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発明の名称 感光性樹脂組成物、それを用いた半導体装置、表示素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−78812(P2007−78812A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−263699(P2005−263699)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人
発明者 真壁 裕明 / 竹内 江津
要約 課題

従来用いられてきた樹脂組成物では、基盤との密着性が弱い為に現像液である有機アルカリ類の水溶液、特に半導体用途で一般的に使用されている2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液ではパターン剥がれが起こり、2.38%より低濃度の専用現像液でなければ加工できないという課題があった。本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは密着性に優れた感光性樹脂組成物を提供することにある。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂、
(B)光酸発生剤、
(C)130℃以上の温度で(A)の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物、
(D)シランカップリング剤、及び、
(E)分子中にSを有する酸化防止剤、
を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項2】
環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
(A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂が式(1)で示される繰り返し単位を含むものである請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
【化1】



[式(1)中、XはO、CH2、(CH2)2のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R〜Rは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、−C(OH)−(CF3)2、−N(H)−S(O)2−CF3等の酸性基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R〜Rは、単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR〜Rのうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
【請求項4】
(A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂が式(2)で示される繰り返し単位を含むものである請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
【化2】



[式(2)中、YはO、CH2、(CH2)2のいずれか、Zは-CH2-CH2-、-CH=CH-のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R〜Rは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、−C(OH)−(CF3)2、−N(H)−S(O)2−CF3等の酸性基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R〜Rは単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR〜Rのうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂層を形成する工程と、該樹脂層の所望の部分に活性エネルギー線を照射する工程と、活性エネルギー線照射後の該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
半導体基板と、該半導体基板に設けられた半導体素子と、該半導体素子の上部に設けられた絶縁膜とを備え、前記絶縁膜は、請求項1乃至4いずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して形成された膜であることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
表示素子用基板と、その表面を覆う絶縁膜と、前記表示素子用基板の上部に設けられた表示素子とを備え、前記絶縁膜は、請求項1乃至4いずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して形成された膜であることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
半導体チップとその表面を覆う保護膜とを備える半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップ上にポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して樹脂層を形成する工程と、該樹脂層の所望の部分に活性エネルギー線を照射する工程と、
活性エネルギー線照射後の該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記保護膜を形成する工程とを含み、前記ポジ型感光性樹脂組成物が請求項1乃至4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板と、その表面を覆う平坦化膜と、前記表示素子用基板の上部に設けられた表示素子とを備える表示装置の製造方法であって、前記基板上にポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して樹脂層を形成する工程と、該樹脂層の所望の部分に活性エネルギー線を照射する工程と、活性エネルギー線照射後の該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記平坦化膜を形成する工程とを含み、前記ポジ型感光性樹脂組成物が請求項1乃至4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする表示装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性樹脂組成物、それを用いた半導体装置、表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜には耐熱性が優れ、又卓越した電気特性、機械的特性等を有するポリイミド樹脂やポリベンズオキサゾール樹脂が用いられてきた(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、ポリイミド樹脂を用いた場合には、硬化前の前駆体であるポリアミド酸が配線に用いられている銅を腐食し、その結果マイグレーションが発生するという問題があった。またポリイミド樹脂は硬化温度が約350℃と高く、硬化反応の際に銅が酸化されてしまう問題も見られた。
【0004】
更に近年では半導体素子の微細化、高性能化に伴い熱による影響が顕著になってきており、約350℃という高温処理が問題になっている。そのようなことから200℃〜250℃付近の低温で硬化できる樹脂が望まれており、アクリル樹脂などが用いられている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−194796
【特許文献2】特開平5−165214
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
従来用いられてきた樹脂組成物では、基盤との密着性が弱い為に現像液である有機アルカリ類の水溶液、特に半導体用途で一般的に使用されている2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液ではパターン剥がれが起こり、2.38%より低濃度の専用現像液でなければ加工できないという課題があった。
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは密着性に優れた感光性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] (A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂と、(B)光酸発生剤と、(C)130℃以上の温度で(A)の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物と、シランカップリング剤(D)と、分子中にSを有する酸化防止剤(E)を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2]環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂である[1]記載の感光性樹脂組成物。
[3](A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂が式(1)で示される繰り返し単位を含むものである[1]又は[2]記載の感光性樹脂組成物。
【化3】



[式(1)中、XはO、CH2、(CH2)2のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R〜Rは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、−C(OH)−(CF3)2、−N(H)−S(O)2−CF3等の酸性基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R〜Rは、単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR〜Rのうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
[4](A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂が式(2)で示される繰り返し単位を含むものである[1]又は[2]記載の感光性樹脂組成物。
【化4】



[式(2)中、YはO、CH2、(CH2)2のいずれか、Zは-CH2-CH2-、-CH=CH-のいずれかであり、lは0〜5までの整数である。R〜Rは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、−C(OH)−(CF3)2、−N(H)−S(O)2−CF3等の酸性基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R〜Rは単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR〜Rのうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
[5] [1]乃至[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を基材上に塗布して樹脂層を形成する工程と、該樹脂層の所望の部分に活性エネルギー線を照射する工程と、活性エネルギー線照射後の該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
[6]半導体基板と、該半導体基板に設けられた半導体素子と、該半導体素子の上部に設けられた絶縁膜とを備え、前記絶縁膜は、[1]乃至[4]いずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して形成された膜であることを特徴とする半導体装置。
[7]表示素子用基板と、その表面を覆う絶縁膜と、前記表示素子用基板の上部に設けられた表示素子とを備え、前記絶縁膜は、[1]乃至[4]いずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して形成された膜であることを特徴とする表示装置。
[8]半導体チップとその表面を覆う保護膜とを備える半導体装置の製造方法であって、前記半導体チップ上にポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して樹脂層を形成する工程と、該樹脂層の所望の部分に活性エネルギー線を照射する工程と、活性エネルギー線照射後の該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記保護膜を形成する工程とを含み、前記ポジ型感光性樹脂組成物が[1]乃至[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
[9]基板と、その表面を覆う平坦化膜と、前記表示素子用基板の上部に設けられた表示素子とを備える表示装置の製造方法であって、前記基板上にポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して樹脂層を形成する工程と、該樹脂層の所望の部分に活性エネルギー線を照射する工程と、活性エネルギー線照射後の該樹脂層に現像液を接触させ、次いで該樹脂層を加熱することにより前記平坦化膜を形成する工程とを含み、前記ポジ型感光性樹脂組成物が[1]乃至[4]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物であることを特徴とする表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によって、密着性等に優れた感光性樹脂組成物及びそれを用いて製作された半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で使用する環状オレフィンモノマーとしては、一般的には、シクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体が挙げられる。これらのモノマーに官能基が結合した置換体も用いることができる。
【0009】
本発明で用いられる環状オレフィン樹脂を製造するために使用する環状オレフィンモノマーとしては、一般式(3)で表されるノルボルネン型モノマーが好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等が、アルケニル基の具体例としては、ビニル、アリル、ブチニル、シクロヘキセニル基等が、アルキニル基の具体例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル基等が、アリール基の具体例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル基等が、アラルキル基の具体例としてはベンジル、フェネチル基等が、酸性基を含有する官能基としては、カルボキシル基、フェノール性水酸基、−C(OH)−(CF3)2、−N(H)−S(O)2−CF3がそれぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。
エステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基を含有する官能基ついては、これらの基を有している官能基であれば特に構造は限定されない。エーテル基を含有する官能基には、エポキシ基、オキセタン基などの環状エーテルを含む官能基も含まれる。
【化5】



[式(3)中、XはO、CH2、(CH2)2のいずれかであり、nは0〜5までの整数である。R〜Rは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、又はエステル基を含有する官能基、ケトン基を含有する官能基、エーテル基を含有する官能基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、-C(OH)-(CF3)2、 -N(H)-S(O)2-CF3等の酸性基を含有する官能基のうちいずれであってもよい。R〜Rは、単量体の繰り返しの中で異なっていてもよいが、全繰り返し単位のR〜Rのうち、少なくとも一つは酸性基を有する。]
【0010】
本発明で使用する環状オレフィン系樹脂としては、上記環状オレフィンモノマーの重合体が挙げられる。なお重合方法はランダム重合、ブロック重合など公知の方法が用いられる。具体例としては、ノルボルネン型モノマ−の(共)重合体、ノルボルネン型モノマ−とα−オレフィン類などの共重合可能な他のモノマ−との共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物などが具体例に該当する。これら環状オレフィン樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とがある。このうち、ノルボルネンモノマーを付加(共)重合することによって得られたポリマー、又はノルボルネンモノマーを開環重合させ、必要に応じて水素添加した重合体が好ましいが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
【0011】
環状オレフィン系樹脂の付加重合体としては、ポリノルボルネン系樹脂が挙げられる。具体的には(1)ノルボルネン型モノマ−を付加(共)重合させて得られるノルボルネン型モノマ−の付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマ−とエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマ−と非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマ−との付加共重合体が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。化学式(1)で表されるタイプの環状オレフィン系樹脂は上記付加重合によって得ることができる。
【0012】
環状オレフィン系樹脂の開環重合体としては、ポリノルボルネン系樹脂が挙げられる。具体的には(4)ノルボルネン型モノマ−の開環(共)重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマ−とエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマ−と非共役ジエン、又は他のモノマ−との開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。化学式(2)で表されるタイプの環状オレフィン系樹脂は上記開環重合によって得ることができる。
上記のうち、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られる付加(共)重合体、(4)ノルボルネン型モノマ−の開環(共)重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、が好ましいが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
【0013】
環状オレフィン系樹脂の付加重合体は、金属触媒による配位重合、又はラジカル重合によって得られる。このうち、配位重合においては、モノマーを、遷移金属触媒存在下、溶液中で重合することによってポリマーが得られる(NiCOLE R. GROVE et al. Journal of Polymer Science:part B,Polymer Physics, Vol.37, 3003−3010(1999))。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
【0014】
ラジカル重合技術については、Encyclopedia of Polymer Science, John Wiley & Sons, 13, 708(1988)に述べられている。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t−ブチル過酸化水素などである。
【0015】
環状オレフィン系樹脂の開環重合体は、公知の開環重合法により、チタンやタングステン化合物を触媒として、少なくとも一種以上のノルボルネン型モノマ−を開環(共)重合して開環(共)重合体を製造し、次いで必要に応じて通常の水素添加方法により前記開環(共)重合体中の炭素−炭素二重結合を水素添加して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を製造することによって得られる。
【0016】
本発明で用いられる酸性基を有する環状オレフィン系樹脂は、酸性基を有するモノマーを直接上記方法で重合することによって得られる。しかし、重合系によっては、モノマーに酸性基が含まれていると触媒等が失活して重合が適当に進行しなくなることがある。この場合は、当該酸性基に保護基を導入して重合し、ポリマー生成後に脱保護することで本発明の酸性基を有する環状オレフィン系樹脂を得ることができる。またモノマーに、酸性基に化学反応しうる官能基を導入しておき、ポリマー合成後に高分子反応で当該官能基を酸性基に変換する手法を採ってもよい。
【0017】
上述のように、酸性基を有する環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンモノマー中の酸性基の電離しうる水素原子を他の構造で置換したモノマーを使用し、これを重合した後、脱保護して元の水素原子を導入することにより得ることができる。このとき水素原子と置換が可能な官能基としては、具体的には、3級ブチル基、3級ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、トリメチルシリル基などのトリアルキルシリル基、メトキシメチル基などを挙げることができる。脱保護、すなわちそれら保護基のモノマーからの脱離による酸性基の復元は、該官能基を酸性官能基の保護基として使用する場合の定法によって行うことができる。
【0018】
酸性基を有しない環状オレフィン系樹脂を高分子反応させて酸性基を導入する方法について述べる。酸性基を有しない環状オレフィン系樹脂を、ラジカル開始剤の存在下、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸化合物、又はこれらのエステル又はアミド、或いは無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物等の極性基含有化合物と混合して加熱することによって酸性基を有する環状オレフィン系樹脂を得ることができる。
【0019】
共重合物中の酸性基を有するユニットの含有率は、露光後にアルカリ溶解性を発現可能か否かによって最適値を決定することが出来る。例えば、酸性基はポリマー1gあたり0.2〜0.1モルが好ましい。更に好ましくは0.03〜0.1モルである。当該値が上記範囲より大きくなると、モノマーの選択範囲が極めて狭まり、他特性の並立が困難になる。一方、当該値が上記範囲より小さくなると、アルカリ水溶液への溶解性を発現させることが困難になり、共に好ましくない。
【0020】
本発明で用いられる酸性基を有する環状オレフィン系樹脂を得るためのモノマーのうち、酸性基を含むモノマー、又は脱保護して酸性基になる官能基を有するモノマーには具体的には、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−カルボン酸、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)酢酸、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピオン酸、3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)酪酸、3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)吉草酸、3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カプロン酸、コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシエチル)エステル、コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシプロピル)エステル、コハク酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシブチル)エステル、フタル酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシエチル)エステル、カプロン酸モノ−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシブチル)エステル、(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)カルボニルオキシ酢酸、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)フェノール、4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルカテコール、3−メトキシ−4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、3−メトキシ−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルフェノール、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)メチルレゾルシン、1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール、1,1−ビストリフルオロメチル−3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)プロピルアルコール、1,1−ビストリフルオロメチル−4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ブチルアルコール、1,1−ビストリフルオロメチル−5−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ペンチルアルコール、1,1−ビストリフルオロメチル−6−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)ヘキシルアルコール、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−i−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(4‘−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−i−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(2−メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(1−メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(4‘−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(メトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(エトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(i−プロポキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(t−ブトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(シクロへキシロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(フェノキシロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(テトラヒドロフラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(テトラヒドロピラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.1,5.17,10]−3−ドデセン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、などが挙げられるが、本発明では何らこれらに限定されるものではない。
【0021】
本発明で用いられる酸性基を有する環状オレフィン系樹脂を得るためのモノマーのうち、上述以外のモノマーの具体例としては、次のものが挙げられる。アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ノニル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、ジメチルビス((5−ノルボルネン−2−イル)メトキシ))シランなど、シリル基を有するものとしては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジメチルビス((2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル)トリシロキサンなど、アリール基を有するものとしては、5−フェニルー2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニルメタン−2−ノルボルネン、5−(2−ペンタフルオロフェニルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−ペンタフルオロフェニルプロピル)−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシプロピル)−2−ノルボルネン、5−(4−トリメトキシブチル)−2−ノルボルネン、5ートリメチルシリルメチルエーテル−2−ノルボルネンなど、ヒドロキシル基、エーテル基、エステル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものとしては、5−ノルボルネン−2−メタノール、及びこのアルキルエーテル、酢酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、プロピオン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、酪酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、吉草酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプロン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ラウリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ステアリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、オレイン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、リノレン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸i−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸イソボニルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシエチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボン酸メチルエステル、ケイ皮酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチルエチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルn−ブチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルt−ブチルカルボネート、5−メトキシ−2−ノルボルネン、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−エチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n―プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−デシルエステルなど、エポキシ基を有するものとしては、5−[(2,3−エポキシプロポキシ)メチル]−2−ノルボルネンなど、またテトラシクロ環から成るものとして、8,9−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.01,6]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,101,6]ドデック−3−エン。しかし本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0022】
上述重合系の適当な重合溶媒としては炭化水素や芳香族溶媒が含まれる。炭化水素溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、やシクロヘキサンなどであるがこれに限定されない。芳香族溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレンなどであるがこれに限定されない。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、エステル、ラクトン、ケトン、アミドも使用できる。これら溶剤を単独や混合しても重合溶媒として使用できる。
【0023】
本発明の環状オレフィン系樹脂の分子量は、開始剤とモノマーの比を変えたり、重合時間を変えたりすることにより制御することができる。上記の配位重合用が用いられる場合、米国特許No.6,136,499に開示されるように、分子量を連鎖移動触媒を使用することにより制御することができる。この発明においては、エチレン、プロピレン、1−ヘキサン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、などα―オレフィンが分子量制御するのに適当である。
【0024】
本発明において重量平均分子量は5,000〜500,000、好ましくは7,000〜200,000さらに好ましくは8,000〜100,000である。重量平均分子量は標準ポリノルボルネンを用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。(ASTMDS3536−91準拠)
【0025】
本発明で用いる(B)光酸発生剤は、活性光線の照射によって、ブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成する物質であって、例えばオニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物等が挙げられる。本発明では、キノンジアジド化合物を用いることが好ましい。
【0026】
本発明で用いる(B)光酸発生剤の好ましい具体例として、1,2−ベンゾキノンジアジド或いは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物を挙げることができる。これらは米国特許明細書第2772975号、第2797213号、第3669658号により公知の物質である。これらのうち、特に小さい露光量で高い溶解性のコントラストを得るために、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸或いは1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とフェノール化合物とのエステル化合物が好ましい。これらの光酸発生剤は、放射線照射による露光時の光反応でカルボキシル基を生成し、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を増加させるポジ型の光酸発生剤として機能する。
【0027】
本発明で用いる(B)光酸発生剤の含有量は、前記アルカリ可溶性の環状オレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、1〜50重量部が好ましく、よりこのましくは5〜30重量部が望ましい。配合量が、1重量部未満だと樹脂組成物の露光、現像特性が不良となり、逆に50重量部を超えると感度が大幅に低下するため好ましくない。
【0028】
本発明で用いられる、130℃以上の温度で(A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂の酸性基と結合しうる反応基を有する化合物(C)の具体例について述べる。化合物(C)に含まれる、酸性基と結合しうる反応基の具体例として、グリシジル基、エポキシシクロヘキシル基などのエポキシ基、2−オキサゾリン−2−イル基などのオキサゾリン基、N−ヒドロキシメチルアミノカルボニル基などのメチロール基、N−メトキシメチルアミノカルボニル基などのアルコキシメチル基等を挙げることができる。
化合物(C)としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、ポリメチル(グリシジロキシプロピル)シロキサン等のエポキシ基含有シリコーン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、2,2‘−ビス(2−オキサゾリン)、2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2,6−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2,2‘−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、(S,S)−(−)−2,2‘−イソプロピリデンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、ポリ(2−プロペニル−2−オキサゾリン)などのオキサゾリン環含有ポリマー、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、レゾール型フェノール樹脂などを挙げることができるが、本発明は何らこれらに限定されない。これらは単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
【0029】
化合物(C)の含有量は、前記(A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂100重量部に対し、1〜100重量部が好ましく、より好ましくは、5〜50重量部である。配合量が、1重量部未満だと樹脂組成物の硬化後の物性が不良となり、逆に100重量部を超えるとパターン形成能が大幅に低下するため好ましくない。
【0030】
本発明で用いるシランカップリング剤(D)の好ましい具体例として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンソイロキシプロピルトリメトキシシラン、ベンソイロキシプロピルトリエトキシシラン、ノルボルネニルトリメトキシシラン、ノルボルネニルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシン酸無水物、6−アジドスルフォニルヘキシルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、[2−(3−シクロヘキセニル)エチル]トリメトキシシラン、[2−(3−シクロヘキセニル)エチル]トリエトキシシラン、(3−シクロペンタジエニルプロピル)トリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)オクタン、ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス[(3−メチルジメトキシシリル)プロピル]ポリプロピレンオキサイド、ポリメタクリル酸トリメトキシシリルエステル、ポリメタクリル酸トリエトキシシリルエステル、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、1,3−ジメチルテトラメトキシジシロキサンなどを挙げることができるが、本発明は何らこれらに限定されない。これらは単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
【0031】
シランカップリング剤(D)の含有量は、前記(A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂100重量部に対し、1〜20重量部が好ましく、より好ましくは、2〜10重量部である。配合量が、1重量部未満だと現像時にパターンの剥がれが発生し、逆に20重量部を超えると溶け残りが発生するため好ましくない。
【0032】
本発明で用いられる、化合物(E)の具体例について述べる。化合物(E)は分子中にSを有する酸化防止剤であり、シランカップリング剤(D)と共に用いることが重要である。これにより、理由は不明であるがシランカップリング剤(D)のみでは不十分である基盤密着性が向上し、現像時においてパターン剥がれの無い良好な樹脂組成物が得られる。
【0033】
本発明で用いる分子中にSを有する酸化防止剤(E)の好ましい具体例として、例えば、4,4‘−チオ−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2‘−チオ−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ジドデシル−3,3’−チオ−ジプロピオネート、ジラウリル−3,3’−チオ−ジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオ−ジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオ−ジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキル(C12またはC14)−チオ−プロピオニルオキシ}−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンジル)スルフィド、3,9−ビス[2−(ドデシルチオ)エチル]−2,4,6,8−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどを挙げることができるが、本発明は何らこれらに限定されない。これらは単独でも、2種以上を混合して使用してもよい。
【0034】
化合物(E)の含有量は、前記(A)酸性基を有する環状オレフィン系樹脂100重量部に対し、0.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは、1〜6重量部である。配合量が、0.5重量部未満だと現像時における基盤密着性向上効果が認められず、逆に10重量部を超えるとパターン形成能が大幅に低下するため好ましくない。
【0035】
本発明における樹脂組成物には、感度などの特性向上を目的として、必要によりフェノール樹脂、レベリング剤、酸化防止剤,難燃剤,可塑剤、硬化促進剤等の添加剤を適宜添加することができる。
【0036】
本発明においてはこれらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
これらの中では、高い溶解性と揮散により後硬化時に除去しやすい点より、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノンの使用が好ましい。
【0037】
本発明の感光性樹脂組成物の使用方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウェハー、セラミック、アルミ基板等に塗布する。塗布方法としては、スピンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等がある。次に、90〜140℃で約1〜30分間プリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射する。化学線としては、X線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200〜700nmの波長のものが好ましい。
【0038】
次に照射部を現像液で溶解除去することによりレリーフパターンを得る。現像液としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、水酸化テトラメチルアンモニウムやエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ類の水溶液、及びこれにメタノール、エタノールのごときアルコール類等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。次に、現像によって形成したレリーフパターンをリンスする。リンス液としては、たとえば水やアルコールを使用することができる。
【0039】
その後に加熱硬化することにより樹脂層を完成させる。即ち、加熱によって、樹脂中に存在した現像液やリンス液とともに、光加工時にアルカリ可溶性の発現に寄与していた酸性基を、酸性基と反応可能な官能基を有する化合物中の該官能基と反応させることによって消失させ、加工後の樹脂層の誘電率や耐湿信頼性等の信頼性に酸性基由来の悪影響が残るのを防止するのとともに、樹脂中に強固な架橋構造を形成し、熱硬化後の樹脂の特性を向上させることが、本発明の特徴である。
【0040】
感光性樹脂組成物の望ましい熱硬化温度域は、130℃〜300℃である。さらに望ましくは160〜250℃である。この温度域で熱硬化を行うことにより、熱硬化工程により発生する熱収縮応力を減少させ、さらに半導体素子や銅配線などへの悪影響を極小化させることができ、好ましい。この加熱硬化工程により上記反応が完了し、耐熱性等諸特性に富む、パターン化された最終樹脂層を得る。
【0041】
次に、本発明の感光性樹脂組成物の硬化物を用いた一例として、バンプを有する半導体装置への応用例について図面を用いて説明する。図1は、本発明のバンプを有する半導体装置のパット部分の拡大断面図である。図1に示すように、シリコンウエハ1には入出力用のAlパッド2上にパッシベーション膜3が形成され、そのパッシベーション膜3にビアホールが形成されている。更に、この上にポリノルボルネン樹脂膜(バッファコート膜)4が形成され、更に、金属(Cr、Ti等)膜5がAlパッド2と接続されるように形成され、その金属膜5はハンダバンプ10の周辺をエッチングして、各パッド間を絶縁する。絶縁されたパッドにはバリアメタル8とハンダバンプ10が形成されている。ノルボルンネン樹脂は低応力性に優れ、ウエハの反りが小さいため、露光やウエハの運搬を高精度に行うことができる。また、実装時も封止樹脂からの応力を緩和できるため、Low k層のダメージを防ぎ、高信頼性の半導体装置を提供できるようになった。
【0042】
次に、詳細な作成方法について記す。図2cに示すように、配線金属をメッキ法で成膜する。次に、図2dに示すように、感光性樹脂組成物を塗布し、フォトリソ工程を経てパターン(絶縁膜)7を形成する。次いで、図3bに示すように、バリアメタル8、半田10を順次メッキする。次いで、図4aに示すように、フラックス11を塗布し、加熱して半田10を溶融する。次に、フラックス11を洗浄し、図4bに示すように、半田バンプ12を形成し、スクライブラインに沿ってダイシングしてチップ毎に切り分ける。
【実施例】
【0043】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
《合成例1》
ポリマーの合成
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール/5−ノルボルネン−2−カルボン酸=70/30コポリマーの付加共重合体(A−1)の例を挙げる。
すべてのガラス機器は60℃で0.1トル下で18時間乾燥した。その後ガラス機器は内部の酸素濃度と湿度がそれぞれ1%以内に抑えられたグローブボックス内に移動した。500mlバイアル瓶にトルエン(140ml)、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネン(39.82g、0.145mol)、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル(3.28g、0.0156mol)、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(0.47g、0.593mmol)、トリエチルシラン(0.6g、5.2mmol)、デカン(10g)と攪拌子を入れ、密栓し、反応溶液を作成した。別の30mlバイアル瓶に5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル(6.9g、0.033mol)、無水トルエン(10.8g)を入れて調製し、シリンジに移してモノマー供給溶液を作成した。別の10mlバイアル瓶にビス(ジシクロヘキシル−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(アセトニトリル)アセテート]テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(0.27g、0.94mmol)、ジクロロメタン(4ml)を入れ、密栓し、触媒溶液を作成した。
80℃のオイルバスで反応溶液を攪拌しながら昇温後、触媒溶液を反応溶液に注入した。その後12.5時間かけて所定のプログラムに従いモノマー供給溶液を添加し、添加終了後更に8時間反応させた。反応後、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン(0.44g)をTHF10mlに溶解させた溶液を添加して反応を終了させた。500mlバイアル瓶をオイルバスから取り出し、室温まで冷却した。冷却後、500mlバイアル瓶を開封し、反応溶液にTHF(100ml)、氷酢酸(28ml)、過酸化水素(56ml、30重量%水溶液)、脱イオン水(84ml)を加えた後、18hr激しく攪拌した。水層と有機層に分離した反応溶液から水層を取り除き、有機層を脱イオン水(100ml)で2回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮液をヘキサン(800ml)に滴下してポリマーを析出させた後、ろ過して回収した。真空乾燥後、24.7g(収率53.7%)の白色粉状のポリマー(A−1)が得られた。(A−1)の分子量はGPCによりMw=13,460、Mn=8,280、単分散性=1.63であった。ポリマー組成はH−NMRから1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコールが71モル%、5−ノルボルネン−2−カルボン酸が29モル%であった。
【0044】
《合成例2》
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール/5−ノルボルネン−2−酢酸=70/30コポリマーの付加共重合体(A−2)の例を挙げる。
2Lバイアル瓶にトルエン(700ml)、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネン(169.55g、0.62mol)、5−ノルボルネン−2−酢酸トリメチルシリルエステル(30.45g、0.13mol)、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(0.36g、0.454mmol)、トリエチルシラン(3.16g、27.2mmol)と攪拌子を入れ、密栓し、反応溶液を作成した。別の30mlバイアル瓶に無水トルエン(10ml)、ジ[(トリ−イソプロピルホスフィン)パラジウム(アセトニトリル)アセテート]テトラペンタフルオロフェニルボレート(0.61g、0.506mmol)を入れ、密栓し、触媒溶液を作成した。
触媒溶液3mlを反応溶液に注入後、80℃のオイルバス中で18時間攪拌しながら反応させた。その後、2Lバイアル瓶をオイルバスから取り出し、室温まで冷却した。冷却後、2Lバイアル瓶を開封し、反応溶液にTHF(500ml)、氷酢酸(140ml)、過酸化水素(280ml、30重量%水溶液)、脱イオン水(420ml)を加えた後、18hr激しく攪拌した。水層と有機層に分離した反応溶液から水層を取り除き、有機層を脱イオン水(500ml)で2回洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた濃縮液をヘキサン(4L)に滴下してポリマーを析出させた後、ろ過して回収した。真空乾燥後、139g(収率70.0%)の白色粉状のポリマー(A−2)が得られた。(A−2)の分子量はGPCによりMw=10,528、Mn=5,586、単分散性=1.89であった。ポリマー組成はH−NMRから1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコールが71モル%、5−ノルボルネン−2−酢酸が29モル%であった。
【0045】
《合成例3》
ポリマーの合成
1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール/5−ノルボルネン−2−カルボン酸=50/50コポリマーの開環メタセシス共重合体(A−3)の例を挙げる。
すべてのガラス機器は60℃で0.1トル下で18時間乾燥する。その後ガラス機器は内部の酸素濃度と湿度がそれぞれ1%以内に抑えられたグローブボックス内に移され、グローブボックスに備え付けられる。トルエン(917g)、シクロヘキサン(917g)、ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピルノルボルネン(151g、0.55mol)と5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル(99.1g、0.55mol)、1−ヘキセン(368g、2.2mol)が反応フラスコに加えられた。反応フラスコはグローボックスから取り出し、乾燥窒素ガスを導入した。反応中間体は30分間溶液中に窒素ガスを通して脱気した。グローブボックス中で五塩化タングステンのt−ブチルアルコール/メタノール(モル比0.35/0.3)溶液(0.05モル/l)を調製し、この3.78gをトリエチルアルミニウム0.011gがトルエン25gに溶解された助触媒溶液0.634gと共に反応フラスコに加えられた。20℃にて5時間攪拌して反応を終了した。
次にこの溶液をオートクレーブに入れ、RuHCl(CO)[P(C40.02gを加え、内圧が100kg/cmになるまで水素を導入し、165℃で3時間加熱攪拌を行った。加熱終了後室温まで放冷し、反応物をメタノール(975mmol)に加え18時間攪拌した。攪拌を止めると水層と溶媒層に分離した。水層を分離した後、1lの蒸留水を加え、20分間攪拌した。水層が分離するので取り除いた。1lの蒸留水で3回洗浄を行った。その後ポリマーをメタノールに投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥した。乾燥後320g(収率85%)のポリマー(A−3)を回収した。(A−3)の分子量はGPCによりMw=16,000 Mn=8,400、単分散性=1.9であった。TgはDMAによると130℃であった。ポリマー組成はH−NMRから1,1−ビストリフルオロメチル−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5−イル)エチルアルコール48モル%、5−ノルボルネン−2−カルボン酸が52モル%であった。また、この樹脂の酸性基は、ポリマー1gあたり0.0049モルであった。
【0046】
《実施例1》
感光性樹脂組成物の作製
得られた樹脂(A−1)10g、プロピレングリコールモノエチルエーテル15g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(LX−01、ダイソー株式会社製)2.5g、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル1.5g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(D−1)0.5g、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](E−1)0.2gを混合し、均一な感光性樹脂組成物(1)を得た。
【0047】
特性評価
作製したこの感光性樹脂組成物をシリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて100℃で2分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜にi線ステッパー露光機NSR−4425i(ニコン(株)製)によりレチクルを通して300mJ/cm2で露光を行った。
その後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に樹脂層を30秒間浸漬現像し、次いでイオン交換水で20秒間リンスすることにより、露光部の樹脂層は溶解し、パターン剥がれの無い良好な樹脂層を得ることができた。残膜率(現像後の膜厚/現像前の膜厚)については91.5%と非常に高い値を示した。
【0048】
《実施例2》
実施例1において、(D−1)の代わりにビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド(D−2)0.5gを用い、その他は実施例1と同様の調合を行い、その他は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0049】
《実施例3》
実施例1で合成した樹脂(A−1)の代わりに合成例2で合成した樹脂(A−2)にした他は実施例1と同様の調合を行い、その他は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
《実施例4》
実施例1で合成した樹脂(A−1)の代わりに合成例3で合成した樹脂(A−3)を、更に(D−1)の代わりにノルボルネニルトリエトキシシラン(D−3)0.6g、(E−1)の代わりに2,2‘−チオ−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(E−2)0.3gを用い、その他は実施例1と同様の調合を行い、その他は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0051】
《比較例1》
実施例1で(E−1)を0gとした他は実施例1と同様の調合を行い、その他は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
《比較例2》
実施例4で(E−2)を0gとした他は実施例1と同様の調合を行い、その他は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
《比較例3》
実施例1で(D−1)を0gとし、(E−1)を0.5gとした他は実施例1と同様の調合を行い、その他は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0052】
実施例及び比較例の測定結果を表1に示す。実施例では現像後にパターンの剥がれが小さいのに対して、比較例では、シランカップリング剤に、分子中にSを有しない酸化防止剤を用いた場合、現像後にパターンが剥がれるという問題が生ずる。
【表1】


【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によって、密着性等に優れた感光性樹脂組成物及びそれを用いて製作された半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例を示す半導体装置のパッド部の断面図である。
【0055】
【図2】本発明の実施例を示す半導体装置の製造工程断面図である。
【0056】
【図3】本発明の実施例を示す半導体装置の製造工程断面図である。
【0057】
【図4】本発明の実施例を示す半導体装置の製造工程断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 シリコンウエハー
2 Alパッド
3 パッシベーション膜
4 バッファコート膜
5 金属(Cr、Ti等)膜
6 配線(Al、Cu等)
7 絶縁膜
8 バリアメタル
9 レジスト
10 半田
11 フラックス
12 半田バンプ




 

 


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