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発明の名称 スペーサー用感放射線性樹脂組成物、スペーサー、およびその形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−102070(P2007−102070A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−294720(P2005−294720)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100085224
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 重隆
発明者 梶田 徹 / 河本 達慶 / 松本 龍
要約 課題
高感度、高解像度であり、かつパターン形状、圧縮強度、ラビング耐性、透明基板との密着性などの諸性能に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができ、焼成時の昇華物の発生が抑制された感放射線性樹脂組成物、それから形成されたスペーサー、およびその形成方法を提供すること。

解決手段
(A)カルボキシル基およびエポキシ基を有し、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.7以下である重合体、(B)重合性不飽和化合物および(C)感放射線性重合開始剤、を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合が特定のチオカルボニルチオ(ジスルフィド)化合物を分子量制御剤として用いる重合である、スペーサー形成用感放射線性樹脂組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)カルボキシル基およびエポキシ基を有し、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.7以下である重合体、(B)重合性不飽和化合物および(C)感放射線性重合開始剤を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合が下記式(1)または式(2)で表されるチオカルボニルチオ化合物を分子量制御剤として用いる重合であることを特徴とするスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物。
【化1】


〔式(1)において、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)、−P(=O)(OR)、−P(=O)(R)、または重合体鎖を有する1価の基を示し、各Rは相互に独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRはそれぞれ置換されていてもよく、Rは、p=1のとき、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)または重合体鎖を有する1価の基を示し、各Rは相互に独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、p≧2のとき、炭素数1〜20のアルカンに由来するp価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するp価の基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するp価の基または重合体鎖を有するp価の基を示し、上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、合計原子数3〜20の1価の複素環式基、R、炭素数1〜20のアルカンに由来するp価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するp価の基および合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するp価の基はそれぞれ置換されていてもよい。〕
【化2】


〔式(2)において、Zは炭素数1〜20のアルカンに由来するm価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するm価の基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するm価の基または重合体鎖を有するm価の基を示し、上記炭素数1〜20のアルカンに由来するm価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するm価の基および合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するm価の基はそれぞれ置換されていてもよく、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)または重合体鎖を有する1価の基を示し、各Rは相互に独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRはそれぞれ置換されていてもよい。〕
【請求項2】
(A)重合体が、それを構成する各重合体鎖の少なくとも一方の末端に下記式(i)で表される基、あるいは下記式(ii)で表される基を有する、請求項1記載のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物。
【化3】


〔式(i)において、Zは式(1)に同じ、また式(ii)において、Z,mは式(2)に同じである。〕
【請求項3】
(B)重合性不飽和化合物が、2官能以上の(メタ)アクリレートである請求項1または2記載のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物。
【請求項4】
(C)感放射線性重合開始剤が、感放射線ラジカル重合開始剤である請求項1〜3いずれかに記載のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4いずれかに記載のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物から形成されてなるスペーサー。
【請求項6】
少なくとも下記(1)〜(4)の工程を以下に記載の順序で実施することを特徴とするスペーサーの形成方法。
(1)請求項1〜5いずれかに記載のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程。
(2)上記被膜の少なくとも一部に放射線を露光する工程。
(3)露光後の被膜を現像する工程。
(4)現像後の被膜を加熱する工程。
【請求項7】
請求項5に記載のスペーサーを具備してなる液晶表示素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、感放射線性樹脂組成物、スペーサー、およびその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子には、従来から、2枚の透明基板間の間隔を一定に保つため、所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズなどのスペーサー粒子が使用されているが、これらスペーサー粒子は、ガラス基板などの透明基板上にランダムに散布されるため、画素形成領域にスペーサー粒子が存在すると、スペーサー粒子の写り込み現象を生じたり、入射光が散乱を受け、液晶表示素子のコントラストが低下するという問題があった。
そこで、これらの問題を解決するために、スペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が採用されるようになってきた。この方法は、感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、所定のマスクを介して紫外線を露光したのち現像して、ドット状やストライプ状のスペーサーを形成するものであり、画素形成領域以外の所定の場所にのみスペーサーを形成することができるため、前述したような問題は基本的には解決される。
【0003】
ところで、フォトリソグラフィーにおける光源として使用される水銀ランプからの放射線は、通常、436nm付近(g線)、404nm付近(h線)、365nm付近(i線)、335nm付近、315nm付近(j線)、303nm付近などに強度の強いスペクトルを示すため、感放射線性樹脂組成物の構成成分である感放射線性重合開始剤としては、これらの強度の強いスペクトルの波長領域に最大吸収波長を有するものを選択使用するのが普通であり、ほとんどの場合透明性の観点から、波長がi線以下の領域に最大吸収波長を有する感放射線性重合開始剤が使用されている(特許文献1:特開2001−261761号公報参照)。波長がi線より長いg線、h線付近に最大吸収波長を有する感放射線性重合開始剤を用いると、その感放射線性重合開始剤は可視光線に近い波長領域に吸収を有するため、それを含有する感放射線性樹脂組成物が着色して、形成された被膜の透明性が低下する。被膜の透明性が低いと、露光時に膜表面で硬化反応が進んで、被膜の深さ方向への硬化反応が不十分となり、その結果現像後に得られるスペーサーの形状は、逆テーパー(断面形状として膜表面の辺が基板側の辺よりも長い逆三角形状)となり、その後の配向膜のラビング処理時にスペーサーが剥離する原因となる。
しかしながら、特許文献1(特開2001−261761号公報)のものも含め、従来の感放射線性樹脂組成物では、スペーサーを形成するための焼成時に生じる昇華物が工程ラインやデバイスを汚染することが懸念されており、発生する昇華物が低減された感放射線性樹脂組成物が望まれていた。
【特許文献1】特開2001−261761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものである。それ故、本発明の目的は、高感度、高解像度であり、かつパターン形状、圧縮強度、ラビング耐性、透明基板との密着性などの諸性能に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができ、焼成時の昇華物の発生が抑制されたスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物、それから形成されたスペーサー、およびその形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記目的は、第1に、
(A)カルボキシル基およびエポキシ基を有し、かつゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.7以下である重合体、(B)重合性不飽和化合物および(C)感放射線性重合開始剤を含有する感放射線性樹脂組成物であって、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合が下記式(1)または式(2)で表されるチオカルボニルチオ化合物を分子量制御剤として用いる重合であることを特徴とするスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物によって達成される。
【0006】
【化1】


【0007】
〔式(1)において、Zは水素原子、塩素原子、カルボキシル基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)、−P(=O)(OR)、−P(=O)(R)、または重合体鎖を有する1価の基を示し、各Rは相互に独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRはそれぞれ置換されていてもよく、Rは、p=1のとき、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)または重合体鎖を有する1価の基を示し、各Rは相互に独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、p≧2のとき、炭素数1〜20のアルカンに由来するp価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するp価の基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するp価の基または重合体鎖を有するp価の基を示し、上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、合計原子数3〜20の1価の複素環式基、R、炭素数1〜20のアルカンに由来するp価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するp価の基および合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するp価の基はそれぞれ置換されていてもよい。〕
【0008】
【化2】


【0009】
〔式(2)において、Zは炭素数1〜20のアルカンに由来するm価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するm価の基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するm価の基または重合体鎖を有するm価の基を示し、上記炭素数1〜20のアルカンに由来するm価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するm価の基および合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するm価の基はそれぞれ置換されていてもよく、Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)または重合体鎖を有する1価の基を示し、各Rは相互に独立に炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基を示し、上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRはそれぞれ置換されていてもよい。〕
ここで、上記(A)重合体は、それを構成する各重合体鎖の少なくとも一方の末端に下記式(i)で表される基、あるいは下記式(ii)で表される基を有する。
【0010】

【化3】


【0011】
〔式(i)において、Zは式(1)に同じ、また式(ii)において、Z,mは式(2)に同じである。〕
ここで、本発明でいう「放射線」とは、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分子線、γ線、シンクロトロン放射線、プロトンビーム線などを含むものを意味する。
本発明の上記目的は、第2に、
少なくとも下記(1)〜(4)の工程を以下に記載の順序で実施することを特徴とするスペーサーの形成方法によって達成される。
(1)上記のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程。
(2)上記被膜の少なくとも一部に、放射線を露光する工程。
(3)露光後の被膜を現像する工程。
(4)現像後の被膜を加熱する工程。
本発明の上記目的は、第三に、上記方法によって形成されたスペーサーによって達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物は、高感度、高解像度であり、かつパターン形状、圧縮強度、ラビング耐性、透明基板との密着性などの諸性能に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができ、焼成時の昇華物の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
感放射線性樹脂組成物
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物の各成分について詳述する。
(A)重合体
本発明の感放射線性樹脂組成物における(A)重合体は、好ましくは(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(以下、これらをまとめて「化合物(a1)」という。)、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物(以下、「化合物(a2)」という。)および(a3)他の不飽和化合物(以下、「化合物(a3)」という。)を含有する重合性混合物をリビングラジカル重合させて得られる。
例えば、(A)重合体は、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)を含有する重合性混合物を溶媒中、重合開始剤の存在下でリビングラジカル重合することによって製造することができる。このようにして得られた(A)重合体が有するカルボキシル基およびエポキシ基は、それぞれ化合物(a1)および化合物(a2)に由来する。
【0014】
次に、(A)重合体を製造するリビングラジカル重合について説明する。
上記重合性不飽和化合物を、好ましくは他の共重合可能な不飽和化合物と共に、溶媒中、リビングラジカルを生成するラジカル重合開始剤系の存在下でリビングラジカル重合することにより製造することができる。
【0015】
リビングラジカル重合に際しては、重合性不飽和化合物としてカルボキシル基などの活性ラジカルを失活させるおそれがある官能基を有する化合物を用いる場合、成長末端が失活しないようにするため、必要に応じて、重合性不飽和化合物中の該官能基を、例えばエステル化などにより保護して重合したのち、脱保護することにより、(A)重合体を得ることもできる。
【0016】
重合性不飽和化合物をリビングラジカル重合するラジカル重合開始剤系については種々提案されており、例えば、Georgesらにより提案されているTEMPO系(例えば、非特許文献1参照。)、Matyjaszewskiらにより提案されている臭化銅と臭素含有エステル化合物の組み合わせからなる系(例えば、非特許文献2参照。)、Hamasakiらにより提案されている四塩化炭素とルテニウム(II) 錯体の組み合わせからなる系(例えば、非特許文献3参照。)や、特許文献2、特許文献3および特許文献4に開示されているような、0.1より大きな連鎖移動定数をもつチオカルボニル化合物とラジカル開始剤の組み合わせからなる系などを挙げることができる。
【0017】
【非特許文献1】M.K.Georges, R.P.N.Veregin, P.M.Kazmaier, G.K.Hamer, Macromolecules, 1993, Vol.26, p.2987
【非特許文献2】Matyjaszewski,K.Coca,S.Gaynor,G.wei,M.Woodworth, B.E. Macromolecules, 1997, Vol.30, p.7348
【非特許文献3】Hamasaki,S.Kamigaito,M.Sawamoto, M. Macromolecules, 2002, Vol.35, p.2934
【特許文献2】特許3639859号明細書(特表2000−515181号公報)
【特許文献3】特表2002−500251号公報
【特許文献4】特表2004−518773号公報
【0018】
リビングラジカル重合に使用される好適なラジカル重合開始剤系としては、使用される重合性不飽和化合物の種類に応じて、成長末端である活性ラジカルが失活しない系が適宜選択されるが、重合効率やメタルフリー系などを考慮すると、分子量制御剤であるチオカルボニルチオ化合物とラジカル開始剤との組み合わせが好ましい。
上記チオカルボニルチオ化合物とラジカル開始剤との組み合わせに関しては、特許文献2、特許文献3および特許文献4のほか、下記の特許文献5〜9に詳しく記載されている。
【0019】
【特許文献5】特表2002−508409号公報
【特許文献6】特表2002−512653号公報
【特許文献7】特表2003−527458号公報
【特許文献8】特許3634843(特表2003−536105号公報)
【特許文献9】特表2005−503452号公報
【0020】
特許文献2〜特許文献5に記載されているように、チオカルボニルチオ化合物およびラジカル開始剤の存在下に不飽和化合物をリビングラジカル重合することにより、分子量分布の狭いランダム共重合体もしくはブロック共重合体を得ることができる。また、得られるランダム共重合体およびブロック共重合体には官能基を導入することができるため、該共重合体を水性ゲル(特許文献6参照)、フォトレジスト(特許文献7参照)、界面活性剤(特許文献8参照)などの用途にも使用することができることが明らかにされている。
【0021】
本発明における好ましい上記チオカルボニルチオ化合物としては、例えば、上記式(1)または上記式(2)で表される化合物などを挙げることができる。
【0022】
上記式(1)において、Zの炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基などを挙げることができる。
また、Zの炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基などを挙げることができる。
【0023】
また、Zの炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、オキシラニル基、アジリジニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、3−テトラヒドロフラニル基、1−ピロール基、2−ピロール基、3−ピロール基、1−ピロリジニル基、2−ピロリジニル基、3−ピロリジニル基、1−ピラゾール基、2−ピラゾール基、3−ピラゾール基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基、4−テトラヒドロピラニル基、2−チアニル基、3−チアニル基、4−チアニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−ピペリジニル基、3−ピペリジニル基、4−ピペリジニル基、2−モルホリニル基、3−モルホリニル基などを挙げることができる。
【0024】
また、Zの−OR、−SR、−N(R)、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)、−P(=O)(OR)および−P(=O)(R)におけるRの炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基としては、例えば、Zについて例示した炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基または炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基のうち、炭素数ないし合計原子数が18以下の基を挙げることができる。
【0025】
また、同Rの炭素数2〜18のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などを挙げることができる。
【0026】
上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRに対する置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、イソシアナート基、シアノ基、ビニル基、エポキシ基、シリル基、ハロゲン原子のほか、Z1 について例示した−OR、−SR、−N(R)、−OC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)N(R)、−P(=O)(OR)あるいは−P(=O)(R);Rについて例示した炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基あるいは炭素原子と異項原子との合計原子数3〜18の1価の複素環式基と同様の基の中から適宜選択することができ、これらの置換基は置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。ただし、置換誘導体中の合計炭素数ないし合計原子数は20を超えないことが好ましい。
【0027】
また、Zの重合体鎖を有する1価の基としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;ふっ化ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;ビニルアルコール、アリルアルコールなどの不飽和アルコール類;酢酸ビニル、酢酸アリルなどの不飽和アルコールのエステル類;(メタ)アクリル酸、p−ビニル安息香酸などの不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクルアミドなどの(メタ)アクルアミド類;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの不飽和ニトリル類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類などの不飽和化合物の1種以上から形成される付加重合系重合体鎖を有する1価の基のほか、末端がエーテル化されていてもよいポリオキシエチレン、末端がエーテル化されていてもよいポリオキシプロピレンなどのポリエーテルや、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの重付加系重合体鎖や重縮合系重合体鎖などを有する1価の基を挙げることができる。これらの重合体鎖を有する1価の基においては、該重合体鎖が直接式(1)中のチオカルボニル基の炭素原子に結合しても、例えば−CH−COO−、−C(CH)(CN)CHCH−COO−などの連結手を介して式(1)中のチオカルボニル基の炭素原子に結合してもよい。
式(1)において、複数存在するZは相互に同一でも異なってもよい。
【0028】
式(1)において、Rは、p=1のとき、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)または重合体鎖を有する1価の基を示す。
【0029】
上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)または重合体鎖を有する1価の基やそれらの置換誘導体としては、例えば、上記Zのそれぞれ対応する基について例示した基と同様のものを挙げることができる。R(ただし、p=1)の重合体鎖を有する1価の基においては、該重合体鎖が直接式(1)中の硫黄原子に結合しても、例えば−CH−COO−、−C(CH)(CN)CHCH−COO−などの連結手を介して式(1)中の硫黄原子に結合してもよい。
【0030】
上記炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などを挙げることができる。
上記炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基に対する置換基としては、例えば、上記Zの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRに対する置換基について例示した基と同様のものの中から適宜選択することができ、これらの置換基は置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。ただし、置換誘導体中の合計炭素数ないし合計原子数は20を超えないことが好ましい。
【0031】
また、Rは、p≧2のとき、炭素数1〜20のアルカンに由来するp価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するp価の基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するp価の基または重合体鎖を有するp価の基を示す。
【0032】
上記炭素数1〜20のアルカンとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、n−オクタデカン、n−エイコサンなどを挙げることができる。
【0033】
また、上記炭素数6〜20の芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、1,4−ジメチルベンゼン(例えば、1,4−位の各メチル基の炭素原子が式(1)中の硫黄原子に結合する。)、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン(例えば、1,2,4,5−位の各メチル基の炭素原子が式(1)中の硫黄原子に結合する。)、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルベンゼン(例えば、1,2,3,4,5,6−位の各メチル基の炭素原子が式(1)中の硫黄原子に結合する。)、1,4−ジ−i−プロピルベンゼン(例えば、1,4−位の各i−プロピル基の2−位の炭素原子が式(1)中の硫黄原子に結合する。)、ナフタレン、アントラセン基などを挙げることができる。
【0034】
また、上記合計原子数3〜20の複素環式化合物としては、例えば、オキシラン、アジリジン、フラン、テトラヒドロフラン、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、テトラヒドロピラン、チアン、ピリジン、ピペリジン、モルホリンなどを挙げることができる。
【0035】
上記炭素数1〜20のアルカンに由来するp価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するp価の基および合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するp価の基に対する置換基としては、例えば、上記Z1 の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRに対する置換基について例示した基と同様のものの中から適宜選択することができ、これらの置換基は置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。ただし、置換誘導体中の合計炭素数ないし合計原子数は20を超えないことが好ましい。
【0036】
また、Rのp価の基を与える重合体鎖としては、上記Zの重合体鎖を有する1価の基について例示した付加重合系重合体鎖、重付加系重合体鎖や重縮合系重合体鎖と同様のものを挙げることができる。Rの重合体鎖を有するp価の基においては、該重合体鎖が直接式(1)中の硫黄原子に結合しても、例えば−CH−COO−、−C(CH)(CN)CHCH−COO−などの連結手を介して式(1)中の硫黄原子に結合してもよい。
【0037】
次に、式(2)において、Zのm価の基を与える炭素数1〜20のアルカンとしては、例えば、上記Rのp価の基を与える炭素数1〜20のアルカン類について例示した化合物と同様のものを挙げることができる。
【0038】
また、Zのm価の基を与える炭素数6〜20の芳香族炭化水素としては、例えば、上記Rのp価の基を与える炭素数6〜20の芳香族炭化水素について例示した化合物と同様のものを挙げることができる。
【0039】
また、Zのm価の基を与える炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の複素環式化合物としては、例えば、上記Rのp価の基を与える炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の複素環式化合物について例示した化合物と同様のものを挙げることができる。
【0040】
の炭素数1〜20のアルカンに由来するm価の基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素に由来するm価の基および合計原子数3〜20の複素環式化合物に由来するm価の基に対する置換基としては、例えば、上記Zの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基およびRに対する置換基について例示した基と同様のものの中から適宜選択することができ、これらの置換基は置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。ただし、置換誘導体中の合計炭素数ないし合計原子数は20を超えないことが好ましい。
【0041】
また、Zのm価の基を与える重合体鎖としては、例えば、上記Zの重合体鎖を有する1価の基について例示した付加重合系重合体鎖、重付加系重合体鎖や重縮合系重合体鎖と同様のものを挙げることができる。Zの重合体鎖を有するm価の基においては、該重合体鎖が直接式(2)中のチオカルボニル基の炭素原子に結合しても、例えば−CH−COO−、−C(CH)(CN)CHCH−COO−などの連結手を介して式(2)中のチオカルボニル基の炭素原子に結合してもよい。
【0042】
式(2)において、Rの炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子と異項原子との合計原子数3〜20の1価の複素環式基、−OR、−SR、−N(R)および重合体鎖を有する1価の基やそれらの置換誘導体としては、例えば、上記Zのそれぞれ対応する基について例示した基と同様のものを挙げることができる。Rの重合体鎖を有する1価の基においては、該重合体鎖が直接式(2)中の硫黄原子に結合しても、例えば−CH−COO−、−C(CH)(CN)CHCH−COO−などの連結手を介して式(2)中の硫黄原子に結合してもよい。
【0043】
また、Rの炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基やその置換誘導体としては、例えば、上記Rただし、p=1)の炭素数3〜20の1価の脂環族炭化水素基やその置換誘導体について例示した基と同様のものを挙げることができる。
式(2)において、複数存在するR2 は相互に同一でも異なってもよい。
【0044】
式(2)において、Zと−C(=S)−S−Rとの間の連結部分が脂肪族炭素原子である場合は、Z中の脂肪族炭素原子が−C(=S)−S−Rと結合し、該連結部分が芳香族炭素原子である場合は、Z中の芳香族炭素原子が−C(=S)−S−Rと結合し、さらに該連結部分が硫黄原子である場合は、Zを示す−SR中の硫黄原子が−C(=S)−S−Rと結合している。
【0045】
本発明における特に好ましいチオカルボニルチオ化合物の具体例としては、下記式(3)〜(22)で表される化合物などを挙げることができる。




【0046】
【化4】


【0047】
【化5】


【0048】
【化6】


【0049】
【化7】


【0050】
【化8】


【0051】
【化9】




【0052】
【化10】


【0053】
【化11】


【0054】
【化12】


【0055】
【化13】


【0056】
【化14】









【0057】
【化15】


【0058】
【化16】


【0059】
【化17】


【0060】
【化18】


【0061】
【化19】







【0062】
【化20】


【0063】
【化21】


【0064】
【化22】


【0065】
【化23】


【0066】
これらのチオカルボニルチオ化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、リビングラジカル重合に際しては、チオカルボニルチオ化合物と共に、他の分子量制御剤、例えば、α−メチルスチレンダイマー、t−ドデシルメルカプタンなどの1種以上を併用することもできる。
【0067】
リビングラジカル重合に使用されるラジカル開始剤としては、特に限定されるものではなく、一般にラジカル重合開始剤として知られているものを使用することができ、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、1,1’−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルペルオキシピバレートなどの有機過酸化物;過酸化水素;これらの過酸化物と還元剤とからなるレドックス系開始剤などを挙げることができる。
これらのラジカル開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0068】
リビングラジカル重合に使用される溶媒としては、活性ラジカルが失活しない限り特に限定されるものでないが、例えば、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどの(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類;
テトラヒドロフランなどの他のエーテル類;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノンなどのケトン類;
ジアセトンアルコール(すなわち、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−オン)、4−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2−オンなどのケトアルコール類;
【0069】
乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチルなどの他のエステル類;
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類
などを挙げることができる。
【0070】
これらの溶媒のうち、感放射線性樹脂組成物としたときの各成分の溶解性、塗布性などの観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチルなどが好ましい。
上記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0071】
リビングラジカル重合において、チオカルボニルチオ化合物の使用量は、全不飽和化合物100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは0.2〜16重量部、であり、ラジカル重合開始剤の使用量は、全不飽和化合物100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。
また、重合温度は、通常、0〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、重合時間は、通常、10分〜20時間、好ましくは30分〜6時間である。
【0072】
一方、上記重合性不飽和化合物のうち、化合物(a1)は、ラジカル重合性を有する不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物であり、例えばモノカルボン酸、ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル、両末端のそれぞれにカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多環式化合物およびその無水物などを挙げることができる。
これらの具体例としては、モノカルボン酸として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸など;
ジカルボン酸として、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸など;
ジカルボン酸の無水物として、例えば上記ジカルボン酸として例示した上記化合物の酸無水物など;
多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステルとして、例えばコハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕など;
両末端のそれぞれにカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートとして、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなど;
カルボキシル基を有する多環式化合物およびその無水物として、例えば5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物などがそれぞれ挙げられる。
これらのうち、モノカルボン酸、ジカルボン酸の無水物が好ましく使用され、特にアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0073】
化合物(a1)のカルボキシル基を保護する保護基としては、特に限定されずカルボキシル基の保護基として公知のものが使用できる。例えば、トリアルキルシリル基、1−アルコキシアルキル基、環状1−アルコキシアルキル基などがあげられる。さらに具体的に、例えば、トリメチルシリル、ジメチルブチルシリル、1−エトキシエチル、1−プロポキシエチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチルなどが挙げられる。
【0074】
(A)重合体において、化合物(a1)から誘導される構成単位の含有率は、化合物(a1)、(a2)および(a3)から誘導される構成単位の合計に基づいて、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。この場合、該構成単位の含有率が5重量%未満であると、得られるスペーサーの圧縮強度、耐熱性や耐薬品性が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下するおそれがある。
【0075】
また、化合物(a2)としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシブチル、メタクリル酸3,4−エポキシブチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジル、アクリル酸β−エチルグリシジル、メタクリル酸β−エチルグリシジル、アクリル酸β−n−プロピルグリシジル、メタクリル酸β−n−プロピルグリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルなどのカルボン酸エステル;o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどのエーテル類などを挙げることができる。
これらの化合物(a2)のうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸β−メチルグリシジル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが、共重合反応性および得られるスペーサーの強度を高める点から好ましい。
上記化合物(a2)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0076】
本発明で用いられる(A)重合体は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、化合物(a1)、(a2)および(a3)から誘導される構成単位の合計に基づいて、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は得られる層間絶縁膜やマイクロレンズの耐熱性や表面硬度が低下する傾向にあり、一方この構成単位の量が70重量%を超える場合は感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0077】
さらに、化合物(a3)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート(以下、「トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル」を「ジシクロペンタニル」という。)、2−ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレートなどのアクリル酸の脂環族エステル;シクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、2−ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、テトラヒドロフリルメタクリレートなどのメタクリル酸の脂環族エステル;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなどのアクリル酸アリールエステル;フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどのメタクリル酸アリールエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミドなどを挙げることができる。
これらの化合物(a3)のうち、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、スチレン、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエンなどが、共重合反応性の点から好ましい。
上記化合物(a3)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0078】
(A)重合体において、化合物(a3)から誘導される構成単位の含有率は、化合物(a1)、(a2)および(a3)から誘導される構成単位の合計に基づいて、好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。この場合、該構成単位の含有率が10重量%未満であると、感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下するおそれがあり、一方80重量%を超えると、現像性が低下するおそれがある。
【0079】
なお、本発明の感放射線性樹脂組成物に用いられる(A)重合体は、以上のようは不飽和化合物をリビングラジカル重合することによって得られるが、その際、上記式(1)または上記式(2)で表されるチオカルボニルチオ化合物を分子量制御剤として用いる。このため、(A)重合体は、重合体鎖の少なくとも一方の末端に上記式(1)の化合物に由来する上記式(i)で表される基、あるいは上記式(2)に由来する上記式(ii)で表される基を有するものである。
【0080】
本発明で用いられる(A)重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)とポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という)の比(Mw/Mn)が1.7以下であり、好ましくは1.5以下である。Mw/Mnが1.7を超えると、得られるスペーサーのパターン形状に劣ることがある。また、Mwは、好ましくは、2×10〜1×10、より好ましくは5×10〜5×10である。Mwが2×10未満であると、現像マージンが十分ではなくなる場合があり、得られる被膜の残膜率などが低下したり、また得られるスペーサーのパターン形状、耐熱性などに劣ることがある。一方、Mwが1×10を超えると、感度が低下したりパターン形状に劣ることがある。また、Mnは、好ましくは、1.2×10〜1×10であり、より好ましくは2.9×10〜5×10である。上記の(A)重合体を含む感放射線性樹脂組成物は、現像する際に現像残りを生じることなく容易に所定パターン形状を形成することができる。
【0081】
さらに、本発明で用いられる(A)重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した残留モノマー量は、好ましくは5.0%未満、より好ましくは3.0%未満、特に好ましくは2.0%未満である。このような残留モノマー含有量の重合体を用いることにより、焼成時の昇華物が低減された塗膜を得ることができる。
本発明において、(A)重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0082】
(B)重合性不飽和化合物
本発明の感放射線性樹脂組成物における(B)重合性不飽和化合物としては、2官能以上のアクリレートおよびメタクリレート(以下、「(メタ)アクリレート」という。)が好ましい。
2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジメタクリレートなどを挙げることができる。
また、2官能の(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、アロニックスM−210、同M−240、同M−6200(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、KAYARAD HX−220、同R−604、UX−2201、UX−2301、UX−3204、UX−3301、UX−4101、UX−6101、UX−7101、UX−8101、MU−2100、MU−4001(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0083】
また、3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリ(2−アクリロイロキシエチル)フォスフェート、トリ(2−メタクリロイロキシエチル)フォスフェートや、9官能以上の(メタ)アクリレートとして、直鎖アルキレン基および脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有し、かつ3個、4個あるいは5個のアクリロイロキシ基および/またはメタクリロイロキシ基を有する化合物とを反応させて得られるウレタンアクリレート系化合物などを挙げることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、アロニックスM−309、同−400、同−402、同−405、同−450、同−1310、同−1600、同−1960、同−7100、同−8030、同−8060、同−8100、同−8530、同−8560、同−9050、アロニックスTO−1450(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120、同MAX−3510(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)や、ウレタンアクリレート系化合物として、ニューフロンティア R−1150(第一工業製薬(株)製)、KAYARAD DPHA−40H(日本化薬(株)製)などを挙げることができる。
本発明において、重合性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0084】
(C)感放射線性重合開始剤
(C)感放射線性重合開始剤は、放射線に感応して、(B)重合性不飽和化合物の重合を開始しうる活性種を生じる成分である。
このような(C)感放射線性重合開始剤としては、例えば、感放射線ラジカル重合開始剤が好ましい。
上記感放射線ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン;ベンゾインなどのアシロイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのアシロインエーテル;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4−(α,α’−ジメトキシアセトキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルフォリノ−1−(4−メチルチオフェニル)−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノンなどのキノン;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物などを挙げることができる。
【0085】
また、(C)感放射線ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE−124、同−149、同−184、同−369、同−500、同−651、同−819、同−907、同−1000、同−1700、同−1800、同−1850、同−2959、Darocur−1116、同−1173、同−1664、同−2959、同−4043(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、KAYACURE−DETX、同−MBP、同−DMBI、同−EPA、同−OA(以上、日本化薬(株)製)、LUCIRIN TPO(BASF社製)、VICURE−10、同−55(以上、STAUFFER社製)、TRIGONALP1(AKZO社製)、SANDORAY 1000(SANDOZ社製)、DEAP(APJOHN社製)、QUANTACURE−PDO、同−ITX、同−EPD(以上、WARD BLEKINSOP社製)などを挙げることができる。
これらの感放射線ラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0086】
なお、上記(C)感放射線ラジカル重合開始剤と共に、(D)感放射線増感剤を1種以上併用することによって、空気中の酸素による失活の少ない、高感度の感放射線性樹脂組成物を得ることも可能である。
上記(D)感放射線増感剤としては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸i−アミル、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸などを挙げることができる。これらの増感剤のうち、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが好ましい。
これら(D)感放射線増感剤は、同時に2種以上を使用しても良い。
上記(D)感放射線増感剤の使用割合は、(C)感放射線ラジカル重合開始剤100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。この場合、上記(D)感放射線増感剤の使用割合が40重量部を超えると、現像残りが生じやすくなる傾向がある。
【0087】
本発明の感放射線性樹脂組成物における各成分の使用量は、(B)重合性不飽和化合物が、(A)重合体100重量部に対して、好ましくは10〜150重量部、さらに好ましくは20〜120重量部であり、(C)感放射線性重合開始剤が、(A)重合体100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは3〜35重量部である。
(B)重合性不飽和化合物の使用量が10重量部未満では、膜厚の均一な塗膜を形成することが困難となる傾向があり、一方150重量部を超えると、基板との密着性が低下する傾向がある。また、(C)感放射線性重合開始剤の使用量が1重量部未満では、耐熱性、表面硬度や耐薬品性が低下する傾向があり、一方40重量部を超えると、透明性が低下する傾向がある。
【0088】
任意添加剤
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で上記以外の任意添加剤、例えば、接着助剤、界面活性剤、保存安定剤、耐熱性向上剤などを配合することができる。
上記接着助剤は、形成されたスペーサーと基板との接着性を向上させるために使用する成分である。
このような接着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましく、その例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
これらの接着助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
接着助剤の配合量は、(A)重合体100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは15重量部以下である。この場合、接着助剤の配合量が20重量部を超えると、現像残りを生じやすくなる傾向がある。
【0089】
また、上記界面活性剤は、塗布性を向上させるために使用する成分である。
このような界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが好ましい。
上記フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル基および/またはフルオロアルキレン基を有する化合物が好ましく、その例としては、1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(1,1,2,2−テトラフロロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(n−ヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、パーフロロ−n−ドデカンスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−デカン、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロ−n−ドデカンや、フロロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フロロアルキル燐酸ナトリウム、フロロアルキルカルボン酸ナトリウム、ジグリセリンテトラキス(フロロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フロロアルキルアンモニウムヨージド、フロロアルキルベタイン、他のフロロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフロロアルキルポリオキシエタノール、パーフロロアルキルアルコキシレート、カルボン酸フロロアルキルエステルなどを挙げることができる。
【0090】
また、フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、BM−1000、BM−1100(以上、BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471、同F476(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−170C、同−171、同−430、同−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同−113、同−131、同−141、同−145、同−382、サーフロンSC−101、同−102、同−103、同−104、同−105、同−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(以上、新秋田化成(株)製)、フタージェントFT−100、同−110、同−140A、同−150、同−250、同−251、同−300、同−310、同−400S、フタージェントFTX−218、同−251(以上、(株)ネオス製)などを挙げることができる。
【0091】
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)などの商品名で市販されているものを挙げることができる。
【0092】
また、上記以外の界面活性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン−n−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−n−ノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステルなどのノニオン系界面活性剤や、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、同No.95(以上、共栄社化学(株)製)などを挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0093】
界面活性剤の配合量は、(A)重合体100重量部に対して、好ましくは1.0重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。この場合、界面活性剤の配合量が1.0重量部を超えると、膜ムラを生じやすくなる傾向がある。
【0094】
上記保存安定剤としては、例えば、硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン類、ニトロニトロソ化合物などを挙げることができ、より具体的には、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウムなどを挙げることができる。
これらの保存安定剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
保存安定剤の配合量は、(A)重合体100重量部に対して、好ましくは3.0重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。この場合、保存安定剤の配合量が3.0重量部を超えると、感度が低下してパターン形状が劣化するおそれがある。
【0095】
また、上記耐熱性向上剤としては、例えば、N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物、2個以上のエポキシ基を有する化合物などを挙げることができる。
上記N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物としては、例えば、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(i−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N,N−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリルなどを挙げることができる。
これらのN−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物のうち、N,N,N,N−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。
【0096】
上記N−(アルコキシメチル)メラミン化合物としては、例えば、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(i−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミンなどを挙げることができる。
これらのN−(アルコキシメチル)メラミン化合物のうち、N,N,N,N,N,N−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましく、その市販品としては、例えば、ニカラックN−2702、同MW−30M(以上 三和ケミカル(株)製)などを挙げることができる。
【0097】
上記2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
また、2個以上のエポキシ基を有する化合物の市販品としては、例えば、エポライト40E、同100E、同200E、同70P、同200P、同400P、同1500NP、同80MF、同100MF、同1600、同3002、同4000(以上 共栄社化学(株)製)などを挙げることができる。
これらの耐熱性向上剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0098】
感放射線性樹脂組成物の調製
本発明の感放射線性樹脂組成物は、上記の(A)重合体、(B)成分および(C)成分ならびに上記の如き任意的に添加するその他の成分を均一に混合することによって調製される。本発明の感放射線性樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。例えば(A)重合体、(B)成分および(C)成分ならびに任意的に添加されるその他の成分を、所定の割合で混合することにより、溶液状態の感放射線性樹脂組成物を調製することができる。
【0099】
本発明の感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、(A)重合体、(B)成分および(C)成分ならびに任意的に配合されるその他の成分の各成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。
このような溶媒としては、上述した(A)重合体を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様のものを挙げることができる。
【0100】
このような溶媒のうち、各成分の溶解性、各成分との反応性、塗膜形成のし易さなどの点から、例えばアルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、エステルおよびジエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのうち、例えばベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルが特に好ましく使用できる。
【0101】
さらに、上記溶媒とともに膜厚の面内均一性を高めるため、高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。これらのうち、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
【0102】
本発明の感放射性樹脂組成物の溶媒として、高沸点溶媒を併用する場合、その使用量は、溶媒全量に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下とすることができる。高沸点溶媒の使用量がこの使用量を超えると、塗膜の膜厚均一性、感度および残膜率が低下する場合がある。
【0103】
本発明の感放射線性樹脂組成物を溶液状態として調製する場合、溶液中に占める溶媒以外の成分、すなわち(A)重合体、(B)成分および(C)成分ならびに任意的に添加されるその他の成分の合計量の割合は、使用目的や所望の膜厚の値などに応じて任意に設定することができ、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
このようにして調製された組成物溶液は、孔径0.5μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
【0104】
スペーサーの形成方法
次に、本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて本発明のスペーサーを形成する方法について説明する。
本発明のスペーサーの形成方法は、以下の工程を以下に記載の順序で実施することを特徴とするものである。
(1)上記のスペーサー形成用感放射線性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程。
(2)上記被膜の少なくとも一部に放射線を露光する工程。
(3)露光後の被膜を現像する工程。
(4)現像後の被膜を加熱する工程。
以下、これらの各工程について順次説明する。
【0105】
(1)本発明の感放射線性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程
透明基板の一面に透明導電膜を形成し、該透明導電膜の上に、本発明の感放射線性樹脂組成物の組成物溶液を塗布したのち、塗布面を加熱(プレベーク)することにより、被膜を形成する。
スペーサーの形成に用いられる透明基板としては、例えば、ガラス基板、樹脂基板などを挙げることができ、より具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどのガラス基板;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミドなどのプラスチックからなる樹脂基板を挙げることができる。
透明基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社の登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを挙げることができる。
組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法などの適宜の方法を採用することができ、特にスピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
また、プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常、70〜120℃で1〜15分間程度である。
なお、被膜のプレベーク後の膜厚は、特に限定されないが、通常、0.5〜10μm、好ましくは1.0〜7.0μm程度である。
【0106】
(2)上記被膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程
次いで、形成された被膜の少なくとも一部に放射線を露光する。この場合、被膜の一部に露光する際には、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。
露光に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線などを使用することができる。波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、特に365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。
露光量は、露光される放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI model 356 、OAI Optical Associates Inc. 製)により測定した値として、好ましくは100〜10,000J/m、より好ましくは1,500〜3,000J/mである。
【0107】
(3)現像工程
次いで、露光後の被膜を現像することにより、不要な部分を除去して、所定のパターンを形成する。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの脂肪族1級アミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの脂肪族2級アミン;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミンなどの脂肪族3級アミン;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどの脂環族3級アミン;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリンなどの芳香族3級アミン;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩などのアルカリ性化合物の水溶液を使用することができる。
また、上記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー法などのいずれでもよく、現像時間は、通常、常温で10〜180秒間程度である。
現像後、例えば流水洗浄を30〜90秒間行ったのち、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンが形成される。
【0108】
(4)加熱工程
次いで、得られたパターン(被膜)を、例えばホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、所定温度、例えば100〜160℃で、所定時間、例えばホットプレート上では5〜30分間、オーブン中では30〜180分間、加熱(ポストベーク)することにより、所定のスペーサーを得ることができる。
スペーサーの形成に使用される従来の感放射線性樹脂組成物は、180〜200℃程度以上の温度で加熱処理を行わないと、得られたスペーサーが十分な性能を発揮できなかったが、本発明の感放射線性樹脂組成物は、加熱温度を従来より低温とすることができ、その結果、樹脂基板の黄変や変形を来たすことなく、圧縮強度、液晶配向時のラビング耐性、透明基板との密着性などの諸性能に優れるスペーサーをもたらすことができる。
【0109】
液晶表示素子
本発明の液晶表示素子は、以下の方法により作製される。まず、液晶配向能を有する保護膜が形成された基板を2枚作成し、それぞれの保護膜における液晶配向方向が直交または逆平行となるように、2枚の基板を間隙(セルギャップ)を介して対向させ、2枚の基板の周辺部を本発明のスペーサーを介して貼り合わせ、基板の表面およびスペーサーにより区画されたセルギャップ内に液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された保護膜の液晶配向方向と一致または直交するように貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を得る。
【0110】
上記液晶としては、例えばネマティック型液晶、スメクティック型液晶を挙げることができる。その中でもネマティック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶や商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤などを添加して使用することもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も使用することができる。
【0111】
また、液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることができる。
【実施例】
【0112】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる共重合体の分子量の測定>
装置:GPC−101(昭和電工(株)製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803およびGPC−KF−804を結合
移動相:リン酸0.5重量%を含むテトラヒドロフラン
【0113】
(A)重合体の合成例
合成例1〜20
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2重量部、分子量制御剤として上記式(3)〜(22)のそれぞれで表される化合物を表1に示す量およびジエチレングリコールジメチルエーテル200重量部を仕込み、引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸17重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート18重量部およびメタクリル酸グリシジル45重量部を仕込んで、窒素置換したのち、ゆるやかに攪拌しつつ、反応溶液を80℃に昇温し、この温度を保持して6時間重合した。その後、反応溶液を100℃に昇温して、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1重量部を追加し、さらに1時間重合を継続することにより、表1に示す重合体(A−1)〜重合体(A−20)の各溶液を得た。得られた各重合体の固形分、MwおよびMw/Mnの値を測定したところ、表1に示すとおりであった。
【0114】
比較合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5重量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル220重量部を仕込み、引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸17重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート18重量部およびメタクリル酸グリシジル45重量部を仕込んで、窒素置換したのち、ゆるやかに攪拌しつつ反応溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持して重合することにより、重合体(a−1)を含む重合体溶液を得た。重合体(a−1)のMwは13,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.4であった。重合体溶液の固形分濃度は29.5重量%であった。







【0115】
【表1】


【0116】
実施例1〜20および比較例1
(I)感放射線性樹脂組成物の調製
上記合成例の(A)重合体、下記(B)成分および下記(C)成分、さらに、接着助剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5重量部、界面活性剤としてFTX−218(商品名、(株)ネオス製)0.5重量部、保存安定剤として4−メトキシフェノール0.5重量部を混合し、固形分濃度が30重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解したのち、孔径0.5μmのミリポアフィルタでろ過して、組成物溶液を調製した。各成分の量を表2に示す。
【0117】
(B)成分
B−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(C)成分
C−1:2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
C−2:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
C−3:2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン
C−4:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
(感放射線増感剤)
D−1:4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン
D−2:2−メルカプトベンゾチアゾール
D−3:ペンタエリスリトールテトラ(メルカプトアセテート)
【0118】
評価
上記に示すように調製した組成物の評価を以下のように実施した。評価結果を表3に示す。
【0119】
(II)スペーサーの形成
無アルカリガラス基板上にスピンナーを用いて、上記組成物溶液を塗布したのち、90℃のホットプレート上で3分間プレベークして、膜厚6.0μmの被膜を形成した。
次いで、得られた被膜に、10μm角の残しパターンを有するフォトマスクを介して、365nmにおける強度が250W/mの紫外線を10秒間露光した。その後、水酸化カリウムの0.05重量%水溶液により、25℃で60秒間現像したのち、純水で1分間洗浄した。その後、オーブン中、150℃で120分間ポストベークすることにより、所定パターンのスペーサーを形成した。
【0120】
(III)解像度の評価
上記(II)でパターンを形成したとき、残しパターンが解像できている場合を良好(○)、解像できていない場合を不良(×)として評価した。評価結果を表3に示す。
【0121】
(IV)感度の評価
上記(II)で得たパターンについて、現像後の残膜率(現像後の膜厚×100/初期膜厚)が90%以上の場合を良好(○)、90%未満の場合を不良(×)として評価した。評価結果を表3に示す。
【0122】
(V)パターン形状の評価
上記(II)で得たパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察し、図1に示すA〜Dのいずれに該当するかにより評価した。このとき、AあるいはBのように、パターンエッジが順テーパー状あるいは垂直状である場合は、スペーサーとしてのパターン形状が良好といえる。これに対して、Cに示すように、感度が不十分で残膜率が低く、断面寸法がAおよびBに比較して小さくなり、断面形状の底面が平面の半凸レンズ状である場合は、スペーサーとしてのパターン形状が不良であり、またDに示すように、断面形状が逆テーパ状である場合も、後のラビング処理時にパターンが剥がれるおそれが非常に大きいことから、スペーサーとしてのパターン形状を不良とした。評価結果を表3に示す。
【0123】
(VI) 圧縮強度の評価
上記(II)で得たパターンについて、微小圧縮試験機(MCTM−200、(株)島津製作所製)を用い、直径50μmの平面圧子により、10mNの荷重を加えたときの変形量を、測定温度23℃で測定した。この値が0.5以下のとき、圧縮強度は良好といえる。評価結果を表3に示す。
【0124】
(VII)ラビング耐性の評価
上記(II)で得たパターンを形成した基板に、液晶配向剤としてAL3046(商品名、JSR(株)製)を液晶配向膜塗布用印刷機に用いて塗布したのち、180℃で1時間乾燥して、乾燥膜厚0.05μmの配向剤の塗膜を形成した。その後、この塗膜に、ポリアミド製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用い、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒として、ラビング処理を行った。このとき、パターンの削れや剥がれの有無を評価した。評価結果を表3に示す。
【0125】
(VIII) 密着性の評価
残しパターンのマスクを使用しなかった以外は、上記(II)と同様に実施して、硬化膜を形成した。その後、JIS K−5400(1900)8.5の付着性試験のうち、8.5・2の碁盤目テープ法により評価した。このとき、100個の碁盤目のうち残った碁盤目の数を表3に示す。
【0126】
(IX)昇華物の評価
シリコン基板上に、スピンナーを用いて、上記組成物溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製、PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/mとなるように露光し、このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜の上方に1センチ間隔を空けて冷却用ベアシリコンウエハを装着して、ホットプレート上にて230℃で1時間加温処理を行った。冷却用ベアシリコンウエハを交換せずに、上記硬化膜を別途形成したシリコン基板を20枚連続で処理したのち、ベアシリコンに付着している昇華物の有無を目視で検証した。昇華物が確認されなかったとき昇華物評価は良好といえる。
【0127】
【表2】
























【0128】
【表3】


【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】スペーサーの断面形状を例示する模式図である。




 

 


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