米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 写真;映画 -> TDK株式会社

発明の名称 マグネットロール用スリーブ及びその製造方法、これを用いたマグネットロール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−127973(P2007−127973A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2005−322445(P2005−322445)
出願日 平成17年11月7日(2005.11.7)
代理人 【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
発明者 下澤 徹 / 伊東 宏史 / 山田 利幸
要約 課題
部品点数を削減して製造コストの低減や耐回転トルク強度の確保、振れ精度の向上を図りながら、現像剤を担持するために必要なスリーブ本体の有効長を実質的に拡大することが可能なマグネットロール用スリーブを提供する。

解決手段
円筒形状を有するスリーブ2の少なくとも一方の端部が内側に折り曲げられ、スリーブ本体2aから離間した内側円筒部2bが形成されフランジ部とされている。フランジ部として機能する内側円筒部2bには、例えば自己潤滑性金属からなる軸受け11が圧入される。
特許請求の範囲
【請求項1】
円筒形状を有するスリーブ本体の少なくとも一方の端部が内側に折り曲げられ、スリーブ本体から離間した内側円筒部が形成されフランジ部とされていることを特徴とするマグネットロール用スリーブ。
【請求項2】
前記内側円筒部の先端がスリーブ本体に向かって折り曲げられていることを特徴とする請求項1記載のマグネットロール用スリーブ。
【請求項3】
前記フランジ部に自己潤滑性金属からなる軸受けが圧入されていることを特徴とする請求項1または2記載のマグネットロール用スリーブ。
【請求項4】
前記内側円筒部のスリーブ本体長手方向における折り返し長さは、前記軸受けの長さの1/2以上であることを特徴とする請求項3記載のマグネットロール用スリーブ。
【請求項5】
前記スリーブ本体は、アルミニウム又はアルミニウム合金により形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のマグネットロール用スリーブ。
【請求項6】
前記スリーブ本体の肉厚が1.5mm以下であり、外径寸法が直径30mm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のマグネットロール用スリーブ。
【請求項7】
表面にメッキ被膜が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のマグネットロール用スリーブ。
【請求項8】
円筒形状を有するスリーブ本体の少なくとも一方の端部を内側に折り曲げ加工し、スリーブ本体から離間した内側円筒部を形成しフランジ部とすることを特徴とするマグネットロール用スリーブの製造方法。
【請求項9】
前記フランジ部の形成の後、内側円筒部に自己潤滑性金属からなる軸受けを圧入することを特徴とする請求項8記載のマグネットロール用スリーブの製造方法。
【請求項10】
前記軸受けの圧入前に、前記内側円筒部の内周面を切削加工し、前記軸受けの中心軸とスリーブ本体の中心軸とを略一致させることを特徴とする請求項9記載のマグネットロール用スリーブの製造方法。
【請求項11】
外周面にマグネットが配された回転軸がスリーブ内に収容されてなるマグネットロールであって、
前記スリーブは、円筒形状を有するスリーブ本体の少なくとも一方の端部が内側に折り曲げられ、スリーブ本体から離間した内側円筒部が形成されフランジ部とされていることを特徴とするマグネットロール。
【請求項12】
前記フランジ部に自己潤滑性金属からなる軸受けが圧入されるとともに、前記軸受けの軸孔に回転軸が挿通されていることを特徴とする請求項11記載のマグネットロール。
【請求項13】
現像ロールとして用いられることを特徴とする請求項11または12記載のマグネットロール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やレーザプリンタ等に装着される現像ロール(マグネットロール)に用いられるマグネットロール用スリーブ及びその製造方法に関し、さらには、係るマグネットロール用スリーブを用いたマグネットロールに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の感光ドラムに形成された静電潜像を可視化する現像ロールとしては、シャフトの周面に磁石を備えたマグネットロールが広く用いられている。例えばジャンピング方式では、マグネットロールの磁力によってトナーを飛ばし、これを感光ドラムに付着させている。ブラシ方式では、鉄粉に代表される磁性粉(キャリア)とトナーの混合物を、マグネットロールの磁力によって感光ドラムに搬送するようにしている。いずれの場合にも、マグネットロールの磁力によって感光ドラムにトナーが供給され、これを紙等に定着することで、静電潜像に応じた文字や画像等が印刷され、可視化される。
【0003】
マグネットロールの形態としては、様々な形態のものが知られており、例えば前記ジャンピング方式用のマグネットロールとして、汲み上げ極、搬送極、現像極、回収極の4極から構成されるものがある。ブラシ方式用のマグネットロールとしては、前述の4極に剥離極を加えた5極から構成されるものがある。
【0004】
そして、これら4極、あるいは5極の磁極を作り出すマグネットロール用磁石は、以下の2種類のものに大別される。先ず第1は、シャフトの周囲に中空円筒状に一体成形したもの、あるいは中空円筒状に成形し、中心部にシャフトを固着したものである。第2は、例えば磁石粉とバインダーの混合物を断面扇形の形状に成形したものである。この断面扇形のマグネットロール用磁石をシャフトの周囲に複数接着することで、前記マグネットロールが構成される。
【0005】
ところで、前述の構成のマグネットロールでは、マグネットロール用磁石が接着されたシャフトをスリーブ内に挿入配置する必要があり、したがって、円筒状のスリーブの両端開口部にフランジと称されるキャップを装着し、ここに軸受けを圧入して前記シャフトを回動自在に挿入することが行われている。
【0006】
しかしながら、前記フランジを挿入配置する構造では、部品点数が増加し、コスト増を招くばかりか、軸受けとフランジの界面、及びフランジとスリーブの界面において、回転に対する接合強度(スリーブとフランジとの耐回転トルク強度)を確保する必要が生じ、組み立てが煩雑なものとなる傾向にある。また、軸受けはフランジを介して間接的にスリーブに取り付けられることになるため、軸受けの軸孔の中心とスリーブの中心とを精度良く一致させることが難しいという欠点もある。
【0007】
そこで、前記問題を解消する技術として、スリーブ自体の端部を加工することが検討されている(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1には、管状素材の端部を加圧絞りにより実質的に截頭円錐形状にする段階、および該管状素材の前記截頭円錐形状にされた端部を加圧絞りにより該管状素材の直径よりも小さい直径で、かつ該管状素材の肉厚よりも大きい肉厚で実質的な円筒形状にする段階を含むコピー機等の現像スリーブを製造する方法が開示されている。
【特許文献1】特開平5−50170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1記載の発明のように、スリーブの端部を加圧絞りにより長さ方向に拡大する方法では、前記フランジを省略することはできても、スリーブの有効長に比べて全長を拡大することになり、例えば全長が制約される場合には、スリーブの有効長を十分に確保することが難しい。十分な有効長を確保するためには、全長を長くせざるを得ず、現像装置の小型化に対応することは難しい。
【0009】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、部品点数を削減して製造コストの低減や前記耐回転トルク強度の確保、さらには振れ精度の向上を図りながら、現像剤を担持するために必要なスリーブ本体の有効長を実質的に拡大することが可能なマグネットロール用スリーブ及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、安価で信頼性に優れ、しかも磁気的特性を十分に確保することが可能なマグネットロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の目的を達成するために、本発明のマグネットロール用スリーブは、円筒形状を有するスリーブ本体の少なくとも一方の端部が内側に折り曲げられ、スリーブ本体から離間した内側円筒部が形成されフランジ部とされていることを特徴とする。また、本発明のマグネットロール用スリーブの製造方法は、円筒形状を有するスリーブ本体の少なくとも一方の端部を内側に折り曲げ加工し、スリーブ本体から離間した内側円筒部を形成しフランジ部とすることを特徴とする。さらに、本発明のマグネットロールは、外周面にマグネットが配された回転軸がスリーブ内に収容されてなるマグネットロールであって、前記スリーブは、円筒形状を有するスリーブ本体の少なくとも一方の端部が内側に折り曲げられ、スリーブ本体から離間した内側円筒部が形成されフランジ部とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明のマグネットロール用スリーブでは、スリーブ本体の端部を内側に折り返してスリーブ本体から離間して内側円筒部を形成し、この内側円筒部をフランジ部として利用している。したがって、フランジを別途用意する必要がなく、部品点数が削減される。また、耐回転トルク強度は、軸受けと前記内側円筒部の界面でのみ確保すればよく、組み立ても簡略化される。さらに、前記内側円筒部に例えば軸受けを圧入する際に、軸合わせをすればスリーブ本体に対しても軸合わせを行ったことになり、軸受けの軸孔の中心とスリーブの中心が精度良く一致し、振れ精度が向上する。
【0012】
一方、スリーブの長さに関しては、本発明のマグネットロール用スリーブでは、前記の通り、スリーブ本体の端部を内側に折り返してスリーブ本体から離間して内側円筒部を形成し、この内側円筒部をフランジ部として利用しているので、全長を拡大することがなく、現像装置の小型化等に対応可能である。また、現像剤を担持するために必要なスリーブの有効長も実質的に拡大され、これをマグネットロールに用いた場合に、磁気的特性も十分に確保される。
【0013】
なお、スリーブの端部を内方へ折り曲げて二重構造にすることは、前記特許文献1にも記載されているが、特許文献1記載の発明では、あくまでもスリーブ本体の両端部に突出形成された直径の小さな円筒状部分の端部を内方に折り曲げたものであり、本発明のようにスリーブ本体の端部を直接内側に折り曲げたものではない。したがって、特許文献1記載の発明では、前記スリーブの全長を拡大することに変わりはない。また、特許文献1記載の発明では、前記二重構造とすることで前記端部の肉厚を2倍にすることを目的としており、本発明のようにスリーブ本体から離間した内側円筒部を形成するものとは構造が大きく異なり、当然のことながら前記内側円筒部をフランジ部として利用することについては全く開示されていない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マグネットロール用スリーブにおいて、部品点数を削減して製造コストの低減や耐回転トルク強度の確保、さらには振れ精度の向上を図ることができ、同時に現像剤を担持するために必要なスリーブ本体の有効長を実質的に拡大することが可能である。したがって、係るスリーブをマグネットロールに組み込めば、安価で信頼性に優れ、しかも磁気的特性を十分に確保することが可能なマグネットロールを実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用したマグネットロール用スリーブ及びその製造方法、さらにはこれを用いたマグネットロールの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
先ず、本発明のスリーブが組み込まれるマグネットロール(例えば現像ロール)の構造について説明すると、図1乃至図3に示すように、現像ロール1は、円筒形状のスリーブ2の中に円筒状マグネット構造体3を組み込むことにより構成されている。スリーブ2は、円筒状マグネット構造体3を収容するに足る長さの筒状体として形成されており、スリーブ2と内周面とこの中に収容される円筒状マグネット構造体3の外周面の間には、所定間隔の空隙が形成されている。
【0017】
前記スリーブ2は、例えばアルミニウムやアルミニウム系合金(例えば、JIS3000番台、若しくは6000番台等)により形成されており、その表面に無電解NiめっきやCrめっき、Ni−Bめっき、あるいはアルマイト被膜等が形成されていてもよい。スリーブ2の寸法は任意であるが、現像剤を担持するスリーブ本体2aについては、肉厚を1.5mm以下(好ましくは0.8mm以下、0.5mm以上)、外径寸法を直径30mm以下とすることが好ましい。前記肉厚や外形寸法が規定の値より大きいと、折り曲げ加工が難しくなる等の不都合が生ずるおそれがある。逆に、規定の値よりも小さいと、折り曲げ加工で折り曲げ部分にクラックが発生したり回転トルクの強度が不足する等の問題が生ずるおそれがあり、また、内部に円筒状マグネット構造体の収容空間が不足したりマグネット小型化に伴うマグネット特性を充分に得られなくなるおそれがある。
【0018】
前記円筒状マグネット構造体3は、例えば金属製のシャフト4の周囲に複数のマグネットロール用磁石、ここでは5分割されたマグネットロール用磁石5,6,7,8,9を配列し、接着固定することにより構成されている。各マグネットロール用磁石5〜9は、いずれも断面形状が略扇形であり、これらをシャフト4の周囲に貼り合わせることで、全体形状が円筒形の磁石体が構成されることになる。
【0019】
各マグネットロール用磁石5〜9は、バインダー(プラスチック系やゴム系等)と磁石粉末を含む混合物を押し出し成形、あるいは射出成形することにより形成されるものである。ここで、前記バインダーの種類は、特に限定されないが、具体的には、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン12等)や、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム等を用いることができる。磁石粉末としては、フェライト磁石粉末(例えば、Sr系フェライト粉末やBa系フェライト粉末等)や、希土類金属磁石粉末(例えば、SmCo系、NdFeB系、SmFeN系等)等を挙げることができる。これらの中から要求される特性に応じて選定すればよい。
【0020】
マグネットロール用磁石5〜9は、それぞれ径方向に磁化されており、外周面側がN極、あるいはS極とされ、現像ロール1の外周面において、N極とS極が交互に配列されように貼り合わされている。これらマグネットロール用磁石5〜9は、それぞれ汲み上げ極、層規制極、搬送極、現像極、剥離極として機能し、スリーブ2に所定の配列で取り付けられている。
【0021】
シャフト4は、金属等の高強度材料により形成されており、周面に貼り付けられるマグネットロール用磁石5〜9の長さよりも長く、したがって、周面に前記マグネットロール用磁石5〜9を貼り付けた際に、シャフト4の両端が露呈する形になっている。露呈したシャフト4は、前記スリーブ2に対し、軸受けを介して回転可能に挿入されている。
【0022】
以下、前記シャフト4のスリーブ2への取り付け構造について説明すると、スリーブ2の一端側においては、シャフト4が外方まで延在されているが、他端側ではシャフト4の先端がフランジ10に突き当てられ、このフランジ10にシャフト4を延長する如くシャフト部10aが設けられている。ここで、図3における右側のフランジ10の側からシャフト部10aを回転駆動すると、フランジ10を介して回転がスリーブ2に伝達される。したがって、この右側のフランジ10は、駆動側フランジと称され、耐摩耗性に優れた非磁性材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等)によって形成される。
【0023】
これに対して、図3における左側のフランジは、従動側フランジと称され、円筒状マグネット構造体3をスリーブ2内に回転可能に保持する機能を有し、本発明の場合、この従動側フランジがスリーブ2の端部を内側に折り曲げることにより形成されていることが大きな特徴である。
【0024】
本発明のスリーブにおける前記従動側フランジの構造について説明すると、図4に模式的に示すように、前記円筒形状を有するスリーブ2の一端側が内側に折り曲げられ、スリーブ本体2aの直径よりも小さな内側円筒部2bが形成されている。この内側円筒部2bは、前記スリーブ本体2aと中心を略一致させて形成されており、またスリーブ本体2aからは離間して形成されているため、前記スリーブ2はスリーブ本体2aと内側円筒部2bの二重管構造となっている。
【0025】
前記内側円筒部2bは、前記の通りスリーブ本体2aよりも小さな内径を有することから、これを形成することでフランジを取り付けたのと同様の構造を実現することができ、本発明においては、この内側円筒部2bをフランジとして利用して、ここに前記シャフト4が挿入される軸孔11aを有する軸受け11を直接圧入し、取り付けている。
【0026】
軸受け11としては、自己潤滑性金属(いわゆるオイルレスメタル)により形成された軸受け等を用いることができる。自己潤滑性金属は、例えば銅粉末を焼結後、その内部にオイルを含浸させたものであり、さらには焼結させる粉末に鉄粉を混入させ耐磨耗性を向上させたもの等も使用可能である。軸受け11としては、これに限らず、ベアリング等を用いた軸受け等も使用可能である。
【0027】
前述のように、スリーブ2の端部を内側に折り曲げて内側円筒部2bを形成し、これをフランジ部として軸受け11を圧入する構造とすれば、フランジを別途設置する必要がなく、構造を簡略化して部品点数や組み立て工数を削減し、製造コストを削減することが可能である。また、回転に対する接触界面が前記内側円筒部2bと軸受け11の界面のみであり、スリーブとフランジが一体化された構造であるので、回転時の耐回転トルク強度を向上することができる。さらに、前記の通りスリーブとフランジが一体化された構造であるので、回転時の電気的導通が安定し、画像に悪影響を与えることもない。一方、前記内側円筒部2bは、スリーブ本体2aの端部から突出することなく直ちに内側に折り曲げられているので、スリーブ2の全長を拡大することがなく、スリーブ本体2aの有効長を拡大する上で有効である。
【0028】
なお、前述の構造において、前記内側円筒部2bの折り返し長さL2は、軸受け11の長さ寸法L1の1/2以上とすることが好ましい。これにより、軸受け11の取り付け状態が安定化する。また、図5に示すように、前記内側円筒部2bの先端2cをスリーブ本体2a側に折り曲げる構造とすることも可能である。これにより内側円筒部2bの機械的強度を高めることができ、安定にフランジ部として機能させることが可能になる。
【0029】
次に、前述の構造を有するスリーブ2の製造方法について説明する。前記内側円筒部2bを一体に形成したスリーブ2を製造するには、先ず、図6(a)に示すように、円筒形状のアルミニウムパイプ21を用意し、その一端側に前記内側円筒部2bの外径寸法に対応した円形の凹部22aを有する第1の金型22を挿入する。この第1の金型22の挿入位置は、その先端22bとアルミニウムパイプ21の端部との距離が、アルミニウムパイプ21の端部の折り曲げ長さ(内側円筒部2bの長さ+内側円筒部2bのスリーブ本体2aからの距離)となるように設定する。
【0030】
そして、前記アルミニウムパイプ21の外径寸法に合わせた円錐台形状の凹部23aを有する第2の金型23を用意し、前記凹部23aに前記アルミニウムパイプ21の先端21aを挿入し、絞り加工により若干内側に折り曲げる。これにより曲げに対する方向性を付与した後、図6(b)に示す第3の金型24を用い、前記アルミニウムパイプ21の先端21aを内側に向けて折り返す。
【0031】
前記第3の金型24は、前記アルミニウムパイプ21の外径寸法に対応した円形の凹部24aを有するとともに、中央に尖塔部24bを有する。したがって、この第3の金型24の前記凹部24aにアルミニウムパイプ21の先端21aを押し込むと、内側に若干折り曲げられ方向性が付与されたアルミニウムパイプ21の先端21aが、さらに内側に折り曲げられ、前記尖塔部24bによって折り返される。次いで、図6(c)に示すように、前記内側円筒部2bを補完する形状の凸部25aを有する第4の金型25によって折り返された先端21aを整形することで、内側円筒部2bに相当する円筒部21bが形成される。
【0032】
前記円筒部21bの形成の後、図6(d)に示すように、ここに軸孔26aを有する軸受け26を圧入する。軸受け26の圧入に際しては、前記円筒部21bの内周面に対して切削加工を行う。この切削加工は、前記円筒部21bの中心と軸受け26(軸孔26a)の中心とを一致させるために行うものであるが、前記円筒部21bがアルミニウムパイプ21に一体に形成されているので、スリーブ本体に相当するアルミニウムパイプ21の主要部の中心に対しても軸受け26(軸孔26a)の中心が一致される。
【0033】
このように、本発明の製造方法では、スリーブ本体2aに対して直接軸受け11の位置合わせ(中心軸合わせ)が行われることになり、これら中心を精度良く一致させることが可能である。スリーブ本体2aの中心と軸受け11の中心が精度良く一致すれば、回転に対する振れ精度が向上し、品質に優れた画像形成が可能となる。
【0034】
なお、前記円筒部21bの形成の後、軸受け26の圧入の前に、アルミニウムパイプ21に対して無電解NiめっきやCrめっき、Ni−Bめっき、あるいはアルマイト処理等を施すことも可能である。これらめっき被膜やアルマイト被膜の形成により、スリーブ表面やフランジ端面等の耐摩耗性や滑性を改善することが可能である。
【実施例】
【0035】
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
【0036】
実施例
本実施例では、外径20mmφ、肉厚0.5mmのアルミニウム合金製のパイプをスリーブとして用い、その端面を内側に折り曲げて内側円筒部を形成し、フランジ部とした。また、前記内側円筒部の内径部分を研削した後、オイルレスメタルからなる軸受けを圧入し、現像ロールを組み立てた。本例において、スリーブの全長は320mmに固定したが、このときの現像剤を担持し得る有効長は300mmであった。
【0037】
比較例1
本例では、先の実施例と同様のアルミニウム合金製のパイプをスリーブとして用い、その端部に別途作製したフランジを圧入した。このフランジにさらにオイルレスメタルからなる軸受けを圧入し、現像ロールを組み立てた。本例においても、スリーブの全長は320mmに固定したが、現像剤を担持し得る有効長は299mmであった。
【0038】
比較例2
本例では、先の実施例と同様のアルミニウム合金製のパイプをスリーブとして用い、その端部に絞り加工により直径の小さな円筒部を形成してフランジ部とした。フランジ部の内径部分の研削加工を行わずに、このフランジ部にオイルレスメタルからなる軸受けを圧入し、現像ロールを組み立てた。本例においては、前記フランジ部の形成により全長が拡大され、スリーブの全長を320mmに固定した場合、現像剤を担持し得る有効長が290mmとなり、先の実施例に比べて有効長が縮小する結果となった。
【0039】
評価
前記実施例及び各比較例で作製した現像ロールについて、耐回転トルク強度及び振れ精度を測定した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】


【0041】
この表1から明らかなように、本発明を適用した実施例においては、耐回転トルク強度が高い値に維持され、有効長も十分に確保されると同時に、振れ精度も良好な結果となっている。これに対して、別途作製したフランジを設けた比較例1では、有効長を確保することは可能であるが、耐回転トルク強度や振れ精度の点で不十分であった。同様に、絞り加工によりフランジ部をスリーブの端部に引き出す形で形成した比較例2では、耐回転トルク精度は確保されたが、有効長が大きく縮小され、また内径部分の研削加工を行っていないため振れ精度も不十分であった。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】現像ロールを中心断面方向から見た模式図である。
【図2】円筒状マグネット構造体の分解斜視図である。
【図3】現像ロールの概略断面図である。
【図4】スリーブの端部構造の一例を示す模式図である。
【図5】スリーブの端部構造の他の例を示す模式図である。
【図6】スリーブの作製プロセスを説明する模式図であり、(a)はアルミニウムパイプの先端絞り加工工程、(b)は折り曲げ工程、(c)は折り曲げ後の形状、(d)は軸受けの圧入工程をそれぞれ示す。
【符号の説明】
【0043】
1 現像ロール、2 スリーブ、2a スリーブ本体、2b 内側円筒部、3 円筒状マグネット構造体、4、5,6,7,8,9 マグネットロール用磁石、10 フランジ、11 軸受け、11a 軸孔、21 アルミニウムパイプ、21a 先端、21b 円筒部、22 第1の金型、23 第2の金型、24 第3の金型、25 第4の金型、26 軸受け




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013