好適に使用することができ、本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、特性の優れたFPDおよび半導体デバイスを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物においてはアルカリ可溶性のアクリル系樹脂を用いる。本発明で用いられるアルカリ可溶性のアクリル系樹脂は、従来感光性樹脂のアルカリ可溶性樹脂として用いられるアクリル系の樹脂であれば何れのものであっても良く、重合開始剤として、シアノ基を有するアゾ系重合開始剤を用いて合成されたアルカリ可溶性のアクリル系樹脂、シアノ基を有さないアゾ系重合開始剤を用いて合成されたアルカリ可溶性のアクリル系樹脂、またはシアノ基を有さないアゾ系重合開始剤とシアノ基を有するアゾ系重合開始剤とを併用して合成されたアルカリ可溶性のアクリル系樹脂などいずれのものも好ましく用いることができる。
【0012】
前記アルカリ可溶性のアクリル系樹脂の合成に当たり用いられる、シアノ基を有さないアゾ系重合開始剤またはシアノ基を有するアゾ系重合開始剤としては、一般的に使用されているものから選択することができる。このような化合物の例は、例えば特許文献3に記載されている。
【0013】
このような重合開始剤のうち、好ましいシアノ基を有さないアゾ系重合開始剤としては、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(1−プロピオノキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(1−イソブチロキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(1−ピバロキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルプロパン)、1,1’−アゾビス[1−アセトキシ−1−(p−メチルフェニル)エタン]、1,1’−アゾビス[1−アセトキシ−1−(p−クロロフェニル)エタン]、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルブタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を挙げることができ、また好ましいシアノ基を有するアゾ系重合開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを挙げることができる。
【0014】
アクリル系樹脂の合成において、重合開始剤としてシアノ基を有さないアゾ系重合開始剤を用いてアクリル系樹脂を合成し、この樹脂を本発明の感光性樹脂組成物のアクリル系樹脂として用いる場合には、光透過率が極めてよく、また耐熱性、耐溶剤性の良好な膜を形成することができる。一方、重合開始剤としてシアノ基を有するアゾ系重合開始剤を用いて合成したアクリル系樹脂を用いると、耐熱性、耐溶剤性に優れた感光性樹脂組成物が得られる。さらに、重合開始剤として、シアノ基を有さないアゾ系重合開始剤とシアノ基を有するアゾ系重合開始剤を併用して合成したアクリル系樹脂を用いると、光透過率、耐溶剤性、耐熱性などの各種特性がバランス良く優れている感光性樹脂組成物を得ることができる。なお、いずれのものを用いた場合にも本発明の感光性樹脂組成物の経時安定性は極めて優れたものである。重合開始剤としてシアノ基を有さないアゾ系重合開始剤とシアノ基を有するアゾ系重合開始剤を併用する場合、通常、これらはモル比で20:80〜80:20の範囲、好ましくは、30:70〜70:30の範囲で用いられる。
【0015】
本発明の感光性樹脂組成物において用いられるアルカリ可溶性のアクリル系樹脂としては、(a)アルカリ可溶性のポリアクリル酸エステル、(b)アルカリ可溶性のポリメタクリル酸エステル、および(c)少なくとも一種のアクリル酸エステルと少なくとも一種のメタクリル酸エステルとを構成単位として含むアルカリ可溶性のポリ(アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル)を挙げることができる。これらのアクリル系樹脂は単独で用いられてもよいし、二種以上が併用されてもよい。また、これらアクリル系樹脂は、樹脂をアルカリ可溶性とするため有機酸単量体を共重合成分として含むものが好ましいが、樹脂にアルカリ可溶性を付与する共重合単位が前記有機酸単量体に限られるものではない。
【0016】
これらアルカリ可溶性のポリアクリル系樹脂を構成する単量体成分としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、有機酸単量体およびその他の共重合性単量体が挙げられる。これら重合体を構成する単量体成分としては、下記例示のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、有機酸単量体が好ましいものである。
【0017】
アクリル酸エステル:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロルエチルアクリレート、メチル-α−クロルアクリレート、フェニル−α−アクリレートなど
【0018】
メタクリル酸エステル:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、1−フェニルエチルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、ジフェニルメチルメタクリレート、ペンタクロルフェニルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど
【0019】
有機酸単量体:
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸などのジカルボン酸およびこれらジカルボン酸の無水物、2−アクリロイルハイドロジェンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロジェンフタレートなど
【0020】
なお、本発明において使用するアクリル系樹脂を構成するその他の共重合性単量体としては、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、スチレンおよびスチレン誘導体、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらその他の共重合性単量体を含む共重合体は、必要に応じて用いればよく、その量もアクリル系樹脂が本発明の目的を達成しうる範囲内の量で用いられる。
【0021】
本発明においてアクリル系樹脂として好ましいものは、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位と(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む共重合体であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸を5〜30モル%含むものである。また、本発明において用いられるアルカリ可溶性アクリル系樹脂の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量が5,000〜30,000であることが好ましい。アクリル系樹脂の分子量が5,000未満であると、耐溶剤性および耐熱性が劣るという問題が発生することがあり、また30,000を超えると現像残渣が発生するという問題が起ることがある。
【0022】
本発明の感光性樹脂組成物において用いられる、キノンジアジド基を有する感光剤としては、下記一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物とナフトキノンジアジド化合物との反応生成物が好ましいものとして挙げられる。
【化1】


【0023】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立してHまたはC1−C2のアルキル基を表し、R5およびR6は、それぞれ独立してC1−C2のアルキル基を表す。)
【化2】


【0024】
(式中、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、H、C1−C4のアルキル基または
【化3】


を表し、mおよびnはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、a、b、c、d、e、f、gおよびhは、a+b≦5、c+d≦5、e+f≦5、g+h≦5を満たす0〜5の整数であり、iは0〜2の整数である。)
【0025】
一般式(I)で示されるフェノール性化合物としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。これら化合物の合成は、従来公知の方法、例えば特許文献4に記載されている方法などにより適宜行うことができる。
【0026】
【化4】


【0027】
また、前記一般式(II)で表されるフェノール性化合物としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、ビスフェノールA、B、C、E、FおよびG、4,4’,4”−メチリジントリスフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4”−エチリジントリスフェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−エトキシフェノール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,6−ジメチルフェノール]、2,2’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3,5−ジメチルフェノール]、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[2,3,6−トリメチルフェノール]、4−[ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス[3−メチルフェノール]、4,4’,4”−(3−メチル−1−プロパニル−3−イリジン)トリスフェノール、4,4’,4”,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリジン)テトラキスフェノール、2,4,6−トリス「(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス[(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス[2,6−ビス(ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノールなどを挙げることができる。また好ましい化合物として、4,4’,4”−メチリジントリスフェノール、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’−[1−[4−[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4”−エチリジントリスフェノールなどが挙げられる。
【0028】
これら一般式(II)で表されるフェノール性化合物の中では、特に下記式(III)または下記式(IV)で表される化合物が好ましいものである。
【0029】
【化5】


【0030】
【化6】


【0031】
一方、一般式(I)または(II)で示されるフェノール性化合物と反応されるナフトキノンジアジド化合物は、一般式(I)または(II)で示されるフェノール性化合物と反応してエステル化物を形成することができるキノンジアジド基を含有する化合物であれば何れのものでも良い。このようなキノンジアジド化合物としては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライドなどに代表されるナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロリドのようなキノンジアジドスルホン酸ハライドが挙げられる。エステル化反応は、例えば、前記一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物とキノンジアジドスルホン酸ハライドとを、塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなどの存在下で、通常、−20〜60℃程度の温度で反応させることにより行われる。エステル化は、一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物の水酸基の一部であっても、全水酸基であってもよい。エステル化率は、一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物の量とキノンジアジド基を有する化合物の量を調整することによって適宜のものとすることができる。このエステル化反応においては、エステル化数およびエステル化位置が種々異なる混合物が得られる。したがって、エステル化率は、これら混合物の平均値として表わされる。また、これら反応生成物は、一種単独で用いられてもよいし、二種以上が併用されてもよい。本発明においては、前記一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物とナフトキノンジアジド化合物との反応生成物を用いることにより、長期保存安定性に優れ、しかも光透過率、耐溶剤性、耐熱性、絶縁性に優れた膜を形成することができる。本発明においては、前記反応生成物は、感光性樹脂組成物中のアルカリ可溶性樹脂成分100重量部に対し、通常1〜30重量部の量で用いられる。なお、感光剤として、前記反応生成物と共に、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の感光剤が用いられても良い。
【0032】
また、本発明による感光性樹脂組成物には、硬化剤としてエポキシ基を有する硬化剤を含んでなる。このエポキシ基を有する硬化剤としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂などを挙げることができる。しかし、本発明において使用することができる硬化剤はこれら高分子系エポキシ樹脂に限られるものでなく、ビスフェノールAあるいはビスフェノールFのグリシジルエーテル等の低分子系のエポキシ化合物であってもよい。これらエポキシ基を有する硬化剤は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、好ましくは2〜60重量部、より好ましくは10〜40重量部の量で用いられる。
【0033】
本発明による感光性樹脂組成物は、融点が20℃以下であり、複数のカルボキシル基の一部が高級アルコールでエステル化されたポリカルボン酸エステル化合物をさらに含んでなる。融点が20℃を超えるポリエステル化合物を用いると、組成物を塗布した後、減圧乾燥に付す際に突沸が発生することがあるが、融点が20℃である、すなわち室温で液体あるポリカルボン酸エステル化合物を用いることでそのような問題が回避される。このような理由から、ポリカルボン酸エステル化合物の融点の下限は特に限定されないが、一般には−100〜20℃、好ましくは−80〜0℃である。
【0034】
このポリカルボン酸エステル化合物は、ポリカルボン酸が有する複数のカルボキシル基のうち、一部だけが高級アルコールでエステル化されているため、エステル基とカルボキシル基の両方を有するものである。
【0035】
このような化合物は下記のような一般式(A)で表すことができる
(ROCO)−R−(COOH) (A)
ここでRは、水酸基、ハロゲン、アミノ基、またはスルホン酸基で置換されていてもよい炭化水素基であり、Rは炭化水素基であり、pおよびqはそれぞれ1以上の整数である。
は、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、または芳香族炭化水素であることが好ましく、特に不飽和炭化水素であることが好ましい。Rの炭素数は特に限定されないが、3〜16であることが好ましく、5〜12であることがより好ましい。さらにRbは直鎖のアルキル基または分岐したアルキル基であってもよい。また、pは1〜2であることが好ましく、qは1〜3であることが好ましいが、pが2以上のときそれぞれのRは同じであっても異なっていてもよい。
【0036】
このような化合物は一般にポリカルボン酸を高級アルコールと反応させることで得ることができる。
【0037】
ここでポリカルボン酸としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸などが挙げられる。具体的には、ジカルボン酸としては、(1)脂肪族飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セパシン酸、(2)脂肪族不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、(3)芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、が挙げられ、トリカルボン酸としてはトリカリバリル酸、ベンゼントリカルボン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基のより多い、トリカルボン酸、テトラカルボン酸等も用いることが可能である。
【0038】
また、高級アルコールとしては、例えば炭素数3〜16、好ましくは炭素数5〜12の、直鎖または分岐鎖を有する、アルキル基、アルキレン基、アルケニル基を有するアルコールが挙げられる。これらは第1アルコール、第2アルコール、第3アルコールのいずれであってもよい。具体的には(i)n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−へキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−デカノール、およびn−ドデカノールなどの直鎖の第1アルコール、(ii)イソペンタノール、イソへキサノール、イソオクタノール、イソデカノールなどの直鎖の第2アルコール、(iii)2−メチル−1−ヘキサノールなどの分岐鎖を有する第1アルコール、(iv)2−メチル−3−ヘキサノールなどの分岐鎖を有する第2アルコール、(v)tert−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノールなどの第3アルコール、(vi)3−ヘキセン−1−オール、4−オクテン−2−オールなどの不飽和アルコール、などが挙げられる。
【0039】
これらのポリカルボン酸と高級アルコールとから、通常に行われるエステル化反応により本発明に用いるポリカルボン酸エステル化合物を形成させることができる。このとき、ポリカルボン酸のカルボキシル基の一部がエステル化されない量の高級アルコールを配合するのが一般的である。例えば、無水マレイン酸と高級アルコールとを等モルとなるように配合し、加熱撹拌して反応させることにより、マレイン酸モノエステルを形成させることができる(非特許文献1および2)。
【0040】
本発明において用いられるポリカルボン酸エステル化合物は、融点が20℃以下であれば、これらのポリカルボン酸と高級アルコールとを任意に組み合わせたものを用いることができる。一般に高級アルコールの炭素数が大きいほど本発明による効果が大きくなるが、融点が低くなる傾向がある。これに対して、ポリカルボン酸が二重結合を含むとそのエステルの融点が高くなる傾向がある。このためポリカルボン酸が不飽和カルボン酸であると、高級脂肪アルコールの炭素数を増加させることができるので好ましい。
【0041】
特に好ましいポリカルボン酸エステル化合物は、脂肪族不飽和ジカルボン酸のひとつのカルボキシル基がアルキル基で置換されたものである。具体的には、(i)マレイン酸またはフマル酸と、(ii)前記した高級アルコールとのモノエステルが挙げられ、これらの中でマレイン酸モノオクチルエステルがとりわけ好ましい。
【0042】
また、ここではポリカルボン酸と高級アルコールとの反応により形成されるポリカルボン酸エステル化合物を示したが、そのほかの方法で製造されたものであっても、複数のカルボキシル基の一部が高級アルコールでエステル化されたポリカルボン酸エステル化合物、特に前記一般式(I)で示され、融点が20℃以下である化合物であれば本発明による感光性樹脂組成物に用いることができる。
【0043】
これらのポリカルボン酸エステル化合物は、複数のものを組み合わせて用いることもできる。また、本発明による感光性樹脂組成物における含有量は、一般にアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部である。ポリカルボン酸エステル化合物の含有量が少ないと、ポストベーク工程における膜表面の変質、すなわち白濁化を抑制する効果が小さくなる傾向があり、多すぎると形成される被膜の耐熱性が劣化する傾向があるので注意が必要である。
【0044】
また本発明による感光性樹脂組成物には、特許文献3に記載されたカルボン酸を組み合わせて用いることもできる。そのようなカルボン酸は、飽和カルボン酸であっても、不飽和カルボン酸であってもよい。好ましい飽和カルボン酸としては、一般式:Cn2n+1COOH(nは11〜17の整数を表す。)で示されるC12〜C18の脂肪酸酸が挙げられる。前記一般式で示される飽和脂肪酸の脂肪族基は直鎖でも分岐したものもよいが、直鎖の脂肪族基が好ましい。これら飽和脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸およびパルミチン酸が好ましい。また、好ましい不飽和カルボン酸としては、分子中に1〜3個の不飽和二重結合を有するC12〜C24の不飽和脂肪酸が挙げられる。二重結合を1個有する不飽和脂肪酸としては、例えばネルボン酸、エルカ酸、オレイン酸、パルミトレイン酸などが、二重結合を2個有する不飽和脂肪酸としては、例えば、11,14−エイコサジエン酸、リノール酸などが、さらに二重結合を3個有する不飽和脂肪酸としては、例えば、シス−8,11,14−エイコサトリエン酸、リノレン酸などが挙げられる。これら不飽和脂肪酸において、アルキル鎖の長さが短くなると白濁防止効果が小さくなる傾向があり、一方、アルキル鎖が長くなると白濁防止効果は良好であるものの、現像残渣が発生する場合がある。また、アルキル鎖が長くなると融点が室温以上となり、減圧乾燥時に突沸が発生することもあるから、不飽和脂肪酸としては、これらの問題を有さないものを選択することが好ましい。不飽和脂肪酸として、オレイン酸は特に好ましいものの一つである。
【0045】
このようなカルボン酸を添加することにより、形成される薄膜の耐熱温度が改良され、現像時に発生する現像残渣が減少する傾向にある。
【0046】
本発明による感光性樹脂組成物は、前記アルカリ可溶性のアクリル系樹脂、前記一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物とナフトキノンジアジド化合物との反応生成物およびエポキシ基を含んでなる硬化剤に加えて、前記一般式(I)または(II)で表されるフェノール性化合物を含んでなることが好ましい。前記一般式(I)あるいは(II)で表されるフェノール性化合物は、本発明による感光性樹脂組成物では、通常、溶解抑止剤として溶解速度を調整するために、または、感光性樹脂組成物の残膜率向上あるいは感度の調整のために使用される。一般式(II)で表されるフェノール性化合物としては、前記式(III)または(IV)で表されるフェノール性化合物が好ましい。これらのフェノール性化合物は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、1〜20重量部の量で用いられる。
【0047】
本発明による感光性樹脂組成物においては、アルカリ可溶性樹脂、感光剤、硬化剤、ポリカルボン酸エステル化合物、およびその他の添加剤を溶解させ、感光性樹脂組成物溶液を形成する溶剤を含むことができる。このような溶剤の具体的な例として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0048】
本発明による感光性樹脂組成物には、必要に応じ接着助剤および界面活性剤等をさらに配合することができる。接着助剤の例としては、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー、シラン等が、界面活性剤の例としては、非イオン系界面活性剤、例えばポリグリコール類とその誘導体、すなわちポリプロピレングリコールまたはポリオキシエチレンラウリルエーテル、フッ素含有界面活性剤、例えばフロラード(商品名、住友3M(株)製)、メガファック(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、スルフロン(商品名、旭ガラス(株)製)、または有機シロキサン界面活性剤、例えばKP341(商品名、信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0049】
本発明による感光性樹脂組成物は、各成分を所定量溶剤に溶解して調整される。このとき、各成分は予めそれぞれ別個に溶剤に溶解し、使用直前に各成分を所定の割合で混合して調製されてもよい。通常感光性樹脂組成物の溶液は、0.2μmのフィルター等を用いて濾過された後、使用に供される。
【0050】
本発明による感光性樹脂組成物は、次のような方法によって薄膜とされ、平坦膜あるいは層間絶縁膜などとして好適に利用される。すなわち、まず、本発明による感光性樹脂組成物の溶液を、基板上に塗布し、プリベークを行って、感光性樹脂組成物の塗膜(フォトレジスト膜)を形成する。このとき感光性樹脂組成物が塗布される基板は、ガラス、シリコンなど従来FPD用あるいは半導体デバイス形成用の基板など公知のいずれの基板であってもよい。基板はベアな基板でも、酸化膜、窒化膜、金属膜などが形成されていても、さらには回路パターンあるいは半導体デバイスなどが形成されている基板であってもよい。次いで、フォトレジスト膜に所定のマスクを介してパターン露光を行った後、アルカリ現像液を用いて現像処理し、必要に応じリンス処理を行って、感光性樹脂組成物の薄膜ポジパターンを形成する。本発明による感光性樹脂組成物を用いた場合、この現像処理時の残膜率が優れている。このようにして形成された薄膜ポジパターンは、全面露光された後ポストベークされ、これによって、耐熱温度の高い薄膜が形成される。全面露光の際の露光量は、通常600mJ/cm2以上であればよい。また、ポストベーク温度は通常150〜250℃、好ましくは180〜230℃、ポストベーク時間は、通常30〜90分である。
【0051】
本発明による感光性樹脂組成物を用いて形成された薄膜ポジパターンは、高絶縁性、高透明性、高耐熱性、耐溶剤性を有するものであり、半導体デバイスや液晶表示装置、プラズマディスプレイなどのFPDの平坦化膜あるいは層間絶縁膜などとして利用される。なお、全面に耐熱性、耐溶剤性の薄膜を形成する場合には、パターン露光、現像などは行わなくてよい。ここで本発明における平坦化膜と層間絶縁膜とは全く独立したものではなく、本発明による感光性樹脂組成物 、または耐熱性薄膜の形成方法により形成された薄膜は、平坦化膜としても、層間絶縁膜としても利用し得るものである。そして、半導体デバイスなどにおいてはそのような薄膜は層間絶縁膜としても平坦化膜としても機能する。
【0052】
前記薄膜の形成において、感光性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ランドコート法、スプレー法、流延塗布法、浸漬塗布法など任意の方法を用いればよい。また、露光に用いられる放射線としては、例えばg線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー或いはArFエキシマレーザー光などの遠紫外線、X線、電子線などが挙げられる。
【0053】
さらに、現像法としては、パドル現像法、浸漬現像法、揺動浸漬現像法など従来フォトレジストを現像する際に用いられている方法に依ればよい。また現像剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなどの無機アルカリ、アンモニア、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、トリエチルアミンなどの有機アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アミンなどが挙げられる。
【実施例】
【0054】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
合成例1(アクリル共重合物1の合成)
撹拌機、冷却管、温度計、窒素導入管を具備した2000ml4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート700g、メタクリル酸メチル171g、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル90g、メタクリル酸39g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8.0g、を投入撹拌し、窒素を吹き込みながら昇温し、85℃で8時間重合し、重量平均分子量21,000のアクリル共重合物1を得た。
【0056】
実施例1
合成例1で得られたアクリル共重合物1を100重量部と、下記式(V)で表されるエステル化物(エステル化率50%)25重量部、さらに前記式(III)で表されるフェノール性化合物5重量部、エポキシ基含有硬化剤であるテクモアVG3101L(三井化学(株)製)17重量部およびマレイン酸モノオクチルエステル0.5重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/ジエチレングリコールジメチルエーテル(80/20)に溶解し、回転塗布の際にフォトレジスト膜上にできる放射線状のしわ、いわゆるストリエーションを防止するため、さらにフッ素系界面活性剤、メガファックR−08(大日本インキ化学工業(株)製)を300ppm添加して攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、本発明の感光性樹脂組成物1を調製した。
【0057】
【化7】


【0058】
<薄膜パターンの形成>
前記で得られた感光性樹脂組成物1を4インチシリコンウェハー上に回転塗布し、100℃、90秒間ホットプレートにてベーク後、3.0μm厚のフォトレジスト膜を得た。このレジスト膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にてラインとスペース幅が1:1となった種々の線幅及びコンタクトホールのテストパターンを最適露光量で露光し、0.4重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、60秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のパターン及びコンタクトホールを形成した。
【0059】
<膜表面特性の評価>
前記で得られたパターン形成基板をキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて全面露光(600mJ/cm2)を行い、次にホットプレートで120℃、15分間加熱処理を行った後、循環式クリーンオーブンにて220℃、60分間の加熱処理を行った。その後、光学式顕微鏡にて膜の表面状態を観察し、白濁が観察されなければ○、やや白濁が観察された場合は△、白濁が観察された場合は×として評価した。結果を表1に示す。
【0060】
<残膜率の評価>
前記の薄膜パターンの形成において、塗布およびベーク後の膜厚を大日本スクリーン(株)製ラムダエース(VM−1210)にて測定した。さらに、引き続き前記の方法で現像をした後の膜厚を同様の方法で測定した。得られたそれぞれの膜厚を用いて下記式に従って残膜率を算出した。
(残膜率)=(現像後の膜厚)/(ベーク後膜厚)×100
結果を表1に示す。
【0061】
実施例2
マレイン酸モノオクチルエステルの量を0.1重量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物2を調製した。この感光性樹脂組成物2を用いて、実施例1と同様に薄膜パターンの形成を行い、膜表面特性および残膜率の評価の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0062】
実施例3
マレイン酸モノオクチルエステルの量を5重量部に変更した以外は実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物3を調製した。この感光性樹脂組成物3を用いて、実施例1と同様に薄膜パターンの形成を行い、膜表面特性および残膜率の評価の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0063】
比較例1
マレイン酸モノオクチルエステル0.5重量部を用いる代わりに、オレイン酸3.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物4を調製した。この感光性樹脂組成物4を用いて、実施例1と同様に薄膜パターンの形成を行い、膜表面特性および残膜率の評価の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0064】
比較例2
マレイン酸モノオクチルエステル0.5重量部を用いる代わりに、オレイン酸1.0重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物5を調製した。この感光性樹脂組成物5を用いて、実施例1と同様に薄膜パターンの形成を行い、膜表面特性および残膜率の評価の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0065】
比較例3
マレイン酸モノオクチルエステル0.5重量部を除外した以外は、実施例1と同様に行い、感光性樹脂組成物6を調製した。この感光性樹脂組成物6を用いて、実施例1と同様に薄膜パターンの形成を行い、膜表面特性および残膜率の評価の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0066】
【表1】


【0067】
これらの結果から、本発明による感光性樹脂組成物は、膜表面特性および残膜率がいずれも優れているものであることがわかる。また、加熱処理後のレジスト膜の絶縁性、耐熱性、耐溶剤性、平坦性、電気特性は、いずれの実施例でも良好であった。




 

 


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